JPH08277377A - 水性被覆用組成物 - Google Patents

水性被覆用組成物

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JPH08277377A
JPH08277377A JP7106907A JP10690795A JPH08277377A JP H08277377 A JPH08277377 A JP H08277377A JP 7106907 A JP7106907 A JP 7106907A JP 10690795 A JP10690795 A JP 10690795A JP H08277377 A JPH08277377 A JP H08277377A
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meth
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Nobushige Numa
伸茂 奴間
Yoshihiro Okamoto
好広 岡本
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A) アルコキシシラン基含有ビニル単量
体をカルボキシル基含有不飽和単量体及びヒドロキシル
基含有不飽和単量体並びに必要に応じて、これらと共重
合可能な他の重合性単量体と共重合させることにより得
られる酸価が20〜150及び水酸基価が10〜250
の水分散性アクリル共重合体、(B) 水性ポリウレタ
ン樹脂及び(C)ポリイソシアネート化合物を主成分と
して含有し、そして、アクリル共重合体(A)のヒドロ
キシル基とポリイソシアネート化合物(C)のイソシア
ネート基がNCO:OH当量比で約0.2:1ないし約
3:1の範囲内にある水性被覆用組成物。 【効果】 耐水性、耐溶剤性、耐薬品性、乾燥性等に優
れ、塗膜物性が大幅に改善された被覆膜を形成すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分散性アクリル共重
合体、水性ポリウレタン樹脂およびポリイソシアネート
化合物を主成分として含有する水性被覆用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題から、大気中への有機溶
剤放出の制限がつとに高まっている。塗料においても例
外ではなく、有機溶剤系塗料は大気中へ有機溶剤を多く
放出するため、該塗料中の有機溶剤を減らす検討がなさ
れており、大幅な有機溶剤削減対策のひとつとして、有
機溶剤を殆ど含まない水系塗料への転換がある。特に、
耐候性、耐溶剤性および物性に優れた塗膜を形成しうる
有機溶剤系架橋型塗料の性能を低下させずに水性化を行
なうことが注目されている。この目的に適する被覆組成
物として、水性ウレタン被覆組成物があり、その代表例
として、2成分型ポリウレタン水性塗料用組成物が挙げ
られる(特開平2−105879号公報、特開昭62−
41270号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】前述の2成分型ポリ
ウレタン水性塗料用組成物は、ポリオール成分としてヒ
ドロキシル基を含有するオレフィン系不飽和化合物を用
いて製造したポリマーを使用しており、40℃以下の温
度での乾燥時、特に常温乾燥時、塗装1日後から3日後
までの初期硬化が遅いという欠点がある。また、物性面
でも抗張力と伸び率ともに優れた塗膜を得ることは困難
である。さらに、上記組成物の調製時に乳化剤を用いる
と、それが塗膜中に残存し、塗膜の耐水性が劣るという
欠点がある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、2成分
型ポリウレタン水性塗料用組成がもつ上記の如き欠点を
解消するべく鋭意研究を重ねた結果、今回、特定のアル
コキシシラン基を含有させた水分散性アクリル共重合
体、水性ポリウレタン樹脂およびポリイソシアネート化
合物を主成分として含有する水性被覆用組成物によって
上記の如き問題点を解決することができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、(A) 一般式
【0006】
【化3】
【0007】[式中、Aは
【0008】
【化4】
【0009】を示し、R1は水素原子又はメチル基を示
し、R2は炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素
基を示し、R3及びR4は各々フェニル基、炭素数1〜6
のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示
し、R5は炭素数1〜10のアルキル基を示し、nは1
〜100の整数である]で表されるアルコキシシラン基
含有ビニル単量体を全単量体の合計量に基づいて1〜9
0重量%の割合で用い、これをカルボキシル基含有不飽
和単量体及びヒドロキシル基含有不飽和単量体並びに必
要に応じて、これらと共重合可能な他の重合性単量体と
共重合させることにより得られる酸価が20〜150及
び水酸基価が10〜250の水分散性アクリル共重合
体、(B) 水性ポリウレタン樹脂、並びに、(C)
1分子中に少なくとも2個のイシシアネート基を含有す
るポリイソシアネート化合物を主成分として含有し、そ
してアクリル共重合体(A)のヒドロキシル基とポリイ
ソシアネート化合物(C)のイシシアネート基がNC
O:OH当量比で約0.2〜1ないし約3:1の範囲内
にあることを特徴とする水性被覆用組成物を提供するも
のである。
【0010】以下、本発明の被覆用組成物についてさら
に詳細に説明する。
【0011】水分散性アクリル共重合体(A):アクリ
ル共重合体(A)の必須の構成単量体である前記一般式
(I)の化合物は、アクリル共重合体(A)に自己架橋
性を付与する単量体成分である。
【0012】一般式(I)において、R2によって示さ
れる「炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基」
には、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基が包含され、
具体的には例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、
1,2−ブチレン、1,3−ブチレン、テトラメチレン、
エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘ
プタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン基等を挙
げることができる。R3及びR4によって示されうる「炭
素数1〜6のアルキル基」は直鎖状又は分枝鎖状のもの
であることができ、例えば、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル基等
が挙げられ、また、R5で示される「炭素数1〜10の
アルキル基」もまた直鎖状又は分枝鎖状のものであるこ
とができ、その具体例としては、炭素数1〜6のアルキ
ル基として上に例示したものの他に、更にn−ヘプチ
ル、1−メチルペンチル、2−メチルヘキシル、n−オ
クチル、n−ノニル、n−デシル等を挙げることができ
る。
【0013】R3及びR4によって示されうる「炭素数1
〜10のアルコキシ基」は直鎖状又は分枝鎖状のもので
あることができ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペン
トキシ、イソペントキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘ
キシルオキシ、n−オクチルオキシ等が挙げられる。
【0014】また、一般式(I)において、nは1〜1
00、好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜10
の整数であり、nが2以上である場合、複数個のR3
びR4は同じものであってもよく又は互いに異なってい
てもよい。
【0015】しかして、前記一般式(I)においてAが
【0016】
【化5】
【0017】である化合物の具体例としては以下のもの
が挙げられる:γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
トリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジェトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジプロポ
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
ジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルフェニルメチルメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルフェニルメチルエトキシシラン、
【0018】
【化6】
【0019】また、前記一般式(I)においてAが
【0020】
【化7】
【0021】である化合物の具体例としては次のものが
挙げられる:
【0022】
【化8】
【0023】これら一般式(I)の化合物のうち、特
に、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリ−n−ブトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジメトキシシアラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジ−n−ブトキシシラン等が
貯蔵安定性等の点から好適である。
【0024】一方、アクリル共重合体(A)の製造に用
いられるカルボキシル基含有不飽和単量体は、1分子中
にカルボキシル基(酸無水物の形態であってもよい)を
1個以上、好ましくは1又は2個と重合性不飽和結合を
1個以上、好ましくは1個有する化合物であり、該共重
合体(A)に水分散性を付与すると共に、被覆膜の架橋
硬化触媒として作用する単量体成分である。
【0025】該カルボキシル基含有不飽和単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、
フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸等を挙げることができる。これらのうち、
(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
【0026】また、アクリル共重合体(A)の製造に用
いられるヒドロキシル基含有不飽和単量体は、1分子中
にヒドロキシル基と重合性不飽和結合をそれぞれ1個以
上、好ましくは1個有する化合物であり、この単量体は
該共重合体(A)にヒドロキシル基を導入し、ポリイソ
シアネート化合物(C)のイシシアネート基とのウレタ
ン架橋形成反応による硬化性を付与する単量体成分であ
る。
【0027】該ヒドロキシル基含有不飽和単量体として
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレングリコール等のポリエーテルポリオールと2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不
飽和モノマーとのモノエーテル;水酸基含有(メタ)ア
クリル酸エステル1モルとラクトン類1〜5モルとの付
加物[市販品としては、ダイセル化学工業株式会社の製
品であるプラクセルFA−1(アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル1モルにε−カプロラクトン1モルを付加した
単量体)、プラクセルFM−1、プラクセルFM−3、
プラクセルFM−5(メタアクリル酸2−ヒドロキシエ
チル1モルにε−カプロラクトン1モルをそれぞれ1モ
ル、3モル、5モル付加した単量体)、ユニオンカーバ
イド社(米国)の商品である TONE M−100(ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラク
トン2モルを付加した単量体)等がある];α,β−不
飽和カルボン酸と、カージュラE10(シェル化学社
製)やα−オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ
化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと
酢酸、プロピオン酸、高級脂肪酸のような一塩基酸との
付加物;無水マレイン酸や無水イタコン酸のごとき酸無
水基含有不飽和化合物とエチレングリコール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコ
ール類とのモノエステル化物またはジエステル化物;ヒ
ドロキシエチルビニルエーテルのごときヒドロキシアル
キルビニルエーテル類;3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレートのような塩素を含んだ水酸
基含有単量体;アリルアルコール等が挙げることができ
る。
【0028】さらに、アクリル共重合体(A)におい
て、必要に応じて使用されるその他の重合性単量体とし
ては、ラジカル重合性不飽和単量体が好ましく、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert
−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル又はシクロ
アルキルエステルや、メトキシブチル(メタ)アクリレ
ート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ
ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の
炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステルのような
(メタ)アクリル酸エステル;エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニル
エーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエ
ーテル、オクチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニ
ルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル、シクロ
ヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエー
テル類、フェニルビニルエーテル、トリビニルフェニル
エーテル等のアリールビニルエーテル類、ベンジルビニ
ルエーテル、フェネチルビニルエーテル等のアラルキル
ビニルエーテル類、アリルグリシジルエーテル、アリル
エチルエーテル等のアリルエーテル類のようなビニルエ
ーテル及びアリルエーテル;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カ
プロン酸ビニル、イソカプロン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニル、カプリン酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学
社製)等のビニルエステル、酢酸イソプロペニル、プロ
ピオン酸イソプロペニル等のプロペニルエステル等のビ
ニルエステル及びプロペニルエステル;エチレン、プロ
ピレン、ブチレン、塩化ビニル等のオレフィン系化合
物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン
化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、α−クロルスチレン等のビニル芳香化合物;テトラ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン等のフルオロオレフィン;パーフルオロメチルメチル
(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチ
ル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル基含
有(メタ)アクリレートなどのフッ素含有化合物等を挙
げることができる。
【0029】本発明において使用されるアクリル共重合
体(A)は、以上に述べた前記一般式(I)で表される
アルコキシシラン基含有ビニル単量体の少なくとも一種
と、カルボキシル基含有不飽和単量体の少なくとも一種
と、ヒドロキシル基含有不飽和単量体の少なくとも一種
とを必須単量体成分とし、更に必要に応じて、これらと
共重合可能な他の重合性単量体を共重合せしめることに
より得られる。
【0030】これら単量体の使用割合は、単量体の種類
や最終被覆用組成物の用途等に応じて広い範囲から選択
できるが、通常、次の範囲とするのが適当である。即
ち、一般式(I)の化合物は、使用単量体の合計量に基
づいて1〜90重量%、好ましくは2〜70重量%、よ
り好ましくは3〜50重量%、特に好ましくは3〜25
重量%の範囲内とすることができ、その使用割合が1重
量%未満では塗膜の硬化性や得られた被覆膜の抗張力、
伸び率等が低下し、一方90重量%より多いと水性化前
の共重合体の貯蔵安定性が悪くなる傾向がある。
【0031】また、カルボキシル基含有不飽和単量体
は、そのカルボキシル基に基づくアクリル共重合体
(A)の酸価が20〜150、好ましくは30〜13
5、より好ましくは40〜120の範囲内となるような
割合で使用することができる。なお、形成されるアクリ
ル共重合体(A)の酸価が20未満では一般に共重合体
の水分散性が不十分となり、一方150より多いと形成
される被覆膜の耐水性が悪くなる傾向がみられる。
【0032】さらに、ヒドロキシル基含有不飽和単量体
は、そのヒドロキシル基に基づくアクリル共重合体
(A)のヒドロキシル価が10〜250、好ましくは1
5〜150、より好ましくは30〜140の範囲内とな
るような割合で使用することができる。アクリル共重合
体(A)のヒドロキシル価が10未満では、通常、共重
合体の硬化性や形成される被覆膜の抗張力等が低下し、
一方約250より多くと形成される被覆膜の伸び率等が
低下する傾向がみられる。
【0033】また、必要に応じて用いられる他の重合性
単量体の使用割合は、要求される被覆膜の性能に応じ
て、95〜0重量%、好ましくは85〜30重量%、さ
らに好ましくは80〜50重量%の範囲内で適宜選択す
ることができる。
【0034】アクリル共重合体(A)は、以上述べた単
量体を適宜組み合わせて、通常、ラジカル重合開始剤の
存在下で溶液重合することにより得られるものが好まし
い。この溶液重合において使用可能なラジカル重合開始
剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ジ−イソプロピルベンザンハイドロパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウリ
ルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化
物;α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカル
ボニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ、これら重合開
始剤は一般に重合に供される全単量体100重量部当り
0.2〜20重量部程度、好ましくは1.5〜10重量部
の範囲内で使用することができる。
【0035】重合は、それ自体既知の方法で行うことが
でき、重合時の反応温度としては、通常、約60〜約1
60℃の範囲内の温度を用いるのが適当であり、反応は
通常1〜15時間程度で終わらせることができる。
【0036】本発明において使用されるアクリル共重合
体(A)は、通常、数平均分子量が約1000〜約60
000(重量平均分子量で約3000〜約20000
0)、特に約1000〜約30000の範囲内にあるも
のが好適であり、該共重合体の数平均分子量が約100
0未満であると、形成される塗膜の硬化性、耐久性が低
下する傾向があり、一方、約60000を越える場合に
は水性分散液の粘度が高くなり取扱が困難になることが
ある。
【0037】上記溶液重合に使用される有機液体は、水
分散化前の共重合体が溶解しうるものであり、例えば、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、t−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、
イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、オクタノール、アリルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、
1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グ
リセリン等のアルコール系溶剤;ジブチルエーテル、エ
チルビニルエーテル、メトキシトルエン、ジフェニルエ
ーテル、ジオキサン、プロピレンオキシド、アセター
リ、グリセリンエーテル、テトラヒドロフラン、1,2
−ジメトキシエタン、セルソルブ、メチルセルソルブ、
ブチルセルソルブ、メチルカルビトール、2−メトキシ
エタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエ
タノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、1−メトキシ−2−プロパノール、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤を挙げ
ることができる。これら有機液体は、それぞれ単独で使
用してもよく、又は2種以上混合して用いることもでき
る。
【0038】得られるアクリル共重合体(A)は水分散
化することができる。水分散化は、該共重合体のカルボ
キシル基を塩基性物質で中和した後、水性媒体、例えば
水を加えるか、又は中和した該共重合体を水性媒体、好
ましくは水中に加えることによって行うことができる。
【0039】中和物中に水を添加する前者の方法は、例
えば、溶液重合により得られる共重合体を撹拌しながら
中和剤をできるだけ短時間で添加して中和を行った後、
有機溶剤系から水系への相転換も短時間で行なうこと
が、ゲル化防止のために好ましい。相転換後、残りの水
を要求される固形分になるまで徐々に滴下することによ
り水分散化を達成することができる。
【0040】この中和−水系転換では、共重合体(A)
に中和剤を添加した段階で、該共重合体中のアルコキシ
シラン基の加水分解及び縮合反応が急速に進行し増粘、
ゲル化するおそれがあるので、それを防止するために、
中和及び水添加を短時間で行うことが好ましい。具体的
には、中和及び相転換における水の添加時間は、反応容
器、撹拌条件、雰囲気温度によって異なるが、一般には
24時間以内、好ましくは10時間以内が適当である。
【0041】一方、水に中和物を添加する後者の方法
は、共重合体を撹拌しながら中和剤を短時間で添加し中
和物を得た後、このものを撹拌下に徐々に水中に添加し
て水分散化することにより行なうことができる。この場
合中和物が水中に添加されるまでに増粘、ゲル化するお
それがあるので、できるだけ短時間で水分散化すること
が望ましい。一般に中和してから水中に添加するまでの
時間は、24時間以内、好ましくは10時間以内とする
のが好都合である。
【0042】該共重合体を、増粘やゲル化させずに水分
散化せしめる方法は、共重合体を中和する前に水を加え
て共重合体の水系への相転換を行なった後、塩基性物質
で中和し水分散化することである。例えば、溶液重合で
得られる共重合体を撹拌しながら水系に相転換するまで
水を添加した後、中和剤を添加して水分散化を行なう。
この方法では、加水分解触媒としても作用し架橋を促進
する塩基性物質(中和剤)が水分散化後に配合されるの
で、シラノール基などが安定に存在し、共重合体の増
粘、ゲル化が防止でき、特に高濃度の水分散液を製造す
るのに有利である。さらにこの方法で得られる水分散液
は、表面にシラノール基を多く有しているので、架橋性
に優れている点からも好ましいものである。
【0043】上記の方法により共重合体を水分散化する
際の温度は、通常、約1〜約90℃程度、好ましくは約
5〜約50℃程度とするのが適当である。該温度が約1
℃未満では系の粘度が高くなり分散粒子径が大きくなり
やすく、一方、該温度が約90℃より高いとアルコキシ
シラン基が急速に加水分解されてシラノール基を生じ該
シラノール基同志による反応が行われて増粘、ゲル化す
ることがある。
【0044】上記の水分散化の際に使用される塩基性物
質(中和剤)としては、例えば、アンモニア;エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミ
ン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、
2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール等の
第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミ
ン、ジ−n−またはジ−iso−プロパノールアミン、
N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールア
ミン等の第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプ
ロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルア
ミノエタノール等の第3級モノアミン等が挙げられる。
これらのうち、特にアンモニア、トリエチルアミンは、
毒性が少なく、得られる水分散物を常温で乾燥させて被
覆膜形成させたときに、被覆膜中に残存し難く被覆膜性
能に優れた塗膜を与えるので好適である。
【0045】上記塩基性物質は、共重合体中に含まれる
遊離のカルボキシル基に対して0.1〜1.5当量程度、
好ましくは約0.2〜約1当量の範囲内の量で使用する
ことができる。該塩基性物質の使用量が約0.1当量未
満では一般に共重合体を水分散化させることが困難であ
り、またたとえ水分散化が可能であっても貯蔵安定性が
劣るものとなりやすく、一方、約1.5当量より多いと
分散物中に遊離の塩基性物質が多くなり貯蔵安定性が劣
る傾向がある。
【0046】かくして得られるアクリル共重合体(A)
の水性分散液は、更に必要に応じて、該水性分散液中に
含まれる有機液体を常温下又は減圧下に留去して、有機
液体の含有量を水性分散液中の水の量に対して約10重
量%未満とすることができ、それによって水性分散液の
貯蔵安定性、公害対策等に有利なものとすることができ
る。
【0047】アクリル共重合体(A)の水性分散液は、
樹脂固形分濃度で一般に約1〜約70重量%、好ましく
は約5〜約50重量%の範囲内に調整するのが望まし
い。該固形分濃度が約1重量%未満であると厚膜を形成
する場合に経済的に不利となり、一方、該固形分濃度が
約70重量%より高いと共重合体粒子が凝集して沈降し
たり水性分散液が増粘、ゲル化したりするおそれがあ
る。水性分散液中の分散共重合体の平均粒子径は約0.
01〜約1.0μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0048】水性ポリウレタン樹脂(B):本発明にお
いて使用される水性ポリウレタン樹脂は、例えば、イソ
シアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とを反応さ
せることにより得られるウレタン結合を含むポリウレタ
ン樹脂の水性分散体、水性エマルジョン又は水溶液であ
る。該水性ポリウレタン樹脂の製造に用いられるイソシ
アネート基含有化合物は、1分子中に2個以上、好まし
くは2〜4個のイソシアネート基を有する脂肪族系、脂
環式系又は芳香族系等の化合物である。例えば、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;キシ
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
等の環含有ジイソシアネート類等;これらのポリイソシ
アネート化合物の過剰量に水、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサ
ントリオール、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物
を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物;
これらのポリイソシアネート化合物のビューレットタイ
プ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等を挙げること
ができ、上記ポリイソシアネート化合物は、それぞれ単
独で使用してもよく、又は2種以上混合して用いること
もできる。
【0049】また、イソシアネート基含有化合物と反応
させる水酸基含有化合物は、1分子中に水酸基を2個以
上、好ましくは2〜4個を有する化合物であり、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブ
タンジオール、1,2−ペンタンジオール、3−メチル
−4,3−ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール等のグリコール類;これらグリ
コール類にε−カプロラクトン等のラクトン類を付加し
たポリラクトンジオールや、ビス(ヒドロキシエチル)
テレフタレート等のポリエステルジオール類;ビスフェ
ノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテ
ルジオール類;α−オレフィンエポキシド等のモノエポ
キシ化合物などの2価アルコール;グリセリン、トリメ
チロールプロパン、トリグリセリン、ペンタエリスリト
ール等;これら3価以上のアルコールにε−カプロラク
トン等のラクトン類を付加したポリラクトンポリオール
類等の3価以上のアルコール;1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、水添ビスフェノール等の脂環族多価アル
コール;パラオキシ安息香酸、ジメチロールプロピオン
酸等のオキシ酸等を含有する化合物を挙げることがで
き、上記水酸基含有化合物は、それぞれ単独で使用して
もよく、又は2種以上混合して用いることもできる。
【0050】以上に述べたイソシアネート基含有化合物
と水酸基含有化合物からのポリウレタン樹脂の製造は、
通常のポリウレタン樹脂の製造の場合と同様にして行な
うことができ、得られる樹脂の水分散化、水性エマルジ
ョン化又は水溶液化は、製造されるポリウレタン樹脂の
特性に応じて、例えば、水分散化および水性エマルジョ
ン化は、得られるポリウレタン樹脂をそのまま水中に混
入し分散せしめることによって行なうことができ、水溶
化は該ポリウレタン樹脂中に有せしめたカルボキシル基
を中和し、それを水に溶解することによって行なうこと
ができる。
【0051】により行なうことができ、得られる水性分
散体、水性エマルジョン又は水溶液中におけるポリウレ
タン樹脂の固形分濃度は、通常、10〜50重量%程
度、好ましくは20〜40重量%程度とすることができ
る。
【0052】得られるポリウレタン樹脂は、一般に、数
平均分子量が約1,000以上、特に約10,000以上
であるのが好適であり、また、その分子中には遊離のイ
ソシアネート基が実質的に残存していないことが望まし
い。
【0053】ポリイソシアネート化合物(C):本発明
において使用されるポリイソシアネート化合物(C)
は、1分子中に少なくとも2個、好ましくは2又は3個
のイソシアネート基を有する化合物であり、一般に常温
において液状のもの、特に耐候性の面で無黄変性ポリイ
ソシアネート化合物が好ましい。
【0054】そのようなポリイソシアネート化合物とし
ては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート類;キシリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等の環含有脂肪族ジイソシアネー
ト類等;これらのポリイソシアネート化合物の過剰量に
水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等
の低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端
イソシアネート含有化合物;これらのポリイソシアネー
ト化合物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌル環
タイプ付加物等を挙げることができる。上記ポリイソシ
アネート化合物は、それぞれ単独で使用してもよく、又
は2種以上混合して用いることもできる。
【0055】本発明では、ポリイソシアネート化合物
(C)として、かかるポリイソシアネート化合物の遊離
イソシアネート基の一部もしくは全てをブロック剤でブ
ロックしたものも使用することができ、それによって本
発明の被覆用組成物は1液型として適用することができ
る。ブロック剤としては既知のものが使用でき、たとえ
ばフェノール系、アルコール系、ラクタム系、オキシム
系、アシン系などのブロック剤を用いることができる。
【0056】また、上記ポリイソシアネート化合物
(C)には、前述した(A)および(B)成分との混和
性をよくするため、必要に応じて有機液体を加えること
が可能である。該有機液体として好ましいものには、例
えば、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソ
ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキサ
ノール、ヘプタノール、オクタノール、アリルアルコー
ル、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1,2
−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリ
ン等のアルコール系溶剤;ジブチルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、メトキシトルエン、ジフェニルエーテ
ル、ジオキサン、プロピレンオキシド、アセターリ、グ
リセリンエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメ
トキシエタン、セルソルブ、メチルセルソルブ、ブチル
セルソルブ、メチルカルビトール、2−メトキシエタノ
ール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノー
ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1
−メトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル、酢酸ペンチル、3−メトキシブチルアセテー
ト、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸ベンジル、酢
酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸
エチル、セバシン酸エステル、フタル酸エステル、エチ
レングリコールモノアセテート、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、二酢酸エチレン、酢酸
セルソルブ、酢酸カルビトール、アセト酢酸エチル等の
エステル系溶剤等を挙げることができる。該有機液体の
使用量は、ポリイソシアネート化合物の重量に基いて一
般に約0〜約40重量%、好ましくは約0〜約25重量
%、さらに好ましくは0〜15重量%の範囲内とするこ
とができる。
【0057】水性被覆用組成物:本発明の水性被覆用組
成物は、例えば、2液型として、前述したアクリル共重
合体(A)の水性分散液と水性ポリウレタン樹脂(B)
の水性分散体、水性エマルジョン又は水溶液との混合物
よりなる第1液と、ポリイソシアネート化合物(C)よ
りなる第2液との組合わせからなることができ、或いは
ポリイソシアネート化合物(C)としてブロックポリイ
ソシアネート化合物を用いる場合には、場合により1液
型として、アクリル共重合体(A)、水性ポリウレタン
樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)を混合
して使用することもできる。
【0058】その際の水分散性アクリル共重合体(A)
と水性ポリウレタン樹脂(B)との混合割合は、特に制
限されるものではなく、最終の水性被覆用組成物に望ま
れる物性や用途等に応じて広い範囲にわたって変えるこ
とができるが、一般には、水分散性アクリル共重合体
(A)/水性ポリウレタン樹脂(B)の固形分重量比で
10/90〜80/20、特に20/80〜70/3
0、さらに特に30/70〜70/30の範囲内にある
のが好ましい。
【0059】一方、ポリイソシアネート化合物(C)
は、一般に、アクリル共重合体(A)中のヒドロキシル
基と、ポリイソシアネート化合物(C)中のイソシアネ
ート基がNCO:OH当量比で約0.2:1ないし約
3:1、好ましくは0.5:1ないし2:1、さらに好
ましくは1:1ないし1.5:1の範囲内で使用するこ
とができる。
【0060】本発明の水性被覆用組成物は、例えば、塗
料、接着剤、インキ、表面処理剤等に好適に使用するこ
とができる。
【0061】本発明の水性被覆用組成物は、そのままで
も使用することができるが、必要に応じて、2液型の場
合には第1液及び/又は第2液に或いはそれらの混合時
に、また、1液型の場合には(A)、(B)及び(C)
の3成分の混合物に、体質顔料、着色顔料、メタリック
顔料、染料、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、防藻剤、防黴剤、殺菌剤、消泡剤等を添加するこ
とができる。
【0062】本発明の水性被覆用組成物を塗料として用
いる場合には、例えば、吹付け塗り、ローラー塗り、刷
毛塗り、浸漬等の手段で各種基材に塗布することができ
る。塗布量は、特に制限はないが、一般には乾燥膜厚と
して約1〜約1000μmの範囲内の膜厚が適当であ
る。塗膜の乾燥は、常温で行うことができるが、必要に
応じて、約200℃迄の温度で加熱乾燥を行ってもよ
い。
【0063】
【発明の効果】本発明の水性被覆用組成物によれば、耐
水性、耐溶剤性、耐薬品性、乾燥性等に優れ、塗膜物性
(優れた抗張力を有しながら、非常に高い伸び率まで任
意に選択できる)が大幅に改善された被覆膜を形成する
ことができる。
【0064】本発明の水性被覆用組成物により形成され
る被覆物は、水、塩基性物質、酸性物質等に対して化学
的に安定なシロキサン結合を有し自己架橋しており、し
かも、本発明の水性被覆用組成物は、シラノール基が存
在し架橋性に優れている水分散性アクリル共重合体を使
用することで、ウレタン架橋のみの被覆膜又はポリウレ
タン樹脂のみの被覆膜よりも、乾燥性に優れ、抗張力の
優れた被覆膜を形成することができ、かつ、ポリウレタ
ン樹脂を混合することにより被覆膜の伸び率を非常に高
くすることができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に
限定されるものではない。各例中、部及び%は、原則と
して重量基準によるものである。
【0066】水分散性アクリル共重合体の製造例−1 温度計、撹拌機、冷却器及び滴下ロートを備えた4つ口
フラスコ中にイソプロピルアルコール100部を入れ、
還流させながら以下のモノマー及び重合開始剤を3時間
要して滴下し、滴下終了後2時間熟成を行なった。
【0067】 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 13.0部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 15.0部 アクリル酸 7.5部 n−ブチルアクリレート 7.5部 メチルメタクリレート 34.5部 スチレン 22.5部 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル 4 部 得られた液は透明であり、不揮発分50%で、ガードナ
ー粘度(25℃)はLであった。この重合体の酸価は5
8.4、ヒドロキシル価は72.5であった。得られた液
を30℃以下まで冷却し、水233部加えた後、撹拌し
ながら10分かけて、トリエチルアミンで0.8当量中
和して水性化した。その後イソプロピルアルコールを減
圧除去することにより有機液体を含まない水分散液が得
られた。また、不揮発分は31%、ガードナー粘度(2
5℃)はAであった。
【0068】水分散性アクリル共重合体の製造例−2〜
下記表−1に示すモノマー配合及び重合開始剤に基づ
き、上記製造例−1と同様にして水分散性アクリル共重
合体を製造した。
【0069】
【表1】
【0070】実施例−1 製造例−1の水分散性アクリル共重合体とサンプレン
UX−8000(三洋化成(株)製:ポリエーテル−ポ
リウレタン樹脂ディスパージョン)とを固形分比で5/
5で混合し、撹拌機で撹拌して得られる混合物を塗装直
前にスミジュール N−3500(住友バイエルウレタ
ン(株)製:不揮発分100%、NCO含有率21.6
%のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレー
ト型)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートで不揮発分75%にしたものとをNCO:OH当
量比1:1で混合し、撹拌機で撹拌して2液型水性被覆
用組成物を製造し、それを試験に供した。
【0071】実施例−2 製造例−2の水分散性アクリル共重合体を用いる以外は
実施例−1と同様の配合で2液型水性被覆用組成物を製
造し、それを試験に供した。
【0072】実施例−3 製造例−3の水分散性アクリル共重合体とサンプレン
UX−8000(三洋化成(株)製:ポリエーテル−ポ
リウレタン樹脂ディスパージョン)とを固形分比で3/
7で混合し、撹拌機で撹拌して得られる混合物を塗装直
前にデュラネート 24A−90CX(旭化成工業
(株)製:不揮発分90%、NCO含有率21.2%の
ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット型)をプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで不
揮発分75%にしたものとをNCO:OH当量比1:1
で混合し、撹拌機で撹拌して、2液型水性被覆用組成物
を製造し、それを試験に供した。
【0073】実施例−4 製造例−4の水分散性アクリル共重合体とタケラック
W−610(武田薬品工業(株)製:無黄変自己乳化型
アニオン性ウレタンエマルジョン)とを固形分比で4/
6で混合し、撹拌機で撹拌して得られる混合物を塗装直
前にデュラネート 24A−90CX(旭化成工業
(株)製:不揮発分90%、NCO含有率21.2%の
ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット型)をプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで不
揮発分75%にしたものとをNCO:OH当量比1:1
で混合し、撹拌機で撹拌して、2液型水性被覆用組成物
を製造し、それを試験に供した。
【0074】実施例−5 製造例−5の水分散性アクリル共重合体を用いる以外は
実施例−4と同様の配合で2液型水性被覆用組成物を製
造し、それを試験に供した。
【0075】比較例−1 製造例−6の水分散性アクリル共重合体を用いる以外は
実施例−1と同様の配合で2液型水性被覆用組成物を製
造し、それを試験に供した。
【0076】比較例−2 製造例−1の水分散性アクリル共重合体をそのまま試験
に供した。
【0077】各試験は、下記の要領で行なった。
【0078】ゲル分率:ガラス板に塗布し、30℃で1
日間及び7日間乾燥後、塗膜を次のようにして調べた。
すなわち、還流温度に保持したアセトンに単離塗膜を入
れ、5時間抽出した後の不溶塗膜残存率(%)を調べ
た。
【0079】引っ張り試験:200μmアプリケーター
でガラス板に塗布し、30℃で30日間乾燥後、20m
m×5mmの単離塗膜にし、これを引っ張り試験機で引
っ張ることにより抗張力及び伸び率を調べる。
【0080】塗面状態:目視により塗膜外観等の異常の
有無を観察した。
【0081】試験結果を表−2に示す。
【0082】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 157/00 PGZ C09D 157/00 PGZ // C08G 18/62 NEN C08G 18/62 NEN C08L 75/04 NGH C08L 75/04 NGH

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 一般式 【化1】 [式中、Aは 【化2】 を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素
    数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R3
    及びR4は各々フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基
    又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、R5は炭素
    数1〜10のアルキル基を示し、nは1〜100の整数
    である]で表されるアルコキシシラン基含有ビニル単量
    体を全単量体の合計量に基づいて1〜90重量%の割合
    で用い、これをカルボキシル基含有不飽和単量体及びヒ
    ドロキシル基含有不飽和単量体並びに必要に応じて、こ
    れらと共重合可能な他の重合性単量体と共重合させるこ
    とにより得られる酸価が20〜150及び水酸基価が1
    0〜250の水分散性アクリル共重合体、(B) 水性
    ポリウレタン樹脂、並びに、(C) 1分子中に少なく
    とも2個のイソシアネート基を含有するポリイソシアネ
    ート化合物を主成分として含有し、そしてアクリル共重
    合体(A)のヒドロキシル基とポリイソシアネート化合
    物(C)のイソシアネート基がNCO:OH当量比で約
    0.2:1ないし約3:1の範囲内にあることを特徴と
    する水性被覆用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103589315A (zh) * 2013-11-13 2014-02-19 宁德师范学院 一种离子液体液化木材制备聚氨酯涂料的方法

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