JPH08264151A - イオンビームの平行化調整方法 - Google Patents

イオンビームの平行化調整方法

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JPH08264151A
JPH08264151A JP7090202A JP9020295A JPH08264151A JP H08264151 A JPH08264151 A JP H08264151A JP 7090202 A JP7090202 A JP 7090202A JP 9020295 A JP9020295 A JP 9020295A JP H08264151 A JPH08264151 A JP H08264151A
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ion beam
ion
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Nobuo Nagai
宣夫 長井
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 イオンビームを曲げ戻す平行化手段に供給す
る電流または電圧を、正確にかつ短時間で設定すること
かできる平行化調整方法を提供する。 【構成】 上流側の多点ビームモニタ20のファラデー
カップFの内の二つと、その真ん中に位置する下流側の
多点ビームモニタ22のファラデーカップBの内の一つ
を用いて、モニタ20に入射するイオンビームを走査し
て、二つのファラデーカップFを並列接続してビーム電
流波形を計測し、モニタ20の位置におけるイオンビー
ムのビーム走査信号上での重心位置を求め、かつ、モニ
タ22に入射するイオンビームを走査して、一つのファ
ラデーカップBを用いてビーム電流波形を計測し、モニ
タ22の位置におけるイオンビームの走査信号上での重
心位置を求め、二つの重心位置が互いに一致するよう
に、平行化電磁石6に供給する励磁電流IC を増減させ
てビームの曲げ戻し度合を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、上流側の走査手段に
よって電気的に走査したイオンビームを下流側の平行化
手段によって電気的に曲げ戻すことによって、イオンビ
ームを平行走査する構成のイオン注入装置において、平
行化手段に供給する電流または電圧を、正確にかつ短時
間で設定することができる、イオンビームの平行化調整
方法に関する。電気的にというのは、電界または磁界に
よって、という意味である。
【0002】
【従来の技術】図10は、イオンビームを平行走査する
構成のイオン注入装置の一例を部分的に示す図である。
図11は、図10中の多点ビームモニタ周りの拡大斜視
図である。
【0003】このイオン注入装置は、図示しないイオン
源から引き出され、かつ必要に応じて質量分析、加速等
が行われたスポット状のイオンビーム2を、上流側の走
査電磁石4によって電気的に走査し、かつその下流側の
平行化電磁石6によって電気的に曲げ戻すことによっ
て、イオンビーム2をX方向(たとえば水平方向。以下
同じ)において平行走査(パラレルスキャン)して、X
方向に直交するZ方向に平行な平行ビームを得て、それ
をホルダ10に保持された基板(たとえばウェーハ)8
に照射するよう構成されている。平行化電磁石6は、コ
リメータマグネットと呼ばれる場合もある。
【0004】ホルダ10および基板8は、この例では、
ホルダ駆動装置12によって前記X方向と実質的に直交
するY方向(たとえば垂直方向。以下同じ)に機械的に
走査され、これとイオンビーム2の前記電気的走査との
協働(ハイブリッドスキャン)によって、基板8の全面
に均一にイオン注入が行われるようにしている。
【0005】ホルダ駆動装置12は、この例では、ホル
ダ10を支えるアーム13を可逆転式のモータ(例えば
ダイレクトドライブモータ)14によって、矢印Rのよ
うに所定角度範囲内で往復回転させるよう構成されてい
る。
【0006】上記のようなイオン注入装置においては、
平行ビームを得るための平行化電磁石6の励磁電流を、
イオンビーム2のイオン種、エネルギー等によって適正
な値に設定しないと、平行ビームを得ることはできな
い。その設定方法として、従来は次の二つが行われてい
た。
【0007】〔従来の設定方法1〕この方法は、平行化
電磁石6の出口付近に設けたダンプファラデー16を用
いるものである。ダンプファラデー16は、走査電磁石
4の磁界が0のときに(即ち走査電磁石4においてイオ
ンビーム2を全く走査しないときに)、平行化電磁石6
の励磁電流を平行ビームを得るのに適当な値に設定すれ
ばイオンビーム2が通るであろう幾何学的軌道上に設置
してある。従って、走査電磁石4の磁界を0にした状態
で、平行化電磁石6の励磁電流を変化させて、ダンプフ
ァラデー16でそこに入射するイオンビーム量(ビーム
電流)を計測し、その値が最大になった値に平行化電磁
石6の電流を設定することで、平行ビームを得る励磁電
流を設定することができる。
【0008】〔従来の設定方法2〕この方法は、例えば
特開平4−22900号公報に開示されているように、
基板8の上流側に配置された多点ビームモニタ20およ
び下流側に配置された多点ビームモニタ22を用いて、
イオンビーム2の平行度を計測するものである。
【0009】各多点ビームモニタ20、22は、図11
に示すように、イオンビーム2を受けてそのビーム電流
を計測する複数のファラデーカップF、Bをイオンビー
ム2の走査方向であるX方向に沿って等間隔に並べたも
のである。各ファラデーカップF、BのX方向上の位置
は予め分かっている。
【0010】尚、図11中のフィールドクランプ板18
は、平行化電磁石6からの磁界が下流側へ漏れ出るのを
阻止するものであり、イオンビーム2はその開口部19
を通過する。上流側の多点ビームモニタ20は、開口部
26を有する支持板24の前方部に取り付けられてお
り、アーム28によって矢印Aのようにビーム軌道に対
して上下させられる。即ち、この多点ビームモニタ20
は、ビーム電流計測時は、2点鎖線で示すように下げら
れ、イオンビーム2を開口部26を通して後方へ通過さ
せて基板8に入射させたり多点ビームモニタ22に入射
させたりするときは、実線で示すように上げられる。
【0011】上記のような多点ビームモニタ20および
22を用いてイオンビーム2の平行度を計測する方法
は、上記特開平4−22900号公報に詳述されている
が、要約して言えば次のとおりである。
【0012】 まず、上流側の多点ビームモニタ20
および下流側の多点ビームモニタ22にイオンビーム2
が入射する状態で最低1往復ずつ走査を行う。
【0013】 このとき、データロガー等を用いて、
両多点ビームモニタ20、22への入射イオンビーム2
のビーム電流のサンプリングを行い、ビーム電流の時間
的変化を表すデータを、両多点ビームモニタ20、22
についてそれぞれ求める。この上、下流側のデータは、
多点ビームモニタ20、22を構成する複数のファラデ
ーカップF、Bの各中心にイオンビーム2が入射してい
る状態に対応する複数のピークを持つ。
【0014】 このようにして求めたイオンビーム2
の離散的な位置と時間の関係を示すデータに適当な内挿
および外挿を行うことにより、イオンビーム2の走査位
置の連続的な時間的変化を示す関数を、上流側の多点ビ
ームモニタ20および下流側の多点ビームモニタ22に
ついてそれぞれ求める。
【0015】 上記二つの(即ち上流側および下流側
についての)関数から、互いに対応する時刻tにおける
イオンビーム2の上流側の多点ビームモニタ20での走
査位置および下流側の多点ビームモニタ22での走査位
置を求め、この両方の位置関係によって、イオンビーム
2の時刻tにおける平行度を求めることができる。そし
て、この注目する時刻tを変えることにより、イオンビ
ーム2の走査領域内での複数点の平行度をきめ細かく求
めることができる。
【0016】従来の設定方法2は、上記のようにしてイ
オンビーム2の走査領域内における複数点の平行度を計
測し、その結果に基づいて、各点でそれぞれ平行になる
ように、平行化電磁石6の励磁電流を設定するものであ
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の設定方法1にお
いては、イオンビーム2の大きさ、イオンビーム2内の
電流密度分布等によっては、平行化電磁石6の励磁電流
を適正に設定できない場合が発生する。例えば、大電流
ビームによく見られる、円筒状の(即ち中心部が薄い)
ビーム電流密度分布を有するイオンビーム2の例を図1
2に示すが、この場合は、イオンビーム2の実際の中心
軌道(重心位置)は2aなのに、ダンプファラデー16
が最大ビーム電流を検出する位置は2bであり、両者に
ずれが生じる。このダンプファラデー16で検出した位
置2bを、イオンビーム2の重心と誤解して、平行化電
磁石6の励磁電流を設定したのでは、当該励磁電流をイ
オンビーム2の平行化に適正な値に設定することはでき
ない。
【0018】一方、従来の設定方法2においては、基板
8上のいたる所でのイオンビーム2の平行度を正確に求
めることができるが、データの採取および処理に長時間
を要する。例えば、1回のデータ採取および処理に要す
る時間は、短くても数分間であり、平行化電磁石6の励
磁電流の設定には、3〜5回程度のビーム平行度評価、
励磁電流再設定が必要であり、その場合、処理に要する
時間が10分〜20分にもなってしまう。通常は、基板
処理効率(スループット)の要請から、イオンビーム2
の各種調整に使う全時間は10分〜15分程度とされて
おり、平行化電磁石6の励磁電流設定だけに上記のよう
な長時間(10〜20分)を費やすことは許されない。
【0019】そこでこの発明は、ビームを曲げ戻す平行
化手段に供給する電流または電圧を、正確にかつ短時間
で設定することができる、イオンビームの平行化調整方
法を提供することを主たる目的とする。
【0020】
【発明の概要】この発明に係る平行化調整方法の一つ
は、イオンビームのビームラインに沿って上流側と下流
側とに互いに距離をあけて配置された上流側ビームモニ
タおよび下流側ビームモニタであって、上流側ビームモ
ニタはイオンビームの走査方向に沿って配置された二つ
のファラデーカップを有し、下流側ビームモニタはイオ
ンビームの走査方向において上流側ビームモニタの前記
二つのファラデーカップのちょうど真ん中に位置するフ
ァラデーカップを有しており、そのような上流側ビーム
モニタおよび下流側ビームモニタを用いて、イオンビー
ムが上流側ビームモニタに入射する状態でイオンビーム
を走査して、同ビームモニタの前記二つのファラデーカ
ップを互いに並列接続しておいてそれらを用いてビーム
電流波形を計測して、このビーム電流波形から上流側ビ
ームモニタの位置におけるイオンビームのビーム走査信
号上での重心位置を求め、イオンビームが下流側ビーム
モニタに入射する状態でイオンビームを走査して、同ビ
ームモニタの前記ファラデーカップを用いてビーム電流
波形を計測して、このビーム電流波形から下流側ビーム
モニタの位置におけるイオンビームのビーム走査信号上
での重心位置を求め、上記のようにして求めた二つの重
心位置が互いに一致するように、前記平行化手段に供給
する電流または電圧を増減させて同平行化手段における
ビームの曲げ戻しの度合を調整することを特徴とする。
【0021】上記方法によれば、上流側の互いに並列接
続された二つのファラデーカップで求めたイオンビーム
のビーム走査信号上での重心位置は、両ファラデーカッ
プの真ん中に対応している。これは、両ファラデーカッ
プは、Z軸上は同じ所にあり、両ファラデーカップ間で
はビーム電流波形は互いに同じであることが期待できる
からである。
【0022】一方、下流側のファラデーカップは、幾何
学的には、上流側の二つのファラデーカップのちょうど
真ん中の後方に設けられている。
【0023】従って、イオンビームがZ軸に平行な場
合、上流側の二つのファラデーカップで求めたイオンビ
ームの重心位置と、下流側のファラデーカップで求めた
イオンビームの重心位置では、互いに一致する。
【0024】それゆえ、上記のようにして求めた二つの
重心位置が互いに一致するように、平行化手段に供給す
る電流または電圧を増減させて同平行化手段におけるビ
ームの曲げ戻しの度合を調整することで、平行ビームを
得ることができる。
【0025】このような方法は、従来の設定方法1と違
って、イオンビームの平行度を実際に計測するので、平
行化手段に対する電流または電圧設定を正確に行うこと
ができる。
【0026】また、従来の設定方法2と違って、上流側
ビームモニタにおける計測が1回、下流側ビームモニタ
における計測が1回の合計2回の計測で済むため、平行
化手段に対する電流または電圧設定を短時間で行うこと
ができる。
【0027】
【実施例】図1は、この発明に係る平行化調整方法を実
施する装置の構成例を示す図である。図10および図1
1の例と同一または相当する部分には同一符号を付して
いる。
【0028】この実施例においては、上流側ビームモニ
タおよび下流側ビームモニタとして、前述したような多
点ビームモニタ20および22をそれぞれ用いる。両多
点ビームモニタ20、22は、元々は、前述した特開平
4−22900号公報に記載されているように、イオン
ビーム2の走査波形整形に用いられるものであり、これ
を兼用すれば、平行化調整用に新たにビームモニタを設
ける必要がなくなり、機器構成を簡略化することができ
るので都合が良い。但しそのようにせずに、多点ビーム
モニタ20および22とは別に、イオンビーム2のビー
ムラインに沿って上流側と下流側とに互いに距離をあけ
て配置された上流側ビームモニタおよび下流側ビームモ
ニタであって、上流側ビームモニタはイオンビームの走
査方向Xに沿って配置された二つのファラデーカップを
有し、下流側ビームモニタはイオンビーム2の走査方向
Xにおいて上流側ビームモニタの前記二つのファラデー
カップのちょうど真ん中に位置するファラデーカップを
有するものを設けても良い。
【0029】両多点ビームモニタ20、22には、ビー
ム電流変換器30が接続されている。このビーム電流変
換器30は、入力されるビーム電流Iを増幅する増幅器
34、A/D変換するA/D変換器36および入力を多
点ビームモニタ20側と多点ビームモニタ22側とに切
り換えるスイッチ32を備えている。このビーム電流変
換器30は、多点ビームモニタ20または22を構成す
る複数のファラデーカップFまたはBの一つ一つに入力
するビーム電流Iを独立して計測可能である。計測され
たビーム電流Iを表す信号は、波形整形・制御器40に
供給される。
【0030】波形整形・制御器40は、演算処理用のC
PU42、データ記憶用のメモリ44およびD/A変換
用のD/A変換器46を備えており、特開平4−229
00号公報に開示されているような波形整形機能を有し
ている。即ち、基板8上でのイオンビーム2の走査速度
が一定になるような、換言すれば基板8上のビーム走査
方向のイオン注入量が均一になるような波形をしたビー
ム走査信号48を発生する波形整形機能を有している。
【0031】このビーム走査信号48は一例として、図
1中に示すように、三角波の上下端部を少し曲げたよう
な波形をしている。
【0032】波形整形・制御器40はまた、以下に詳述
するような方法で、平行化電源60から平行化電磁石6
に供給する励磁電流IC を制御(増減)して、平行化電
磁石6におけるビームの曲げ戻しの度合を自動的に調整
する制御機能をも有している。
【0033】但し、上記の波形整形機能と制御機能と
を、互いに別の制御器に持たせるようにしても良い。
【0034】波形整形・制御器40からのビーム走査信
号48は、増幅器から成る走査電源50で増幅され、ビ
ーム走査電流52として走査電磁石4に与えられ、所定
のビーム走査磁界を作る。
【0035】波形整形・制御器40からの励磁電流制御
信号Sは平行化電源60に与えられ、同平行化電源60
から平行化電磁石6に供給する励磁電流IC の設定が行
われる。
【0036】多点ビームモニタ20および22は、先に
図11に示したような構成をしている。この例では、上
流側の多点ビームモニタ20は、X方向におけるビーム
走査の中心2cから対称に16個のファラデーカップF
から構成されており、下流側の多点ビームモニタ22は
11個のファラデーカップBから構成されている。
【0037】ビームライン上手からビーム軌道上で、上
流側および下流側のファラデーカップFおよびBのビー
ム走査方向X上の位置を見た一例を図2に示す(但しこ
れはX方向上の位置を概念的に示したものであって、実
際にこのように見える訳ではなく、実際は図11に示し
たように、上流側の多点ビームモニタ20はビーム軌道
に対して上下する構造となっており、下流側の多点ビー
ムモニタ22にイオンビーム2が入射する場合は、上流
側の多点ビームモニタ20はそれを妨げないようにされ
ている。)。各々のファラデーカップF、Bに付した添
字は、各々のファラデーカップの番号を示す。
【0038】この図2は、各ファラデーカップFと各フ
ァラデーカップBとが等ピッチ配列されている場合の例
を示す。即ち、上流側の二つのファラデーカップのちょ
うど真ん中に下流側のファラデーカップBが位置してお
り、それらの間隔(ピッチ)は等しくLである。
【0039】この実施例では、上流側の二つのファラデ
ーカップ、例えばファラデーカップF8 およびF9 と、
その真ん中に位置する下流側の一つのファラデーカッ
プ、即ちファラデーカップB6 とを用いる。
【0040】このようなファラデーカップを用いた平行
化調整方法の工程の例を以下に示す。尚、各工程におけ
る以下のような処理ないし制御は、この例では波形整形
・制御器40において行われる。
【0041】 上記二つのファラデーカップF8 およ
びF9 を互いに電気的に並列接続しておき、イオンビー
ム2が上流側の多点ビームモニタ20に入射する状態
で、波形整形・制御器40からビーム走査信号48を出
力してイオンビーム2を走査する。そして、ファラデー
カップF8 とF9 の両方で得られるビーム電流IF を計
測して、それのビーム走査信号48に対する波形を計測
する。その一例を図3中に実線で示す。二山あるのは、
ファラデーカップF8 とF9 とで得られたビーム電流を
加算した(両ファラデーカップF8 、F9 を並列接続し
ている)からである。
【0042】 イオンビーム2が下流側の多点ビーム
モニタ22に入射する状態でイオンビーム2を上記と同
様に走査して、ファラデーカップB6 で得られるビーム
電流IB を計測して、それのビーム走査信号48に対す
る波形を計測する。その一例を図3中に破線で示す。
【0043】 上記ビーム電流波形IF およびIB
ら、それらの波形データのビーム走査信号48上での重
心位置FM およびBM をそれぞれ求める。その場合、ビ
ーム電流Iに適当なしきい値Hを設けてノイズ成分等を
カットするようにしても良く、そのようにすれば重心位
置をより正しく求めることができる。
【0044】 図2に示したようなファラデーカップ
8 、F9 およびB6 の配置の場合、上記重心位置FM
とBM とが一致した場合に、イオンビーム2は平行ビー
ムになっている。これは、下流側のファラデーカップB
6 は、幾何学的には、上流側の二つのファラデーカップ
8 、F9 のちょうど真ん中の後方に設けられているか
ら、イオンビーム2がZ軸に平行な平行ビームの場合、
両重心位置FM とBMとは互いに一致するはずだからで
ある。
【0045】平行化電磁石6における曲げ戻しが適正
で、イオンビーム2が平行ビームの場合、即ちイオンビ
ーム2のZ軸の方向に対する角度θ(図4、図5参照)
が0度の場合のビーム軌道の例を図4に示す。
【0046】従って図3の例の場合は、FM ≠BM だか
ら、イオンビームは平行ビームではない。具体的には、
ビーム走査信号48が小さい(ビーム走査信号48の大
きさと、ビーム上手から見たイオンビーム2の位置とを
対応させるために、図3および図8においては、ビーム
走査信号48の大きさは右側ほど小さく取っている)方
に、即ち、走査電磁石4におけるイオンビーム2の走査
が小さい方に、重心位置BM がずれているから、図5に
示すように、平行化電磁石6における曲げ戻しが過大で
ある。従って、イオンビーム2のZ軸に対する角度、即
ち平行度θは0度ではない。
【0047】図6は、平行化電磁石6における曲げ戻し
が不足の場合の例を示す。この場合も、イオンビーム2
の平行度θは0度ではない。
【0048】上記のような関係は、上流側の二つのファ
ラデーカップFとその真ん中の下流側の一つのファラデ
ーカップBの組が、イオンビーム2の走査方向X上のど
の位置にあっても成立する。
【0049】 このように、平行化電磁石6における
イオンビーム2の曲げ戻しの過不足の大きさは、FM
M の絶対値によって求めることができ、過大か不足か
はFM −BM の極性によって求めることができる。この
例の場合は、FM −BM の極性が正の場合は曲げ戻し過
大であり、従ってその差に相当する分、平行化電磁石6
に供給する励磁電流IC を小さくし、FM −BM の極性
が負の場合は曲げ戻し不足であり、従ってその差に相当
する分、平行化電磁石6に供給する励磁電流IC を大き
くし、このようにしてFM −BM を0にする。
【0050】このようにして容易に、平行化電磁石6に
供給する励磁電流IC の値を、平行ビームを得るのに適
正な値に設定することができる。これは、波形整形・制
御器40において自動で行うことも可能である。
【0051】尚、走査電磁石4および平行化電磁石6に
おけるイオンビーム2の曲げ方向が上記例とは逆(即
ち、ビーム進行方向に向いて右方向)の場合は、平行化
電磁石6におけるイオンビーム2の曲げ戻しが過大か不
足かは、上記例と逆になることは容易に理解できよう。
【0052】上記実施例の平行化調整方法は、前述した
従来の設定方法1と違って、イオンビーム2の平行度
を、イオンビームの重心位置を計測することで実際に計
測するので、平行化電磁石6に供給する励磁電流IC
設定を正確に行うことができる。
【0053】しかも、前述した従来の設定方法2と違っ
て、上流側の多点ビームモニタ20における計測が1
回、下流側の多点ビームモニタ22における計測が1回
の合計2回の計測で済むため、平行化電磁石6に供給す
る励磁電流IC の設定を短時間で行うことができる。よ
り具体的には、前述したように上流側の多点ビームモニ
タ20が16個のファラデーカップFから成り、下流側
の多点ビームモニタ22が11個のファラデーカップB
から成る場合、従来の設定方法2では合計27点の計測
が必要であったのに対して、上記実施例の方法では、上
流側で1点(二つのファラデーカップFを用いるがそれ
らは並列接続しているので1点とみなすことができ
る)、下流側で1点の合計2点の計測で済むため、計測
に要する時間は単純計算すると2/27という短時間で
済む。
【0054】尚、上記実施例では、上流側の二つのファ
ラデーカップFと、それらのちょうど真ん中に位置する
下流側の一つのファラデーカップBとを用いているが、
それとは逆に、下流側の二つのファラデーカップB(例
えば図2に示すファラデーカップB5 およびB6 )と、
そのちょうど真ん中に位置する上流側の一つのファラデ
ーカップF(例えば図2に示すファラデーカップF8
とを用いても、上記と同様にして、平行ビームを得るた
めの平行化電磁石6に対する励磁電流IC の設定を正確
にかつ短時間で行うことができる。
【0055】次に、上流側の多点ビームモニタ20を構
成する各ファラデーカップFと下流側の多点ビームモニ
タ22を構成する各ファラデーカップBとが等ピッチ配
列されていない場合の例を説明する。即ち、図7に示す
ように、上流側のファラデーカップF間の間隔(ピッ
チ)はLF であり、下流側のファラデーカップB間の間
隔(ピッチ)はLB であり、上流側のファラデーカップ
Fと下流側のファラデーカップB間の間隔(ピッチ)は
FBであり、各間隔LF 、LB 、LFBの大きさは任意で
ある。これが一般的な場合であり、その内で、LF =L
B =2LFB=2Lという特殊な場合が前述した図2の例
である。
【0056】このようなファラデーカップを用いた平行
化調整方法の工程の例を、先の実施例との相違点を主体
にして、以下に説明する。尚、この実施例の場合も、各
工程における以下のような処理ないし制御は、波形整形
・制御器40において行われる。
【0057】 この実施例の場合も、上流側の二つの
ファラデーカップF、例えばファラデーカップF8 およ
びF9 と、下流側の一つのファラデーカップB、例えば
ファラデーカップB6 とをそれぞれ用いてビーム電流を
計測して、それのビーム走査信号48に対する波形を計
測する。但しこの場合は、図2の例の場合と違って、フ
ァラデーカップF8 とF9 のビーム電流を独立して計測
する。このようにして、ファラデーカップF8 、F9
6 を用いて計測されたビーム電流波形IF8、IF9、I
B6の一例を図8に示す。
【0058】 上記ビーム電流波形IF8、IF9、IB6
から、それらの波形データのビーム走査信号48上での
重心位置FM8、FM9、BM6をそれぞれ求める。この場合
も、ビーム電流に適当なしきい値を設けても良いのは前
述のとおりである。
【0059】 上記二つの重心位置FM8、FM9と、そ
れを求めるのに用いた二つのファラデーカップF8 、F
9 のビーム走査方向X上での空間的位置との関係を表す
一次関数を求める。図9の例では、上記重心位置を縦軸
に、上記空間的位置を横軸に取って、上記一次関数を直
線Gで示している。この直線Gは、F8 とFM8との交点
F8と、F9 とFM9との交点PF9とを結んだ線である。
6 とBM6との交点PB6がこの直線G上にあれば、イオ
ンビーム2は完全に平行化されているといえる。これ
は、イオンビーム2が平行ビームであれば、イオンビー
ム2の重心位置と、それを計測するのに用いたファラデ
ーカップの空間的位置との関係が、イオンビーム2の上
流側および下流側の両者において全て同一になるからで
ある。
【0060】 上記直線Gから、イオンビーム2が完
全に平行化されている場合の、ファラデーカップB6
空間的位置におけるイオンビーム2のビーム走査信号4
8上での重心位置BM6′を求める、これは、矢印Cのよ
うに、B6 の位置における直線G上の点PB6′を求め、
更に矢印Dのように、当該点PB6′での重心位置BM6
を求めることで、求めることができる。
【0061】従って、図8の例の場合は、BM6′≠BM6
だから、イオンビーム2は平行ビームではない。具体的
には、図9に示すように、ビーム走査信号48が小さい
方に、即ち走査電磁石4におけるイオンビーム2の走査
が小さい方に、現実の重心位置BM6がずれているから、
先に図5に示した場合と同様に、平行化電磁石6におけ
る曲げ戻しが過大である。従って、イオンビームの平行
度θは0度ではない。
【0062】 このように、平行化電磁石6における
イオンビーム2の曲げ戻しの過不足の大きさは、BM6
−BM6の絶対値によって求めることができ、過大か不足
かはBM6′−BM6の極性によって求めることができる。
この例の場合は、BM6′−BM6の極性が正の場合は曲げ
戻し過大であり、従ってその差に相当する分、平行化電
磁石6に供給する励磁電流IC を小さくし、BM6′−B
M6の極性が負の場合は曲げ戻し不足であり、従ってその
差に相当する分、平行化電磁石6に供給する励磁電流I
C を大きくし、このようにしてBM6′−BM を0にす
る。
【0063】このようにして容易に、平行化電磁石6に
供給する励磁電流IC の値を、平行ビームを得るのに適
正な値に設定することができる。これは、波形整形・制
御器40において自動で行うことも可能である。
【0064】尚上記のような関係は、上流側の二つのフ
ァラデーカップFと下流側の一つのファラデーカップB
の組が、イオンビーム2の走査方向X上のどの位置にあ
っても成立する。
【0065】また、走査電磁石4および平行化電磁石6
におけるイオンビーム2の曲げ方向が上記例と逆(即
ち、ビーム進行方向に向いて右方向)の場合は、平行化
電磁石6におけるイオンビーム2の曲げ戻しが過大か不
足かは、上記例と逆になることは容易に理解できよう。
【0066】この実施例の平行化調整方法も、イオンビ
ーム2の平行度を、イオンビーム2の重心位置を計測す
ることで実際に計測するので、平行化電磁石6に供給す
る励磁電流IC の設定を正確に行うことができる。
【0067】また、上流側の多点ビームモニタ20にお
ける計測が2回、下流側の多点ビームモニタ22におけ
る計測が1回の合計3回の計測で済むため、平行化電磁
石6に供給する励磁電流IC の設定を短時間で行うこと
ができる。
【0068】先の図2および図3を参照して説明した実
施例とこの実施例とを比べると、先の実施例では、ファ
ラデーカップが等ピッチ配列であることを要するけれど
も、上流側の多点ビームモニタ20における計測が1回
で済み、かつ図9に示したような一次関数を求める必要
がないので、計測およびデータの処理が容易であり、従
って平行化電磁石6の励磁電流設定をより簡単に行うこ
とができる。一方、この実施例では、逆に、上流側の多
点ビームモニタ20における計測が2回になり、かつ図
9に示したような一次関数を求める処理が必要であるけ
れども、ファラデーカップが等ピッチ配列である必要が
ないので、機器構成の自由度が大きく汎用性が高い。
【0069】この後の実施例でも、上流側の二つのファ
ラデーカップFと下流側の一つのファラデーカップBと
を用いているが、それとは逆に、下流側の二つのファラ
デーカップB(例えば図7に示すファラデーカップB5
およびB6 )と、上流側の一つのファラデーカップF
(例えば図7に示すファラデーカップF8 )とを用いて
も、上記と同様にして、平行ビームを得るための平行化
電磁石6に供給する励磁電流IC の設定を正確にかつ短
時間で行うことができる。
【0070】尚、上記いずれの実施例でも、走査電磁石
4および平行化電磁石6を用いて、磁界によってイオン
ビーム2を平行ビーム化しているが、それの代わりに、
上下流に配置された2組の平行平板状の電極を用いて、
即ち上流側に配置されていてイオンビームを静電的に走
査する走査電極と、下流側に配置されていてイオンビー
ム2を静電的に曲げ戻す平行化電極とを用いて、電界に
よってイオンビーム2を平行ビーム化するようにしても
良い。その場合は、下流側の平行化電極に供給する電圧
を上記と同様の方法で設定すれば良い。
【0071】
【発明の効果】この発明は上記のとおり構成されている
ので、次のような効果を奏する。
【0072】請求項1および2記載の平行化調整方法に
よれば、イオンビームの平行度を、イオンビームの重心
位置を計測することで実際に計測するので、イオンビー
ムを曲げ戻す平行化手段に供給する電流または電圧の設
定を正確に行うことができる。
【0073】しかも、上流側ビームモニタにおける計測
が1回、下流側ビームモニタにおける計測が1回の合計
2回の計測で済むため、平行化手段に供給する電流また
は電圧の設定を短時間で行うことができる。
【0074】請求項3記載の平行化調整方法によれば、
イオンビームの平行度を、イオンビームの重心位置を計
測することで実際に計測するので、イオンビームを曲げ
戻す平行化手段に供給する電流または電圧の設定を正確
に行うことができる。
【0075】しかも、上流側ビームモニタにおける計測
が2回、下流側ビームモニタにおける計測が1回の合計
3回の計測で済むため、平行化手段に供給する電流また
は電圧の設定を短時間で行うことができる。
【0076】また、上流側ビームモニタを構成するファ
ラデーカップと、下流側ビームモニタを構成するファラ
デーカップとが等ピッチ配列である必要がないので、機
器構成の自由度が大きく汎用性が高い。
【0077】請求項4記載の平行化調整方法によれば、
イオンビームの平行度を、イオンビームの重心位置を計
測することで実際に計測するので、イオンビームを曲げ
戻す平行化手段に供給する電流または電圧の設定を正確
に行うことができる。
【0078】しかも、上流側ビームモニタにおける計測
が1回、下流側ビームモニタにおける計測が2回の合計
3回の計測で済むため、平行化手段に供給する電流また
は電圧の設定を短時間で行うことができる。
【0079】また、上流側ビームモニタを構成するファ
ラデーカップと下流側ビームモニタを構成するファラデ
ーカップとが等ピッチ配列である必要がないので、機器
構成の自由度が大きく汎用性が高い。
【0080】請求項5記載の平行化調整方法によれば、
上流側ビームモニタおよび下流側ビームモニタとして、
上流側の多点ビームモニタおよび下流側の多点ビームモ
ニタをそれぞれ用いるので、機器構成の簡略化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る平行化調整方法を実施する装置
の構成例を示す図である。
【図2】上流側ビームモニタを構成するファラデーカッ
プと下流側ビームモニタを構成するファラデーカップと
が等ピッチ配列の場合の例を示す図である。
【図3】図2のファラデーカップで得られたビーム電流
波形の例を示す図である。
【図4】イオンビームが完全に平行化されている場合の
ビーム軌道の例を示す図である。
【図5】イオンビームの曲げ戻しが過大な場合のビーム
軌道の例を示す図である。
【図6】イオンビームの曲げ戻しが不足している場合の
ビーム軌道の例を示す図である。
【図7】上流側ビームモニタを構成するファラデーカッ
プと下流側ビームモニタを構成するファラデーカップと
が等ピッチ配列されていない場合の例を示す図である。
【図8】図7のファラデーカップで得られたビーム電流
波形の例を示す図である。
【図9】ビーム走査信号上でのイオンビームの重心位置
と、それを計測するのに用いたファラデーカップのビー
ム走査方向上での空間的位置との関係を表す一次関数の
例を示す図である。
【図10】イオンビームを平行走査する構成のイオン注
入装置の一例を部分的に示す図である。
【図11】図10中の多点ビームモニタ周りの拡大斜視
図である。
【図12】円筒状のビーム電流密度分布を有するイオン
ビームの例を示す図である。
【符号の説明】
2 イオンビーム 4 走査電磁石 6 平行化電磁石 8 基板 10 ホルダ 12 ホルダ駆動装置 20 上流側の多点ビームモニタ 22 下流側の多点ビームモニタ 30 ビーム電流変換器 40 波形整形・制御器 48 ビーム走査信号 50 走査電源 60 平行化電源 IC 励磁電流 F、B ファラデーカップ FM 、BM 重心位置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側の走査手段によって電気的に走査
    したイオンビームを下流側の平行化手段によって電気的
    に曲げ戻すことによって、イオンビームを平行走査する
    構成のイオン注入装置において、イオンビームのビーム
    ラインに沿って上流側と下流側とに互いに距離をあけて
    配置された上流側ビームモニタおよび下流側ビームモニ
    タであって、上流側ビームモニタはイオンビームの走査
    方向に沿って配置された二つのファラデーカップを有
    し、下流側ビームモニタはイオンビームの走査方向にお
    いて上流側ビームモニタの前記二つのファラデーカップ
    のちょうど真ん中に位置するファラデーカップを有して
    おり、そのような上流側ビームモニタおよび下流側ビー
    ムモニタを用いて、イオンビームが上流側ビームモニタ
    に入射する状態でイオンビームを走査して、同ビームモ
    ニタの前記二つのファラデーカップを互いに並列接続し
    ておいてそれらを用いてビーム電流波形を計測して、こ
    のビーム電流波形から上流側ビームモニタの位置におけ
    るイオンビームのビーム走査信号上での重心位置を求
    め、イオンビームが下流側ビームモニタに入射する状態
    でイオンビームを走査して、同ビームモニタの前記ファ
    ラデーカップを用いてビーム電流波形を計測して、この
    ビーム電流波形から下流側ビームモニタの位置における
    イオンビームのビーム走査信号上での重心位置を求め、
    上記のようにして求めた二つの重心位置が互いに一致す
    るように、前記平行化手段に供給する電流または電圧を
    増減させて同平行化手段におけるビームの曲げ戻しの度
    合を調整することを特徴とするイオンビームの平行化調
    整方法。
  2. 【請求項2】 上流側の走査手段によって電気的に走査
    したイオンビームを下流側の平行化手段によって電気的
    に曲げ戻すことによって、イオンビームを平行走査する
    構成のイオン注入装置において、イオンビームのビーム
    ラインに沿って上流側と下流側とに互いに距離をあけて
    配置された上流側ビームモニタおよび下流側ビームモニ
    タであって、下流側ビームモニタはイオンビームの走査
    方向に沿って配置された二つのファラデーカップを有
    し、上流側ビームモニタはイオンビームの走査方向にお
    いて下流側ビームモニタの前記二つのファラデーカップ
    のちょうど真ん中に位置するファラデーカップを有して
    おり、そのような上流側ビームモニタおよび下流側ビー
    ムモニタを用いて、イオンビームが下流側ビームモニタ
    に入射する状態でイオンビームを走査して、同ビームモ
    ニタの前記二つのファラデーカップを互いに並列接続し
    ておいてそれらを用いてビーム電流波形を計測して、こ
    のビーム電流波形から下流側ビームモニタの位置におけ
    るイオンビームのビーム走査信号上での重心位置を求
    め、イオンビームが上流側ビームモニタに入射する状態
    でイオンビームを走査して、同ビームモニタの前記ファ
    ラデーカップを用いてビーム電流波形を計測して、この
    ビーム電流波形から上流側ビームモニタの位置における
    イオンビームのビーム走査信号上での重心位置を求め、
    上記のようにして求めた二つの重心位置が互いに一致す
    るように、前記平行化手段に供給する電流または電圧を
    増減させて同平行化手段におけるビームの曲げ戻しの度
    合を調整することを特徴とするイオンビームの平行化調
    整方法。
  3. 【請求項3】 上流側の走査手段によって電気的に走査
    したイオンビームを下流側の平行化手段によって電気的
    に曲げ戻すことによって、イオンビームを平行走査する
    構成のイオン注入装置において、イオンビームのビーム
    ラインに沿って上流側と下流側とに互いに距離をあけて
    配置された上流側ビームモニタおよび下流側ビームモニ
    タであって、上流側ビームモニタはイオンビームの走査
    方向に沿って配置された二つのファラデーカップを有
    し、下流側ビームモニタはイオンビームの走査方向にお
    いて上流側ビームモニタの前記二つのファラデーカップ
    と任意の位置関係にあるファラデーカップを有してお
    り、そのような上流側ビームモニタおよび下流側ビーム
    モニタを用いて、イオンビームが上流側ビームモニタに
    入射する状態でイオンビームを走査して、同ビームモニ
    タの前記二つのファラデーカップをそれぞれ用いてビー
    ム電流波形を二つ計測して、この各ビーム電流波形から
    上流側ビームモニタの位置におけるイオンビームのビー
    ム走査信号上での第1および第2の重心位置をそれぞれ
    求め、イオンビームが下流側ビームモニタに入射する状
    態でイオンビームを走査して、同ビームモニタの前記フ
    ァラデーカップを用いてビーム電流波形を計測して、こ
    のビーム電流波形から下流側ビームモニタの位置におけ
    るイオンビームのビーム走査信号上での第3の重心位置
    を求め、前記ビーム走査信号上での第1および第2の重
    心位置と、それを求めるのに用いた二つのファラデーカ
    ップのビーム走査方向上での空間的位置との関係を表わ
    す一次関数を求め、この一次関数から、イオンビームが
    完全に平行化されている場合の前記下流側ビームモニタ
    の前記ファラデーカップの空間的位置におけるイオンビ
    ームのビーム走査信号上での第4の重心位置を求め、上
    記のようにして求めた第3と第4の重心位置が互いに一
    致するように、前記平行化手段に供給する電流または電
    圧を増減させて同平行化手段におけるビームの曲げ戻し
    の度合を調節することを特徴とするイオンビームの平行
    化調整方法。
  4. 【請求項4】 上流側の走査手段によって電気的に走査
    したイオンビームを下流側の平行化手段によって電気的
    に曲げ戻すことによって、イオンビームを平行走査する
    構成のイオン注入装置において、イオンビームのビーム
    ラインに沿って上流側と下流側とに互いに距離をあけて
    配置された上流側ビームモニタおよび下流側ビームモニ
    タであって、下流側ビームモニタはイオンビームの走査
    方向に沿って配置された二つのファラデーカップを有
    し、上流側ビームモニタはイオンビームの走査方向にお
    いて下流側ビームモニタの前記二つのファラデーカップ
    と任意の位置関係にあるファラデーカップを有してお
    り、そのような上流側ビームモニタおよび下流側ビーム
    モニタを用いて、イオンビームが下流側ビームモニタに
    入射する状態でイオンビームを走査して、同ビームモニ
    タの前記二つのファラデーカップをそれぞれ用いてビー
    ム電流波形を二つ計測して、この各ビーム電流波形から
    下流側ビームモニタの位置におけるイオンビームのビー
    ム走査信号上での第1および第2の重心位置をそれぞれ
    求め、イオンビームが上流側ビームモニタに入射する状
    態でイオンビームを走査して、同ビームモニタの前記フ
    ァラデーカップを用いてビーム電流波形を計測して、こ
    のビーム電流波形から上流側ビームモニタの位置におけ
    るイオンビームのビーム走査信号上での第3の重心位置
    を求め、前記ビーム走査信号上での第1および第2の重
    心位置と、それを求めるのに用いた二つのファラデーカ
    ップのビーム走査方向上での空間的位置との関係を表わ
    す一次関数を求め、この一次関数から、イオンビームが
    完全に平行化されている場合の前記上流側ビームモニタ
    の前記ファラデーカップの空間的位置におけるイオンビ
    ームのビーム走査信号上での第4の重心位置を求め、上
    記のようにして求めた第3と第4の重心位置が互いに一
    致するように、前記平行化手段に供給する電流または電
    圧を増減させて同平行化手段におけるビームの曲げ戻し
    の度合を調節することを特徴とするイオンビームの平行
    化調整方法。
  5. 【請求項5】 前記上流側ビームモニタおよび下流側ビ
    ームモニタとして、イオンビームの走査方向に沿って互
    いに等間隔に配置された復数のファラデーカップを有す
    る上流側の多点ビームモニタおよび下流側の多点ビーム
    モニタをそれぞれ用いる請求項1、2、3または4記載
    のイオンビームの平行化調整方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001185072A (ja) * 1999-10-12 2001-07-06 Applied Materials Inc イオン注入装置およびそれに用いるビームストップ
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CN103779161A (zh) * 2012-11-08 2014-05-07 北京中科信电子装备有限公司 一种离子均匀注入的宽带束扫描方法
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