JPH08255625A - 燃料電池の発電停止方法 - Google Patents

燃料電池の発電停止方法

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JPH08255625A
JPH08255625A JP7084534A JP8453495A JPH08255625A JP H08255625 A JPH08255625 A JP H08255625A JP 7084534 A JP7084534 A JP 7084534A JP 8453495 A JP8453495 A JP 8453495A JP H08255625 A JPH08255625 A JP H08255625A
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JP
Japan
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fuel cell
electrode
cathode electrode
power generation
purge gas
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JP7084534A
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English (en)
Inventor
Tadahiko Taniguchi
忠彦 谷口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電力消費手段投入中の水素欠乏を防止し、電
力消費手段遮断後の電圧が過電圧となることを防止し、
発電停止における燃料電池特性の低下を抑制する。 【構成】 燃料電池の発電停止指令があると燃料電池を
外部負荷から遮断し、アノード電極へのパージガス流量
をWa、カソード電極へのパージガス流量をWc、パー
ジガスの供給点からアノード電極入口までの全容積をV
a、パージガスの供給点からカソード電極の入口までの
全容積をVcとしたとき、Wa<(Va/Vc)・Wc
を満たすように、燃料電池のアノード電極及びカソード
電極にパージガスを供給すると共に、燃料電池に電力消
費手段を接続して余剰電力を消費し、燃料電池の電池電
圧が予め定めた下限電圧になると電力消費手段を遮断し
て燃料電池を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池の停止の際に
アノード電極及びカソード電極にパージガスを供給する
と共に、燃料電池を電力消費手段に接続して燃料電池を
停止するようにした燃料電池の発電停止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料電池は燃料と酸化剤ガスと
の電気化学的反応を利用して電気を得るものであり、そ
の燃料の変換効率の良さや環境への安全性などに優れて
いることから最近では広く注目されている。このような
燃料電池には、その電極構造や材質などの相違により各
種のものがあるが、なかでも電解質としてリン酸を使用
したリン酸型燃料電池は最も実用化が進んでいる。
【0003】このリン酸型燃料電池を使用した燃料電池
発電プラントの概略構成を図6に示す。燃料電池本体1
は、背面に水素等の燃料を接触させるためのアノード電
極2と背面に酸素等の酸化剤を接触させるためのカソー
ド電極3とを電解質であるリン酸を含んだマトリクスを
挟んで両側に配置してなる単セルを複数個積層して構成
されている。
【0004】アノード電極2の前段には改質器4が設け
られ、ここに供給された天然ガスと水蒸気との混合ガス
が改質反応によって水素リッチガスとなり、その下流に
配した流量制御弁5を介してアノード電極2に供給され
る。また、カソード電極3の前段には、圧縮機から供給
された圧縮空気が流量制御弁6を介して供給される。こ
のようにして燃料電池本体1に供給された燃料と空気
は、アノード電極2及びカソード電極3で電気化学反応
を生じ、電気や生成水及び熱となる。
【0005】アノード電極2を出たアノード排ガスは、
アノード出口リン酸吸着器7及びアノード出口凝縮器8
を介して改質器バーナー9に供給される。一方、カソー
ド電極3を出たカソード排ガスは、カソード出口リン酸
吸着器10及びカソード出口凝縮器11を通って同じく
改質器バーナー9に流入する。改質器バーナー9におい
ては、これらアノード排ガス及びカソード排ガスを混合
して、アノード排ガス中の水素などの可燃性ガスを燃焼
させる。この燃焼反応によりアノード排ガスに含まれる
可燃性ガスが消費され、残留ガスは大気へ放出される。
【0006】このような燃料電池発電プラントにおいて
は、燃料電池本体1の特性劣化が極力生じないように発
電運転を行い、また発電停止を行うことが必要である。
特に燃料電池本体1の特性が劣化しないような発電停止
方法が検討されている。
【0007】例えば、特開平3−81970号公報に示
されるように、燃料電池発電プラントの停止指令がある
と、燃料電池を外部負荷から遮断し、燃料電池のカソー
ド電極に酸化剤のパージガスを供給すると共に、燃料電
池に電力消費手段を接続して余剰電力を消費し、燃料電
池の電池電圧が予め定めた下限電圧になると電力消費手
段を遮断し、アノード電極に燃料のパージガスを供給す
るようにして、燃料電池の発電停止時に電池電圧が過電
圧にならないように、燃料電池を停止するようにした燃
料電池発電プラントの発電停止方法がある。
【0008】この発電停止方法は、図7に示すように、
発電停止信号を時刻t1にあったとすると、これに伴い
燃料電池発電プラントは外部負荷を切り離す。このまま
の状態を継続すると、燃料電池の電極電圧は急上昇して
通常0.8Vセル以上となり、電極触媒のシンクタンク
現象が急速に進み電池の特性劣化が進む。そこで、外部
負荷との切り離しと同時にカソード電極に不活性ガスを
供給すると共に電力消費手段(ダミー抵抗)を燃料電池
に接続する。これによって、カソード電極の残留酸素を
ガスパージし、電力消費手段により燃料電池の電極電圧
が高電圧となるのを抑制する。
【0009】この状態ではカソード電極に残存する酸素
とアノード電極に供給されている水素とが反応してカソ
ード電極での酸素濃度は徐々に低下する。この反応によ
り発生した電力は電力消費手段で消費されることにな
る。したがって、電極電圧は徐々に低下する。
【0010】そして、電極電圧が低下して、電極電圧が
時刻t2に電力消費手段(ダミー抵抗)遮断条件電圧V
1(以下下限電圧という)まで降下したとすると、電力
消費手段を燃料電池から切り離す。この時点でカソード
電極にまだ残存している酸素は、引き続きカソード電極
を不活性ガスでパージして除去することになる。この時
刻t2からアノード電極に不活性ガスを供給開始してア
ノード電極のガスパージを開始することになる。
【0011】ここで、時刻t2で電力消費手段を切り離
すと、電極電圧は数100mV程度上昇する。これは、
電力消費手段の投入では消費できなかった残留酸素がカ
ソード電極へ拡散し、カソード電極の表面の酸素濃度が
上昇するためである。
【0012】すなわち、カソード電極における残存酸素
の燃料電池での電気化学反応により発生する電力を電力
消費手段の投入によって消費する場合は、酸化剤を供給
する溝から電極の反応面までの拡散経路において、酸素
の濃度勾配が生じており、電気化学反応が起こっている
反応面で一番濃度が低く、溝の方向つまり酸素の供給源
の方向が高くなっている。この状態で電力消費手段が切
り離されて電流が遮断されると、酸素ガスは濃度勾配に
したがって拡散し、濃度の低かった反応面では濃度が上
昇し、濃度の高かった溝や電極基板の細孔内では濃度は
低下し均一になろうとする。このため、電力消費手段の
切り離し後は、電力電圧はしばらく上昇し続けることに
なる。一方、電力消費手段が切り離されて電流が遮断さ
れると、電極抵抗による電圧ドロップと活性化分極によ
る電圧ドロップもなくなるので、急激に電極電圧は上昇
することになる。そこで、一般には、電力消費手段を何
度か繰返し投入して、上昇した電圧を許容値以下に抑制
するような発電停止方法が取られている。
【0013】また、商用電力向けの燃料電池発電プラン
トの運転停止や待機運転では、アノード電極に燃料であ
る水素を絶えず供給したまま、電力消費手段の入り切り
で電力電圧を制御している。アノード電極に水素を供給
した状態で電力消費手段を投入するのは、以下の理由に
よる。まず、電力消費手段投入時に流れる電流によっ
て、水素が欠乏状態となることのないようにするためで
あり、高さが数mにも及ぶ積層された燃料電池本体では
上下方向のガス排流が懸念されるので、水素ガスは最低
流量供給されなければならないためである。
【0014】また、カソード電極電圧を正確に測定する
ためである。シンタリングによる触媒の劣化を防止する
ためには、カソード電極電圧を水素標準電極を基準とし
た電圧に対して、0.8V以下に抑制することが必要で
ある。したがって、アノード電極電圧を水素標準電極電
位とほぼ等しい状態とするか、又は水素標準電極に対す
る電位を正確に求めることが必要である。これは水素濃
度を一定に制御した燃料を供給し、その燃料流量を濃度
分極を無視できる程度の十分多く供給することで達成さ
れる。
【0015】このように、商用電力の燃料電池発電プラ
ントは発電停止や待機運転において、アノード電極に水
素を供給できる構成になっているが、オンサイト型燃料
電池発電プラントでは、通常、発電停止信号と同時に燃
料の供給を停止するようにしている。これは、オンサイ
ト型燃料電池は都市のビル内に設置することを想定して
おり、特に安全性については十分な対策が必要であるか
らである。
【0016】すなわち、発電の停止により燃料の電力へ
の変換量が急激に減少すると、消費されなかった水素量
が急激に増加し、発電停止後はアノード出口の水素量が
急増することになる。これにより、改質器バーナーにお
ける燃焼反応の発熱量も急増し、改質器のバーナーの温
度が急上昇して、改質器に用いられている触媒の劣化機
器配管の損傷を招くおそれがあるからである。このよう
に、オンサイト型燃料電池では発電停止と同時に燃料を
遮断することで安全性を確保している。
【0017】そこで、オンサイト型燃料電池では、発電
停止直後の電力消費手段の投入時には、アノード電極に
必要な水素を確保するために、アノードリサイクルフロ
ーで水素濃度を維持したり、燃料の改質器の上段から不
活性ガスでパージして改質器や一酸化炭素変成器に残留
している水素を確保することが提案されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところが、オンサイト
型燃料電池発電プラントのように発電停止後に速やかに
燃料の供給が停止されるプラントでは、燃料電池に流入
する水素ガス濃度が時間と共に低下するので、ガスパー
ジによって残留する水素を確保したとしても、電力消費
手段投入中に消費される水素を供給できる時間には限度
がある。また、アノードリサイクルフローを設けた場合
には設備が複雑になると共に高価になる。
【0019】また、上述したように、カソード電極では
電力消費手段によって酸素が消費され、電力消費手段が
切り離された後は、電極抵抗による電圧ドロップと活性
化分極による電圧ドロップの消失による電極電圧の上昇
と電極表面の酸素濃度の上昇による電極電圧の上昇が発
生する。
【0020】そこで、電極電圧が過電圧にならないよう
に電力消費手段を複数回投入することも考えられるが、
パージ時間と共に電極の積層方向あるいは電極の平面方
向について局所的に水素不足状態になることが予想され
る。つまり、アノード電極に存在する水素が不足する
と、電力消費手段を投入したとしてもカソード電圧は高
電圧に維持されることになる。カソード電圧が高い状態
で燃料電池本体が停止及び保管されると、その間に触媒
のシンタリングや触媒層の濡れが進行し、電極電圧が低
下してしまうという問題点があった。
【0021】本発明の目的は、電力消費手段投入中の水
素欠乏を防止し、電力消費手段遮断後の電圧が過電圧と
なることを防止することにより、発電停止における燃料
電池特性の低下を抑制する燃料電池の発電停止方法を提
供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、燃料
電池への発電停止指令があると燃料電池を外部負荷から
遮断し、所定時間のアノード電極へのパージガス流量を
Wa、同所定時間のカソード電極へのパージガス流量を
Wcとするとともに、パージガスの供給点からアノード
電極入口までの供給ライン全容積をVa、パージガスの
供給点からカソード電極の入口までの供給ライン全容積
をVcとしたとき、Wa<(Va/Vc)・Wcを満た
すように、アノード電極及びカソード電極にパージガス
を供給するとともに、燃料電池に電力消費手段を接続し
て余剰電力を消費させ、燃料電池の電池電圧が予め定め
た下限電圧になる電力消費手段を開離して燃料電池の発
電停止を行うものである。
【0023】請求項2の発明は、燃料電池への発電停止
指令があると燃料電池を外部負荷から遮断し、所定時間
のアノード電極へのパージガス流量をWa、同所定時間
のカソード電極へのパージガス流量をWcとするととも
に、パージガスの供給点からアノード電極入口までの供
給ライン全容積をVa、パージガスの供給点からカソー
ド電極の入口までの供給ライン全容積をVc、カソード
電極における溝部の酸素が除去された後に電圧変化の生
じる時間をTrとしたとき、Va・Wc/(2Vc+W
c・Tr)<Wa<Va・Wc/Vcを満たすように、
燃料電池のカソード電極及びアノード電極にパージガス
を供給すると共に、燃料電池に電力消費手段を接続して
余剰電力を消費させ、燃料電池の電池電圧が予め定めた
下限電圧になると電力消費手段を開離して燃料電池の発
電停止を行うようにしたものである。
【0024】請求項3の発明は、請求項2におけるカソ
ードにおける溝部の酸素が除去された後に電圧変化の生
じる時間Trは、10〜20秒としたものである。
【0025】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
におけるカソード電極のパージ流量は、カソード電極の
溝部を流れるガスの流速が200cm/分以上としたも
のである。
【0026】
【作用】これにより、アノード電極のパージ時間Taが
カソード電極のパージ時間Tcより長くなるようにアノ
ード電極のパージ流量Waとカソード電極のパージ流量
Wcが決定されることになるので、カソード電極パージ
時間Tcがアノード電極パージ時間Taより短くなる。
したがって、電力消費手段の投入により電極電圧が下限
電圧V1になった時点t1においてもアノード電極には
水素が確保されている。このことから、電力消費手段を
遮断した場合の電圧上昇の最大値に達した時点でもなお
水素濃度は高い状態を維持しているので、水素が欠乏す
ることを防止できる。また、この時点ではカソード電極
ではパージが完了しているので、アノード電極の水素が
電解質層を拡散してカソード電極に達し、カソード電極
の残存酸素がほぼ完全に消費され、カソード電位は時間
と共に低下することになる。したがって、電極電圧が高
電圧になることもない。
【0027】また、アノード電極のパージ流量Waをア
ノード電極パージ時間Taがカソード電極パージ時間T
cの2倍と所定時間Tr(たとえば、10秒から20
秒)との合計時間以上となるような流量に設定すると、
電力消費手段が遮断される時点においてアノード電極に
十分な水素が確保される。
【0028】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。まず、本発
明の第1の実施例では、燃料電池の発電停止指令がある
と、燃料電池を外部負荷から遮断する。これと同時に、
燃料電池のカソード電極への酸素の供給及びアノード電
極への水素の供給を停止する。そして、カソード電極及
びアノード電極に不活性ガスをそれぞれ供給して酸素及
び水素のパージを開始する。また、燃料電池に電力消費
手段を接続して燃料電池が発生する余剰電力を消費し、
燃料電池の電池電圧が予め定めた下限電圧になると、電
力消費手段を遮断して燃料電池を停止する。
【0029】この場合に、アノード電極のパージ流量W
aとカソード電極のパージ流量Wcとを次のような相互
関係で決定する。すなわち、アノード電極へのパージガ
ス流量をWa、カソード電極へのパージガス流量をW
c、パージガスの供給点からアノード電極入口までの全
容積をVa、パージガスの供給点からカソード電極の入
口までの全容積をVcとしたとき、Wa<(Va/V
c)・Wcを満たすように、アノード電極及びカソード
電極にそれぞれパージガスを供給する。
【0030】アノード電極の水素パージにおいて、アノ
ード電極の水素パージにかかるパージ時間Taは、パー
ジガスの供給弁から電池本体のアノード入口ガスマニホ
ールドまでの全容積つまりパージガスの供給点からアノ
ード電極入口までの全容積をVaとし、アノード電極の
パージガス流量をWaとすると、概ね(1)式で表わす
ことができる。
【0031】Ta=Va/Wa …(1) 一方、カソード電極の酸素パージについても同様にパー
ジ時間Tcは、概ね(2)式で表わすことができる。
【0032】Tc=Vc/Wc …(2) そこで、この第1の実施例では、Ta>Tcとなるよう
に、アノード電極及びカソード電極のパージガス流量を
設定する。すなわち、(1)式と(2)式とをTa>T
cに代入すると、次の(3)式が得られる。
【0033】Wa<(Va/Vc)・Wc …(3) この場合、アノード電極のパージガス流量は、電力消費
手段による電流を消費できる流量が最低流量であるの
で、その場合のアノード電極のパージガス流量をWaと
する。
【0034】これにより、アノード電極のパージ時間T
aがカソード電極のパージ時間Tcより長くなるように
アノード電極のパージ流量Waとカソード電極のパージ
流量Wcが決定されることになる。すなわち、カソード
電極のパージガス流量Wcは、カソード電極パージ時間
Tcがアノード電極パージ時間Taより短くなるように
(3)式で設定されることになる。
【0035】図1は、この第1の実施例による発電停止
方法を採用した場合の特性図である。すなわち、燃料電
池発の電発電停止時のアノード電極及びカソード電極の
水素濃度及び酸素濃度の経時的な特性曲線、及び電極電
圧特性曲線を示している。図1からわかるように、アノ
ード電極パージ時間Ta及びカソード電極パージ時間T
cは、水素及び酸素が完全に除去される以前となってい
る。これは、パージガスはパージガスが流れる配管や機
器等によりその流れが左右され、また、パージガスの一
部は水素や酸素と混合して排出されるからである。
【0036】図1に示すように、電力消費手段(ダミー
抵抗)の投入により電極電圧が下限電圧V1になった時
点t1、つまり電力消費手段が遮断された時点t1にお
いてもアノード電極には水素が確保されている。したが
って、電力消費手段を遮断した場合の電圧上昇の最大値
(以下、再上昇電圧という)に達した時点でもなお水素
濃度は高い状態を維持している。このことから、アノー
ド電極の水素が電解質層を拡散してカソード電極に達
し、カソード電極の酸素が消費され、カソード電位は時
間と共に低下することになる。
【0037】この第1の実施例によれば、アノード電極
のパージ流量とカソード電極のパージ流量を相互に関連
付けて決定したことにより、電力消費手段投入により流
れる電流で消費される水素量を十分に供給することがで
きるので、水素が欠乏することはない。また、十分な流
量の水素がアノード電極に供給されている状態で電力消
費手段による酸素の消費が完了する。
【0038】したがって、電力消費手段投入中に水素欠
乏状態となることを防止することができる。また、電力
消費手段を遮断した時点でアノード電極には水素が残存
しており、この残存水素によってカソード電極の酸素が
ほぼ完全に消費される。これにより、カソード電圧が時
間と共に低下し、十分低い電位に達し発電を停止するこ
とが可能となる。このように発電停止あるいは保管時に
おいて、カソード電圧を低く維持することができるの
で、触媒のシンタリング及び触媒層の濡れを抑制するこ
とができる。
【0039】次に本発明の第2の実施例を説明する。こ
の第2の実施例は、第1の実施例におけるアノード電極
のパージ流量Waとカソード電極のパージ流量Wcとの
相互関係を、下記の(4)式及び(5)式に示すような
相互関係で決定するようにしたものである。すなわち、
アノード電極パージ時間Taがカソード電極パージ時間
Tcより大きく、かつアノード電極パージ時間Taがカ
ソード電極パージ時間Tcの2倍と所定時間Tr との合
計時間を越えないように、アノード電極のパージ流量W
a及びカソード電極のパージ流量Wbを設定するもので
ある。
【0040】Tc<Ta<2Tc+Tr …(4) この(4)式に(1)式及び(2)式を代入すると、 Va・Wc/(2Vc+Wc・Tr)<Wa<Va・Wc/Vc …(5) この場合の所定時間Trは、カソード電極における溝部
の酸素が除去された後の電圧変化の生じる時間であり、
本発明の第2の実施例では10秒から20秒間とする。
【0041】この第2の実施例による発電停止方法で
は、アノード電極のパージ流量Waをアノード電極パー
ジ時間Taがカソード電極パージ時間Tcの2倍と所定
時間Tr(たとえば、10秒から20秒)との合計時間
以上となるような流量に設定するので、電力消費手段が
遮断される時点においてアノード電極に十分な水素が確
保される。以下にその根拠を説明する。
【0042】カソード電極を不活性ガスである窒素でパ
ージした場合のカソード電極に流入する酸素濃度変化を
シミュレーション計算すると、酸素濃度が1%以下に低
下するのは、カソードパージ時間Tcの約2倍の時間を
要する。
【0043】一方、小型電池を用いてカソード電極を不
活性ガスである窒素でパージしたときの電圧変化を測定
すると、電極電圧は図2に示すように約10秒から20
秒で下限電圧の0.5Vに低下する。小型電池を用いた
試験におけるパージ時間は、約1秒程度であるので、こ
の約10秒から20秒の時間は、カソード電極の溝部に
おける酸素が除去された後の電圧変化時間とみなせる。
つまり、シミュレーション計算では、カソード電極に流
入する酸素濃度が1%以下になった状態とほぼ等しいと
考えられる。したがって、電力消費手段の投入時間はカ
ソード電極パージ時間Taの2倍に所定時間Trとして
この10秒から20秒を加えた時間に設定することが適
切であることになる。
【0044】なお、所定時間Trは、電力消費手段に流
れる電流密度に依存する。通常の燃料電池では、電力消
費手段に流れる電流が5〜10mA/cm2 程度となる
ように抵抗値を設定しているので、この場合の所定時間
Trの10〜20秒は、この電流密度の範囲にほぼ相当
するものである。つまり、電流密度がこの範囲から外れ
ると所定時間Trも変更することになる。
【0045】図3は、この第2の実施例による発電停止
方法を採用した場合の特性図である。すなわち、燃料電
池の発電停止時のアノード電極及びカソード電極の水素
濃度及び酸素濃度の経時的な特性曲線、及び電極電圧特
性曲線を示している。図3からわかるように、電力消費
手段(ダミー抵抗)の投入により電極電圧が下限電圧V
1になった時点t1、つまり電力消費手段が遮断された
時点t1においてもアノード電極には水素が少なからず
残っており、アノード電極には再上昇電圧に達した時点
でもなお水素はいくぶん残っている。
【0046】したがって、アノード電極の水素は電解質
層を拡散したカソード電極に達し、カソード電極に残存
する酸素が消費される。この残存酸素は極少量なのでカ
ソード電圧は時間と共に低下する。なお、アノード電極
の水素がカソード電極の酸素を消費する量は水素濃度が
高いほど多いので、第1の実施例に比べてこの第2の実
施例ではカソード電圧の低下は遅くなる。
【0047】この第2の実施例では、第1の実施例の効
果に加え、アノード電極のパージ流量についてその上限
値を設けたので、電力消費手段によって酸素を十分に消
費する前に、水素不足状態にならないようにすることが
できる。したがって、電力消費手段投入中に水素欠乏状
態となることを防止できる。
【0048】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
この第3の実施例は、第1の実施例及び第2の実施例に
おけるカソード電極のパージ流量Wcの流速を、カソー
ド電極の溝に流れる流速が200cm/分となるように
したものである。
【0049】図4に、小型電池を用いて、カソード電極
溝部のガス流速と再上昇電圧つまり電力消費手段を遮断
した場合の電圧上昇の最大値との関係を求めた結果を示
す。一般に、電力消費手段投入時の電流は、5〜10m
A/cm2 程度に制御される。電流が大きいほど再上昇
電圧が大きくなることが図4からわかる。したがって、
再上昇電圧を確実に0.75V以下に抑制するには、電
流条件の厳しい10mA/cm2 に基づいて、ガス流速
として200cm/分以上とすることにより、電力消費
手段遮断後の上昇電圧を確実に0.75V/セル以下に
抑制することができる。
【0050】図5は、この第3の実施例による発電停止
方法を採用した場合の特性図である。すなわち、燃料電
池の発電停止時のアノード電極及びカソード電極の水素
濃度及び酸素濃度の経時的な特性曲線、及び電極電圧特
性曲線を示している。図5からわかるように、電力消費
手段(ダミー抵抗)が遮断された時点t2で、アノード
電極には水素が相当量残っており、再上昇電圧に達した
時点でもなお水素は確保されている。したがって、アノ
ード電極の水素が電解質層を拡散してカソード電極に達
するので、カソード電極の残存酸素が消費され、カソー
ド電圧は時間と共に低下する。この場合、カソード電極
のパージ流量Wcの流速を200cm/分以上としてい
るので、電力消費手段遮断後の再上昇電圧は0.75V
以下となる。
【0051】この第3の実施例によれば、第1の実施例
又は第2の実施例の効果に加え、電力消費手段遮断後の
再上昇電圧が0.75V以下に確実に抑制することが可
能となる。したがって、燃料電池の発電停止時におい
て、燃料電池の特性低下を抑制することができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、燃料電池
の発電停止にあたり、アノード電極パージ時間がカソー
ド電極パージ時間よりも長くなるように、それぞれの電
極のパージ流量を相互に関係付けて、電力消費手段によ
るカソード電極の酸素の消費が十分に行われた後にアノ
ード電極の水素のパージを完了するようにしたので、電
力消費手段投入中に水素欠乏となることを防止できる。
【0053】また、アノード電極のパージ時間がカソー
ド電極パージ時間の2倍と所定時間との合計時間を越え
るようにしたので、電力消費手段投入中の水素欠乏を確
実に防止できる。さらに、カソード電極のパージ流量は
カソード電極の溝を流れる流速が200cm/分以上と
なるようにすることにより、電力消費手段遮断後の電圧
を確実に0.75V以下に抑制できる。
【0054】これにより、発電停止後の降温過程や保管
時において触媒の劣化や触媒層の濡れを抑制することが
できる。また、起動や停止における燃料電池特性の低下
を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による発電停止方法を採
用した場合の特性図。
【図2】本発明の第2の実施例における所定時間の説明
図。
【図3】本発明の第2の実施例による発電停止方法を採
用した場合の特性図。
【図4】本発明の第3の実施例におけるガス流速の説明
図。
【図5】本発明の第3の実施例による発電停止方法を採
用した場合の特性図。
【図6】リン酸型燃料電池の概略構成図。
【図7】従来のリン酸型燃料電池発電プラントの発電停
止方法を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1 燃料電池本体 2 アノード電極 3 カソード電極 4 改質器 5 アノード入口流量弁 6 カソード入口流量弁 7 アノード出口リン酸吸着器 8 アノード出口凝縮器 9 改質器バーナー 10 カソード出口リン酸吸着器 11 カソード出口凝縮器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池への発電停止指令があると前記
    燃料電池を外部負荷から遮断し、前記燃料電池のカソー
    ド電極及び前記アノード電極にパージガスを供給すると
    共に、前記燃料電池に電力消費手段を接続して余剰電力
    を消費させ、前記燃料電池の電池電圧が予め定めた下限
    電圧になると電力消費手段を開離して燃料電池の発電停
    止を行う燃料電池の発電停止方法において、所定時間の
    前記アノード電極へのパージガス流量をWa、同所定時
    間の前記カソード電極へのパージガス流量をWcとする
    とともに、前記パージガスの供給点から前記アノード電
    極入口までの供給ライン全容積をVa、前記パージガス
    の供給点から前記カソード電極の入口までの供給ライン
    全容積をVcとしたとき、Wa<(Va/Vc)・Wc
    を満たすように、前記アノード電極及び前記カソード電
    極に前記パージガスを供給するようにしたことを特徴と
    する燃料電池の発電停止方法。
  2. 【請求項2】 燃料電池への発電停止指令があると前記
    燃料電池を外部負荷から遮断し、前記燃料電池のカソー
    ド電極及び前記アノード電極にパージガスを供給すると
    共に、前記燃料電池に電力消費手段を接続して余剰電力
    を消費させ、前記燃料電池の電池電圧が予め定めた下限
    電圧になると電力消費手段を開離して燃料電池の発電停
    止を行う燃料電池の発電停止方法において、所定時間の
    前記アノード電極へのパージガス流量をWa、同所定時
    間の前記カソード電極へのパージガス流量をWcとする
    とともに、前記パージガスの供給点から前記アノード電
    極入口までの供給ライン全容積をVa、前記パージガス
    の供給点から前記カソード電極の入口までの供給ライン
    全容積をVc、前記カソード電極における溝部の酸素が
    除去された後に電圧変化の生じる時間をTrとしたと
    き、 Va・Wc/(2Vc+Wc・Tr)<Wa<Va・W
    c/Vc を満たすように、前記アノード電極及び前記カソード電
    極に前記パージガスを供給するようにしたことを特徴と
    する燃料電池の発電停止方法。
  3. 【請求項3】 前記カソードにおける溝部の酸素が除去
    された後に電圧変化の生じる時間Trは、10〜20秒
    であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池の発
    電停止方法。
  4. 【請求項4】 前記カソード電極のパージ流量は、カソ
    ード電極の溝部を流れるガスの流速が200cm/分以
    上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載
    の燃料電池の発電停止方法。
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