JPH08279154A - 情報の記録方法および情報記録再生装置 - Google Patents

情報の記録方法および情報記録再生装置

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JPH08279154A
JPH08279154A JP7080349A JP8034995A JPH08279154A JP H08279154 A JPH08279154 A JP H08279154A JP 7080349 A JP7080349 A JP 7080349A JP 8034995 A JP8034995 A JP 8034995A JP H08279154 A JPH08279154 A JP H08279154A
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JP7080349A
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Inventor
Yasushi Miyauchi
靖 宮内
Motoyasu Terao
元康 寺尾
Akemi Hirotsune
朱美 廣常
Hiroyuki Minemura
浩行 峯邑
Tetsuya Fushimi
哲也 伏見
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 情報記録媒体の記録感度の変動やその環境温
度の変動があっても、最適な状態で情報を記録できるよ
うにする。 【構成】 使用する信号変調方式における最短記録符号
である1T符号と、その最短記録符号の10倍の長さを
持つ最長記録符号である10T符号とを情報記録媒体に
記録する。記録された1T符号と10T符号を再生し
て、それら両符号に対応する二つの再生信号を得る。1
T符号の再生信号の振幅1Tと10T符号の再生信号の
振幅10Tの比(10T/1T)が0.6〜1.0の範
囲の所定値に一致する時のレーザ光パワー値Pw1を検
出し、その検出されたパワー値をレーザ光の最適な記録
パワー値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザ光等の記録用
エネルギービームによって、アナログ情報(たとえば映
像や音声などのアナログ符号をFM変調して得たもの)
や、ディジタル情報(たとえば電子計算機のデータや、
ファクシミリ信号やディジタルオーディオ信号など)
を、リアルタイムで記録することが可能な情報の記録方
法と、その方法に使用する情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の多種多様化、情報量の増加
に伴い、ユーザが情報を記録/書き換えできる大容量の
書き換え可能形の光ディスクの需要が高まっている。そ
こで、この需要に対応すべく、各種研究機関において光
ディスクの高記録密度化が活発に検討されている。
【0003】高記録密度化のための方策の一つとして、
記録マークの両端(エッジ)に情報を持たせる「マーク
エッジ記録」が採用されつつある。この「マークエッジ
記録」では、トラック方向に細長い記録マークを記録層
に形成するので、熱伝導による余熱効果により、レーザ
光に後に照射される場所ほど温度が高くなる。その結
果、記録層に形成される記録マークはその後端に近くな
るほど記録マークの幅が広くなり、「涙滴状」となる。
このような記録マークから情報を再生すると、記録信号
に正確に対応した再生信号が得られないなどの問題があ
る。
【0004】そこで、この問題を解消するため、従来よ
り次のような方法が開発されている。第1の方法は、特
開昭63−25830号公報に開示されているもので、
長さの異なる記録符号のそれぞれに対して、それらの長
さに比例した数だけレーザ光の基本パルス(一定長さ)
を繰り返し記録層に照射するものである。この方法で
は、各長さの記録符号が、基本パルスに対応するスポッ
ト状記録マークの連続した列によって形成されるので、
長い記録符号に対応する記録マークであっても涙滴状に
ならなくなる。この方法では、一つの記録符号にスポッ
ト状記録マークの列が対応する。
【0005】第2の方法は、特開平1−150230号
公報に開示されているもので、記録符号に対応するレー
ザ光パルスを分割して二つ以上のパルス列により構成
し、そのパルス列に対応するレーザ光エネルギーを記録
マークの後部に近づくにしたがって小さくするというも
のである。この方法では、一つの記録符号に一つの記録
マークが対応する。
【0006】これらの改良により、涙滴状の記録マーク
の形成が防止される。また、「マークエッジ記録」にお
いて再生信号のジッターを減少させることができ、記録
信号に正確に対応した再生信号を得ることが可能とな
る。
【0007】なお、その他の関連する従来技術として、
特開平6−195716号公報に開示された「光ディス
ク装置の記録パワーの設定方法」がある。これは、光デ
ィスク装置の最適な記録パワーを精度良く求めることを
目的とし、前後それぞれ2nT(nは正の整数、Tは記
録信号のクロック周期)以上の消去レベルに囲まれた1
nTの記録レベル信号と、前後それぞれ2nT以上の記
録レベルに囲まれた1nTの消去レベル信号の繰り返し
からなるNRZデータを記録し、1nTの記録レベル信
号に対応した再生信号の振幅Vaと、1nTの消去レベ
ル信号に対応した再生信号の振幅Vbを、複数の異なる
記録パワーに対して測定し、測定した各記録パワーでの
VaとVbの大小関係から、最適な記録パワーを求めるも
のである
【0008】。
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術のう
ち、一つの記録符号にスポット状記録マークの列を対応
させた特開昭63−25830号公報に開示された方法
では、スポット状記録マークが小さいために、相変化型
光ディスクにおける記録層の多数回の書き換えによる物
質移動は抑制されるものの、最適と思われるレーザパワ
ーに設定して記録しても、製造時のバラツキによって光
ディスクの記録感度が高くなった場合や、周囲温度の変
動等によって記録パワー自体が大きくなった場合には、
隣接するスポット状記録マーク同志が重なってしまい、
その結果、記録層の物質移動が生じてしまうという問題
がある。
【0009】逆に、光ディスクの記録感度が低い場合や
記録パワーが小さくなった場合には、急激に再生信号レ
ベルが低下して読み出しエラーが増加してしまうという
問題がある。
【0010】また、一つの記録符号に対して一つの記録
マークを対応させた特開平1−150230号公報に開
示された方法では、記録マークが長い変調方式の場合
に、多数回書き換えを行なうとレーザ光スポット内の温
度分布の非対称性に起因する記録層の物質移動(流動)
が生じやすくなり、その結果、S/Nが低下するという
問題がある。
【0011】特開平6−195716号公報に開示され
た方法では、前後それぞれ2nT以上の消去レベルに囲
まれた1nTの記録レベル信号と、前後それぞれ2nT
以上の記録レベルに囲まれた1nTの消去レベル信号の
繰り返しからなるNRZデータに限定されるという問題
がある。
【0012】そこで、この発明の目的は、情報記録媒体
の記録感度の変動やその環境温度の変動があっても、最
適な状態で情報を記録できる情報の記録方法および装置
を提供することにある。
【0013】この発明の他の目的は、相変化型の情報記
録媒体において、多数回書き換えによる記録層の物質移
動を防止して最適な状態で情報を記録できる情報の記録
方法および装置を提供することにある。
【0014】この発明のさらに他の目的は、情報記録媒
体から得た再生信号波形の中心レベルのゆらぎを防止で
きる情報の記録方法および装置を提供することにある。
【0015】この発明のさらに他の目的は、マークエッ
ジ記録において再生信号のジッターを抑制できる情報の
記録方法および装置を提供することにある。
【0016】この発明のさらに他の目的は、記録に使用
する変調方式に対応した記録波形を用いて最適な記録条
件を検出できる情報の記録方法および装置を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の第1の情報の記録方法は、所定の信
号変調方式により変調したエネルギービームの照射によ
って情報記録媒体に情報を記録する方法において、前記
エネルギービームの最適な記録パワーを求める試し書き
動作を含み、その試し書き動作は、前記エネルギービー
ムのパワーを複数の異なる値に設定して、前記信号変調
方式における最短あるいはそれに近い長さの第1記録符
号と、前記第1記録符号のn倍(nは2以上の正の整
数)あるいはそれに近い長さの第2記録符号とを前記情
報記録媒体に記録する工程と、前記情報記録媒体に記録
された前記第1記録符号と前記第2記録符号とを再生し
て、前記第1記録符号に対応する第1再生信号と前記第
2記録符号に対応する第2再生信号とを得る工程と、前
記第1再生信号の振幅と前記第2再生信号の振幅との比
が所定値となる場合の前記エネルギービームのパワー値
を検出し、その検出されたパワー値に基づいて前記エネ
ルギービームの最適な記録パワー値を決定する工程とを
備えていることを特徴とする。
【0018】前記エネルギービームの最適な記録パワー
値は、前記第2再生信号の振幅と前記第1再生信号の振
幅との比が所定値となる場合のパワー値に等しくしても
よいし、前記第2再生信号の振幅と前記第1再生信号の
振幅との比が所定値となる場合のパワー値から所定値だ
けずれた値としてもよい。
【0019】前記第1再生信号の振幅をA1、前記第2
再生信号の振幅をA2とすると、それら振幅の比(A2
/A1)の所定値は0.6以上、1.0以下の範囲内に
あるのが好ましく、0.7以上、0.9以下の範囲内に
あるのがより好ましい。
【0020】0.6未満であれば、記録マーク間の距離
が長くなり、再生信号電圧が極端に低くなってC/Nが
悪くなるからであり、1.0を越えると、記録マーク同
士が近接または接触してしまい、多数回オーバーライト
時に記録層の流動が生じる恐れがあるからである。ま
た、0.7以上、0.9以下の範囲であれば、大きなC
/Nが得られ、多数回オーバーライト時に記録層の流動
が生じる恐れがない。
【0021】前記第2記録符号が複数の基本パルスの列
から構成され、且つそれら基本パルス列により前記情報
記録媒体に形成されるスポット状マークが、前記第2再
生信号では1つのパルス波形として検出されるように、
前記エネルギービームのパワーの所定値を設定するのが
好ましい。この場合、前記第2記録符号が長くなって
も、記録マークが涙滴状にならない利点がある。
【0022】前記情報記録媒体がオーバーライト可能で
あり、前記第1記録符号に対応する記録パルスが、記録
パワーレベルに保持される第1期間と、それに続く消去
パワーレベルよりも低いパワーレベルに保持される第2
期間とを含んでいるのが好ましい。この場合、急冷効果
により記録マークが確実に形成されるという利点が得ら
れる。
【0023】前記試し書き動作は、少なくとも前記情報
記録媒体についての記録動作の開始時および前記情報記
録媒体の交換時に実施されるのが好ましい。これらの場
合に最適な記録パワー値を検出する必要性が高いからで
ある。
【0024】前記情報記録媒体は、多数回書き換えによ
る再生信号のレベル変化を検出するためのモニター領域
を有しているのが好ましい。この場合、情報を記録する
前に前記モニター領域に前記第1記録符号を記録してか
ら再生し、得られた再生信号のレベルが所定範囲から外
れていれば前記試し書き動作を行なうようにする。こう
すれば、前記試し書き動作が必要か否かを容易に判定で
き、しかも必要時にのみ前記試し書き動作を行なうよう
にできる利点がある。
【0025】前記第2記録符号としては、前記信号変調
方式における最長記録符号を用いるのが好ましい。記録
マーク長が長いほど多数回オーバーライト時の記録層の
流動が生じやすいため、この最長記録符号に対応する記
録マークで試し書きを行なって最適パワーを求めれば、
記録層の流動を確実に防止できるからである。
【0026】また、この場合、最短記録符号以外の記録
符号は、それらの長さに比例した数だけ前記信号変調方
式における最短記録符号を繰り返して形成するのが好ま
しい。簡単な回路で記録できるようになるからである。
【0027】(2) この発明の第2の情報の記録方法
は、所定の信号変調方式により変調したエネルギービー
ムの照射によって情報記録媒体に情報を記録する方法に
おいて、前記エネルギービームの最適な記録パワーを求
める試し書き動作を含み、その試し書き動作は、前記エ
ネルギービームのパワーを複数の異なる値に設定して、
前記信号変調方式における最短あるいはそれに近い長さ
の第1記録符号の繰り返しからなる第1記録波形と、前
記第1記録符号のn倍(nは2以上の正の整数)あるい
はそれに近い長さの第2記録符号の繰り返しからなる第
2記録波形とを前記情報記録媒体に記録する工程と、前
記情報記録媒体に記録された前記第1記録波形と前記第
2記録波形とを再生して、前記第1記録波形に対応する
第1再生信号波形と前記第2記録波形に対応する第2再
生信号波形とを得る工程と、前記第1再生信号波形の中
心レベルと前記第2再生信号波形の中心レベルとを比較
して、それらの中心レベルがほぼ一致するパワー値を検
出し、その検出されたパワー値に基づいて前記エネルギ
ービームの最適な記録パワー値を決定する工程とを備え
ていることを特徴とする。
【0028】前記第1再生信号波形の中心レベルと前記
第2再生信号波形の中心レベルとがほぼ一致するパワー
値を、前記エネルギービームの最適な記録パワー値とす
るのが好ましい。
【0029】前記第1再生信号波形の中心レベルと前記
第2再生信号波形の中心レベルとが完全に一致するのが
最も好ましいが、それら中心レベルの電圧差が前記第2
再生信号波形の未記録部の電圧に対する電圧差の±5%
以内にあれば、実用上十分な効果が得られる。
【0030】この発明の第2の情報の記録方法において
も、前記試し書き動作は、少なくとも前記情報記録媒体
についての記録動作の開始時および前記情報記録媒体の
交換時に実施されるのが好ましい。これらの場合に最適
な記録パワー値を検出する必要性が高いからである。
【0031】前記情報記録媒体は、多数回書き換えによ
る再生信号のレベル変化を検出するためのモニター領域
を有しているのが好ましい。この場合、情報を記録する
前に前記モニター領域に前記第1記録波形を記録してか
ら再生し、得られた再生信号のレベルが所定範囲から外
れていれば前記試し書き動作を行なうようにする。こう
すれば、前記試し書き動作が必要か否かを容易に判定で
き、しかも必要時にのみ前記試し書き動作を行なうよう
にできる利点がある。
【0032】前記第1記録符号波形としては、前記信号
変調方式における最短記録符号の繰り返しからなる最密
パターンを用い、前記第2記録符号波形としては、前記
信号変調方式における最長記録符号の繰り返しからなる
最疎パターンを用いるのが好ましい。前記第1記録符号
波形の最適な記録パワー値がより確実に得られるからで
ある。
【0033】前記情報記録媒体がオーバーライト可能で
あり、前記第1記録符号に対応する記録パルスが、記録
パワーレベルに保持される第1期間と、それに続く消去
パワーレベルよりも低いパワーレベルに保持される第2
期間とを含んでいるのが好ましい。この場合、急冷効果
により記録マークを確実に形成できるからである。
【0034】(3) この発明の第3の情報の記録方法
は、所定の信号変調方式により変調したエネルギービー
ムの照射によって情報記録媒体に情報を記録する方法に
おいて、前記エネルギービームの最適な記録パワーを求
める試し書き動作を含み、その試し書き動作は、前記信
号変調方式における最短記録符号の繰り返しからなり、
且つ、高低両レベルのピークが所定の高パワーレベルと
低パワーレベルにそれぞれ等しい中間部と、高レベル側
のピークが前記所定の高パワーレベルとは異なる前端部
と、低レベル側のピークが前記所定の低パワーレベルと
は異なる後端部とを含んで構成される記録波形を生成す
る工程と、前記記録波形の前端部および後端部における
前記エネルギービームのパワー値を複数の異なる値にそ
れぞれ設定して、その記録波形を前記情報記録媒体に記
録する工程と、前記情報記録媒体に記録された前記記録
波形を再生して再生信号波形を得る工程と、前記再生信
号波形の前端および後端の位置を比較し、その前端の位
置のずれがほぼ最小となる場合の前記記録波形の前端部
のパワー値をその前端部における前記エネルギービーム
の最適な記録パワー値とし、その後端の位置のずれがほ
ぼ最小となる場合の前記記録波形の後端部のパワー値を
その後端部における前記エネルギービームの最適な記録
パワー値とする工程とを備えていることを特徴とする。
【0035】前記記録波形は、前記信号変調方式におけ
る最長記録符号に対応するものであるのが好ましい。こ
の最長記録符号に対応する記録マークで試し書きを行な
って最適パワーを求めれば、記録層の流動を確実に防止
できるからである。
【0036】前記情報記録媒体がオーバーライト可能で
あり、前記最短記録符号に対応する記録パルスが、記録
パワーレベルに保持される第1期間と、それに続く消去
パワーレベルよりも低いパワーレベルに保持される第2
期間とを含んでいるのが好ましい。記録マークを確実に
形成できるからである。
【0037】(4) この発明の第4の情報の記録方法
は、所定の信号変調方式により変調したエネルギービー
ムの照射によって情報記録媒体に情報を記録する方法に
おいて、前記情報記録媒体として、照射される前記エネ
ルギービームのパワーに応じて多数回書き換えによる再
生信号波形の歪の方向が異なる性質を持つ情報記録媒体
を使用し、前記情報記録媒体に対する試し書きにより、
前記再生信号波形の歪がほぼ最小となる前記エネルギー
ビームの最適なパワー値を求め、そのパワー値で前記情
報記録媒体に情報を記録することを特徴とする。
【0038】前記情報記録媒体に対する試し書きとして
は、好ましくは、この発明の第1の情報の記録方法を適
用できる。すなわち、この試し書き動作は、前記エネル
ギービームのパワーを複数の異なる値に設定して、前記
信号変調方式における最短あるいはそれに近い長さの第
1記録符号と、前記第1記録符号のn倍(nは2以上の
正の整数)あるいはそれに近い長さの第2記録符号とを
前記情報記録媒体に記録する工程と、前記情報記録媒体
に記録された前記第1記録符号と前記第2記録符号とを
再生して、前記第1記録符号に対応する第1再生信号と
前記第2記録符号に対応する第2再生信号とを得る工程
と、前記第1再生信号の振幅と前記第2再生信号の振幅
との比が所定値となる場合の前記エネルギービームのパ
ワー値を検出し、その検出されたパワー値に基づいて前
記エネルギービームの最適な記録パワー値を決定する工
程とを備えている。
【0039】この試し書き動作を行なう場合、前記情報
記録媒体にある線速度で単一周波数(duty:40〜
60%、パルス分割なし)で情報を記録したときに、2
次高調波が最小となるまたは消去比が最大となる前記エ
ネルギービームのパワー値を求めておき、そのパワー値
と前記試し書きで求めた前記エネルギービームの最適な
記録パワー値との差を前記情報記録媒体に記録しておく
のが好ましい。こうすれば、試し書き動作を行なうだけ
で、所望の情報記録媒体の最適な記録パワーを直ちに求
めることができるからである。
【0040】また、dutyが40〜60%、パルス分
割なしとするのは、2次高調波が最小となるパワー値を
求めやすくするためである。
【0041】前記パワー値の差は、前記情報記録媒体の
コントロールトラックに記録されているのが好ましい。
こうすることにより、確実にまた瞬時に最適な記録パワ
ーを求めることができるからである。
【0042】前記試し書き動作で求めた多数回書き換え
により再生信号波形の歪みがほぼ最小となるパワー値
と、2次高調波最小または消去比最大となる前記パワー
値とが、ほぼ同じであるのが好ましい。これにより、予
めコントロールトラックにパワー値を記録しておく必要
がなくなるからである。
【0043】(5) この発明の第1の情報の記録再生
装置は、所定の信号変調方式により変調したエネルギー
ビームの照射によって情報記録媒体に情報を記録する情
報記録再生装置であって、前記エネルギービームの最適
な記録パワーを求めるための試し書き動作を行なう試し
書き手段を含み、その試し書き手段は、前記エネルギー
ビームのパワーを複数の異なる値に設定して、前記信号
変調方式における最短あるいはそれに近い長さの第1記
録符号と、前記第1記録符号のn倍(nは2以上の正の
整数)あるいはそれに近い長さの第2記録符号とを前記
情報記録媒体に記録する手段と、前記情報記録媒体に記
録された前記第1記録符号と前記第2記録符号とを再生
して、前記第1記録符号に対応する第1再生信号と前記
第2記録符号に対応する第2再生信号とを得る手段と、
前記第1再生信号の振幅と前記第2再生信号の振幅との
比が所定値となる場合の前記エネルギービームのパワー
値を検出し、その検出されたパワー値に基づいて前記エ
ネルギービームの最適な記録パワー値を決定する手段と
を備えていることを特徴とする。
【0044】(6) この発明の第2の情報の記録再生
装置は、所定の信号変調方式により変調したエネルギー
ビームの照射によって情報記録媒体に情報を記録する情
報記録再生装置であって、前記エネルギービームの最適
な記録パワーを求めるための試し書き動作を行なう試し
書き手段を含み、その試し書き手段は、前記エネルギー
ビームのパワーを複数の異なる値に設定して、前記信号
変調方式における最短あるいはそれに近い長さの第1記
録符号の繰り返しからなる第1記録波形と、前記第1記
録符号のn倍(nは2以上の正の整数)あるいはそれに
近い長さの第2記録符号の繰り返しからなる第2記録波
形とを前記情報記録媒体に記録する手段と、前記情報記
録媒体に記録された前記第1記録波形と前記第2記録波
形とを再生して、前記第1記録波形に対応する第1再生
信号波形と前記第2記録波形に対応する第2再生信号波
形とを得る手段と、前記第1再生信号波形の中心レベル
と前記第2再生信号波形の中心レベルとを比較して、そ
れらの中心レベルがほぼ一致するパワー値を検出し、そ
の検出されたパワー値に基づいて前記エネルギービーム
の最適な記録パワー値を決定する手段とを備えているこ
とを特徴とする。
【0045】(7) この発明の第3の情報の記録再生
装置は、所定の信号変調方式により変調したエネルギー
ビームの照射によって情報記録媒体に情報を記録する情
報記録再生装置であって、前記エネルギービームの最適
な記録パワーを求めるための試し書き動作を行なう試し
書き手段を含み、その試し書き手段は、前記信号変調方
式における最短記録符号の繰り返しからなり、且つ、高
低両レベルのピークが所定の高パワーレベルと低パワー
レベルにそれぞれ等しい中間部と、高レベル側のピーク
が前記所定の高パワーレベルとは異なる前端部と、低レ
ベル側のピークが前記所定の低パワーレベルとは異なる
後端部とを含んで構成される記録波形を生成する手段
と、前記記録波形の前端部および後端部における前記エ
ネルギービームのパワー値を複数の異なる値にそれぞれ
設定して、その記録波形を前記情報記録媒体に記録する
手段と、前記情報記録媒体に記録された前記記録波形を
再生して再生信号波形を得る手段と、前記再生信号波形
の前端および後端の位置を比較し、その前端の位置のず
れがほぼ最小となる場合の前記記録波形の前端部のパワ
ー値をその前端部における前記エネルギービームの最適
な記録パワー値とし、その後端の位置のずれがほぼ最小
となる場合の前記記録波形の後端部のパワー値をその後
端部における前記エネルギービームの最適な記録パワー
値とする手段とを備えていることを特徴とする。
【0046】(8) この発明の第4の情報の記録再生
装置は、所定の信号変調方式により変調したエネルギー
ビームの照射によって情報記録媒体に情報を記録する情
報記録再生装置であって、前記情報記録媒体として、照
射される前記エネルギービームのパワーに応じて多数回
書き換えによる再生信号波形の歪の方向が異なる性質を
持つ情報記録媒体が使用され、前記記録再生装置は、前
記エネルギービームの最適な記録パワーを求めるための
試し書き動作を行なう試し書き手段を含み、その試し書
き手段による前記情報記録媒体に対する試し書きによ
り、前記再生信号波形の歪がほぼ最小となる前記エネル
ギービームの最適なパワー値を求め、そのパワー値で前
記情報記録媒体に情報を記録するようにしたことを特徴
とする。
【0047】(9) この発明の第1の情報の記録方法
についてさらに説明すると、次の通りである。
【0048】一つの記録符号に対して隣接する複数の記
録マーク、すなわち記録マーク列が対応している場合
(たとえば、特開昭63−25830号公報に記載の方
法の場合)、周囲温度の変動などによってエネルギービ
ームの記録パワーが最適値よりも高くなると、情報記録
媒体の記録層において、ある記録マークを形成するため
に溶融する領域がそれに隣接する次の記録マークを形成
するために溶融する領域と重なるようになる。このた
め、隣接する記録マークが順送りに重なって、広範囲の
物質移動が生じる可能性がある。
【0049】この場合、記録マーク列の各記録マーク同
志も重なっている場合が多いが、情報記録媒体の記録層
の再結晶化速度が速い場合には、溶融部分の周辺部が急
速に再結晶化して記録マーク(非晶質領域)でなくなる
ため、記録マーク同志が重なっていないこともある。
【0050】逆に、エネルギービームの記録パワーが最
適値よりも低くなると、記録マーク列の各記録マークの
直径が小さくなってしまい、再生信号のジッターが増大
したりS/Nが劣化したりする可能性がある。
【0051】そこで、再生信号のS/Nの低下を防止し
ながら、情報記録媒体の記録層が溶融する領域が重なら
ないように、照射するエネルギービームのパワーすなわ
ち記録パワーを最適値に設定することが必要である。
【0052】この発明の第1の情報の記録方法では、エ
ネルギービームの記録パワーの最適値を求めるために、
エネルギービームの信号変調方式における最短の記録符
号あるいはそれに近い長さの「第1記録符号」と、前記
最短記録符号のn倍(nは2以上の正の整数)あるいは
それに近い長さの「第2記録符号」とを用いる。これら
第1記録符号および第2記録符号を、エネルギービーム
の記録パワーを変えて情報記録媒体に記録した後、それ
らを再生して第1記録符号に対応する第1再生信号と第
2記録符号に対応する第2再生信号を得る。そして、第
1再生信号振幅と第2再生信号振幅の比が記録パワーに
よってどのように変化するかを調査し、この振幅比が所
定の値に一致する記録パワーを求めて、その記録パワー
値を最適値とする。
【0053】(10) 図1(a)は、「第1記録符
号」および「第2記録符号」として使用するレーザパワ
ーの記録信号波形を示し、図1(b)は、図1(a)の
「第1記録符号」および「第2記録符号」により記録層
に形成される記録マークを示し、図1(c)は、図1
(b)の記録マークより再生される再生信号波形を示
す。
【0054】図1(b)より明らかなように、最短記録
符号に対応する記録マークは光学的に孤立している。ま
た、最長記録符号に対応する記録マーク列は光学的に分
解不能であり、その結果、図1(c)に示すように、単
一の記録符号として再生される。
【0055】図1では、最短記録符号が「1T符号」
(Tは最小反転周期)であり、最長記録符号が「10T
符号」(n=10)である信号変調方式の場合を示して
いる。「1T符号」は、記録パワーを0.5Tの間、高
パワーレベルPw1(記録パワーレベルに等しい)に保
持した後、0.5Tの間、低パワーレベルPw2(再生
パワーレベルPrに等しい)に保持する。
【0056】ここでは、高パワーレベルPw1の保持時
間tPW1と低パワーレベルPw2の保持時間tPW2は同じ
である。換言すれば、高パワーレベルPw1の保持時間
PW1と低パワーレベルPw2の保持時間tPW2との比
(tPW1/tPW2)は、(1/1)である。しかし、比
(tPW1/tPW2)は(1/1)である必要はない。比
(tPW1/tPW2)の好ましい範囲は(1/0.2)〜
(0.3/1)である。この範囲にあれば、記録マーク
を確実に形成できるからである。
【0057】「10T符号」は、10個の同じパターン
の繰り返しからなっている。各パターンは「1T符号」
と同様であり、記録パワーを0.5Tの間、高パワーレ
ベルPw1(記録パワーレベルに等しい)に保持した
後、0.5Tの間、低パワーレベルPw2(再生パワー
レベルPrに等しい)に保持するものである。
【0058】ここでは、「1T符号」と「10T符号」
の記録パワーレベルは同じ値Pw1に設定してあるが、
それらのパワーレベルは異なってもよい。
【0059】中間パワーレベルPw3は、消去パワーレ
ベルを示している。この消去パワーレベルは、消去比が
25dB以上となる消去パワーマージンのほぼ中心のパ
ワーで表わされ、高パワーレベルPw1の(1/2)に
近い値になる場合が多い。
【0060】低パワーレベルPw2は、再生パワーレベ
ルと同じである必要はなく、消去パワーレベルPw3よ
りも低い値に設定すればよい。消去パワーレベルと再生
パワーレベルの間の中央値よりも再生パワーレベルに近
い値に設定する方が、記録層の急冷効果が出て好まし
い。場合によっては、低パワーレベルPw2をゼロレベ
ルに設定してもよい。
【0061】なお、図1では、説明の簡単化のため、そ
れぞれ1個の「1T符号」と「10T符号」のみを示し
ているが、それぞれ複数個の「1T符号」と「10T符
号」を用いてもよいことは勿論である。この場合、それ
ら複数個の「1T符号」と「10T符号」から得られた
値の平均を求めるのが好ましい。特異な場合を避けられ
るからである。
【0062】(11) 図1(a)に示した波形を持つ
記録信号を情報記録媒体に記録すると、図1(c)に示
した再生信号波形が得られる。最短記録符号である「1
T符号」に対応して第1再生信号が得られ、最長記録符
号である「10T符号」に対応して第2再生信号が得ら
れる。図1(c)において、第1再生信号の振幅(記録
状態と消去状態における再生信号電圧の差)は(1T)
であり、第2再生信号の振幅は(10T)である。
【0063】ここでは、「10T符号」に対して複数の
記録マークを形成しているが、これらの記録マークは互
いに近接して形成されているため、読み出し用のレーザ
スポットで再生しても分解できず、一個の長いマークに
対応した再生信号と同様な波形で再生される。
【0064】これら第1再生信号および第2再生信号を
用い、第1再生信号の振幅(10T)の第2再生信号の
振幅(1)Tに対する比(10T/1T)が所定値とな
る記録パワーを求める。そして、求められた記録パワー
のその値、あるいはその値から所定値だけ離れた値を、
最長記録符号すなわち「10T符号」によって記録層の
物質移動が生じない最適な記録パワー値Pw1’とす
る。
【0065】第1再生信号の振幅(10T)の第2再生
信号の振幅(1T)に対する比(10T/1T)は、
0.6以上、1.0以下の範囲内の所定値とする。この
範囲内の記録パワー値であれば、C/Nを比較的大きく
保ちながら記録層の物質移動を防止できるからである。
【0066】振幅比(10T/1T)が0.7以上、
0.9以下の範囲内にある記録パワー値がより好まし
い。0.7未満であれば、安定に記録マークが形成され
ないためC/Nが低下し、0.9を越えると、記録マー
ク同士が重なり合って、多数回オーバーライト時に記録
層の流動が生じる恐れがあるからである。
【0067】ここで、記録層の再結晶化速度が速い場合
には、記録層の溶融した部分が冷却する間に再結晶化
し、最終的に形成される記録マーク径が小さくなる。特
に、記録マークが近接して配置される「10T符号」で
は、各記録マークの幅が狭くなり、振幅比(10T/1
T)の値が小さく(例えば0.6に近く)なる。
【0068】逆に、記録層の再結晶化速度が遅い場合に
は、記録層の溶融した部分が冷却する間には再結晶化し
にくいため、最終的に形成される記録マーク径は「1T
符号」と「10T符号」とで大きな差がなくなる。よっ
て、振幅比(10T/1T)の値は1.0に近づく。
【0069】記録パワーがさらに高くなると、「10T
符号」の各記録マークが重なり合って記録マークの幅が
広くなるため、振幅比(10T/1T)の値は1よりも
大きくなる。
【0070】消去パワーレベルPw3は、記録パワーレ
ベルPw1の(1/2)に近い値とするのが好ましい。
消去パワーレベルPw3が消去パワーマージンのほぼ中
心となるからである。
【0071】また、消去パワーレベルPw3から立ち下
げたパワーPw2は、再生パワーレベルPrと同じ値に
しているが、これは冷却速度を速くして、確実に記録マ
ークを形成するためである。
【0072】情報記録媒体の構造によっては、パワーP
w2の値をゼロレベルに設定してもよい。こうすれば、
冷却速度をいっそう速くすることができ、記録マークの
形状の制御が容易になるからである。
【0073】ここでは、高パワーレベル(=記録パワー
レベル)Pw1に保持される記録信号の時間(パルス
幅)と、低パワーレベルPw2(=再生パワーレベルP
r)に保持される記録信号の時間(パルス幅)は、それ
ぞれ0.5Tに固定しているが、これらは変化させても
よい。
【0074】(12) 次に、この発明の第2の情報の
記録方法について説明する。この発明の第1の情報の記
録方法によれば、以上のようにして、最長記録符号すな
わち「10T符号」によって記録層の物質移動が生じな
い最適な記録パワーPw1’を求めることができる。こ
の発明の第2の情報の記録方法では、再生信号波形の中
心レベルのゆらぎを防止できる。
【0075】すなわち、この種の情報の記録方法では、
記録マークの大きさや記録マークの密度の違いから、再
生信号波形のある範囲でその中心レベルが大きくゆらぐ
ことがある。その場合、再生信号波形を2値化するため
のスライスレベルのマージンが狭くなるという問題が生
じる。
【0076】そこで、記録信号が、最密または最密に近
い第1記録波形(最短またはそれより少し長い記録符号
の繰り返しから構成される)と、最粗または最粗に近い
記録波形(最長またはそれより少し短い記録符号の繰り
返しから構成される)とを含む場合、再生信号波形の平
均レベルのゆらぎが小さくなる記録パワーを求めること
が必要となる。
【0077】この発明の第2の情報の記録方法では、上
述した第1の情報の記録方法と同様に、エネルギービー
ムの最適な記録パワーを求める試し書き動作を行なう。
【0078】この試し書き動作では、信号変調方式にお
ける最短あるいはそれに近い長さの第1記録符号の繰り
返しからなる「第1記録波形」と、前記第1記録符号の
整数倍あるいはそれに近い長さの第2記録符号の繰り返
しからなる「第2記録波形」とを用いる。これら「第1
記録波形」および「第2記録波形」を所定の記録パワー
で前記情報記録媒体に記録し、その記録された「第1記
録波形」および「第2記録波形」を再生して「第1再生
信号波形」および「第2再生信号波形」を得る。そし
て、それら第1再生信号波形の中心レベルと前記第2再
生信号波形の中心レベルとを比較し、それら中心レベル
がほぼ一致する記録パワーを求めて、その記録パワーを
最適値とする。
【0079】(13) 例えば、図2(a)に示すよう
に、図1に示す最短記録符号である「1T符号」の繰り
返し(1T符号列)からなる最密パターンを、レーザ記
録パワーの「第1記録波形」とし、図1に示す最長記録
符号である「10T符号」の繰り返し(10T符号列)
からなる最粗パターンを、レーザ記録パワーの「第2記
録波形」として用いる。
【0080】これらの「第1記録波形」と「第2記録波
形」を情報記録媒体に記録すると、図2(b)のよう
に、それら記録波形に対応した記録マークが形成され
る。それらの記録マークより、図2(c)のように、
「第1記録波形」と「第2記録波形」にそれぞれ対応し
て、「第1再生信号波形」と「第2再生信号波形」が得
られる。
【0081】「第1記録波形」に対応する「第1再生信
号波形」では、その振幅(peak topeak)の中心レベル
の電圧は、未記録部の電圧に対して(R-1T)の電圧
差を持つ。「第2記録波形」に対応する「第2再生信号
波形」では、その振幅(peakto peak)の中心レベルの
電圧は、未記録部の電圧に対して(R-10T)の電圧
差を持つ。
【0082】「第1再生信号波形」と「第2再生信号波
形」の中心レベルの電圧差ΔVは、 ΔV=(R-1T)−(R10T) で表わされる。そこで、「第1再生信号波形」と「第2
再生信号波形」の中心レベルの電圧がほぼ一致する、換
言すれば、ΔV≒0が成立する記録パワーの値を求めれ
ば、その値から「第1再生信号波形」の最適な記録パワ
ーPw4’を求めることができる。
【0083】「第1再生信号波形」と「第2再生信号波
形」の中心レベルの電圧が完全に一致する(ΔV=0)
のが最も好ましいが、多少ずれてもよい。その範囲は、
「第2再生信号波形」の未記録部の電圧に対する電圧差
(R-10T)の値の±5%以内が好ましい。この範囲
であれば、「第1記録波形」と「第2記録波形」を含む
再生信号波形において、その中心レベルのゆらぎを抑制
することができる。
【0084】なお、「第2記録波形」の記録パワーPw
1は、この発明の第1の情報の記録方法で求めた、記録
層の物質移動が生じない最適なパワー値Pw1’に設定
するのが好ましい。
【0085】この発明の第2の情報の記録方法によれ
ば、以上のようにして、再生信号波形の中心レベルのゆ
らぎを防止できる、最短記録符号すなわち「1T符号」
の最適な記録パワーPw4’を求めることができる。
【0086】(14) 次に、この発明の第3の情報の
記録方法について説明する。この発明の第1および第2
の情報の記録方法によれば、多数回書き換えによる情報
記録媒体の物質移動を防止できると共に、再生信号波形
の平均レベルのゆらぎを抑制できる。しかし、再生信号
のエッジの位置が記録信号に忠実になるように、記録波
形の制御がさらに必要となる場合がある。こうすれば、
各記録符号に対してエッジシフトやジッターを抑制でき
るからである。
【0087】そこで、この発明の第3の情報の記録方法
では、次のような試し書き動作を行なう。
【0088】まず、記録波形として、信号変調方式にお
ける最短の記録符号の繰り返しからなり、且つ、高低両
レベルのピークが所定の高パワーレベルと低パワーレベ
ルにそれぞれ等しい中間部と、高レベル側のピークが前
記所定の高パワーレベルとは異なる前端部と、低レベル
側のピークが前記所定の低パワーレベルとは異なる後端
部とを含んで構成されるものを用いる。この記録波形の
前端部の記録パワーレベルおよび後端部の記録パワーレ
ベルを変えて、その記録波形を所定の記録パワーで前記
情報記録媒体に記録し、その記録された記録波形を再生
して再生信号波形を得る。そして、この再生信号波形の
前端および後端の位置を比較し、その前端の位置のずれ
がほぼ最小となる前記記録波形の前端部の記録パワーを
その前端部の最適値とし、その後端の位置のずれがほぼ
最小となる前記記録波形の後端部の記録パワーをその後
端部の最適値とする。
【0089】(15) 例えば、図3に示すような、図
1に示す最短記録符号である「1T符号」の繰り返し
(1T符号列)からなる最長記録符号である「10T符
号」について、最適な記録波形を求める場合、次のよう
にする。なお、「1T符号」は、記録パワーを0.5T
の間、高パワーレベルPw1(記録パワーレベルに等し
い)に保持した後、0.5Tの間、低パワーレベルPw
2(再生パワーレベルPrに等しい)に保持するもので
ある。
【0090】「10T符号」の中間部は、8個(第2〜
第9)の1T符号の繰り返しからなり、高低両レベルの
ピークが所定の高パワーレベルPw1と低パワーレベル
Pw2にそれぞれ等しい。「10T符号」の前端部すな
わち第1の1T符号は、高レベル側のピークPw5が高
パワーレベルPw1よりも低く、消去レベルPw3より
も高い。「10T符号」の後端部すなわち第10の1T
符号は、低レベル側のピークPw6が低パワーレベルP
w2よりも高く、消去レベルPw3よりも低い。
【0091】そして、高パワーレベルPw1と低パワー
レベルPw2を一定にし、前端部の記録パワーレベルP
w5および後端部の記録パワーレベルPw6を変えなが
ら、情報記録媒体に記録し、その記録された記録波形を
再生して再生信号波形を得る。そして、この再生信号波
形の前端および後端の位置を比較し、その前端の位置の
ずれがほぼ最小となる「10T符号」の前端部の記録パ
ワーPw5’をその前端部の最適値とし、その後端の位
置のずれがほぼ最小となる「10T符号」の後端部の記
録パワーPw6’をその後端部の最適値とする。
【0092】この「10T符号」では、前端部の最適パ
ワーPw5’を高パワーレベルPw1よりも低い値にし
ている。これは、「10T符号」の前端部では、記録パ
ワーを消去パワーレベルPw3から立ちあげているの
で、これに対応して形成される記録マークの前端部にお
いて記録層の温度が比較的上昇しやすいためである。高
パワーレベルPw1まで立ちあげると、記録マーク幅の
前端が広くなり過ぎる可能性がある。
【0093】この「10T符号」ではまた、後端部の最
適パワーPw6’を低パワーレベルPw2よりも高い値
にしている。これは、記録層の再結晶化速度の程度や熱
伝導率の大きさの程度などを考慮して、情報記録媒体ご
とに決めるものである。例えば、再結晶化速度が速い記
録層の場合には、記録マークの後端部では熱が蓄積され
ているために冷却速度が遅く、冷却中に再結晶化して記
録マークの幅が狭くなる可能性がある。そこで、後端部
の最適パワーPw6’は冷却速度を早めるために再生パ
ワーPrに近い値とするのが好ましい。
【0094】なお、ここでは最長記録符号「10T符
号」について述べたが、最短記録符号を除く任意の長さ
の記録符号についても、最短記録符号「1T符号」の繰
り返し数を変えることにより、これと同様にして最適パ
ワーPw5’、Pw6’を求めることができる。
【0095】(16) この発明の第1〜第3の情報の
記録方法は、それぞれ単独で実施することができるのは
勿論であるが、それらを組み合わせて実施することも可
能である。
【0096】この発明の第1〜第3の情報の記録方法を
光ディスク装置に適用する場合、例えば次のようにな
る。
【0097】まず、光ディスク装置の電源を投入した時
に、情報記録媒体すなわち光ディスクが装置にセットし
てある場合は、電源の投入と同時に光ディスクが回転し
始める。光ディスクがセットされていない場合は、待機
状態となり、光ディスクはセットされた段階で回転を始
める。そして、所定の回転数に達すると、光ディスクの
コントロールトラックに予め記録されている情報(例え
ば、光ディスクのフォーマット形式や最適な記録パワー
値など)を再生し、当該装置のメモリー内に記憶する。
その後、自動的に上述した試し書き動作が開始される。
【0098】試し書きの際の記録波形としては、例え
ば、図4に示すようなものが用いられる。図4の記録波
形パターンは、最短記録符号である「1T符号」と、そ
の「1T符号」の繰り返しからなる「1T符号列」と、
10個の「1T符号」の繰り返しからなる最長記録符号
である「10T符号」との組み合わせである。
【0099】まず、光ディスクの記録層の流動を防止で
きる記録パワーPw1の最適値Pw1’は、以下の結果
から求めることができる。
【0100】図4の記録波形パターンをPw1=Pw4
=Pw5、Pw2=Pw6=Prとして生成し、Pw1
とPw2の値を変えながらレーザビームを光ディスクの
所定領域に照射する。こうして、前記「1T符号」、
「1T符号列」および「10T符号」を光ディスクに記
録する。その後、それらの符号を再生し、「1T符号」
に対応する再生信号と「10T符号」に対応する再生信
号を得る。そして、それら両再生信号の振幅の比がPw
1の値によってどのように変化するかを調査し、この振
幅比(10T/1T)が約0.8に一致するPw1の値
を求める。この値がPw1の最適値Pw1’となる。
【0101】なお、Pw3は消去比25dB以上となる
消去パワーマージンの中心パワーである。
【0102】また、この最適値Pw1’における「1T
符号列」と「10T符号列」のそれぞれの中心レベル
(R-1T)および(R-10T)を比較すると、両中心
レベルがほぼ等しくなる(すなわちΔV≒0)記録パワ
ーを求めることができる。この時の記録パワーが、「1
T符号」または「1T符号列」の最適な記録パワー値P
w4’となる。
【0103】さらに、Pw1の最適値Pw1’で、「1
0T符号」の前端部の記録パワーPw5および後端部の
記録パワーPw6を変えながら情報記録媒体に記録し、
その記録された記録波形を再生して再生信号波形を得
る。そして、この再生信号波形の前端および後端の位置
を比較し、その前端の位置のずれが最小となる「10T
符号」の前端部の記録パワーPw5’をその前端部の最
適値とし、その後端の位置のずれが最小となる「10T
符号」の後端部の記録パワーPw6’をその後端部の最
適値とする。
【0104】この時、これと同様にして、「10T符
号」よりも小さい記録符号においても、それぞれ最適な
パワー値Pw5’およびPw6’を求めてもよい。
【0105】以上のようにして、光ディスクの交換に伴
う記録層の層厚の変動や環境温度の変動、あるいは当該
光ディスク装置の特性変化による光ディスクに対する最
適記録パワーの変動などによる影響をなくすことがで
き、安定した記録が可能となる。
【0106】このような試し書き動作は、少なくとも光
ディスク装置の立ち上げ時と光ディスクを交換した時に
行なえば足りる。しかし、長時間使用した時あるいは環
境温度が大きく変化した時にも、所定の時間ごと、ある
いは再生特性が変化した時にその都度、試し書き動作を
行なうのが好ましい。
【0107】(17) 上記光ディスク装置の試し書き
動作のフローチャートの一例を図5に示す。使用する記
録波形パターンは、図6に示すものである。
【0108】試し書き命令信号が出されると、レーザビ
ームは、光ディスクの指定された試し書き領域の先頭位
置に移動し(ステップS1)、メモリーに記憶されてい
たPw1’の値を再生する(ステップS2)。
【0109】次に、記録パワーPw1の値をメモリーよ
り再生した最適パワー値Pw1’よりも5mW少ない値
に設定してから(ステップS3)、図6の試し書きの記
録波形パターンを光ディスクに記録する(ステップS
4)。これにより、光ディスクの記録層にこの記録波形
パターンに対応した記録マークが形成される。
【0110】この記録マークを再生し、得られた再生信
号波形から、「1T符号列」の中心レベル(R-1T)
と「10T符号列」の中心レベル(R-10T)の値を
検出する(ステップS5)。そして、それら符号列の中
心レベルの差ΔV ΔV=(R−1T)−(R−10T) を計算する(ステップS6)。なお、ΔVは0に近い方
が好ましく、0に等しいのが最も好ましいい。
【0111】続いて、中心レベルの差ΔVが正か否かを
判定する(ステップS7)。ΔVの値が正でなければ、
現在の記録パワーPw1の値に0.1mWを加え(ステ
ップS8)、その値でステップ4に戻る。そして、ステ
ップ5および6を経て、ステップ7で中心レベルの差Δ
Vが正か否かを再び判定する。ここでΔVの値が正でな
ければ、ステップ4〜7をさらに繰り返す。この動作
は、最適パワーであるPw1’よりも5mW多いパワー
値まで0.1mW刻みで繰り返す。
【0112】ステップ7で中心レベルの差ΔVが正と判
定すると、予め記録されていた最適な記録パワー値(ス
テップS2参照)に代えて、その時の記録パワー値をP
w1’用のメモリに入れる(ステップS9)。こうし
て、ΔVの値が負から正に変化する記録パワー値Pw
1”が得られる。そこで、こうして得た新たな記録パワ
ー値Pw1”を用いて、当該光ディスク装置の正規動作
を開始する(ステップS10)。
【0113】この発明では、最初にPw1、Pw2、P
w3、Pw4、Pw5、Pw6の値を種々変えて、所定
の試し書きパターンを記録した後、記録層に形成された
記録マークのすべてを再生し、得られた再生信号波形お
よびジッターの値から、最適なPw1’、Pw2’、P
w3’、Pw4’、Pw5’、Pw6’の値を自動的に
決定することもできる。
【0114】この場合、各パワーの変化幅および刻み
は、例えば、想定される光ディスクの最適な記録パワー
Pw1’が12mWの時、以下の値とする。
【0115】 ・Pw1:6mW〜20mW、0.1mW刻み ・Pw2:0mW〜12mW、0.2mW刻み ・Pw3:3mW〜12mW、0.2mW刻み ・Pw4:6mW〜20mW、0.2mW刻み ・Pw5:6mW〜20mW、0.2mW刻み ・Pw6:0mW〜12mW、0.2mW刻み これらの上、下限の値はこれらの値±30%、刻みの値
はこれらの0.2倍から5倍の範囲で変更してもよい。
また、これらの値は光ディスクの想定される最適な記録
パワーが上記の値(12mW)と異なるときは、その大
きさに比例して変化させればよい。
【0116】上記パワーの大きさは、例えば、Pw1>
Pw4>Pw3>Pw2の条件を満たすようにする。こ
の場合、Pw5とPw6の値は任意である。
【0117】図5のフローチャートでは、試し書きパタ
ーンとして、図6の記録波形を用いているが、より確実
な値を得るためには、図6の記録波形を複数回、繰り返
したものを用いるのが好ましい。繰り返し回数は、2〜
3回でもよいが、確実性をいっそう向上するには、5回
以上とするのがより好ましい。
【0118】また、上記の試し書き動作は、光ディスク
の指定領域(試し書き領域)内で行なうが、このような
試し書き領域を1箇所設けてもよいし、2箇所以上設け
てもよい。好ましくは、このような試し書き領域を3箇
所以上設け、各領域に対して同じ試し書きパターンを記
録・再生してから、それらの領域から得られた記録パワ
ー値の平均値を求めるのがより好ましい。選定した試し
書き領域の特異性を排除できるからである。
【0119】(18) 続いて、この発明の第4の情報
の記録方法について説明する。上述したこの発明の第1
〜第3の情報の記録方法は、一つの記録符号に対して複
数の記録マークが対応する場合に対応するものである
が、この発明の第4の情報の記録方法は、一つの記録符
号に対して一つの記録マークが対応する場合(特開平1
−150230号公報参照)に対応するものである。
【0120】情報記録媒体として、エネルギービームの
記録パワーに応じて多数回書き換えによる再生信号の波
形の歪みの方向が異なる性質を持つものを使用すると、
記録時の照射パワーを制御することにより、記録層の物
質移動などに伴う再生信号の波形の歪みを防止すること
が可能である。
【0121】前記エネルギービームのパワーは、再生信
号の波形の歪みが生じにくいレベルに設定される。
【0122】(19) このように、多数回書き換えに
よる再生信号波形の歪みの方向が釣り合う記録層として
は、Cr3Te4のように、融点が800゜C以上の高融
点物質を含むものが挙げられる。このような性質は、記
録層中の高融点物質により記録層の溶融部分において物
質移動が生じにくくなるために生じると考えられる。
【0123】このような記録層を含む情報記録媒体を用
いた場合、試し書き方法としては、上述したこの発明の
第1の情報の記録方法が好適に使用できる。
【0124】(20) 例えば、光ディスクのコントロ
ールトラック上に、予め求めておいた各記録符号に対応
する最適な記録パワー値(例えば、図6の記録信号にお
けるパワー値Pw1’〜Pw6’)、および最長の「1
0T符号」の再生信号振幅と最短の「1T符号」の再生
信号振幅との比(10T/1T)が1に近い値になる記
録パワー値、および「10T符号」に対応する記録パル
スでの多数回書き換えにより再生信号波形の歪みを生じ
にくい照射パワーPw1’の値との差のパワー値(+
α)とを記録しておく。
【0125】そして、光ディスク装置の立ち上げ時およ
び光ディスクを交換した時に、この発明の第1の情報の
記録方法により振幅比(10T/1T)の値が1に近く
なる記録パワーを求めると同時に、+αの値を加えた記
録パワーをPw1’として新たに記憶しなおす。その
後、この状態で正規の記録/再生動作を開始する。
【0126】また、光ディスクごとに予め、コントロー
ルトラック上に多数回書き換えにより再生信号波形歪み
を生じにくい記録パワー値と、ある線速度において単一
周波数(duty:40〜60%、パルス分割なし)で
記録した場合の2次高調波最小または消去比最大となる
記録パワー値との差を記録しておくのが好ましい。この
場合、環境温度の変動や、記録層の層厚の変動などによ
る記録感度の変動が生じ、それによって再生信号波形の
歪みが生じた場合にも、2次高調波最小または消去比最
大の記録パワー値から再生信号波形の歪みを生じにくい
記録パワー値を求め直すことができるからである。
【0127】ここで、光ディスクとして、多数回書き換
えにより再生信号波形歪みを生じにくい記録パワー値
と、2次高調波最小または消去比最大となる記録パワー
値とがほぼ同じであるものを用いるのが好ましい。ディ
スク毎に予め、コントロールトラック上に前記のパワー
差を記録しておく必要がないからである。
【0128】さらに、この発明の第4の情報の記録方法
では、物質移動方向が釣り合う記録パワー値が変化した
かどうかを検知するために、多数回書き換えによる再生
信号レベルの変化をモニターする領域(モニター領域)
を設けてもよい。例えば、光ディスク上のモニター領域
内の同一箇所に、使用する信号変調方式における最長ま
たは最長に近い記録符号に対応する記録パルスを情報を
記録する毎に照射して、記録符号の始端部および終端部
の再生信号のレベル(反射率に対応)の変化をモニター
する。そして、得られた再生信号レベルが所定範囲から
外れていれば、前記試し書き動作により最適パワーを求
めなおし、それ以後はこの求めなおしたパワー値で記録
する。
【0129】(21) 前記情報記録媒体の記録層とし
ては、高速結晶化が可能な結晶−非晶質間の相変化を利
用する記録層や、非晶質−非晶質間の相変化を利用する
記録層、結晶系や結晶粒径の変化などの結晶−結晶間の
相変化を利用する記録層など、相変化型の記録層が好ま
しい。しかし、光磁気記録層などの他の型の記録層も使
用可能である。
【0130】また、前記情報記録媒体はディスク状のみ
ならず、カード状などの他の任意の形態のものであって
もよい。
【0131】
【作用】この発明の第1の情報の記録方法および第1の
情報記録再生装置では、試し書き動作により、信号変調
方式における最短あるいはそれに近い長さの第1記録符
号と、前記第1記録符号のn倍あるいはそれに近い長さ
の第2記録符号とを、所定の記録パワーで情報記録媒体
に記録した後、それらを再生して第1および第2の再生
信号を得る。そして、それら両再生信号の振幅の比が所
定値となる記録パワーを検出し、その検出された記録パ
ワーから最適なパワー値を決定する。このため、相変化
型の情報記録媒体において多数回書き換えによる記録層
の物質移動が防止され、最適な状態で情報を記録できる
ようになる。
【0132】この発明の第2の情報の記録方法および第
2の情報記録再生装置では、試し書き動作により、信号
変調方式における最短あるいはそれに近い長さの第1記
録符号の繰り返しからなる第1記録波形と、前記第1記
録符号のn倍あるいはそれに近い長さの第2記録符号の
繰り返しからなる第2記録波形とを、所定の記録パワー
で情報記録媒体に記録した後、それらを再生して第1お
よび第2の再生信号波形を得る。そして、それら両再生
信号の中心レベルがほぼ一致する記録パワーを求めてそ
の記録パワーを最適値とする。このため、情報記録媒体
から得た再生信号波形の中心レベルのゆらぎを防止でき
る。
【0133】この発明の第3の情報の記録方法および第
3の情報記録再生装置では、試し書き動作において、ま
ず、信号変調方式における最短の記録符号の繰り返しか
らなり、且つ、高低両レベルのピークが所定の高パワー
レベルと低パワーレベルにそれぞれ等しい中間部と、高
レベル側のピークが前記所定の高パワーレベルとは異な
る前端部と、低レベル側のピークが前記所定の低パワー
レベルとは異なる後端部とを含んで構成される記録波形
を生成する。そして、その記録波形の前端部および後端
部の記録パワーレベルを変えて、所定の記録パワーで情
報記録媒体に記録した後、これらを再生して再生信号波
形を得る。その後、前記再生信号波形の前端および後端
の位置を比較して、その前端の位置のずれがほぼ最小と
なる前記記録波形の前端部の記録パワーをその前端部の
最適値とし、その後端の位置のずれがほぼ最小となる前
記記録波形の後端部の記録パワーをその後端部の最適値
とする。このため、マークエッジ記録において再生信号
のジッターを抑制することができる。
【0134】この発明の第4の情報の記録方法および第
4の情報記録再生装置では、情報記録媒体が、エネルギ
ービームのパワーによって多数回書き換えによる再生信
号の波形の歪みの方向が異なる性質を持っており、前記
エネルギービームのパワーが再生信号の波形の歪みがほ
ぼ最小となる値に設定される。再生信号の波形の歪みが
生じにくい前記エネルギービームのパワーレベルは、例
えばこの発明の第1の情報の記録方法によって求めるこ
とができる。よって、一つの記録符号に対して一つの記
録マークが対応する記録方式の場合でも、相変化型の情
報記録媒体において多数回書き換えによる記録層の物質
移動を防止して最適な状態で情報を記録できる。
【0135】さらに、この発明の第1〜第4の情報の記
録方法および第1〜第4の情報記録再生装置では、装置
の立ち上げ時や情報記録媒体の交換時などに前記試し書
きを行なえば、情報記録媒体の記録感度の変動やその環
境温度の変動があっても、常に最適な状態で情報を記録
できる。しかも、試し書きに使用する記録符号または記
録符号波形が特定のものに限定されないので、使用する
変調方式に対応した記録波形を用いて最適な記録条件を
検出できる。
【0136】
【実施例】以下、この発明を実施例を用いて詳細に説明
する。 [実施例1] (情報記録媒体)この実施例では、情報記録媒体として
図7に示す書き換え可能型光ディスクを使用する。この
光ディスクは次のようにして製造したものである。
【0137】まず、直径5インチ、厚さ1.2mmの案
内溝(U字型溝)を有するポリカーボネート基板1上
に、マグネトロンスパッタリング法によって厚さ約12
5nmのZnS−SiO2からなる保護層2を形成し
た。次に、Ge22Sb22Te56の組成の記録層3を約2
5nmの厚さに形成し、その上にさらに、ZnS−Si
2よりなる中間層4を約20nmの厚さに形成した。
【0138】さらに、Al−Ti合金よりなる反射層5
を中間層4の上に約100nmの厚さに形成した。これ
らの層2、3、4の形成は同一のスパッタリング装置内
で順次、行なった。その後、前記スパッタリング装置の
外で反射層5の上に紫外線硬化樹脂層6を塗布し、一方
のディスク部材を得た。
【0139】他方、上記と同じ方法で、上記と同じポリ
カーボネート基板1’上に、上記と同じ層構造を形成し
た。すなわち、基板1’上に、マグネトロンスパッタリ
ング法によってZnS−SiO2保護層2’、Ge22
22Te56記録層3’、ZnS−SiO2中間層4’お
よびAl−Ti反射層5’を順次、形成した。その後、
前記スパッタリング装置の外で反射層5’の上に紫外線
硬化樹脂層6’を塗布し、他方のディスク部材を得た。
【0140】その後、紫外線硬化樹脂層6、6’を対向
してホットメルト接着剤7を介して密着させ、両ディス
ク部材の接着を行なった。こうして、図7に示す書き換
え可能型光ディスクを得た。この光ディスクの記録層
3、3’は相変化型である。
【0141】(情報記録再生装置)次に、この実施例1
に使用した情報記録再生装置すなわち光ディスク装置に
ついて説明する。図8は、この光ディスク装置の記録再
生系を示したものである。図8において、変調器8は、
記録すべき情報(原信号)を所定の変調方式にしたがっ
て変調し、記録符号列を生成する。符号器9は、変調器
で生成された記録符号列を所定の規則に従って分割す
る。記録パルス生成器10は、符号器9で分割された符
号または符号列のそれぞれに対応する記録パルス信号を
生成する。レーザ駆動器11は、この記録パルス信号に
従って、光学ヘッド13に設けられた半導体レーザ12
の駆動電流を変調する。これにより、半導体レーザ12
は原情報に応じて変調された記録用レーザ光を生成・照
射する。
【0142】半導体レーザ12により生成された記録用
レーザ光は、集光されてから、回転している光ディスク
14に向けて照射される。照射されたレーザ光により、
光ディスク14の記録層3または3’に記録すべき情報
(原信号)に対応して記録マーク列が形成される。
【0143】半導体レーザ12はまた、再生用レーザ光
を回転している光ディスク14に照射する。光学ヘッド
13に設けられた受光器15は、光ディスク14により
反射された再生用レーザ光を取り込み、電気信号に変換
する。再生信号増幅器16は、受光器15で生成された
電気信号を増幅する。波形等化器17は、再生信号増幅
器16で増幅された電気信号の波形を修正する。整形器
18は、波形等化器17で波形修正された電気信号を信
号の有無を表わすパルス信号に変換する。弁別器19
は、こうして得られたパルス信号の有無を弁別し、それ
に応じた符号列を生成する。復号器20は、その符号列
を復号し、光ディスク14に記録されていた情報に対応
するデータビット列を生成する。
【0144】試し書き器21は、所定の試し書きデータ
を変調器8に供給する。その試し書きデータは、記録す
べき情報と同一の経路を経て光ディスク14に記録され
る。その試し書きデータはまた、比較のために、符号器
9から比較器23にも送られる。
【0145】光ディスク14に記録された試し書きデー
タは、再生される情報と同一の経路を経て弁別器19に
送られた後、制御器22に送られる。制御器22は、そ
の時点での最適パワーを決定するための計算などを行な
い、その結果を比較器23と記録パルス生成器10に送
る。
【0146】比較器23は、符号器9から送られた試し
書きデータと、光ディスク14から再生され、制御器2
2を経て送られた試し書きデータとを比較し、その結果
を記録パルス生成器10に送る。
【0147】(正規の動作)次に、この光ディスク装置
の動作について説明する。正規の記録動作の際には、記
録すべき原信号(情報)が変調器8に入力され、使用す
る変調方式に対応した記録符号に変換される。こうして
得られた記録符号列は、符号器9で所定の規則に従って
分割された後、記録パルス生成器10により、各符号に
対応した記録パルス信号が種々のパワーとしてレーザ駆
動器11に向けて出力される。
【0148】その記録パルス信号は、レーザ駆動器11
および半導体レーザ12によりレーザ光パルスに変換さ
れる。そのレーザ光パルスは、回転している光ディスク
14上に集光・照射され、記録層3または3’に前記記
録パルス信号に対応した記録マークが形成される。こう
して前記情報が光ディスク14に記録される。
【0149】正規の再生動作時は、光ディスク14の所
望のアドレスで反射されたレーザ光が受光器15に取り
込まれ、電気信号に変換される。この電気信号は、再生
信号増幅器16を通って波形等化器17に入力される。
波形等化器17を出た信号は整形器18に入力され、信
号の有無を表わすパルス信号に変換される。このパルス
信号は、弁別器19、復号器20を経て前記情報に対応
したデータビット列となる。こうして前記情報が光ディ
スク14から再生される。
【0150】(試し書き動作)試し書き動作は、次のよ
うにして行なわれる。まず最初に、この実施例における
試し書き動作を手動で行なった場合について説明し、そ
の後、自動で行なう場合について説明する。
【0151】使用した試し書きパターンは、図4(a)
のように、「1T符号」(最短記録符号)、4個の1T
符号の繰り返しからなる「1T符号列」(最密記録波
形)、および10個の1T符号の繰り返しからなる「1
0T符号」(最長記録符号)の組み合わせを単位符号パ
ターンとし、その単位符号パターンを5個繰り返したも
のを用いた。各単位パターンは、それによって記録層3
または3’に形成された記録マークが互いに光学的に干
渉しない程度に距離をあけて配置した。
【0152】なお、ここでは、この単位符号パターンを
5個繰り返したものを用いたが、6個以上繰り返すのが
好ましい。より確実な値が得られるからである。
【0153】光ディスク14に照射されるレーザパワー
は、図4の「1T符号」により、消去パワーレベルPw
3から記録パワーレベルPw1に上昇した後、0.5T
の間そのレベルに保持される。そして、記録パワーレベ
ルPw1から再生パワーレベルPr(=Pw2)まで下
降し、0.5Tの間そのレベルに保持される。その後、
消去パワーレベルPw3まで復帰する。
【0154】「1T符号列」では、レーザパワーは、消
去パワーレベルPw3から記録パワーレベルPw1に上
昇した後、0.5Tの間そのレベルに保持される。そし
て、記録パワーレベルPw1から再生パワーレベルPr
(=Pw2)まで下降し、0.5Tの間そのレベルに保
持される。その後、消去パワーレベルPw3まで復帰
し、1Tの間、消去パワーレベルPw3に保持される。
そして、このパターンを4回繰り返す。
【0155】「10T符号」では、「1T符号」と同じ
パターンを連続して10回繰り返している。
【0156】高パワーレベルすなわち記録パワーレベル
Pw1は、「1T符号」、「1T符号列」および「10
T符号」のいずれも同じ値とした。中間パワーレベルす
なわち消去パワーレベルPw3は、消去パワーマージン
の中心パワーである6mWとした。
【0157】低パワーレベルPw2は、消去パワーレベ
ルPw3よりも低い任意のパワーレベルに設定すればよ
い。この実施例では、冷却速度を速くし確実に記録マー
クを形成するために、低パワーレベルPw2を再生パワ
ーレベルPrと同じ1.5mWにした。しかし、低パワ
ーレベルPw2をゼロレベル(0mW)に設定してもよ
い。
【0158】上記の試し書きパターンを、初期結晶化し
た記録層3、3’に記録すると、図4(b)に示す記録
マークが繰り返して形成される。それらの記録マークを
再生すると、図4(c)に示すような再生信号波形が得
られた。この再生信号波形から、図9のような結果が得
られた。図9には、「1T符号」に対応する再生信号振
幅(1T)、「10T符号」に対応する再生信号振幅
(10T)、「1T符号列」に対応する未記録部と再生
信号振幅の中心部との電圧差(R-1T)、「10T符
号」に対応する未記録部と再生信号振幅の中心部との電
圧差(R-10T)の値を示してある。
【0159】この図9と、「10T符号」の記録パワー
Pw1と再生信号振幅の振幅比(10T/1T)の値と
の関係を調べ、物質移動に最も深く関係している「10
T符号」の最適な記録パワー値Pw1’と、再生信号波
形におけるゆらぎが最小となる「1T符号」の最適な記
録パワー値Pw4’を求めた。なお、Pw2’は再生パ
ワーレベルの1.5mWに等しく、Pw3’は6mWで
ある。
【0160】その結果、この光ディスク14では、「1
0T符号」を多数回繰り返したときに、記録層3または
3’の物質移動により再生信号のノイズが上昇し始める
記録パワーは、14mWであることが分かった。また、
再生信号のC/Nが50dBよりも小さくなり始めるパ
ワーは、11mWであることが分かった。よって、11
mW以上、14mW以下の範囲が、C/Nが比較的大き
く、且つ「10T符号」の多数回書き換えによって記録
層3または3’の物質移動が生じない、最適な記録パワ
ー値Pw1’となる。
【0161】この11mW以上、14mW以下のパワー
範囲は、振幅比(10T/1T)の値が0.6以上、
1.0以下の範囲に対応するから、(10T/1T)の
値がこの範囲に入る時のレーザパワーを求めることによ
り、「10T符号」の最適な記録パワーPw1’を求め
ることが可能となる。
【0162】特に、振幅比(10T/1T)の値が0.
7以上、0.9以下の範囲では、C/Nが比較的大きく
物質移動も生じにくく、好ましかった。
【0163】この光ディスク14では、振幅比(10T
/1T)の値が0.6以上、1.0以下の範囲の中心値
0.8に等しい場合が、「10T符号」の最適な記録パ
ワーの中心値(Pw1’=12mW)である。その時の
電圧差(R-10T)は、450mVとなり、この値と
ほぼ同じ(ΔV≒0)になる電圧差(R-1T)のパワ
ーは10mWとなった。この10mWが、この光ディス
ク14における「1T符号」の最適な記録パワー値Pw
4’となる。
【0164】次に、マークエッジ記録において再生信号
のジッターを抑制できるようにするため、上記とは異な
る試し書きパターンを用いて再度、試し書きを行ない、
記録パワー値Pw5およびPw6を求めた。
【0165】今回の試し書きでは図3(a)に示す「1
0T符号」からなる記録信号波形を用いた。そして、レ
ーザパワーをPw1=Pw1’、Pw2=Pw2’、P
w3=Pw3’に設定し、その「10T符号」を構成す
る最初の「1T符号」の立上がりのレーザパワーレベル
Pw5(保持時間:0.5T)と、最後の「1T符号」
の立下がりのレーザパワーレベルPw6(保持時間:
0.5T)を変化させて光ディスク14に記録し、記録
マークの前端および後端のエッジシフトが小さくなるよ
うなPw5’およびPw6’の値を決定した。
【0166】その結果、Pw5’=10mW、Pw6’
=3mWの場合に、エッジシフトの平均値が3ns程度
であり、最小であった。
【0167】以上述べたように、2回の試し書き動作に
より求めた最適なレーザパワー値は、Pw1’=12m
W、Pw2’=1.5mW、Pw3’=6mW、Pw
4’=10mW、Pw5’=10mW、Pw6’=3m
Wであった。このようなレーザパワー値に設定して光デ
ィスク14に情報を記録することにより、多数回書き換
えによる記録層3または3’の物質移動を抑制すること
ができ、しかも、再生信号波形における中心レベルのゆ
らぎとそのエッジシフトの双方を小さくすることができ
た。
【0168】(試し書き動作の手順)続いて、この実施
例の「試し書き動作」を自動的に実行する場合の手順の
一例を、図10〜図13を参照しながら説明する。
【0169】図10に示すように、装置の立ち上げ時に
は、電源投入後、自動的に試し書き命令信号が発生し、
「初期動作」が実行される(ステップS11)。この
「初期動作」とは以下の動作を指す。
【0170】まず、光ディスク14が光ディスク装置に
セットされているかどうかを判断する。その時、ディス
ク14がセットされていれば、ディスク14は直ちに回
転・駆動される。ディスク14がセットされていなけれ
ば、待機状態となり、ディスク14がセットされて時点
でディスク14の回転・駆動が開始される。
【0171】この実施例の光ディスク14のコントロー
ルトラックには、各種フォーマットに関する情報や最適
な記録パワーに関する情報などが予めピット(凹部)と
して記録しておく。そこで、このような初期動作が終了
し、ディスク14が所定の回転数(この実施例では18
00rpm)に達すると同時に、ディスク14の内周部
にあるコントロールトラック上の情報を再生し、光ディ
スク装置内のメモリに記憶する(ステップS12)。そ
の後、以下のようにして「試し書き動作」を開始する。
【0172】なお、ディスク14を交換した時にも、装
置の立ち上げ時と同じ手順(ステップS11および1
2)を経て自動的に「試し書き動作」を開始する。
【0173】まず最初に、予め決められている、光ディ
スク14の第1試し書き領域の先頭位置に、レーザ光ス
ポットが移動する(ステップS13)。そして、光ディ
スク装置内のメモリから、記録パワーPw1の変化範囲
およびその記録パワーの刻み量に関する情報を再生する
(ステップS14)。この実施例1では、記録開始パワ
ーは6mWであるから、ここではPw1を6mWに設定
する(ステップS15)。
【0174】なお、同じディスク14を長時間使用した
時には、規定時間ごとに、また、何らかの原因で再生特
性が大きく変化した時には、その変化した時点で、上記
の試し書き命令信号が発生する。そこで、同じ「試し書
き動作」をステップS13より開始する。
【0175】次に、最短記録符号である「1T符号」と
最長記録符号である「10T符号」とを用いた、図1の
記録波形からなる試し書きパターンを、光ディスク14
の第1試し書き領域に記録する(ステップS16)。こ
こでは、Pw2(=Pw6)は再生パワーPr(=1.
5mW)に、Pw3は消去比が大きい消去パワー6mW
に固定している。Pw2’とPw3’の値は、ここで
は、ディスク14のコントロールトラック上に記録され
た値を読み取っているが、試し書き動作で求めてもよ
い。
【0176】次に、Pw1の値が20mWであるか否か
を判断し(ステップS17)、20mWでなければ、現
在のPw1の値(6mW)に0.1mWを加えてから
(ステップS18)、再度、同じ試し書きパターンを第
1試し書き領域に記録する(ステップS16)。
【0177】こうして、Pw1(=Pw4=Pw5)の
値を6mWから20mWまで0.1mW刻みで増加させ
ながら、同じ試し書きパターンを第1試し書き領域に記
録する(ステップS16)。これが1回目の試し書きで
ある。
【0178】続いて、第1試し書き領域にPw1=6m
Wで形成された記録マーク列から、「1T符号」に対応
する再生信号振幅(1T)と「10T符号」に対応する
再生信号振幅(10T)とを検出し(ステップS1
9)、それらの振幅比(10T/1T)を計算する(ス
テップS20)。そして、その振幅比(10T/1T)
の値が0.8であるか否かを判断する(ステップS2
1)。
【0179】振幅比(10T/1T)の値が0.8でな
ければ、次のパワーの再生データに切り換え(ステップ
S22)、ステップS19〜S21の手順を繰り返す。
すなわち、次のパワー値であるPw1=6.1mWで形
成された記録マーク列から、「1T符号」に対応する再
生信号振幅(1T)と「10T符号」に対応する再生信
号振幅(10T)とを検出し(ステップS19)、それ
らの振幅比(10T/1T)を計算した後(ステップS
20)、その振幅比(10T/1T)の値が0.8であ
るか否かを判断する(ステップS21)。
【0180】こうして、振幅比(10T/1T)の値が
0.8になるまで同じステップを繰り返す。振幅比(1
0T/1T)の値が0.8になると、その時の記録パワ
ー値Pw1’(=12mW)を最適な記録パワー値とし
て当該光ディスク装置のメモリに記憶する(ステップS
23)。
【0181】以上のようにして最適な記録パワー値Pw
1’を求めた後、第1の試し書き領域にパワーを結晶化
レベルとした連続レーザ光(DC光)を照射し、上記の
試し書きにより記録された記録マークを消去した(ステ
ップS24)。しかし、この消去動作は必ずしも必要で
はない。
【0182】次に、図11に示すように、予め決められ
ている光ディスク14の第2試し書き領域の先頭位置
に、レーザ光のスポットが移動する(ステップS2
5)。そして、光ディスク装置内のメモリから、記録パ
ワーPw4の記録範囲および記録パワーの刻みに関する
情報を再生する(ステップS26)。この実施例では、
記録開始パワーは6mWであるから、ここではPw4を
6mWに設定する(ステップS27)。
【0183】次に、最密記録符号列である「1T符号
列」と最疎記録符号列である「10T符号列」とを用い
た、図2の記録波形からなる試し書きパターンを、光デ
ィスク14の第2試し書き領域に記録する(ステップS
28)。最疎記録符号である「10T符号列」の高パワ
ーレベルPw1は、図10のステップで見出された最適
な記録パワー値12mWに固定する。また、低パワーレ
ベルPw2は、再生パワーレベルPrに固定し、中間パ
ワーレベルPw3は消去パワーレベル6mWに固定す
る。
【0184】次に、Pw4の値が20mWであるか否か
を判断し(ステップS29)、20mWでなければ、現
在のPw4の値(6mW)に0.2mWを加えてから
(ステップS30)、再度、同じ試し書きパターンを第
2試し書き領域に記録する(ステップS28)。
【0185】こうして、Pw4の値を6mWから20m
Wまで0.2mW刻みで増加させながら、同じ試し書き
パターンを第2試し書き領域に記録する(ステップS2
9)。これが2回目の試し書きである。
【0186】続いて、第2試し書き領域にPw4=6m
Wで形成された記録マーク列から、「1T符号列」に対
応する再生信号振幅の中心レベル(R−1T)と「10
T符号列」に対応する再生信号振幅の中心レベル(R−
10T)とを検出し(ステップS31)、それらの差Δ
V=(R−1T)−(R−10T)を計算する(ステッ
プS32)。そして、その差ΔVの値が正であるか否か
を判断する(ステップS33)。
【0187】中心レベルの差ΔV(10T/1T)の値
が正でなければ、次のパワーの再生データに切り換え
(ステップS34)、ステップS31〜S33の手順を
繰り返す。すなわち、次のパワー値であるPw4=6.
2mWで形成された記録マーク列から、「1T符号列」
に対応する再生信号振幅の中心レベル(R−1T)と
「10T符号列」に対応する再生信号振幅の中心レベル
(R−10T)とを検出し(ステップS31)、それら
の差ΔVを計算した後(ステップS32)、そのΔVの
値が正であるか否かを判断する(ステップS33)。
【0188】こうして、中心レベル差ΔVの値が正にな
るまで同じステップを繰り返す。ΔVの値が正になる
と、その時の記録パワーPw4’(=10mW)を最適
な記録パワー値として当該光ディスク装置のメモリに記
憶する(ステップS35)。こうして得た記録パワーP
w4’の値は、ΔVの値が負から正に変わる点の付近で
最も0に近い値である。
【0189】以上のようにして最適な記録パワー値Pw
4’を求めた後、第2の試し書き領域にパワーを結晶化
レベルとした連続レーザ光(DC光)を照射し、上記の
試し書きにより記録された記録マークを消去した(ステ
ップS36)。しかし、この消去動作は必ずしも必要で
はない。
【0190】続いて、図12に示すように、予め決めら
れている光ディスク14の第3試し書き領域の先頭位置
に、レーザ光のスポットを移動する(ステップS3
7)。そして、光ディスク装置内のメモリから、記録パ
ワーPw5の記録範囲および記録パワーの刻みに関する
情報を再生する(ステップS38)。この実施例では、
記録開始パワーは6mWであるから、ここではPw5を
6mWに設定する(ステップS39)。
【0191】次に、最長記録符号である「10T符号」
の前端と後端のパワーレベルをその中間のパワーレベル
とは異ならせた、図3の記録波形からなる試し書きパタ
ーンを、光ディスク14の第3試し書き領域に記録する
(ステップS40)。この時、「10T符号」の高パワ
ーレベルPw1は、図10のステップで見出された最適
な記録パワー値12mWに固定し、低パワーレベルPw
2は再生パワーレベルPrに固定し、中間パワーレベル
Pw3は消去パワーレベル(6mW)に固定する。ま
た、「10T符号」の後端のパワーレベルPw6は3m
Wに固定する。
【0192】次に、Pw5の値が20mWであるか否か
を判断し(ステップS41)、20mWでなければ、現
在のPw5の値(6mW)に0.2mWを加えてから
(ステップS42)、再度、同じ試し書きパターンを第
3試し書き領域に記録する(ステップS40)。
【0193】こうして、Pw5の値を6mWから20m
Wまで0.2mW刻みで増加させながら、同じ試し書き
パターンを第3試し書き領域に記録する(ステップS4
0〜42)。これが3回目の試し書きである。
【0194】続いて、第3試し書き領域にPw5=6m
Wで形成された記録マーク列から、「10T符号」に対
応する再生信号を取り出し、その再生信号から記録マー
クの前縁のエッジシフト量(T1)を検出する(ステッ
プS43)。そして、エッジシフト量(T1)の値が最
小であるか否かを判断する(ステップS44)。
【0195】エッジシフト量(T1)の値が最小でなけ
れば、次のパワーの再生データに切り換え(ステップS
45)、ステップS43〜S44の手順を繰り返す。す
なわち、次のパワー値であるPw5=6.2mWで形成
された記録マーク列の前縁のエッジシフト量(T1)を
検出し(ステップS43)、その(T1)の値が最小で
あるか否かを判断する(ステップS44)。
【0196】こうして、記録マーク列の前縁のエッジシ
フト量(T1)が最小になるまで同じステップを繰り返
す。エッジシフト量(T1)が最小になると、その時の
記録パワーPw5’(=10mW)を最適な記録パワー
値として当該光ディスク装置のメモリに記憶する(ステ
ップS46)。
【0197】以上のようにして最適な記録パワー値Pw
5’を求めた後、第3の試し書き領域にパワーを結晶化
レベルとした連続レーザ光(DC光)を照射し、上記の
試し書きにより記録された記録マークを消去する(ステ
ップS47)。しかし、この消去動作は必ずしも必要で
はない。
【0198】続いて、図13に示すように、予め決めら
れている光ディスク14の第4試し書き領域の先頭位置
に、レーザ光のスポットを移動する(ステップS4
8)。そして、光ディスク装置内のメモリから、記録パ
ワーPw6の記録範囲および記録パワーの刻みに関する
情報を再生する(ステップS49)。この実施例では、
記録開始パワーは0mWであるから、ここではPw6を
0mWに設定する(ステップS50)。
【0199】次に、図12の場合と同じ図3の記録波形
からなる試し書きパターンを、光ディスク14の第4試
し書き領域に記録する(ステップS51)。この時、
「10T符号」の高パワーレベルPw1は、図10のス
テップで見出された最適な記録パワー値12mWに固定
し、低パワーレベルPw2は再生パワーレベルPrに固
定し、中間パワーレベルPw3は消去パワーレベル6m
Wに固定する。また、「10T符号」の前端のパワーレ
ベルPw5は10mWに固定する。
【0200】次に、Pw6の値が12mWであるか否か
を判断し(ステップS52)、12mWでなければ、現
在のPw6の値(0mW)に0.2mWを加えてから
(ステップS53)、再度、同じ試し書きパターンを第
4試し書き領域に記録する(ステップS51)。
【0201】こうして、Pw6の値を0mWから12m
Wまで0.2mW刻みで増加させながら、同じ試し書き
パターンを第4試し書き領域に記録する(ステップS5
1〜53)。これが4回目の試し書きである。
【0202】続いて、第4試し書き領域にPw6=0m
Wで形成された記録マーク列から、「10T符号」に対
応する再生信号を取り出し、その再生信号から記録マー
クの後縁のエッジシフト量(T2)を検出する(ステッ
プS54)。そして、エッジシフト量(T2)の値が最
小であるか否かを判断する(ステップS55)。
【0203】エッジシフト量(T2)の値が最小でなけ
れば、次のパワーの再生データに切り換え(ステップS
56)、ステップS54〜S55の手順を繰り返す。す
なわち、次のパワー値であるPw6=0.2mWで形成
された記録マーク列の後縁のエッジシフト量(T2)を
検出し(ステップS54)、その(T2)の値が最小で
あるか否かを判断する(ステップS55)。
【0204】こうして、記録マーク列の後縁のエッジシ
フト量(T2)が最小になるまで同じステップを繰り返
す。エッジシフト量(T2)が最小になると、その時の
記録パワーPw6’(=3mW)を最適な記録パワー値
として当該光ディスク装置のメモリに記憶する(ステッ
プS57)。
【0205】以上のようにして最適な記録パワー値Pw
6’を求めた後、第4の試し書き領域にパワーを結晶化
レベルとした連続レーザ光(DC光)を照射し、上記の
試し書きにより記録された記録マークを消去する(ステ
ップS58)。しかし、この消去動作は必ずしも必要で
はない。
【0206】以上の動作を経て、当該光ディスク14に
対する最適な記録パワー値Pw1’、Pw4’、Pw
5’およびPw6’が求められる。すると、試し書き終
了信号が出力される(ステップS59)ので、その信号
を受けて、当該光ディスク装置は正規の記録・再生動作
を開始する(ステップS60)。
【0207】上記第1〜第4の試し書き領域は、1箇所
ずつ設けてもよいが、確実な値を得るためには、それら
試し書き領域を3箇所(あるいはそれ以上)ずつ設ける
のが好ましい。また、上記第1〜第4の試し書き動作
は、同じ試し書きパターンをそれぞれ5回(あるいはそ
れ以上)繰り返して記録し、それによって形成された記
録マークを再生して得られた値の平均値を用いるのが好
ましい。
【0208】上記の説明では、上記第1〜第4の試し書
き領域が、それぞれ異なる場所に設けられているとして
いるが、予め決められた同一範囲内に設けてもよい。そ
の場合には、先の試し書き動作が終了する度にその領域
に記録された記録マークを消去するのが好ましい。
【0209】(変形例)図10〜図13に示した手順で
は、レーザパワーPw1、Pw4、Pw5およびPw6
について、その値を所定値から少しずつ増加させながら
所定の試し書きパターンを記録してから順次、最適なレ
ーザパワー値を求めているが、この発明はこのような方
法に限定されない。
【0210】例えば、レーザパワーPw1、Pw2、P
w3、Pw4、Pw5およびPw6のすべてについて、
値を種々変えながら所定の試し書きパターンを記録し、
その後、それらの全てのレーザパワー値についての再生
信号波形から最適なレーザパワー値Pw1’、Pw
2’、Pw3’、Pw4’、Pw5’およびPw6’を
決定するようにしてもよい。この場合、記録パルスの幅
を変化させてもよい。
【0211】この場合のレーザパワーPw1、Pw2、
Pw3、Pw4、Pw5およびPw6の範囲および刻み
量としては、例えば以下の(a)〜(f)ようなものが
挙げられる。
【0212】(a) Pw1:6mW〜20mWの範囲
で、0.1mW刻みで変化 Pw2:1.5mW(固定)、Pw3:6mW(固
定)、Pw4:10mW(固定)、 Pw5:10mW
(固定)、Pw6:3mW(固定) (b) Pw2:0mW〜12mWの範囲で、0.2m
W刻みで変化 Pw1:12mW(固定)、 Pw3:6mW(固
定)、Pw4:10mW(固定)、 Pw5:10mW
(固定)、Pw6:3mW(固定) (c) Pw3:3mW〜12mWの範囲で、0.2m
W刻みで変化 Pw1:12mW(固定)、Pw2:1.5mW(固
定)、Pw4:10mW(固定)、Pw5:10mW
(固定)、Pw6:3mW(固定) (d) Pw4:6mW〜20mWの範囲で、0.2m
W刻みで変化 Pw1:12mW(固定)、Pw2:1.5mW(固
定)、Pw3:6mW(固定)、 Pw5:10mW
(固定)、Pw6:3mW(固定) (e) Pw5:6mW〜20mWの範囲で、0.2m
W刻みで変化 Pw1:12mW(固定)、Pw2:1.5mW(固
定)、Pw3:6mW(固定)、 Pw4:10mW
(固定)、Pw6:3mW(固定) (f) Pw6:0mW〜12mWの範囲で、0.2m
W刻みで変化 Pw1:12mW(固定)、Pw2:1.5mW(固
定)、Pw3:6mW(固定)、 Pw4:10mW
(固定)、Pw5:10mW(固定) 上記(a)〜(f)において、パワーレベルPw1、P
w4、Pw3、Pw2は Pw1>Pw4>Pw3>Pw2 の条件を満たすように設定する。Pw5とPw6は任意
である。
【0213】以上述べたように、図10〜図13の試し
書き手順によれば、4回の試し書きにより、使用する光
ディスク14に応じて最適なレーザパワーを求めること
ができる。このため、多数回書き換えによる光ディスク
14の記録層3または3’の物質移動だけでなく、その
光ディスク14から得られる再生信号波形の中心レベル
のゆらぎをも防止することができる。また、マークエッ
ジ記録で情報を記録する場合においても、再生信号のジ
ッターを抑制することができる。
【0214】よって、この実施例の試し書き方法によれ
ば、光ディスク14の記録感度の変動やその環境温度の
変動があっても、最適な状態で情報を記録することがで
きる。
【0215】換言すれば、この実施例の試し書き方法に
よれば、光ディスク14の交換に伴う記録層3または
3’の層厚の変動やその環境温度の変動、あるいは当該
光ディスク装置の特性の変化に起因する記録感度の変動
などによる影響をなくすことができるため、情報を安定
して記録することが可能となる。
【0216】(試し書き動作を行なうタイミング)上記
の試し書き動作は、少なくとも、光ディスク装置の立ち
上げ時および光ディスクを交換した時に行なえば足り
る。しかし、同じ光ディスク14を長時間(例えば20
時間以上)連続使用する場合には、その途中で所定時間
ごとに行なうのが好ましい。また、使用中に環境温度や
再生特性が大きく変化した場合には、その変化した時点
で改めて試し書きを行なうのが好ましい。
【0217】例えば、同じ光ディスク14を20時間、
連続して使用した場合、上記のような試し書き動作を通
じて、光ディスク装置の立ち上げ時(あるいは光ディス
ク14の交換時)に求めたレーザパワーの最適値Pw
1’、Pw2’、Pw3’、Pw4’、Pw5’および
Pw6’の比率と同じ比率のレーザパワーで、図6の記
録波形からなる試し書きパターンを記録し、「1T符号
列」の中心レベル(R−1T)と「10T符号列」の中
心レベル(R−10T)がほぼ等しくなる(ΔV≒0)
ように、レーザパワーの最適値Pw1’を設定し直す。
その場合、例えば、最長記録符号に対応する「10T符
号」の高レベルパワーPw1の値を、7mWから17m
Wの範囲で、0.1mW刻みで変化させる。
【0218】周囲温度が急激に上昇した場合には、半導
体レーザ12のパワーが低下するため、一般に、最適な
レーザパワー値は上昇する前の設定パワーよりも若干高
くなる。
【0219】(記録層)この実施例では、記録層3、
3’としてGe22Sb22Te56の組成を持つ相変化型記
録層を用いたが、これ以外の相変化型記録層でも実施可
能である。また、相変化型記録層以外の記録層、例えば
光磁気記録層を用いても、記録層の物質移動以外の点で
同様の効果が得られる。光磁気記録層では、例えば、T
b−Fe−Co系の光磁気記録層が好適に使用できる。
【0220】[実施例2] (情報記録媒体)この実施例では、情報記録媒体として
図14に示す書き換え可能型光ディスクを使用する。こ
の光ディスクは次のようにして製造したものである。
【0221】まず、直径3.5インチ、厚さ0.6mm
のポリカーボネート基板24上に、マグネトロンスパッ
タリング法によって厚さ約125nmのZnS−SiO
2からなる保護層25を形成した。この基板24は、表
面にサンプルサーボ方式に対応するピットを有してい
る。
【0222】次に、Cr10Ge6Sb24Te60の組成の
記録層26を約20nmの厚さに形成し、その上にさら
に、ZnS−SiO2よりなる中間層27を約20nm
の厚さに形成した。さらに、Al−Ti合金よりなる反
射層28を中間層27の上に約100nmの厚さに形成
した。これらの層25、26、27の形成は同一のスパ
ッタリング装置内で順次、行なった。その後、前記スパ
ッタリング装置の外で、反射層28の上に紫外線硬化樹
脂層29を塗布し、一方のディスク部材を得た。 他
方、上記と同じ方法で、上記と同じポリカーボネート基
板24’上に、上記と同じ層構造を形成した。すなわ
ち、基板24’上に、マグネトロンスパッタリング法に
よってZnS−SiO2保護層25’、Cr10Ge6Sb
24Te606記録層26’、ZnS−SiO2中間層27’
およびAl−Ti反射層28’を順次、形成した。その
後、前記スパッタリング装置の外で反射層28’の上に
紫外線硬化樹脂層29’を塗布し、他方のディスク部材
を得た。
【0223】その後、紫外線硬化樹脂層29、29’を
対向してホットメルト接着剤30を介して密着させ、両
ディスク部材の接着を行なった。こうして、図14に示
す書き換え可能型光ディスクを得た。この光ディスクの
記録層26、26’は相変化型である。
【0224】この実施例2では、実施例1で使用したの
と同じ光ディスク装置を用いた。
【0225】この実施例2で用いる光ディスクの記録層
26、26’は、記録時のレーザパワーの大きさに応じ
て多数回書き換えによる再生信号波形の歪みの方向が異
なる特性を示す。すなわち、初期結晶化の後、多数回書
き換えを行なうと、レーザパワーが最適値よりも低い場
合には、レーザビーム・スポットの移動方向とは逆の方
向へ記録層26、26’が物質移動し(これを「後方流
動」という)、レーザパワーが最適値よりも高い場合に
は、レーザビーム・スポットの移動方向と同じ方向へ記
録層26、26’が物質移動する(これを「前方流動」
という)。
【0226】このような物質移動による記録層26、2
6’の厚さの変化により、記録層26、26’の同一場
所に多数回レーザ光を照射した場合、記録マークの反射
率の変動により、例えば、後方流動の場合には再生信号
波形が図15(a)に示すように右側に傾斜し、前方流
動の場合には再生信号波形が図15(b)に示すように
左側に傾斜する。このような波形の変化は、再生信号レ
ベルの変化を引き起こし、再生信号エラーの原因とな
る。
【0227】しかし、この実施例2で用いたような光デ
ィスクでは、多数回書き換え時の物質移動方向すなわち
再生信号波形の歪みの方向がレーザパワーの大きさによ
って異なることを利用すれば、以下のようにして記録時
のレーザパワーを制御することにより、記録層26、2
6’の物質移動を防止することが可能となる。
【0228】(試し書き)まず、各記録符号に対応する
記録信号波形の最適なレーザパワー値の比(例えば、図
6に示した記録波形のPw1’〜Pw6’の値の比)を
求めた。また、図1に示す試し書き用の記録信号波形に
ついて、最長記録符号である「10T符号」と最短記録
符号である「1T符号」の再生信号の振幅の比(10T
/1T)の値が1に近くなるレーザパワーの値と、「1
0T符号」の多数回書き換えにより再生信号波形の歪み
を生じにくいレーザパワーの最適値Pw1’との差(+
α)を求めた。その後、こうして求めたレーザパワーの
比とレーザパワー差(+α)とを、使用する光ディスク
のコントロールトラックに記録した。
【0229】そして、光ディスク装置の立ち上げ時また
は光ディスクの交換時に、図1の記録波形を用いて実施
例1で述べたのと同じ試し書き方法により、再生信号の
振幅比(10T/1T)が1に近い値になるレーザパワ
ー値を求めた。この試し書きの工程では、高レベルパワ
ーPw1は、7mW〜17mWの範囲で、0.1mW刻
みで変化させた。また、Pw2は1.0mWに固定し、
Pw3は7mWに固定した。
【0230】また、それと同時に、再生信号の振幅比
(10T/1T)が1に近い値になるレーザパワー値に
(+α)の値を加え、その値を最適値Pw1’として、
光ディスク装置のメモリに記憶しなおした。
【0231】その後、通常の方法によりこの光ディスク
に所望の情報を記録したところ、多数回書き換えによる
再生信号の波形の歪みがなく、最適な状態で記録できた
ことが分かった。
【0232】長時間使用時には、所定の時間(例えば1
0時間)ごとに同様な試し書き動作を行なうのが好まし
い。また、使用中に再生特性が変化した時あるいは環境
温度が大きく変化した時にも、同様な試し書き動作を行
なうのが好ましい。
【0233】この実施例では、一つの記録符号に対して
一つの記録マークが対応しており、各記録符号に対する
記録マークは、記録符号を複数のパルスに分割してもし
なくても、同様な効果が得られた。
【0234】[実施例3]この実施例3でも、実施例2
で述べた、記録時のレーザパワーを制御することによ
り、多数回書き換えによる再生信号波形の歪みを生じに
くくできる光ディスクを用いた。
【0235】(試し書き動作)この実施例3では、試し
書き動作により、単一周波数(ここでは、duty:5
0%、パルス分割なしとした)で記録したときの2次高
調波の値が最小となる、またはそのときの消去比が最大
となるレーザパワーを求め、それによって最適なレーザ
パワーを見出した。
【0236】まず、多数回書き換えにより再生信号波形
の歪みを生じにくいレーザパワーPw1’の値を求め
た。他方、ある線速度において単一周波数の信号で記録
を行なったときの2次高調波の値が最小または消去比が
最大となるレーザパワーを求めた。次に、こうして求め
た両レーザパワーの差を求め、これを光ディスクのコン
トロールトラックに記録した。
【0237】その後、試し書き方法により、この光ディ
スクにおいて2次高調波の値が最小となるまたは消去比
が最大となる記録パワー値を求め、このパワー値から多
数回書き換えにより再生信号波形の歪みがほぼ最小にな
る記録パワー値を求めた。
【0238】ここでは、2次高調波が最小となる記録パ
ワーを求める方法について説明する。消去比が最大とな
る記録パワー値を求める場合も、これと同様である。線
速度10m/s、記録周波数3MHzにおける2次高調
波の値が最小となる記録パワー値を測定すると、13m
Wであった。他方、最長記録符号「10T符号」に対応
する記録波形での多数回書き換えにより再生信号波形の
歪みがほぼ最小になる記録パワー値は、12.5mWで
あった。そこで、これら両パワー値の差(=0.5m
W)を光ディスクのコントロールトラックに記録した。
【0239】その後、光ディスク装置の立ち上げ時など
に、線速度10m/s、記録周波数3MHzの条件で、
レーザパワーを種々変えて情報を記録し、2次高調波の
値が最小となるパワー値を求めた。その際、試し書きの
ためのレーザパワーPw1は、4mW〜20mWの範囲
で、0.1mW刻みで変化させた。
【0240】2次高調波の最小値を見つける方法として
は、スペクトルアナライザのようにフーリエ変換を行な
う回路を用いる方法や、前記単一周波数(duty:5
0%)で記録した信号を再生し、その再生信号を交流増
幅した後に振幅の中心レベルの上側と下側で個別に包絡
線検波する方法がある。後者の方法では、この包絡線検
波の出力を帯域フィルタに通して振幅成分を抽出した
後、それぞれの振幅ピーク値を検出する。そして、検出
した振幅ピーク値が等しくなれば、duty:50%で
2次歪なし(すなわち、2次高調波が最小)と判断す
る。
【0241】例えば、環境温度が上昇して半導体レーザ
の出力が小さくなったため、2次高調波の値が最小とな
るパワーが12.5mWに変化したとすると、記録層の
物質移動方向が釣り合う最適なレーザパワーは12.0
mWとなり、0.5mWだけ低下する。そこで、最適な
高レベルのレーザパワー値Pw1’を12.5mWから
12.0mWに変更する。
【0242】この実施例3で用いた光ディスクでは、多
数回書き換えにより再生信号波形の歪みを生じにくい記
録パワー値と、上記の線速度において上記の単一周波数
信号で記録したときの2次高調波の値が最小となる記録
パワー値とがほぼ一致する。このため、光ディスクごと
に予め、物質移動方向が釣り合うパワーの値と2次高調
波の値が最小となるパワーの差の値を記録しておく必要
がないという利点がある。
【0243】(モニター領域)この実施例3では、多数
回書き換えにより再生信号波形の歪みを生じにくいレー
ザパワーPw1が、何らかの理由により変化したことを
検知するために、光ディスクに記録層の物質移動による
再生信号レベル(すなわち反射率)の変化を検知するモ
ニター領域を設けるのが好ましい。書き換えの度に、こ
のモニター領域の同一場所に最長記録符号に対応する
「10T符号」を記録・再生することにより、多数回書
き換えによって再生信号の波形に歪みが生じたことを知
ることができる。
【0244】前記モニター領域は、光ディスクに複数箇
所(例えば5箇所)設けるのが好ましい。
【0245】この実施例3では、例えば、最適な記録パ
ワーが光ディスクの感度変化などによって変化した場
合、同じ記録パワーで多数回書き換えを行なうと記録層
の物質移動が生じ始め、再生信号の反射率レベルがプラ
スまたはマイナスのどちらかに大きく変化する。このよ
うな反射率レベルの変化を検知すると、前記試し書き動
作を実行して新たに最適なレーザパワーを求め直す。そ
の結果、物質移動による大きな反射率の変化を防ぐこと
が可能となる。
【0246】
【発明の効果】この発明の第1の情報の記録方法および
第1の情報記録再生装置によれば、相変化型の情報記録
媒体において多数回書き換えによる記録層の物質移動が
防止され、最適な状態で情報を記録できる。
【0247】この発明の第2の情報の記録方法および第
2の情報記録再生装置によれば、情報記録媒体から得た
再生信号波形の中心レベルのゆらぎを防止できる。
【0248】この発明の第3の情報の記録方法および第
3の情報記録再生装置によれば、マークエッジ記録にお
いて再生信号のジッターを抑制することができる。
【0249】この発明の第4の情報の記録方法および第
4の情報記録再生装置によれば、一つの記録符号に対し
て一つの記録マークが対応する記録方式の場合でも、相
変化型の情報記録媒体において多数回書き換えによる記
録層の物質移動を防止して最適な状態で情報を記録でき
る。
【0250】この発明の第1〜第4の情報の記録方法お
よび第1〜第4の情報記録再生装置によれば、装置の立
ち上げ時や情報記録媒体の交換時などに前記試し書きを
行なえば、情報記録媒体の記録感度の変動やその環境温
度の変動があっても、常に最適な状態で情報を記録でき
る。また、使用する変調方式に対応した記録波形を用い
て最適な記録条件を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はこの発明の情報の記録方法において
試し書きに使用する記録信号波形の一例を示し、(b)
はその記録信号波形により記録層に形成される記録マー
クを示し、(c)はその記録マークからの再生信号を示
す。
【図2】 (a)はこの発明の情報の記録方法において
試し書きに使用する記録信号波形の他の例を示し、
(b)はその記録信号波形により記録層に形成される記
録マークを示し、(c)はその記録マークからの再生信
号を示す。
【図3】 (a)はこの発明の情報の記録方法において
試し書きに使用する記録信号波形の他の例を示す。
【図4】 (a)はこの発明の情報の記録方法において
試し書きに使用する記録信号波形の他の例を示し、
(b)はその記録信号波形により記録層に形成される記
録マークを示し、(c)はその記録マークからの再生信
号を示す。
【図5】 この発明の情報の記録方法の試し書き動作の
手順を示すフローチャートである。
【図6】 (a)はこの発明の情報の記録方法において
試し書きに使用する記録信号波形の他の例を示し、
(b)はその記録信号波形により記録層に形成される記
録マークを示し、(c)はその記録マークからの再生信
号を示す。
【図7】 この発明の情報の記録方法の第1実施例に使
用する情報記録媒体の断面図である。
【図8】 この発明の情報の記録方法の第1実施例に使
用する情報記録再生装置の機能ブロック図である。
【図9】 この発明の情報の記録方法の第1実施例の試
し書きによって得られた、レーザパワーPw1、P4お
よびPw5と再生信号電圧との関係を示すグラフであ
る。
【図10】 この発明の情報の記録方法の第1実施例の
試し書き動作の手順の詳細を示すフローチャートであ
る。
【図11】 この発明の情報の記録方法の第1実施例の
試し書き動作の手順の詳細を示すフローチャートで、図
10の続きである。
【図12】 この発明の情報の記録方法の第1実施例の
試し書き動作の手順の詳細を示すフローチャートで、図
11の続きであるる。
【図13】 この発明の情報の記録方法の第1実施例の
試し書き動作の手順の詳細を示すフローチャートで、図
12の続きである。
【図14】 この発明の情報の記録方法の第2、第3実
施例に使用する情報記録媒体の断面図である。
【図15】 この発明の情報の記録方法の第2、第3実
施例で使用する情報記録媒体の再生信号波形の概略を示
す図である。
【符号の説明】
1、1’ ポリカーボネート基板 2、2’ ZnS−SiO2保護層 3、3’ Ge22Sb22Te56記録層 4、4’ ZnS−SiO2中間層 5、5’ Al−Cu反射層 6、6’ 紫外線硬化樹脂保護層 7 ホットメルト接着剤層 8 変調器 9 符号器 10 記録パルス生成器 11 レーザ駆動器 12 半導体レーザ 13 光学ヘッド 14 ディスク 15 受光器 16 再生信号増幅器 17 波形等化器 18 整形器 19 弁別器 20 複号器 21 試し書き器 22 制御器 23 比較器 24、24’ ポリカーボネート基板 25、25’ ZnS−SiO2保護層 26、26’ Cr10Ge6Sb24Te60記録膜 27、27’ ZnS−SiO2中間層 28、28’ Al−Ti反射層 29、29’ 紫外線硬化樹脂保護層 30 ホットメルト接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯邑 浩行 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 伏見 哲也 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の信号変調方式により変調したエネ
    ルギービームの照射によって情報記録媒体に情報を記録
    する方法において、 前記エネルギービームの最適な記録パワーを求める試し
    書き動作を含み、その試し書き動作は、 前記エネルギービームのパワーを複数の異なる値に設定
    して、前記信号変調方式における最短あるいはそれに近
    い長さの第1記録符号と、前記第1記録符号のn倍(n
    は2以上の正の整数)あるいはそれに近い長さの第2記
    録符号とを前記情報記録媒体に記録する工程と、 前記情報記録媒体に記録された前記第1記録符号と前記
    第2記録符号とを再生して、前記第1記録符号に対応す
    る第1再生信号と前記第2記録符号に対応する第2再生
    信号とを得る工程と、 前記第1再生信号の振幅と前記第2再生信号の振幅との
    比が所定値となる場合の前記エネルギービームのパワー
    値を検出し、その検出されたパワー値に基づいて前記エ
    ネルギービームの最適な記録パワー値を決定する工程と
    を備えていることを特徴とする情報の記録方法。
  2. 【請求項2】 前記エネルギービームの最適な記録パワ
    ー値を、前記第2再生信号の振幅と前記第1再生信号の
    振幅との比が所定値となる場合のパワー値に等しくする
    請求項1に記載の情報の記録方法。
  3. 【請求項3】 前記エネルギービームの最適な記録パワ
    ー値を、前記第2再生信号の振幅と前記第1再生信号の
    振幅との比が所定値となる場合のパワー値から所定値だ
    けずれた値に等しくする請求項1に記載の情報の記録方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1再生信号の振幅をA1、前記第
    2再生信号の振幅をA2とすると、それら振幅の比(A
    2/A1)の所定値が0.6以上、1.0以下の範囲内
    にある請求項1〜3のいずれか記載の情報の記録方法。
  5. 【請求項5】 前記第2記録符号が複数の基本パルスの
    列から構成され、且つそれら基本パルス列により前記情
    報記録媒体に形成されるスポット状マークが、前記第2
    再生信号では1つのパルス波形として検出されるよう
    に、前記エネルギービームのパワーの所定値を設定する
    請求項1〜4のいずれかに記載の情報の記録方法。
  6. 【請求項6】 前記情報記録媒体がオーバーライト可能
    であり、前記第1記録符号に対応する記録パルスが、記
    録パワーレベルに保持される第1期間と、それに続く消
    去パワーレベルよりも低いパワーレベルに保持される第
    2期間とを含んでいる請求項1〜5のいずれかに記載の
    情報の記録方法。
  7. 【請求項7】 前記試し書き動作が、少なくとも前記情
    報記録媒体についての記録動作の開始時および前記情報
    記録媒体の交換時に実施される請求項1〜6のいずれか
    記載の情報の記録方法。
  8. 【請求項8】 前記情報記録媒体が、多数回書き換えに
    よる再生信号のレベル変化を検出するためのモニター領
    域を有しており、しかも、情報を記録する前に前記モニ
    ター領域に前記第1記録符号を記録してから再生し、得
    られた再生信号のレベルが所定範囲から外れていれば前
    記試し書き動作を行なう請求項1〜7のいずれかに記載
    の情報の記録方法。
  9. 【請求項9】 前記第2記録符号として、前記信号変調
    方式における最長記録符号を用いる請求項1〜8のいず
    れかに記載の情報の記録方法。
  10. 【請求項10】 所定の信号変調方式により変調したエ
    ネルギービームの照射によって情報記録媒体に情報を記
    録する方法において、 前記エネルギービームの最適な記録パワーを求める試し
    書き動作を含み、その試し書き動作は、 前記エネルギービームのパワーを複数の異なる値に設定
    して、前記信号変調方式における最短あるいはそれに近
    い長さの第1記録符号の繰り返しからなる第1記録波形
    と、前記第1記録符号のn倍(nは2以上の正の整数)
    あるいはそれに近い長さの第2記録符号の繰り返しから
    なる第2記録波形とを前記情報記録媒体に記録する工程
    と、 前記情報記録媒体に記録された前記第1記録波形と前記
    第2記録波形とを再生して、前記第1記録波形に対応す
    る第1再生信号波形と前記第2記録波形に対応する第2
    再生信号波形とを得る工程と、 前記第1再生信号波形の中心レベルと前記第2再生信号
    波形の中心レベルとを比較して、それらの中心レベルが
    ほぼ一致するパワー値を検出し、その検出されたパワー
    値に基づいて前記エネルギービームの最適な記録パワー
    値を決定する工程とを備えていることを特徴とする情報
    の記録方法。
  11. 【請求項11】 前記第1再生信号波形の中心レベルと
    前記第2再生信号波形の中心レベルとがほぼ一致する記
    録パワーを、前記エネルギービームの最適な記録パワー
    値とする請求項10に記載の情報の記録方法。
  12. 【請求項12】 前記第1再生信号波形の中心レベルと
    前記第2再生信号波形の中心レベルの電圧差が、前記第
    2再生信号波形の未記録部の電圧に対する電圧差の±5
    %以内にある請求項10または11に記載の情報の記録
    方法。
  13. 【請求項13】 前記試し書き動作が、少なくとも前記
    情報記録媒体についての記録動作の開始時および前記情
    報記録媒体の交換時に実施される請求項11または12
    に記載の情報の記録方法。
  14. 【請求項14】 前記情報記録媒体が、多数回書き換え
    による再生信号のレベル変化を検出するためのモニター
    領域を有しており、しかも、情報を記録する前に前記モ
    ニター領域に前記第1記録波形を記録してから再生し、
    得られた再生信号のレベルが所定範囲から外れていれば
    前記試し書き動作を行なう請求項11〜13のいずれか
    に記載の情報の記録方法。
  15. 【請求項15】 前記第1記録符号波形として、前記信
    号変調方式における最短記録符号の繰り返しからなる最
    密パターンを用い、前記第2記録符号波形として、前記
    信号変調方式における最長記録符号の繰り返しからなる
    最疎パターンを用いる請求項11〜14のいずれかに記
    載の情報の記録方法。
  16. 【請求項16】 前記情報記録媒体がオーバーライト可
    能であり、前記第1記録符号に対応する記録パルスが、
    記録パワーレベルに保持される第1期間と、それに続く
    消去パワーレベルよりも低いパワーレベルに保持される
    第2期間とを含んでいる請求項11〜15のいずれかに
    記載の情報の記録方法。
  17. 【請求項17】 所定の信号変調方式により変調したエ
    ネルギービームの照射によって情報記録媒体に情報を記
    録する方法において、 前記エネルギービームの最適な記録パワーを求める試し
    書き動作を含み、その試し書き動作は、 前記信号変調方式における最短記録符号の繰り返しから
    なり、且つ、高低両レベルのピークが所定の高パワーレ
    ベルと低パワーレベルにそれぞれ等しい中間部と、高レ
    ベル側のピークが前記所定の高パワーレベルとは異なる
    前端部と、低レベル側のピークが前記所定の低パワーレ
    ベルとは異なる後端部とを含んで構成される記録波形を
    生成する工程と、 前記記録波形の前端部および後端部における前記エネル
    ギービームのパワー値を複数の異なる値にそれぞれ設定
    して、その記録波形を前記情報記録媒体に記録する工程
    と、 前記情報記録媒体に記録された前記記録波形を再生して
    再生信号波形を得る工程と、 前記再生信号波形の前端および後端の位置を比較し、そ
    の前端の位置のずれがほぼ最小となる場合の前記記録波
    形の前端部のパワー値をその前端部における前記エネル
    ギービームの最適な記録パワー値とし、その後端の位置
    のずれがほぼ最小となる場合の前記記録波形の後端部の
    パワー値をその後端部における前記エネルギービームの
    最適な記録パワー値とする工程とを備えていることを特
    徴とする情報の記録方法。
  18. 【請求項18】 前記記録波形が、前記信号変調方式に
    おける最長記録符号である請求項17に記載の情報の記
    録方法。
  19. 【請求項19】 前記情報記録媒体がオーバーライト
    可能であり、しかも、前記最短記録符号に対応する記録
    パルスが、記録パワーレベルに保持される第1期間と、
    それに続く消去パワーレベルよりも低いパワーレベルに
    保持される第2期間とを含んでいる請求項17または1
    8に記載の情報の記録方法。
  20. 【請求項20】 所定の信号変調方式により変調したエ
    ネルギービームの照射によって情報記録媒体に情報を記
    録する方法において、 前記情報記録媒体として、照射される前記エネルギービ
    ームのパワーに応じて多数回書き換えによる再生信号波
    形の歪の方向が異なる性質を持つ情報記録媒体を使用
    し、 前記情報記録媒体に対する試し書きにより、前記再生信
    号波形の歪がほぼ最小となる前記エネルギービームの最
    適なパワー値を求め、そのパワー値で前記情報記録媒体
    に情報を記録することを特徴とする情報の記録方法。
  21. 【請求項21】 前記試し書き動作が、 前記エネルギービームのパワーを複数の異なる値に設定
    して、前記信号変調方式における最短あるいはそれに近
    い長さの第1記録符号と、前記第1記録符号のn倍(n
    は2以上の正の整数)あるいはそれに近い長さの第2記
    録符号とを前記情報記録媒体に記録する工程と、 前記情報記録媒体に記録された前記第1記録符号と前記
    第2記録符号とを再生して、前記第1記録符号に対応す
    る第1再生信号と前記第2記録符号に対応する第2再生
    信号とを得る工程と、 前記第1再生信号の振幅と前記第2再生信号の振幅との
    比が所定値となる場合の前記エネルギービームのパワー
    値を検出し、その検出されたパワー値に基づいて前記エ
    ネルギービームの最適な記録パワー値を決定する工程と
    を備えている請求項20に記載の情報の記録方法。
  22. 【請求項22】 前記試し書き動作が、前記情報記録媒
    体にある線速度で単一周波数で情報を記録したときに2
    次高調波が最小となるまたは消去比が最大となる前記エ
    ネルギービームのパワー値を求めておき、そのパワー値
    と前記試し書きで求めた前記エネルギービームの最適な
    記録パワー値との差が前記情報記録媒体に記録してある
    請求項20または21に記載の情報の記録方法。
  23. 【請求項23】 前記パワー値の差が、前記情報記録媒
    体のコントロールトラックに記録されている請求項20
    〜22のいずれかに記載の情報の記録方法。
  24. 【請求項24】 前記試し書き動作で求めた多数回書き
    換えにより再生信号波形の歪みがほぼ最小となるパワー
    値と、2次高調波最小または消去比最大となる前記パワ
    ー値とが、ほぼ同じである請求項20〜23のいずれか
    に記載の情報の記録方法。
  25. 【請求項25】 所定の信号変調方式により変調したエ
    ネルギービームの照射によって情報記録媒体に情報を記
    録する情報記録再生装置であって、 前記エネルギービームの最適な記録パワーを求めるため
    の試し書き動作を行なう試し書き手段を含み、その試し
    書き手段は、 前記エネルギービームのパワーを複数の異なる値に設定
    して、前記信号変調方式における最短あるいはそれに近
    い長さの第1記録符号と、前記第1記録符号のn倍(n
    は2以上の正の整数)あるいはそれに近い長さの第2記
    録符号とを前記情報記録媒体に記録する手段と、 前記情報記録媒体に記録された前記第1記録符号と前記
    第2記録符号とを再生して、前記第1記録符号に対応す
    る第1再生信号と前記第2記録符号に対応する第2再生
    信号とを得る手段と、 前記第1再生信号の振幅と前記第2再生信号の振幅との
    比が所定値となる場合の前記エネルギービームのパワー
    値を検出し、その検出されたパワー値に基づいて前記エ
    ネルギービームの最適な記録パワー値を決定する手段と
    を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
  26. 【請求項26】 所定の信号変調方式により変調したエ
    ネルギービームの照射によって情報記録媒体に情報を記
    録する情報記録再生装置であって、 前記エネルギービームの最適な記録パワーを求めるため
    の試し書き動作を行なう試し書き手段を含み、その試し
    書き手段は、 前記エネルギービームのパワーを複数の異なる値に設定
    して、前記信号変調方式における最短あるいはそれに近
    い長さの第1記録符号の繰り返しからなる第1記録波形
    と、前記第1記録符号のn倍(nは2以上の正の整数)
    あるいはそれに近い長さの第2記録符号の繰り返しから
    なる第2記録波形とを前記情報記録媒体に記録する手段
    と、 前記情報記録媒体に記録された前記第1記録波形と前記
    第2記録波形とを再生して、前記第1記録波形に対応す
    る第1再生信号波形と前記第2記録波形に対応する第2
    再生信号波形とを得る手段と、 前記第1再生信号波形の中心レベルと前記第2再生信号
    波形の中心レベルとを比較して、それらの中心レベルが
    ほぼ一致するパワー値を検出し、その検出されたパワー
    値に基づいて前記エネルギービームの最適な記録パワー
    値を決定する手段とを備えていることを特徴とする情報
    記録再生装置。
  27. 【請求項27】 所定の信号変調方式により変調したネ
    ルギービームの照射によって情報記録媒体に情報を記録
    する情報の記録再生装置であって、 前記エネルギービームの最適な記録パワーを求めるため
    の試し書き動作を行なう試し書き手段を含み、その試し
    書き手段は、 前記信号変調方式における最短記録符号の繰り返しから
    なり、且つ、高低両レベルのピークが所定の高パワーレ
    ベルと低パワーレベルにそれぞれ等しい中間部と、高レ
    ベル側のピークが前記所定の高パワーレベルとは異なる
    前端部と、低レベル側のピークが前記所定の低パワーレ
    ベルとは異なる後端部とを含んで構成される記録波形を
    生成する手段と、 前記記録波形の前端部および後端部における前記エネル
    ギービームのパワー値を複数の異なる値にそれぞれ設定
    して、その記録波形を前記情報記録媒体に記録する手段
    と、 前記情報記録媒体に記録された前記記録波形を再生して
    再生信号波形を得る手段と、 前記再生信号波形の前端および後端の位置を比較し、そ
    の前端の位置のずれがほぼ最小となる場合の前記記録波
    形の前端部のパワー値をその前端部における前記エネル
    ギービームの最適な記録パワー値とし、その後端の位置
    のずれがほぼ最小となる場合の前記記録波形の後端部の
    パワー値をその後端部における前記エネルギービームの
    最適な記録パワー値とする手段とを備えていることを特
    徴とする情報記録再生装置。
  28. 【請求項28】 所定の信号変調方式により変調したネ
    ルギービームの照射によって情報記録媒体に情報を記録
    する情報の記録再生装置であって、 前記情報記録媒体として、照射される前記エネルギービ
    ームのパワーに応じて多数回書き換えによる再生信号波
    形の歪の方向が異なる性質を持つ情報記録媒体が使用さ
    れ、 前記記録再生装置は、前記エネルギービームの最適な記
    録パワーを求めるための試し書き動作を行なう試し書き
    手段を含み、その試し書き手段による前記情報記録媒体
    に対する試し書きにより、前記再生信号波形の歪がほぼ
    最小となる前記エネルギービームの最適なパワー値を求
    め、そのパワー値で前記情報記録媒体に情報を記録する
    ようにしたことを特徴とする情報記録再生装置。
JP7080349A 1995-04-05 1995-04-05 情報の記録方法および情報記録再生装置 Pending JPH08279154A (ja)

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