JPH08257498A - 高耐候性多彩模様塗膜の形成方法および塗装金属板 - Google Patents

高耐候性多彩模様塗膜の形成方法および塗装金属板

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JPH08257498A
JPH08257498A JP8864895A JP8864895A JPH08257498A JP H08257498 A JPH08257498 A JP H08257498A JP 8864895 A JP8864895 A JP 8864895A JP 8864895 A JP8864895 A JP 8864895A JP H08257498 A JPH08257498 A JP H08257498A
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JP
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meth
coating film
electron beam
coating
colorful
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JP8864895A
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Nagaharu Ueno
長治 上野
Chuichi Kato
忠一 加藤
Ryoji Nishioka
良二 西岡
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度な保護機能、とりわけ美粧性(立体感・
形、色調、多彩感)を有し、カーテンフローコーター、
ロールコーター、グラビアオフセット印刷、スクリーン
印刷等の剪断力・機械的外力のかかる塗布方法によって
も、多彩模様塗膜の形成が可能であり、且つ、耐候性そ
の他の性能に優れた多彩模様塗膜の形成方法およびその
鋼板を提供する。 【構成】 A.着色粒子 B.1,000分子量当たり1.5モル以上の(メタ)
アクリロイル基を含むアクリルポリ(メタ)アクリレー
ト C.1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含
みかつ(メタ)アクリロイル当量が150以下の多価ア
ルコール(メタ)アクリレート を必須成分とした電子線硬化型塗料を基材表面に1層以
上塗布し、電子線を照射することにより塗膜を硬化させ
る。これにより耐候性に優れた多彩模様塗膜を有する塗
装金属板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板等の基材表面に
塗装を施して高耐候性多彩模様を形成する方法およびそ
の金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】多彩模様塗料とは、JIS―K―566
7の規定によれば、液状またはゲル状の2色以上の色の
粒子が分散媒のなかに懸濁した状態になったもので、そ
れぞれの色粒子が混ざり合って中間色になることなく、
1回の塗装で多彩な意匠効果が出せる仕上げ材である。
【0003】従来の多彩模様塗料の塗布方法としては、
通常、内圧式のスプレー方式が一般的であったが、この
方法は、意匠性に限界がある(塗膜表面にでた着色粒子
の凹凸によるざらつき感、ソフトタッチ感不良、着色剤
粒子によるコントラスト感がきつく、硬い感じとな
る)、塗料ロスが多い、環境が悪い、高生産速度を得難
たい、といった欠点があった。
【0004】また、塗布した塗料の乾燥方法としては、
常温乾燥、加熱乾燥であり、硬化迄に通常数十分から数
日かかり、生産性も良好ではなかった。
【0005】更に、最近の外層建材(ビルの外壁、建物
間の連絡通路、屋根)、道路の遮音板等は、高度な意匠
性を重視されるのは勿論のことであるが、性能的には、
耐候性、耐傷付き性、耐汚染性をも、より重要視される
ようになったが、これらに対して十分に対処できるもの
ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、前記の欠点を
是正する塗布方法としては、他の方法、即ちカーテンフ
ローコーター、ロールコーター、グラビアオフセット印
刷、スクリーン印刷等考えられたが、これらの方法は塗
布時に、高い剪断力・機械的外力がかかるため、着色剤
粒子が不均一となりやすいといった原理的問題点があ
る。
【0007】一方、塗料として、従来の常温もしくは熱
硬化型塗料について検討したが、着色剤粒子が塗膜表面
に突出してざらつき感、ソフトタッチ感等の意匠性の改
良という点には限界があった。
【0008】この理由としては、塗装時・印刷時の不揮
発分が低い(溶剤が多い)ことに起因するものと考えら
れる。
【0009】これは、塗布剤の不揮発分が低いというこ
とは、ミクロ的にみると着色剤粒子の表面はウエット状
態では厚く被覆されていても、溶剤の飛散に伴って被覆
層が‘目痩せ’して、着色剤粒子が塗膜表面に突出して
ざらつき感、ソフトタッチ感不良等の原因となるものと
推定される。
【0010】従って、これらを解決する方法として、不
揮発分が高く、塗布後付加される熱が低く、かつ短時間
で硬化するという塗料・インキおよびその硬化法を兼ね
備えた技術がのぞまれる。
【0011】このような状況において、近年の無公害
(高不揮発分塗料、炉排ガス小)、高速生産(短時間硬
化)、省資源等の社会的ニーズに対応する技術が種々開
発されてきている。
【0012】それらの中で、例えば、放射線照射によっ
て塗膜を短時間に硬化させる技術が既に実用化されてい
る。そして、特開平2―268874号公報には、着色
剤粒子を含有させた紫外線硬化型塗料を基材表面に塗布
し、紫外線を照射することによって多彩模様塗膜を形成
する方法が開示されている。
【0013】しかしながら、前記公報の紫外線照射によ
る方法においては、着色粒子は紫外線を吸収あるいは遮
断するという基本的な特性を有しているために、紫外線
照射によって塗膜内部まで紫外線を到達させるにはまだ
時間を要するとともに、紫外線ランプによる輻射熱と対
流熱の双方により塗膜表面を加熱して樹脂を流動化させ
て”目痩せ”的現象を起こすという問題を包含してお
り、意匠性の点でもさらに改善すべきところがある。ま
た、耐候性、耐傷付き性、耐汚染性の問題は、全く解決
されていない。
【0014】本発明は、さらに高度な保護機能、とりわ
け美粧性(立体感・形、色調、多彩感)を有し、カーテ
ンフローコーター、ロールコーター、グラビアオフセッ
ト印刷、スクリーン印刷等の剪断力・機械的外力のかか
る塗布方法によっても、多彩模様塗膜の形成が可能であ
り、且つ、耐候性その他の性能に優れた多彩模様塗膜の
形成方法およびその鋼板を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、 A.着色粒子 B.1,000分子量当たり1.5モル以上の(メタ)
アクリロイル基を含むアクリルポリ(メタ)アクリレー
ト C.1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含
みかつ(メタ)アクリロイル当量が150以下の多価ア
ルコール(メタ)アクリレート を必須成分とした電子線硬化型塗料を基材表面に1層以
上塗布し、電子線を照射することにより硬化塗膜を形成
させる高耐候性多彩模様塗膜の形成方法およびその方法
によって得られる高耐候性多彩模様塗膜を有する塗装金
属板である。
【0016】前記電子線硬化塗料の不揮発分は65%以
上であることが望ましい。
【0017】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】まず、本発明の電子線硬化型塗料の必須成
分について説明する。
【0019】A.着色粒子 本発明における必須成分である着色剤粒子としては、着
色プラスチック粒子、着色ガラス粉、粉体塗料、着色状
物質を内包したマイクロカプセル等があげられるが、塗
料・インキ中において2色以上の色の粒子が分散媒のな
かに懸濁したもので、それぞれの色粒子が混ざりあって
中間色になることがないものであれば、本発明の目的に
合致する。
【0020】樹脂ビーズとしては、アクリル、メラミ
ン、テフロン、ポリアクリロニトリル等の比較的硬いビ
ーズ、その他、ナイロン、ウレタン等のビーズも用いる
ことができる。
【0021】B.アクリルポリ(メタ)アクリレート 本発明にいう電子線硬化型塗料成分である、1,000
分子量当たり1.5モル以上の(メタ)アクリロイル基
を含むアクリルポリ(メタ)アクリレートとは、主鎖に
アクリル骨格を用い、これに(メタ)アクリル酸をエス
テル化反応して得られるものをいい、1,000分子量
当たり1個以上、望ましくは2個以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有するものをいう。
【0022】本成分に関して、更に詳しくのべる。主鎖
は次にあげるようなアクリル酸、あるいはα―置換アク
リル酸エステル等の単量体からなる。
【0023】アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸―n―プロピル、アクリル酸イソ
プロピル、アクリル酸―n―ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸―n―アミル、アクリル酸―n−ヘキ
シル、アクリル酸―n―オクチルなどのアクリル酸アル
キルエステル、アクリル酸―2―クロルエチル、アクリ
ル酸―3―クロルプロピルなどのアクリル酸ハロゲン化
アルキル、アクリル酸―2―ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸―2―ヒドロキシプロピルなどのOH基を持つアク
リル酸含OH基エステル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸―n―プロピル、メタクリ
ル酸イソプロピル、メタクリル酸―n―ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸―n―アミル、メタク
リル酸―n―オクチル、メタクリル酸ラウリルなどのα
―アルキルアクリル酸アルキルエステル、α―クロルア
クリル酸メチル、α―クロルアクリル酸エチルなどのα
―ハロゲンアクリル酸エステル、メタクリル酸―2―ク
ロルエチル、メタクリル酸―3―クロルプロピルなどの
α―アルキルアクリル酸ハロゲン化アルキルエステル、
メタクリル酸―2―ヒドロキシエチル、メタクリル酸―
2―ヒドロキシプロピル、メタクリル酸―1―クロル―
2―ヒドロキシエチルなどのOH基を持つα―アルキル
アクリル酸エステル、およびメタクリル酸グリシジルな
どのアクリル系モノマが含まれる。
【0024】ここで、(メタ)アクリロイル基が1,0
00分子量当たり1.5モル以下になると、C.成分と
の組み合わせにもよるが、硬化性が不良となり、耐候
性、耐傷つき性、耐汚染性等が不良となる。
【0025】(メタ)アクリロイル基が1,000分子
量当たり3.0モル以上、特に3.5モルになると、電
子線照射後も未反応二重結合が増し、これが引き金とな
って屋外雰囲気(特に、紫外線、熱等)に対して弱くな
る。
【0026】C.多価アルコール(メタ)アクリレート 次に本発明でいう多価アルコール(メタ)アクリレート
とは、多価アルコールの末端の水酸基に(メタ)アクリ
ル酸を反応させて導入したものをいい、アクリルポリ
(メタ)アクリレートと組み合わせて高度な架橋密度を
得るための役目を果たすものである。
【0027】そのためには、1分子中に(メタ)アクリ
ロイル基を2ケ以上含むもので、(メタ)アクリロイル
基当量が150以下、更に望ましくは130程度以下が
好ましい。
【0028】尚この場合、前述の多価アルコール(メ
タ)アクリレートの混合物でもよい。ここにいう多価ア
ルコールとは次のようなものをいう。
【0029】即ち、2価アルコールとしては、アルキレ
ングリコール型として、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、クロルプロピレングリコール、ブタンジ
オール(1,3―または1,4―または2,3―)、3
―メチルペンタンジオール、2,2―ジエチルプロパン
ジオール、ペンタメチレングリコール、1,6―ヘキサ
ンジオール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレ
ングリコール、ノナメチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ヘキサメチレンジオールなど、脂環式グリ
コール型として、1,4―シクロヘキサンジオール、シ
クロヘキサン―1,4―ジメタノール、水素化ビスフェ
ノールAなど、ポリアルキレングリコール型として、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポ
リブタジエンジオールなど、また芳香族系グリコール型
として、2,2’―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(別名ビスフェノールA)、ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)メタン(別名ビスフェノールF)、4,
4’―ジヒドロキシフェニル、ハイドロキノン、レゾル
シンなどのフェノール類にアルキレンオキサイド(エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイドなど)を付加して得られるグリコール類などがあ
げられる。
【0030】3価以上のアルコールとしては、アルカン
トリオール型として、グリセリン、トリメチロールメタ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,2,6―ヘキサントリオール、1,2,3―ブタン
トリオール、1,2,3―ペンタントリオール、2―メ
チル―2,3,4―ブタントリオール、2―エチル―
2,3,4―ブタントリオール、2―メチル―1,2,
3―ブタントリオール、2―エチル―1,2,3―ブタ
ントリオール、2,3,4―ヘキサントリオール、ペン
タメチレングリコールなど、アルカンテトラオールとし
て、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トイレット、1,2,3,4―ペンタ
ンテトロール、2,3,4,5―ヘキサンテトロール、
2,5―ジメチル―2,3,4,5―ヘキサンテトロー
ル、1,2,3,5―ペンタンテトロール、3―ヘキセ
ン―1,2,5,6―テトロール、3―ヘキシン―1,
2,5,6―テトロールなど、エーテル基含有脂肪族ト
リオールとして、グリセリンやトリメチロールプロパン
などにアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)を付加
させて得られるトリオールなど、エーテル基含有脂肪族
テトラオールとしてエリスリトールやペンタエリスリト
ールなどにアルキレンオキサイドを付加させて得られる
テトラオールなど、また芳香族トリオールとして、ピロ
ガロールにアルキレンオキサイドを付加させて得られる
トリオールなどがあげられる。
【0031】このうち、結果として(メタ)アクリロイ
ル基当量が120以下のものが特に好ましい。
【0032】次に、本発明における電子線硬化型塗料の
不揮発分としては、良好な意匠性を得るために通常の常
温・熱硬化型塗料(約50%程度以下)よりも高く、約
65%以上、好ましくは約75%以上であることが本発
明の目的にかなう。
【0033】尚、同一塗料不揮発分であれば、紫外線硬
化塗料よりも電子線硬化塗料の方が、良好な意匠性を有
する。
【0034】その理由としては、紫外線硬化法の場合、
紫外線発生ランプは熱線も発生して被途物の温度をあげ
ることおよび照射雰囲気の温度のあげることにより、輻
射・対流の双方の熱が被塗物を加熱して樹脂の流動を起
こし着色剤上部を覆っている樹脂の“目痩せ”的現象を
起こし(=薄くなる)、また、硬化時間も紫外線硬化法
と電子線硬化法では,一桁違って前者が長いことに起因
するものと推定される。尚、塗料不揮発分は紫外線、電
子線塗料共に常温・熱硬化型塗料より高い。
【0035】以上多彩模様塗膜の必須成分に関して述べ
たが、塗料・インキ中に着色顔料・染料を添加できる
が、特に制限されるものではなく、通常に用いられるも
ので良い。
【0036】例えば、無機着色顔料としては、チタン
白、弁柄、黄色酸化鉄、クロムバーミリオン、酸化クロ
ム、透明硫酸バリウム、透明ガラス粉等が、有機着色顔
料としては、キナクリドン、イソインドリノン、インダ
ンスレンブルー、フタロシアニングリーン等があげられ
るが、着色剤粒子の色特性を活かす範囲の量しか添加で
きない。
【0037】また、粘度を調整するために、キシレン、
トルエン等の芳香族系、酢酸ブチル、等のエステル系、
プロパノール等のアルコール系、脂肪族系等の溶剤や通
常知られているメタクリル酸メチル等の単官能モノマー
を使用しても良いが、先に述べた粘度を得られる範囲で
添加する。
【0038】次に、前述した電子線硬化型塗料を用いた
多彩模様塗膜の形成方法について説明する。
【0039】塗膜を形成する基材としては、金属、金属
箔、木材、プラスチック、ガラス、紙、織布、陶磁器、
コンクリート等に適用できるが、強度・靭性および形状
安定性(内・外層建材、事務機器、家電製品、車両等)
を求められる用途には、金属が適している。
【0040】金属の場合、原板としては切り板状であっ
ても、コイル状であっても良い。この場合、鋼板製造工
程で脱脂されたもの、更にクロム酸、燐酸、シランカッ
プリング剤等の化成処理されたものを用いるか、もしく
は、塗装工程の前処理工程で前記の処理を施したものを
用いる。
【0041】また、この原板と本発明における多層模様
塗膜層の層間にプライマーを用いた方が良い。このプラ
イマーの組成としては、エポキシ、変性エポキシ、エポ
キシアクリル、ポリエステル、エポキシポリエステル等
が挙げられる。
【0042】さらには、ベースに着色するために、グラ
ンドコートをプライマーの上層、且つ多彩模様塗膜の下
層に塗布しても良い。
【0043】上記した基材の表面に多彩模様塗料を塗布
する方法としては、カーテンフローコーター、ロールコ
ーター、フラビアオフセット印刷、スクリーン印刷等の
中から、用途、生産性その他の条件により適宜選択すれ
ばよい。
【0044】塗膜の膜厚としては、特に制約を必要とし
ないが、通常は5〜200μが適当である。
【0045】また、多彩模様塗膜層を重ね塗りしても良
いが、下層の多彩模様塗膜の意匠特性を阻害しない程度
の膜厚、顔料濃度とすべきである。
【0046】尚、多彩模様塗料を塗布した後、非反応性
溶剤を強制飛散させることが好ましい。そのために、エ
アー、低温熱風等を付与する場合も有り得る。
【0047】次に、塗布された塗料に電子線を照射して
硬化させるが、電子線照射装置としては、スキャニン
グ、カーテンビーム、ブロードビーム方式等が挙げら
れ、塗布膜厚によって必要加速電圧を選択する。電子線
照射雰囲気は、窒素、燃焼ガスその他、酸素やオゾン等
を含有しない不活性ガス中とする。
【0048】電子線硬化処理後には、更に、多彩模様塗
膜層の保護、(耐傷、耐汚染性)のために、耐傷、耐汚
染性の良好な透明クリヤー層を設けてもよい。このクリ
ヤー層の樹脂組成としては、多彩模様塗膜層と同じ樹脂
組成でもよく、耐傷、耐汚染性を重視した樹脂組成でも
良い。例えば、塩ビ、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の保護フィルムを貼り合わせてもよい。
【0049】本発明の多彩模様塗膜を有する塗装金属板
は、高意匠性、高耐候性、耐傷つき性、耐汚染性等の特
性を具備したものである。
【0050】従って、外層建材、道路遮音壁等の屋外用
途に対して特に有用であるが、日光が当たる屋内建材、
その他に有用である。
【0051】
【実施例】次に本発明を実施例で具体的に説明する。な
お、実施例中「部」は、断りのない限り、重量基準であ
る。
【0052】
【実施例1】 着色剤塗料の成分組成: A:黄色着色剤粒子(クロム酸鉛) 10部 B:アクリルポリ(メタ)アクリレート(アクリル酸・
アクリル酸エチル・アクリル酸2ヒドロキシエチル・メ
タクリル酸グリシジル共重合体、数平均分子量:約1
2,000、二重結合量1個/1,000分子量) 5
0部 C:トリメチロールプロパントリメタクリレート(数平
均分子量:約185、二重結合当量:約60) 20部 D:顔料(炭酸カルシウム) 10部 E:溶剤(キシレン) 10部
【0053】着色剤塗料の塗装:エポキシプライマーを
乾燥膜厚で2μm塗布した電気亜鉛めっき鋼板(めっき
付着量20g/m2)に、前記着色剤塗料を乾燥膜厚5
0μmとなるように、ドクターブレードで塗布し、80
℃の雰囲気で1分間保持、溶剤を飛散させた。
【0054】この後、電子線を9Mrad(窒素雰囲
気:O2量 100ppm)照射した。性能は、第1表
に示す通りであった。
【0055】
【比較例1】着色剤塗料の成分組成は、実施例1と同じ
ものに光増感剤2,4,6―トリメチルベンゾイルジフ
ェニルフォスフィンオキサイド5部を添加した。
【0056】着色剤塗料の塗装:エポキシプライマーを
乾燥膜厚で2μm塗布した電気亜鉛めっき鋼板(めっき
付着量20g/m2)に、前記着色剤塗料を乾燥膜厚5
0μmとなるように、バーコーターで塗布し、80℃の
雰囲気で1分間保持、溶剤を飛散させた。
【0057】この後、メタルハライドランプ(入力12
0W/cm)の下方100mmの位置で、コンベアー速
度6m/分で着色剤塗料塗装板を通過し硬化させた。
【0058】性能は、第1表に示す通りであった。
【0059】
【比較例2】着色剤塗料の成分組成は、E:50部とし
たが、他は比較例1と同じ。
【0060】着色剤塗料の塗装は、実施例1と同じ。
【0061】性能は、第1表に示す通りであった。
【0062】
【比較例3】着色剤塗料の成分組成は、実施例1におい
て、B.成分の二重結合量を0.5個/1,000分子
量とした他は、すべて同じとした。
【0063】着色剤塗料の塗装は、実施例1と同じ。
【0064】性能は、第1表に示す通りであった。
【0065】
【実施例2】 着色剤塗料の成分組成: A:黄色着色剤粒子(クロム酸鉛) 10部 A′:赤色着色剤粒子(樹脂ビーズ:20μm径) 1
0部 B:アクリルポリ(メタ)アクリレート(メタアクリル
酸・アクリル酸エチル・アクリル酸2ヒドロキシエチル
・メタクリル酸グリシジル共重合体、数平均分子量:約
15,000、二重結合量1.5個/1,000分子
量) 50部 C:エチレングリコールジアクリレート(数平均分子
量:約200、二重結合当量:約100) D:顔料(チタン白) 15部 E:溶剤(メチルエチルケトン) 10部
【0066】着色剤塗料の塗装:エポキシプライマーを
乾燥膜厚で2μm塗布した電気亜鉛めっき鋼板(めっき
付着量20g/m2)に、前記着色剤塗料を乾燥膜厚1
00μmとなるように、ドクターブレードで塗布し、エ
アーを吹き付け、溶剤を飛散させた。
【0067】この後、電子線を9Mrad(窒素雰囲
気:O2量 100ppm)照射した。
【0068】性能は、第1表に示す通りであった。
【0069】
【比較例4】着色剤塗料の成分組成は、実施例1と同じ
ものに、光増感剤2,4,6―トリメチルベンゾイルジ
フェニルフォスフィンオキサイド5部を添加した。
【0070】着色剤塗料の塗装:エポキシプライマーを
乾燥膜厚で2μm塗布した電気亜鉛めっき鋼板(めっき
付着量20g/m2)に、前記着色剤塗料を乾燥膜厚1
00μmとなるように、ドクターブレードで塗布しエア
ーを吹き付け、溶剤を飛散させた。
【0071】この後、メタルハライドランプ(入力12
0W/cm)の下方100mmの位置で、コンベアー速
度6m/分で着色剤塗料塗板を通過し硬化させた。
【0072】性能は、第1表に示す通りであった。
【0073】
【比較例5】着色剤塗料の成分組成は比較例3と同じ。
【0074】着色剤塗料の塗装:エポキシプライマーを
乾燥膜厚で2μm塗布した電気亜鉛めっき鋼板(めっき
付着量20g/m2)に、前記着色剤塗料を乾燥膜厚1
00μmとなるように、ドクターブレードで塗布し、8
0℃の雰囲気で1分間保持、溶剤を飛散させた。
【0075】この後、メタルハライドランプ(入力12
0W/cm)の下方100mmの位置で、コンベアー速
度6m/分で着色剤塗料塗板を通過し硬化させた。
【0076】性能は、第1表に示す通りであった。
【0077】
【表1】
【0078】*1:JIS K―5400(6.1)に
準じて、目視判定。 ○:良好、△:やや不良、×:不良 *2:油性‘マジックインキ’赤で線を描き、24時間
後にエタノールを浸したガーゼで拭き、インキの残り具
合をみる。 ○:インキ残りほとんどなし、△:インキ残りあり *3:海岸地区(千葉県:君津市)に2年間暴露して、
塗膜の変色、膨れ等の変化をみる。 ○:塗膜変化なし、△:塗膜変化あり
【0079】
【発明の効果】本発明の電子線硬化法による多彩模様塗
膜の形成方法を適用して得られた鋼板は、従来の紫外線
硬化法による技術の無公害、省資源、高速生産性といっ
たメリットをそのまま活かし、且つ、塗膜形成時には非
加熱雰囲気で行うため、意匠性(ざらつき感、ソフトタ
ッチ感)が従来法より良好である。
【0080】また、性能的にみて、耐候性が良好な製品
が得られる。
【0081】さらにまた、電子線硬化のばあい、その透
過能・線質が紫外線と異なるために、加速電圧を適当に
選択することにより、多彩模様塗料の必須成分である着
色粒子を制約なく使用でき、膜厚の制限もうけない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/28 PRA C09D 5/28 PRA

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.着色粒子 B.1,000分子量当たり1.5モル以上の(メタ)
    アクリロイル基を含むアクリルポリ(メタ)アクリレー
    ト C.1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含
    みかつ(メタ)アクリロイル当量が150以下の多価ア
    ルコール(メタ)アクリレート を必須成分とした電子線硬化型塗料を基材表面に1層以
    上塗布し、電子線を照射することにより硬化塗膜を形成
    させる高耐候性多彩模様塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 電子線硬化塗料の不揮発分が65%以上
    である請求項1記載の高耐候性多彩模様塗膜の成形方
    法。
  3. 【請求項3】 A.着色粒子 B.1,000分子量当たり1.5モル以上の(メタ)
    アクリロイル基を含むアクリルポリ(メタ)アクリレー
    ト C.1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含
    みかつ(メタ)アクリロイル当量が150以下の多価ア
    ルコール(メタ)アクリレート を必須成分とした電子線硬化型塗料が基材表面に1層以
    上塗布され、電子線照射で硬化されてなる高耐候性多彩
    模様塗膜を有する塗装金属板。
  4. 【請求項4】 電子線硬化型塗料の不揮発分が65%で
    ある請求項3記載の高耐候性多彩模様塗膜を有する塗装
    金属板。
JP8864895A 1995-03-23 1995-03-23 高耐候性多彩模様塗膜の形成方法および塗装金属板 Withdrawn JPH08257498A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009523065A (ja) * 2006-01-13 2009-06-18 トレスパ・インターナショナル・ビー.ブイ. 紙基材に1つ以上の層を塗布するための方法
JP2012022189A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体、偏光板及び画像表示装置

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