JP4030717B2 - コンクリート躯体表面の耐蝕処理工法 - Google Patents

コンクリート躯体表面の耐蝕処理工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は汚水処理場、下水処理場などの処理水槽、あるいはメッキ層、超純粋槽などを形成するコンクリート躯体表面の耐蝕処理工法(防食処理を含む、以下同じ)、特に耐蝕パネルを使用する耐蝕処理工法に関するものである。
【0002】
さらに具体的に言えば、この発明は水槽の側壁部分、柱部分、梁部分、上床版部分の平面部、入り隅部、出隅部における耐蝕パネルどうしの接合部(目地部)の耐蝕処理工法の改良に関するものである。
【0003】
【従来技術】
下水処理場などの水槽がコンクリート造の躯体で形成される場合は、下水から発生する硫化水素とこれを酸化させるバクテリア(硫黄酸化細菌)の働きによって生成される硫酸からコンクリート造躯体を保護して耐用寿命を確保し維持する必要から、コンクリート造躯体表面の耐蝕処理が不可欠である。
【0004】
従来、一般に実施されてきた耐蝕施工法としては、コンクリート造躯体の構築後に、そのコンクリート表面に耐蝕材を塗布するかまたは吹き付ける方法、あるいは耐蝕シートを貼り付ける方法などが知られている。
【0005】
しかし、上述した耐蝕処理施工法は、工期が長びく上に耐蝕処理の長期の信頼性、実効性に欠ける他、作業員を確保する労務管理、作業員の技能格差に起因する品質管理、品質保証にも問題があった。
【0006】
上述した問題を解決する手段として、例えば、特許公報第2772919号(以下、「第一号発明」という)には、耐蝕パネルを使用した耐蝕処理施工法が開示されている。
【0007】
また、特許公報第3060201号(以下、「第二号発明」という)には、側壁部分(立ち上がり壁部分)において、耐蝕パネルの組立てに釘を一切使用せず、さらに組立てに大工職人を必要としない「釘レス工法」が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
第一号発明の耐蝕処理施工法では、耐蝕パネルを桟木に釘打ちにより取り付け固定する大工仕事、及び型枠装置の組立て時には耐蝕パネルの桟木どうしを釘打ちにより結合する大工仕事がそれぞれ不可欠で、大工職人の確保が重要であるほか、前記の大工仕事は大変面倒で手間が多くかかる。
【0009】
また、型枠装置を解体した場合、桟木を取り除いた跡には同桟木を固定していた釘が多数露出するため、目地部分を最終的に耐蝕処理するためには前記のように露出した釘を全て切除する作業が不可欠である。
【0010】
また、釘を切除するための切断機を用意しなければならないし、釘の切断作業は釘の数が多いほど面倒で手間がかかり、その上高所作業もあり、きわめて危険でもある。さらに、釘を切断する作業時に耐蝕パネルを損傷させる危険性が大である。
【0011】
第二号発明の耐蝕処理施工法では、水槽の側壁郁分(立上がり壁部分)について、釘を用いないでパネルを桟木に固定する方法が示されているが、依然としてコンクリート硬化後に桟木を取り外す手間は残っており、しかも柱、梁などの出隅、入り隅に関しては有効な方法が示されていないために、耐蝕パネルの組立てに大工職人が必要であり、問題の完全な解決には至っていない。
【0012】
したがって、第一番目の課題は、「コンクリート硬化後の支保工解体時に、解体・搬出を必要とする桟木などの資材を使用しないで耐蝕パネルを組み立てること」である。
【0013】
また、耐蝕パネルによる耐蝕処理施工法において、一般に耐蝕パネル本体は工場で製作されるものであって、通常の施工現場よりも管理の行き届いた環境で製作されること、及び現場に納入された時点で不良品を排除できる等の点が、現場施工の耐蝕工法に比較して品質管理上優れている。
【0014】
ところが、耐蝕パネルどうしの接合部分、即ち目地部分は唯一現場施工される部分として残されており、施工管理が十分行き届かない場合においてはこの目地部分で欠陥が発生する可能性が残っている。
【0015】
また、第一号発明および第二号発明における目地部分の耐蝕処理は、耐蝕パネルどうしの継ぎ目を耐蝕パネルの表面と同じ樹脂材料を使用して耐蝕ライニングを施工する方法をとっているから、異種材料の接着性能に較べると信頼性が高いとはいえるが、万一耐蝕ライニングの接着性能が損なわれた場合には、その部分の耐蝕性能は著しく損なわれることになる。
【0016】
このため、現場施工において欠陥の発生をゼロにすることは不可能に近く、接合部に二層以上の保護層を設けることで欠陥の発生確率を小さくすることが望ましい。したがって、第二番目の課題は、「目地部分の耐蝕構造を二重構造とすること」である。
【0017】
この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、特に支保工解体の際、解体・搬出を必要とする桟木などの資材を使用しないで耐蝕パネルを組み立てることができ、かつ耐蝕パネルどうしの接合部(目地部)の耐蝕処理を確実に行えるようにしたコンクリート躯体表面の耐蝕処理工法を提供することを目的とするである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のコンクリート躯体の表面耐蝕処理工法は、コンクリート躯体の表面を複数の耐蝕パネルによって耐蝕処理するコンクリート躯体表面の耐蝕処理工法であって、先に取り付けられる先施工耐蝕パネルの表面に後から取り付けられる後施工耐蝕パネルの端部を当接し、当該先施工耐蝕パネルと後施工耐蝕パネルとからなる入り隅接合部の裏側に、断面ほぼ山形状の裏当て部材を、当該裏当て部材の一方のフランジを前記先施工耐蝕パネルの端部に、他方のフランジを前記後施工耐蝕パネルの端部にそれぞれ固定して取り付け、前記先施工耐蝕パネルと前記後施工耐蝕パネルとの接合部に耐蝕シール材を三角形状をなすように充填し、当該耐蝕シール材および当該シール材の両側の耐蝕パネルの上に耐蝕ライニング材を取り付けることを特徴とするものである。
【0019】
裏当て部材は、例えば発泡ポリスチレンなどの発泡性樹脂材から押出し成形されたもので、特に壁などの平面接合部においては帯状の平板を、入り隅部や出隅部、立上がりなどの角度を持った接合部においては、これらの部位の形状に容易に追従できるように所定の角度を有して断面ほぼ等辺または不等辺山形状(L字状)に形成された裏当て部材を使用する。
【0020】
また、耐蝕パネルとしては、表層に補強層としてビニルエステル樹脂FRP(厚さ2mm程度)を、中層に軽量エポキシ樹脂モルタル(厚さ9mm程度)を、そしてコンクリート躯体とする裏層に補強層としてエポキシ樹脂FRP(厚さ1mm程度)をそれぞれ配置し、これらの層が完全一体化された3層構造のパネルとして形成されたものを使用する。
【0021】
こうして形成された耐蝕パネルは通常の型枠合板と厚さ、重量ともにほぼ同じであり、また強度も通常の型枠合板と同等の強度を有し、さらに表層と裏層が防食性能を有している。また、裏層の表面には躯体コンクリートとの一体化をはかるべく、例えばABS製のアンカーピースが所定間隔おきに複数突設されている。
【0022】
施工に際しては、耐蝕パネルを通常の型枠合板とほぼ同じ方法で型枠組みし、コンクリートを打設し、そしてコンクリート打設後、耐蝕パネルを残し支保工のみを解体する。
【0023】
耐蝕パネルの型枠組に際しては、可能な範囲で耐蝕パネルを複数接合して大型パネル化することにより、現位置での型枠組の工程短縮および省力化を図るものとする。
【0024】
特に、耐蝕パネルどうしの接合部においては、先に取り付けられる先施工の耐蝕パネルの裏面端部に、あらかじめ裏当て部材を接合しておき、後から取り付けられる後施工の耐蝕パネルを裏当て部材に、先施工の耐蝕パネルとの間に所定の間隔をあけて固定する。
【0025】
この場合の耐蝕パネルと裏当て部材は、接着材および/または固定ねじで接合するものとし、固定ねじとしては木ねじやスクリューネジ等を使用する(以下、「固定ねじ」という)。
【0026】
これによって、先施工の耐蝕パネルと後施工の耐蝕パネルは裏当て部材によって堅固に接合され、また裏当て部材はコンクリート打設面に接合されており、耐蝕パネルとともにコンクリートの埋設型枠を形成するので、コンクリート硬化後に解体除去する必要がない。
【0027】
なお、この場合の裏当て部材は、上記のように固定ねじで耐蝕パネルに接合されるので、固定ねじが貫通し、かつ固定ねじが貫通した後にパネルを引き寄せて間隙なく接合するだけの強度が必要であり、このため耐食性に優れた樹脂を所定の倍率で発泡させたものを裏当て部材として使用するのが良い。
【0028】
また、壁などの平面接合部においては、耐蝕パネルを複数枚並べて組み立てることが通常であるから、施工誤差を吸収するためにパネル間に10mm程度の目地(隙間)を設けるのが望ましい。
【0029】
また、固定ねじで耐蝕パネルを裏当て部材に固定する際に、耐蝕パネルの縁端にあまり近いところで固定ねじを貫通しようとすると耐蝕パネルが欠ける恐れがあるので、20mm程度の縁開きをとる必要があり、したがって、裏当て部材の幅は、目地幅、固定ねじ施工の縁開きおよび施工誤差などを考慮して決定する必要がある。
【0030】
請求項2記載のコンクリート躯体の表面耐蝕処理工法は、コンクリート躯体の表面を複数の耐蝕パネルによって耐蝕処理するコンクリート躯体表面の耐蝕処理工法であって、先に取り付けられる先施工耐蝕パネルと後から取り付けられる後施工耐蝕パネルの端部どうしを突き合わせ、当該先施工耐蝕パネルと後施工耐蝕パネルとからなる出隅接合部の裏側に、断面ほぼ山形状の裏当て部材を、当該裏当て部材の一方のフランジを前記先施工耐蝕パネルの端部に、他方のフランジを前記後施工耐蝕パネルの端部にそれぞれ固定して取り付け、当該先施工耐蝕パネルと後施工耐蝕パネルとの接合部に当該先施工耐蝕パネルおよび後施工耐蝕パネルの端部を覆うように耐食シール材を充填し、当該耐蝕シール材および当該耐蝕シール材の両側の耐蝕パネルの上に耐蝕ライニング材を取り付けることを特徴とするものである。
柱や壁などの出隅部や入り隅部においては、押出し成形方式などによって予め所定の角度(特に角度は限定されないが、通常は直角)に折れ曲がった断面ほぼ等辺山形状(L字状)に形成された裏当て部材を使用し、これによって耐蝕パネルどうしを接合することができる。
【0031】
また、べースコンクリートからの立上がり部分では、裏当て部材を不等辺山形状に形成し、短辺側のフランジ(水平部)をべースコンクリートにコンクリート釘などで釘止めし、長辺側のフランジ(立上がり部)を立ち上げて設置する。
【0032】
また、べースコンクリートの不陸によるレベル誤差を吸収するために、長辺側のフランジの上端をレベルに合わせて切りそろえる。そして、最下段の耐蝕パネルを長辺側のフランジに重ね、固定ねじで固定する。
【0033】
その際、横方向に隣接する最下段の耐蝕パネル間の目地部に鉛直方向に沿って設置される裏当て部材の下端部を、耐蝕パネルの下端部と立上がりとの重ね幅だけ短くしておくことで、最下段の耐蝕パネルを設置する際に、立上がり部の上端部に裏当て部材の下端部を接する状態で設置することができ、耐蝕パネルの設置作業が容易になる。
【0035】
この場合、耐蝕パネルどうしの平面、出隅部および入り隅部の各接合部(目地部)、さらにベースコンクリートからの立上がり部にシール材を充填し、その上にライニングをおこなう。この場合のライニングは、耐蝕パネルの表層を形成するビニルエステル樹脂FRPと同じ、厚さ2mmのビニルエステル樹脂FRPでおこなう。
【0036】
その施工手順としては、接合部を入念に清掃した後、ライニングをおこなう範囲の全面にプライマーを塗布し、その上にガラス繊維マットとサーフェスマットを複数、各層ごとにビニルエステル樹脂を塗布して相互の一体化を図りながら順次重ねる。
【0037】
特に、耐蝕パネルどうしの平面接合部においては、例えば図1(a),(b)に図示するように、耐蝕パネルは裏当て部材に所定の目地幅を確保して固定し、この目地部分に耐蝕シール材を充填し、さらに目地部に耐蝕ライニングを施すことにより、目地部分を二重の耐蝕処理構造とすることができる。
【0038】
また、耐蝕パネルどうしの入り隅接合部においては、例えば図2(a),(b)に図示するように、耐蝕パネルどうしを間隔を設けず、突き合わせ状態で裏当て部材に接合し、入り隅部分に耐蝕シール材を概賂三角形状に両方のパネルにまたがるように充填し、さらにその上から目地部に耐蝕ライニングを施すことにより、目地部分を二重の耐蝕処理構造とすることができる。
【0039】
また、耐蝕ライニングには補強のためにガラス繊維マットを使用するのが通常であるが、このように入り隅部に概略三角形状で耐蝕シール材を充填することによりガラス繊維が鋭角に折れ曲がることがなくなる。
【0040】
また、耐蝕パネルどうしの出隅接合部においては、例えば図3(a),(b)に図示するように、耐蝕パネルどうしを裏面が接する状態で裏当て部材に接合し、耐蝕パネルの小口部分にできる三角形状部分に耐蝕シール材を充填した後に、目地部の耐蝕ライニングを施すことにより、目地部分を二重の耐蝕構造とすることができる。
【0041】
こうすることで、出隅部も入り隅部と同様に耐蝕ライニングとしてのガラス繊維マットが鋭角に折れ曲がることがなくなる。
さらに、最下端の耐蝕パネルの立上がり部においては、例えば図4(a),(b)に図示するように、耐蝕パネルの最下端の小口と立上がり部と裏当て板との間に三角形状に耐蝕シール材を充填し、その上から耐蝕ライニングを施すことにより、二重の耐蝕処理構造とすることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1(a),(b)は耐蝕パネルどうしの平面接合部の実施例を示し、この場合の裏当て部材1としては、例えば発泡ポリスチレン製で厚さ6mmの帯状の平板を使用する。
【0043】
また、先に設置される先施工の耐蝕パネル2Aと後から設置される後施工の耐蝕パネル2Bを裏当て部材1に固定するのには、接着材および/または木ねじあるいはスクリューねじ等の固定ねじ3(以下「固定ねじ3」と略す)を使用する。
【0044】
このため、裏当て部材1は固定ねじ3が貫通でき、しかもねじがつぶれないで耐蝕パネル2Aと2Bを裏当て部材1側に引き寄せる硬さを保持できるものがよい。
【0045】
このような条件を満たすために、発泡ポリスチレンからなるものを裏当て部材1として使用する。また裏当て部材1は、先施工の耐蝕パネル2Aの端部に接着材および/または固定ねじ3で固定しておき、所定の目地間隔を空けて後施工の耐蝕パネル2Bを設置し、かつその端部を固定ねじ3で裏当て部材1に固定する。
【0046】
目地部の処理は、目地部の空隙に耐蝕シール材4を充填した後に、二枚の耐蝕パネル2Aと2B間にまたがるように耐蝕ライニング5を施す。これによって耐蝕パネル2Aと2B間の目地部は耐蝕シール材4と耐蝕ライニング5によって二重にカバーされたことになる。
【0047】
図2(a),(b)は耐蝕パネルどうしの入り隅接合部の実施例をし、この場合の裏当て部材1としては、発泡ポリスチレン製で厚さ6mmの断面ほぼ等辺山形状(L字状)に形成されたものを使用する。
【0048】
先施工の耐蝕パネル2Aの端部に裏当て部材1を、耐蝕パネル2Aの外側面に裏当て部材1の一方のフランジ1aの内側面を当接させて固定する。
また、後施工の耐蝕パネル2Bの端部を裏当て部材1に、耐蝕パネル2Bの端面を耐蝕パネル2Aの表面に当接させ、かつ耐蝕パネル2Bの裏面を裏当て部材1の他方のフランジ1bの内側面に当接させて固定する。
【0049】
この場合、裏当て部材1の一方のフランジ1aを耐蝕パネル2Aの端部に、他方のフランジ1bを耐蝕パネル2Bの端部に接着材または固定ねじ3によってそれぞれ固定する。
【0050】
さらに、耐蝕パネル2Aと2Bとの接合部に耐蝕シール材4を三角形状をなすように充填し、その上から目地部の耐蝕ライニング5を施す。これにより、耐蝕パネル2Aと2Bとの入り隅接合部は、耐蝕シール材4と耐蝕ライニング5によって二重にカバーされたことになる。
【0051】
図3(a),(b)は耐蝕パネルどうしの出隅接合部の実施例をし、この場合の裏当て部材1としても、例えば発泡ポリスチレン製で厚さ6mmの断面ほぼ等辺山形状(L字状)に形成されたものを使用する。
【0052】
先施工の耐蝕パネル2Aの裏面端部に裏当て部材1の一方のフランジ1aの外側面を当接させて固定する。また、後施工の耐蝕パネル2Bの裏面端部を裏当て部材1の他方のフランジ1bの外側面に当接させて固定する。
【0053】
この場合、耐蝕パネル2Aと2Bの端部どうしを裏当て部材1の稜線部1cの上で突き合わせ、また裏当て部材1の一方のフランジ1aを耐蝕パネル2Aの端部に、他方のフランジ1bを耐蝕パネル2Bの端部に固定ねじ3によってそれぞれ固定する。
【0054】
また、目地部の処理は、二枚の耐蝕パネル2Aと2Bの端部を覆うように三角形状の空隙を耐蝕シール材4で充填し、その上から目地部の耐蝕ライニング5を施す。これにより、耐蝕パネル2Aと2Bの接合部は、耐蝕シール材4と耐蝕ライニング5によって二重にカバーされることになる。
【0055】
図4(a),(b)は最下端の耐蝕パネルの立上り部の実施例を示し、この場合の裏当て部材1としては、例えば発泡ポリスチレン製で厚さ6mmの断面ほぼ不等辺山形状(L字状)に形成されたものを使用する。
【0056】
裏当て部材1は、べースコンクリート6の上に短辺側のフランジ(以下「水平部」という)1aを固定ねじ3で固定し、長辺側のフランジ(以下「立ち部」という)1bを垂直に立ち上げて設置する。
【0057】
その際、べースコンクリート6のレベル誤差を吸収するために、立上がり部1bの上端部をべースコンクリート6のレベルに合わせて同じレベルになるように切り揃える。そして、耐蝕パネル2Cの裏面下端部を立上がり部1bの外側面に当接させ、耐蝕パネル2Cの下端部を立上がり部1bに固定ねじ3によって固定する。
【0058】
その際、横方向に隣接する耐蝕パネル2C,2C間の目地部に、鉛直方向に設置される裏当て部材1Aの下端部を、耐蝕パネル2Cの下端部と立上がり1bとの重ね幅Wだけ短くしておくことで、耐蝕パネル2Cを設置する際に、レベルに合わせて切りそろえられた立上がり部1bの上端部に裏当て部材1Aの下端部を接する状態で設置すると、耐蝕パネル2Cの設置作業が容易になる。なおこの場合、耐蝕パネル2Cの下端部にスペーサー7を介在してもよい。
【0059】
また、立上がり部の目地処理は、耐蝕パネル2Cの最下端の小口と立上がり部1bとの間に耐蝕シール材4を三角形状に充填し、その上から耐蝕ライニング5を施すことにより、二重の耐蝕処理構造になる。
【0060】
上記のように裏当て部材を用いて耐蝕パネルどうしを接合したので、桟木を必要とせず、また耐蝕パネルに釘を打つ必要もない。また、このように組み立てられた耐蝕パネルは通常の支保工によって固定するだけでコンクリートを打設でき、さらにコンクリートが硬化した後に耐蝕パルネを撤去する際に、支保工だけを解体すればよいので、コンクリート打設後の作業が極めて簡略化される。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、耐蝕パネルを裏当て部材に固定ねじ等で固定するだけで、耐蝕パネルを組み立てることができるため、耐蝕パネルの組立て時間が短縮され、またコンクリート硬化後の型枠解体作業も、支保工の解体だけでよいので、後工程の時間も短縮された。
【0062】
また、桟木などの材木を一切使用しないで耐蝕パネルを組み立てることができるので、建設に伴う南洋材の使用もなくなり、地球環境の保護にも大きく貢献できる。
【0063】
耐蝕パネルどうしの接合部(目地部)の後処理は、目地部分に耐蝕シールを施した後に、その上から目地部を覆うように耐蝕ライニングを施すことにより、目地部分の耐蝕処理構造が二重構造になり、現場作業による欠陥の発生率を著しく引き下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート用型枠として設置された耐蝕パネルどうしの平面接合部を示し、(a)はその一部斜視図、(b)はその横断面図である。
【図2】コンクリート用型枠として設置された耐蝕パネルどうしの入り隅接合部を示し、(a)はその一部斜視図、(b)はその横断面図である。
【図3】コンクリート用型枠として設置された耐蝕パネルどうしの出隅接合部を示し、(a)はその一部斜視図、(b)はその横断面図である。
【図4】コンクリート用型枠として設置された耐蝕パネル立上がり部を示し、(a)はその一部斜視図、(b)はその縦断面図である。
【符号の説明】
1 裏当て部材
1a フランジ、水平部
1b フランジ、立上がり部
2A 先施工の耐蝕パネル
2B 後施工の耐蝕パネル
2C 最下端の耐蝕パネル
3 固定ねじ(木ねじあるいはスクリューねじ等)
4 耐蝕シール材
5 耐蝕ライニング
6 べースコンクリート
7 スペーサ

Claims (2)

  1. コンクリート躯体の表面を複数の耐蝕パネルによって耐蝕処理するコンクリート躯体表面の耐蝕処理工法であって、先に取り付けられる先施工耐蝕パネルの表面に後から取り付けられる後施工耐蝕パネルの端部を当接し、当該先施工耐蝕パネルと後施工耐蝕パネルとからなる入り隅接合部の裏側に、断面ほぼ山形状の裏当て部材を、当該裏当て部材の一方のフランジを前記先施工耐蝕パネルの端部に、他方のフランジを前記後施工耐蝕パネルの端部にそれぞれ固定して取り付け、前記先施工耐蝕パネルと前記後施工耐蝕パネルとの接合部に耐蝕シール材を三角形状をなすように充填し、当該耐蝕シール材および当該耐蝕シール材の両側の耐蝕パネルの上に耐蝕ライニング材を取り付けることを特徴とするコンクリート躯体の表面処理工法。
  2. コンクリート躯体の表面を複数の耐蝕パネルによって耐蝕処理するコンクリート躯体表面の耐蝕処理工法であって、先に取り付けられる先施工耐蝕パネルと後から取り付けられる後施工耐蝕パネルの端部どうしを突き合わせ、当該先施工耐蝕パネルと後施工耐蝕パネルとからなる出隅接合部の裏側に、断面ほぼ山形状の裏当て部材を、当該裏当て部材の一方のフランジを前記先施工耐蝕パネルの端部に、他方のフランジを前記後施工耐蝕パネルの端部にそれぞれ固定して取り付け、当該先施工耐蝕パネルと後施工耐蝕パネルとの接合部に当該先施工耐蝕パネルおよび後施工耐蝕パネルの端部を覆うように耐食シール材を充填し、当該耐蝕シール材および当該耐蝕シール材の両側の耐蝕パネルの上に耐蝕ライニング材を取り付けることを特徴とするコンクリート躯体の表面処理工法。
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