JPH08269128A - 塩化ビニルモノマー含有排水の処理方法 - Google Patents

塩化ビニルモノマー含有排水の処理方法

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JPH08269128A
JPH08269128A JP9811795A JP9811795A JPH08269128A JP H08269128 A JPH08269128 A JP H08269128A JP 9811795 A JP9811795 A JP 9811795A JP 9811795 A JP9811795 A JP 9811795A JP H08269128 A JPH08269128 A JP H08269128A
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JP
Japan
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monomer
wastewater
vinyl chloride
waste water
water
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Pending
Application number
JP9811795A
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English (en)
Inventor
Shuichi Aoki
修一 青木
Hiroshi Hara
弘 原
Takahisa Tsubokura
隆寿 坪倉
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩化ビニルモノマーを1〜10,000pp
m溶存する排水を脱モノマー塔にかけて単量体を回収
し、排水中のモノマー濃度を1〜100ppbに低減す
ることを特徴とする塩化ビニルモノマー含有排水の処理
方法。 【効果】 本発明により、塩化ビニル樹脂製造における
排水中に溶存する塩化ビニルモノマーを回収し、排水中
のモノマー濃度を100ppb以下に低減できるので、
水質及び大気の汚染を顕著に低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニルモノマーの
含有廃水の処理方法に関し、詳しくは、塩化ビニル樹脂
の重合もしくは乾燥工程からの廃水又は同工程からの未
反応モノマーを回収して精製する工程や塩化ビニルモノ
マーの製造工程からの洗浄廃水中に存在するモノマーを
回収して排水中のモノマー含有量を低減する方法に関す
る。
【0002】塩化ビニル樹脂の製造工場においては、重
合反応後の重合缶の洗浄、重合体粒子懸濁液(スラリ
ー)の乾燥に先立つ脱水、製造する樹脂の品番切替えに
備えるスラリー貯槽の洗浄、モノマーの回収・精製工程
でのコンプレッサーシール水各所工程の詰り等トラブル
時の設備クリーニング等による排水中には塩化ビニルモ
ノマーが混入している。これらは水質汚染の原因になっ
たり、含有モノマーが大気に揮散して大気汚染を惹起し
たりする。排水中に含有される塩化ビニルモノマーの除
去方法としては、排水中に水溶性酸化剤及び還元剤を添
加する方法(特開昭52−84846号)や逆浸透で濃
縮して回収する方法(特開昭57−177305号)が
提案されている。しかし前者は塩化ビニルモノマーを改
質はするけれども有機物を排水中に放つ点で問題が残
り、後者は塩化ビニルモノマーの濃度を上げた分画の水
を得るには良いものの、別にモノマーを分離するための
設備が必要である。
【0003】近時塩化ビニル樹脂製造技術が高度化し、
従来のように重合缶を反応バッチ毎に開缶して高圧水洗
浄してスケール除去しなくても、重合反応後の洗浄操作
を、数十〜数百バッチ連続して閉缶のまま水をリンスす
る程度で缶内が清浄化されるようになった。閉缶のまま
であれば缶内に残留するモノマーガスを必ずしも徹底し
て回収する必要はなく、すぐに次のチャージに入る方が
生産性が高くなる。こうして従来開缶作業における缶内
洗浄排水中のモノマー濃度が20〜80ppmであった
のに対し、閉缶作業における缶内洗浄排水中のモノマー
濃度は700〜2,000ppmに増大している。
【0004】また最近は、労働環境の改善、大気汚染防
止等の取り組みが進むに伴ってプラントのクローズド化
が徹底されたことにより、モノマー回収工程で生じる凝
縮水、ポンプやコンプレッサーのシール水・冷却水等高
濃度にモノマーが溶存する排水が増加している。そのた
め後続する活性汚泥に過剰な負荷がかかり、極端な場合
は活性汚泥が機能せず、水質汚濁を起こすことになる。
このような状況にあって、排水中の溶存モノマーを従来
にも増して低減し、水質及び大気の清浄化を実現するこ
とが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、かかる現
状に鑑み鋭意検討した結果、重合体スラリーにおいては
残存モノマー回収に有効な手段であった脱モノマー塔が
排水においても有利に使い得ることを見出し、この知見
に基づき本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は塩化
ビニルモノマーを1〜10,000ppm溶存する排水
を脱モノマー塔にかけてモノマーを回収するとともに、
排水中のモノマー濃度を1〜100ppbに低減するこ
とを特徴とする塩化ビニルモノマー溶存排水の処理方法
を提供するものである。本発明で用いられる塩化ビニル
モノマーを溶存する排水は、塩化ビニル樹脂製造工場の
プラントから出る排水である。即ち重合工程における重
合缶の洗浄、乾燥工程におけるスラリーの脱水やスラリ
ー貯槽の洗浄、回収モノマー精製工程におけるコンプレ
ッサーシール水等の他、各所工程の詰り等トラブル時の
設備クリーニングに伴う洗浄排水等である。上記排水中
の塩化ビニルモノマー溶存量は1〜10,000pp
m、好ましくは10〜1,000ppmである。1pp
mより小さい場合は本発明により得られる経済効果が小
さいものとなる。また10,000ppmを越える場合
は逆に統合排水中のモノマー濃度としては大きすぎ、本
発明に用いるのは不適切である。即ちその場合は排水が
統合される前の上流側の設備においてもっと高濃度の少
量の排水を対象にして加熱してモノマーを揮散せしめて
回収する等の処置を採る方が経済的である。
【0007】本発明で用いられる脱モノマー塔は水蒸気
ストリッピング塔であり、その中で上記排水に水蒸気を
吹込みつつ脱ガスすることにより該排水に溶存している
塩化ビニル単量体を回収するための塔で、段塔であって
も充填塔であってもよい。段塔としては上記排水を上部
から流下させ、下部から水蒸気を吹込んで向流接触させ
る形式の塔で、特公昭61−11241号公報に記載さ
れている多孔板に、溝型に構成された流路を設けた棚段
を有するもの、特公昭59−8281号公報にある、多
数の傾斜スリットと傾斜部をもつ一体成形品の棚段を有
するもの等が好適である。また、充填塔は棚段の代り
に、ラシヒリング、サドル、テラレッテパッキング、ボ
ールリング等の充填物が充填層容積の5〜50%を占め
る塔であり、特開昭59−56410号公報に記載のも
のが例示される。脱モノマー塔の処理条件は必ずしも限
定されないが、通常塔内を流下する水の温度80〜11
0℃、カラムの上部からコンプレッサーにより減圧する
ことによる塔内圧力−0.8〜0.5kg/cm2 Gと
なるよう運転する。上記排水の供給速度は塔内滞留時間
が通常20分以内となる速度であり、水蒸気は120〜
150℃、2〜5kg/cm2 Gの過熱蒸気を塔底の液
温が100℃以下、塔頂の液温が70〜100℃となる
ように導入することが好ましい。
【0008】この操作により原排水から除去されたモノ
マーを同伴した水蒸気を塔頂部に設置した凝縮器により
凝縮させ、水とモノマーを分離し、モノマーは精製工程
に送る。精製されたモノマーは新鮮なモノマーと共に重
合反応の原料に供する。図1により本発明を例示する。 塩化ビニルモノマーを溶存している排水は、スラリ
ーの脱水、モノマー回収工程の排水、重合缶の洗浄水が
主であり、重合体粒子やスケールを0.05〜1.0重
量%含んでいる。 スクリーン2によってあらかじめ大きなスケール片
等を取り除く。スクリーン2の目開きは通常20〜40
mmである。 排水は貯槽3に貯えられ、ポンプ4を経て熱交換器
5の低温入口6に導かれる。 熱交換器5によって予熱された排水は、供給ノズル
7より脱モノマー塔8に供給される。 脱モノマー塔に供給された排水は底部より供給され
るスチーム9と向流接触する。これにより排水中に溶存
するモノマーは分離、除去される。 除去されたモノマーは水蒸気と共に塔頂10より排
出され、塔頂ガス凝縮器11に送られる。ここで同伴水
蒸気は凝縮水12となりモノマーガスと分離される。 モノマーガスはモノマー精製工程13へ送られる。 脱モノマー処理された排水は、塔底14よりポンプ
15を経て熱交換器5の高温入口16へと導かれる。 熱交換器5で冷却された排水17は浮遊する重合体
粒子他の固形分を除去後活性汚泥槽へ送られる。
【0009】次に本発明の態様を挙げる。 (1)塩化ビニルモノマーを1〜10,000ppm溶
存する排水を脱モノマー塔にかけて単量体を回収し、排
水中のモノマー濃度を1〜100ppbに低減すること
を特徴とする塩化ビニルモノマー含有排水の処理方法。 (2)排水が塩化ビニル樹脂製造工場における、重合、
乾燥及び回収モノマー精製の各工程のいずれかのもので
ある上記(1)記載の塩化ビニルモノマー含有排水の処
理方法。 (3)脱モノマー塔が水蒸気ストリッピング塔である上
記(1)又は(2)記載の塩化ビニルモノマー含有排水
の処理方法。
【0010】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。 水に溶存するモノマーの濃度の測定法 予め各種濃度の塩化ビニルモノマー標準液(エタノール
溶液)と蒸留水との混合液を用いて下記のガスクロマト
グラフィー条件で検料線を作成する。試料10mlとエ
タノール40μlの混合液を用いて下記のガスクロマト
グラフィー条件で、検料線と照合しつつ測定する。 ガスクロマトグラフィー条件 カラム UconLB−1800X(25%) クロモソルブW、60〜80メッシュ 3mmφ×2m カラム温度 50℃ 注入愚痴温度 110℃ 検出器 FID キャリア 窒素 機種 島津製作所(株)製 GC−9A ヘッドスペース条件 試料加熱 90℃×30分 ガスタイトシリンジ温度 90℃
【0011】比較例1 塩化ビニル樹脂重合工程からの、塩化ビニルモノマー
1,300ppm含有する排水と、回収塩化ビニルモノ
マー精製工程からの、塩化ビニルモノマー1,800p
pm含有する排水とを統合して貯蔵する貯槽における塩
化ビニルモノマー濃度は1,700ppmであった。
尚、塩化ビニル樹脂を主とする固形分濃度は0.04重
量%であった。 実施例1 比較例1の、重合工程からの排水及び回収モノマー精製
工程からの排水の統合排水を、塔径1,000mm、塔
長13m、棚段30段の水蒸気ストリッピング塔にかけ
た。図1に実施の状況を図示する。処理条件は下記の通
りである。 排水供給条件 流量 13.0m3 /h、 温度23℃ 水蒸気供給条件 流量 0.56t/h、温度120℃ 圧力 1.10kg/cm2 G 塔温度条件 塔頂 86.0℃ 塔底 90.0℃ 塔圧力条件 塔頂 −0.50kg/cm2 G 凝縮器条件 冷却水流量35m3 /h、温度25℃、伝熱面積49m2 尚、脱モノマー塔のトレーは特公昭59−8281号公
報記載の傾斜スリットと傾斜部とを有する一体成形品で
図2に示す形状のステンレス鋼製の棚段18を用い、各
棚段部には図3及び図4に示すようなダウンカマー19
や気液分離板20が設けられている。脱モノマー塔底か
ら流出する処理排水の塩化ビニルモノマー濃度は17p
pbであった。塔内のトレーは1年間の継続使用の間詰
りのトラブルはなかった。
【0012】
【発明の効果】本発明により、塩化ビニル樹脂製造にお
ける排水中に溶存する塩化ビニルモノマーを回収し工場
外への排水中のモノマー濃度を100ppb以下に低減
できるので、水質及び大気の汚染を顕著に低減すること
ができる。又活性汚泥の負荷を大巾に低減することがで
きる。
【0013】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を模式的に示すフロー図である。
【図2】図2は脱モノマー塔の棚段の一態様の説明図で
ある。
【図3】図3は実施例に用いた脱モノマー塔の内部を上
方から見た説明図である。
【図4】図4は図3のL−L線で切った前記塔の断面図
の一部である。
【0014】
【符号の説明】
1 モノマー溶存排水 2 スクリーン 3 排水貯槽 4 供給ポンプ 5 スパイラル熱交換器 6 低温入口 7 供給ノズル 8 脱モノマー塔 9 スチーム 10 塔頂 11 塔頂ガス凝縮器 12 凝縮水 13 モノマー回収工程 14 塔底抜き出し口 15 排出ポンプ 16 高温入口 17 脱モノマー後の排水 18 棚段 19 ダウンカマー 20 気液分離板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルモノマーを1〜10,000
    ppm溶存する排水を脱モノマー塔にかけて単量体を回
    収し、排水中のモノマー濃度を1〜100ppbに低減
    することを特徴とする塩化ビニルモノマー含有排水の処
    理方法。
JP9811795A 1995-03-30 1995-03-30 塩化ビニルモノマー含有排水の処理方法 Pending JPH08269128A (ja)

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