JP4104362B2 - 体感加速度模擬装置のための動揺装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動揺装置によって運転席等のプラットフォームに並進運動及び回転運動を付与することにより、操作者の操作に応じた目標体感加速度を模擬する加速度模擬装置のための動揺装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フライトシミュレータやドライビングシミュレータなどに代表される加速度模擬装置は、操縦席部や運転席部などの動揺部(以下、プラットフォームと呼称する)に動揺を与える動揺装置を備えており、この動揺装置を用いてプラットフォームに並進運動や回転運動などの動揺を与えることによって、操作者の操縦動作又は運転動作(以下、操作と略称する)によって生じる機体又は車両の運動の加速度を操作者に模擬体感させるようになっている。ここで、並進運動とはプラットフォームと設置面との間で行われる相対的な直線運動を意味し、一般に設置面に対して平行に行われるが設置面に対して角度をなして行われることも可能である。また、回転運動とはプラットフォームを回転させ設置面に対して傾斜させる運動を意味する。
【0003】
このような体感加速度模擬装置において、例えば、前後方向又は横方向の体感加速度を模擬する方法としては、プラットフォームを前後方向又は横方向に並進運動させることによって加速度を生じさせ、この加速度を体感させることが考えられるが、体感加速度模擬装置には設置空間の制限に起因してプラットフォームや動揺装置の可動範囲に制約があり、特に定常的な体感加速度などを並進運動のみで模擬することは不可能である。そこで、このような体感加速度模擬装置では、基本的には、並進運動により生じさせる体感加速度に加えて、プラットフォームを回転、傾斜させることにより操作者に重力加速度成分を体感させ、その重力加速度成分を利用して、前後方向又は横方向の体感加速度を生じさせている。
【0004】
具体的には、図5に示されているように、先ず、操作者の操作に応じて操作者に体感させるべき目標体感加速度αを求めた後、この目標体感加速度αをハイパスフィルタとローパスフィルタとに通すことによって、高周波数加速度成分αHと、低周波数加速度成分αLとを求める。そして、高周波数加速度成分αHを2回積分して得られる並進変位xHの並進運動と低周波数加速度成分αLに相当する重力加速度成分をプラットフォーム上の操作者に体感させる角度θの回転運動とを動揺装置によりプラットフォームに行わせることで高周波数加速度成分αHと低周波加速度成分αLとを生じさせ、それらによって目標体感加速度αを模擬することを原理としている(図6参照)。
【0005】
すなわち、高周波数加速度成分αHから定められた並進変位xHの並進運動により発生する慣性力Iで操作者に模擬車両加速度方向逆向きの体感慣性力fAを生じさせ、低周波数加速度成分αLから定められた角度θの回転運動により操作者に重力Gから模擬車両加速度方向逆向きの体感慣性力fBを生じさせ、体感慣性力fAと体感慣性力fBとの合成である合成慣性力fC(=fA+fB)により操作者が模擬車両加速度方向に体感する目標体感加速度αを模擬している。
【0006】
なお、プラットフォームが回転運動すると、プラットフォーム上の操作者がプラットフォームの並進運動により体感する加速度は減少するため、設置面に対して平行に並進運動を行う場合に、目標体感加速度αから高周波数加速度成分と低周波数加速度成分とを単に分離するのみでは、目標体感加速度を正確に模擬することはできない。したがって、並進運動により生じる体感加速度がプラットフォームの回転運動によって減少する分を補償する処理を適切な段階で施す必要がある。例えば、上記の補償を考慮して高周波数加速度成分と低周波数加速度成分を分離すればよい。もちろん、プラットフォームの回転運動が並進運動により操作者に体感させる加速度に影響を与えずに、目標体感加速度を正確に模擬するためには、プラットフォームの並進運動を回転運動によって傾斜したプラットフォームの傾斜角に沿って行ってもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような方式を採用した体感加速度模擬装置において、特に定常的な加速度を模擬しようとすると、膨大な変位の並進運動を行うことが求められ、並進変位がプラットフォーム又は動揺装置の可動範囲を越えてしまう。
【0008】
この問題を回避するために、体感加速度模擬装置では、プラットフォーム又は動揺装置がその可動範囲を越えずにゆっくりと中立位置に復帰するように並進運動の変位の指令値を修整する中立位置復帰処理を並進運動の変位指令値に対して施している。その結果、プラットフォームは、目標体感加速度を生じさせる方向に並進運動を行った後に、中立位置に復帰しようとするようになる。具体的には、図5に示されているように、ウォッシュアウトフィルタと呼称されるハイパスフィルタを適用し変位xHに中立位置復帰処理を施して、修整変位xを求め、この修整変位xを動揺装置に対する指令値として使用している。
【0009】
ところが、並進運動の変位xHにウォッシュアウトフィルタを適用して求めた修整変位xは並進運動の変位xHと大きく異なるので、修整変位xの並進運動により生じる体感加速度は、変位xHの並進運動により生じる体感加速度(すなわち、高周波数加速度成分αH)と大きく異なってしまう。このため、中立位置復帰処理を施した後の並進運動の変位指令値による修整変位xの並進運動をローパスフィルタにより求められた角度θの回転運動と重畳させて生じる体感加速度は、目標体感加速度αと大きく異なってしまうことになる。中立位置復帰処理は、このように、体感加速度模擬装置の体感加速度模擬性能を悪化させる問題を引き起していた。
【0010】
よって、本発明の目的は、上記従来技術に存する問題を解消して、体感加速度模擬装置の体感加速度模擬性能を向上させ、操作者の操作に応じて精度良く体感加速度を模擬することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的に鑑み、プラットフォームに並進運動と回転運動とを付与する動揺装置を備え、操作者の操作に応じた目標体感加速度をプラットフォームの並進運動とプラットフォームの回転運動とにより模擬する体感加速度模擬装置において、前記目標体感加速度を実現するために必要な並進運動指令を求め、中立位置復帰処理を行うための中立位置復帰処理手段によって、求められた並進運動指令を修整して修整並進運動指令を求めた後、求められた修整並進運動指令に従って前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される並進運動の結果として前記プラットフォームに生じる加速度と、前記目標体感加速度とを用いて、前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される回転運動の角度を定めるようにした体感加速度模擬装置のための動揺装置の制御方法を提供する。
【0012】
上記制御方法においては、前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される回転運動の角度が、前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される並進運動によって前記プラットフォームに生じる加速度と前記目標体感加速度との差に基づいて定められるようにすることが好ましい。同様に、前記並進運動により生じる体感加速度と前記目標体感加速度との差が前記回転運動により生じる体感加速度に等しくなるように、前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される回転運動の角度が定められるようにすることが好ましい。
【0014】
本発明の体感加速度模擬装置のための動揺装置の制御方法では、目標加速度と実際にプラットフォームに付与される並進運動によってプラットフォームに生じる加速度とを用いて、プラットフォームに付与される回転運動が定められるので、並進運動の変位指令値に中立位置復帰処理などの処理による並進運動の変位の変化が回転運動の決定に反映されるようになり、体感加速度模擬装置の体感加速度模擬性能を向上させる効果を奏することが可能となる。
【0015】
例えば、回転運動の角度が並進運動によってプラットフォームに生じる加速度と目標体感加速度との差に基づいて定められることにより、並進運動の変位指令値に中立位置復帰処理などの処理による並進運動の変位の変化が回転運動の決定に反映されるようになり、上記効果を奏する。
【0016】
また、並進運動により生じる体感加速度と目標体感加速度との差が回転運動により生じる体感加速度と等しくなるように、回転運動の角度が定められれば、並進運動により生じる体感加速度と回転運動により生じる体感加速度との和は必ず目標体感加速度と等しくなり、並進運動の変位指令値に中立位置復帰処理などの処理が施されるか否かを問わず、正確に目標体感加速度を模擬することができるようになる。
【0018】
なお、本願において「体感加速度」とは、X軸、Y軸及びZ軸などの特定の方向の運動として操作者が体感する加速度を意味するものとする。また、単なる「加速度」とは、物理的に行われている現実の運動により発生している加速度を意味するものとする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の動揺装置の制御方法を用いた体感加速度模擬装置の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、自動車などの車両の運動による体感加速度を模擬する体感加速度模擬装置を例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、飛行機などの機体の運動による体感加速度を模擬する体感加速度模擬装置などにも適用可能である。
【0020】
図1を参照すると、体感加速度模擬装置10は、操作者が搭乗し各種操作を行う操縦席又は運転席などを含むプラットフォーム12と、プラットフォーム12の操作者に周囲風景等の視覚情報を与える表示装置14と、プラットフォーム12を支持し、プラットフォーム12に動揺を与える動揺装置16と、動揺装置16の動作を制御する制御装置18と、様々なデータを記憶、保管するための記憶装置20とを備える。記憶装置20には、各種車両モデルに関する設定パラメータ、各種演算に必要となる関数、ハイパスフィルタやウォッシュアウトフィルタなどのフィルタ(マトリクス)などが予め記憶されている。設定パラメータには、操作者による操作からプラットフォーム12の加速度を導き出すのに必要となるパラメータなども含まれている。
【0021】
制御装置18は、車両モデル演算部22と、動揺演算部24と、動作指令部26とを含んでいる。
【0022】
車両モデル演算部22は、操作者が選択した再現対象車両モデルに基づいて、操作者の操作に応じて車両に理論上発生する運動のX軸、Y軸、Z軸方向の加速度を演算、決定する。そして、この車両に発生する運動の加速度に基づいて、プラットフォーム12上の操作者に体感させるべき対応する方向の目標体感加速度を演算、決定する。ここで、模擬空間における体感加速度について用いるとき、X軸方向とは操作者により車両が前後方向に進んでいると体感される方向を指し、Z軸方向とは操作者により車両が上下方向に動いていると体感される方向を指し、Y軸方向とはX軸及びZ軸に垂直な方向を指すものとする。また、プラットフォーム12や動揺装置16などの現実空間における運動について用いられるとき、X軸及びY軸方向とは装置の設置面に平行で互いに垂直な方向を指し、Z軸方向とは設置面に垂直な方向を指す。
【0023】
動揺演算部24は、X軸、Y軸及びZ軸方向の目標体感加速度から、実際にプラットフォーム12に付与するべき動揺、すなわち並進運動と回転運動の変位又は速度を演算により求める。図2に示されている実施形態では、動揺演算部24はプラットフォーム12に付与するべき並進運動及び回転運動の変位を求めるようになっているが、もちろん並進運動及び回転運動の速度を求めるようになっていてもよい。動作指令部26は、動揺演算部24において求められたプラットフォーム12に付与するべき動揺を実現するために、動揺装置16、詳細にはその各アクチュエータ28が行うべき動作を決定し、動作指令を作成する。
【0024】
動揺装置16は、プラットフォーム12の運動を実現するために、現実空間における、X軸、Y軸及びZ軸の並進運動と、X軸周り、Y軸周り及びZ軸周りの回転運動とを与えることを可能とさせる複数のアクチュエータ28を備え、各アクチュエータ28が動作指令部26の動作指令に基づいて動作する。なお、動揺装置16は、上記の構成に限定されるものではなく、プラットフォーム12に対して、現実空間におけるX軸、Y軸、Z軸の直交3軸に沿った並進運動と、X軸周り、Y軸周り、Z軸周りの3軸周りの回転運動とを与えることができる任意の駆動装置とすることができる。また、動揺装置16は、直交3軸の並進運動及び3軸周りの回転運動をそれぞれ独立して担当する複数のアクチュエータ28を備えている必要はなく、複数のアクチュエータ28の動作が結果として上記直交3軸の並進運動及び3軸周りの回転運動を実現できるものであればよい。例えば、動揺装置16として、プラットフォーム12を複数(この場合6つが好ましい)のアクチュエータ28により支持している6自由度パラレルリンク機構などが使用され得る。6自由度パラレルリンク機構に関しては公知のものであるのでここでは特に説明はしない。
【0025】
次に、図1及び図2を参照して、制御装置18において行われる処理について説明する。以下、簡単化のために、X軸方向の目標体感加速度αについてのみ説明していくが、Y軸方向の加速度についても同様の処理がなされ得ることはいうまでもない。また、動揺装置16は、回転運動により傾斜したプラットフォーム12の面と平行な方向に並進運動を行うものとするが、もちろんプラットフォーム12の回転運動と関係なく常に設置面と平行な方向に並進運動を行うことも可能である。
【0026】
制御装置18は、最初に、操作者が選択した再現対象の車両モデルに基づいて、操作者による操作量から車両に発生するべき加速度を導き出すのに必要となるパラメータを記憶装置20から車両モデル演算部22に読み込む。同時に、各種演算に必要となる関数やフィルタ(マトリクス)などを記憶装置20から動揺演算部24及び動作指令部26に読み込む。
【0027】
次に、車両モデル演算部22が、選択された車両モデルに基づき、操作者の運転動作に応じて車両に理論上発生する運動のX軸、Y軸、Z軸方向の加速度などを演算、決定する。そして、この車両に発生する運動の加速度に基づいて、プラットフォーム12上の操作者に体感させるべき模擬空間におけるX軸、Y軸、Z軸方向の目標体感加速度αを演算、決定する。
【0028】
なお、図中には示されていないが、上記で求められた車両の運動の加速度などから積分などの演算により車両の変位量や姿勢などが求められ、この車両の変位量や姿勢などに応じて、制御装置18は、表示装置14を通じて操作者に視覚情報を逐次提供しているものとする。
【0029】
次に、車両モデル演算部22によって決定された目標体感加速度αは動揺演算部24に読み込まれる。動揺演算部24では、先ずブロック30で目標体感加速度αにハイパスフィルタによる処理を施して、目標体感加速度αから高周波加速度成分αHを抽出し、さらに、動揺装置16又はプラットフォーム12の並進運動がその可動範囲内に収まるようにするために、ブロック32で高周波数加速度成分αHにウォッシュアウトフィルタによる中立位置復帰処理を施して実際にプラットフォーム12に付与する並進運動の並進加速度成分x″を求める。
【0030】
求められた並進加速度成分x″には、ブロック34で2回の積分処理が施されて動揺装置16によりプラットフォーム12に付与するべき並進運動の変位xが求められ、これが動作指令部26に送られる。
【0031】
ところで、並進加速度成分x″にはブロック32で中立位置復帰処理が施されているので、並進加速度成分x″は、プラットフォーム12又は動揺装置16が中立位置に復帰するための動作を加味した運動となり、一般に高周波数加速度成分αHとは異なる値となる。このため、従来の体感加速度模擬装置のように、目標体感加速度αにローパスフィルタによる処理を施し、目標体感加速度αから低周波加速度成分αLを抽出して、この低周波加速度成分αLに相当する重力加速度成分をプラットフォーム12の操作者に体感させる角度θを求めると、操作者が体感する加速度を目標体感加速度αから大きく異ならせ、体感加速度模擬装置の模擬性能を低下させてしまう。(高周波数加速度成分αHと低周波数加速度成分αLとの和は本来目標体感加速度と概略等しくなるはずである。)
そこで、本発明においては、ブロック36において、動揺装置16により付与されたプラットフォーム12の回転運動によって生じさせる体感加速度をローパスフィルタによる処理によって求めるのではなく、動揺装置16によりプラットフォーム12に付与される並進運動によって生じる加速度と目標体感加速度αとを用いて、動揺装置16によりプラットフォーム12に付与される回転運動を定めるようにしている。例えば、プラットフォーム12の回転運動の角度θは、並進運動によってプラットフォーム12に生じる加速度と目標体感加速度との差が大きくなると共に、大きくなるように定められる。
【0032】
また、好ましい実施形態では、プラットフォーム12の並進運動により操作者が体感する体感加速度と目標体感加速度αとの差がプラットフォーム12の回転運動により生じる体感加速度に等しくなるように、プラットフォーム12の回転運動の角度θが定められることが好ましい。
【0033】
なお、この実施形態では、模擬空間におけるX軸方向に、すなわちプラットフォーム12の回転運動により傾斜した面に沿って、並進運動が行われるので、プラットフォーム12の並進運動によって生じる加速度は体感加速度と等しくなる。しかしながら、並進運動がプラットフォーム12の回転運動と関係なく現実空間のX軸方向に設置面と平行に行われる場合には、プラットフォーム12の並進運動によって生じる加速度は体感加速度と異なるものとなる。したがって、この場合、好ましい実施形態のように回転運動の角度θを定めるためには、例えば、プラットフォーム12の並進運動によりプラットフォーム12に生じる加速度と目標体感加速度αとの差と等しい体感加速度を生じさせる回転運動の角度を求め、この角度で傾斜したプラットフォーム12において、再度、操作者が体感する模擬空間におけるX軸方向の体感加速度と目標体感加速度αとの差と等しい体感加速度を生じさせる回転運動の角度を求めることを繰り返し、プラットフォーム12の並進運動により操作者が体感する体感加速度と目標体感加速度αとの差がプラットフォーム12の回転運動により生じる体感加速度に等しくなるまで演算を続ければよい。
【0034】
以上のようにして求められた、動揺装置16がプラットフォーム12に付与する並進運動の加速度x″と回転運動の角度θの例が図3に示されている。図3(a)はX軸方向の目標体感加速度α、図3(b)及び(c)はそれぞれ図2に示されている制御装置18によって求められた模擬空間におけるX軸方向のプラットフォーム12の並進運動の加速度x″及び回転角度θを示している。
【0035】
このようにして、制御装置18において、動揺装置16によりプラットフォーム12に付与されるべき動揺が求められると、この動揺を表す模擬空間におけるX軸方向の並進変位xとY軸周りの回転角度θが動揺演算部24から動作指令部26へ伝送される。
【0036】
そして、動作指令部26は、記憶装置20から読み込んだ変換係数やマトリクスに基づき、動揺演算部24において求められたプラットフォーム12に付与する動揺を実現するために、動揺装置16、詳細にはその各アクチュエータ28が行うべき動作(具体的には変位量)を決定し、それぞれのアクチュエータ28に向けた動作指令を作成する。
【0037】
そして、動作指令部26は、求められた動作に応じて動揺装置16の各アクチュエータ28に動作指令を与え、各アクチュエータ28は、制御装置18からの動作指令を受け取り、動作指令に応じた動作を行う。
【0038】
このようにして、プラットフォーム12は、操作者によってなされた操作に応じて動揺装置16によって動揺を与えられ、操作者の操作に応じた運転動作を操作者に模擬的に体感させると共に、表示装置14を通じて視覚的変化も模擬的に体感させる。
【0039】
図4は上述した本発明の動揺装置16の制御方法を用いた体感加速度模擬装置10と従来の体感加速度模擬装置による加速度模擬性能を示したものである。図4(a)は目標体感加速度α、図4(b)及び(c)は、図4(a)に示される入力に対して、それぞれ、従来の体感加速度模擬装置及び本発明の動揺装置16の制御方法を用いた体感加速度模擬装置10により模擬された体感加速度を示している。図4より本発明の動揺装置16の制御方法を用いることで目標体感加速度αを模擬する性能が従来技術と比較して格段に向上していることが分かる。
【0040】
上記実施形態では、車両の前後方向の体感加速度の模擬について本発明を適用した場合を説明したが、本発明を横方向の体感加速度に対して適用することも可能である。また、ドライビングシミュレータのみならず、フライトシミュレータなど、動揺装置によりプラットフォームに並進運動と回転運動とを与えることにより体感加速度を模擬することを目的とする任意の体感加速度模擬装置に本発明を適用することが可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、始めにハイパスフィルタ及びウォッシュアウトフィルタなどを用いて動揺装置又はプラットフォームの可動範囲内に収まる並進運動を決定し、回転運動の回転角度に関しては、従来のようにローパスフィルタを用いて決定するのではなく、その時点で実際にプラットフォームに付与される並進運動により発生する加速度と目標並進加速度との差を用いて決定する。したがって、ウォッシュアウトフィルタによる中立位置復帰処理などが操作者の体感に与える影響を抑制し、体感加速度模擬装置の体感加速度模擬性能を格段に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による動揺装置の制御方法を用いた体感加速度模擬装置の全体構成を示しているブロック図である。
【図2】図1に示されている体感加速度模擬装置の制御装置における処理を説明するブロック図である。
【図3】本発明の動揺装置の制御方法を用いた体感加速度模擬装置において入力された目標体感速度に対して求められる並進運動と回転運動の例を示したグラフであり、(a)は目標体感加速度、(b)及び(c)はそれぞれ(a)に示されている目標体感加速度に対して求められるプラットフォームの並進運動の加速度及び回転運動の角度を示している。
【図4】本発明による動揺装置の制御方法を用いた体感加速度模擬装置と従来の体感加速度模擬装置の加速度模擬性能を示しているグラフであり、(a)は模擬されるべき目標体感加速度、(b)及び(c)はそれぞれ(a)に示されている目標体感加速度に対して実際に模擬される体感加速度を示している。
【図5】従来の体感加速度模擬装置において動揺装置に与える並進運動及び回転運動に関する動作指令を求める手順を示しているブロック図である。
【図6】プラットフォームの並進運動により生じる体感加速度とプラットフォームの回転運動により生じる体感加速度との重畳により操作者の操作に応じた目標体感加速度を模擬する加速度模擬の原理を表すグラフである。
【符号の説明】
10…体感加速度模擬装置
12…プラットフォーム
16…動揺装置
18…制御装置
22…車両モデル演算部
24…動揺演算部
26…動作指令部
Claims (3)
- プラットフォームに並進運動と回転運動とを付与する動揺装置を備え、操作者の操作に応じた目標体感加速度をプラットフォームの並進運動とプラットフォームの回転運動とにより模擬する体感加速度模擬装置において、
前記目標体感加速度を実現するために必要な並進運動指令を求め、中立位置復帰処理を行うための中立位置復帰処理手段によって、求められた並進運動指令を修整して修整並進運動指令を求めた後、求められた修整並進運動指令に従って前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される並進運動の結果として前記プラットフォームに生じる加速度と、前記目標体感加速度とを用いて、前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される回転運動の角度を定めることを特徴とする体感加速度模擬装置のための動揺装置の制御方法。 - 前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される回転運動の角度が、前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される並進運動によって前記プラットフォームに生じる加速度と前記目標体感加速度との差に基づいて定められる、請求項1に記載の体感加速度模擬装置のための動揺装置の制御方法。
- 前記並進運動により生じる体感加速度と前記目標体感加速度との差が前記回転運動により生じる体感加速度に等しくなるように、前記動揺装置により前記プラットフォームに付与される回転運動の角度が定められる、請求項1に記載の体感加速度模擬装置のための動揺装置の制御方法。
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