JPH0827700A - パルプモールド成形品 - Google Patents

パルプモールド成形品

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JPH0827700A
JPH0827700A JP18068694A JP18068694A JPH0827700A JP H0827700 A JPH0827700 A JP H0827700A JP 18068694 A JP18068694 A JP 18068694A JP 18068694 A JP18068694 A JP 18068694A JP H0827700 A JPH0827700 A JP H0827700A
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pulp
molded product
hollow particles
molded article
mold
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JP18068694A
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Tsutomu Noguchi
勉 野口
Mayumi Miyashita
真由美 宮下
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Sony Corp
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  • Buffer Packaging (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡スチロールに代わる梱包材料として、緩
衝特性にすぐれ、運搬時や振動時に繊維や紙粉などが脱
落しないパルプモールド成形品を得る。 【構成】 パルプ1と中空粒子2とを含有するパルプモ
ールド成形品の表面に表面保護層3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡スチロールの代替
材料として有用な、パルプを主成分とするパルプモール
ド成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、テレビジョン、ビデオデッ
キ、カセットテープレコーダ等の電気機器の梱包材料と
しては、緩衝特性に優れた発泡スチロールが使用されて
いる。
【0003】しかし、発泡スチロールからなる梱包材料
成形品は、それを廃棄する際に埋設すると土化せず、焼
却すると有毒ガスが発生する。そのため、その廃棄方法
が地球環境上の問題となる。
【0004】そこで、近年、発泡スチロール成形品に代
わる無公害の梱包材料成形品の開発が要請されており、
その一つとして新聞紙等の古紙を主原料にしたパルプモ
ールド材料から作られた成形品が注目されている。
【0005】このようなパルプモールド成形品は、専ら
新聞紙等の古紙を常法により処理して得られるパルプス
ラリーに、必要に応じて、パルプモールド成形品の耐水
性を高めるために酢酸ビニル系樹脂を8重量%程度配合
し、得られたスラリーを型に流し込み、脱水乾燥するこ
とにより作製されている。
【0006】しかしながら、このようなパルプモールド
成形品は発泡スチロール成形品に比べて緩衝特性が低
く、ビデオデッキやテレビジョン等の重量物の梱包材料
としては不向きであるという問題があった。
【0007】このため、パルプモールド成形品の緩衝特
性を改善するために、圧縮により潰れて圧縮応力を吸収
できる中空粒子を混入させたパルプモールド成形品が提
案されている(特開平6−10300号公報)。ここ
で、中空粒子としては、外殻のポリマーが内殻の炭化水
素を覆っており、加熱により外殻のポリマーが軟化する
と共に内殻の炭化水素がガス化し、体積が数十倍に膨脹
する粒子(熱膨張性マイクロカプセル)を膨脹させたも
のが好ましく使用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−10300号公報に開示されたパルプモールド成形
品に、ビデオデッキなどの重量のある被梱包品を搭載し
て運搬したり、振動テストを行った場合には、成形品の
表面から紙粉などの微粒子が脱落し、被梱包品の表面に
付着したり、被梱包品の内部の電子基板などに付着した
りするという問題があった。
【0009】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、発泡スチロール成形品と
同等の緩衝特性を有し、しかも運搬時や振動時に紙粉な
どのゴミを発生させないパルプモールド成形品を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、パルプと中
空粒子とを含有するパルプモールド成形品の表面に、表
面保護層を設けることにより上述の目的を達成できるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、本発明は、パルプと中空粒子とを含
有するパルプモールド成形品であって、その表面に表面
保護層が形成されていることを特徴とするパルプモール
ド成形品を提供する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明のパルプモールド成形品は、その表
面に表面保護層が形成されていることを特徴とする。こ
の表面保護層は、パルプモールド成形品に被梱包品を搭
載して運搬しあるいは振動させた場合でも、パルプモー
ルド成形品の表面から紙粉などの微粒子が剥落すること
を防止する。
【0014】このような表面保護層としては、パルプモ
ールド成形品の緩衝特性を阻害せず、薄く成膜可能であ
る限り、種々の材料から形成することができる。例え
ば、ポリオレフィン系樹脂コーティング剤、酢酸ビニル
系樹脂コーティング剤、水溶性多糖類コーティング剤、
アクリル系樹脂コーティング剤などを使用することがで
きる。これらは、有機溶媒に溶解された溶液状態あるい
は水性媒体に乳化したエマルジョン状態として使用する
ことができる。
【0015】表面保護層の形成は、常法により行うこと
ができ、例えば、上述のコーティング剤をパルプモール
ド成形品にスプレーし乾燥することにより成膜したり、
液状コーティング剤中に成形品をディッピングし、乾燥
することにより成膜することができる。
【0016】なお、パルプモールド成形品の緩衝特性を
低下させる圧縮応力の増大を抑制するという観点から
は、上述のような表面保護層形成用の材料のなかでも、
パルプを構成するセルロースとの水素結合の度合いが比
較的低い、ポリオレフィン系コーティング剤などを使用
することが好ましい。しかし、環境問題への配慮という
観点からは、多少の圧縮応力の増大があったとしても生
分解性材料を使用することがより好ましい。このような
生分解性材料としては水溶性多糖類、例えば、キトサン
を好ましく例示することができる。なお、本明細書にお
いて「生分解性」とは、自然界に存在する生物や微生物
により分解される性質を意味する。
【0017】表面保護層の厚みには特に制限はなく、必
要に応じて適宜決定することができる。
【0018】次に、本発明のパルプモールド成形品を作
製するために使用するパルプモールド材料組成物につい
て説明する。
【0019】パルプモールド材料組成物は、主成分とし
てパルプと、中空粒子又は後述する熱膨張性マイクロカ
プセルとを含有する。このような組成物に使用するパル
プとしては、従来のパルプモールド成形品に使用されて
いるものと同様のものを使用することができる。例え
ば、新聞紙等の古紙から得られるパルプを使用すること
ができ、この場合、古紙に含まれていたバインダ等の成
分が少量残存していてもよい。
【0020】一方、中空粒子は、本発明のパルプモール
ド成形品の緩衝特性を著しく向上させる。また、中空粒
子は比重が小さいことから、本発明のパルプモールド成
形品は従来のパルプモールド成形品に比べて軽量化した
ものとなる。
【0021】本発明において使用する中空粒子として
は、外殻のポリマーが内殻の炭化水素を覆っており、加
熱により外殻のポリマーが軟化すると共に内殻の炭化水
素がガス化し、体積が数十倍に膨脹する粒子(熱膨張性
マイクロカプセル)を加熱して中空粒子としたものを使
用することができる。また、このような中空粒子として
は、その外殻が弾力性に優れていて応力を良好に吸収
し、熱変形温度が130℃以上あり耐熱性が良好なもの
を使用することが好ましい。より具体的には、例えば、
イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン等の沸
点50〜100℃の有機溶媒を、塩化ビニリデン、アク
リロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル等からなる熱可塑性樹脂で包み込んだ熱膨張性マイ
クロカプセル(粒度分布10〜30μm)を、100〜
150℃に短時間加熱して直径を4〜5倍、体積を50
〜100倍に膨脹させ、弾性変形するようにした中空粒
子(真比重0.015〜0.025、粒度分布10〜2
00μm、平均粒径100μm以下、耐圧性300Kg
/cm以上)を好ましく使用することができる。
【0022】また、このような熱膨張性マイクロカプセ
ルを本発明のパルプモールド成形品の製造に使用するに
あたり、パルプと混合する前に予め膨脹させて中空粒子
としてもよく、パルプと混合後に膨脹させて中空粒子と
してもよい。
【0023】中空粒子の配合量は、使用するパルプの種
類等に応じて適宜定めることができる。通常、パルプに
対して2重量%以上配合することによりパルプモールド
成形品の緩衝特性に改善効果が認められるが、5〜10
重量%とすることが好ましい。また、後述するようにパ
ルプモールド成形品の製造に際して発泡剤を使用した場
合には中空粒子の配合量をより少なくすることができ
る。
【0024】本発明において使用するパルプモールド材
料組成物には、上述のパルプと中空粒子のほかに、必要
に応じて種々の添加物を含有させてもよい。
【0025】例えば、パルプモールド成形品の緩衝特性
を向上させるために、パルプ可塑剤を配合してもよい。
このようなパルプ可塑剤としては、例えばグリセリン等
を使用することができる。グリセリン等のパルプ可塑剤
の配合量は、パルプモールド成形品の用途に応じて必要
とされる特性や使用する当該パルプの種類や他の配合成
分等によるが、通常はパルプに対して5〜50重量%と
することが好ましく、特に、後述するようにパルプモー
ルド材料組成物にバインダや繊維長10mm以上の非パ
ルプ天然繊維を配合する場合には、グリセリン等のパル
プ可塑剤の配合量は10〜20重量%とすることが好ま
しい。少なすぎると配合効果が現れず、過剰に入れると
パルプモールド成形品の耐水性が低下する。
【0026】また、本発明において使用するパルプモー
ルド材料組成物には、パルプモールド成形品の吸湿率を
低減させる耐水性付与剤を配合してもよい。このような
耐水性付与剤としては、例えば、従来よりバインダとし
て使用されている酢酸ビニル系樹脂、公知の内添サイズ
剤等を使用することができる。
【0027】内添サイズ剤は、一般に、抄紙するときの
溶液のpHにより適宜使い分けられる。例えば、ロジン
系サイズ剤は、硫酸アルミニウムを添加して酸性雰囲気
で抄紙する場合に使用するサイズ剤として知られている
が、本発明においては特にこのようなロジン系サイズ剤
を耐水性付与剤として使用することが好ましい。即ち、
ロジン系サイズ剤は天然の松脂を原料として合成される
生分解物質であるため、パルプモールド成形品の廃棄時
の環境汚染を抑制する点から、生分解されない合成樹脂
に比べて好ましく使用することができる。また、ロジン
系サイズ剤を使用したパルプモールド成形品は、使用後
に再度水に分散させてリサイクル使用できるため、この
点からも廃棄物による環境汚染を低減させることが可能
となり好ましい。さらに、ロジン系サイズ剤はパルプに
対する吸着性が高く、極少量の配合でパルプモールド成
形品の吸湿率を低減できるので好ましい。
【0028】なお、ロジン系サイズ剤としては、松脂を
水蒸気蒸留して得られるロジン(アビエチン酸(主成
分)、パラストリン酸、ネオアビエチン酸及びレボピマ
ール酸を含有する)をマレイン化あるいはフマール化
し、それをケン化して強化ロジンサイズ剤としたもの
(例えば、荒川化学製、サイズパインE、サイズパイン
C)や、乳化してエマルジョン型ロジンサイズ剤とした
もの(例えば、荒川化学製、サイズパインN)が知られ
ているが、本発明においては、これらのいずれも使用す
ることができる。
【0029】ロジン系サイズ剤の配合量としては、通
常、パルプに対して0.5〜5.0重量%とすることが
好ましい。また、ロジン系サイズ剤のパルプに対する吸
着性を上げるため、通常、ロジン系サイズ剤に加えて硫
酸アルミニウムをパルプに対して2〜3重量%使用する
ことが好ましい。
【0030】また、本発明において使用するパルプモー
ルド材料組成物には、パルプモールド成形品の強度を向
上させるために種々のバインダを配合してもよい。ま
た、後述するように中空粒子の使用量を低減させるため
にパルプモールド成形品の製造に際して発泡剤を使用す
る場合には、バインダを配合することにより、発泡剤に
より発生したガスをパルプモールド成形品内部で空隙を
形成することに有効に利用できるようになるので好まし
い。
【0031】使用できるバインダの種類については特に
制限はなく、前述の表面保護層を形成するための各種コ
ーティング剤を転用することもできる。この場合、パル
プモールド成形品の廃棄時の環境汚染の問題からは、生
分解性バインダを使用することが好ましい。生分解性バ
インダの中でも、特に、キトサン等の塩基性窒素を有す
る多糖類はパルプのセルロースと水素結合能が大きく、
破断強度を著しく向上させることができるので好ましく
使用することができる。
【0032】このような多糖類の配合量は、通常、パル
プに対して2〜10重量%とすることが好ましい。少な
すぎると配合効果が現れず、多すぎるとパルプモールド
成型品の製造時に必要とされる水分の乾燥時間が増加
し、またコストも高くなるので好ましくない。
【0033】また、本発明のパルプモールド材料組成物
には、パルプモールド成形品の伸び性を改善するために
繊維長10mm以上の繊維を含有することが好ましい。
即ち、本発明において使用するパルプモールド材料組成
物の主原料であるパルプ繊維は通常2〜10mmの繊維
長を有するが、このようなパルプ繊維の他に、繊維長1
0mm以上の繊維が含有されるようにすることが好まし
い。このためには、繊維長10mm以上の非パルプ繊維
を配合することが好ましく、さらに、このような非パル
プ繊維としては、パルプモールド成形品の廃棄時の環境
汚染の問題から天然繊維を使用することが好ましい。こ
のような非パルプ天然繊維としては、例えば、マニラ麻
を好適に使用することができる。
【0034】繊維長10mm以上の非パルプ天然繊維の
配合量は、通常、パルプに対して5〜30重量%とする
ことが好ましい。少なすぎると配合効果が現れず、また
過剰に配合しても配合量に応じた効果を得ることができ
ない。
【0035】本発明のパルプモールド成形品は常法によ
り成形することができる。例えば、以上のようなパルプ
及び中空粒子、あるいは必要に応じてさらに種々の配合
成分を含有するスラリー状のパルプモールド材料組成物
を調製し、それを型に入れ、乾燥して成形し、その表面
に常法により表面保護層を形成することにより製造する
ことができる。
【0036】この場合、パルプモールド成形品の緩衝特
性を一層向上させるため、発泡剤を使用し、成形品内部
に空隙を形成することが好ましい。これにより中空粒子
の配合量を低減でき、パルプモールド成形品の材料コス
トを低下させることも可能となる。
【0037】発泡剤としては、発泡温度が150℃以下
で発泡後の残渣が無毒であるものが好ましい。このよう
な発泡剤としては、例えば、発泡触媒を添加したアゾジ
カーボンアミド(三共化成製、セルマックCAP等)、
アゾビスブチロニトリル(AIBN)、重曹等を使用す
ることができる。発泡剤の使用量は、通常パルプに対し
て2〜4重量%とすることが好ましい。少なすぎると発
泡剤の使用効果が現れず、過剰に使用しても使用量に応
じた効果が得られないので好ましくない。また、発泡剤
を使用する場合には、キトサン等のバインダを比較的多
く使用することが空隙を効率良く形成できるので好まし
い。
【0038】
【作用】本発明のパルプモールド成形品においては、図
1(a)に示したSEM写真の模式図のように、パルプ
1からなる材料中に、空隙2aを有する球状の独立セル
構造をとる中空粒子2が存在し、そして、成形品の表面
には表面保護層3が形成されている。この表面保護層3
により、パルプモールド成形品に被梱包物を搭載して運
搬したり振動させたりした場合にも紙粉などの微粒子が
パルプモールド成形品の表面から脱落することを防止す
ることが可能となる。
【0039】また、本発明のパルプモールド成形品の中
空粒子2の空隙2aは、パルプモールド成形品に衝撃が
加えられると同図(b)に示したように圧縮されて潰れ
た状態となる。したがって、この中空粒子2により衝撃
が吸収されることとなり、本発明のパルプモールド成形
品は優れた緩衝特性を有するものとなる。
【0040】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0041】実施例1〜4及び比較例1 パルプに対して5重量%の酢酸ビニル系樹脂を含有する
エマルジョン(株式会社クラレ製)に、パルプに対して
10重量%の中空粒子を超音波で混合し、この混合液
と、古紙から調製したパルプスラリー(固形分24%)
とを均一に混合することによりパルプモールド材料スラ
リーを得た。このスラリーを、8mmカムコーダ(TR
55、ソニー社製)用のパルプモールド用の金型に入
れ、脱水し、100℃で乾燥させることによりプレ成形
品を得た。このプレ成形品が、比較例1のパルプモール
ド成形品に相当する。
【0042】なお、中空粒子としては、アクリロニトリ
ル系樹脂を壁材とした熱膨張性マイクロカプセル(松本
油脂製、F−80S)を予め160℃に加熱して、平均
粒径100μm以下程度に膨脹させたものを使用した。
【0043】次に、得られたプレ成形品の表面に、表1
に示す表面保護層形成用のコーティング剤をディッピン
グにより塗工し乾燥することにより、パルプモールド成
形品を製造した。
【0044】
【表1】 実施例 コーティング剤 使用量(g/m 1 ポリオレフィン系コーティング剤 10 (ブライトンXMO2、サカタインクス社製) 2 β,1,3- 結合多糖類系コーティング剤 10 (ビオポリ、武田薬品工業株式会社製) 3 塩基性多糖類(キトサン)系コーティング剤 10 4 アクリルアミド系コーティング剤 10 (評価)得られた成形品(実施例1〜4及び比較例1)
に対して、実際に8mmカムコーダ(TR55、ソニー
社製)を専用シートに包み搭載し、以下の条件で輸送試
験を行った。
【0045】低温低湿輸送試験(冬期乾燥時相当の輸送
試験) まず、20℃、65%RHの環境条件に設定された試験
室にパルプモールド成形品を入れ、24時間放置した。
その後、2時間かけて試験室の環境条件を10℃、10
%RHに変化させた。その状態を24時間保持し、その
保持中に振動負荷試験(条件:振動波成分 5〜50H
z;パワースペクトル密度 0.015G/Hz;オー
バーオール実効値 0.83G)を1時間行った。24
時間後に、2時間かけて試験室の環境条件を20℃、6
5%RHに戻し、24時間放置した。そして、パルプモ
ールド成形品から8mmカムコーダを取り出し、その表
面にパルプモールド成形品の表面などから脱落した紙
粉、繊維が付着していないかを目視にて観察評価した。
その結果を表2に示す。
【0046】なお、表2中、「○」は繊維や紙粉が付着
していないか、付着しても実用上問題のない程度である
場合を示し、「×」は実用上問題のある程度以上に繊維
や紙粉が付着した場合を示している。
【0047】高温高湿輸送試験(夏期乾燥時相当の輸送
試験) まず、20℃、65%RHの環境条件に設定された試験
室にパルプモールド成形品を入れ、24時間放置した。
その後、3時間かけて試験室の環境条件を60℃、80
%RHに変化させた。その状態を24時間保持し、その
保持中に低温低湿輸送試験の場合と同様の振動負荷試験
を1時間行った。24時間後に、3時間かけて試験室の
環境条件を20℃、65%RHに戻し、24時間放置し
た。そして、パルプモールド成形品から8mmカムコー
ダを取り出し、その表面にパルプモールド成形品の表面
などから脱落した紙粉、繊維が付着していないかを目視
にて観察評価した。その結果を表2に示す。
【0048】なお、高温高湿保持時に、成形品を高さ
0.6mのところから平坦なコンクリート床の上に3回
落下させ、成形品の変形の度合いを目視にて観察評価し
た。その結果を実施例及び比較例の成形品はいずれも実
用上問題となるような変形を示さなかった。
【0049】
【表2】 表2から明らかなように、表面保護層を有する実施例の
パルプモールド成形品は、表面から紙粉や繊維が脱落す
ることを実質的に防止できたことがわかる。
【0050】次に、得られた成形品(実施例1〜4及び
比較例1)に対して、以下に示すように圧縮試験を行
い、圧縮変形率と圧縮応力の関係を求め、表面保護層が
緩衝特性に及ぼす影響を評価した。
【0051】圧縮試験 各成形品から、20×20×10(厚さ)mmの大きさ
の試験片を切り出し、圧縮試験機(NMB,敬愛社製)
を用いて試験を行った。この場合、圧縮速度を5mm/
minとした。得られた圧縮変形率と圧縮応力の関係を
図2に示した。また、この試験結果から、圧縮変形率5
0%における圧縮応力を求め、その結果を表3に示し
た。この場合、圧縮応力の増大は、成形品が固くなり緩
衝効果が低下することを意味する。
【0052】
【表3】 図2及び表3に示した結果から、表面保護層が形成され
た各実施例の成形品は表面保護層のない比較例1の成形
品に比べ、圧縮応力が増大する傾向を示したが、その増
大率は20%以下であり、実用上問題とならない程度で
あることがわかった。
【0053】
【発明の効果】本発明のパルプモールド成形品は、発泡
スチロール成形品と同等の緩衝特性を有し、しかも運搬
時や振動時に紙粉などのゴミを発生させない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプモールド成形品の表面部分のS
EM写真の模式図(同図a)及び、その成形品が衝撃を
受けた場合のSEM写真の模式図(同図b)である。
【図2】パルプモールド成形品の圧縮変形率と圧縮応力
の関係図である。
【符号の説明】
1 パルプ 2 中空粒子 2a 空隙 3 表面保護層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプと中空粒子とを含有するパルプモ
    ールド成形品であって、その表面に表面保護層が形成さ
    れていることを特徴とするパルプモールド成形品。
  2. 【請求項2】 表面保護層が、生分解性材料から形成さ
    れている請求項1記載のパルプモールド成形品。
  3. 【請求項3】 生分解性材料が水溶性多糖類である請求
    項2記載のパルプモールド成形品。
  4. 【請求項4】 水溶性多糖類がキトサンである請求項3
    記載のパルプモールド成形品。
  5. 【請求項5】 中空粒子が熱膨脹性マイクロカプセルで
    ある請求項1〜4のいずれかに記載のパルプモールド成
    形品。
  6. 【請求項6】 中空粒子を、パルプに対し5〜10重量
    %含有する請求項5に記載のパルプモールド成形品。
JP18068694A 1994-07-08 1994-07-08 パルプモールド成形品 Pending JPH0827700A (ja)

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