JPH08270471A - 副室式エンジン - Google Patents

副室式エンジン

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JPH08270471A
JPH08270471A JP7076596A JP7659695A JPH08270471A JP H08270471 A JPH08270471 A JP H08270471A JP 7076596 A JP7076596 A JP 7076596A JP 7659695 A JP7659695 A JP 7659695A JP H08270471 A JPH08270471 A JP H08270471A
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JP
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chamber
valve
sub
timing valve
timing
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JP7076596A
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Kazunori Makimura
和紀 槇村
Naoyuki Yamagata
直之 山形
Kazuaki Umezono
和明 梅園
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイミング弁のバルブスプリングの付勢力を
増大させることなく、副室内に高圧の空気を確実に蓄え
ることができる副室式エンジンを得る。 【構成】 副室式エンジンにおいては、副ポート11内
の空気の圧力によって、タイミング弁12に矢印J1
示すような開弁方向の強い力が作用するが、副ポート1
1内の圧力に起因して、タイミング弁12の大径部12
cと小径部12bとの境界部に形成された受圧面12aに
作用する矢印J2で示すような閉弁方向の力によって、
上記力J1の一部は相殺される。すなわち、受圧面12a
は、バルブスプリングと同様の機能をもつので、バルブ
スプリングの付勢力を増大させることなく、タイミング
弁12を確実に閉弁方向に付勢することができ、クーリ
ングチャンバ(副室)内に高圧の空気を確実に蓄えること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、副室式エンジンに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンにおいては、
高負荷時にはノッキングが起こりやすくなるといった問
題がある。そこで、燃焼室に開口する一方その内部の空
気を冷却する副室と、リフトしたときに上記副室の燃焼
室への開口部を開くリフトタイプのタイミング弁とを備
えた副室式エンジンが提案されている。かかる副室式エ
ンジンでは、タイミング弁を圧縮行程で所定期間開弁さ
せることによって、タイミング弁の開弁期間の後段で燃
焼室から副室内に高圧の空気(混合気)を取り入れた後こ
の空気を閉じ込めて冷却し、冷却された高圧の空気を次
回のタイミング弁の開弁期間の前段で燃焼室内に噴出さ
せ、これによって燃焼室内の混合気の温度を低下させる
とともに、燃焼室内の混合気の乱流強度を高めて燃焼速
度を大きくし、ノッキングの発生を抑制する(耐ノック
性を高める)ようにしている(例えば、特開昭54−10
2409号公報、特開平5−5431号公報、特開平5
−33685号公報参照)。
【0003】そして、かかる副室付エンジンにおいて
は、さらに副室内の空気を効果的に冷却できるように副
室周囲に副室用ウォータジャケットを設け、副室用ウォ
ータジャケット内の冷却水によって副室内の空気を冷却
するようにしたものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる副室
式エンジンにおいては、燃焼室内の混合気の温度を十分
に低下させるとともに燃焼室内の混合気の乱流強度を十
分に高めるには、副室内にできるだけ圧力の高い空気を
蓄えることが必要であるが、副室内に蓄える空気の圧力
を高めると、該圧力によってタイミング弁に開弁方向の
強い力が作用する。このため、燃焼室内の圧力が低いと
きに副室内の高圧の空気の燃焼室へのリークを防止する
ために、タイミング弁を閉弁方向に付勢するバルブスプ
リングの付勢力(スプリング荷重)を大きくしなければな
らない。
【0005】また、タイミング弁の開弁期間の後段にお
いて、副室内に十分に空気を流入させるには燃焼室から
副室への通気抵抗、実質的にはタイミング弁まわりの通
気抵抗を低減しなければならない。ここで、タイミング
弁まわりの通気抵抗を低減するには、タイミング弁のバ
ルブリフト量を大きくするか、タイミング弁のバルブ径
を大きくするかのいずれかである。しかしながら、タイ
ミング弁の開弁期間が比較的短いので、リフトタイプの
タイミング弁ではバルブリフト量を大きく設定するのが
むずかしい。したがって、一般的には、タイミング弁の
バルブ径を大きくすることによって、タイミング弁まわ
りの通気抵抗を低減することになるが、このようにする
と副室内の空気の圧力に起因してタイミング弁に作用す
る開弁方向の力がますます大きくなり、バルブスプリン
グの付勢力をさらに大きくしなければならなくなる。
【0006】しかしながら、バルブスプリングの付勢力
を大きくすると、タイミング弁の開閉に伴う機械抵抗
(フリクションロス)が大きくなるとともに、タイミング
弁を開閉するためのカムの面圧が高くなり、エンジンの
耐久性ないしは信頼性を低下させるといった問題が生じ
る。
【0007】また、副室用ウォータジャケットを備えた
従来の副室式エンジンでは、普通、できるだけ低温の冷
却水を得るために、エンジンへの冷却水戻り通路から副
室用ウォータジャケットに冷却水が供給されるようにな
っている。しかしながら、このようにすると、エンジン
の冷間始動時には燃焼室内の混合気の温度が低くなりす
ぎ、始動性が悪くなるといった問題がある。さらには、
軽負荷時にはノッキングが発生するおそれがないのにも
かかわらず、副室内の空気ひいては燃焼室内の混合気を
冷却してしまうので、無意味な冷却損失が生じ、燃費性
能が低下するといった問題がある。
【0008】このため、副室用ウォータジャケットを備
えた従来の副室式エンジンでは、副室用ウォータジャケ
ットへの冷却水供給通路に、冷間始動時あるいは軽負荷
時には該通路を閉じる制御バルブを設けるなどといった
対応がなされているが、このようにすると冷却系統が複
雑化し、加工性の低下、製造コストの上昇、サービス性
の低下、各種部材のレイアウトの自由度の低下などとい
った不具合を招くことになる。
【0009】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、タイミング弁のバルブスプ
リングの付勢力を増大させることなく、副室内に高圧の
空気を確実に蓄えることができる副室式エンジンを得る
ことを目的とする。さらには、バルブスプリングの付勢
力を増大させることなく、タイミング弁のバルブ径を大
きくすることができる副室式エンジンを得ることを目的
とする。また、エンジンの冷間始動時の始動性の低下を
防止することができ、さらには軽負荷時の燃費性能の低
下を防止することができる簡素な構造の副室式エンジン
を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するため
になされた本発明の第1の態様は、燃焼室に開口する一
方その内部の空気を冷却する副室と、リフトしたときに
上記副室の燃焼室への開口部を開くリフトタイプのタイ
ミング弁と、該タイミング弁を圧縮行程で所定期間リフ
トさせて開かせるタイミング弁駆動手段とが設けられて
いる副室式エンジンにおいて、タイミング弁駆動手段
が、タイミング弁のリフト特性を、リフト初期における
低リフト期間がリフト末期における低リフト期間よりも
長くなるように設定していることを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明の第2の態様は、本発明の第1の態
様にかかる副室式エンジンにおいて、タイミング弁の弁
軸部のバルブガイド側の部分に、副室内の空気圧をタイ
ミング弁が閉じられる方向に受ける受圧面が設けられて
いることを特徴とするものである。
【0012】本発明の第3の態様は、本発明の第2の態
様にかかる副室式エンジンにおいて、タイミング弁の弁
軸部のバルブガイドと嵌合する部分を、上記弁軸部の副
室内に露出された部分よりも大径とすることによって上
記受圧面が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0013】本発明の第4の態様は、本発明の第1〜第
3の態様のいずれか1つにかかる副室式エンジンにおい
て、副室の少なくとも一部を囲む副室用ウォータジャケ
ットが設けられ、該副室用ウォータジャケットが、エン
ジンの冷却水系統の、ラジエータへの通水が停止されて
いるときには冷却水が流れない部分から冷却水を供給さ
れるようになっていることを特徴とするものである。
【0014】本発明の第5の態様は、本発明の第1〜第
4の態様のいずれか1つにかかる副室式エンジンにおい
て、タイミング弁駆動手段が、タイミング弁を、圧縮行
程の後期に所定期間リフトさせて開かせるようになって
いることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明の第1の態様によれば、タイミング弁の
開弁期間初期の低リフト期間が比較的長くなるので、副
室内の高圧の空気が比較的長い期間にわたって燃焼室内
に噴出する。このため、燃焼室内の混合気の乱流強度
(乱流エネルギ)が高められ、混合気の燃焼速度が高めら
れる。また、タイミング弁の開弁期間末期の低リフト期
間が比較的短くなるので、開弁期間後段に燃焼室から副
室へ流入する空気量が多くなり、混合気の冷却作用及び
乱流強度向上作用が一層高められる。
【0016】本発明の第2の態様によれば、基本的には
本発明の第1の態様にかかる副室式エンジンと同様の作
用が生じる。さらに、受圧面には副室内の空気圧がタイ
ミング弁の閉弁方向に作用するので、タイミング弁には
その閉弁方向の力が作用する。このため、バルブスプリ
ングの付勢力を増大させなくてもタイミング弁を閉弁方
向に強く付勢することができる。なお、このように、バ
ルブスプリングの付勢力を増大させることなくタイミン
グ弁のバルブ径を大きく設定することができるので、タ
イミング弁の開弁期間初期の低リフト期間を長くして
も、副室内に十分な量及び圧力の空気が蓄えられること
になる。
【0017】本発明の第3の態様によれば、基本的には
本発明の第2の態様にかかる副室式エンジンと同様の作
用が生じる。さらに、タイミング弁の弁軸部のバルブガ
イドと嵌合する部分を、副室内に露出された部分よりも
大径とするだけの簡素な構造で、バルブスプリングの付
勢力を増大させることなくタイミング弁を閉弁方向に強
く付勢することができる。
【0018】本発明の第4の態様によれば、基本的には
本発明の第1〜第3の態様のいずれか1つにかかる副室
式エンジンと同様の作用が生じる。さらに、エンジンの
冷間始動時、軽負荷時等においては、ラジエータへの通
水が停止されるので、副室用ウォータジャケットには冷
却水が供給されない。このため、副室内の空気が冷却さ
れず、冷間始動時においては燃焼室内の混合気の温度が
過度には低くならない。また、軽負荷時には無意味な冷
却損失が生じない。
【0019】本発明の第5の態様によれば、基本的には
本発明の第1〜第4の態様のいずれか1つにかかる副室
式エンジンと同様の作用が生じる。さらに、圧縮行程の
後段で、副室から燃焼室内に高圧の空気が噴出するの
で、該空気によって生じた燃焼室内の混合気の乱流強度
が点火時期まで有効に保持される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1及び図2に示すように、ガソリンを燃料とする吸気
2弁・排気1弁式の副室式エンジンCEにおいては、シ
リンダブロック1の上側にシリンダヘッド2が締結さ
れ、該シリンダヘッド2の上部はシリンダヘッドカバー
3で覆われている。そして、シリンダブロック1内に配
置されたシリンダ4(気筒)内には、ピストン5がシリン
ダ軸線方向に摺動可能に嵌入されている。ここで、シリ
ンダ4内においてピストン5の上部には燃焼室6が形成
されている。
【0021】かくして、エンジンCEにおいては、吸気
弁7(各気筒に2つ)が開かれたときに、上流端が吸気通
路8に接続された吸気ポート(図示せず)から燃焼室6内
に混合気が吸入され、この混合気がピストン5で圧縮さ
れた後点火プラグ9によって着火・燃焼させられ、排気
弁(図示せず)が開かれたときに燃焼ガス(排気ガス)が排
気ポート(図示せず)を介して排気通路(図示せず)に排出
されるようになっている。かかる一連の行程が繰り返さ
れ、ピストン5がシリンダ軸線方向に往復運動し、ピス
トン5の往復運動は、コンロッド10、クランクピン
(図示せず)、クランクアーム(図示せず)等によって回転
運動に変換されてクランク軸(図示せず)に伝達されるよ
うになっている。
【0022】さらに、エンジンCEの各気筒には、燃焼
室6に開口する副ポート11と、該副ポート11の燃焼
室6への開口部を所定のタイミングで開閉するリフトタ
イプのタイミング弁12と、副ポート11に接続される
一方その周囲にウォータジャケット28が設けられたク
ーリングチャンバ13(副室)とが設けられている。な
お、タイミング弁12はリフトしたときに副ポート11
を開くようになっている。
【0023】このクーリングチャンバ13は、後で説明
するように、燃焼室6内の混合気の温度を低下させて耐
ノック性を高める(ノッキングを抑制する)とともに、該
クーリングチャンバ13内の高圧の空気(混合気)を燃焼
室6内に噴出させて、燃焼室6内の混合気の乱流強度
(乱流エネルギ)を高め、混合気の燃焼速度を高めて耐ノ
ック性を高めるようになっている。なお、クーリングチ
ャンバ13は、タイミング弁12が開弁されたときにの
み副ポート11を介して燃焼室6と連通する密閉空間で
ある。
【0024】以下、吸気弁7、排気弁及びタイミング弁
12を開閉駆動する動弁駆動機構を説明する。なお、こ
の動弁駆動機構は、特許請求の範囲に記載された「タイ
ミング弁駆動手段」を含む。この動弁駆動機構において
は、吸気弁7は、吸気側カムシャフト16に取り付けら
れた吸気弁用カム17によって、吸気弁用回動アーム1
8を介してクランク軸と同期して所定のタイミングで開
閉されるようになっている。ここで、吸気弁用回動アー
ム18は、吸気側回動アームシャフト19によって回動
自在に支持されている。
【0025】他方、排気弁は、排気側カムシャフト20
に取り付けられた排気弁用カム21によって、排気弁用
回動アーム23を介してクランク軸と同期して所定のタ
イミングで開閉されるようになっている。なお、両カム
シャフト16,20は夫々シリンダヘッド2に形成され
た軸受部よって回転自在に支持され、タイミングプーリ
26,27とクランクプーリ(図示せず)とに巻きかけら
れたタイミングベルト(図示せず)を介して、クランク軸
によって回転駆動されるようになっている。
【0026】また、タイミング弁12は、排気側カムシ
ャフト20に取り付けられたタイミング弁用カム22に
よって、タイミング弁用回動アーム24を介してクラン
ク軸と同期して圧縮行程後期に所定のタイミングで開閉
されるようになっている。ここで、タイミング弁用回動
アーム24は、排気側回動アームシャフト25によって
回動自在に支持されている。
【0027】具体的には、タイミング弁12は、タイミ
ング弁用カム22のノーズ部(膨出部)によって、バルブ
スプリング29の付勢力に抗してタイミング弁用回動ア
ーム24が押し下げられたときにはリフトして開かれる
ようになっている。他方、タイミング弁用カム22から
タイミング弁用回動アーム24への押圧が解除されたと
きには、バルブスプリング29の付勢力によってタイミ
ング弁12が閉じられるようになっている。
【0028】ここで、タイミング弁12の開閉タイミン
グは、例えば図7中のグラフG3で示すように、基本的
には圧縮行程の後期の所定期間でタイミング弁12が開
弁状態となるように設定されている。そして、タイミン
グ弁12のリフト特性は、リフト初期における低リフト
期間(a1〜a2)がリフト末期における低リフト期間(a3〜a
4)よりも長くなるように設定されている。
【0029】図3(a)に示すように、タイミング弁12
の弁軸部のバルブガイド側の部分には、クーリングチャ
ンバ13ないしは副ポート11内の空気圧をタイミング
弁12の閉弁方向(J2方向)に受ける受圧面12aが設け
られている。具体的には、タイミング弁12の弁軸部の
バルブガイド38と嵌合する部分には大径部12cが形
成され、他方上記弁軸部の副ポート11ないしはクーリ
ングチャンバ13に露出された部分、すなわちかさ部1
2dのすぐ上側の部分には小径部12bが形成され、大径
部12cと小径部12bの境界部が受圧面12aとされて
いる。なお、図3(b)に示すように、大径部12cと小径
部12bとの境界部をテーパ状に形成し、受圧面12a'
をテーパ状としてもよい。
【0030】ここで、大径部12cの軸直径dは、次の式
1を満たす範囲内に設定するのが好ましい。
【数1】 P・π・[(D/2)2−(d/2)2]≦F…………………………………式1 P;クーリングチャンバ内圧[kgf/cm2] D;かさ部直径[cm] d;大径部直径[cm] F;10〜30kgf かくして、クーリングチャンバ13ないしは副ポート1
1内の空気の圧力によって、タイミング弁12には、矢
印J1で示すような開弁方向の力が作用するが、受圧面
12aには矢印J2で示すような閉弁方向の力が作用し、
上記力J1の一部は該力J2によって相殺される。つま
り、受圧面12aは、バルブスプリング29と同様の機
能をもつが、バルブスプリング29とは異なり、機械抵
抗(フリクションロス)あるいはカム面の面圧は増加させ
ない。
【0031】以下、エンジンCE及びクーリングチャン
バ13の冷却機構について説明する。図4に示すよう
に、この冷却機構においては、基本的には、エンジンC
E(ジャケット)から排出された高温の冷却水が、冷却水
排出通路31を通してラジエータ30に送られ、該ラジ
エータ30で冷却された後、サーモスタット32を介し
て互いに接続された第1冷却水戻り通路33及び第2冷
却水戻り通路34を通してエンジンCEに戻されるよう
になっている。また、このサーモスタット32にはさら
に、他端が冷却水排出通路31に接続された冷却水バイ
パス通路35が接続されている。なお、第2冷却水戻り
通路34には冷却水をエンジン内(ジャケット)に送り込
むウォータポンプ36が介設されている。
【0032】そして、第1冷却水戻り通路33に、クー
リングチャンバ13(図1参照)を冷却するためのウォー
タジャケット28が介設されている。したがって、ラジ
エータ30への通水が停止されているときには、ウォー
タジャケット28には冷却水が供給されないようになっ
ている。なお、図5に示すように、従来の副室式エンジ
ンでは、一般に、ウォータポンプ36下流の第2冷却水
戻り通路34と冷却水排出通路31とを接続するクーリ
ングチャンバ用冷却水通路40が設けられ、このクーリ
ングチャンバ用冷却水通路40に制御弁41が設けられ
ている。かかる従来の冷却構造は、前記したとおり、製
造コストの上昇等の種々の不具合を招くことになる。
【0033】該冷却機構においては、通常運転時ないし
は高負荷時にはサーモスタット32が第1冷却水戻り通
路33と第2冷却水戻り通路34とを連通させる一方、
冷却水バイパス通路35を閉止し、したがって冷却水は
矢印Y1,Y2で示すような経路で流れ、エンジンCEに
はラジエータ30で冷却された冷却水が戻される。他
方、冷間始動時あるいは軽負荷時には、サーモスタット
32が冷却水バイパス通路35と第2冷却水戻り通路3
4とを連通させる一方、第1冷却水戻り通路33を閉止
する。この場合、ラジエータ30への通水は停止され、
したがって冷却水は矢印X1で示すような経路で流れ、
エンジンCEから排出された冷却水は冷却されずにエン
ジンCEに戻される。この場合は、前記したとおり、ク
ーリングチャンバ13のウォータジャケット28には冷
却水が供給されず、クーリングチャンバ13内の空気は
ほとんど冷却されない。
【0034】以下、上記構成の副室式エンジンCEの機
能ないしは作用について説明する。エンジンCEにおい
ては、吸気弁7が閉じられた後において圧縮行程の後期
に、図7中のグラフG3で示すような特性でタイミング
弁12が所定期間a1〜a4(クランク角)だけ開かれる。そ
して、前記したとおり開弁初期(a1〜a2)と開弁末期(a3
〜a4)とではタイミング弁12が低リフトとされてい
る。なお、図7中のグラフG4は、開弁初期の低リフト
期間と開弁末期の低リフト期間とがほぼ等しいタイミン
グ弁のバルブリフト量を示している。
【0035】かくして、図6中のグラフG1(燃焼室内圧
力)とグラフG2(クーリングチャンバ内圧力)とで示すよ
うに、タイミング弁12が開かれている期間すなわちタ
イミング弁開弁期間θ1〜θ3(図7の、a1〜a4に対応す
る)内においてその前段(θ1〜θ2)では燃焼室6内の圧
力がクーリングチャンバ13内の圧力よりも低いので、
クーリングチャンバ13内に保持されていた高圧で低温
の空気(混合気)が燃焼室6内に噴出し、これによって燃
焼室6内の混合気温度が低下させられ、耐ノック性が高
められる。さらに、燃焼室6内の混合気の乱流強度(乱
流エネルギ)ひいては混合気の燃焼速度が高められ、こ
れによっても耐ノック性が高められる。
【0036】他方、タイミング弁開弁期間の後段(θ2
θ3)では、燃焼室6内の圧力がクーリングチャンバ13
内の圧力よりも高いので、燃焼室6内の高温・高圧の混
合気がクーリングチャンバ13内に流入する。そして、
クーリングチャンバ13に流入した高温・高圧の混合気
は、タイミング弁12が閉じられるとクーリングチャン
バ13内に閉じ込められそのまま保持される。ここで、
クーリングチャンバ13内に閉じ込められた高温・高圧
の混合気は、ウォータジャケット28内の冷却水によっ
て冷却され、その温度が低下する。このように、クーリ
ングチャンバ13内で冷却されて比較的低温となった高
圧の混合気が、次のサイクルのタイミング弁開弁期間の
前段で燃焼室6内に噴出することになる。
【0037】そして、図7から明らかなようにタイミン
グ弁12のリフト初期における低リフト期間(a1〜a2)が
比較的長くなるので、図8中のグラフG5で示すよう
に、クーリングチャンバ13内の高圧の空気が比較的長
い期間にわたって燃焼室6内に噴出する。このため、燃
焼室6内の混合気の乱流強度ひいては混合気の燃焼速度
が大幅に高められる。したがって、クーリングチャンバ
13による上記の混合気冷却作用と相まって、耐ノック
性が高められる。なお、図8中のグラフG6は、図7中
のグラフG4に対応する従来のものであり、噴出期間が
非常に短い。
【0038】他方、タイミング弁12のリフト末期にお
ける低リフト期間(a3〜a4)が比較的短くなるので(タイ
ミング弁開弁期間の後段の高リフト期間が長くなるの
で)、タイミング弁開弁期間後段に燃焼室6からクーリ
ングチャンバ13へ流入する空気量が多くなり、上記の
混合気の冷却効果及び乱流強度向上効果が一層高められ
る。
【0039】また、図3(a),(b)から明らかなとおり、
タイミング弁12の受圧面12a(12a')にはクーリン
グチャンバ13の空気圧がタイミング弁12の閉弁方向
(J2方向)に作用するので、タイミング弁12にはその
閉弁方向の力J2が作用する。したがって、クーリング
チャンバ13内の空気圧によってタイミング弁12のか
さ部12dに作用する開弁方向の力J1が一部相殺され
る。このため、バルブスプリング29の付勢力を増大さ
せなくてもタイミング弁12を閉弁方向に強く付勢する
ことができる。したがって、バルブスプリング29の付
勢力を増大させることなく、ひいては機械損失あるいは
カム面の面圧を増大させることなく、タイミング弁12
のバルブ径を十分に大きく設定することができ、クーリ
ングチャンバ13内に高圧の空気を確実に蓄えることが
でき、上記の混合気の低温化効果及び混合気の燃焼速度
の向上向上効果が一層高められる。また、バルブスプリ
ング29の付勢力を増大させることなくタイミング弁1
2のバルブ径を大きく設定することができるので、タイ
ミング弁12の開弁期間初期の低リフト期間を長くして
も、クーリングチャンバ13内に十分な量及び圧力の空
気が蓄えられることになる。
【0040】前記したとおり、エンジンCEの冷間始動
時あるいは軽負荷時においては、サーモスタット32に
よってラジエータ30への通水が停止されるので、クー
リングチャンバ用のウォータジャケット28には冷却水
が供給されない。このため、クーリングチャンバ13内
の空気が冷却されない。したがって、冷間始動時に燃焼
室6内の混合気の温度が過度には低くならず、エンジン
の始動性が高められる。また、軽負荷時には無意味な冷
却損失が生じないので、燃費性能が高められる。
【0041】また、エンジンCEにおいては、圧縮行程
の後段で、クーリングチャンバ13から燃焼室6内に高
圧の空気が噴出するので、該空気によって生じた燃焼室
6内の混合気の乱流強度(乱流エネルギ)が点火時期まで
ほとんど減衰せずに保持され、混合気の燃焼速度が一層
高められ、耐ノック性が一層高められる。
【0042】
【発明の効果】本発明の第1の態様によれば、燃焼室内
の混合気の乱流強度ひいては混合気の燃焼速度が高めら
れるので、副室による燃焼室内の混合気冷却作用と相ま
って、耐ノック性が高められる。また、タイミング弁の
開弁期間末期の低リフト期間が比較的短くなるので、開
弁期間後段に燃焼室から副室へ流入する空気量が多くな
り、混合気の冷却作用及び乱流強度向上効果が一層高め
られる。
【0043】本発明の第2の態様によれば、基本的には
本発明の第1の態様にかかる副室式エンジンと同様の効
果が得られる。さらに、受圧面にかかる空気圧に起因し
て、タイミング弁にはその閉弁方向の力が作用するの
で、バルブスプリングの付勢力を増大させなくてもタイ
ミング弁を閉弁方向に強く付勢することができ、したが
ってバルブスプリングの付勢力を増大させることなく、
タイミング弁のバルブ径を十分に大きく設定することが
でき、副室内に高圧の空気を確実に蓄えることができ
る。
【0044】本発明の第3の態様によれば、基本的には
本発明の第2の態様にかかる副室式エンジンと同様の効
果が得られる。さらに、タイミング弁の弁軸部のバルブ
ガイドと嵌合する部分を、副室内に露出された部分より
も大径とするだけの簡素な構造でバルブスプリングの付
勢力を増大させることなくタイミング弁を閉弁方向に強
く付勢することができりので、副室内に高圧の空気を確
実に蓄えることができる。
【0045】本発明の第4の態様によれば、基本的には
本発明の第1〜第3の態様のいずれか1つにかかる副室
式エンジンと同様の効果が得られる。さらに、エンジン
の冷間始動時、軽負荷時等においては、副室用ウォータ
ジャケットには冷却水が供給されないので、副室内の空
気が冷却されず、冷間始動時における燃焼室内の混合気
の温度が過度には低くならずエンジンの始動性が高めら
れる。また、軽負荷時には無意味な冷却損失が生じない
ので燃費性能が高められる。
【0046】本発明の第5の態様によれば、基本的には
本発明の第1〜第4の態様のいずれか1つにかかる副室
式エンジンと同様の効果が得られる。さらに、圧縮行程
の後段で、副室から燃焼室内に高圧の空気が噴出するの
で、該空気によって生じた燃焼室内の混合気の乱流強度
が点火時期まで有効に保持され、混合気の燃焼速度が一
層高められ、耐ノック性が一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる副室式エンジンの正面断面説
明図である。
【図2】 図1に示すエンジンの動弁駆動機構の平面説
明図である。
【図3】 (a)は副ポート(クーリングチャンバ)の、タ
イミング弁まわりにおける立面断面説明図であり、(b)
はタイミング弁の変形例を示す立面説明図である。
【図4】 図1に示すエンジンの冷却機構のシステム構
成図である。
【図5】 従来のエンジンの冷却機構のシステム構成図
である。
【図6】 燃焼室内圧力及びクーリングチャンバ内圧力
の、クランク角に対する変化特性を示す図である。
【図7】 タイミング弁のバルブリフト特性を示す図で
ある。
【図8】 クーリングチャンバ内圧力の、時間に対する
変化特性を示す図である。
【符号の説明】
CE…副室式エンジン 6…燃焼室 11…副ポート 12…タイミング弁 12a,12a'…受圧面 12b…小径部 12c…大径部 13…クーリングチャンバ 20…排気側カムシャフト 22…タイミング弁用カム 24…タイミング弁用回動アーム 28…ウォータジャケット 29…バルブスプリング 33…第1冷却水戻り通路 38…バルブガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02F 1/24 F02F 1/24 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に開口する一方その内部の空気を
    冷却する副室と、リフトしたときに上記副室の燃焼室へ
    の開口部を開くリフトタイプのタイミング弁と、該タイ
    ミング弁を圧縮行程で所定期間リフトさせて開かせるタ
    イミング弁駆動手段とが設けられている副室式エンジン
    において、 タイミング弁駆動手段が、タイミング弁のリフト特性
    を、リフト初期における低リフト期間がリフト末期にお
    ける低リフト期間よりも長くなるように設定しているこ
    とを特徴とする副室式エンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された副室式エンジンに
    おいて、 タイミング弁の弁軸部のバルブガイド側の部分に、副室
    内の空気圧をタイミング弁が閉じられる方向に受ける受
    圧面が設けられていることを特徴とする副室式エンジ
    ン。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された副室式エンジンに
    おいて、 タイミング弁の弁軸部のバルブガイドと嵌合する部分
    を、上記弁軸部の副室内に露出された部分よりも大径と
    することによって上記受圧面が形成されていることを特
    徴とする副室式エンジン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記
    載された副室式エンジンにおいて、 副室の少なくとも一部を囲む副室用ウォータジャケット
    が設けられ、該副室用ウォータジャケットが、エンジン
    の冷却水系統の、ラジエータへの通水が停止されている
    ときには冷却水が流れない部分から冷却水を供給される
    ようになっていることを特徴とする副室式エンジン。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記
    載された副室式エンジンにおいて、 タイミング弁駆動手段が、タイミング弁を、圧縮行程の
    後期に所定期間リフトさせて開かせるようになっている
    ことを特徴とする副室式エンジン。
JP7076596A 1995-03-31 1995-03-31 副室式エンジン Pending JPH08270471A (ja)

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JP (1) JPH08270471A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010059975A (ja) * 2003-05-28 2010-03-18 Lotus Cars Ltd エンジンの弁機構
US10811850B2 (en) 2018-09-26 2020-10-20 Denso Corporation Spark plug of internal combustion engine

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010059975A (ja) * 2003-05-28 2010-03-18 Lotus Cars Ltd エンジンの弁機構
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