JPH08238705A - 衝撃吸収部品 - Google Patents

衝撃吸収部品

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JPH08238705A
JPH08238705A JP7046786A JP4678695A JPH08238705A JP H08238705 A JPH08238705 A JP H08238705A JP 7046786 A JP7046786 A JP 7046786A JP 4678695 A JP4678695 A JP 4678695A JP H08238705 A JPH08238705 A JP H08238705A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fiber
sheet
shock
skin material
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JP7046786A
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English (en)
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Shohei Masui
井 捷 平 桝
Yuji Kobayashi
林 雄 司 小
Satoru Funakoshi
越 覚 船
Yasuji Matsumoto
本 泰 次 松
Hiroyuki Yoshitake
武 裕 幸 吉
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KEEPURA SHEET KK
JFE Steel Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
KEEPURA SHEET KK
Sumitomo Chemical Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】50%以上の空隙率を有する抄造法繊維強化熱
可塑性樹脂層からなる芯材部の意匠面側に表皮材が積層
され、非意匠面の少なくとも一部に衝撃吸収体が一体化
して設けられてなることを特徴とする衝撃吸収部品。 【効果】本発明の衝撃吸収部品は、衝撃吸収体のみなら
ず、芯材部それ自体も空隙率の高い繊維強化熱可塑性樹
脂層から形成されているため衝撃吸収性に非常に優れ、
しかも表皮材が貼合されているため外観も良好であっ
て、該部品自体で内装材などとしての使用も可能であ
り、更には強度および軽量性にも優れるという多くの効
果を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衝撃吸収部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】衝撃吸収部品は従来より多くの分野で使
用されているが、特に自動車内装材として、たとえば、
近年、側突対応のために衝撃吸収性を改良したドアトリ
ムが多く使用されるようになった。従来、かかるドアト
リムとしては、意匠面側に表皮材が積層された熱可塑性
樹脂成形体などの基材の非意匠面にブロック状やリブ構
造の衝撃吸収体を設けた構造のものが知られている。
【0003】しかし、このようなドアトリムは、内装材
としての強度と衝撃吸収性を同時に満足させる必要があ
るため、前者においては熱可塑性樹脂成形体などの内装
材の基材の厚みが厚くなって重量が増加するという問題
があり、後者においては、リブ構造を基材樹脂部と一体
化できるために前者よりは軽量性に優れるが尚十分でな
く、また一体化するためには成形面でリブ形状に制限が
多いため、軽量性と衝撃吸収性を同時に満足させること
はできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは軽量で、衝撃吸収性に優れるとともに、そ
れ自体で内装材として使用できる衝撃吸収部品を開発す
べく検討の結果、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は50
%以上の空隙率を有する抄造法繊維強化熱可塑性樹脂層
からなる芯材部の意匠面側に表皮材が積層され、非意匠
面の少なくとも一部に衝撃吸収体が一体化して設けられ
てなることを特徴とする衝撃吸収部品を提供するもので
ある。
【0006】以下、本発明を説明する。図1は本発明の
衝撃吸収部品の例をその断面で示したものであって、5
0%以上の空隙率を有する抄造法繊維強化熱可塑性樹脂
層からなる芯材部(1)と、その表面の意匠面側の表皮
材(2)および非意匠面に部分的に設けられた熱可塑性
樹脂発泡体などからなる衝撃吸収体(3)とから構成さ
れ、図2は本発明の衝撃吸収部品の他の例を同様に示し
たものであって、この例では熱可塑性樹脂により形成さ
れたリブが衝撃吸収体(4)として芯材部(1)に一体
化された構造となっている。
【0007】本発明の衝撃吸収部品において、芯材部
は、強度と軽量性の点から、空隙率が50容量%以上で
ある抄造法繊維強化熱可塑性樹脂層からなることが必要
であり、該樹脂層は抄造法により得た繊維強化熱可塑性
樹脂シート(以下、抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シート
と呼ぶことがある)から容易に得ることができる。ここ
で、抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シートは、水中で均一
に分散、混合した強化繊維と熱可塑性樹脂粉末から抄造
法により得られる不織材料を加熱、加圧して得られる空
隙率が50容量%未満、通常10〜30容量%程度のシ
ート状成形素材としたものであり、本発明における衝撃
吸収部品の芯材部として使用する空隙率が50容量%以
上である抄造法繊維強化熱可塑性樹脂層は、このような
抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シートを加熱により所望の
空隙率となるようになるまで厚み方向に膨張させつつ所
望の形状に成形するか、あるいは予熱して所望の空隙率
以上になるまで厚み方向に膨張させたのち、予熱状態を
保ちながらこれを所望の空隙率となるように、かつ所望
の形状になるように再度加圧、圧縮して成形する膨張成
形法により容易に製造することができるが、一般には成
形性の良好な点で後者の膨張成形法による方法が採用さ
れる。
【0008】かかる抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シート
を製造するための強化繊維としては、ガラス繊維、炭素
繊維、ステンレス繊維などの金属繊維などの各種無機質
繊維、アラミド繊維などの有機質繊維、あるいはこれら
の任意の混合物などが使用され、これらは通常繊維径が
1〜50μm、長さが3〜50mm、好ましくは5mm
以上の繊維として使用される。これらの強化繊維の内で
も、ガラス繊維は低コストで高い補強効果が得られるた
め、特に有利に使用される。
【0009】また、抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シート
を製造するためのマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂
としては、プレス成形、射出成形、押し出し成形などで
通常使用されている熱可塑性樹脂ならばいずれも使用可
能であって、かかる樹脂として例えばポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ア
クリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ
塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、スチレ
ン・アクリロニトリル共重合体などの一般的な熱可塑性
樹脂、熱可塑性エラストマー、これらの混合物、あるい
はこれらの熱可塑性樹脂を用いたポリマーアロイを挙げ
ることができる。
【0010】尚、本発明における芯材部(1)としての
抄造法繊維強化熱可塑性樹脂層は、通常は上記方法によ
り得られたものをそのまま使用することもできるが、該
シートの片面または両面に予め熱可塑性樹脂フィルムを
貼着して使用することもできる。シートの片面に熱可塑
性樹脂フィルムが貼着されている場合には、通常は該フ
ィルムが貼着されていない側に表皮材が貼合され、フィ
ルムが貼着されている側に衝撃吸収体が設けられるが、
このような構成にすることにより、フィルムによって芯
材部に非通気性が付与されるとともに、表皮材非貼合面
の強化繊維の浮きだしを防止することができる。また、
シートの両面に熱可塑性樹脂フィルムが貼着されている
場合には、前記の芯材部非意匠面の強化繊維の浮きだし
防止に加え、表皮材と芯材部との接着性が向上し、さら
には芯材部の強度が向上するため、得られた衝撃吸収部
品の強度もより向上するという効果が得られる。
【0011】かかる目的で使用される熱可塑性樹脂フィ
ルムは、一層であっても二層以上の多層構造からなるフ
ィルムであってもよく、主たる使用目的によって適宜選
択されるが、その材質は、芯材部である抄造法繊維強化
熱可塑性樹脂シートとの接着性が良好であれば、芯材部
を構成する熱可塑性樹脂とは異なる他の熱可塑性樹脂か
らなるフィルムであっても何ら差し支えないが、該シー
トのマトリックス樹脂と同一あるいは構造類似の樹脂を
使用するのが好ましい。かかる熱可塑性樹脂フィルム
は、芯材部を抄造法熱可塑性樹脂シートの膨張成形法で
成形する場合に、該シートとともに加熱、加圧してラミ
ネートされるのが一般的であるため、該シートの予熱時
にフィルムが溶けたり破れたりしないようなものを選ぶ
必要がある。フィルムの厚みは、その効果を得るに十分
な厚みであれば特に制限はないが、通常は120μm程
度以下である。また、強化繊維の浮きだし防止を主たる
目的とする場合には、芯材部の反表皮材側に、前記樹脂
フィルムをラミネートするか、目付が10〜30g/m
2 程度のポリエステル系不織布などの不織布をラミネー
トして、強化繊維の浮きだし防止処理を行っておくこと
は有効である。
【0012】表皮材(2)の種類は、目的とする衝撃吸
収部品の表面の加飾、クッション性付与、断熱性付与、
非通気性の付与などのそれぞれの目的に応じて適宜選択
され、例えば、織布、不織布、熱可塑性樹脂や熱可塑性
エラストマーのシート、熱可塑性樹脂発泡シートあるい
はこれらの組み合わせからなる積層体、たとえばポリ塩
化ビニルフィルムや熱可塑性エラストマーフィルムの裏
面に発泡ポリプロピレンシートを積層した積層体などが
挙げられ、これら表皮材の表面にはシボ等の凹凸模様や
印刷が施されていてもよい。このような表皮材は、予め
成形された芯材部に接着剤などによって接着してもよい
が、衝撃吸収部品を原料抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートの膨張成形によって製造する際に、該製造工程にお
いて成形と同時に芯材部に貼合一体化することが好まし
く、この場合には膨張成形における予熱工程において、
その熱によって溶融したり破れたりしないように耐熱性
を有することが必要である。また、後者の方法による場
合には、表皮材は、芯材部である抄造法繊維強化熱可塑
性樹脂シートのマトリックス樹脂あるいは該シートの表
面に貼着されている熱可塑性樹脂フィルムと同種あるい
は類似の熱可塑性樹脂のように、芯材部との熱融着によ
る接着性が良好な材質であることが好ましい。表皮材自
体が上記のマトリックス樹脂や熱可塑性樹脂フィルムと
の接着性に劣る場合には、表皮材の裏面にこれらの樹脂
との接着性に優れる樹脂フィルムを予めラミネートして
おくことにより接着性を向上させることができる。ま
た、表皮材の種類や厚みによっては、芯材部の表面に浮
きでている強化繊維を表皮材を構成する熱可塑性樹脂層
中に取り込むアンカリング効果により、あるいはその反
対に表皮材が織布や編布のように多孔質であったり表面
が繊維状である場合には芯材部のマトリックス樹脂によ
るアンカリング効果により接着させることができる。ま
た、衝撃吸収部品に非通気性を求める場合に、非通気性
表皮材を使用し、かつこれが芯材部との接着性に優れる
ならば芯材部の片面もしくは両面に予め熱可塑性樹脂フ
ィルムを貼着しておくことは特に必要ないが、通気性表
皮材を使用する場合には、熱可塑性樹脂フィルムを貼着
した抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シートを使用するか、
その裏面に非通気性のフィルムをラミネートした表皮材
を使用すればよい。
【0013】本発明の衝撃吸収部品は、芯材部(1)の
意匠面にこのような表皮材(2)が貼合され、その裏面
である非意匠面の少なくとも一部に衝撃吸収体(3、
4)が積層一体化されてなるものである。衝撃吸収体の
材質は、一般的に知られている各種の衝撃吸収材料から
その使用目的に応じて選択されるが、膨張して65容量
%以上の空隙率を有する抄造法繊維強化熱可塑性樹脂成
形体や独立気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体あるいは熱
可塑性樹脂により成形されたリブ構造体が好適に用いら
れる。ここで、膨張して65%以上の空隙率を有する抄
造法繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、本発明に適用され
る抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造に準じて容
易に製造することができ、芯材部を構成する抄造法繊維
強化熱可塑性樹脂シートと同種の材料であってもよい
し、異なる材料から構成されていてもよく、もちろん厚
みが異なっていてもよく、その構成材料や厚みは目的と
する衝撃吸収性を満足するように適宜決定される。ま
た、独立気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体としては、一
般的によく知られて発泡体がそのまま適用されるが、軽
量性に富み、衝撃吸収性の高いポリプロピレンビーズ発
泡体が好適に使用される。熱可塑性樹脂成形体からなる
衝撃吸収体は、通常柱状、中空状のリブ構造体として利
用され、たとえば自動車のドアトリムのように衝撃吸収
部品を内装材を兼ねて用いる場合に使用される。
【0014】かかる衝撃吸収体は、芯材部の表皮材が貼
合されていない非意匠面である裏面の全面に設けてもよ
いが、通常は該裏面に部分的に設けられ、その形状、寸
法、配置場所、配置個数などは衝撃吸収部品としての使
用目的、使用状況などにより適宜決定され、特に限定さ
れるものではない。例えば衝撃吸収体の形状については
軽量性、衝撃吸収性、他部品との嵌合性あるいは成形性
などを考慮して最も有効な形状、寸法とすることがで
き、ブロック状、パイプ状、凹凸形状あるいは櫛歯状な
どであってもよい。
【0015】このような衝撃吸収体の芯材部との一体化
は、予め所望の形状に成形した衝撃吸収体を芯材部の成
型後に接着材や熱融着により接着してもよいし、衝撃吸
収体と芯材部との熱融着性が優れる場合には、芯材部成
形と同時に一体化してもよく、後者の方法はコストにも
有利である。また、リブ構造の衝撃吸収体を設ける場合
には、上記と同様に予め所望の形状に成形したリブ構造
体を芯材部の成型後に接着してもよいし、芯材部形成と
同時に一体化してもよい。また、所望の衝撃吸収部品の
形状となるように設計された金型を使用し、表皮材を貼
合した芯材部を先に形成せしめた後、溶融状熱可塑性樹
脂を金型のリブ形成部に供給してリブ部を形成せしめる
と同時に、先に形成した芯材部と一体化してもよい。
【0016】本発明の衝撃吸収部品は、このような任意
の方法により、芯材部である抄造法繊維強化熱可塑性樹
脂層の意匠面側に表皮材を積層し、非意匠面の少なくと
も一部に衝撃吸収体を積層、一体化することにより容易
に製造することができるが、少なくとも、表皮材は芯材
部の成形と同時に芯材部の意匠面となる表面に積層、貼
合する方法が好ましい。かかる方法では、原料抄造法繊
維強化熱可塑性樹脂シートの膨張成形と同時に表皮材を
貼合する方法が利用され、この場合には原料抄造法繊維
強化熱可塑性樹脂シートそれ自体の空隙率は大して重要
ではなく、該シートをマトリックス樹脂の溶融温度以上
に予熱することにより膨張したときの空隙率が50容量
%以上、好ましくは80容量%以上であればよい。以下
にかかる方法における代表的な製造例について述べる。
【0017】一つの方法は、芯材部と予め形成された衝
撃吸収体とを別工程で一体化する方法である。この方法
は、所望の衝撃吸収部品のうち、衝撃吸収体の部分を除
く形状に対応した立体形状に形成されたキャビティ面を
有する上型(5)および下型(6)からなる一対の金型
(図3)を使用し、開放状態にある両金型間に表皮材
(2)および予め遠赤外線加熱炉などでマトリックス樹
脂の溶融温度以上に、かつ空隙率が50容量%以上とな
るように予熱して膨張させた抄造法繊維強化熱可塑性樹
脂シート(7)を重ね合わすように供給し(図4)、そ
の後該シートが空隙率50容量%以上を維持し、かつ所
望の厚みになるように両金型を型締して、シート(7)
の熱と型締圧を利用して表皮材と該シートを接着一体化
させるともに該シートから形成される芯材部(1)を所
望の形状に賦形(図5)し、冷却後、表皮材を貼合した
芯材部を取り出し(図6)、芯材部の所定の位置に別途
形成した衝撃吸収体(3)を接着材などで接着一体化す
る(図7)ものである。
【0018】もう一つの方法は、芯材部と予め形成され
た衝撃吸収体とを一工程で一体化する方法である。この
方法による場合には、所望の衝撃吸収部品の形状に対応
した立体形状に形成されたキャビティ面を有する上型
(5)および下型(6)からなる一対の金型(図8)が
使用される。両金型を開放状態とし、金型キャビティ面
の衝撃吸収体が収納されるべき凹部(8)に衝撃吸収体
(3)を収納し、その上に予め遠赤外線加熱炉などでマ
トリックス樹脂の溶融温度以上に、かつ空隙率が50容
量%以上となるように予熱して膨張させた抄造法繊維強
化熱可塑性樹脂シート(7)および表皮材(2)を重ね
合わせ(図9)、その後該シートが空隙率50容量%以
上を維持し、かつ所望の厚みになるように両金型を型締
して、シート(7)の熱と型締圧を利用して表皮材と該
シートを接着一体化させるとともに該シートから形成さ
れる芯材部(1)を所望の形状に賦形し、かつシート
(7)の熱を利用して芯材部(1)に衝撃吸収体(3)
を接着一体化する(図10)ものである。
【0019】これらの例示方法のうち、後者の方法は工
業的にも有利な方法であり、以下に更に詳細に説明す
る。この方法で使用される金型は、前記したように上型
(5)および下型(6)の一対からなり、これらのいず
れかまたは両方が上下方向に移動可能である。これらの
金型のキャビティ面は製品である衝撃吸収部品の形状に
対応した立体形状に形成されている。尚、この際、下型
の金型面に設けられている衝撃吸収体の形状に対応する
凹部(8)は、該衝撃吸収体の芯材部との接着面と同じ
あるいは若干大きめの開口部を有している。成形の第一
工程においては、先ず両金型を開放状態とし、下型の金
型面に設けられている衝撃吸収体の形状に対応する凹部
(8)に予め所望の形状に形成された衝撃吸収体を収納
するが、この際、衝撃吸収体の上端面(芯材部との接着
面)が下型キャビティ面と同じ高さか、キャビティ面よ
り若干高くなるようにセットすることが好ましい。ま
た、衝撃吸収体が芯材部との熱による接着性が劣る材質
からなる場合には、衝撃吸収体の芯材部との接着面は、
予熱された抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シート(7)の
熱で接着一体化するように、予め適当な処理、例えば熱
による接着可能な熱可塑性樹脂フィルムを貼着したり、
ホットメルト接着剤を塗布したりしておく必要がある。
【0020】衝撃吸収体を収納したのち、該衝撃吸収体
を覆うように、予め遠赤外線加熱炉などでマトリックス
樹脂の溶融温度以上に、かつ空隙率が50容量%となる
ように予熱して膨張させた抄造法繊維強化熱可塑性樹脂
シート(7)および表皮材(2)を供給するが、この
際、該樹脂シート(7)は予熱により空隙率が80容量
%以上となっていることが好ましく、かかる樹脂シート
(7)は下金型面上に直接載置してもよいし、クランプ
枠などでシート末端を保持して、金型面から浮かした状
態で載置してもよい。また、表皮材も該樹脂シート
(7)の上に直接重ね合わせるように供給してもよい
し、表皮材端部を上金型のパーティング面や表皮材クラ
ンプ枠などで保持し、樹脂シートと距離をおいて供給し
てもよい。さらに、予備賦形された表皮材を使用し、該
表皮材を上金型面にセットしておくことも可能である。
【0021】このように衝撃吸収体(3)、予熱して膨
張させた抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シート(7)およ
び表皮材(2)を両金型間に供給したのち、該樹脂シー
トの空隙率が50容量%より小さくならないように、か
つ所望の製品厚となるように型締を行ない、芯材部とな
る該シートを賦形すると同時に表皮材(2)および衝撃
吸収体(3)を予熱されたシートの熱と型締圧で接着一
体化する。型締にあたって、型締完了時のキャビティク
リアランスは金型に設けたストッパー(9)により設定
する方法が簡便で確実であり、実務上好ましい。
【0022】型締完了後、金型を冷却し、金型を開いて
製品を取り出す。かくして、空隙率が50容量%以上の
抄造法繊維強化熱可塑性樹脂層を芯材部とし、その片面
の意匠面には表皮材が貼合され、裏面には衝撃吸収体が
一体化された衝撃吸収部品が容易に製造される。なお、
これらの製法において、原料となる抄造法繊維強化熱可
塑性樹脂シートの片面または両面に熱可塑性樹脂フィル
ムが予め貼着されている場合にも、該フィルムを貼着し
たままでシートを予熱し、空隙率が50容量%以上とな
るようにして金型間に供給すればよい。
【0023】なお、衝撃吸収体を熱可塑性樹脂からなる
リブ構造とする場合には、前記した金型凹部(9)をリ
ブ形状に対応する形状とし、該凹部に衝撃吸収体を収納
することなく前記と同様にして表皮材のみが貼合された
芯材部を先に成形し、型締したままで、金型内部に設け
た溶融樹脂供給路に連通して凹部に開口する溶融樹脂供
給口から溶融樹脂を供給したのち金型を冷却することに
より、熱可塑性樹脂からなるリブが強固に芯材部に一体
化された衝撃吸収部品を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の衝撃吸収部品は、衝撃吸収体の
みならず、芯材部それ自体も空隙率の高い繊維強化熱可
塑性樹脂層から形成されているため衝撃吸収性に非常に
優れ、しかも表皮材が貼合されているため外観も良好で
あって、該部品自体で内装材などとしての使用も可能で
あり、更には強度および軽量性にも優れるという多くの
効果を有している。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれによって限定されるものでない
ことはいうまでもない。
【0026】実施例1 図8に示されるような、下金型面に衝撃吸収体を収納す
る凹部を有する上下一対からなる金型を使用し、以下の
方法により衝撃吸収部品を製造した。尚、表皮材として
は軟質塩化ビニルフィルムにポリプロピレン発泡シート
を積層した厚さ4mmの積層シート(共和レザー社製)
を用い、また原料抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シートと
してはポリプロピレンとガラス繊維から構成される厚さ
約1mmのケープラシート(ケープラシート社製、ガラ
ス繊維含量:45重量%、目付け:1200g/c
2 )を用いた。また、衝撃吸収体として、上記ケープ
ラシートを熱により膨張させ、これをそのまま冷却した
空隙率80容量%の繊維強化熱可塑性樹脂を所定の形状
に裁断したものを使用したが、該衝撃吸収体の芯材部と
の接着面にはホットメルト接着シートをラミネートし
た。図8に示すように上下両金型を開放状態とし、下金
型の凹部に衝撃吸収体を、芯材部との接着面を上端と
し、かつその上端面が金型キャビティ面と同一高さとな
るように嵌め込んだ。次いで、その上にケープラシート
を遠赤外線加熱炉で210℃に予熱し、空隙率が80容
量%で厚さが5mmに膨張した抄造法繊維強化熱可塑性
樹脂シートを載置し、さらにその上に表皮材である積層
シートを載置した(図9)。その後、直ちに上金型を降
下させて型締を開始し、キャビティクリアランスが7m
mになったところで型締を完了した。この状態で金型を
冷却した後金型を開き、図1に示される断面形状の衝撃
吸収部品を取り出した。得られた衝撃吸収部品の芯材部
の空隙率は60容量%であり、その片面には積層シート
からなる表皮材が、裏面には空隙率80容量%に膨張し
た抄造法繊維強化熱可塑性樹脂からなる衝撃吸収部品が
それぞれ強固に接着一体化されていて、外観は良好であ
った。また、軽量で強度、衝撃吸収性にも非常に優れて
いた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衝撃吸収部品例の断面図である。
【図2】本発明の衝撃吸収部品例の断面図である。
【図3】本発明の衝撃吸収部品を製造する金型例の概略
断面図である。
【図4】本発明の衝撃吸収部品の製造例の製造工程を示
す金型断面の概略図である。
【図5】本発明の衝撃吸収部品の製造例の製造工程を示
す金型断面の概略図である。
【図6】図3〜図5の方法で得た衝撃吸収部品の表皮材
貼合芯材部と衝撃吸収部品との接着前の状態を示す断面
図である。
【図7】図3〜図6の方法で得た本発明の衝撃吸収部品
の断面図である。
【図8】本発明の衝撃吸収部品を製造する金型例の概略
断面図である。
【図9】本発明の衝撃吸収部品の製造例の製造工程を示
す金型断面の概略図である。
【図10】本発明の衝撃吸収部品の製造例の製造工程を
示す金型断面の概略図である。
【符号の説明】
1:芯材部 2:表皮材 3:衝撃吸収体1 4:衝撃吸収
体2 5:上金型 6:下金型 7:予熱された抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シート 8:凹部 9:ストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 101:12 105:08 (72)発明者 桝 井 捷 平 東京都中央区新川2丁目27番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 小 林 雄 司 東京都中央区新川2丁目27番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 船 越 覚 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 松 本 泰 次 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社ハイテク研究所内 (72)発明者 吉 武 裕 幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 ケープ ラシート株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】50%以上の空隙率を有する抄造法繊維強
    化熱可塑性樹脂層からなる芯材部の意匠面側に表皮材が
    積層され、非意匠面の少なくとも一部に衝撃吸収体が一
    体化して設けられてなることを特徴とする衝撃吸収部
    品。
  2. 【請求項2】表皮材および/または衝撃吸収体が、芯材
    部の片面または両面に積層された熱可塑性樹脂製フィル
    ムを介して芯材部と一体化されてなる請求項1に記載の
    衝撃吸収部品。
  3. 【請求項3】衝撃吸収体が、膨張して65%以上の空隙
    率を有する抄造法繊維強化熱可塑性樹脂成形体である請
    求項1または2に記載の衝撃吸収部品。
  4. 【請求項4】衝撃吸収体が、独立気泡を有する熱可塑性
    樹脂発泡体である請求項1または2に記載の衝撃吸収部
    品。
  5. 【請求項5】衝撃吸収体が、熱可塑性樹脂により成形さ
    れたリブ構造体である請求項1または2に記載の衝撃吸
    収部品。
  6. 【請求項6】衝撃吸収部品が自動車内装材である請求項
    1〜5に記載の衝撃吸収部品。
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