JP4003614B2 - 記録パワー調整方法及びそれを用いた光学情報記録装置 - Google Patents

記録パワー調整方法及びそれを用いた光学情報記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学情報記録媒体に情報を記録する半導体レーザ等の光源の記録パワーを最適記録パワーに調整する方法及びそれを用いた光学情報記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レーザ光照射によって情報の記録・再生を行う光学情報記録媒体としては、CD−RやDVD−R等の追記型媒体、光磁気ディスク、CD−RWやDVD−RAM、DVD−RW等の相変化光ディスクが知られている。これらの媒体を用いた記録は、いずれの場合もレーザ光照射に伴う温度上昇を利用した熱記録であるので、信号品質を確保するためにはレーザ光照射時の媒体の温度上昇を厳しく管理する必要がある。
【0003】
そのため、例えば、環境温度が上昇した場合には、それに応じて記録パワーを適切に低減しなければならない。環境変化に応じて記録パワーを制御するためには、記録パワー調整領域を別途設けて試し書きを行い、ある条件(例えば、ジッターを測定して、ジッターが最小となる条件)で記録パワーの最適化を行うのが一般的である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−25491号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の記録パワー調整方法では、自己トラックにのみ記録を行って記録パワーの調整を行うのが一般的である。しかしながら、記録容量を大きくするために、トラックピッチを狭めた場合、自己トラックで最適となる記録パワーが必ずしも最適であるとは限らない。これは、トラックピッチを狭めた場合には、あるトラックで記録を行った際に隣接するトラックのデータを意図せずに消去してしまうクロス消去の問題が書き換え型の光ディスクにおいて顕著となるからである。
【0005】
クロス消去を考慮した記録パワー決定手法としては、光磁気ディスクに対して自己トラックのみならず隣接トラックにも記録を行って最適記録パワーを決定する方法が、例えば、上記【特許文献1】で提案されている。しかしながら、この手法では、ディスクのトラックにテストパワーで記録を行った後、再度記録パワーを変化させて記録を行うため、記録パワーの決定に時間がかかってしまうという問題があった。
【0006】
例えば、記録パワーを4通りに変化させる場合には、自己トラック、両側隣接トラックの合計3トラックに4回記録を行う必要があり、最低でもディスクを4×3=12回転させる必要がある。更に、この手法は、光磁気ディスクを対象としており、隣接トラックに1回しか記録を行わないため、クロス消去の影響を特に相変化光ディスクに対して正確に見積もることは困難である。相変化光ディスクにおいては、クロス消去が記録非晶質マークの結晶化過程によって生じるため、隣接トラックにおける記録回数が増加するほど結晶化が進行し、クロス消去の影響が大きくなる可能性があった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、記録媒体のトラックを狭トラックピッチ化した場合であっても、且つ、クロス消去の影響を含めて、相変化記録媒体であっても、効率良く短時間で記録パワーを調整することが可能な記録パワー調整方法及びそれを用いた光学情報記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、光学情報記録媒体に光源から光ビームを照射して情報を記録するに当り、前記光源の記録パワーを調整する方法において、前記記録媒体の隣接する3トラックのうち中心トラックにテストパターンの信号を記録パワーを変化させながら記録するステップと、前記中心トラックの両側に隣接するトラックにそれぞれ前記中心トラックにおいてテストパターンを記録した領域とトラック走査方向において略重なりあう位置で記録パワーを変化させながらテストパターンの信号を記録するステップと、前記中心トラックを再生して再生信号の信号特性を測定するステップと、測定した再生信号特性に基づいて前記光源の記録パワーを調整するステップと、を含むことを特徴としている。
【0009】
また、本発明は上記目的を達成するため、光学情報記録媒体に光源から光ビームを照射して情報を記録するに当り、前記光源の記録パワーを調整する方法において、前記記録媒体に中心トラックとその両側に隣接するトラックの3トラックを一組とする複数のテスト領域が配置されており、前記複数のテスト領域にテスト領域毎に記録パワーを変化させて、中心トラックにテストパターンの信号を1回、両側に隣接するトラックにテストパターンの信号を2回以上記録するステップと、前記複数のテスト領域の中心トラックを再生してテスト領域毎に再生信号の信号特性を測定するステップと、テスト領域毎に測定した再生信号特性に基づいて前記光源の記録パワーを調整するステップとを含むことを特徴としている。
【0010】
更に、本発明は上記目的を達成するため、光学情報記録媒体に光源から光ビームを照射して情報を記録する光学情報記録装置において、前記記録媒体の隣接する3トラックのうち中心トラックにテストパターンの信号を記録パワーを変化させながら記録する手段と、前記中心トラックの両側に隣接するトラックにそれぞれ前記中心トラックと略同一タイミングで記録パワーを変化させながらテストパターンの信号を記録する手段と、前記中心トラックを再生して再生信号の信号特性を測定する手段と、測定した再生信号特性に基づいて前記光源の記録パワーを調整する手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の光学情報記録装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、101は情報記録媒体であるところの光ディスクである。本実施形態では光ディスク101として相変化光ディスクを用いた場合を例として説明するが、本発明は、その他に光磁気ディスク等であっても記録パワーを調整することが可能である。
【0012】
また、102は光ディスク101に情報を記録、再生する光ヘッドである。光ヘッド102内には、記録、再生用光源である半導体レーザ(図示せず)、半導体レーザから出射した光ビームを光ディスク101上に集光する対物レンズ(図示せず)、光ディスク101からの反射光を検出する光センサ(図示せず)等各種の光学素子が設けられている。
【0013】
103は光ヘッド102内の半導体レーザを駆動するレーザドライバー、104は装置全体を制御するCPU、105はCPU104からの記録データを変調処理し、記録信号としてレーザドライバー103に供給する記録回路である。また、106は光ヘッド101からの再生信号の信号特性を測定する信号特性測定回路、107は光ヘッド102からの再生信号を用いてテストの信号処理を行い、再生データを生成する再生回路である。
【0014】
信号特性測定回路106は詳しく後述するように記録パワー調整時に再生信号の振幅あるいはジッターを測定し、CPU104はその測定結果に基づいて光源である半導体レーザの記録パワーの調整を行う。記録パワーの調整方法については図面を参照して詳しく後述する。また、CPU104は光ヘッド102内の半導体レーザのパワー設定の他に記録タイミング制御、再生タイミング制御等統括的に装置内の制御を行い、光ディスク101にデータの記録あるいは再生を行う。
【0015】
次に、本実施形態の記録パワー調整方法について説明する。図2は本発明の記録パワー調整方法の一実施形態を示すフローチャートである。図2において、光ディスク101が装置内に挿入されると、CPU104は予め決められた光ディスク101のテスト領域に光ヘッド102を移動させて、予め設定された記録データを記録回路105に供給し、テスト領域の隣接する3トラックのうち中央に位置する中心トラックT0に予め設定されたテストパターンの信号を記録パワーを変化させながら記録する(ステップ101)。
【0016】
図3(a)はこの時記録する記録マークの一例を示す。T0はテスト領域の中心トラック、T1及びT2は中心トラックT0の両側に隣接するトラックである。本実施形態では、図3(a)に示すように中心トラックT0に記録パワーをPw1、Pw2、Pw3というように変化させながらテストパターンの信号の記録を行う。図3(a)に示すように記録パワーの変化に伴い、記録ピットの大きさが変化している。
【0017】
中心トラックT0に記録を完了すると、図3(b)に示すように両側に隣接するトラックT1、T2にそれぞれ記録パワーを変化させながらテストパターンの信号の記録を行う(ステップ102)。この場合、トラックT1、T2に信号を記録する時は図3(b)に示すように中心トラックT0と同一タイミングで記録パワーを変化させて信号の記録を行う。また、隣接トラックT1、T2に記録する時は、詳しく後述するように2回以上記録するのが望ましい。
【0018】
ここで、光ディスク101にスパイラル状に案内溝が形成されている場合は、ディスク回転1周分が1トラックに相当する。本実施形態では、同一記録トラックにおいて異なる記録パワーで記録を行っているが、これは、テスト領域をできるだけ少なくし、ユーザーが自由にデータを記録できるデータ記録領域を多く確保するためである。
【0019】
中心トラックT0と両側に隣接するトラックT1、T2で記録パワーを変化させるタイミングを揃えるためには、光ディスク基板に予め形成されているプリピットを利用することができる。例えば、図4に示すように光ディスク基板に予め形成されているプリピット(あるいは案内溝が形成されていないミラー)を基準として、テスト領域の各トラックにピットを記録する開始タイミングを調節することで、テスト領域の3トラックで記録パワーの変化のタイミングが同一となるように調節することが可能である。
【0020】
光ディスクの場合はアドレス情報等のプリピットが予め形成されているのが一般的であるので、このプリピットを利用して記録のタイミングを調節することができる。但し、隣接するトラックにおいて必ずしもプリピットが隣接して存在するとは限らず、図5に示すようにプリピットがずれて配置されている場合がある。その場合は、図5に示すように隣接するプリピット間の距離のずれ量を予め計算しておき、それに基づいて各トラックへの記録開始のタイミングを調節すれば良い。
【0021】
両側に隣接するトラックT1、T2の記録を完了すると、CPU104はレーザドライバー103を制御し、光ヘッド102内の半導体レーザの光ビームを再生パワーとして中心トラックT0の再生を行う。この時、光ヘッド102から再生信号が出力され、信号特性測定回路106に入力される。信号特性回路106では再生信号の振幅を記録パワーの変化に対応して測定し、CPU104に出力する(ステップ103)。
【0022】
CPU104では、記録パワーと信号振幅を対応させてメモリ(図示せず)に記憶させておき、それに基づいて再生信号振幅が最大となる時の記録パワーを最適記録パワーとして決定する(ステップ104)。また、CPU104はレーザドライバー103を制御し、光ヘッド102内の半導体レーザの記録パワーを決定した記録パワーに調整する。以下、この最適記録パワーで光ディスク101に情報の記録を行う。なお、記録パワーの調整を光ディスク101の挿入時に行うと説明したが、これに限ることなく、例えば、光学情報記録装置の稼働時においても定期的に実行してもよい。
【0023】
ここで、図3に示す中心トラックT0には、単一パターンの繰り返しパターン(例えば、nTパターン:Tはウインド幅、nは1以上16以下の整数、あるいはkTマーク、lTスペース、mTマーク、nTスペースの繰り返し;k、l、m、nは1以上16以下の整数)、あるいはランダムデータを記録し、同様に両側の隣接トラックT1、T2には中心トラックT0と同じパターンの信号を記録しても良い。その後、中心トラックT0を再生して再生信号振幅が最大となる時の記録パワーを最適記録パワーとして決定する。
【0024】
また、信号特性測定回路106により再生信号のジッターを測定してジッターが最小となる記録パワーを最適記録パワーとして決定してもよい。更に、再生信号のジッターを直接測定せずに再生信号をパルス化してパルスの立ち上がり位置及び立ち下がり位置と基準クロックとのずれ時間を測定し、ずれ時間が基準クロックから決定される基準時間(ウインド幅)より大きいずれをカウントし、このカウント値が一番小さい時の記録パワーを最適記録パワーとして決定することも可能である。
【0025】
いずれの場合も、両側に隣接するトラックT1、T2には、中心トラックT0と同様にランダムデータ(中心トラックと同じデータである必要はない)、もしくは単一パターンの繰り返しパターンを記録すればよい。ランダムデータを記録するのが実際の使用状態に近いが、隣接記録の影響をより顕著にするには、k、l、m、nの組み合わせとして、7以上の整数と、3以下の整数の組み合わせ(例えば、8Tマーク、2Tスペース、2Tマーク、2Tスペース)を用いるのが良い。これは、長マーク(7T以上)によりクロストークの影響を顕著にし、短マーク(3T以下)によりクロス消去の影響を顕著にできるからである。
【0026】
クロス消去は熱蓄積による現象であるため、隣接トラックの書き換え回数が増えるほどクロス消去の影響は顕著となる。従って、記録パワー調整時には、隣接トラックに少なくとも2回以上記録を行うことが望ましい。但し、実際の装置では、隣接トラックのみを100回以上書き換えることはほとんど無いこと、不必要に多数回記録を行うと記録パワー調整に長い時間を要することから、最大でも50回程度記録を行えば十分である。
【0027】
なお、1回の記録パワー調整において、テスト領域のトラックすべてを使用する必要はなく、セクタ単位、あるいはシンクフレーム単位で行えば十分である。ここで、クロス消去後の中心トラックの再生信号のジッターを測定して最適記録パワー条件を決定する場合を考える。
【0028】
この時、セクタ長を2KByteとすると、1セクタには16000bit分のデータを記録できるので、記録パワーを4通りに変化させたとしても、あるパワーに対して4000bit程度のデータを記録することが可能である。なお、本願発明者等の実験によれば、1000bit程度の母数があれば記録パワーの調整が十分可能であることを確かめており、1セクタ内で記録パワーを変化させて記録を行い、最適記録パワー条件を決定することは十分可能である。
【0029】
また、同一セクタ内で同じ記録パワーで記録し、セクタが変わった時に記録パワーを変化させて記録を行ってもよいが、記録パワー調整に使用する領域をできるだけ少なくし、ユーザーが使用できる領域をできるだけ多く確保するためには、同一セクタ内で記録パワーを変化させることが望ましい。
【0030】
本実施形態では、隣接する3トラックを利用して記録パワーの調整を行うので、テスト領域の配置管理は3トラックを一つの単位として扱う。このように3トラックを一つの単位として使用すると、ある3トラックに記録を行った後は、1〜3トラックずらした領域を新たなテスト領域として使用することとなる。但し、未記録トラックと記録済みトラックでは記録感度が変化している場合があるので、3トラックずつずらして記録パワーを調整する方が望ましい。この場合には、テスト領域として3の整数倍のトラックを割り当てることとなる。
【0031】
なお、記録パワーを変化させるタイミングは、中心トラックと隣接するトラックで同一であることが望ましい(換言すれば、中心トラックとその隣接トラックとで記録パワーが同一であることが望ましい)。これは、クロス消去という現象が、隣接トラックに記録を行った際に、予め中心トラックに記録されていたマークが結晶化することにより生じる現象であるためである。すなわち、隣接トラックに記録パワーが照射され(中心トラックでの温度上昇がこの場合に最も高くなる)、かつ、中心トラックに記録マークが存在する(クロス消去は、記録マークの結晶化によって生じる)場合にクロス消去の影響が最も顕著となるからである。ただし、図6に示すように、記録パワーを変化させるタイミングが中心トラックと隣接トラックで多少異なっても(例えば(1−7)変調で記録を行う場合の最長データである8T程度の位置ずれが生じても)大きな問題にはならない。図6には、同一トラック内で記録パワーをPw1,Pw2,Pw3の3通りに変化させながら記録を行った領域を網掛けで示しており(各々の網掛けの領域内では、記録パワはPw1あるいはPw2あるいはPw3で一定)、中心トラックと隣接トラックでは、図6に示した拡大図から分かるように、記録開始位置(記録パワを変化させるタイミング)がずれている。この場合でも、中心トラックに記録マークが存在する領域の両側の隣接トラックには、大半の場合に記録マークが存在(隣接トラックで記録パワが照射された領域に相当)しており、クロス消去の影響を定量的に調べることが可能である。また、図6において、網掛けで示された中心トラックの各領域の最後尾の領域では隣接トラックに記録パワが照射されないことになるので、この領域ではクロス消去は生じないことになるが、1000ビット以上のデータを用いて記録パワ調整を行うので、8T(8ビットに相当)程度のデータがクロス消去を受けなかったとしても、記録パワ調整の結果には大きな影響を及ぼすこともない。ただし、中心トラック、隣接トラックとも単一周期のデータパタンの繰り返し(例えば、8Tマーク、8Tスペースの繰り返し)を用いて記録を行う場合は、記録パワを変化させるタイミングは正確に制御する必要がある。これは、図6に示すように、単一周期のデータを記録する際には、最悪の場合、隣接トラックで記録パワが照射される際、中心トラックには記録マークが存在しないことになるためである。クロス消去が生じるのは、隣接トラックに記録パワーが照射され(温度上昇が最も高く)、かつ、中心トラックに記録マークが存在する(クロス消去は、記録マークの結晶化によって生じる)場合であるため、この最悪の条件では、クロス消去の影響を測定することはできない。中心トラックに存在するマークの少なくとも半分以上の領域で、隣接トラックで記録パワが照射されることが、望ましいので、8Tマーク/8Tスペースの繰り返しパタンで記録パワ調整を行う場合には、記録開始位置タイミングを4T程度の精度で制御する必要がある。
【0032】
【実施例】
次に、本願発明者等は実際に光ディスクを作製し、それを用いて記録パワーを調整する実験を試みた。以下、これを実施例1、2として説明する。
(実施例1)
実施例1では、厚さ1.2mmのポリカーボネート基板上に、Alを100nm、ZnS−SiO2を20nm、GeSbTeを13nm、ZnS−SiO2を50nmを順次スパッタリングにより積層した。更に、その上に紫外線硬化樹脂層を0.1mm形成した。ポリカーボネート基板に形成された案内溝は溝深さ40nm、ピッチ0.3 mmであった。
【0033】
このディスクを線速5m/sで回転させ、波長405nm、対物レンズのNA=0.85の光ヘッドを用いて、紫外線硬化樹脂層側から光を入射して、記録及び再生を行い、記録パワーの調整を行った。
【0034】
具体的に説明すると、まず、光ディスクの中心トラックT0に記録パワーを3.2、3.4、3.6、3.8、4.0mWと変化させながら、各記録パワーで2000bitのデータを記録した。クロック周波数は60MHzとし、図7に示すように案内溝間(ここではランドと規定)のみに記録を行った。その後、中心トラックT0の両側に隣接する隣接トラックT1、T2に中心トラックT0と同様に記録パワーを変化させながら記録を行った。次いで、中心トラックT0の再生を行い、得られた再生信号のジッターを測定した。
【0035】
ここで、中心トラックT0にのみ記録を行った場合の中心トラックT0におけるジッターの測定結果を図8に示す。図8から明らかなように記録パワー3.8mW以上でジッターが最も良い値となっている。これに対し、中心トラックT0の両側の隣接トラックT1、T2に1回記録を行った場合、2回記録を行った場合、5回記録を行った場合の中心トラックT0におけるジッターの測定結果を図9に示す。
【0036】
図9から明らかなように隣接トラックT1、T2に1回のみ記録を行った場合は記録パワー3.6mWでジッターが最小となっており、これが最適記録パワーであることが分かる。一方、隣接トラックT1、T2に2回以上記録を行った場合には、最適記録パワーは3.4mWとなっている。即ち、隣接トラックに2回以上記録を行うと、最適記録パワーは0.2mW低下しており、クロス消去をより反映していることがわかる。
【0037】
従って、クロス消去まで考慮すると、最適記録パワーは3.4 mWということになる。なお、図9においては隣接トラックに100回記録を行った場合のジッターの測定結果を示しているが、2回あるいは5回記録を行った場合に比べてクロス消去の影響が大きくなるためジッターが大きくなっているが、最適記録パワー自身は変化していない。
(実施例2)
実施例2では、厚さ1.2mmのポリカーボネート基板上に、Alを100nm、ZnS−SiO2を20nm、GeSbTeを13nm、ZnS−SiO2を50nmを順次スパッタリングにより積層した。更に、その上に紫外線硬化樹脂層を0.1mm形成した。ポリカーボネート基板に形成された案内溝は溝深さ40nm、ピッチ0.6mmであり、図10に示すように案内溝部(ここではグルーブと規定)及び案内溝間の両方に記録を行った。
【0038】
このディスクを線速5m/sで回転させ、波長405nm、対物レンズのNA=0.85の光ヘッドを用いて、紫外線硬化樹脂層側から光を入射して、記録及び再生を行い、記録パワーの調整を行った。
【0039】
まず、ランド部において記録パワーを3.2、3.4、3.6、3.8、4.0mWと変化させながら、各記録パワーで1000bitのデータを記録した。クロック周波数は実施例1と同様に60MHzとした。その後、このランド部に隣接する両側のグルーブにそれぞれランド部と同様に記録パワーを変化させながら記録を行った。次いで、ランド部を再生し、再生信号のジッターを測定した。この場合も実施例1と同様に両側の隣接トラックに1回記録を行った場合の最適記録パワーは3.6mWであったのに対し、両側隣接トラックに2回以上記録を行った場合の最適記録パワーは3.4mWであった。
【0040】
ここで、中心トラックをランド部としたのは、ランド部の方がクロス消去の影響を受けやすいためである。なお、本実施例では紫外線硬化樹脂層側から光を入射して記録再生を行う場合について説明したが、DVD−RAMの様に基板側から光を入射して記録再生を行う場合は、案内溝部(グルーブ)の方がクロス消去の影響が顕著となるので、グルーブに記録を行った後、両側ランドに記録を行って記録パワーを調整する。
【0041】
なお、以上の実施形態では、1つのトラックの範囲内で記録パワーを変化させて中心トラックと両側隣接トラックにテストパターンの信号を記録すると説明したが、本発明はこれに限ることなく、トラック毎に記録パワーを変化させてもよい。具体的には、光ディスクに中心トラックとその両側に隣接するトラックの3トラックを一組とするテスト領域を複数配置しておき、その内の1つのテスト領域の中心トラックにテストパターンの信号を記録し、両側に隣接するトラックにそれと同じ記録パワーでテストパターンの信号を記録する。
【0042】
次いで、他のテスト領域の中心トラックに前回とは記録パワーを変化させてテストパターンの信号を記録し、両側に隣接するトラックにそれと同じ記録パワーでテストパターンの信号を記録する。以下、テスト領域毎に記録パワーを変化させて中心トラックと両側隣接トラックにテストパターンの信号を記録する。その後、各テスト領域の中心トラックを再生して再生信号特性を測定し、それに基づいて最適記録パワーを調整する。
【0043】
各テスト領域の中心トラックと両側隣接トラックに記録するテストパターンの信号や、テスト領域毎の再生信号の信号特性(再生信号振幅やジッター)の測定方法は先の実施形態と同様である。また、最適記録パワーを決定は、先の実施形態と同様に行う。
【0044】
即ち、テスト領域毎に再生された再生信号振幅のうち信号振幅が最大となる記録パワー、あるいは再生信号のジッターが最小となる記録パワーを最適記録パワーとして決定する。なお、各々のテスト領域の両側隣接トラックには、前述のように信号を2回以上記録するのが望ましい。このような方法であっても、光ディスクのユーザー使用領域は減少するが、クロス消去を含めて最適記録パワーを決定できる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録媒体のトラックが狭トラックピッチ化された場合であっても、クロス消去の影響を含めて最適記録パワーを効率よく短時間で決定することができ、信頼性の高い高密度記録を行うことができる。また、1トラック内で記録パワーを変化させながらテスト記録を行うため、少ないテスト領域で記録パワーを決定でき、ユーザーが自由に記録できる領域を十分に確保することができる。更に、中心トラックの両側に隣接するトラックに2回以上記録することにより、相変化記録媒体の記録パワー調整に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学情報記録装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の記録パワー調整方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図3】 図2の記録パワー調整方法の調整過程でテスト領域のトラックに記録する記録マークの一例を示す図である。
【図4】 光ディスクに形成されているプリピットを用いてテスト領域のトラックに記録を開始する場合の例を説明する図である。
【図5】 光ディスクに形成されているプリピットが隣接するトラック間でずれている時のテスト領域のトラックに記録開始する場合の例を説明する図である。
【図6】 中心トラックと隣接トラックの記録マークの重なり方を説明する図である。
【図7】 本発明の実施例1におけるテスト領域のトラックへの信号の記録を説明する図である。
【図8】 実施例1の中心トラックのみに記録を行った場合の記録パワーに対するジッターの変化の測定結果を示す図である。
【図9】 実施例1の両側隣接トラックに1回、2回、5回、100回記録を行った場合の中心トラックにおけるジッターの測定結果を示す図である。
【図10】 本発明の実施例2におけるテスト領域のトラックへの信号の記録を説明する図である。
【符号の説明】
101 光ディスク
102 光ヘッド
103 レーザドライバー
104 CPU
105 記録回路
106 信号特性測定回路
107 再生回路

Claims (12)

  1. 光学情報記録媒体に光源から光ビームを照射して情報を記録するに当り、前記光源の記録パワーを調整する方法において、前記光学情報記録媒体の隣接する3トラックのうち中心トラックに、テストパターンの信号を記録パワーを変化させながら記録するステップと、前記中心トラックの両側に隣接するトラックに、それぞれ前記中心トラックにおいて前記テストパターンを記録した領域とトラック走査方向において略重なり合う位置に、記録パワーを変化させながらテストパターンの信号をそれぞれ2回以上記録するステップと、前記中心トラックを再生して再生信号の信号特性を測定するステップと、測定した再生信号特性に基づいて前記光源の記録パワーを調整するステップと、を含むことを特徴とする記録パワー調整方法。
  2. 前記3トラックにおけるテストパターンの記録が前記光学情報記録媒体のトラック走査方向において略同一のデータ長となるよう記録することを特徴とする請求項1に記載の記録パワー調整方法。
  3. 前記3トラックに信号を記録する場合の記録パワーの変化のタイミングを前記光学情報記録媒体のトラック走査方向において略同一タイミングに揃えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録パワー調整方法。
  4. 前記中心トラックの再生信号の信号振幅を測定し、該信号振幅を基に記録パワーを決定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録パワー調整方法。
  5. 前記中心トラックの再生信号のジッターを測定し、該ジッターを基に記録パワーを調整することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録パワー調整方法。
  6. 前記中心トラックに記録するテストパターンはランダムデータであり、前記隣接トラックに記録するテストパターンはランダムデータ又はある周期の繰り返しパターンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録パワー調整方法。
  7. 前記中心トラックに記録するテストパターンはある周期の繰り返しパターンデータであり、前記隣接トラックに記録するテストパターンはランダムデータ又はある周期の繰り返しパターンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録パワー調整方法。
  8. 光学情報記録媒体に光源から光ビームを照射して情報を記録するに当り、前記光源の記録パワーを調整する方法において、前記光学情報記録媒体に中心トラックとその両側に隣接するトラックの3トラックを一組とする複数のテスト領域が配置されており、前記複数のテスト領域にテスト領域毎に記録パワーを変化させて、中心トラックにテストパターンの信号を1回、両側に隣接するトラックにテストパターンの信号を2回以上記録するステップと、前記複数のテスト領域の中心トラックを再生してテスト領域毎に再生信号の信号特性を測定するステップと、テスト領域毎に測定した再生信号特性に基づいて前記光源の記録パワーを調整するステップと、を含むことを特徴とする記録パワー調整方法。
  9. 前記光学情報記録媒体に3の整数倍のトラックが記録パワーの調整のためのテスト領域として配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録パワー調整方法。
  10. 光学情報記録媒体に光源から光ビームを照射して情報を記録するに当り、前記光源の記録パワーを調整する方法において、前記光学情報記録媒体の隣接する3トラックのうち中心トラックに、テストパターンの信号を記録パワーを変化させながら記録するステップと、前記中心トラックの両側に隣接するトラックに、それぞれ前記中心トラックにおいて前記テストパターンを記録した領域とトラック走査方向において略重なり合う位置に、記録パワーを変化させながらテストパターンの信号を記録するステップと、前記中心トラックを再生して再生信号の信号特性を測定するステップと、測定した再生信号特性に基づいて前記光源の記録パワーを調整するステップと、を含み、前記光情報記録媒体に形成されているプリピットを利用して前記3トラックに信号を記録する場合の記録パワーの変化のタイミングを前記光学情報記録媒体のトラック走査方向で略同一タイミングとする記録パワー調整方法であって、前記光学情報記録媒体に形成されているプリピットが隣接するトラック間でずれている時は隣接するトラック間のプリピットのずれ量を予め計算し、それに基づいて前記テスト領域の3トラックに信号を記録する場合の記録パワーの変化のタイミングを略同一タイミングに揃えることを特徴とする記録パワー調整方法。
  11. 前記光学情報記録媒体は、相変化記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の記録パワー調整方法。
  12. 光学情報記録媒体に光源から光ビームを照射して情報を記録する光学情報記録装置において、該記録媒体の隣接する3トラックのうち中心トラックにテストパターンの信号を記録パワーを変化させながら記録する手段と、該中心トラックの両側に隣接するトラックにそれぞれ該中心トラックに記録したテストパターンと該記録媒体のトラック走査方向において略同一の領域に記録パワーを変化させながらテストパターンの信号をそれぞれ2回以上記録する手段と、該中心トラックを再生して再生信号の信号特性を測定する手段と、測定した再生信号特性に基づいて該光源の記録パワーを調整する手段とを備えたことを特徴とする光学情報記録装置。
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