JPH08248872A - 運転模擬試験装置 - Google Patents

運転模擬試験装置

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JPH08248872A
JPH08248872A JP4820095A JP4820095A JPH08248872A JP H08248872 A JPH08248872 A JP H08248872A JP 4820095 A JP4820095 A JP 4820095A JP 4820095 A JP4820095 A JP 4820095A JP H08248872 A JPH08248872 A JP H08248872A
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rocking
driver
swing
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acceleration
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JP4820095A
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English (en)
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Masami Aga
正己 阿賀
Fumihiro Ushijima
溥三宏 牛島
Yohei Tanaka
洋平 田中
Yutaka Koizumi
豊 小泉
Katsumi Nakajima
勝己 中嶋
Tomoyuki Takahashi
知之 高橋
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 揺動台の可動範囲が狭くなることなく、運転
者に不快感を与えることを防止又は軽減する。 【構成】 揺動テーブル40、支持プレート46、上側台板
52から成り、ドーム42が取付けられると共に車両モデル
44が設置された揺動台を、該揺動台にユニバーサルジョ
イント56を介して上端部が各々連結された複数の油圧シ
リンダ36を伸縮させることにより揺動させる運転模擬試
験装置において、油圧シリンダ36の上端部取付位置と同
じ高さ(揺動台の可動範囲が最も広くなる)とされた揺
動基準点Qと、車両モデル44の運転席に着座した運転
者の頭部に対応する高さとされた揺動基準点Rを設定
し、揺動台を揺動させることで模擬すべき加速度の変化
速度が高くなるに従って揺動基準点Rとの距離が小さく
なるように揺動中心点の位置を演算し、該揺動中心点を
揺動中心として揺動台を揺動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は運転模擬試験装置に係
り、特に、模擬運転席及び操作部が設置された揺動台
を、該模擬運転席に着座した運転者の運転操作に応じて
揺動装置により揺動させる運転模擬試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、運転者の訓練や自動車の研究
開発等を支援するための装置としてドライビングシミュ
レータが知られている。ドライビングシミュレータは、
運転者が着座する模擬運転席、模擬運転席が設置された
揺動台を揺動させる揺動装置、映像を表示する表示装
置、音を発生する音響装置等を備えており、模擬運転席
に着座した運転者の運転操作に基づいて該運転操作に従
って走行する仮想的な車両の状態(車両に加わる加速
度、運転者の視界、運転者に聴取される音等)を判断
し、揺動装置により揺動台を揺動させることによって車
両に加わる加速度等を模擬させ、表示装置により運転者
の視界に相当する模擬視界映像を表示させ、音響装置よ
り運転者に聴取される走行音等を模擬した音を発生させ
る等によって、実際の車両を運転している感覚に近い感
覚を運転者に与えるものである。
【0003】ドライビングシミュレータでは自車両が予
め設定された模擬走行路を走行しているものとして模擬
視界映像を生成するが、任意の状況の模擬走行路を予め
設定しておき、自車両がこの模擬走行路を走行している
ものとして模擬視界映像を生成、表示することにより、
例えば交差点の通過、高速道路の走行等の任意の状況に
おける運転操作を模擬することができ、特に実際には行
うことが困難な、危険を伴う状況(例えば他車両や歩行
者との接触の危険がある状況)での試験や訓練を安全に
かつ繰り返し行うことが可能となる。
【0004】ところで、前記揺動装置としては従来より
種々の構成のものが提案されているが、一例として特開
昭 61-194465号公報には、揺動台の下面にジョイントを
介して6本の油圧シリンダの上端部を各々連結して各油
圧シリンダにより共働して揺動台を支持し、各油圧シリ
ンダの駆動を各々制御することにより揺動台を6自由度
で揺動できるようにした揺動装置が示されている。この
ような構成の揺動装置では、油圧シリンダの上端のジョ
イント部近傍を揺動中心(支点)として揺動台を揺動さ
せ、油圧シリンダのストロークに対する揺動台の可動範
囲を広くするようにしている。
【0005】一般に、航空機では離着陸時に機体に大き
な加速度が加わるものの、加速度の変化は緩やかであ
る。このため、航空機の離着陸等の操縦を訓練するため
のフライトシミュレータでは、緩やかな加速度変化を模
擬できればよい。これに対し車両では、特に減速時に車
両に加わる加速度が大きくかつ急速に変化すると共に、
ピッチ運動、ロール運動、ヨー運動が同時に発生する複
雑な挙動を示す。ドライビングシミュレータは、急制動
等の運転操作が必要となる危険を伴う状況も再現する必
要があり、フライトシミュレータと比較して模擬すべき
加速度変化の範囲が広く、かつ上記のような複雑な挙動
を模擬できることが求められるので、前述のように揺動
台の可動範囲を広くすることは非常に重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
車両で制動等を行った際に生ずる揺動(例えばピッチ運
動等)の中心は、車両の重心位置にほぼ一致し、この点
は運転者の近傍に存在するのに対し、前記揺動装置が揺
動台を揺動させる際の揺動中心の位置は、模擬運転席に
着座している運転者から見て車両の重心位置に相当する
位置とは大きく異なっている。このため前記揺動装置に
より特に車両の減速を模擬するために、前記揺動中心を
支点としてピッチ運動(車両左右方向に沿った軸回りの
揺動)を生じさせると、運転者が実際より大きなピッチ
運動を感じることにより運転者に違和感が生じ、所謂シ
ミュレータ酔いを催す等のように運転者が不快感を感ず
ることがあった。
【0007】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、揺動台の可動範囲が狭くなることなく、運転者に不
快感を与えることを防止又は軽減することが可能な運転
模擬試験装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、運転者が着座する模擬運転席
及び該模擬運転席に着座した運転者が運転操作を行うた
めの操作部が少なくとも設置された揺動台と、前記揺動
台を揺動させると共に、前記揺動における揺動中心の位
置を変更可能な揺動装置と、前記運転者の運転操作に基
づいて該運転操作により加わる仮想的な加速度を演算
し、前記演算した加速度が模擬されるように前記揺動装
置により所定の揺動中心点を揺動中心として前記揺動台
を揺動させる制御手段と、前記演算された加速度の変化
に応じて模擬運転席に着座している運転者と前記揺動中
心点との距離が変化するように揺動中心点の位置を変更
する揺動中心変更手段と、を含んで構成している。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、揺動中心変更手段は、前記演算された加速
度の変化速度が所定値以上の場合に前記揺動中心点と模
擬運転席に着座している運転者との距離が小さくなるよ
うに揺動中心点の位置を変更することを特徴としてい
る。
【0010】
【作用】従来の運転模擬試験装置において運転者が感ず
るシミュレータ酔い等の不快感は、揺動装置による揺動
の中心が運転者の位置と大きく異なるために生じ、運転
者が感ずる不快感の大きさは模擬すべき加速度の変化に
応じて変化する。
【0011】このため請求項1記載の発明では、運転者
が着座する模擬運転席及び該模擬運転席に着座した運転
者が運転操作を行うための操作部が少なくとも設置され
た揺動台を、揺動中心の位置を変更可能な揺動装置によ
って揺動させるようにしている。なお、揺動中心の位置
を変更可能な揺動装置としては、例えば前述したように
油圧シリンダ等の複数のアクチュエータにより揺動台を
揺動させる構成の揺動装置を適用することができる。
【0012】また、模擬運転席に着座した運転者が操作
部を介して運転操作を行うと、制御手段では前記運転操
作に基づいて、前記運転操作により加わる仮想的な加速
度(例えば模擬する対象が車両の場合は運転者による車
両の運転操作により走行する仮想的な車両に加わる加速
度)を演算し、演算した加速度が模擬されるように揺動
装置により所定の揺動中心点を揺動中心として揺動台を
揺動させる。また揺動中心変更手段では、演算された加
速度の変化に応じて模擬運転席に着座している運転者と
揺動中心点との距離が変化するように揺動中心点の位置
を変更する。
【0013】上記により、例えば前記加速度が大きくな
るに従って揺動基準位置と運転者との距離が小さくなる
ように揺動基準位置の座標を変更する等により、特に運
転者に大きく不快感を与え易い状況において、揺動中心
を運転者の位置に近づけることができ、運転者に不快感
を与えることを防止又は軽減することが可能となる。ま
た、運転者に不快感を与える可能性の低い状況では、揺
動中心を従来通りに運転者から離間させる(例えば揺動
台付近の所定位置を揺動中心とする)ようにすること
で、揺動台の可動範囲が狭くなることも回避できる。
【0014】ところで、運転者が感ずる不快感の大きさ
は運転模擬試験装置で模擬すべき加速度の変化に応じて
変化するが、特に模擬すべき加速度の変化が速い場合、
すなわち揺動台を高速で揺動させた場合に大きな不快感
を感じ、シミュレータ酔いを催し易いことが、本願発明
者等の実験により明らかとなった。このため請求項2記
載の発明では、揺動中心変更手段が、演算された加速度
の変化速度が所定値以上の場合に模擬運転席に着座して
いる運転者と揺動中心点との距離が小さくなるように揺
動中心点の位置を変更するようにしている。これによ
り、運転者にシミュレータ酔い等の不快感を与えること
を、より確実に防止又は減少させることができる。
【0015】なお、人体に加わる加速度等を検知し平衡
感覚を司る器官は頭部(内耳)に存在しているので、加
速度変化の大きさが特に大きい場合には、模擬運転席に
着座している運転者の頭部に相当する位置を揺動基準位
置(揺動中心)として揺動させることが好ましい。この
場合の揺動中心の位置は、模擬する対象を車両としたと
きの実際の揺動の中心の位置とは若干異なることになる
が、揺動台が運転者の頭部を揺動中心として揺動するの
で運転者の平衡感覚を乱すことを防止でき、運転者にシ
ミュレータ酔い等の不快感を与えることをより確実に防
止できる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照し本発明の実施例を詳細に
説明する。図1には、本実施例に係る運転模擬試験装置
10が示されている。
【0017】運転模擬試験装置10は、模擬運転席(後
述)に着座した運転者によって操作されるシフトレバ
ー、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキ
ペダルを含んで構成された操作部12を備えている。操
作部12の出力端には車両運動演算コンピュータ14及
びメータ16が接続されている。操作部12は、シフト
レバーの位置(シフトポジション)、前記運転者による
ステアリングホイール、アクセルペダル及びブレーキペ
ダルの操作量を各々検出する複数のセンサを備えてお
り、各センサによる検出結果を運転操作情報として車両
運動演算コンピュータ14に出力する。なお、シフトポ
ジションの検出結果を表す情報についてはメータ16に
も出力される。
【0018】車両運動演算コンピュータ14では、操作
部12より入力された運転操作情報及び後述する画像コ
ンピュータ20から入力される模擬走行路の環境情報
(路面勾配、路面の凹凸、路面摩擦係数等)に基づい
て、運転者の運転操作により模擬走行路を走行する仮想
的な車両の運動状態(車両に加わる前後加速度Ax、横
加速度Ay、ピッチ角θx、ロール角θy、ヨー角θ
z、車速V、エンジン回転数n等)を演算する。車両運
動演算コンピュータ14にはメータ16が接続されてお
り、メータ16には前記車両運動情報のうち車速Vとエ
ンジン回転数nが出力される。メータ16では、入力さ
れた車速V、エンジン回転数nに応じてスピードメー
タ、タコメータを駆動すると共に、操作部12から入力
されたシフトポジションに従ってシフトポジションイン
ジケータに現在のシフトポジションを表示する。
【0019】また車両運動演算コンピュータ14は、前
記演算した仮想的な車両の状態を表す各種情報(以下、
これらを車両運動情報と総称する)に基づき、前記仮想
的な車両においてシフトレバー、ステアリングホイー
ル、アクセルペダル及びブレーキペダルを介して運転者
が体感する操作反力を推定演算する。そして、演算した
操作反力を反力制御情報として操作反力制御部18に出
力する。操作部12には実際の車両においてシフトレバ
ー、ステアリングホイール、アクセルペダル及びブレー
キペダルを介して運転者が体感する操作反力を模擬する
ための反力発生装置(図示省略)が設けられており、操
作反力制御部18は、入力された反力制御情報に基づい
て、反力発生装置で発生される操作反力の大きさを制御
する。
【0020】車両運動演算コンピュータ14には画像コ
ンピュータ20が接続されており、この画像コンピュー
タ20には前記車両運動情報が入力される。また画像コ
ンピュータ20には、前記仮想的な車両が走行する模擬
走行路に関する情報(前述の環境情報を含む)を記憶し
た地形データベース22が接続されている。画像コンピ
ュータ20では、入力された車両運動情報に基づいて模
擬走行路上における前記仮想的な車両の位置を演算す
る。また画像コンピュータ20は、模擬走行路上に他車
両、歩行者等の移動体を発生させる必要が有るか否かを
予め設定された情報に基づいて判断し、移動体を発生さ
せる必要が有れば該移動体の位置を演算する。
【0021】画像コンピュータ20は、前記演算した模
擬走行路上における前記仮想的な車両(及び移動体)の
位置、模擬走行路に関する情報を、画像コンピュータ2
0に接続された模擬視野画像ジェネレータ24に出力す
る。模擬視野画像ジェネレータ24は前記入力された情
報に基づいて、前記仮想的な車両の運転席に着座した運
転者の視界を模擬した模擬視野画像を表す画像データを
生成し、模擬視野画像ジェネレータ24に接続されたプ
ロジェクタ26に出力する。プロジェクタ26は、前記
入力された画像データが表す模擬視野画像をスクリーン
(後述)に投影表示する。
【0022】また画像コンピュータ20は、地形データ
ベース22に記憶されている模擬走行路に関する情報の
うち模擬走行路上において前記仮想的な車両が位置して
いる部分についての環境情報を、前述したように車両運
動情報コンピュータ14に出力するが、この環境情報は
画像コンピュータ20に接続されたサウンドコンピュー
タ28にも出力される。サウンドコンピュータ28は車
両運動演算コンピュータ14にも接続されており、車両
運動演算コンピュータ14からは前記仮想的な車両の車
速Vが入力される。サウンドコンピュータ28では入力
された情報に基づいて、実際の車両の運転席に着座した
運転者に聴取される音(排気音、エンジン音、風切音、
ロードノイズ等)を推定演算し、演算した音を合成生成
する。サウンドコンピュータ28にはスピーカ30が接
続されており、前記合成生成された音はスピーカ30か
ら出力される。
【0023】また、車両運動演算コンピュータ14には
モーションコンピュータ32も接続されており、このモ
ーションコンピュータ32にも車両運動情報が出力され
る。モーションコンピュータ32の詳細な構成について
は後述するが、入力された車両運動情報に基づいて、前
記模擬運転席、操作部12、スクリーン等が設けられた
揺動台(後述)を揺動させるための油圧シリンダの目標
シリンダ長さを演算し、油圧制御部34へ出力する。油
圧制御部34では入力された目標シリンダ長さに基づい
て油圧シリンダ36に供給する作動油の油圧を制御す
る。これにより、油圧シリンダ36は前記目標シリンダ
長さに一致するように伸縮される。なお、車両運動コン
ピュータ14及びモーションコンピュータ32は本発明
の制御手段を構成しており、油圧制御部34及び油圧シ
リンダ36は本発明の揺動装置を構成している。
【0024】次に揺動台及びその駆動機構について説明
する。図2及び図3に示すように、揺動台の一部を構成
する揺動テーブル40の上部にはドーム42が取付けら
れている。ドーム42の内部には車両モデル(カットモ
デル)44が設置されており、運転者が着座する模擬運
転席、操作部12の一部を構成するシフトレバー、ステ
アリングホイール、アクセルペダル及びブレーキペダル
は車両モデル44の内部に各々配設されている。またド
ーム42内部の上方側には、前述したプロジェクタ26
が複数台設けられている。プロジェクタ26は、ドーム
42の内壁をスクリーンとして前述の模擬視野画像を投
影表示する。
【0025】揺動テーブル40の下方には支持プレート
46が配置されている。図4に示すように、支持プレー
ト46の上面には、中央部にリングレール46Aが形成
されており、リングレール46Aの周囲には、図示しな
いエア供給源からエアが供給されることにより作動する
フリーベアリングユニット50が複数設けられている。
また揺動テーブル40の下面には、中央部に前記リング
レール46Aに対応するリング状の溝40Aが形成され
ており、溝40A内には、その円周方向に沿って複数箇
所にユニットベアリング48が設けられている。
【0026】揺動テーブル40と支持プレート46と
は、互いに組み付けられた状態で、支持プレート46の
リングレール46Aが溝40Aの内部に入り込むので、
揺動テーブル40は支持プレート46に対して回転可能
に支持される。揺動テーブル40は、ドーム42内部に
車両モデル44を搬入する際に、支持プレート46に対
して手動により回転されるが、このときにはフリーベア
リングユニット50にエアが供給され、揺動テーブル4
0が支持プレート46に対して僅かにフロートした状態
とされるので、揺動テーブル40の回転を非常に小さな
操作力で行うことが可能となる。なお揺動テーブル40
を旋回駆動する駆動装置を設け、車両挙動を模擬するた
めに補助的に(詳しくは油圧シリンダ36による揺動台
の揺動(ヨー軸回りの旋回)の補助として)揺動テーブ
ル40を旋回駆動するようにしてもよい。
【0027】また、支持プレート46の下面には上側台
板52が固着されており、この上側台板52の下方には
所定間隔隔てて下側台板58が配置されている。なお、
上側台板52、支持プレート46及び揺動テーブル40
は本発明の揺動台を構成している(以下、これらを総称
する場合には「揺動台」という)。上側台板52及び下
側台板58は各々外形が略三角形状とされているもの
の、大きさは上側台板52の方が若干小さく、かつ前記
略三角形状の三角形の向きが略180°異なっている。
また上側台板52と下側台板58との間には、6本の油
圧シリンダ36が配設されている。
【0028】上側台板52の下面には、前記三角形の3
個の頂点に対応する位置に各々ブラケット54が取付け
られており(図2、図3も参照)、各ブラケット54に
は、各々ユニバーサルジョイント56を介して2本の油
圧シリンダ36の上端部が各々取付けられている。また
下側台板58についても、前記三角形の3個の頂点に対
応する位置が油圧シリンダ36の下端部の取付位置とさ
れている。各油圧シリンダ36は、同一のブラケット5
4に取付けられた2本の油圧シリンダ36と下側台板5
8の上面とによって三角形が形成されるように、各々の
下端部が、上端部取付位置に対して斜め下方に存在する
下側台板58側の取付位置に、各々ユニバーサルジョイ
ント60を介して取付けられている。
【0029】上記構成により、モーションコンピュータ
32によって油圧制御部34を介して6本の油圧シリン
ダ36が伸縮されると、図5に想像線でも示すように、
揺動台及びドーム42は一体となって揺動される。な
お、前述のように上側台板52の大きさは下側台板58
よりも若干小さくされているので、上側台板52側にお
いて各油圧シリンダ36の取付位置を頂点とする三角形
は、下側台板58側において各油圧シリンダ36の取付
位置を頂点とする三角形に対しての大きさが小さく、か
つ相似している。
【0030】また図5に示すように、上側台板52と下
側台板58との間には、フレキシブルホース72が配設
されている。フレキシブルホース72は、内部に複数の
ハーネス(電源線及び信号線)を収容しており、ハーネ
スを介して揺動台側への電力の供給や各種信号の送受が
行われる。
【0031】図4に示すように、下側台板58の下方に
は、前記ドーム42の内部に設置された車両モデル44
の幅方向に沿って、一対のレール62が互いに平行に配
設されている。下側台板58には前記一対のレール62
に対応して複数のリニアガイド64が取付けられてお
り、下側台板58はレール62に沿って摺動可能とされ
ている。また、一対のレール62の間には、レール62
に平行にボールスクリュ66が配設されている。ボール
スクリュ66の両端にはモータ68の駆動軸が連結され
ており、ボールスクリュ66はモータ68の駆動力が伝
達されて回転される。下側台板58には、このボールス
クリュ66に対応してブラケット70が取付けられてい
る。
【0032】ブラケット70には、前記ボールスクリュ
66に対応して円孔が設けられており、この円孔の内壁
には、前記ボールスクリュ66に形成された雄ねじと螺
合する雌ねじが形成されている。従って、ボールスクリ
ュ66が回転されると、下側台板58はボールスクリュ
66の回転方向に応じて、レール62に沿って図4矢印
A方向又は矢印B方向(車両モデル44の幅方向)に並
進移動される。ボールスクリュ66の回転は、モーショ
ンコンピュータ32の演算部112(後述)から出力さ
れる信号に従って制御される。ボールスクリュ66によ
る並進移動は、油圧シリンダ36による揺動台の移動
(詳しくは車両モデル44の幅方向に沿った並進移動)
を補助するために行なわれる。
【0033】図5に示すように、下側台板58には一対
のケーブルベア74の一端が各々取付けられており、ケ
ーブルベア74の他端は床面76に各々固定されてい
る。ケーブルベア74の内部には油圧ホースやハーネス
が収容されており、油圧シリンダ36作動用の油圧や電
力が下側台板58に伝達されると共に、各種信号の送受
が行われる。
【0034】次に本実施例の作用として、まず図6を参
照し、モーションコンピュータ32で行われる処理につ
いて説明する。なお、図6はモーションコンピュータ3
2で行われる処理を機能毎にブロックに分けて示したも
のである。車両運動演算コンピュータ14からは車両運
動情報として、仮想的な車両の前後加速度Ax、横加速
度Ay、ピッチ角θx、ロール角θy、ヨー角θzがモ
ーションコンピュータ32に出力され、これらのデータ
はモーションコンピュータ32のモーションアルゴリズ
ム演算ブロックに入力される。
【0035】本実施例に係る運転模擬試験装置では、車
両運動情報に基づいて油圧シリンダ36の伸縮により揺
動台を揺動させる(より詳しくは、床面76に平行な平
面に沿って車両モデル44の前後方向及び左右方向に揺
動台を移動(並進移動)させると共に、車両モデル44
のピッチ軸、ロール軸、ヨー軸(図8参照)回りに揺動
台を傾動させる)ことにより、仮想的な車両の挙動を模
擬する。前述のモーションアルゴリズム演算ブロックで
は、入力された車両運動情報に基づいて、揺動台に加え
るべき前後加速度、横加速度及び、揺動台を揺動させる
角度(ティルト角:具体的にはピッチ角、ロール角)及
びヨー角を演算する。
【0036】すなわちモーションアルゴリズム演算ブロ
ックでは、まずスケーリング部80A〜80Eにおい
て、前記入力された前後加速度Ax、横加速度Ay、ピ
ッチ角θx、ロール角θy、ヨー角θzに対し、最大値
が各々一定値となるように値を規格化する(スケーリン
グダウンする)。なお、規格化された前後加速度Aα、
横加速度Aβは、後述する演算部112における演算に
用いられる。スケーリング部80A〜80Eで各々規格
化されたデータはハイパスフィルタ82A〜82Eに入
力される。
【0037】ハイパスフィルタ82Aでは揺動台の並進
移動で模擬すべき前後加速度ax として、前後加速度A
αから高周波成分(瞬間的に変化する成分)を抽出し、
リミッタ84A及び減算部86Aに出力する。減算部8
6Aは前後加速度Aαからハイパスフィルタ82Aの出
力を減算し、加速度−角度変換部88Aに出力する。こ
れにより前後加速度Aαは、揺動台の並進移動で模擬す
べき瞬間的に変化する成分(ハイパスフィルタ82Aの
出力)と、揺動台の傾動で模擬すべき定常的な成分(減
算部86Aの出力)とに分離される。またリミッタ84
Aは、揺動台の並進移動で模擬すべき前後加速度の値が
過大となることによる油圧シリンダ36のオーバトラベ
ルを防止するために、その時々の前後速度Vx の大きさ
に応じてその値を圧縮して出力する。
【0038】またハイパスフィルタ82Bは、揺動台の
並進移動で模擬すべき横加速度aYとして、横加速度A
βから高周波成分を抽出し、リミッタ84B及び減算部
86Bに出力する。減算部86Bでは横加速度Aβから
ハイパスフィルタ82Bの出力を減算し、加速度−角度
変換部88Bに出力する。上記により横加速度Aβにつ
いても、揺動台の並進移動で模擬すべき瞬間的に変化す
る成分(ハイパスフィルタ82Bの出力)と定常的な成
分(減算部86Bの出力)とに分離される。またリミッ
タ84Bは、揺動台の並進移動で模擬すべき横加速度の
値が過大となることによる油圧シリンダ36のオーバト
ラベルを防止するために、その時々の横速度VY の大き
さに応じてその値を圧縮して出力する。
【0039】加速度−角度変換部88A、88Bでは、
入力された定常的な加速度成分を予め定められた逆三角
関数に従ってティルト角に変換し、加算部90A、90
Bに各々出力する。一方、ハイパスフィルタ82C〜8
2Eでは、揺動台の傾動で模擬すべきピッチ角、ロール
角、ヨー角として、スケーリング部80C〜80Eで規
格化されたピッチ角、ロール角、ヨー角から各々高周波
成分を抽出し、ハイパスフィルタ82C、82Dは加算
部90A、90Bに、ハイパスフィルタ82Eはリミッ
タ84Eに各々出力する。
【0040】加算部90Aではハイパスフィルタ82C
の出力と加速度−角度変換部88Aの出力とを加算し、
リミッタ84Cに出力する。また加算部90Bでは、ハ
イパスフィルタ82Dの出力と加速度−角度変換部88
Bの出力とを加算し、リミッタ84Dに出力する。これ
により、前後加速度Aαから分離された定常的な成分を
表すティルト角はピッチ角に付加され、横加速度Aβか
ら分離された定常的な成分を表すティルト角はロール角
に付加されることになる。
【0041】リミッタ84C〜84Eは、揺動台の傾動
が過大となることによる油圧シリンダ36のオーバトラ
ベルを防止するために、各々その時々のピッチ角速度ω
x 、ロール角速度ωY 、ヨー角速度ωZ の大きさに応じ
てその値を圧縮する。リミッタ84C、84Dの出力
は、各々目標ピッチ角θxref、目標ロール角θyrefとし
て演算部112に入力される。なお、ハイパスフィルタ
82C〜82Eによって除去されたピッチ角、ロール
角、ヨー角の定常的な成分は、該定常的な成分に応じて
模擬視野画像を変更する(例えば模擬視野画像を傾け
る)ことにより表現される。
【0042】一方、リミッタ84Aから出力された前後
加速度ax は、積分演算ブロックの積分演算部92Aに
入力され、前後並進移動速度Vx に変換された後にリミ
ッタ94Aに入力され、油圧シリンダ36のオーバトラ
ベルを防止するために前後並進移動変位量Xの大きさに
応じて値が圧縮され、更に積分演算部96Aに入力され
て前後並進移動変位量(前後方向変位量)Xに変換され
てウオッシュアウト演算ブロックに出力される。また、
リミッタ84Bから出力された横加速度aY は、積分演
算ブロックの積分演算部92Bに入力され、横並進移動
速度VY に変換された後にリミッタ94Bに入力され、
油圧シリンダ36のオーバトラベルを防止するために横
並進移動変位量Yの大きさに応じて値が圧縮され、更に
積分演算部96Bに入力されて横並進移動変位量(横方
向変位量)Yに変換されてウオッシュアウト演算ブロッ
クに出力される。
【0043】ウオッシュアウト演算ブロックは、揺動台
に対し同一方向への並進移動や傾動が繰り返された場合
に、揺動台が可動範囲の境界に対応する位置に到達し揺
動台の揺動を行えなくなることを防止するために、揺動
台を運転者に感知されない程度に緩やかに初期位置に復
帰させる成分を付加するものである。前記初期位置に復
帰させる成分の演算はウオッシュアウト演算部98A〜
98Cで行われ、演算された前記初期位置に復帰させる
成分は、各々加算部100A〜100Cによって前後方
向変位量、横方向変位量、目標ヨー角に付加されて、各
々前後方向目標位置Xref 、横方向目標位置Yref 及び
目標ヨー角θzrefとして演算部112に出力される。
【0044】なお、ウオッシュアウト演算ブロックは積
分演算部106を備えており、積分演算部106は車両
運動演算コンピュータ14から入力された前後加速度A
xを積分して車速Vxを演算し、マップ108では前記
演算された車速Vxに応じた目標位置Xを導出する。ウ
オッシュアウト演算部98Aは、減算部110で演算さ
れた、前記目標位置Xと積分演算部96Aから出力され
た前後方向変位量との偏差に基づいて、前記目標位置X
へ復帰させる成分の演算を行う。
【0045】なお横方向変位量については、0指令部1
02Aから揺動台の初期位置における横方向位置が出力
され、ウオッシュアウト演算部98Bでは、減算部10
4Aで演算された前記初期位置における横方向位置と、
積分演算部96Bから出力された横方向変位量との偏差
に応じて前記初期位置に復帰させる成分を演算する。ま
た目標ヨー角についても同様に、0指令部102Bから
揺動台の初期位置におけるヨー角が出力され、ウオッシ
ュアウト演算部98Cでは、減算部104Bで演算され
た前記初期位置におけるヨー角と、リミッタ84Eから
出力された目標ヨー角との偏差に応じて前記初期位置に
復帰させる成分を演算する。また、揺動台の高さ方向目
標位置Zref については、中立指令部114から演算部
112に一定値が出力される。
【0046】次に演算部112で行われる目標シリンダ
長さ演算処理について、図7のフローチャートを参照し
て説明する。なお、図7に示す処理は演算部112にお
いて所定時間毎に周期的に実行される。ステップ200
ではカウンタtに1を加算する。ステップ202ではス
ケーリング部80A、80Bから出力された規格化後の
前後加速度Aα、横加速度Aβを取り込み、次のステッ
プ204では前後加速度Aαの微分値Jαt、横加速度
Aβの微分値Jβtを各々演算する。ステップ206で
は所定時間前(t−m)から現在(t)に亘る加速度の
変化(加速度の変化速度)Jを次の(1)式に従って演
算する。
【0047】
【数1】
【0048】演算部112は一例として図9に示すよう
に、係数k(この係数kにより後述するように揺動台の
揺動中心が定まる)と加速度の変化速度Jとの関係を定
めたマップを予め記憶している。図9に示すマップで
は、一例として加速度の変化速度Jの値が所定値J1
りも大きくなると、加速度の変化速度Jの増加に正比例
して係数kの値が大きくなるように定められている。
【0049】次のステップ208では、前記演算した加
速度の変化速度Jに基づいて、前記記憶しているマップ
より係数kを導出する。本実施例では6本の油圧シリン
ダ36を各々区別するために、図8(A)にも示すよう
に各油圧シリンダに「1」〜「6」の符号を付してお
り、ステップ210では以下で油圧シリンダの符号とし
て用いる変数nに1を代入する。次のステップ212で
は次の(2)式に従って、揺動台が初期位置にあるとき
に、係数kにより定まる揺動中心から油圧シリンダnの
上側取付点Pnへ向かうベクトル(Pnx,Pny,Pnz)
を演算する(図8(B)も参照)。
【0050】
【数2】
【0051】上記(2)式によって演算されるベクトル
(Pnx,Pny,Pnz)は、前記揺動中心点に対する油圧
シリンダnの上側取付点の相対位置を表している。な
お、ベクトル(Qnx,Qny,Qnz)は、図2及び図3に
も示すように、模擬運転席の直下でかつ各油圧シリンダ
の上側取付位置と同高さに設定された揺動基準点Qに対
する油圧シリンダnの上側取付点の相対位置を表してい
る。またベクトル(Rnx,Rny,Rnz)は、図2及び図
3にも示すように、模擬運転席に着座した運転者の頭部
に相当する位置に設定された揺動基準点Rに対する油圧
シリンダnの上側取付点の相対位置を表している。
【0052】従って、(2)式より明らかなように、ベ
クトル(Pnx,Pny,Pnz)が表す揺動中心点P(図8
も参照)は、係数kが0のとき、すなわち加速度の変化
速度Jが0又は非常に小さいときには揺動基準点Qに一
致し、係数k(加速度の変化速度J)が大きくなるに従
ってヨー軸上を移動して揺動基準点Rに近づき、係数k
が1のとき、すなわち加速度の変化速度Jが所定値以上
になると揺動基準点Rに一致することになる。なお、ス
テップ202〜208の処理及びステップ212の処理
は、本発明の揺動中心変更手段に対応する処理である。
【0053】ステップ214では、上記で演算したベク
トル(Pnx,Pny,Pnz)及び入力された前後方向目標
位置Xref 、横方向目標位置Yref 、目標ピッチ角θxr
ef、目標ロール角yref、及び目標ヨー角θzrefに基づい
て、油圧シリンダnの上側取付位置の移動目標位置Pn'
を次の(3)式に従って演算する。
【0054】
【数3】
【0055】上記(3)式より明らかなように、移動目
標位置Pn'は、ベクトル(Pnx,Pny,Pnz)が表す揺
動中心を座標の原点とし、該原点を通るピッチ軸、ロー
ル軸、ヨー軸回りに各々ピッチ角θxref、ロール角yre
f、及びヨー角θzrefだけ揺動台を傾け、更に目標位置
Xref 及び目標位置Yref だけ揺動台を前後方向及び横
方向に移動させたときの油圧シリンダnの上側取付点P
nの位置に相当する。
【0056】次のステップ216では、変数nの値が
「6」か否か判定する。判定が否定された場合には、ス
テップ218で変数nに1を加算してステップ212へ
戻る。これにより、ステップ212、214の処理が6
本の油圧シリンダ36の各々に対して行われることにな
る。
【0057】全ての油圧シリンダ36に対する移動目標
位置Pn'の演算が完了するとステップ216の判定が肯
定されてステップ220へ移行し、各油圧シリンダ36
の移動目標位置に基づいて各油圧シリンダの目標長さL
1 〜L6 を各々演算して処理を終了する。
【0058】演算された各油圧シリンダの目標長さL1
〜L6 は、図6に示すようにリミッタ116A〜116
Fを介して目標長さL1ref〜L6refとして油圧制御部3
4に出力される。これにより、6本の油圧シリンダ36
は各々対応する目標長さLnrefに一致するように伸縮駆
動され、その結果、前述の揺動中心点Pを揺動中心とし
て揺動台が揺動されることになる。
【0059】これにより、加速度の変化速度Jが大きく
なるに従って、揺動中心の位置が運転者の頭部に近づく
ように変更設定して揺動台を揺動させるので、例えば運
転者が急制動等の運転操作を行った等により模擬すべき
加速度の変化速度が大きく、揺動台を高速で揺動させる
必要がある場合にも、運転者にシミュレータ酔い等の不
快感を与えることを確実に防止することができる。また
加速度の変化速度が所定値J1 未満の場合には、揺動中
心点Pの位置が、揺動台の可動範囲が最も広くなる揺動
基準点Qに一致されるので、比較的緩やかな加速度変化
に対しては揺動基準点Qを揺動中心として揺動台を大き
く揺動させ、仮想的な車両に加わる加速度を大きくスケ
ールダウンすることなく模擬し、実際の車両を運転して
いる感覚に近い感覚を運転者に与えることができる。
【0060】なお、上記では係数kを導出するためのマ
ップとして、図9に示すように加速度の変化速度Jの増
加に比例して係数kの値が大きくなるマップを用いてい
たが、これに限定されるものではなく、図10(A)に
示すように加速度の変化速度Jの増加に対して係数kの
値が段階的に増加するマップや、図10(B)に示すよ
うに係数kの値が滑らかに変化するマップ、或いは図1
0(C)に示すように係数kの変化にヒステリシス性を
持たせたマップ等を用いてもよく、モデルとする車両の
種類等に応じて適宜変更可能であることは言うまでもな
い。
【0061】また、上記では仮想的な車両の前後加速度
Aα及び横加速度Aβから加速度の変化速度Jを演算す
るようにしていたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、運転者によるステアリングホイール、アクセル
ペダル及びブレーキペダルの操作に基づいて、仮想的な
車両に加わる加速度の緩急を判定し、判定結果に応じて
揺動中心を変更するようにしてもよい。
【0062】更に、上記では揺動基準点Rを一定位置と
していたが、上記に限定されるものではなく、運転者の
体格に拘わらず揺動基準点Rを運転者の頭部に一致させ
るために、運転者の頭部の位置(具体的には運転者の座
高等)を予め入力し、入力された頭部の位置に一致する
ように揺動基準点Rの位置を演算するようにしてもよ
い。
【0063】また、模擬視野画像を表示する装置の制
約、或いは車両モデルの配置スペース不足等の理由によ
り、一例として図11に示すように、揺動台に垂直な軸
に対して車両モデルを傾斜させて配置せざるを得ない場
合には、傾斜させて配置した車両モデルを基準としてピ
ッチ、ロール、ヨーの各座標軸を設定し、この座標軸に
基づいてベクトル(Qnx,Qny,Qnz)及びベクトル
(Rnx,Rny,Rnz)を予め求め、これを用いて前述の
(2)式の演算を行うようにすれば、傾斜配置された車
両モデルの模擬運転席に着座した運転者に対し、適正に
車両運動を体感させることが可能となる。
【0064】更に、上記ではボールスクリュ66によっ
て車両モデル44の幅方向に沿って下側台板58を並進
移動させるようにしていたが、並進移動させる機構はこ
れに限定されるものではなく、一例として図12に示す
ように、下側台板58の側部にラック58Aを形成する
と共に、このラック58Aに噛合するピニオンギア12
0を設け、ピニオンギア120を床面に固定された油圧
モータ122の駆動力で回転させることにより下側台板
を並進移動させるようにしてもよい。
【0065】図12に示した油圧モータ122は慣性モ
ーメントが低く、かつ駆動力が大きいので、並進移動の
応答性能を向上させることができる。また、図12では
油圧モータ122及びピニオンギア120の組を2組設
けており、一方の油圧モータ122において、他方の油
圧モータ122と逆方向に所定の駆動力を発生させるこ
とにより、所謂シザースギアと同様にバックラッシュに
よる応答遅れ、騒音を低減することができる。更に、油
圧シリンダ36の伸縮により下側台板58に伝達される
反力は、油圧モータ122、ラック58Aとピニオンギ
ア120の摩擦により吸収されるので、支持剛性にも優
れている。
【0066】また、上記では油圧シリンダ36による揺
動機構の上方に、溝40A、ユニットベアリング48、
リングレール46A、フリーベアリングユニット50、
図示しない駆動装置から成る旋回機構を設けているの
で、この旋回機構で支持すべき荷重は揺動テーブル4
0、ドーム42及びドーム42内の設置物の質量のみと
なり、高い剛性は必要とされない。これにより、上述し
たように旋回機構の構成を簡単にすることができ、駆動
装置で大きな駆動力を発生させる必要が無くなると共に
旋回機構を設けることによる重量の増加も低く抑えるこ
とができる。従って、揺動機構、並進機構の応答性能が
悪化することもない。
【0067】また、上記では上側台板52側において各
油圧シリンダ36の取付位置を頂点とする三角形が、下
側台板58側において各油圧シリンダ36の取付位置を
頂点とする三角形に対して大きさが小さくかつ相似して
いる構成の揺動装置を例に説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、前記双方の三角形が合同であ
ってもよい。また油圧シリンダの本数についても6本に
限定されるものではなく、更に揺動中心が変更可能な揺
動装置であれば本発明を適用することが可能であり、揺
動装置の構成は上記に限定されるものではない。揺動中
心が変更可能な揺動装置としては、一例としてNADS
(National Advanced Driving Simulator)(「豊田中央研
究所R&Dレビュー」Vol.26 No.1 1991年3月発行を参
照)やNASA Ames Research Center のVertical Mot
ion Simulator(米国雑誌「Aviation Week & Space Tec
hnology 」1983年1 月17日発行を参照)等が挙げられ
る。本発明はこれらのシミュレータに適用することも可
能である。
【0068】更に、上記では模擬対象を車両とした運転
模擬試験装置に本発明を適用した例を説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、模擬対象を航空機
とした運転模擬試験装置(所謂フライトシミュレータ)
等に本発明を適用することも可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、揺動台の可動範囲が狭くなることなく、運転者に不
快感を与えることを防止又は軽減することが可能にな
る、という優れた効果を有する。
【0070】請求項2記載の発明は、運転者にシミュレ
ータ酔い等の不快感を与えることをより確実に防止又は
減少させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る運転模擬試験装置の全体構成を
示す概略ブロック図である。
【図2】揺動台上に取付けられたドームの内部を示す正
面図である。
【図3】ドームの内部を示す側面図である。
【図4】揺動台及び揺動台の駆動機構を示す分解斜視図
である。
【図5】揺動台及び揺動台の駆動機構を示す正面図であ
る。
【図6】モーションコンピュータで行われる処理を機能
毎にブロックに分けて示す概略ブロック図である。
【図7】モーションコンピュータの演算部で行われる目
標シリンダ長さ演算処理を説明するフローチャートであ
る。
【図8】(A)及び(B)は揺動台の揺動の演算に用い
る座標系、揺動中心の位置、揺動中心から油圧シリンダ
の上側取付点へ向かうベクトル等を説明するための概念
図である。
【図9】加速度の変化速度Jと係数kとの関係を定めた
マップの一例を示す線図である。
【図10】(A)乃至(C)は加速度の変化速度Jと係
数kとの関係を定めたマップの他の例を示す線図であ
る。
【図11】車両モデルを傾斜して配置した場合のピッ
チ、ロール、ヨーの各座標軸の設定を説明するための概
念図である。
【図12】並進移動機構の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 運転模擬試験装置 32 モーションコンピュータ 36 油圧シリンダ 40 揺動テーブル 44 車両モデル 46 支持プレート 52 上側台板 56 ユニバーサルジョイント 112 演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛島 溥三宏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田中 洋平 兵庫県神戸市西区櫨谷町松本234番地 川 崎重工業株式会社西神戸工場内 (72)発明者 小泉 豊 兵庫県神戸市西区櫨谷町松本234番地 川 崎重工業株式会社西神戸工場内 (72)発明者 中嶋 勝己 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 高橋 知之 兵庫県神戸市西区櫨谷町松本234番地 川 崎重工業株式会社西神戸工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者が着座する模擬運転席及び該模擬
    運転席に着座した運転者が運転操作を行うための操作部
    が少なくとも設置された揺動台と、 前記揺動台を揺動させると共に、前記揺動における揺動
    中心の位置を変更可能な揺動装置と、 前記運転者の運転操作に基づいて該運転操作により加わ
    る仮想的な加速度を演算し、前記演算した加速度が模擬
    されるように前記揺動装置により所定の揺動中心点を揺
    動中心として前記揺動台を揺動させる制御手段と、 前記演算された加速度の変化に応じて模擬運転席に着座
    している運転者と前記揺動中心点との距離が変化するよ
    うに揺動中心点の位置を変更する揺動中心変更手段と、 を含む運転模擬試験装置。
  2. 【請求項2】 前記揺動中心変更手段は、前記演算され
    た加速度の変化速度が所定値以上の場合に前記揺動中心
    点と模擬運転席に着座している運転者との距離が小さく
    なるように揺動中心点の位置を変更することを特徴とす
    る請求項1記載の運転模擬試験装置。
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