JPH0826865A - マンガン質肥料 - Google Patents
マンガン質肥料Info
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- JPH0826865A JPH0826865A JP6111458A JP11145894A JPH0826865A JP H0826865 A JPH0826865 A JP H0826865A JP 6111458 A JP6111458 A JP 6111458A JP 11145894 A JP11145894 A JP 11145894A JP H0826865 A JPH0826865 A JP H0826865A
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- C05D—INORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C; FERTILISERS PRODUCING CARBON DIOXIDE
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- C05D9/02—Other inorganic fertilisers containing trace elements
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電解二酸化マンガン製造時に副生するマンガ
ン副産物を肥料として有効利用できる技術を確立するこ
と、および肥効が即効性と遅効性を兼ね具えた新規なマ
ンガン質肥料を提供すること。 【構成】 電解二酸化マンガン製造時に副生するマンガ
ン副産物であって、マンガン成分として、少なくともク
溶性マンガン（MnO ）３〜20wt％と水溶性マンガン（Mn
O ）0.5 〜7.0 wt％を含有するマンガン質肥料である。
ン副産物を肥料として有効利用できる技術を確立するこ
と、および肥効が即効性と遅効性を兼ね具えた新規なマ
ンガン質肥料を提供すること。 【構成】 電解二酸化マンガン製造時に副生するマンガ
ン副産物であって、マンガン成分として、少なくともク
溶性マンガン（MnO ）３〜20wt％と水溶性マンガン（Mn
O ）0.5 〜7.0 wt％を含有するマンガン質肥料である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電解二酸化マンガン製
造時に副生するマンガン副産物からなるマンガン質肥料
に関し、とくに肥効が速効性と遅効性を兼ね具えた点に
特徴を有するマンガン質肥料を提案する。
造時に副生するマンガン副産物からなるマンガン質肥料
に関し、とくに肥効が速効性と遅効性を兼ね具えた点に
特徴を有するマンガン質肥料を提案する。
【０００２】一般に、マンガンは、植物の生育にとって
必須の成分であることが知られている。例えば、老朽化
水田での水稲、砂質土壌などでの麦類，野菜，果樹など
でマンガン施用の効果がみられる。しかしながら、マン
ガンの過剰施用による障害も知られている。例えば、ミ
カン，柿などの異常落葉はマンガンが植物体内に異常に
集積することによって引き起こされる。こうしたマンガ
ン成分のうち、水溶性マンガンは、稲，麦，果樹の元肥
または草面散布肥料として用いられ、即効性はあるが長
期的に肥効を望めないという性質があり、また、クエン
酸可溶性（以下、単に「ク溶性」という。）は、マンガ
ン質肥料としてばかりでなく、土壌改質資材としての効
果はあるが、遅効性であり、欠乏の激しい地帯では前記
効果が現れ難いという性質がある。
必須の成分であることが知られている。例えば、老朽化
水田での水稲、砂質土壌などでの麦類，野菜，果樹など
でマンガン施用の効果がみられる。しかしながら、マン
ガンの過剰施用による障害も知られている。例えば、ミ
カン，柿などの異常落葉はマンガンが植物体内に異常に
集積することによって引き起こされる。こうしたマンガ
ン成分のうち、水溶性マンガンは、稲，麦，果樹の元肥
または草面散布肥料として用いられ、即効性はあるが長
期的に肥効を望めないという性質があり、また、クエン
酸可溶性（以下、単に「ク溶性」という。）は、マンガ
ン質肥料としてばかりでなく、土壌改質資材としての効
果はあるが、遅効性であり、欠乏の激しい地帯では前記
効果が現れ難いという性質がある。
【０００３】
【従来の技術】上述した施用効果を示すマンガンを主成
分とする既知のマンガン質肥料としては、水溶性マンガ
ンを保証するものとして硫酸マンガン肥料，ク溶性マン
ガンを保証するものとして鉱滓マンガン肥料などが知ら
れている他、複合肥料，スラグ類などもマンガン質肥料
として知られている。
分とする既知のマンガン質肥料としては、水溶性マンガ
ンを保証するものとして硫酸マンガン肥料，ク溶性マン
ガンを保証するものとして鉱滓マンガン肥料などが知ら
れている他、複合肥料，スラグ類などもマンガン質肥料
として知られている。
【０００４】ところが、マンガン質肥料のマンガン源と
して、従来から用いられているマンガン鉱滓があるが、
近年のフェロアロイを初めとするマンガン関連産業の国
際化により、その蓄積量が減少し、その将来が心配さ
れ、新しい肥料用マンガン源の出現が望まれているのが
実情である。
して、従来から用いられているマンガン鉱滓があるが、
近年のフェロアロイを初めとするマンガン関連産業の国
際化により、その蓄積量が減少し、その将来が心配さ
れ、新しい肥料用マンガン源の出現が望まれているのが
実情である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、上記マン
ガン質肥料のマンガン源として、従来、産業廃棄物とし
て処理されていた，電解二酸化マンガン製造時に副生す
るマンガン副産物に着目した。
ガン質肥料のマンガン源として、従来、産業廃棄物とし
て処理されていた，電解二酸化マンガン製造時に副生す
るマンガン副産物に着目した。
【０００６】上記電解二酸化マンガンとは、図１に示す
ように、マンガン源（二酸化マンガン鉱石など）を焙焼
して粉砕し、次いで、硫酸に溶解，中和してから濾過し
た後、得られた濾過液を精製し、さらに電解工程で電気
分解することにより製造されるものであり、この製造工
程では、一般に、濾過時の固形残渣としてマンガン含有
副産物が発生するが、従来、このマンガン含有副産物
は、セメント等で固化し、マンガン質肥料として考慮さ
れることなく、産業廃棄物として埋立廃棄処理されるの
が普通であったからである。
ように、マンガン源（二酸化マンガン鉱石など）を焙焼
して粉砕し、次いで、硫酸に溶解，中和してから濾過し
た後、得られた濾過液を精製し、さらに電解工程で電気
分解することにより製造されるものであり、この製造工
程では、一般に、濾過時の固形残渣としてマンガン含有
副産物が発生するが、従来、このマンガン含有副産物
は、セメント等で固化し、マンガン質肥料として考慮さ
れることなく、産業廃棄物として埋立廃棄処理されるの
が普通であったからである。
【０００７】本発明の主たる目的は、電解二酸化マンガ
ン製造時に副生するマンガン副産物を肥料として有効利
用できる技術を確立することにある。本発明の他の目的
は、肥効が即効性と遅効性を兼ね具えた点に特徴を有す
る新規なマンガン質肥料を提供することにある。
ン製造時に副生するマンガン副産物を肥料として有効利
用できる技術を確立することにある。本発明の他の目的
は、肥効が即効性と遅効性を兼ね具えた点に特徴を有す
る新規なマンガン質肥料を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上掲の目的
を実現するために鋭意研究を行った。その中で、以下に
示す内容を知見し、本発明に想到したのである。 ．従来、産業廃棄物として処理されていた上記マンガ
ン副産物は、マンガン成分として、肥料成分である水溶
性マンガンまたはク溶性マンガンを含むことから、この
マンガン副産物を肥料として有効に活用することができ
る。 ．上記マンガン副産物は、水溶性マンガンとク溶性マ
ンガンを共に含有する。このことから、かかる成分のマ
ンガン副産物を肥料として利用すれば、即効性と遅効性
を兼ね具えた施用効果を示し、従来にない性質を示すマ
ンガン質肥料を得ることができる。
を実現するために鋭意研究を行った。その中で、以下に
示す内容を知見し、本発明に想到したのである。 ．従来、産業廃棄物として処理されていた上記マンガ
ン副産物は、マンガン成分として、肥料成分である水溶
性マンガンまたはク溶性マンガンを含むことから、この
マンガン副産物を肥料として有効に活用することができ
る。 ．上記マンガン副産物は、水溶性マンガンとク溶性マ
ンガンを共に含有する。このことから、かかる成分のマ
ンガン副産物を肥料として利用すれば、即効性と遅効性
を兼ね具えた施用効果を示し、従来にない性質を示すマ
ンガン質肥料を得ることができる。
【０００９】即ち、このような知見の下に完成した本発
明のマンガン質肥料は、次のような要旨構成を有するも
のである。 (1) 電解二酸化マンガン製造時に副生するマンガン副産
物であって、マンガン成分として、少なくともク溶性マ
ンガン（MnO ）３〜20wt％と水溶性マンガン（MnO ）0.
5 〜7.0 wt％を含有することを特徴とするマンガン質肥
料である。 (2) 上記(1) に記載のマンガン副産物は、ケーキ状の副
産物を粉末状または顆粒状に加工したことを特徴とする
マンガン質肥料である。 (3) マンガン成分以外の成分として、Fe2O3 換算で10〜
30％の鉄分、SiO2、Mo、Ｂなどの肥料微量要素を含有す
ることを特徴とする上記(1) に記載のマンガン質肥料で
ある。 なお、本発明のマンガン質肥料は、他の肥料と混合する
ことにより、複合肥料とすることができ、複合肥料の新
規原料としても有効である。
明のマンガン質肥料は、次のような要旨構成を有するも
のである。 (1) 電解二酸化マンガン製造時に副生するマンガン副産
物であって、マンガン成分として、少なくともク溶性マ
ンガン（MnO ）３〜20wt％と水溶性マンガン（MnO ）0.
5 〜7.0 wt％を含有することを特徴とするマンガン質肥
料である。 (2) 上記(1) に記載のマンガン副産物は、ケーキ状の副
産物を粉末状または顆粒状に加工したことを特徴とする
マンガン質肥料である。 (3) マンガン成分以外の成分として、Fe2O3 換算で10〜
30％の鉄分、SiO2、Mo、Ｂなどの肥料微量要素を含有す
ることを特徴とする上記(1) に記載のマンガン質肥料で
ある。 なお、本発明のマンガン質肥料は、他の肥料と混合する
ことにより、複合肥料とすることができ、複合肥料の新
規原料としても有効である。
【００１０】
【作用】本発明のマンガン質肥料は、マンガン副産物で
あって、マンガン成分として、少なくとも３〜20wt％の
ク溶性マンガン（MnO ）と0.5 〜7.0 wt％の水溶性マン
ガン（MnO ）を含有するように調整することが必要であ
る。これにより、産業廃棄物であるマンガン副産物を肥
料として有効に利用できると共に、肥効が即効性と遅効
性を兼ね具えた点に特徴を有する従来にはない新規なマ
ンガン質肥料を提供することができる。
あって、マンガン成分として、少なくとも３〜20wt％の
ク溶性マンガン（MnO ）と0.5 〜7.0 wt％の水溶性マン
ガン（MnO ）を含有するように調整することが必要であ
る。これにより、産業廃棄物であるマンガン副産物を肥
料として有効に利用できると共に、肥効が即効性と遅効
性を兼ね具えた点に特徴を有する従来にはない新規なマ
ンガン質肥料を提供することができる。
【００１１】表１は、かかるマンガン質肥料の代表的な
成分組成の一例である。
成分組成の一例である。
【表１】
【００１２】このように、本発明にかかるマンガン質肥
料は、３〜20wt％のク溶性マンガン（MnO ）を含有す
る。このク溶性マンガンの量が３wt％未満では、肥料と
しての効果を上げるには多量の施用が必要となり、肥料
として経済的でない。一方、20wt％を超えると、製造コ
ストアップと共に、マンガン障害が起きやすくなるから
である。従って、ク溶性マンガンは３〜20wt％に限定し
た。好ましくは、８〜10wt％の範囲で含有するとよい。
料は、３〜20wt％のク溶性マンガン（MnO ）を含有す
る。このク溶性マンガンの量が３wt％未満では、肥料と
しての効果を上げるには多量の施用が必要となり、肥料
として経済的でない。一方、20wt％を超えると、製造コ
ストアップと共に、マンガン障害が起きやすくなるから
である。従って、ク溶性マンガンは３〜20wt％に限定し
た。好ましくは、８〜10wt％の範囲で含有するとよい。
【００１３】本発明にかかるマンガン質肥料は、 0.5〜
7.0 wt％の水溶性マンガン（MnO ）を含有する。この水
溶性マンガンの量が 0.5wt％未満では、十分な即効性が
得られない。一方、 7.0wt％を超えると、マンガン過剰
障害が生ずるおそれがあるからである。従って、水溶性
マンガンは 0.5〜7.0 wt％に限定した。好ましくは、2.
0〜3.0 wt％の範囲で含有するとよい。
7.0 wt％の水溶性マンガン（MnO ）を含有する。この水
溶性マンガンの量が 0.5wt％未満では、十分な即効性が
得られない。一方、 7.0wt％を超えると、マンガン過剰
障害が生ずるおそれがあるからである。従って、水溶性
マンガンは 0.5〜7.0 wt％に限定した。好ましくは、2.
0〜3.0 wt％の範囲で含有するとよい。
【００１４】本発明のマンガン質肥料は、上記副産物の
ケーキを、粉末状または顆粒状に加工して用いることが
望ましい。粉末状の場合には、その粒度は、平均粒径で
10〜200 メッシュ, 好ましくは50〜100 メッシュの大き
さとする。即ち、この大きさの粒度であれば、十分な施
肥効果が現れるからである。一方、顆粒状に造粒する
と、肥料の機械散布に適し、とくに散布の範囲が５〜15
ｍの範囲に亘ることから、施肥効果に優れるからであ
る。
ケーキを、粉末状または顆粒状に加工して用いることが
望ましい。粉末状の場合には、その粒度は、平均粒径で
10〜200 メッシュ, 好ましくは50〜100 メッシュの大き
さとする。即ち、この大きさの粒度であれば、十分な施
肥効果が現れるからである。一方、顆粒状に造粒する
と、肥料の機械散布に適し、とくに散布の範囲が５〜15
ｍの範囲に亘ることから、施肥効果に優れるからであ
る。
【００１５】次に、上記マンガン質肥料の製造方法につ
いて説明する。初めに、電解二酸化マンガン製造時に副
生するマンガン副産物が、少なくともマンガン成分とし
て、３〜20wt％のク溶性マンガン（MnO ）と 0.5〜7.0
wt％の水溶性マンガン（MnO ）を含有するように、電解
二酸化マンガン製造の際に発生する副産物を、下記に示
すような方法で成分調整する。この点、マンガン成分を
極力少なくする傾向にあった従来の操業とは異なる。
いて説明する。初めに、電解二酸化マンガン製造時に副
生するマンガン副産物が、少なくともマンガン成分とし
て、３〜20wt％のク溶性マンガン（MnO ）と 0.5〜7.0
wt％の水溶性マンガン（MnO ）を含有するように、電解
二酸化マンガン製造の際に発生する副産物を、下記に示
すような方法で成分調整する。この点、マンガン成分を
極力少なくする傾向にあった従来の操業とは異なる。
【００１６】．図１に示す中和工程において、中和材
として炭酸カルシウム，消石灰，一酸化マンガン等のア
ルカリ性資材を使用する代わりに、MnO やMnCO3 鉱など
のク溶性マンガン源またはそれらの混合物を使用するこ
とにより、ク溶性マンガン量を調整する。 ．図１に示す抽出工程において、反応時間，温度等の
反応条件を調整することにより、ク溶性マンガン量を調
整する。 ．洗浄条件または硫酸マンガン濃度の調整により、水
溶性マンガン量を調整する。
として炭酸カルシウム，消石灰，一酸化マンガン等のア
ルカリ性資材を使用する代わりに、MnO やMnCO3 鉱など
のク溶性マンガン源またはそれらの混合物を使用するこ
とにより、ク溶性マンガン量を調整する。 ．図１に示す抽出工程において、反応時間，温度等の
反応条件を調整することにより、ク溶性マンガン量を調
整する。 ．洗浄条件または硫酸マンガン濃度の調整により、水
溶性マンガン量を調整する。
【００１７】 次に、このようにして成分調整してなる副
産物を乾燥し、解砕し、粉末状マンガン質肥料または顆
粒状マンガン質肥料に加工する。ここで、粉末状にする
のに解砕のみで粉砕を必要としないのは、抽出残渣およ
び中和工程により析出する結晶が細かいからである。ま
た、この粉末は、粘着性がありバインダー効果もあるの
で、例えば、リグニンや糖蜜等の造粒助剤を添加して顆
粒状に造粒する際には、造粒助剤の削減効果もある。特
に、この特性は、複合肥料の製造において効果的であ
る。なお、本発明のマンガン質肥料は、必要に応じて消
石灰や石灰粉などでpH調整される。
産物を乾燥し、解砕し、粉末状マンガン質肥料または顆
粒状マンガン質肥料に加工する。ここで、粉末状にする
のに解砕のみで粉砕を必要としないのは、抽出残渣およ
び中和工程により析出する結晶が細かいからである。ま
た、この粉末は、粘着性がありバインダー効果もあるの
で、例えば、リグニンや糖蜜等の造粒助剤を添加して顆
粒状に造粒する際には、造粒助剤の削減効果もある。特
に、この特性は、複合肥料の製造において効果的であ
る。なお、本発明のマンガン質肥料は、必要に応じて消
石灰や石灰粉などでpH調整される。
【００１８】また、電解二酸化マンガンの製造では、通
常、鉄分を抽出工程にて除去するため、副生するマンガ
ン副産物は、Fe2O3 換算で10〜30％の鉄分を含む。さら
には、肥料微量要素としてのSiO2、Mo、Ｂなども含まれ
ることが多い。それ故に、本発明のマンガン質肥料は、
土壌改良、微量要素の補給にも有効であり、前記の鉄分
や肥料微量要素は、マンガンと共に植物に対する発根お
よび根の成長が良くなると共に葉色が改善されるという
相乗作用が期待できる。
常、鉄分を抽出工程にて除去するため、副生するマンガ
ン副産物は、Fe2O3 換算で10〜30％の鉄分を含む。さら
には、肥料微量要素としてのSiO2、Mo、Ｂなども含まれ
ることが多い。それ故に、本発明のマンガン質肥料は、
土壌改良、微量要素の補給にも有効であり、前記の鉄分
や肥料微量要素は、マンガンと共に植物に対する発根お
よび根の成長が良くなると共に葉色が改善されるという
相乗作用が期待できる。
【００１９】
（実施例１）マンガン副産物は、マンガン成分として、
少なくともク溶性マンガンと水溶性マンガンを含有し、
しかも、それらの含有量を調整可能に操業できる条件に
て試験された。10m3／バッチ攪拌機付 FRP槽を使用し、
この槽の電解液8.0m3 （Mn濃度；0.8モル／l 、H2SO4
濃度；0.4 モル／l ）に焙焼鉱（Mn60％）を300kg 入
れ、98％H2SO4 でpH2.0 に調整し、90℃で３時間反応さ
せマンガン分を抽出した。次に、中和工程として、同じ
タンク中で、従来の炭酸カルシウムによる中和（ブラン
ク）、MnO 鉱による中和、炭酸カルシウム／MnO 鉱（50
／50）の混合物による中和でそれぞれ30分間の中和反応
を行い、pH5.0 まで中和し、濾過面積50m2のフィルタプ
レスにて濾過した。この時の洗浄水量を従来の2000ｌか
ら1000ｌ、500 ｌと変化させてケーキを排出し、得られ
たマンガン副産物中の、ク溶性マンガンと水溶性マンガ
ンの含有量を分析した。その結果、表２に示すように、
ク溶性マンガンと水溶性マンガンの含有量を目的とする
植物に応じた適正な割合に調整できることがわかった。
少なくともク溶性マンガンと水溶性マンガンを含有し、
しかも、それらの含有量を調整可能に操業できる条件に
て試験された。10m3／バッチ攪拌機付 FRP槽を使用し、
この槽の電解液8.0m3 （Mn濃度；0.8モル／l 、H2SO4
濃度；0.4 モル／l ）に焙焼鉱（Mn60％）を300kg 入
れ、98％H2SO4 でpH2.0 に調整し、90℃で３時間反応さ
せマンガン分を抽出した。次に、中和工程として、同じ
タンク中で、従来の炭酸カルシウムによる中和（ブラン
ク）、MnO 鉱による中和、炭酸カルシウム／MnO 鉱（50
／50）の混合物による中和でそれぞれ30分間の中和反応
を行い、pH5.0 まで中和し、濾過面積50m2のフィルタプ
レスにて濾過した。この時の洗浄水量を従来の2000ｌか
ら1000ｌ、500 ｌと変化させてケーキを排出し、得られ
たマンガン副産物中の、ク溶性マンガンと水溶性マンガ
ンの含有量を分析した。その結果、表２に示すように、
ク溶性マンガンと水溶性マンガンの含有量を目的とする
植物に応じた適正な割合に調整できることがわかった。
【００２０】
【表２】
【００２１】（実施例２）：ほうれん草、オーライ種
（タキイ種苗）の肥効試験 マンガン副産物を乾燥解砕し、他の肥料と比較して肥効
試験を行った。pHは、消石灰で調整し、6.1 とした。 (1) 試験肥料 試験肥料として、下記表に示す成分の肥料を用いた。
（タキイ種苗）の肥効試験 マンガン副産物を乾燥解砕し、他の肥料と比較して肥効
試験を行った。pHは、消石灰で調整し、6.1 とした。 (1) 試験肥料 試験肥料として、下記表に示す成分の肥料を用いた。
【００２２】(2) 施肥設計 下記表に示すように、１鉢当たり一定量の成分施用量に
なるように各肥料を秤量して施肥した。 ＊Ｎ，P2O5およびK2O は、16wt％−16wt％−16wt％の高
度化成肥料にて施用した。
なるように各肥料を秤量して施肥した。 ＊Ｎ，P2O5およびK2O は、16wt％−16wt％−16wt％の高
度化成肥料にて施用した。
【００２３】(3) 施肥の方法 図２に示すような構成になるように施肥した。
【００２４】(4) 栽培の概要 下記に述べるような日程に従い、ほうれん草を栽培し
た。 ・土壌充てん 平成５年９月７日 ・施 肥 同上 ・瀬水（畑状態） 同上 ・は 種 同上 ・間 引 平成５年９月17日（１鉢15本立） ・収 穫 平成５年10月13日 （栽培日数） （37日）
た。 ・土壌充てん 平成５年９月７日 ・施 肥 同上 ・瀬水（畑状態） 同上 ・は 種 同上 ・間 引 平成５年９月17日（１鉢15本立） ・収 穫 平成５年10月13日 （栽培日数） （37日）
【００２５】以上の条件にて肥効試験を行った結果を表
３および表４に示す。その結果、 ．生育・収量について（表３参照） 無マンガンの場合を含む総ての場合に関し、生育および
地上部（茎葉生体重量）の収量成績に、特に顕著な差は
見られず、また生育試験期間中において葉色の変化また
はその他の異常症状は認められなかった。 ．マンガンの吸収について（表４参照） 作物体によるマンガンの吸収は、MnO 200mg および MnO
400mgのいずれについてもマンガン副産物の場合が高
く、次いで硫酸マンガン肥料，炭酸マンガン肥料の順で
あった。
３および表４に示す。その結果、 ．生育・収量について（表３参照） 無マンガンの場合を含む総ての場合に関し、生育および
地上部（茎葉生体重量）の収量成績に、特に顕著な差は
見られず、また生育試験期間中において葉色の変化また
はその他の異常症状は認められなかった。 ．マンガンの吸収について（表４参照） 作物体によるマンガンの吸収は、MnO 200mg および MnO
400mgのいずれについてもマンガン副産物の場合が高
く、次いで硫酸マンガン肥料，炭酸マンガン肥料の順で
あった。
【００２６】
【表３】
【００２７】
【表４】
【００２８】（実施例３）：チューリップ（レッドエン
ペラー）の肥効試験 １鉢当たり３本のチューリップを植えて肥効試験を行っ
た。pH6.0 に調整したマンガン副産物（ク溶性マンガ
ン；13.0wt％、水溶性マンガン； 1.0wt％）を乾燥して
粉末状にしたものを４ｇ／鉢の割合で施肥した場合、尿
素29ｇと燐酸カリウム（KH2PO4）４ｇ（Ｐ換算で１ｇ）
を水１リットルに溶解してなる，比較例としての肥料Ａ
液を200ml/鉢の割合で施肥した場合、およびこれらを混
合した場合について、肥効試験を行った。この試験で
は、葉色および球根収量について評価した。
ペラー）の肥効試験 １鉢当たり３本のチューリップを植えて肥効試験を行っ
た。pH6.0 に調整したマンガン副産物（ク溶性マンガ
ン；13.0wt％、水溶性マンガン； 1.0wt％）を乾燥して
粉末状にしたものを４ｇ／鉢の割合で施肥した場合、尿
素29ｇと燐酸カリウム（KH2PO4）４ｇ（Ｐ換算で１ｇ）
を水１リットルに溶解してなる，比較例としての肥料Ａ
液を200ml/鉢の割合で施肥した場合、およびこれらを混
合した場合について、肥効試験を行った。この試験で
は、葉色および球根収量について評価した。
【００２９】その結果を表５および表６に示す。これら
の表に示す結果から明らかなように、葉色および球根収
量ともに、マンガン副産物による顕著な施肥効果が見ら
れた。特に、マンガン副産物とＡ液の混合肥料において
顕著であった。なお、作物体へのMnO の吸収量を調べた
ところ、表７に示すような結果となり、上記効果はマン
ガン肥料によるものといえる。
の表に示す結果から明らかなように、葉色および球根収
量ともに、マンガン副産物による顕著な施肥効果が見ら
れた。特に、マンガン副産物とＡ液の混合肥料において
顕著であった。なお、作物体へのMnO の吸収量を調べた
ところ、表７に示すような結果となり、上記効果はマン
ガン肥料によるものといえる。
【００３０】
【表５】
【００３１】
【表６】
【００３２】
【表７】
【００３３】（実施例４）：大豆の肥効試験 マンガン副産物（ク溶性マンガン； 5.0wt％、水溶性マ
ンガン； 2.5wt％）を乾燥して粉末状にした本発明にか
かる肥料、比較肥料として、市販の炭酸マンガン肥料
（可溶性マンガン；36.0wt％）および市販肥料（Ｎ；10
wt％，Ｐ；18wt％，Ｋ；12wt％）を用い、ガラス室にて
大豆の肥効試験を行った。 ．大豆の品種；アムソイ種 ．１ポット2800ｇの土壌、２本／ポット ．肥料の施肥条件；表８ ．栽培の概要 ６月18日 播種 ６月21日 移植 ７月19日 肥料添加 11月26日 収量調査
ンガン； 2.5wt％）を乾燥して粉末状にした本発明にか
かる肥料、比較肥料として、市販の炭酸マンガン肥料
（可溶性マンガン；36.0wt％）および市販肥料（Ｎ；10
wt％，Ｐ；18wt％，Ｋ；12wt％）を用い、ガラス室にて
大豆の肥効試験を行った。 ．大豆の品種；アムソイ種 ．１ポット2800ｇの土壌、２本／ポット ．肥料の施肥条件；表８ ．栽培の概要 ６月18日 播種 ６月21日 移植 ７月19日 肥料添加 11月26日 収量調査
【００３４】
【表８】
【００３５】このようにして肥効試験を行った結果を表
９に示す。この表に示す結果から明らかなように、マン
ガン副産物（MnO 400mg/鉢）が最も優れた肥効を示し
た。即ち、本発明のマンガン質肥料は、市販の炭酸マン
ガン肥料に比べて、肥料としてより優れることが判っ
た。
９に示す。この表に示す結果から明らかなように、マン
ガン副産物（MnO 400mg/鉢）が最も優れた肥効を示し
た。即ち、本発明のマンガン質肥料は、市販の炭酸マン
ガン肥料に比べて、肥料としてより優れることが判っ
た。
【００３６】
【表９】
【００３７】（実施例５）：複合肥料の製造およびそれ
を用いた肥効試験 市販の有機質肥料（魚かすの粉末、Ｎ；10.0wt％，燐
酸； 4.1wt％）80部にマンガン副産物（ク溶性マンガ
ン；10.0wt％、水溶性マンガン； 3.0wt％）20部を配合
し、混合造粒した肥料を分析したところ、Ｎ； 7.9wt
％，燐酸； 3.0wt％，ク溶性マンガン； 1.8wt％であ
り、複合肥料の規格を満足するものであった。この複合
肥料を用い、以下に示す条件にて、みかんの肥効試験を
行った。なお、比較例として、上記有機質肥料のみを施
肥して肥効試験を行った。 ．みかんの種類；温州みかん，宮田早生 10年生鉢 ．肥料 本発明にかかる複合肥料；Ａ 比較例の肥料 ；Ｂ ．栽培の概要 ７月20日 施肥 12月６日 収穫
を用いた肥効試験 市販の有機質肥料（魚かすの粉末、Ｎ；10.0wt％，燐
酸； 4.1wt％）80部にマンガン副産物（ク溶性マンガ
ン；10.0wt％、水溶性マンガン； 3.0wt％）20部を配合
し、混合造粒した肥料を分析したところ、Ｎ； 7.9wt
％，燐酸； 3.0wt％，ク溶性マンガン； 1.8wt％であ
り、複合肥料の規格を満足するものであった。この複合
肥料を用い、以下に示す条件にて、みかんの肥効試験を
行った。なお、比較例として、上記有機質肥料のみを施
肥して肥効試験を行った。 ．みかんの種類；温州みかん，宮田早生 10年生鉢 ．肥料 本発明にかかる複合肥料；Ａ 比較例の肥料 ；Ｂ ．栽培の概要 ７月20日 施肥 12月６日 収穫
【００３８】このようにして収穫したみかんの重量およ
び糖度を測定した結果を表10ならびに表11に示す。これ
らの表に示す結果から明らかなように、マンガン副産物
入り有機質肥料の場合、みかんの重量が大きく、しかも
糖度も高く甘いものが得られた。
び糖度を測定した結果を表10ならびに表11に示す。これ
らの表に示す結果から明らかなように、マンガン副産物
入り有機質肥料の場合、みかんの重量が大きく、しかも
糖度も高く甘いものが得られた。
【００３９】
【表10】
【００４０】
【表11】
【００４１】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、産業廃棄
物であるマンガン副産物を肥料として有効に利用でき
る。しかも、肥効の即効性と遅効性を兼ね備えた従来に
はない新規なマンガン質肥料を提供することができる。
物であるマンガン副産物を肥料として有効に利用でき
る。しかも、肥効の即効性と遅効性を兼ね備えた従来に
はない新規なマンガン質肥料を提供することができる。
【図１】電解二酸化マンガンの製造工程を示す図であ
る。
る。
【図２】実施例２における肥料の施肥構成を示す図であ
る。
る。
Claims (3)
- 【請求項１】 電解二酸化マンガン製造時に副生するマ
ンガン副産物であって、マンガン成分として、少なくと
もク溶性マンガン（MnO ）３〜20wt％と水溶性マンガン
（MnO ）0.5 〜7.0 wt％を含有することを特徴とするマ
ンガン質肥料。 - 【請求項２】 上記マンガン副産物は、ケーキ状の副産
物を粉末状または顆粒状に加工したものであることを特
徴とする請求項１に記載のマンガン質肥料。 - 【請求項３】 マンガン成分以外の成分として、Fe2O3
換算で10〜30％の鉄分、SiO2、Mo、Ｂなどの肥料微量要
素を含有することを特徴とする請求項１に記載のマンガ
ン質肥料。
Priority Applications (7)
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| AU68990/94A AU694733B2 (en) | 1994-05-25 | 1994-08-09 | A manganese fertilizer |
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| JP2768633B2 JP2768633B2 (ja) | 1998-06-25 |
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| CN102775215B (zh) * | 2012-07-19 | 2013-09-11 | 茶陵湘东群利化工有限责任公司 | 钉子状复合微肥及其制备方法和应用 |
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| JP6015646B2 (ja) * | 2013-12-24 | 2016-10-26 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 鉄イオン供給材料 |
| WO2015126571A1 (en) | 2014-02-24 | 2015-08-27 | Yamashita Thomas T | Fertilizer compositions comprising a cellulose nutrient component and methods for using same |
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| CN106045698A (zh) * | 2016-06-06 | 2016-10-26 | 广西美耕生物科技有限公司 | 一种肥料造粒添加剂及其制备方法 |
| CN108586020A (zh) * | 2018-07-31 | 2018-09-28 | 大连亚农农业科技有限公司 | 一种秋葵专用肥料及其制备方法 |
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|---|---|---|---|---|
| JPH06144974A (ja) * | 1992-11-02 | 1994-05-24 | Showa Hiryo Kk | 粒状化促進材 |
Family Cites Families (5)
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|---|---|---|---|---|
| JPS52133816A (en) * | 1976-05-04 | 1977-11-09 | Japan Metals & Chem Co Ltd | Treatment of m# ore |
| US5085681A (en) * | 1987-02-13 | 1992-02-04 | Boukidis Nicholas A | Fertilizer materials based on metallurgical slags and methods of making the same |
| JPS63210029A (ja) * | 1987-02-27 | 1988-08-31 | Japan Metals & Chem Co Ltd | 超微粉マンガン酸化物とその製造方法 |
| JPH07136164A (ja) * | 1993-11-12 | 1995-05-30 | Olympus Optical Co Ltd | 超音波探触子 |
| US5354350A (en) * | 1993-12-14 | 1994-10-11 | The Vigoro Corporation | Citrate soluble slow release iron humate |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP6111458A patent/JP2768633B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1994-08-08 US US08/286,194 patent/US5749935A/en not_active Expired - Fee Related
- 1994-08-09 AU AU68990/94A patent/AU694733B2/en not_active Ceased
- 1994-08-12 ZA ZA946083A patent/ZA946083B/xx unknown
- 1994-09-09 CN CN94115698A patent/CN1120033A/zh active Pending
-
1995
- 1995-02-08 EP EP95101704A patent/EP0684219A1/en not_active Withdrawn
- 1995-04-26 CN CN95104722A patent/CN1134407A/zh active Pending
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|---|---|---|---|---|
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