JPH08261A - アゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方法およびアゾ系染料による着色の消去・低減剤 - Google Patents

アゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方法およびアゾ系染料による着色の消去・低減剤

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JPH08261A
JPH08261A JP6164761A JP16476194A JPH08261A JP H08261 A JPH08261 A JP H08261A JP 6164761 A JP6164761 A JP 6164761A JP 16476194 A JP16476194 A JP 16476194A JP H08261 A JPH08261 A JP H08261A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、アゾ系染料を資化・分解する能力
を有する微生物を利用して、染料排水および染料を吸着
した処理活性炭等のようなアゾ系染料を含む被処理対象
物中のアゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方
法を提供する。同時に、前記微生物を担体に吸着させた
「固定化微生物」の生物再生の概念を取り入れ、二次公
害の生じないクリーンなアゾ系染料の着色度合消去剤・
低減剤を提供することを目的とする。 【構成】新規に発見した「アゾ系染料を資化・分解する
能力を有する微生物」とアゾ系染料を含有する被処理対
象物とを直接に接触させることにより当該染料の着色の
消去若しくは低減を達成する。また、「アゾ系染料を資
化・分解する能力を有する微生物」を担体に固定化した
着色度合消去剤・低減剤を提供し、当該消去・低減剤と
アゾ系染料を含有する被処理対象物とを直接に接触させ
て着色の消去および低減を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえばアゾ系染料
排水,アゾ系染料排水処理物(活性炭法、活性珪藻土法
または凝集法等の処理によりアゾ系染料を吸着処理され
た汚泥)等々のアゾ系染料を含有する被処理対象物中の
アゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方法およ
びアゾ系染料による着色の消去・低減剤に関するもので
ある。特に、この発明は、微生物を用いてアゾ系染料を
含む染色排水または当該染色排水を活性炭等の処理によ
り生じた染色汚泥中に含まれる当該染料に基因する着色
を消去若しくは低減する方法および当該着色の消去・低
減剤に関するものであって、水質汚濁上二次的な汚染を
発生することのないクリーンで且つ連続処理のできるア
ゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方法および
当該着色の消去・低減剤の提供に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば染色排水等のような着色溶液の
着色の消去・低減処理(つまり、脱色処理)において、
従来より活性炭法、活性珪藻土法、凝集浮上法などが利
用されているけれども、これらはすべて物理的な吸着ま
たは濾過作用を利用するものであるから脱色効果におい
て限界があり良好でないばかりか、処理により生ずるス
ラッジ(汚泥)の処理自体が二次的な公害問題を発生す
る。染色排水中の染料等を、水質汚濁防止法に基づく水
質基準項目中、その色度を規制値以下にクリアするに
は、前記活性炭による吸着・凝集沈澱による除去などの
物理化学的方法による除去の他に、微生物による生物分
解による方法がある。この着色排水等の微生物による生
物分解方法は、前記物理化学的方法と比較して二次的な
問題が少ない点で優れているといえる。
【0003】従来の着色排水の微生物による生物分解方
法としては、つぎの(1)〜(6)ようなものが例示で
きる。 (1)ベンゼン核を資化する能力を有する菌ノカルディ
ア コラリーナ種(Nocardia coralli
na)のうちATCC19070若しくはATCC19
071〔両者ともアメリカ型菌株保存機関 Ameri
can TypeCulture Collectio
nにおける寄託菌〕の菌株のいずれか一方または両方を
ベンゼン核を有する染料の染料溶液に作用させて、当該
染料自体を分解する方法。(特開昭48−56881
号) (2)シュウドモナス プトレファシエンスTFM−3
(Pseurdomonas putrefacien
s TFM−3)〔微工研寄託菌 第1283号〕を作
用させて、塩基性染料(トリフェニルメタン系染料、た
とえばマゼンタ、メチルバイオレット、マラカイトグリ
ーン)自体を分解脱色する方法。(特開昭48−826
62号) (3)ロードコッカス属の細菌が産生する微生物凝集剤
NOC−1生産菌(ロードコッカス エリスロポリス
KR−S−1)〔微工研寄託菌 FERM−P353
0〕の培養物と処理物(可溶性色素、たとえば、アル
コール醗酵の蒸溜残液中に生成するアミノ酸と還元性糖
類が複合した黒色色素、糖蜜中に生成するベンゼン核
を有するアミノ酸由来の黒色色素等メラノイジン系色
素、各種可溶性色素およびパルプの製造におけるリグ
ニン由来の有色色素等<特公平4−11275号.第2
頁第4欄第19行目〜同第4欄第28行目>)とを無機
塩の存在下で可溶性色素を脱色する方法(特公平4−1
1275号)、および前記微生物凝集剤 NOC−1お
よび無機塩とから構成される混合物により可溶性色素を
脱色する可溶性色素脱色剤。(特公平4−11276
号)。この方法および脱色剤は、前記物理化学的方法の
凝集法の一例であり前記二次的な公害問題を含むもので
ある。 (4)アルカリゲネス エスピー RB−1〔微工研寄
託菌 第9183号〕を、モノアゾ系、ジアゾ系、トリ
フェニルメタン系、メチン系、モノアゾポリマー系の染
料含有物に当該アルカリゲネス エスピー RB−1の
培養液と共に作用することによりアルカリ性の場合でも
脱色する方法および染料分解能を有する微生物。(特開
昭63−216472号) この発明の場合、染料廃液にアルカリゲネス エスピー
RB−1の培養液を添加するために、培養液を構成す
る有機物(たとえば、グルコース、酵母抽出物、ペプト
ン等)のほか各種無機塩類(たとえば、燐酸第1水素カ
リウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウムなど)の添
加に伴う別途の排水汚染の問題を含むものである。(特
開昭63−216472号、明細書第14頁第1行目
実施例1) (5)繊維染色排水を限外濾過、凝集沈澱、微生物処理
(活性汚泥法)を組合せたコンパクトな設備で効率よく
無公害化する処理方法。(特開昭63−77598号)
この発明の場合にも、染色排水の脱色後に凝集沈澱・
活性汚泥の後処理が必要となるなど二次的な公害問題を
含んでいるものである。 (6)ミロセシウム ベルカリア KW−1(Myro
thecium verrucaria KW−1)
〔微工研寄託菌 第10728号〕が青色ないし緑色の
有機顔料および染料として使用されているフタロシアニ
ンを唯一の炭素源として生育するという特性を活用し
て、当該菌株をフタロシアニンを分解・脱色する方法。
(特開平3−16698号)
【0004】前記のように、微生物を利用して染色排水
の処理をする場合、微生物とその被処理染料との関連性
において顕著な特異性が存在することがわかる。
【0005】また、染料排水の着色の消去・低減法とし
て、酵素反応を利用することも考えられるけれども、酵
素反応の条件が非常に厳密であるために、野性の微生物
および夾雑物が存在する染料排水そのままを酵素処理す
ることは現実の問題として不可能である。
【0006】ところで、最近、各種材料による「微生物
の固定化」の各種方法が排水処理に利用されているが、
染料排水特にアゾ系染料の着色を消去・低減するのに
「特定の微生物を固定化」してアゾ系染料の脱色(着色
の消去・低減)に利用された従来例はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、現在利用されている各種染料の内、アゾ
系染料がその約60〜70%の利用率を占め、布帛の染
色、食料の染色、紙類の染色等々広い技術分野で大量に
使用されているアゾ系染料の各種染色排水溶液中の染料
を水質汚濁防止法の水質基準項目中、色度を規制値以下
にクリアするためのものであって、従来のような、凝集
法および吸着法などからでてくる汚泥処理等による二次
的汚染問題もなく、かつ効率よくクリーンな状態で前記
アゾ系染料の着色を消去若しくは低減する方法を提供を
するとともに、物理吸着法における各種固定化材料を利
用し、処理能力・再生能力・処理の持続性・間歇処理可
能でしかも経済性の高い固定化微生物によるアゾ系染料
の着色を消去・低減剤を提供することを目的とするもの
である。さらには、アゾ系染料排水を、たとえば 活性
炭などの各種処理剤により処理した後に生ずるアゾ系染
料を含有する汚泥中のアゾ系染料を有効に分解する方法
を提供することを目的とするものでもある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、微生物によ
るアゾ系染料の着色の消去若しくは低減に着目し、染料
排水その他の試料からアゾ系染料による着色を消去また
は低減できる能力を有する微生物を見出すべくスクリー
ニングをおこなった結果、(a)バチルス属(Baci
llus属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若
しくは低減する能力を有する微生物として、バチルスO
Y1−2(Bacillus OY1−2)〔受託番
号:微工研菌寄第13118号 (FERMP−131
18)〕なる菌株および、(b)キサントモナス属(X
anthomonas属)に属しアゾ系染料による当該
着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物とし
て、キサントモナスNR25−2 (Xanthomo
nas NR25−2)〔受託番号:微工研菌寄第13
119号 (FERM P−13119)〕なる菌株お
よび(c)アクロモバクター属(Achromobac
ter属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若し
くは低減する能力を有する微生物として、アクロモバク
ター PR41−1 (Achromobacter
PR41−1)〔受託番号:微工研菌寄第13120号
(FERM P−1320)〕なる菌株をそれぞれ発
見することによってこの発明を完成したものである。
【0009】本願第1の発明は、「つぎの(a),
(b),(c)の微生物群 (a)バチルス属(Bacillus属)に属し、アゾ
系染料による当該着色を消去若しくは低減する能力を有
する微生物群、(b)キサントモナス属(Xantho
monas属)に属し、アゾ系染料による当該着色を消
去若しくは低減する能力を有する微生物群、(c)アク
ロモバクター属(Achromobacter属)に属
し、アゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減する
能力を有する微生物群、の内から選ばれたいずれか1つ
の属または2つ以上の属の微生物群より選択された1種
または2種以上の微生物の菌体と、アゾ系染料を含有す
る被処理対象物とを接触させることを特徴とするアゾ系
染料による着色を消去若しくは低減する方法.」であ
る。
【0010】本願第2の発明は、「つぎの(a),
(b),(c)の微生物群 (a)バチルス属(Bacillus属)に属し、アゾ
系染料による当該着色を消去若しくは低減する能力を有
する微生物群、(b)キサントモナス属(Xantho
monas属)に属し、アゾ系染料による当該着色を消
去若しくは低減する能力を有する微生物群、(c)アク
ロモバクター属(Achromobacter属)に属
し、アゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減する
能力を有する微生物群、の内から選ばれたいずれか1つ
の属または2つ以上の属の微生物群より選択された1種
または2種以上の微生物の菌体を担体に固定化したこと
を特徴とするアゾ系染料による着色の消去・低減剤.」
である。
【0011】本願第3の発明は、「前記本願第2の発明
の『アゾ系染料による着色の消去・低減剤』と、アゾ系
染料を含有する被処理対象物とを接触させることを特徴
とするアゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方
法.」である。
【0012】本願第4の発明は、「前記バチルス属(B
acillus属)に属しアゾ系染料による当該着色を
消去若しくは低減する能力を有する微生物は、バチルス
OY1−2(Bacillus OY1−2)〔受託番
号:微工研菌寄第13118号〕である前記第1または
第3の発明にかかるアゾ系染料による着色を消去若しく
は低減する方法、または第2の発明にかかるアゾ系染料
による着色の消去・低減剤.」である。
【0013】本願第5の発明は、「前記キサントモナス
属(Xanthomonas属)に属しアゾ系染料によ
る当該着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物
は、キサントモナス NR25−2 (Xanthom
onas NR25−2)〔受託番号:微工研菌寄第1
3119号〕である前記第1または第3の発明にかかる
アゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方法、ま
たは第2の発明にかかるアゾ系染料による着色の消去・
低減剤.」である。
【0014】本願第6の発明は、「前記アクロモバクタ
ー属(Achromobacter属)に属しアゾ系染
料による当該着色を消去若しくは低減する能力を有する
微生物は、アクロモバクター PR41−1 (Ach
romobacter PR41−1)〔受託番号:微
工研菌寄第13120号〕である前記第1または第3の
発明にかかるアゾ系染料による着色を消去若しくは低減
する方法、または第2の発明にかかるアゾ系染料による
着色の消去・低減剤.」である。
【0015】本願第7の発明は、「前記微生物の菌体を
固定化する担体は、多孔性物質群および吸着物質群の内
から選択された1種類の単一物または2種類以上の混合
物である本願第2の発明にかかるアゾ系染料による着色
の消去・低減剤.」である。
【0016】本願第8の発明は、「前記微生物の菌体を
固定化するために使用される担体は、活性炭、シリカゲ
ル、多孔性セラミックス、ガラスビーズ、セルロース発
泡体の内から選択された1または2以上の組合せである
本願第2の発明にかかるアゾ系染料による着色の消去・
低減剤.」である。
【0017】以下この発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0018】この発明において適用できるアゾ系染料と
は、原則的には限定されることがなく、各種のアゾ系染
料に対して適用できる。つまり、本願発明において適用
できるアゾ系染料は、当該基本骨格構造としてはベンゼ
ンアゾ系、ナフタレンアゾ系および複素環アゾ系染料は
もとより各種基本骨格構造を有するアゾ系染料が適用す
ることができ、またアゾ系染料のタイプとしては、たと
えばモノアゾ系(以下「1アゾ」という)、ジアゾ系
(以下「2アゾ」という)、トリアゾ系(以下「3ア
ゾ」という)およびテトラアゾ系(以下「4アゾ」とい
う)等々、分子構造上アゾ結合の数に関係なく各種のタ
イプのアゾ系染料に適用でき、さらにまた種々の異性体
の混合物として使用されているアゾ系染料など単体(化
合物)および混合物の別を問わず、各種のアゾ系染料に
対して適用できることを意味する。なお、本明細書にお
いて、前記各種基本骨格構造を有する各種アゾ系染料お
よび分子構造上有するアゾ結合の数に関係なくさらには
単体(化合物)または種々異性体の混合物の別を問わず
これらのアゾ系染料を総括して、以後単に「各種アゾ系
染料」という。そして、この明細書においていう「アゾ
系染料を含有する被処理対象物」とは、前記各種アゾ系
染料を含有する染料排水はもとより、前記各種アゾ系染
料の染料排水等を活性炭法、活性珪藻土法、凝集法など
による各種処理物から生ずる汚泥等々を含むことを意味
する。ただし、この発明にかかるアゾ系染料による着色
を消去若しくは低減する方法は、前記各種アゾ系染料を
資化・分解する能力を有する微生物の生理活性に基づき
消去若しくは低減するのであるから、前記各種被処理対
象物は、処理時に利用される微生物が死滅または当該微
生物の生理活性が損なわれない限り、前記「アゾ系染料
を含有する被処理対象物」は、有機溶剤、酸性物質、ま
たはアルカリ性物質を含むものであってもよいはいうま
でもない。さらに、この発明に利用できる当該被処理対
象物の形態は、溶液、ゾル、ゲル、汚泥状態等々、前記
微生物が生育し生理活性を発現できる限りその態様は原
則として問わない。
【0019】この発明において利用されるアゾ系染料に
よる着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物を
スクリーニングする場合において、その馴養処理方法お
よび菌株の分離方法は次のとおりである。即ち、集積培
養に使用する培地(以下「集積培地」という)は、細菌
用の一般集積培地に所定のアゾ系染料を所定量添加した
ものを使用することができる。たとえば、〔表1〕に示
す組成を有する培地に所定の染料を所定量(通常:0.
02重量%程度)添加した集積培地2mlを入れた試験
管に検索用試料を3白金耳接種し、25℃〜37℃で約
7日間〜21日間振盪培養し、随時褪色または脱色(着
色度が消去または低減)した試験管の内容物を植え継い
だ。そして、2回植え継いでもなお染料の色度(着色度
合)を消去若しくは低減したものを選定する。次いで、
一般細菌用寒天培地(市販品)に所定のアゾ系染料を所
定量添加した染料添加細菌用寒天培地(たとえば、〔表
2〕に示す組成を有する培地)に前記選定にかかる培養
液を混釈し、25℃〜37℃で約48〜72時間静置培
養し、平板寒天で染料色素による色度(着色度)を消去
若しくは低減して『ハロー』が形成された細菌を分離菌
株として、所定の菌株の同定・特定のための形態および
科学的性質・形状等を調査した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】第1に、この発明に利用される第1の菌株
はつぎの手順により分離された。 採取地 大阪染工株式会社 染料排水処理の汚
泥 採取年月日 平成2年9月22日 微生物の馴養処理方法は前記に示す通りである。この染
料排水処理汚泥から目的の性質を有する菌株をスクリニ
ーングするために用いた〔表1〕記載の集積培地には添
加染料として住友化学株式会社製アゾ染料「ロッシェリ
ン」〔「Roccelline NS conc. 1
20%(I.C.Acid Red88)」〕を0.0
2重量%添加したものを使用した。また、〔表2〕記載
の染料添加細菌用寒天培地にも同様に同じ染料を0.0
2重量%添加したものを用い、35℃で培養して『ハロ
ー』が形成された細菌を採取した。この方法により分離
された新規な菌株を「バチルス属のBacillus
OY1−2菌株」と命名した。この「バチルス属のBa
cillus OY1−2菌株」は、工業技術院微生物
工業技術研究所に寄託され、その受託番号は微工研菌寄
第13118号(FERM P−13118)である。
なお、この「バチルス属のBacillusOY1−2
菌株」を以下「 Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118
) 」という。この分離菌株「Bacillus OY1-2 ( FER
M P-13118 ) 」の科学的性質はつぎのとおりである。
形態は、大きさが0.6〜0.8×3.0〜5.0μm
の桿菌であり、運動性があり、鞭毛を有し、胞子を形成
する。グラム染色は陽性である。生育は空気中で生育
し、嫌気性条件下でも生育する。生育可能な温度は15
℃〜50℃であり、なかでも好適な生育温度は30℃〜
45℃であり、特に最適生育温度は35℃〜42℃であ
る。生育可能なpHは6.0〜9.0であり、なかでも
好適な生育pHは6.5〜8.0であり、特に最適な生
育pHは7.0〜7.5である。食塩は2%を越えると
生育しないが2%以下ではよく生育する。この菌株に関
するその他の科学的性質・性状は、〔表3〕に示すとお
りである。
【0023】
【表3】
【0024】第2に、この発明に利用される第2の菌株
はつぎの手順により分離された。 採取地 大泉タオル工場の敷地内の土壌 採取年月日 平成2年5月12日 微生物の馴養処理方法は前記に示す通りである。この土
壌から目的の性質を有する菌株をスクリニーングするた
めに用いた〔表1〕記載の集積培地には添加染料として
三菱ヘキスト社製アゾ系染料「ブリリアント レッド
2B」〔「Brilliant Red 2B」〕を
0.02重量%添加したものを使用した。また、〔表
2〕記載の染料添加細菌用寒天培地にも同様に同じ染料
を0.02重量%添加したものを用い、35℃で培養し
て『ハロー』が形成された細菌を採取した。この方法に
より分離された新規な菌株を「キサントモナス属のXa
nthomonas NR25−2菌株」と命名した。
この「キサントモナス属のXanthomonas N
R25−2菌株」は、工業技術院微生物工業技術研究所
に寄託され、その受託番号は微工研菌寄第13119号
(FERM P−13119)である。なお、この「キ
サントモナス属のXanthomonas NR25−
2菌株」を以下「 Xanthomonas NR25-2( FERM P
-13119 ) 」という。この分離菌株「Xanthomonas N
R25-2( FERM P-13119 )」の科学的性質はつぎのとお
りである。形態は、大きさが0.5×0.8〜1.5μ
mの桿菌であり、運動性がある。グラム染色は陰性であ
る。生育は空気中で生育し、嫌気性条件下では生育しな
い。生育可能な温度は10℃〜45℃であり、なかでも
好適な生育温度は20℃〜42℃であり、特に最適生育
温度は30℃〜40℃である。生育可能なpHは5.0
〜9.0であり、なかでも好適な生育pHは6.0〜
8.0であり、特に最適な生育pHは6.5〜7.5で
ある。食塩は5%以下ではよく生育する。この菌株に関
するその他の科学的性質・性状は、〔表4〕に示すとお
りである。
【0025】
【表4】
【0026】第3に、この発明に利用される第3の菌株
はつぎの手順により分離された。 採取地 大津川の土手の土壌 採取年月日 平成2年6月12日 微生物の馴養処理方法は前記に示す通りである。この染
料排水処理汚泥から目的の性質を有する菌株をスクリニ
ーングするために用いた〔表1〕記載の集積培地には添
加染料として三菱ヘキスト社製アゾ系染料「ブリリアン
ト イエロー」〔「Brilliant Yellow
7GL」〕を0.02重量%添加したものを使用し
た。また、〔表2〕記載の染料添加細菌用寒天培地にも
同様に同じ染料を0.02重量%添加したものを用い、
35℃で培養して『ハロー』が形成された細菌を採取し
た。この方法により分離された新規な菌株を「アクロモ
バクター属のAchromobacter PR41−
1菌株」と命名した。この「アクロモバクター属のAc
hromobacter PR41−1菌株」は、工業
技術院微生物工業技術研究所に寄託され、その受託番号
は微工研菌寄第13120号(FERM P−1312
0)である。なお、この「アクロモバクター属のAch
romobacter PR41−1菌株」を以下「Ac
hromobacter PR41-1( FERM P-13120 ) 」という。
この分離菌株「Achromobacter PR41-1( FERM P-131
20 )」の科学的性質はつぎのとおりである。形態は、大
きさが0.5×1.0〜1.5μmの桿菌であり、運動
性はない。グラム染色は陰性である。生育は空気中で生
育し、嫌気性条件下では生育しない。生育可能な温度は
10℃〜42℃であり、なかでも好適な生育温度は30
℃〜42℃であり、特に最適生育温度は35℃〜42℃
である。生育可能なpHは5.0〜9.0であり、なか
でも好適な生育pHは6.0〜8.0であり、特に最適
な生育pHは6.5〜7.5である。食塩は2%を越え
ると生育しないが2%以下ではよく生育する。この菌株
に関するその他の科学的性質・性状は、〔表5〕に示す
とおりである。
【0027】
【表5】
【0028】ところで、「この発明において被処理対象
物として適用できるアゾ系染料」の項でも記載したよう
に、前記「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」、
「Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )」および
「Achromobacter PR41-1(FERM P-13120 )」の各菌
株は、この発明において適用できる前記各種アゾ系染料
を資化・分解することができる。すなわち、「Bacillus
OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」、「Xanthomonas N
R25-2( FERM P-13119 )」および「Achromobacter P
R41-1( FERM P-13120 )」が資化・分解できるアゾ系
染料は、原則的には限定されることがなく、各種アゾ系
染料に対して適用できる。つまり、適用できるアゾ系染
料は、当該基本骨格構造としてベンゼンアゾ系、ナフタ
レンアゾ系および複素環アゾ系染料の各種基本骨格構造
を有する各種アゾ系染料はもとより、アゾ系染料のタイ
プとしては、たとえばモノアゾ系(「1アゾ」とい
う)、ジアゾ系(以下「2アゾ」という)、トリアゾ系
(以下「3アゾ」という)およびテトラアゾ系(以下
「4アゾ」という)等々分子構造上アゾ結合の数に関係
なく各種のタイプのアゾ系染料に適用でき、また種々の
異性体の混合物として使用されているアゾ系染料など単
体(化合物)およびその混合物の別を問わず、各種のア
ゾ系染料に対して資化・分解できる能力を有することを
意味する。前記「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118
) 」、「Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119
)」および「Achromobacter PR41-1( FERM P-13120
)」の各菌株が各種アゾ系染料による着色を消去若しく
は低減するのは前記各種アゾ系染料の分子構造のアゾ結
合を分解するためと考えられる。
【0029】この発明の「微生物を利用して前記各種ア
ゾ系染料を含有する被処理対象物の該アゾ系染料による
着色を消去若しくは低減する方法」は、基本的にはアゾ
系染料の当該着色を消去若しくは低減する能力を有する
微生物の生菌体とアゾ系染料を含有する被処理対象物と
を直接的に接触させることにより達成できる。
【0030】「アゾ系染料による着色を消去若しくは低
減する能力を有する微生物」として前記「Bacillus O
Y1-2 ( FERM P-13118 ) 」、「Xanthomonas NR25
-2(FERM P-13119 )」または「Achromobacter PR41-
1( FERM P-13120 )」を利用する場合、各菌株にかか
る菌体を培養して所定量の生菌体を得るには、市販の乾
燥ブイヨン培地を所定の処方に基づき精製水または蒸留
水等に溶解したものを使用することができる。この際、
前記各菌株のアゾ系染料に対する資化・分解能力のイン
デューサー(誘導剤)として、前記市販のブイヨン培地
に必要に応じて所定のアゾ系染料を所定量添加したもの
を利用することもできる。すなわち、〔表6〕に示す組
成を有する培地〔ハートインヒュージョンブイヨン(日
水製薬社製)〕、または同〔表6〕に示す組成を有する
培地に必要に応じて所定のアゾ系染料を所定量添加した
ものを利用して所定の条件下で培養し、菌体を遠心分離
して採集し、その後0.1Mリン酸緩衝液で洗浄した
後、遠心分離して得た菌体を使用する。
【0031】
【表6】
【0032】なお、前記各菌株にかかる菌体を培養して
所定量または大量の生菌体を得るための培地として、前
記市販のブイヨン培地の他に、各種天然培地を利用する
ことができるのはいうまでもない。前記天然培地の一例
として、たとえば市販若しくは調製にかかる「B.S.
P.Mブロス」などが利用できる。前記「B.S.P.
Mブロス」の組成例としては、大豆粉含量が0.5〜
5.0重量%(最適量:1.0〜2.0重量%)、スタ
ーチの含量が0.5〜5.0重量%(最適量:1.0〜
2.0重量%)、(NH4 2 SO4 の含量が0.05
〜1.0重量%(最適量:0.25〜0.5重量%)、
麦芽エキスの含量が0.05〜0.5重量%(最適量:
0.1〜0.3重量%)、初発pHが6.8〜7.2等
々、が例示できる。
【0033】「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 )
」の培養方法の一例はつぎのとおりである。すなわ
ち、前記〔表6〕記載の培地組成を有するブイヨン培
地、またはこのブイヨン培地に必要ならばアゾ系染料に
対する資化・分解能力のインデューサー(誘導剤)とし
てロッシェリン(「Roccelline NS co
nc. 120%」、住友化学株式会社製)を0.02
重量%となるように添加した培地200mlを500m
lの坂口フラスコに分注し、121℃、30分間高圧蒸
気滅菌後、「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」
を1〜3白金耳程度接種し、約36℃〜40℃で約16
〜48時間培養し、その培養液を遠心分離して菌体を採
集し、採集した菌体は0.1Mリン酸緩衝液で洗浄した
後、遠心分離して「Bacillus OY1-2 ( FERM P-1311
8 ) の供試菌体」を得る。
【0034】「Xanthomonas NR25-2( FERM P-131
19 )」の培養方法の一例はつぎのとおりである。すなわ
ち、前記〔表6〕記載の培地組成を有するブイヨン培
地、またはこのブイヨン培地に必要ならばアゾ系染料に
対する資化・分解能力のインデューサー(誘導剤)とし
て「ブリリアント レッド 2B」〔「Brillia
nt Red 2B」、(三菱ヘキスト社製)〕を0.
02重量%となるように添加した培地200mlを50
0mlの坂口フラスコに分注し、121℃、30分間高
圧蒸気滅菌後、「Xanthomonas NR25-2( FERM P-1
3119 )」菌株を1〜3白金耳程度接種し、約36℃〜4
0℃で約16〜48時間培養し、その培養液を遠心分離
して菌体を採集し、採集した菌体は0.1Mリン酸緩衝
液で洗浄した後、遠心分離して「Xanthomonas NR25
-2( FERM P-13119 )の供試菌体」を得る。
【0035】「Achromobacter PR41-1( FERM P-131
20 )」の培養方法の一例はつぎのとおりである。すなわ
ち、前記〔表6〕記載の培地組成を有するブイヨン培
地、またはこのブイヨン培地に必要ならばアゾ系染料に
対する資化・分解能力のインデューサー(誘導剤)とし
て「ブリリアント イエロー 7GL」(「Brill
iant Yellow 7GL」、三菱ヘキスト社
製)を0.02%重量となるように添加した培地200
mlを500mlの坂口フラスコに分注し、121℃、
30分間高圧蒸気滅菌後、「Xanthomonas NR25-2
( FERM P-13119 )」菌株を1〜3白金耳程度接種し、
約30℃〜36℃で約16〜48時間培養し、その培養
液を遠心分離して菌体を採集し、採集した菌体は0.1
Mリン酸緩衝液で洗浄した後、遠心分離して「Achromob
acter PR41-1( FERM P-13120 )の供試菌体」を得
る。
【0036】本願発明の顕著な第1の特徴は、各種アゾ
系染料による着色を消去若しくは低減する能力を有する
微生物の菌体と、各種アゾ系染料を含有する被処理対象
物とを直接接触させることにより、当該アゾ系染料の着
色を消去若しくは低減する方法である。前記「各種アゾ
系染料による着色を消去若しくは低減する能力を有する
微生物」は、1種類の微生物に限らず前記能力を有する
2種類以上の微生物を同時に利用することによっても実
施できる。
【0037】本願発明の顕著な第2の特徴は、アゾ系染
料による着色を消去若しくは低減する手段として、特に
染料工業排水溶液に対して「固定化微生物」の概念を投
入して成功した点にある。この発明において適用できる
前記「固定化微生物」にかかる固定化法としては物理吸
着法が適用でき、またこの物理吸着法において利用され
る担体(固定化材料)としては、活性炭、多孔性セラミ
ック、セルロース発泡体、多孔ガラスその他の多孔性物
質、およびシリカゲル、ガラスビーズ、酸性白土、各種
吸着剤その他の表面非平滑物質等々が利用できる。供試
菌株と使用する担体(固定化材料)とによって、固定化
微生物の効果において若干の優劣が生ずるけれども、な
かでも、担体(固定化材料)としては、活性炭、ガラス
ビーズ、セルロース発泡体が好ましく、特に活性炭が最
適である。そして、本願発明において適用する「固定化
微生物」で使用する担体(固定化材料)は、単一物の前
記担体から構成されているものでも任意に選択された2
種類以上の担体(固定化材料)の混合物であっても利用
できるのはいうまでもない。さらにまた、この発明にお
いて適用できる前記各種アゾ系染料を含有する被処理対
象物としては、前記各種アゾ系染料を含有する溶液が最
も適しているが、前記各種アゾ系染料排水を活性炭法、
活性珪藻土法、凝集処理法等々により処理して生じた汚
泥(スラッジ)に対しても前記各種菌株が生育し生理活
性を発現できる条件下にある限り適用できる。
【0038】ところで、本願発明に係る「各種アゾ系染
料の着色の消去・低減剤」の内、たとえば活性炭などの
多孔性物質による物理的吸着法による「固定化微生物」
において顕著な効果が認められるのは、多孔性物質等に
よる有機物(各種アゾ系染料)の脱着(吸着・離脱)お
よび微生物の脱着(吸着・離脱)による脱色のほか、微
生物による多孔性物質等の吸着能力の回復(生物再
生)、つまり多孔性物質に吸着された各種アゾ系染料が
微生物により資化・分解(脱色)されてその結果多孔性
物質等への有機物(アゾ系染料)の脱着能力の回復があ
るものと考えられる。なお、発明者らは、本願発明にお
ける「固定化微生物」の実体として、各種微生物が各種
担体に固定化されている状態を、走査型電子顕微鏡写真
(2000倍以上)により確認している。
【0039】この発明にかかる「固定化微生物」により
染料排水溶液の着色を消去若しくは低減する消去・低減
剤を提供するのに成功した理由は、(1)染料工場から
排出される各種排水のうちアゾ系染料排水を区別して処
理した点、(2)「特定単独若しくは特定複数の微生
物」を各種担体(固定化材料)に物理吸着固定化して処
理した点、にある。従来には「固定化微生物法」には上
記(1)、(2)の2点を特徴として染料排水処理をし
た前例がなかった。そして、本願のさらなる発明として
は、上記(1)および(2)の技術に基づいて、染料排
水を活性炭法、活性珪藻土法、凝集法などにより処理し
て生じた汚泥に適用することに成功したものである。
【0040】この発明に係る「固定化微生物」による
「アゾ系染料の着色の消去・低減剤」の検索は、菌株と
して「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」の生菌
体を用いた場合、供試染料にロッシェリン(Rocce
lin NS conc. 120%)(住友化学社
製)〔染料供試料−3)〕の400ppm溶液を利用
し、物理吸着法に基づき微生物の固定化をはかった。こ
の物理吸着法による微生物の固定化に使用した担体は、
活性炭、シリカゲル、多孔性セラミックス、ガラスビー
ズ、セルロース発泡体を用いてそれぞれの固定化微生物
の効果を試験したが、いずれも一応満足のいく効果を奏
するのを確認した。なお、前記各種固定化材料のうち、
「固定化微生物」の効果において、「活性炭による物理
吸着法」が最もすぐれた結果を示した。
【0041】この発明に係る「固定化微生物」による
「アゾ系染料の着色の消去・低減剤」の検索は、菌株と
して「Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )」の
生菌体を用いた場合、供試染料に「ロッシェリン(Ro
ccelin NS conc. 120%)(住友化
学社製)〔染料供試料−3)〕の400ppm溶液を利
用し、物理吸着法に基づき微生物の固定化をはかった。
この物理吸着法による微生物の固定化に使用した担体
は、活性炭、シリカゲル、多孔性セラミックス、ガラス
ビーズ、セルロース発泡体を用いてそれぞれの固定化微
生物の効果を試験した。いずれも一応満足のいく効果を
奏するのを確認した。なお、この「固定化微生物」の効
果において、「活性炭による物理吸着法」が最もすぐれ
た結果を示した。
【0042】この発明に係る「固定化微生物」による
「アゾ系染料の着色の消去・低減剤」の検索は、菌株と
して「Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )」の
生菌体を用いた場合、供試染料に「ロッシェリン(Ro
ccelin NS conc. 120%)(住友化
学社製)〔染料供試料−4)〕の400ppm溶液を利
用し、物理吸着法に基づき微生物の固定化をはかった。
この物理吸着法による微生物の固定化に使用した担体
は、活性炭、シリカゲル、多孔性セラミックス、ガラス
ビーズ、セルロース発泡体を用いてそれぞれの固定化微
生物の効果を試験した。いずれも一応満足のいく効果を
奏するのを確認した。なお、この「固定化微生物」の効
果において、「活性炭による物理吸着法」が最もすぐれ
た結果を示した。
【0043】「固定化微生物」の効果は、微生物別では
第1に「Bacillus OY1-2 ( FERMP-13118 ) 」、第2
に「Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )」、第
3に「Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )」の
順序で効果を奏した。一方、試験した固定化材料別で
は、第1に活性炭が他の材料と比較して格別の効果を奏
し、第2にはガラスビーズ、第3にセルロース発泡体、
第4にシリカゲルまたは多孔性セラミックの順で効果が
あることがわかった。
【0044】この発明にかかるアゾ系染料による着色の
消去・低減剤として利用できる固定化微生物の担体に対
する微生物の吸着量は、担体の単位量(1g)に対して
微生物量に換算して106 〜1010のオーダーで菌体
(微生物)を吸着させたものを利用することができ、な
かでも106 〜109 のオーダーで菌体(微生物)を吸
着させたものが好適であり、特に107 〜108 のオー
ダーで菌体(微生物)を吸着させたものが最適である。
【0045】
【作用】この発明は、各種アゾ系染料による着色を消去
若しくは低減する能力を有する微生物の生菌体の生理活
性に基づき該アゾ系染料を含有する被処理対象物を、水
質汚濁防止法の水質基準項目中たとえばアゾ系染料排水
の色度を規制値以下にクリアすることができると言う顕
著な作用・効果を奏する。さらにまた、前記各種アゾ系
染料を資化・分解してアゾ系染料の着色を消去若しくは
低減する能力を有する微生物を担体(固定化材料=多孔
性物質など)に固定化を図ることにより、微生物による
生物再生の相乗作用により効率よく該アゾ系染料による
着色を消去若しくは低減することができる。
【0046】また、この発明は、前記各種アゾ系染料に
よる着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物の
生菌体を担体に固定化することに成功したことにより、
いわゆる前記「『固定化微生物』に基づく各種アゾ系染
料による着色を消去若しくは低減する作用効果を有する
当該染料の着色の消去・低減剤」を提供することがで
き、各種アゾ系染料を含有する被処理対象物(たとえば
アゾ系染料排水など)の固定化微生物(バイオリアクタ
ー)による染料排水および活性炭法、活性珪藻土法、凝
集法などにより処理されて生じた汚泥を質的・量的に高
度に処理するの顕著な作用がある。さらにまた、この発
明にかかる前記固定化微生物(バイオリアクター)に基
づくつぎの様な作用を奏することができる。つまり、 (1)利用目的に適した、性質,形状の生体触媒の調節
が可能である。 (2)反応の連続化が可能である。 (3)反応装置をコンパクトにできる。 (4)反応の調節・制御が容易であり、有機溶媒中での
反応も可能となる。 (5)反応生成物の分離が容易であるので、純度および
収率が高くなる。 (6)省エネルギー、二次公害問題を生じないという環
境問題の点で有利である。 等々の作用がある。
【0047】なお、発明者らは、この明細書において記
載されている前記作用・効果等について、各種生菌体を
利用する場合ばかりではなく、前記各種生菌体を公知の
方法で破砕したそのままの菌体破砕物(粗菌体破砕物)
または当該粗菌体破砕物を精製・純化処理(最終処理ま
たは中間処理の場合を含む)した菌体破砕物の含有物
(菌体酵素の単独または混合物)を利用する場合であっ
ても、前記の生菌体と同様の作用・効果を奏することを
知見として得ている。ただし、この菌体破砕物を利用し
た場合、菌体の絶対量に応じた酵素量、酵素の力価
(たとえば菌体濃度または酵素濃度等による酵素力
価)、菌体中に残っている酵素の量等々、に基因して
場合により本願発明の作用・効果の具現程度に若干の差
異が生ずることがあることをも知見として得ている。
【0048】
【実施例】以下、本願発明を実施例に基づいて説明する
が、本願発明は以下に記載する実施例になんら限定・減
縮されないのはいうまでもない。
【0049】まず、実施例に使用した供試アゾ系染料の
一般名および商標名は〔表7〕に示すとおりである。以
下実施例において、供試染料は供試染料番号で特定する
こととする。
【0050】
【表7】
【0051】〔実施例−1〕 「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」の菌体の培
養実験例。 前記〔表6〕記載の培地組成に、各種アゾ系染料に対す
る資化・分解能力のインデューサ(誘導剤)としてロッ
シェリン NS 〔「RoccellineNS co
nc. 120%」(住友化学株式会社製)〕(以下
「Roccelline NS」という)を0.02重
量%となるように添加した液体培地200mlを500
mlの坂口フラスコに分注し、121℃,30分間高圧
蒸気滅菌後、「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 )
」を1白金耳接種し、38℃で約24時間培養し、そ
の培養液を遠心分離し、菌体を集め、0.1Mリン酸緩
衝液で洗浄後、遠心分離して「Bacillus OY1-2 ( FE
RM P-13118 ) の供試菌体」を得た。
【0052】〔実施例−2〕 「Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )」の菌体
の培養実験例。 前記〔表6〕記載の培地組成に、各種アゾ系染料に対す
る資化・分解能力のインデューサー(誘導剤)としてブ
リリアント レッド 2B 〔「Brilliant
Red 2B」(三菱ヘキスト社製)〕(以下「Bri
lliantRed 2B」という)を0.02重量%
となるように添加した液体培地200mlを500ml
の坂口フラスコに分注し、121℃,30分間高圧蒸気
滅菌後、「Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119
)」を1白金耳接種し、38℃で約24時間培養し、そ
の培養液を遠心分離し、菌体を集め、0.1Mリン酸緩
衝液で洗浄後、遠心分離して「Xanthomonas NR25-2
( FERM P-13119 )の供試菌体」を得た。
【0053】〔実施例−3〕 「Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )」の菌体
の培養。 前記〔表6〕記載の培地組成に、各種アゾ系染料に対す
る資化・分解能力のインデューサー(誘導剤)としてブ
リリアント イエロー 7GL〔「Brilliant
Yellow 7GL」(三菱ヘキスト社製)〕(以
下「Brilliant Yellow 7GL」とい
う)を0.02重量%となるように添加した液体培地2
00mlを500mlの坂口フラスコに分注し、121
℃,30分間高圧蒸気滅菌後、「Achromobacter PR41
-1( FERM P-13120 )」を1白金耳接種し、38℃で約
24時間培養し、その培養液を遠心分離し、菌体を集
め、0.1Mリン酸緩衝液で洗浄後、遠心分離して「Ac
hromobacter PR41-1( FERM P-13120 )の供試菌体」
を得た。
【0054】〔実施例−4〕 「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」の生菌体を
用いて、アゾ系染料による着色を消去若しくは低減する
程度の検索実験例。 (1)供試菌株: Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) 。なお、結果
表では「B菌」と記載する。 Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )。なお、
結果表では「X菌」と記載する 。 Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )。なお、
結果表では「A菌」と記載する 。 の3種類の菌株を使用した。 (2)供試染料:前記〔表7〕に記載した供試染料−1
〜供試染料−6の6種類のアゾ系染料を使用した。 (3)実験方法:市販の細菌用液体培地「ハートインフ
ュージョンブイヨン ニッスイ」(日水製薬株式会社
製)に染料濃度が0.009重量%となるように各供試
染料を添加した培地を直径約24mmの試験管に10m
lずつ分注し、オートクレーブで121℃,30分間高
圧蒸気滅菌した。これに、前記供試菌株「Bacillus
OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」、「Xanthomonas N
R25-2( FERM P-13119 )」または「Achromobacter
PR41-1( FERM P-13120 )」の各供試菌体をそれぞれ
1白金耳接種し、37℃、160rpmの条件で20時
間および40時間培養後、各培養液を遠心分離(10,
000rpm、5分間)し、菌体を沈澱させた状態の上
澄液の吸光度(各供試染料が有する極大吸収波長におけ
る)を測定し、初発の吸光度との差からそれぞれの着色
度合の消去率若しくは低減率(%)を後記〔数1〕に基
づき計算により求めた。 (4)結 果:供試染料−1〜供試染料−6の各極大
吸収波長(nm)における各供試染料の初発濃度(0.
009重量%)の吸光度(Abs.)、および各菌株と
の接触または反応時間後(20時間後または40時間
後)の各供試菌株の試験区分の吸光度(Abs.)を測
定した。そして、各菌株の各供試染料による着色の消去
率若しくは低減率は〔表8〕に示すとおりである。な
お、〔表8〕に示す各供試染料による着色の消去率若し
くは低減率は、〔数1〕の計算式に基づき算出した。
【0055】
【数1】
【0056】
【表8】
【0057】〔表8〕の結果より、「Bacillus OY1-
2 ( FERM P-13118 ) 」、「Xanthomonas NR25-2
( FERM P-13119 )」および「Achromobacter PR41-1
( FERM P-13120 )」は、各種アゾ系染料に対してその
着色度合を有効に消去若しくは低減する能力を有するこ
とを証明している。
【0058】〔実施例−5〕 「Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」、「Xantho
monas NR25-2( FERM P-13119 )」および「Achrom
obacter PR41-1( FERM P-13120 )」の各菌株(単独
菌株および各種菌株の混合)のアゾ系染料に対する着色
の消去率若しくは低減率の検索実験例。 (1)供試菌株: Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) (本実験の結
果表において以下「B菌」と記載する。) Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )(本実験
の結果表において以下「X菌」と記載する。) Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )(本実験
の結果表において以下「A菌」と記載する。) の3種類の菌株を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3のRoccelline
NS の0.01%水溶液を使用した。 (3)供試菌株の培養:市販の細菌用培地「ハートイン
フュージョンブイヨンニッスイ」(日水製薬社製)の培
地を直径約24mmの試験管に10ml分注し、オート
クレーブで121℃,30分間高圧蒸気滅菌した。これ
に、前記「Bacillus OY1-2 ( FERMP-13118 ) 」、
「Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )」およ
び「Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )」の
各菌体を1白金耳接種し、37℃、160rpmの条件
で24時間培養したものをそれぞれの菌体培養液として
使用した。 (4)実験方法:0.01%の供試染料−3(Rocc
elline NS)溶液30mlに、前記(3)で調
製した各種菌株の培養液(1種または2種上の混合液)
を6mlを添加した試験区(7種類)を設定し、さらに
9.25重量%グルコース溶液1ml(最終グルコース
濃度:0.25重量%)を添加し、30℃で静置した。
20時間および40時間経過後、菌体と溶液とを遠心分
離(10,000rpm、5分間)し、菌体を沈澱させ
た状態におけるその上澄液の吸光度を測定し(前記供試
染料−3の極大吸収波長(505nm)における吸光
度)、初発の供試染料−3の吸光度との差を測定し、前
記〔数1〕の計算式に基づき各試験区における染料によ
る着色の消去率若しくは低減率を計算により求めた。結
果は〔表9〕に示すとおりである。
【0059】
【表9】
【0060】〔表9〕の結果より、「Bacillus OY
1-2 ( FERM P-13118 ) 」、「Xanthomonas NR25
-2( FERM P-13119 )」および「Achromobacter PR
41-1( FERM P-13120 )」より選択された1種または2
種以上の菌株の組合せによっても顕著なアゾ系染料によ
る着色の消去若しくは低減する作用効果を奏することが
証明されている。
【0061】〔実施例−6〕 物理吸着法における固定化微生物の調製および実験方
法。 (手順−1)物理吸着法の担体に供試染料を吸着させ
る。:所定濃度の供試染料溶液(たとえば、Roccelline
NS 0.5 %溶液)に担体(固定化材料=例えば「活性
炭」等)を加え、2時間振盪させて、『担体(固定化材
料)』に供試染料を吸着させる。 (手順−2)物理吸着法の担体カラムの作成。:手順−
1で調製した供試染料を吸着させた担体をカラムに充填
し、その後滅菌する。(オートクレーブにより110
℃、20分間加圧蒸気滅菌)これは、特定菌株による固
定化微生物の固有の効果を測定するためである。 (手順−3)カラムに供試染料液を流す。:手順−2で
調製したカラムに所定濃度の供試染料溶液(例えば、1.
0 mM Roccelline NS 溶液 )を流速60ml/hrで流
し、その担体に供試染料が十分吸着するまでおこなう。
(飽和状態にする) (手順−4)固定化微生物(生物固定化剤)の調製。:
物理吸着法の担体カラムに供試微生物の懸濁液約2ml
(微生物濃度:108 〜1010程度)をカラムに流し、
前記担体に微生物をよく付着させる。 (手順−5)カラムを好気条件または嫌気条件の状態に
保つ。:30℃の恒温室にセットする。 (手順−6)供試染料液をカラムに注入して、(必要に
応じてポンプを使用して)流す:所定濃度の供試染料液
(たとえば、 0.1 mM Roccelline NS 溶液 )を所定
の流速(たとえば、60ml/hr.)で流し、流出液を所
定量ずつ採取し、供試染料の極大吸収波長(nm)にお
ける流出液の吸光度(Abs.)を測定する。一方、カ
ラムに注入する所定濃度の供試染料液(たとえば、 0.
1 mM RoccellineNS 溶液 )の供試染料の極大波長(n
m)における吸光度(Abs.)をも測定する。そし
て、〔数2〕にそれぞれの測定値を代入して供試アゾ系
染料の着色の消去率および低減率(アゾ系染料の脱色
率)を算出する。
【0062】
【数2】
【0063】〔実施例−7〕 固定化担体に活性炭を使用した場合の固定化微生物(生
物活性炭)によるアゾ系染料の脱色実験例。(その1) 〔好気条件下での生物活性炭(固定化微生物)の再生と
脱色実験例.〕 (1)供試菌:Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 )
を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3( Roccelline NS )
を使用した。 (3)カラムサイズ:2×35cm、(vol:110
ml) を使用した。 (4)活性炭:ラテスト製品 MH−100 (50
g) を使用した。 (5)染料液(供試染料−3の使用濃度): カラム飽和には、1.0 mM Roccelline NS 溶液を使
用し、 脱色実験には、0.1 mM Roccelline NS 溶液をそれ
ぞれ使用した。 (6)カラム条件:好気条件下、30℃。 (7)カラム流速:60ml/hrでおこなった。 (8)滞留時間:1.8時間 (9)測定方法:流出液を20mlずつ採取した後、供
試染料( Roccelline NS ) の極大吸収波長(505n
m)におけるその流出液の吸光度(Abs.)を測定し
た。そして、前記〔数2〕に基づき固定化微生物による
アゾ系染料の脱色率(アゾ系染料の着色の消去率または
低減率)を算出した。 (10)結 果:結果は〔表10〕に示す。なお、〔表
10〕は、好気条件での生物活性炭(固定化微生物)に
よる脱色率(供試アゾ系染料の着色の消去率または低減
率)を示す表である。 (11)考 察:〔表10〕の結果よりつぎのことが判
明した。すなわち、流出液の脱色効果は、カラムサイズ
の体積110mlよりも僅かに多い約120ml頃から
脱色されはじめた点。その後、徐々に流出液は脱色さ
れ、約260ml(カラムサイズの約2.36倍)で定
常状態になった。しかし、その後、500ml(カラム
サイズの約4.54倍の流出量)になっても、脱色能力
は低下しなかった。手順−3において、カラムに充填し
た活性炭には既に十分量のアゾ系染料を飽和状態にまで
吸着させてあるので、この結果より活性炭への微生物固
定化の「生物再生作用」によりアゾ系染料が脱色された
ことを示唆していると考えられる。
【0064】
【表10】
【0065】〔実施例−8〕 固定化担体に活性炭を使用した場合の固定化微生物(生
物活性炭)によるアゾ系染料の脱色実験例。(その2) 〔嫌気条件下での生物活性炭(固定化微生物)の再生と
脱色実験例。〕 (1)供試菌:Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 )
を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3( Roccelline NS )
を使用した。 (3)カラムサイズ:2×22cm、(vol:69m
l) を使用した。 (4)活性炭: クラレ製品 クラレコールGW 10/32 (45
g) を使用した。 (5)染料液: カラム飽和には、1.0 mM Roccelline NS 溶液を使
用し、 脱色実験には、1.0 mM Roccelline NS 溶液をそれ
ぞれ使用した。 (6)カラム条件:カラムを30℃,24時間嫌気状態
に保った後、0.1 mM Roccelline NS 溶液で24時間
循環した後にさらに24時間嫌気性状態に保ち、その後
に脱色実験をおこなった。 (7)カラム流速:60ml/hrでおこなった。 (8)滞留時間:1.1時間 (9)測定方法:流出液を10mlずつ採取した後、供
試染料( Roccellin NS ) の極大吸収波長(505n
m)における流出液の吸光度(Abs.)を測定した。
そして、前記〔数2〕に基づき固定化微生物によるアゾ
系染料の脱色率(アゾ系染料の着色の消去率若しくは低
減)を算出した。 (10)結 果:このカラム活性炭45gに吸着した染
料を、Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) の働きに
より30℃,24時間で供試染料( Roccellin NS )
を68g分解したことが計算により判明した。
【0066】〔実施例−9〕 各種固定化剤を利用して、固定化微生物によるアゾ系染
料の着色度合の消去率若しくは低減率の検索実験例。
(その1:固定化剤=活性炭) (1)供試菌株: Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) (本実験の結
果表において以下「B菌」と記載する) Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )(本実験
の結果表において以下「X菌」と記載する) Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )(本実験
の結果表において以下「A菌」と記載する) の3種類の菌株を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3( Roccelline NS )
を使用した。 (3)カラムサイズ:2×22cm、(vol:69m
l) を使用した。 (4)固定化剤:活性炭〔クラレ製品 クラレコールG
W 10/32〕(45g)を使用した。 (5)染料液:カラム飽和および脱色実験には、Roccel
line NSの400ppm(1.0mM)溶液を使用し
た。 (6)カラム条件:カラムを30℃に保ち、染料液を注
入した。その条件は染料液の滞留時間2時間(流速0.
5ml/min)でおこなった。 (7)実験方法:流出液を10mlずつ分取し、所定最
終流出量(800ml)を採取した。そして、各流出液
についてRoccelline NSの極大吸収波長(505nm)
における吸光度を測定して、〔数2〕に基づき染料液
(Roccelline NS)の分解率(着色の消去率または低減
率)を計算により算出した。結果は、〔表11〕に示す
とおりである。なお、〔実施例−9〕〜〔実施例−1
3〕おいて実施した『各種固定化材料別に基づく固定化
微生物のアゾ系染料の着色の消去率若しくは低減率の検
索実験』において、実験条件の完全一致を期するのが困
難であるため、〔表11〕における結果は対比評価方式
により判定することとした。〔実施例−9〕〜〔実施例
13〕の結果をまとめて〔表11〕に示した。
【0067】〔実施例−10〕 各種固定化剤を利用して、固定化微生物によるアゾ系染
料の着色度合の消去率若しくは低減率の検索実験例。
(その2:固定化剤=シリカゲル) (1)供試菌株: Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) (本実験の結
果表において以下「B菌」と記載する) Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )(本実験
の結果表において以下「X菌」と記載する) Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )(本実験
の結果表において以下「A菌」と記載する)の3種類の
菌株を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3( Roccelline NS )
を使用した。 (3)カラムサイズ:2×22cm、(vol:70m
l) を使用した。 (4)固定化剤:シリカゲル〔Kieselgel 6
0 (MERCK社製)〕(55g)を使用した。 (5)染料液:カラム飽和および脱色実験には、Roccel
line NSの400ppm(1.0mM)溶液を使用し
た。 (6)カラム条件:カラムを30℃に保ち、染料液を注
入した。その条件は染料液の滞留時間2時間(流速0.
5ml/min)でおこなった。 (7)実験方法:流出液を10mlずつ分取し、所定最
終流出量(800ml)を採取した。そして、各流出液
についてRoccelline NS の極大吸収波長(505n
m)における吸光度を測定して、〔数2〕に基づき染料
液(Roccelline NS)の分解率(Roccelline NSの着色
の消去率若しくは低減率)を計算により算出した。結果
は、〔表11〕示す。
【0068】〔実施例−11〕 各種固定化剤を利用して、固定化微生物によるアゾ系染
料の着色度合の消去率若しくは低減率の検索実験例。
(その3:固定化剤=多孔性セラミックス) (1)供試菌株: Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) (本実験の結
果表において以下「B菌」と記載する) Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )(本実験
の結果表において以下「X菌」と記載する) Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )(本実験
の結果表において以下「A菌」と記載する) の3種類の菌株を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3( Roccelline NS )
を使用した。 (3)カラムサイズ:2×22cm (vol:70m
l)を使用した。 (4)固定化剤:多孔性セラミックス〔ポーラストンS
(山川産業社製)〕(50g)を使用した。 (5)染料液:カラム飽和および脱色実験には、Roccel
line NSの400ppm(1.0mM)溶液を使用し
た。 (6)カラム条件:カラムを30℃に保ち、染料液を注
入した。その条件は染料液の滞留時間2時間(流速0.
5ml/min)でおこなった。 (7)実験方法:流出液を10mlずつ分取し、所定最
終流出量(800ml)を採取した。そして、各流出液
についてRoccelline NS の極大吸収波長(505n
m)における吸光度を測定して、〔数2〕に基づき染料
液(Roccelline NS)の分解率(着色の消去率若しくは
低減率)を計算により算出した。結果は、〔表11〕示
すとおりである。
【0069】〔実施例−12〕 各種固定化剤を利用して、固定化微生物によるアゾ系染
料の着色度合の消去率若しくは低減率の検索実験例。
(その4:固定化剤=ガラスビーズ) (1)供試菌株: Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) (本実験の結
果表において以下「B菌」と記載する) Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )(本実験
の結果表において以下「X菌」と記載する) Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )(本実験
の結果表において以下「A菌」と記載する) の3種類の菌株を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3( Roccelline NS )
を使用した。 (3)カラムサイズ:2×22cm、(vol:70m
l)を使用した。 (4)固定化剤:ガラスビーズB−a(敷島カンバス社
製)メッシュ約20〜50、(60g)を使用した。 (5)染料液:カラム飽和および脱色実験には、Roccel
line NSの400ppm(1.0mM)溶液を使用し
た。 (6)カラム条件:カラムを30℃に保ち、染料液を注
入した。その条件は染料液の滞留時間2時間(流速0.
5ml/min)でおこなった。 (7)実験方法:流出液を10mlずつ分取し、所定最
終流出量(800ml)を採取した。そして、各流出液
についてRoccelline NSの極大吸収波長(505nm)
における吸光度を測定して、〔数2〕に基づき染料液
(Roccelline NS)の分解率(着色の消去率若しくは低
減率)を計算により算出した。結果は、〔表11〕に示
すとおりである。
【0070】〔実施例−13〕 各種固定化剤を利用して、固定化微生物によるアゾ系染
料の着色度合の消去率若しくは低減率の検索実験例。
(その5:固定化剤=セルロース発泡体) (1)供試菌株: Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118 ) (本実験の結
果表において以下「B菌」と記載する) Xanthomonas NR25-2( FERM P-13119 )(本実験
の結果表において以下「X菌」と記載する) Achromobacter PR41-1( FERM P-13120 )(本実験
の結果表において以下「A菌」と記載する)の3種類の
菌株を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3( Roccelline NS )
を使用した。 (3)カラムサイズ:2×22cm、(vol:70m
l)を使用した。 (4)固定化剤:セルロース発泡体A−b(敷島カンバ
ス社製)(60g)を使用した。 (5)染料液:カラム飽和および脱色実験には、Roccel
line NSの400ppm(1.0mM)溶液を使用し
た。 (6)カラム条件:カラムを30℃に保ち、染料液を注
入した。その条件は染料液の滞留時間2時間(流速0.
5ml/min)でおこなった。 (7)実験方法:流出液を10mlずつ分取し、所定最
終流出量(800ml)を採取した。そして、各流出液
のRoccelline NSの極大吸収波長(505nm)におけ
る吸光度を測定して、〔数2〕に基づき染料液(Roccel
line NS)の分解率(着色の消去率若しくは低減率)を
計算により算出した。結果は、〔表11〕に示すとおり
である。
【0071】
【表11】
【0072】〔表11〕の結果より、アゾ系染料(Rocc
elline NSに対する)の分解能力は、菌株別では「Baci
llus OY1-2 ( FERM P-13118 ) 」が特に優れている
ことが判明した。「Xanthomonas NR25-2( FERM P
-13119 )」と、「Achromobacter PR41-1( FERM P-1
3120 )」とでは有意の差異が認められなかった。また、
担体(固定化材料)別の固定化微生物による染料の脱色
効果を比較すれば、活性炭、ガラスビーズ、セルロース
発泡体、シリカゲルの順で優れた作用・効果を奏するの
が判明した。特に、活性炭は、菌株の別に関係なく、優
れた固定化材料であることが判明した。
【0073】〔実施例−14〕 生物活性炭の再生と脱色(アゾ系染料の着色の消去率若
しくは低減率)の実験例。 (1)供試菌株:Bacillus OY1-2 ( FERM P-13118
) を使用した。 (2)供試染料:供試染料−3( Roccelline NS )
を使用した。 (3)カラムサイズ:2×23cm、(vol:70m
l)を使用した。 (4)固定化剤:活性炭〔クラレ製品 クラレコールG
W 10/32〕(45g)を使用した。 (5)染料液: カラム飽和には0.5mMのRoccelline NS 溶液
を、 脱色実験には、Roccelline NS の400ppm
(1.0mM)溶液を使用した。 (6)カラム条件:カラムを30℃に保ち、染料液を注
入した。 (7)カラム流速: 4.0ml/分。 2.0ml/分。 1.0ml/分。 0.5ml/分。 の4つの試験区について実験した。 (8)滞留時間:その条件は、滞留時間がそれぞれ 140分(つまり、カラム流速が前記流速:0.5
ml/分に相当) 70分(つまり、カラム流速が前記流速:1.0m
l/分に相当) 35分(つまり、カラム流速が前記流速:2.0m
l/分に相当) 18分(つまり、カラム流速が前記流速:4.0m
l/分に相当) の各滞留時間でおこなった。 (9)実験方法:流出液を10mlずつ分取し、所定最
終流出量(800ml)を採取した。そして、各流出液
についてRoccelline NSの極大吸収波長(505nm)
における吸光度を測定して、各流出液の染料液(Roccel
line NS)の分解率(着色の消去率若しくは低減率)を
前記〔数2〕の式に基づき算出した。 (10)結果:染料分解率の変化を示す結果は、図1に
示すとおりである。図1は、滞留時間の違いによる染料
分解率の変化を示すグラフである。この結果より、滞留
時間が140分の試験区については、流出量約150m
lですでに染料分解率が100%に達することを示唆し
ている。また、滞留時間が70分の試験区については約
150ml(分解率・消去率・低減率が約87%)で、
滞留時間が35分の試験区については約150ml(分
解率・消去率・低減率が約70%)で、滞留時間が18
分の試験区については約200ml(分解率・消去率・
低減率が約35%)で、それぞれの分解率が定常状態と
なることが認められた。そして、その後は前記いずれの
滞留時間の試験区においてもそれぞれの定常状態を保ち
つつ生物活性炭(固定化微生物)の生物再生により染料
の分解率(消去率若しくは低減率)の平衡状態を維持し
ていることを示唆しているものと考えられる。
【0074】最後に、本願発明の特許請求範囲をさらに
細分化して詳細に特定するとすればつぎのとおりであ
る。 〔1〕:バチルス属(Bacillus属)に属し、ア
ゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減する能力を
有する微生物群の内からから選択された1種または2種
以上の微生物の菌体と、アゾ系染料を含有する被処理対
象物とを接触させることを特徴とするアゾ系染料による
着色を消去若しくは低減する方法。
【0075】〔2〕:キサントモナス属(Xantho
monas属)に属し、アゾ系染料による当該着色を消
去若しくは低減する能力を有する微生物群の内から選択
された1種または2種以上の微生物の菌体と、アゾ系染
料を含有する被処理対象物とを接触させることを特徴と
するアゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方
法。
【0076】〔3〕:アクロモバクター属(Achro
mobacter属)に属し、アゾ系染料による当該着
色を消去若しくは低減する能力を有する微生物群の内か
ら選択された1種または2種以上の微生物の菌体と、ア
ゾ系染料を含有する被処理対象物とを接触させることを
特徴とするアゾ系染料による着色を消去若しくは低減す
る方法。
【0077】〔4〕:バチルス属(Bacillus
属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低
減する能力を有する微生物群およびキサントモナス属
(Xanthomonas属)に属しアゾ系染料による
当該着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物群
の内から選択された1種または2種以上の微生物の菌体
と、アゾ系染料を含有する被処理対象物とを接触させる
ことを特徴とするアゾ系染料による着色を消去若しくは
低減する方法。
【0078】〔5〕:バチルス属(Bacillus
属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低
減する能力を有する微生物群およびアクロモバクター属
(Achromobacter属)に属しアゾ系染料に
よる当該着色を消去若しくは低減する能力を有する微生
物群の内から選択された1種または2種以上の微生物の
菌体と、アゾ系染料を含有する被処理対象物とを接触さ
せることを特徴とするアゾ系染料による着色を消去若し
くは低減する方法。
【0079】〔6〕:キサントモナス属(Xantho
monas属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去
若しくは低減する能力を有する微生物群およびアクロモ
バクター属(Achromobacter属)に属しア
ゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減する能力を
有する微生物群の内から選択された1種または2種以上
の微生物の菌体と、アゾ系染料を含有する被処理対象物
とを接触させることを特徴とするアゾ系染料による着色
を消去若しくは低減する方法。
【0080】〔7〕:バチルス属(Bacillus
属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低
減する能力を有する微生物群、キサントモナス属(Xa
nthomonas属)に属しアゾ系染料による当該着
色を消去若しくは低減する能力を有する微生物群および
アクロモバクター属(Achromobacter属)
に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減す
る能力を有する微生物群の内から選択された1種または
2種以上の微生物の菌体と、アゾ系染料を含有する被処
理対象物とを接触させることを特徴とするアゾ系染料に
よる着色を消去若しくは低減する方法。
【0081】〔8〕:バチルス属(Bacillus
属)に属し、アゾ系染料による当該着色を消去若しくは
低減する能力を有する微生物群の内から選択された1種
または2種以上の微生物の菌体を担体に固定化したこと
を特徴とするアゾ系染料による着色の消去・低減剤。
【0082】
〔9〕:キサントモナス属(Xantho
monas属)に属し、アゾ系染料による当該着色を消
去若しくは低減する能力を有する微生物群の内から選択
された1種または2種以上の微生物の菌体を担体に固定
化したことを特徴とするアゾ系染料による着色の消去・
低減剤。
【0083】〔10〕:アクロモバクター属(Achr
omobacter属)に属し、アゾ系染料による当該
着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物群の内
から選択された1種または2種以上の微生物の菌体を担
体に固定化したことを特徴とするアゾ系染料による着色
の消去・低減剤。
【0084】〔11〕:バチルス属(Bacillus
属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低
減する能力を有する微生物群およびキサントモナス属
(Xanthomonas属)に属しアゾ系染料による
当該着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物群
の内から選択された1種または2種以上の微生物の菌体
を担体に固定化したことを特徴とするアゾ系染料による
着色の消去・低減剤。
【0085】〔12〕:バチルス属(Bacillus
属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低
減する能力を有する微生物群およびアクロモバクター属
(Achromobacter属)に属しアゾ系染料に
よる当該着色を消去若しくは低減する能力を有する微生
物群の内から選択された1種または2種以上の微生物の
菌体を担体に固定化したことを特徴とするアゾ系染料に
よる着色の消去・低減剤。
【0086】〔13〕:キサントモナス属(Xanth
omonas属)に属しアゾ系染料による当該着色を消
去若しくは低減する能力を有する微生物群およびアクロ
モバクター属(Achromobacter属)に属し
アゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減する能力
を有する微生物群の内から選択された1種または2種以
上の微生物の菌体を担体に固定化したことを特徴とする
アゾ系染料による着色の消去・低減剤。
【0087】〔14〕:バチルス属(Bacillus
属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低
減する能力を有する微生物群、キサントモナス属(Xa
nthomonas属)に属しアゾ系染料による当該着
色を消去若しくは低減する能力を有する微生物群および
アクロモバクター属(Achromobacter属)
に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減す
る能力を有する微生物群の内から選択された1種または
2種以上の微生物の菌体を担体に固定化したことを特徴
とするアゾ系染料による着色の消去・低減剤。
【0088】〔15〕:前記〔8〕〜〔14〕のいずれ
か記載のアゾ系染料による着色の消去・低減剤と、アゾ
系染料を含有する被処理対象物とを接触させることを特
徴とするアゾ系染料による着色を消去若しくは低減する
方法。
【0089】〔16〕:前記バチルス属(Bacill
us属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しく
は低減する能力を有する微生物は、バチルスOY1−2
(Bacillus OY1−2)〔受託番号:微工研
菌寄第13118号〕である前記〔1〕、〔4〕、
〔5〕〔7〕または〔15〕記載のアゾ系染料による着
色を消去若しくは低減する方法。
【0090】〔17〕:前記バチルス属(Bacill
us属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しく
は低減する能力を有する微生物は、バチルスOY1−2
(Bacillus OY1−2)〔受託番号:微工研
菌寄第13118号〕である前記〔8〕、〔11〕、
〔12〕または〔14〕記載のアゾ系染料による着色の
消去・低減剤。
【0091】〔18〕:前記キサントモナス属(Xan
thonas属)に属しアゾ系染料による当該着色を消
去若しくは低減する能力を有する微生物は、キサントモ
ナスNR25−2 (Xanthomonas NR2
5−2)〔受託番号:微工研菌寄第13119号〕であ
る前記〔2〕、〔4〕、〔6〕または〔7〕記載のアゾ
系染料による着色を消去若しくは低減する方法。
【0092】〔19〕:前記キサントモナス属(Xan
thonas属)に属しアゾ系染料による当該着色を消
去若しくは低減する能力を有する微生物は、キサントモ
ナスNR25−2 (Xanthomonas NR2
5−2)〔受託番号:微工研菌寄第13119号〕であ
る前記
〔9〕、〔11〕、〔13〕または〔14〕記載
のアゾ系染料による着色の消去・低減剤。
【0093】〔20〕:前記アクロモバクター属(Ac
hromobacter属)に属しアゾ系染料による当
該着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物は、
アクロモバクター PR41−1 (Achromob
acter PR41−1)〔受託番号:微工研菌寄第
13120号〕である前記〔3〕、〔5〕、〔6〕、
〔7〕または〔15〕記載のアゾ系染料による着色を消
去若しくは低減する方法。
【0094】〔21〕:前記アクロモバクター属(Ac
hromobacter属)に属しアゾ系染料による当
該着色を消去若しくは低減する能力を有する微生物は、
アクロモバクター PR41−1 (Achromob
acter PR41−1)〔受託番号:微工研菌寄第
13120号〕である前記〔10〕、〔12〕、〔1
3〕または〔14〕記載のアゾ系染料による着色の消去
・低減剤。
【0095】〔22〕:前記微生物の菌体を固定化する
担体は、多孔性物質群および吸着物質群の内のいずれか
一方または両方から選択された1種類の単一物または2
種類以上の混合物である前記〔8〕〜〔14〕のいずれ
か記載のアゾ系染料による着色の消去・低減剤。
【0096】〔23〕:前記微生物の菌体を固定化する
ために使用される担体は、活性炭、シリカゲル、多孔性
セラミックス、ガラスビーズ、セルロース発泡体の内か
ら選択された1または2以上の組合せである前記〔2
2〕記載のアゾ系染料による着色の消去・低減剤。
【0097】
【発明の効果】この発明は、アゾ系染料による着色を消
去若しくは低減する能力を有する微生物の働きにより、
多種多様な各種アゾ系染料の着色を容易に消去若しくは
低減することができ、しかも2次的な公害問題を引き起
こすことなくクリーンな状態で達成できる。特に、染色
排水中の染料を、水質汚濁防止法の水質基準項目中、色
度(着色度)を規制値以下にクリアするために前記アゾ
系染料の色度を消去若しくは低減する能力を有する微生
物を固定化することに成功したから、染料排水の連続処
理が可能となり、反応の調節・制御が容易であり、省エ
ネルギー・環境問題の点ですぐれてた染料色度の消去・
低減剤を提供する等々、この発明の目的を達成する顕著
な効果を奏する。さらにまた、従来から染料排水の着色
の吸着に使用されていた各種の方法、すなわち活性炭
法、活性珪藻土法、凝集法などによって吸着処理されて
いた汚泥(スラッジ)中の染料を資化・分解させるため
に本願にかかる各種微生物を利用することでアゾ系染料
の着色の消去若しくは低減を簡単に達成でき、しかも汚
泥自体がさらに生物活性化できる等々、発明の目的を達
成できる顕著な効果を奏する。
【0098】
【図面の簡単な説明】
【図1】滞留時間の違いによる染料分解率の変化を示す
グラフ。
【0099】
【符合の説明】
なし。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 3/34 ZAB Z //(C12N 1/20 C12R 1:07) (C12N 1/20 C12R 1:64) (C12N 1/20 C12R 1:025) (72)発明者 田中 悟広 京都府福知山市長田野1−52 ナガセ生化 学工業株式会社福知山工場内 (72)発明者 下斗米 孝一 大阪府大阪市北区紅梅町1番7号 日本酵 研株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの(a),(b),(c)の微生物
    群 (a)バチルス属(Bacillus属)に属し、アゾ
    系染料による当該着色を消去若しくは低減する能力を有
    する微生物群、(b)キサントモナス属(Xantho
    monas属)に属し、アゾ系染料による当該着色を消
    去若しくは低減する能力を有する微生物群、(c)アク
    ロモバクター属(Achromobacter属)に属
    し、アゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減する
    能力を有する微生物群、の内から選ばれたいずれか1つ
    の属または2つ以上の属の微生物群より選択された1種
    または2種以上の微生物菌体と、アゾ系染料を含有する
    被処理対象物とを接触させることを特徴とするアゾ系染
    料による着色を消去若しくは低減する方法。
  2. 【請求項2】 つぎの(a),(b),(c)の微生物
    群 (a)バチルス属(Bacillus属)に属し、アゾ
    系染料による当該着色を消去若しくは低減する能力を有
    する微生物群、(b)キサントモナス属(Xantho
    monas属)に属し、アゾ系染料による当該着色を消
    去若しくは低減する能力を有する微生物群、(c)アク
    ロモバクター属(Achromobacter属)に属
    し、アゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減する
    能力を有する微生物群、の内から選ばれたいずれか1つ
    の属または2つ以上の属の微生物群より選択された1種
    または2種以上の微生物の菌体を担体に固定化したこと
    を特徴とするアゾ系染料による着色の消去・低減剤。
  3. 【請求項3】 前記請求項2記載のアゾ系染料による着
    色の消去・低減剤と、アゾ系染料を含有する被処理対象
    物とを接触させることを特徴とするアゾ系染料による着
    色を消去若しくは低減する方法。
  4. 【請求項4】 前記バチルス属(Bacillus属)
    に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しくは低減す
    る能力を有する微生物は、バチルスOY1−2(Bac
    illus OY1−2)〔受託番号:微工研菌寄第1
    3118号〕である請求項1、または請求項3記載のア
    ゾ系染料による着色を消去若しくは低減する方法または
    請求項2記載のアゾ系染料による着色の消去・低減剤。
  5. 【請求項5】 前記キサントモナス属(Xanthon
    as属)に属しアゾ系染料による当該着色を消去若しく
    は低減する能力を有する微生物は、キサントモナス N
    R25−2 (Xanthomonas NR25−
    2)〔受託番号:微工研菌寄第13119号〕である請
    求項1、または請求項3記載のアゾ系染料による着色を
    消去若しくは低減する方法または請求項2記載のアゾ系
    染料による着色の消去・低減剤。
  6. 【請求項6】 前記アクロモバクター属(Achrom
    obacter属)に属しアゾ系染料による当該着色を
    消去若しくは低減する能力を有する微生物は、アクロモ
    バクター PR41−1 (Achromobacte
    r PR41−1)〔受託番号:微工研菌寄第1312
    0号〕である請求項1、または請求項3記載のアゾ系染
    料による着色を消去若しくは低減する方法または請求項
    2記載のアゾ系染料による着色の消去・低減剤。
  7. 【請求項7】 前記微生物の菌体を固定化する担体は、
    多孔性物質群および吸着物質群の内のいずれか一方また
    は両方から選択された1種類または2種類以上の混合物
    である請求項2記載のアゾ系染料による着色の消去・低
    減剤。
  8. 【請求項8】 前記微生物の菌体を固定化する担体は、
    活性炭、多孔性セラミックス、シリカゲル、ガラスビー
    ズ、セルロース発泡体の内から選択された1または2以
    上の組合せである請求項第2項記載のアゾ系染料による
    着色の消去・低減剤。
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