JPH08269253A - 改質されたポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

改質されたポリオレフィン樹脂組成物

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JPH08269253A
JPH08269253A JP9776995A JP9776995A JPH08269253A JP H08269253 A JPH08269253 A JP H08269253A JP 9776995 A JP9776995 A JP 9776995A JP 9776995 A JP9776995 A JP 9776995A JP H08269253 A JPH08269253 A JP H08269253A
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JP
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polyolefin
acid
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crystalline polyolefin
propylene
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JP9776995A
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Hidemasa Okamoto
秀正 岡本
Masaru Kunimura
勝 国村
Iwao Tsuruya
巌 鶴谷
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UBE REKISEN KK
Ube Corp
Original Assignee
UBE REKISEN KK
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)酸変性結晶質ポリオレフィンが20〜8
0重量%および(B)非晶質ポリオレフィンが80〜2
0重量%を含有する改質されたポリオレフィン樹脂組成
物。 【効果】 本発明の樹脂組成物は常温域では柔軟性であ
り、高温域では十分な機械的強度を有するバランスのと
れた樹脂組成物である。また、接着性、印刷性、染色性
に優れ、樹脂の改質剤としても利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改質されたポリオレフ
ィン樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、常温域での柔
軟性と高温域での十分な機械的強度を兼ね備えた各種樹
脂の改質剤として、あるいは接着性、印刷性および染色
性に優れた樹脂として使用することのできる改質された
ポリオレフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
から、無極性のポリエチレン、ポリプロピレンなどの結
晶質高分子量ポリオレフィンに、不飽和カルボン酸誘導
体をグラフト共重合することにより、ポリオレフィンの
物理的、化学的性質を改善することは知られている。す
なわち、カルボキシル基をポリオレフィンに導入するこ
とにより、極性物質との接着性が改良され、印刷性及び
染色性が著しく改良される。これらの特性を生かした用
途として、ポリオレフィンとナイロン、ポリエステル、
アルミなどの極性物質との接着剤層が挙げられ、いわゆ
る多層フィルム(シート)に多用されている。また、ポ
リマーアロイの相溶化剤としても用いられ、例えば、ポ
リオレフィンとナイロンの組合せにおいて酸変性ポリオ
レフィンを配合すれば、酸変性ポリオレフィンを介して
ポリオレフィンとナイロンとが微細なポリマーアロイを
形成する。
【0003】しかしながら、上記酸変性結晶質高分子量
ポリオレフィンは、多層フィルム(シート)の接着剤層
あるいはポリオレフィンとナイロンとの相溶化剤として
用いた場合、80℃付近の機械的強度には優れるが常温
付近での柔軟性に欠け、その改善が望まれていた。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、(A)酸変性結晶質ポリオレフィンに常
温付近で柔軟性を有する(B)非晶質ポリオレフィンを
配合した組成物が上記目的を達成することを見出した。
【0005】以下本発明について詳細に説明する。本発
明における(A)酸変性結晶質ポリオレフィンの結晶質
ポリオレフィンはエチレン、プロピレン、炭素数4〜8
のα−オレフィンから選ばれる単独重合体、二元共重合
体、または多元共重合体である。特に好ましくは、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンタン−1の単独重
合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテ
ン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プ
ロピレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・プロピレ
ン・ブテン−1三元共重合体、エチレン・プロピレン・
ペンテン−1三元共重合体の結晶質ポリオレフィンが挙
げられる。また、上記結晶質ポリオレフィンの数平均分
子量は30,000以上であることが好ましい。数平均
分子量が30,000未満では、80℃における機械的
強度が劣り好ましくない。なお、数平均分子量は、例え
ば、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GP
C)などの周知の方法によって測定することができる。
【0006】本発明の(A)酸変性結晶質ポリオレフィ
ンは、前記結晶質ポリオレフィンに炭素数3〜10の不
飽和カルボン酸、その酸無水物およびそのエステルから
なる不飽和カルボン酸誘導体成分の少なくとも一種がグ
ラフト共重合したものである。上記不飽和カルボン酸誘
導体成分の炭素数は3〜10の範囲であり、より好まし
くは4〜8である。炭素数が3未満ではポリマーへの着
臭が強く、炭素数が10を超えるとグラフト反応が起こ
りにくい。炭素数が3ないし10の不飽和カルボン酸、
その酸無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボ
ン酸誘導体としては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン
酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1)ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの不飽和カ
ルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ(2,
2,1)ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水
物などの不飽和カルボン酸の無水物、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸モノメチル、フマール酸ジエチル、イタコン酸ジメ
チル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジ
メチル、ビシクロ(2,2,1)ヘプト−2−エン−
5,6−ジカルボン酸ジメチルなどの不飽和カルボン酸
のエステルが挙げられる。これらの中でもマレイン酸、
イタコン酸またはこれらの無水物が好ましい。
【0007】グラフト共重合は公知の方法で実施され
る。例えば、結晶質ポリオレフィンと不飽和カルボン酸
誘導体成分との溶融混合物にあるいはトルエン、キシレ
ンなどの溶媒を用いた溶液に有機過酸化物を添加して行
う。また、有機過酸化物を添加しないでγ線などの電離
放射線を照射してもよい。いずれの場合もこのグラフト
共重合は空気、酸素の混入は避けるのが好ましく、窒素
ガス、炭酸ガスなど不活性ガス雰囲気下で行うのが望ま
しい。
【0008】有機過酸化物としては、その半減期が1分
となる分解温度が70〜270℃の範囲のものが好まし
く、例えば、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオ
キシド、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイル
ペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−
ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,4
−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペ
ルオキシアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−
ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペル
オキシラウレート、tert−ブチルペルオキシイソブ
チレート、tert−ブチルペルオキシピバレート、ク
ミルペルオキシオクトエート、tert−ブチルペルオ
キシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチル
ヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルオキシイソ
プロピルモノカーボネート、クメンヒドロペルオキシド
などが挙げられる。
【0009】有機過酸化物を用いる場合のグラフト共重
合温度は、結晶質ポリオレフィンの融点、有機過酸化物
の分解温度により決まるが、一般に100〜300℃で
ある。
【0010】不飽和カルボン酸誘導体成分と有機過酸化
物の配合量、グラフト共重合の温度・時間は、得られた
(A)酸変性結晶質ポリオレフィンの酸価が1〜200
mgKOH/g、好ましくは1〜100mgKOH/g
となるよう適宜選択される。ここで、酸価とは、ポリマ
ー1g当りの中和に要するKOHのmg数であり、この
場合には(A)酸変性結晶質ポリオレフィン中のカルボ
ン酸基および/またはカルボン酸無水物基および/また
はエステル基の濃度の目安に相当する。(A)酸変性結
晶質ポリオレフィンの酸価が1未満では極性が不十分で
あり、本発明の樹脂組成物において接着性などは発現し
ない。また、200を超えるものを得ようとすると、結
晶質ポリオレフィンの主鎖切断あるいは架橋などの副反
応も起こって効果的な変性にならないので、200を超
えるものは実際上好ましくない。もちろん、本発明の
(A)酸変性結晶質ポリオレフィンとしては、該当する
好適な市販品も適宜選択して用いることができる。
【0011】本発明における(B)非晶質ポリオレフィ
ンは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜8のα−オレ
フィンから選ばれる単独重合体、二元共重合体、または
多元共重合体である。特に好ましくは、プロピレンの単
独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン
・ブテン−1共重合体、ブテン−1・エチレン共重合
体、プロピレン・ヘキセン−1共重合体、プロピレン・
4−メチル−ペンテン−1共重合体、ブテン−1・ヘキ
セン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1
三元共重合体、プロピレン・エチレン・ヘキセン−1三
元共重合体、プロピレン・エチレン・4−メチル−ペン
テン−1三元共重合体、プロピレン・ブテン−1・ヘキ
セン−1三元共重合体、プロピレン・ヘキセン−1・オ
クテン−1三元共重合体、プロピレン・ヘキセン−1・
4−メチル−ペンテン−1三元共重合体などのプロピレ
ン成分あるいはブテン−1成分を主成分とした非晶質ポ
リオレフィンが挙げられる。
【0012】ポリプロピレンの非晶質のものとしては、
結晶質ポリプロピレン製造時に副生するアタクチックポ
リプロピレンを用いてもよいし、直接プロピレン原料か
ら生産してもよい。また、プロピレンあるいはブテン−
1と他のα−オレフィンとの共重合体は所定のプロピレ
ンあるいはブテン−1成分を含有するように原料から目
的生産して用いることができる。このような生産をする
場合、例えば塩化マグネシウムに担持したチタン担持型
触媒とトリエチルアルミニウムを用いて水素の存在下ま
たは不存在下で原料モノマーを重合して得ることができ
る。供給の安定性および品質の安定性の観点から目的生
産された非晶質ポリオレフィンを使用することが望まし
い。また該当する好適な市販品も適宜選択して用いるこ
ともできる。また、本発明の(B)非晶質ポリオレフィ
ンは、結晶融解熱量が20 Joule/g以下であることが
好ましい。結晶融解熱量が上記範囲外では本発明の樹脂
組成物において、常温付近での柔軟性が劣り好ましくな
い。
【0013】なお、結晶融解熱量は下記のように測定し
た。すなわち、この結晶融解熱量は、示差走査型熱量計
による重合体の完全溶融状態の比熱曲線を低温側に直接
外挿して得られる直線をベースラインとして計算される
値である。その測定は、示差走査型熱量計として、島津
製作所製:DSC−50を用い、サンプル量を約10m
g、測定雰囲気を窒素雰囲気とし、熱量標準としてイン
ジウムを使用して行った。また、加熱プログラムは次の
通りであった。すなわち、サンプルを50℃/分の昇温
速度で210℃まで昇温し210℃で5分間放置後、1
0℃/分の降温速度で−42℃まで冷却し、−42℃で
5分間放置する。その後20℃/分の昇温速度で−40
℃から200℃まで測定を行った。
【0014】また、(B)非晶質ポリオレフィンの数平
均分子量は2,000〜40,000好ましくは、3,
000〜30,000である。数平均分子量が2,00
0未満ではポリマーとしての特性が発揮されず、本発明
の樹脂組成物において、強靱さを欠くものになる。ま
た、数平均分子量が40,000を越えると本発明の樹
脂組成物において、常温付近で柔軟性と接着性が劣り好
ましくない。
【0015】本発明の(B)非晶質ポリオレフィンは、
さらに、沸騰n−ヘプタン不溶分、すなわち、沸騰n−
ヘプタンによるソックスレー抽出不溶分が70重量%以
下、好ましくは60重量%以下、特に好ましくは10重
量%以下のものが望ましい。沸騰n−ヘプタン不溶分が
70重量%より大きいと、非晶質部分の比率が少なくな
り本発明の樹脂組成物において常温付近での十分な柔軟
性が得られない。
【0016】(A)酸変性結晶質ポリオレフィンと
(B)非晶質ポリオレフィンとの配合割合は(A)が2
0〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。
(A)が20重量%未満では、常温でのショアD硬度H
s(23℃)が8未満となり、常温で柔かすぎ、80℃
での引張弾性率(80℃)が30kg/cm2 未満とな
り形状を十分に保持することができず、機械的強度も維
持できなくなる。一方、(A)が80重量%を超えると
ショアD硬度Hs(23℃)が100を超え十分な柔軟
性が得ることができない。
【0017】本発明の樹脂組成物は上記範囲で成分
(A)および(B)とを配合して得られ、好ましくは、
ショアD硬度Hs(23℃)が8以上で60以下であ
り、引張弾性率(80℃)が30kg/cm2 以上で
2,000kg/cm2 未満の範囲にある。なお、本発
明において、ショアD硬度Hs(23℃)及び引張弾性
率(80℃)は、下記の方法により測定した。樹脂組成
物をプレス温度180℃、プレス圧100kg/c
2 、予熱2分、プレス1分、冷却3分でプレス成形し
て厚さ2mmのシートに成形する。(ショアD硬度Hs
(23℃))上記のようにして得られたシートを23℃
の恒温室で調整後、6枚重ね上から硬度計を押しつけ、
5秒後の値を測定した。(引張弾性率(80℃))上記
のようにして得られたシートをJIS2号型ダンベルで
打ち抜き引張試験片を得た。得られた断面積Scm2
試験片を、80℃の恒温槽中で、クロスヘッド速度50
mm/分、チャック間5cm、チャートスピード50c
m/分により引張試験を行い、チャック間の変位をチャ
ートで読み取りながら、2%変形時の引張荷重Xkgを
測定した。得られた結果から、引張弾性率(80℃)を
下式により算出した。 引張弾性率(80℃)(kg/cm2 )=X/S/2/
100=100X/2S
【0018】また、改質された樹脂組成物においては、
その酸価が0.2〜160mgKOH/g、好ましくは
0.2〜100mgKOH/gになるようにする。した
がって、(A)、(B)の配合量は(A)の酸価に応じ
て、組成物の酸価が上記範囲内になるように決定する。
組成物の酸価が0.2未満では接着性が乏しく改質効果
がない。なお、接着強度は下記のようにして測定した。
すなわち、改質された組成物を被着材間に挟み、熱プレ
スで50kg/cm2 の加圧下で熱融着させた。それを
巾25mmに断裁し、23℃恒温室中引張速度200m
m/分でT剥離強さを測定した。なお、熱プレスの温度
は改質された組成物の融点又は軟化点に設定した。
【0019】本発明の組成物を工業的に製造するには、
押出機が好適に用いられる。押出機としてはベント口付
単軸、多軸押出機が使用できる。この場合、あらかじめ
(A)酸変性結晶質ポリオレフィンとして好適なものが
あれば、そのまま押出機に供給して(B)非晶質ポリオ
レフィンと溶融混練すればよい。また、下記のように結
晶質ポリオレフィンを押出機中で酸変性し、引続き押出
機中でこれと(B)非晶質ポリオレフィンとを溶融混練
してもよい。
【0020】(製造工程)まず、あらかじめよく混合さ
れた結晶質ポリオレフィン、有機過酸化物、不飽和カル
ボン酸誘導体成分を、複数のベント口付二軸押出機のホ
ッパーより投入する。シリンダー温度は結晶質ポリオレ
フィンの融点、有機過酸化物の分解温度により決まる。
一般的に100〜300℃であり、20秒〜数分の溶融
混練でグラフト共重合はほぼ完了する。有機過酸化物は
使用する結晶質ポリオレフィンの融点に応じて選択す
る。有機過酸化物の分解半減期は温度により定まった値
を有しているため、融点の低い結晶質ポリオレフィンに
グラフト共重合する場合には、分解半減期温度の低い有
機過酸化物、例えばtert−ブチルペルオキシ(2−
エチルヘキサノエート)〔パーブチルO、日本油脂
(株)製、分解半減期1分温度:135℃〕が、また、
融点の高い結晶質ポリオレフィン、例えばポリプロピレ
ンにグラフト共重合する場合には、分解半減期温度の高
い有機過酸化物、例えばtert−ブチルペルオキシベ
ンゾエート〔パーブチルZ、日本油脂(株)製、分解半
減期1分温度:170℃〕が選ばれる。なお、この間中
間のベント口は未反応の不飽和カルボン酸誘導体成分を
除去するため、減圧脱気する。脱気はトラップ付きの真
空ポンプを用いて、20mmHg程度にまで減圧して行
う。なお、この除去を効率的に行うために、系は溶融状
態に保っておくことが必要である。通常、結晶質ポリオ
レフィンの融点以上、150〜300℃が好ましい。
【0021】次いで、(B)非晶質ポリオレフィンを、
酸変性ゾーンのあとにあるベント口より加熱溶融状態で
定量ポンプにより供給する この際の溶融、供給温度は非晶質ポリオレフィンの軟化
点より20℃以上、約100〜220℃が好ましい。上
記(A)酸変性結晶質ポリオレフィンと(B)非晶質ポ
リオレフィンの溶融混練ゾーンの温度は、(A)酸変性
結晶質ポリオレフィンの融点、(B)非晶質ポリオレフ
ィンの軟化点のいずれか高い方の温度以上、約150〜
300℃である。
【0022】本発明においては、所望に応じて各種添加
剤、補強材、充填材、例えば、耐熱安定剤、酸化防止
剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料
または染料、ガラス繊維、硫酸マグネシウム繊維(MO
S)、ゾノトライト繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、
マイカ、タルク、クレーなどを添加することができる。
本発明の改質された樹脂組成物は、常温域での柔軟性
と高温域での十分な機械的強度を兼ね備えた各種樹脂の
改質剤として、あるいは接着性、印刷性および染色性に
優れた樹脂として広く使用することができる。
【0023】
【実施例および比較例】
実施例1 シリンダーブロックC0 〜C17を有する二軸押出機(宇
部興産(株)製、二軸押出機、内径55mm、L/D=
60)を使用した。結晶質ポリオレフィンとして宇部興
産(株)製ポリプロピレンRF355B(MFR=2.
7、エチレン成分4重量%、融点138℃)、不飽和カ
ルボン酸として無水マレイン酸(クリスタルマン、日本
油脂(株)製、顆粒状)および有機過酸化物としてパー
ブチルZ(日本油脂(株)製、分解半減期1分温度:1
70℃)の各々100、1、1重量部をV型ブレンダー
を使用してよく混合し、その混合物を二軸押出機のホッ
パーより毎時10.2kgで供給した。なお、シリンダ
ーブロックC11に設けられたベント口は約20mmHg
に減圧脱気し、未反応無水マレイン酸を除去した。
【0024】次いで、非晶質ポリオレフィンとして宇部
レキセン(株)製の非晶質プロピレン・エチレン共重合
体ウベタックUT−2535(プロピレン成分85重量
%、数平均分子量4700、軟化点129℃、結晶融解
熱量10 Joule/g)を150℃に溶解し、C12のベン
ト口より毎時10kgで供給した。得られた改質された
樹脂組成物の酸価は5mgKOH/g、23℃における
ショアD硬度Hs(23℃)は40、80℃での引張弾
性率は350kg/cm2、常温でのOPP/ナイロン
6異種樹脂間T−剥離強さは3.0kg/25mmであ
った。原料配合、シリンダー温度および結果を表1に示
す。
【0025】実施例2 実施例1において、結晶質ポリオレフィンを低密度ポリ
エチレンF222(宇部興産(株)製、融点109℃)
に代えた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1
に示す。
【0026】実施例3 実施例1において、(B)非晶質ポリオレフィンを宇部
レキセン(株)製の非晶質プロピレン・ブテン−1共重
合体ウベタックUT−2780(プロピレン成分65重
量%、数平均分子量6500、軟化点110℃、結晶融
解熱量7 Joule/g)に代えた以外は、実施例1と同様
に行った。結果を表1に示す。
【0027】実施例4 実施例3において、結晶質ポリオレフィンを直鎖状低密
度ポリエチレン(ウルトゼックス2022L、三井日石
ポリマー(株)製)に代えた以外は、実施例3と同様に
行った。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】比較例1 実施例3において、(B)非晶質ポリオレフィンを供給
しなかった以外は、実施例3と同様に行った。得られた
組成物の酸価は10mgKOH/g、OPP/ナイロン
6T−剥離強さは5.2kg/25mmであったが、H
s(23℃)は62と硬すぎ、また、引張弾性率(80
℃)も2500kg/cm2 と大きすぎるものであっ
た。結果を表2に示す。
【0030】比較例2 (B)非晶質ポリオレフィンとして、非晶質プロピレン
・ブテン−1共重合体ウベタックUT−2780のみを
評価した。Hs(23℃)、引張弾性率(80℃)とも
小さすぎ、またOPP/ナイロン6の接着試験ではナイ
ロン6との界面で剥離し、その強さも0.1kg/25
mmと極めて低かった。結果を表2に示す。
【0031】比較例3 実施例3において、無水マレイン酸および有機過酸化物
を供給しなかった以外は、実施例3と同様に行った。得
られた組成物のHs(23℃)および引張弾性率(80
℃)は所望の範囲にあったが、酸価は0mgKOH/g
であり、またOPP/ナイロン6の接着試験ではナイロ
ン6との界面で剥離し、その強さも0.2kg/25m
mと極めて低かった。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は常温域では柔軟性
であり、高温域では十分な機械的強度を有するバランス
のとれた樹脂組成物である。また、接着性、印刷性、染
色性に優れ、樹脂の改質剤としても利用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国村 勝 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内 (72)発明者 鶴谷 巌 東京都品川区東品川2丁目3番11号UBE ビル5F 宇部レキセン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)酸変性結晶質ポリオレフィンが20
    〜80重量%および(B)非晶質ポリオレフィンが80
    〜20重量%を含有する改質されたポリオレフィン樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 酸変性結晶質ポリオレフィンの結晶質ポ
    リオレフィンが、エチレン、プロピレン、炭素数が4〜
    8のα−オレフィンから選ばれる単独重合体、二元共重
    合体または多元共重合体であって、数平均分子量が3
    0,000以上の請求項1に記載の改質されたポリオレ
    フィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 酸変性結晶質ポリオレフィンが結晶質ポ
    リオレフィンに炭素数3〜10の不飽和カルボン酸、そ
    の酸無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボン
    酸誘導体成分の少なくとも一種がグラフト共重合したも
    のであって、その酸価が1〜200mgKOH/gであ
    る請求項1、2に記載の改質されたポリオレフィン樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 非晶質ポリオレフィンがエチレン、プロ
    ピレン、炭素数が4〜8のα−オレフィンから選ばれる
    単独重合体、二元共重合体、または多元共重合体であっ
    て数平均分子量が2,000〜40,000であり、か
    つ結晶融解熱量が20 Joule/g以下である請求項1、
    2、3に記載の改質されたポリオレフィン樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011058149A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Jen-Taut Yeh ポリアミド及びポリオレフィンの濃い染め製造プロセス
JP2011184504A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Mitsui Chemicals Inc プロピレン系変性樹脂組成物
JP2012001661A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Dic Corp ポリオレフィン多層フィルム用接着性樹脂組成物、ポリオレフィン多層フィルム用接着性樹脂組成物の製造方法、ポリオレフィン多層フィルム、金属蒸着フィルム、及び、オレフィンフィルム用水性コーティング剤。
JP2020164810A (ja) * 2019-03-27 2020-10-08 Mcppイノベーション合同会社 接着性樹脂組成物

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