JPH08234490A - フルカラー現像用トナー - Google Patents

フルカラー現像用トナー

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JPH08234490A
JPH08234490A JP6213795A JP6213795A JPH08234490A JP H08234490 A JPH08234490 A JP H08234490A JP 6213795 A JP6213795 A JP 6213795A JP 6213795 A JP6213795 A JP 6213795A JP H08234490 A JPH08234490 A JP H08234490A
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JP
Japan
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toner
color
yellow
full
magenta
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JP6213795A
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English (en)
Inventor
Masayuki Haki
雅之 葉木
Katsunobu Kurose
克宣 黒瀬
Takeshi Arai
健 新井
Junichi Tamaoki
順一 玉置
Ichiro Izumi
一郎 出水
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透光性、色再現性及び耐光性に優れた良好な
フルカラー画像が安定して得られるフルカラー現像用ト
ナーを提供する。 【構成】 少なくともシアントナーとマゼンタトナーと
イエロートナーとを用いて所定の色毎に現像を行なうフ
ルカラー画像形成装置に使用されるフルカラー現像用ト
ナーにおいて、シアントナー,マゼンタトナー及びイエ
ロートナーの各カラートナーのバインダー樹脂に、酸価
が1〜30mgKOH/g、数平均分子量Mnが300
0〜6000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
との比(Mw/Mn)が2〜6、ガラス転移点が50〜
70℃及び軟化点が90〜110℃のポリエステル樹脂
を用い、シアントナーにおける着色剤にシアン顔料を、
マゼンタトナーにおける着色剤にマゼンタ顔料を、イエ
ロートナーにおける着色剤にイエロー染料を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フルカラー複写機や
フルカラープリンター等のフルカラー画像形成装置に使
用されるフルカラー現像用トナーに係り、少なくともシ
アントナーとマゼンタトナーとイエロートナーとを用い
て所定の色毎に現像を行ない、フルカラーの画像を形成
するフルカラー画像形成装置に使用されるフルカラー現
像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、感光体に形成された静電潜像
をトナーを用いて現像し、このトナー像を記録紙等の記
録部材上に転写して画像形成を行なう電子写真方式を利
用した複写機,プリンター,ファクシミリ等の画像形成
装置が広く利用されており、また近年においては、複数
色のトナーを用いてフルカラーの画像形成を行なうフル
カラー複写機やフルカラープリンター等のフルカラー画
像形成装置が用いられるようになった。
【0003】ここで、このようなフルカラー画像形成装
置としては、様々な方式のものが存在しており、一般
に、帯電された感光体上にレーザー等の光ビームを照射
する書き込み手段等により所定の色に対応する静電潜像
を形成し、この静電潜像に対して、マゼンタトナー,シ
アントナー,イエロートナー及び必要に応じてブラック
トナーから選択される所定のトナーを供給して現像を行
ない、上記潜像形成工程と現像工程とを各色毎に行な
い、これらのトナー像を重ね合わせてフルカラーの画像
を得るようにしていた。
【0004】そして、このようなフルカラーの画像形成
に使用されるフルカラー現像用トナーについては、フル
カラーの画像形成が安定して行なえると共に、耐久性の
良い良好なフルカラー画像が得られるようにするため、
耐熱保管性や定着性や耐光性等に優れると共に、特に、
上記のマゼンタトナー,シアントナー及びイエロートナ
ーの各カラートナーについては、これらのトナー像を重
ね合わせてフルカラーの画像を得るため、透光性や混色
性等に優れていることが要求された。
【0005】また、上記のようなフルカラー画像形成装
置においては、フルカラー画像を一般に使用されている
記録紙の他に、透明なオーバーヘッドプロジェクター用
シート(以下、OHPシートと略す。)に形成すること
も行なわれており、このようなOHPシート上に上記の
ように複数の色彩のトナー像を重ね合わせてフルカラー
画像を形成する場合、各トナーが所望の色に対応した分
光反射率を有すると共に、上記のように各色のトナー像
を重ね合わせた場合に、下に位置するトナーの色をその
上に位置するトナーが隠蔽しない、上記の各カラートナ
ーにさらに優れた透光性が要求された。
【0006】ここで、上記のマゼンタトナー、シアント
ナー及びイエロートナーからなる各カラートナーにおい
ては、その着色剤として従来より各種の顔料及び染料が
用いられているが、それぞれ種々の欠点が存在した。
【0007】例えば、上記の各カラートナーにおける着
色剤に顔料を使用した場合、染料を用いた場合に比べ
て、一般に耐熱性や耐光性に優れた画像が得られるが、
顔料がトナー中で粒子状に分散された状態で存在するた
め、この顔料の分散が不十分であると、OHPシートに
これらのトナー像を形成した場合に、投影像が暗くなっ
て彩度が低くなり、その透光性が低下し、また記録部材
上にトナー像を形成した場合に、トナー中に分散した顔
料粒子における光散乱により、分光反射特性が悪くなっ
て、原稿の色彩を正確に再現することができなくなる等
の問題があった。
【0008】一方、上記の各カラートナーにおける着色
剤に染料を使用した場合には、染料が一般にバインダー
樹脂中に溶解した状態で存在するため、顔料を使用した
場合に比べて、透光性や色の彩度等に優れた画像が得ら
れるようになるが、耐熱性や耐光性が低く、彩度に優れ
た画像が得られたとしても、光による退色が生じて、良
好な画像を長期間維持することができないという問題が
あり、また耐熱性も低いため、トナー像を定着させる場
合等に、染料が昇華して装置内が汚染されたり、定着時
に用いられるシリコンオイル等に染料が溶解する等の問
題もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、少なくと
もシアントナーとマゼンタトナーとイエロートナーとを
用いて所定の色毎に現像を行ない、フルカラーの画像を
形成するフルカラー画像形成装置に使用されるフルカラ
ー現像用トナーにおける上記のような問題を解決するこ
とを課題とするものである。
【0010】すなわち、この発明においては、上記のよ
うなフルカラー現像用トナーにおいて、少なくともシア
ントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーの各カラ
ートナーを用いて各トナー像が重ね合わされたフルカラ
ーの画像形成を行なうにあたり、各トナーが十分な耐熱
保管性や定着性を有すると共に、透光性や混色性にも優
れ、OHPシートに上記のようなトナー像を重ねあわせ
てフルカラーの画像を形成した場合であっても、十分な
透光性を有して投影像が暗くなったり彩度が低下したり
するということがなく、またフルカラー画像が長期にわ
たって安定して維持されるフルカラー現像用トナーを提
供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、少なくともシアントナ
ーとマゼンタトナーとイエロートナーとを用いて所定の
色毎に現像を行ない、フルカラー画像を形成するフルカ
ラー画像形成装置に使用されるフルカラー現像用トナー
において、上記のシアントナー,マゼンタトナー及びイ
エロートナーの各カラートナーにおけるバインダー樹脂
に、酸価が1〜30mgKOH/g、数平均分子量Mn
が3000〜6000、重量平均分子量Mwと数平均分
子量Mnとの比(Mw/Mn)が2〜6、ガラス転移点
が50〜70℃及び軟化点が90〜110℃のポリエス
テル樹脂を用いると共に、上記シアントナーにおける着
色剤にシアン顔料を、マゼンタトナーにおける着色剤に
マゼンタ顔料を、イエロートナーにおける着色剤にイエ
ロー染料を用いるようにしたのである。
【0012】ここで、この発明において、上記の各トナ
ーのバインダー樹脂における酸価については、秤量した
10gの樹脂を50mlのトルエンに溶解させた溶液に
対して、0.1%のブロムチモールブルーとフェノール
レッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/
10水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定を行ない、
N/10水酸化カリウム/アルコールの消費量から下記
の式で酸価を求めた。酸価=5.61(mg)×KOH
(ml)×N/樹脂量(mg)
【0013】また、各トナーのバインダー樹脂における
数平均分子量Mnや重量平均分子量Mwについては、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光工業
社製:807−IT型)を用いて測定を行ない、カラム
を40℃に保ち、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラ
ンを1kg/cm2 で流し、測定する試料30mgをテ
トラヒドロフラン20mlに溶解し、この溶液0.5m
gを上記のキャリア溶媒と共に導入して、ポリスチレン
換算により求めた。
【0014】また、各トナーのバインダー樹脂における
ガラス転移点については、示差走査熱量計(セイコー電
子社製:DSC−200)を用い、測定する試料10m
gを精密に秤量して、これをアルミニウムパンに入れ、
リファレンスとしてアルミナをアルミニウムパンに入れ
たものを用い、昇温速度30℃/minで常温から20
0℃まで昇温させた後、これを冷却し、昇温速度10℃
/minで20〜120℃の間で測定を行ない、この昇
温過程で30〜80℃の範囲におけるメイン吸熱ピーク
のショルダー値をガラス転移点Tgとした。
【0015】また、各トナーのバインダー樹脂における
軟化点については、フローテスター(島津製作所社製:
CFT−500)を用い、測定する試料1.0gを秤量
し、1.0mm×1.0mmのダイを使用し、昇温速度
3.0℃/min,予熱時間180秒,加重30kg,
測定温度範囲60〜140℃の条件で、上記のフローテ
スターにより測定を行ない、上記の試料が1/2流出し
たときの温度を軟化点Tmとした。
【0016】そして、この発明におけるフルカラー現像
用トナーにおいて、上記のシアントナー,マゼンタトナ
ー及びイエロートナーの各カラートナーにおけるバイン
ダー樹脂に、酸価が1〜30mgKOH/gのポリエス
テル樹脂を用いるようにしたのは、酸価が30mgKO
H/gより高いものを用いると、得られたトナーの環境
安定性、特に湿度に対する荷電量の安定性が損なわれる
一方、酸価が1mgKOH/gより低いものを用いる
と、このバインダー樹脂に対する着色剤の分散性が悪く
なり、トナー粒子毎における着色剤の分散状態が不均一
になり、この結果、トナー粒子毎の荷電が不均一になっ
て、形成される画像にかぶりが発生しやすくなるためで
あり、好ましくは、酸価が2〜25mgKOH/gのポ
リエステル樹脂を用いるようにする。
【0017】また、上記のバインダー樹脂に、数平均分
子量Mnが3000〜6000のポリエステル樹脂を用
いるのは、数平均分子量Mnが3000より小さいもの
を用いると、得られたトナーにおける折り曲げ定着性が
低下し、フルカラー画像が形成された記録部材を折り曲
げた際に、その画像部分におけるトナーが剥離して画像
欠損が発生しやすくなる一方、数平均分子量Mnが60
00より大きいものを用いると、定着時におけるトナー
の熱溶融性が低下して、記録部材に対するこれらのトナ
ーの定着強度が低下するためであり、好ましくは、数平
均分子量Mnが3500〜5500のポリエステル樹脂
を用いるようにする。
【0018】また、上記のバインダー樹脂に、重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が
2〜6のポリエステル樹脂を用いるのは、この比が2よ
り小さいものを用いると、このトナーを用いて画像形成
を行なった場合に高温オフセットが発生しやすくなる一
方、この比が6より大きいものを用いると、そのトナー
の定着時におけるシャープメルト特性が低下して、定着
された画像におけるトナーの透光性や混色性が低下し、
色の再現性等が悪くなって良好なフルカラー画像が得ら
れなくなるためであり、好ましくは、この比(Mw/M
n)が2.5〜5.5になったポリエステル樹脂を用い
るようにする。
【0019】また、上記のバインダー樹脂に、ガラス転
移点Tgが50〜70℃のポリエステル樹脂を用いるの
は、ガラス転移点Tgが50℃より低いものを用いる
と、得られたトナーの耐熱性が悪くなり、保管時にトナ
ーが凝集しやすくなる一方、ガラス転移点Tgが70℃
より高いものを用いると、得られたトナーの記録部材に
対する定着強度が低下すると共に、各トナーにおける混
色性も低下して、色の再現性が悪くなり、良好なフルカ
ラー画像が得られなくなるためであり、好ましくは、ガ
ラス転移点Tgが55〜65℃のポリエステル樹脂を用
いるようにする。
【0020】また、上記のバインダー樹脂に、その軟化
点Tmが90〜110℃のものを用いるのは、軟化点T
mが90℃より低いものを用いると、このトナーを用い
て画像形成を行なった場合に高温オフセットが発生しや
すくなる一方、軟化点Tmが110℃より高いものを用
いると、このトナーにおける溶融性特性が低下して、記
録部材に対する定着強度が低下すると共に、定着された
画像におけるトナーの透光性や混色性や光沢が低下し、
色の再現性等が悪くなって良好なフルカラー画像が得ら
れなくなるためであり、好ましくは、軟化点Tmが90
〜105℃のポリエステル樹脂を用いるようにする。
【0021】ここで、上記の各カラートナーにおけるバ
インダー樹脂として用いるポリエステル樹脂としては、
分子量やガラス転移点Tgや軟化点Tmが上記のような
範囲になって十分なシャープメルト特性や透光性や混色
性等を持つと共に、十分な強度や耐熱性等をもつトナー
が得られるようにするため、アルコール成分にエーテル
化ジフェノール類を、酸成分に芳香族ジカルボン酸類を
用いたポリエステル樹脂を使用することが好ましい。
【0022】そして、このポリエステル樹脂に用いるエ
ーテル化ジフェノール類としては、例えば、ポリオキシ
プロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ
プロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン等を使用することができる。
【0023】また、このポリエステル樹脂におけるガラ
ス転移点Tgや軟化点Tmを調整するために、上記のエ
ーテル化ジフェノール類の他にアルコール成分として、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール等のジオール類;ソル
ビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,
4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、
グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メ
チル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒ
ドロキシメチルベンゼン等の多価アルコールを少量加え
るようにしてもよい。
【0024】一方、上記の芳香族ジカルボン酸類として
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステ
ル等を使用することができる。
【0025】また、このポリエステル樹脂におけるガラ
ス転移点Tgや軟化点Tmを調整するため、上記の芳香
族ジカルボン酸類の他に、例えば、フマール酸、マレイ
ン酸、コハク酸、炭素数4〜18のアルキル又はアルケ
ニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸その酸無水物又は
低級アルキルエステル等の脂肪族ジカルボン酸を少量加
えるようにしてもよい。
【0026】さらに、ポリエステル樹脂における酸価を
調整したり、その樹脂強度を向上させるために、上記の
もの以外に、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボ
ン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカ
ルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、
1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−
ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メ
チレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサ
ントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メ
タン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピ
ロメリット酸、これらの無水物又はその低級アルキルエ
ステル等の多価カルボン酸類を、トナーの透光性等を損
なわない範囲で少量加えるようにしてもよい。
【0027】また、この発明において、シアントナー及
びマゼンタトナーにおける着色剤にシアン及びマゼンタ
の各顔料を用いる一方、イエロートナーにおける着色剤
にイエロー顔料ではなくてイエロー染料を用いるのは、
一般にイエロー顔料の粒子径がシアン顔料やマゼンタ顔
料に比べて大きく、このイエロー顔料をバインダー樹脂
中に分散させたイエロートナーにおいては、シアントナ
ーやマゼンタトナーに比べて、イエロー顔料の表面での
光散乱が多く、隠蔽力が高くなってその透光性が低下
し、このイエロートナーを用いてフルカラー画像を形成
した場合、イエロー顔料における光散乱により分光反射
特性が悪くなって原稿の色彩を正確に再現できなると共
に、特に、OHPシートにフルカラー画像を形成した場
合には、投影像が暗くなって彩度も低くなるためであ
る。また、世の中にある物の色彩をイエロー,シアン,
マゼンタを用いて再現する場合、一般にイエローが使用
される頻度が高いために、このイエロートナーにおける
透光性等の特性が、得られたフルカラー画像に大きな影
響を与えて上記のような問題が顕著になる。
【0028】このため、この発明においては、イエロー
トナーにおける着色剤にイエロー染料を用いるのであ
り、このように着色剤にイエロー染料を用いると、この
イエロー染料がバインダー樹脂に溶解して均一な状態で
存在し、透明性に優れたイエロートナーが得られるよう
になり、フルカラー画像を形成した場合、シアントナー
やマゼンタトナーとの組み合わせにおいて優れた色再現
性を示すようになると共に、透光性に優れたフルカラー
画像が得られるようになる。
【0029】ここで、このイエロートナーに含有させる
イエロー染料の量については、このイエロー染料がバイ
ンダー樹脂に対して十分に溶解されると共に十分な色彩
を示すようにするため、一般にバインダー樹脂100重
量部に対して1〜6重量部、好ましくは、2〜5重量部
含有させるようにする。
【0030】一方、シアントナーやマゼンタトナーにお
ける着色剤に顔料を用いるのは、シアン顔料やマゼンタ
顔料がイエロー顔料に比べて粒径が小さく、十分な透光
性及び色再現性を確保することができると共に、染料を
用いた場合に比べて耐熱性や耐光性に優れたトナーが得
られるためである。
【0031】ここで、シアントナーやマゼンタトナーに
含有させるシアン顔料やマゼンタ顔料の量については、
各トナーが十分な透光性を示すと共に十分な色彩が得ら
れ、また各顔料がバインダー樹脂に上手く分散されるよ
うにするため、一般にバインダー樹脂100重量部に対
して1〜6重量部、好ましくは、2〜5重量部含有させ
るようにする。
【0032】ここで、マゼンタ顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、21、22、23、30、3
1、32、37、38、39、40、41、48、4
9、50、51、52、53、54、55、57、5
8、60、63、64、68、81、83、87、8
8、89、90、112、114、122、123、1
63、184、202、206、207、209等を用
いることができ、特に色再現性及び透光性の点から、
C.I.ピグメントレッド122、202、206、2
07、209等のキナクリドン系顔料や、C.I.ピグ
メントレッド64、184等のアゾ系顔料を用いること
が好ましい。
【0033】また、シアン顔料としては、例えば、C.
I.ピグメントブルー2、3、15、16、17等を用
いることができ、特に、色再現性及び透光性の点から
は、C.I.ピグメントブルー15、16等のフタロシ
アニン系顔料を用いることが好ましい。
【0034】また、イエロー染料としては、例えば、
C.I.ソルベントイエロー2、6、14、15、1
6、19、21、33、56、61、77、79、8
0、93、162等を用いることができ、特に耐光性、
耐熱性及び耐オイル溶解性等を高める点からは、C.
I.ソルベントイエロー162を用いることが好まし
い。
【0035】ここで、上記のシアントナー及びマゼンタ
トナーについては、それぞれの顔料がバインダー樹脂中
に均一に分散されるようにするため、フラッシング処理
によって使用する顔料の分散性を向上させたり、また顔
料を予めバインダー樹脂中に高濃度で分散させたマスタ
ーバッチを製造し、このマスターバッチをバインダー樹
脂と溶融混練して、顔料をバインダー樹脂中に分散させ
るマスターバッチ処理を行なうことが好ましい。なお、
イエロートナーについては、着色剤に染料を使用してお
り、この染料がバインダー樹脂に対して溶解性を示すた
め、上記のような処理を行なう必要はない。
【0036】また、この発明においては、上記のような
バインダー樹脂と着色剤の他に、トナーの帯電性を調整
したり、トナーの流動性を向上させるために、荷電制御
剤や後処理剤等の様々な添加剤を添加させることができ
る。
【0037】ここで、荷電制御剤としては、様々な色彩
のトナーにおける色調や光透過性に悪影響を及ぼさない
ようにするため、無色,白色或いは淡色の荷電制御剤を
使用することが好ましく、例えば、サリチル酸誘導体と
亜鉛等の金属とのサリチル酸金属錯体、カリックスアレ
ン系化合物、ホウ素化合物、含フッ素第4級アンモニウ
ム塩系化合物等の荷電制御剤を使用することができる。
【0038】そして、上記サリチル酸金属錯体として
は、例えば、特開昭53−127726号公報や特開昭
62−145255号公報等に記載されたものを、カリ
ックスアレン系化合物としては、例えば、特開平2−2
01378号公報等に記載されたものを、ホウ素化合物
としては、例えば、特開平2−221967号公報等に
記載されたものを、含フッ素第4級アンモニウム塩系化
合物としては、例えば、特開平3−1162号公報等に
記載されたものを、単独又は混合して使用することがで
きる。また、トナーの帯電量の調整及び帯電の立ち上が
り性を向上させるために、サリチル酸金属錯体やカリッ
クスアレン系化合物等の荷電制御剤に対して含フッ素第
4級アンモニウム塩系化合物を併用させるようにするこ
とも可能である。
【0039】ここで、上記のような荷電制御剤を添加さ
せるにあたっては、トナーが適切な帯電性を持つように
すると共に、荷電制御剤がバインダー樹脂にうまく結着
されるように、通常、バインダー樹脂100重量部に対
して0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜5.0
重量部添加させるようにする。
【0040】また、後処理剤としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコニウム等
を単独或いは2種以上混合して使用することができ、こ
のような後処理剤においては、環境安定性を高めるため
に疎水化処理を行なったものを使用することが好まし
く、疎水化剤としては、シラン系、チタネート系、アル
ミニウム系、ジルコアルミネート系等の各種のカップリ
ング剤及びシリコーンオイル等を用いることができる。
特に、上記の後処理剤としては、トナーの流動性や帯電
に対する環境安定性等の観点から、疎水性シリカと疎水
性チタニア、疎水性シリカと疎水性アルミナを組み合わ
せて使用することが好ましい。なお、後処理剤の添加量
については、トナーの流動性を高める一方、この後処理
剤が遊離して悪影響を及ぼすのを防止するため、トナー
に対して0.2〜3.0重量%添加させるようにするこ
とが好ましい。
【0041】また、この発明におけるフルカラー現像用
トナーを製造するにあたっては、製造コストを安くする
と共に製造安定性を向上させる点から、混練・粉砕法に
よって製造することが好ましい。
【0042】ここで、混練・粉砕法によりトナーを製造
するにあたっては、上記のポリエステル樹脂と着色剤と
必要に応じて上記の各種添加剤を加え、これらをヘンシ
ェルミキサー等の混合機で混合し、この混合物を溶融し
て混練させた後、この混練物を冷却し、その後これを粗
粉砕し、更にこの粗粉砕粒子を微粉砕し、得られた微粉
砕粒子を分級してトナーを得るようにし、特に、着色剤
に顔料を使用するシアントナー及びマゼンタトナーにつ
いては、前記のようなマスターバッチ処理を行なうよう
にすることが好ましい。また、このようにしてトナーを
製造する場合、高繊細な画像の再現性を高める点から、
トナーの体積平均粒径が5〜10μmの範囲になるよう
に調整することが好ましい。
【0043】また、この発明における各トナーは、キャ
リアと共に使用する二成分現像用トナーとしても、キャ
リアを使用しない一成分現像用トナーとしても使用する
ことができる。
【0044】ここで、この発明におけるトナーと組み合
わせて使用するキャリアとしては、従来より二成分現像
用のキャリアとして一般に使用されている公知のものを
使用することができ、例えば、鉄やフェライト等の磁性
体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂
で被覆してなる樹脂コートキャリア、磁性体微粉末を結
着樹脂中に分散してなるバインダー型キャリア等を使用
することができる。
【0045】そして、これらのキャリアの中でも、トナ
ーによるスペント化等を抑制する点からは、被覆樹脂と
してシリコーン系樹脂,オルガノポリシロキサンとビニ
ル系単量体との共重合樹脂又はポリエステル系樹脂を用
いた樹脂コートキャリアや、結着樹脂としてポリエステ
ル系樹脂を用いたバインダー型キャリアを用いることが
好ましく、耐久性,耐環境安定性及び耐スペント性の点
からは、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との
共重合樹脂にイソシアネートを反応させて得られた樹脂
で被覆した樹脂コートキャリアを用いることが好まし
い。なお、使用するキャリアの平均粒径については、高
画質が得られるようにすると共に、キャリアによるカブ
リを防止する点から、平均粒径が30〜60μmのもの
を用いるようにすることが好ましい。
【0046】また、この発明においては、前記のように
少なくともシアントナーとマゼンタトナーとイエロート
ナーとを用いれば良いが、更にブラックトナーを用いる
ようにすることも可能である。
【0047】ここで、このブラックトナーにおいては、
バインダー樹脂として上記の各カラートナーと同じのも
のを用いることもできるが、モノクロ画像を単独で形成
することを考慮し、上記の各フルカラートナーより耐久
性に優れたものを用いることが好ましい。
【0048】また、このブラックトナーの着色剤として
は、シアン顔料とマゼンタ顔料とイエロー顔料とを混合
させたものを用いることもできるが、この場合、着色剤
の含有量が多くなってコストが高く付き、トナーの定着
性にも悪影響を及ぼし、更にモノクロ画像を形成した際
に、その黒色度が不十分で、文字画像等の再現性が低下
するおそれがあるため、好ましくは、その着色剤として
カーボンブラックを用いるようにする。
【0049】そして、このカーボンブラックとしては、
黒色度を高める点から、平均一次粒径が15〜80nm
のものを使用することが好ましく、例えば、平均一次粒
径が28nmのRAVEN1060(コロンビアカーボ
ン社製)、平均一次粒径が56nmのRAVEN500
(コロンビアカーボン社製)、平均一次粒径が47nm
のMA#25(三菱化学社製)、平均一次粒径が68n
mのRAVEN420(コロンビアカーボン社製)等を
使用することができる。また、このようなカーボンブラ
ックを含有させる量については、十分な黒色度と隠蔽力
を有すると共に優れた定着性を示すようにするため、バ
インダー樹脂100重量部に対して2〜8重量部、好ま
しくは2〜6重量部含有させるようにする。
【0050】また、このブラックトナーの場合も、上記
の各カラートナーの場合と同様に、バインダー樹脂と着
色剤の他に、トナーの帯電性を調整したり、トナーの流
動性を向上させるために、荷電制御剤や後処理剤等の様
々な添加剤を添加することができる。なお、ブラックト
ナーの場合には、色彩への影響を考慮する必要が少ない
ため、荷電制御剤等に黒色等の有色のものを用いること
もできる。
【0051】また、この発明におけるフルカラー現像用
トナーは、例えば、光ビームを照射する等の書き込み手
段により、一様に帯電された感光体上に所定の色に対応
する静電潜像を形成し、この潜像をマゼンタトナー、シ
アントナー、イエロートナー及び必要に応じてブラック
トナーから選択される所定のトナーで現像し、このトナ
ー像を中間転写体上に転写する各工程を各色に対して順
次行なった後、中間転写体上に重ね合わされたトナー像
を記録部材上に転写し定着する画像形成装置、或いは上
記の装置と同様にして感光体上に形成された所定の色に
対応する静電潜像をマゼンタトナー、シアントナー、イ
エロートナー及び必要に応じてブラックトナーから選択
される所定のトナーで現像し、このトナー像を中間転写
体上に保持された記録部材に転写する工程を各色に対し
て順次行なった後、記録部材上に重ね合わされたトナー
像を定着する画像形成装置、或いは上記の装置と同様に
して感光体上に形成された所定の色に対応する静電潜像
をマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー及び
必要に応じてブラックトナーから選択される所定のトナ
ーで現像し、上記潜像形成工程と現像工程とを各色毎に
行なって感光体上に重ね合わされたトナー像を形成し、
このトナー像を記録部材に転写し定着する画像形成装置
等に使用することができる。
【0052】
【作用】この発明のフルカラー現像用トナーにおいて
は、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナー
の各カラートナーにおけるバインダー樹脂に酸価,数平
均分子量Mn,重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
との比(Mw/Mn),ガラス転移点及び軟化点が前記
の条件を満たすポリエステル樹脂を用いるようにしたた
め、各トナーが十分な耐熱保管性、定着性、透光性及び
混色性を示すようになる。
【0053】また、この発明においては、イエロートナ
ーにおける着色剤にイエロー染料を使用する一方、シア
ントナー及びマゼンタトナーにおける着色剤にシアン及
びマゼンタの各顔料を使用したため、透光性や混色性に
優れ、OHPシート上にフルカラー画像を形成した場合
に、投影像が暗くなって彩度が低くなったり、原稿の色
彩を正確に再現できなくなるということもなく、良好な
フルカラー画像が得られるようになる。
【0054】
【実施例】以下、この発明について実施例を挙げて具体
的に説明するが、この発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0055】ここで、実施例及び比較例のトナーにおけ
るバインダー樹脂としては、下記に示すようにして製造
したポリエステル樹脂A〜Fを用いるようにした。
【0056】(ポリエステル樹脂A〜E)これらのポリ
エステル樹脂A〜Eを製造するにあたっては、ポリオキ
シプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンと、ポリオキシエチレン(2.
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンと、フマール酸と、テレフタル酸とをそれぞれモル比
が5.0:5.0:5.0:4.0の割合になるように
して、これらを2リットルの4つ口フラスコ内に入れ、
この4つ口フラスコに還流冷却器と水分離装置と窒素ガ
ス導入管と温度計と撹拌装置とを取り付けて、上記の窒
素ガス導入管からこのフラスコ内に窒素を導入しなが
ら、これらを加熱撹拌して反応させるようにした。
【0057】そして、この反応中において酸価を測定し
ながら反応状態を追跡し、所定の酸価に達した時点でそ
れぞれ反応を終了させて、表1に示すポリエステル樹脂
A〜Eを得た。
【0058】(ポリエステル樹脂F)このポリエステル
樹脂Fを製造するにあたっては、ポリオキシプロピレン
(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンと、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、テレフタ
ル酸とをそれぞれモル比が2.0:8.0:9.0の割
合になるようにし、それ以外については、上記ポリエス
テル樹脂A〜Eの場合と同様にしてポリエステル樹脂F
を得た。
【0059】そして、上記のポリエステル樹脂A〜Fに
ついて、前記のようにし数平均分子量Mn、重量平均分
子量Mw、ガラス転移点Tg、軟化点Tm及び酸価を測
定すると共に、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
との比(Mw/Mn)を求めて、その結果を下記の表1
に示した。
【0060】
【表1】
【0061】次に、上記の各ポリエステル樹脂A〜Fを
用いて下記に示すようにシアントナーC1〜C6、マゼ
ンタトナーM1〜M6、イエロートナーY1〜Y7、ブ
ラックトナーB1〜B6の各トナーを得た。
【0062】(シアントナーC1)このシアントナーC
1を製造するにあたっては、上記のポリエステル樹脂A
とシアン着色剤(東洋インキ製造社製:C.I.ピグメ
ントブルー15−3)とを7:3の割合で加圧ニーダー
に仕込み、これらを混練し、この混練物をフェザーミル
で粉砕して顔料マスターバッチを得た。
【0063】そして、この顔料マスターバッチを10重
量部、ポリエステル樹脂Aを93重量部、サリチル酸亜
鉛錯体(オリエント化学社製:E−84)からなる荷電
制御剤を2重量部の割合にして、これらをヘンシェルミ
キサーで混合し、この混合物を2軸押出混練機により混
練した。
【0064】次に、このように混練した混練物を冷却し
た後、この混練物をフェザーミルで粗粉砕し、更にジェ
ットミルで微粉砕し、これを分級して体積平均粒径が
8.0μmになったトナー粒子を得た。
【0065】そして、このトナー粒子に対して、外添剤
として疎水性シリカ(HDK社製:H1303)を0.
4重量%、疎水性チタニア(チタン工業社製:STT3
0A)を0.6重量%の割合で加え、これらをヘンシェ
ルミキサーにより混合して添加処理を行ない、このシア
ントナーC1を得た。
【0066】(シアントナーC2)このシアントナーC
2を製造するにあたっては、上記のシアントナーC1に
おけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル樹脂B
を用いるようにし、それ以外については、上記シアント
ナーC1と同様にしてシアントナーC2を得た。
【0067】(シアントナーC3)このシアントナーC
3を製造するにあたっては、上記のシアントナーC1に
おけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル樹脂C
を用いるようにし、それ以外については、上記シアント
ナーC1と同様にしてシアントナーC3を得た。
【0068】(シアントナーC4)このシアントナーC
4を製造するにあたっては、上記のシアントナーC1に
おけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル樹脂D
を用いるようにし、それ以外については、上記シアント
ナーC1と同様にしてシアントナーC4を得た。
【0069】(シアントナーC5)このシアントナーC
5を製造するにあたっては、上記のシアントナーC1に
おけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル樹脂E
を用いるようにし、それ以外については、上記シアント
ナーC1と同様にしてシアントナーC5を得た。
【0070】(シアントナーC6)このシアントナーC
6を製造するにあたっては、上記のシアントナーC1に
おけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル樹脂F
を用いるようにし、それ以外については、上記シアント
ナーC1と同様にしてシアントナーC6を得た。
【0071】(マゼンタトナーM1)このマゼンタトナ
ーM1を製造するにあたっては、着色剤としてマゼンタ
顔料(大日本インキ化学工業社製:C.I.ピグメント
レッド184)を用いるようにし、それ以外について
は、前記のシアントナーC1の場合と同様にして、ポリ
エステル樹脂Aを用いたマゼンタトナーM1を得た。
【0072】(マゼンタトナーM2)このマゼンタトナ
ーM2を製造するにあたっては、上記のマゼンタトナー
M1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Bを用いるようにし、それ以外については、上記マ
ゼンタトナーM1と同様にしてマゼンタトナーM2を得
た。
【0073】(マゼンタトナーM3)このマゼンタトナ
ーM3を製造するにあたっては、上記のマゼンタトナー
M1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Cを用いるようにし、それ以外については、上記マ
ゼンタトナーM1と同様にしてマゼンタトナーM3を得
た。
【0074】(マゼンタトナーM4)このマゼンタトナ
ーM4を製造するにあたっては、上記のマゼンタトナー
M1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Dを用いるようにし、それ以外については、上記マ
ゼンタトナーM1と同様にしてマゼンタトナーM4を得
た。
【0075】(マゼンタトナーM5)このマゼンタトナ
ーM5を製造するにあたっては、上記のマゼンタトナー
M1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Eを用いるようにし、それ以外については、上記マ
ゼンタトナーM1と同様にしてマゼンタトナーM5を得
た。
【0076】(マゼンタトナーM6)このマゼンタトナ
ーM6を製造するにあたっては、上記のマゼンタトナー
M1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Fを用いるようにし、それ以外については、上記マ
ゼンタトナーM1と同様にしてマゼンタトナーM6を得
た。
【0077】(イエロートナーY1)このイエロートナ
ーY1を製造するにあたっては、着色剤としてイエロー
染料(ヘキスト社製:C.I.ソルベントイエロー16
2)を用いるようにし、このイエロー染料を2重量部、
上記のポリエステル樹脂Aを100重量部、サリチル酸
亜鉛錯体(オリエント化学社製:E−84)からなる荷
電制御剤を2重量部の割合で、これらをヘンシェルミキ
サーで混合し、この混合物を2軸押出混練機により混練
し、この混練物を冷却させた後、これをフェザーミルで
粗粉砕し、更にジェットミルで微粉砕し、分級して体積
平均粒径が8.0μmになったトナー粒子を得た。
【0078】そして、このトナー粒子に対して、外添剤
として疎水性シリカ(HDK社製:H1303)を0.
4重量%、疎水性チタニア(チタン工業社製:STT3
0A)を0.6重量%の割合で加え、これらをヘンシェ
ルミキサーにより混合して添加処理を行ない、このイエ
ロートナーY1を得た。
【0079】(イエロートナーY2)このイエロートナ
ーY2を製造するにあたっては、上記のイエロートナー
Y1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Bを用いるようにし、それ以外については、上記イ
エロートナーY1と同様にしてイエロートナーY2を得
た。
【0080】(イエロートナーY3)このイエロートナ
ーY3を製造するにあたっては、上記のイエロートナー
Y1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Cを用いるようにし、それ以外については、上記イ
エロートナーY1と同様にしてイエロートナーY3を得
た。
【0081】(イエロートナーY4)このイエロートナ
ーY4を製造するにあたっては、イエロー染料ではなく
イエロー顔料(東洋インキ製造社製:C.I.ピグメン
トイエロー17)を用いるようにし、それ以外について
は、前記のシアントナーC3の場合と同様にして、ポリ
エステル樹脂Cを用いたイエロートナーY4を得た。
【0082】(イエロートナーY5)このイエロートナ
ーY5を製造するにあたっては、上記のイエロートナー
Y4におけるポリエステル樹脂Cに代えてポリエステル
樹脂Dを用いるようにし、それ以外については、上記イ
エロートナーY4と同様にしてイエロートナーY5を得
た。
【0083】(イエロートナーY6)このイエロートナ
ーY6を製造するにあたっては、上記のイエロートナー
Y4におけるポリエステル樹脂Cに代えてポリエステル
樹脂Eを用いるようにし、それ以外については、上記イ
エロートナーY4と同様にしてイエロートナーY6を得
た。
【0084】(イエロートナーY7)このイエロートナ
ーY7を製造するにあたっては、上記のイエロートナー
Y4におけるポリエステル樹脂Cに代えてポリエステル
樹脂Fを用いるようにし、それ以外については、上記イ
エロートナーY4と同様にしてイエロートナーY7を得
た。
【0085】(ブラックトナーB1)このブラックトナ
ーB1を製造するにあたっては、上記のポリエステル樹
脂A100重量部に対して、着色剤としてカーボンブラ
ック(コロンビアカーボン社製:RAVEN1060)
を4重量部用いるようにし、それ以外については、上記
イエロートナーY1の場合と同様にして、このブラック
トナーB1を得た。
【0086】(ブラックトナーB2)このブラックトナ
ーB2を製造するにあたっては、上記のブラックトナー
B1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Bを用いるようにし、それ以外については、上記ブ
ラックトナーB1と同様にしてブラックトナーB2を得
た。
【0087】(ブラックトナーB3)このブラックトナ
ーB3を製造するにあたっては、上記のブラックトナー
B1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Cを用いるようにし、それ以外については、上記ブ
ラックトナーB1と同様にしてブラックトナーB3を得
た。
【0088】(ブラックトナーB4)このブラックトナ
ーB4を製造するにあたっては、上記のブラックトナー
B1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Dを用いるようにし、それ以外については、上記ブ
ラックトナーB1と同様にしてブラックトナーB4を得
た。
【0089】(ブラックトナーB5)このブラックトナ
ーB5を製造するにあたっては、上記のブラックトナー
B1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Eを用いるようにし、それ以外については、上記ブ
ラックトナーB1と同様にしてブラックトナーB5を得
た。
【0090】(ブラックトナーB6)このブラックトナ
ーB6を製造するにあたっては、上記のブラックトナー
B1におけるポリエステル樹脂Aに代えてポリエステル
樹脂Fを用いるようにし、それ以外については、上記ブ
ラックトナーB1と同様にしてブラックトナーB6を得
た。
【0091】次に、上記のシアントナーC1〜C6と、
マゼンタトナーM1〜M6と、イエロートナーY1〜Y
7と、ブラックトナーB1〜B6の中から下記の表2に
示すように、シアントナー、マゼンタトナー、イエロー
トナー及びブラックトナーを選択して実施例1〜3及び
比較例1〜4の各フルカラー現像用トナーを得た。
【0092】
【表2】
【0093】また、上記の各トナーと混合させるキャリ
アとして、下記のようにして製造した樹脂被覆キャリア
を用いるようにした。
【0094】(キャリアの製造)まず、撹拌器とコンデ
ンサーと温度計と窒素導入管と滴下装置とを備えた容量
500mlのメスフラスコにメチルエチルケトンを10
0重量部加える一方、これとは別に窒素雰囲気下80℃
で100重量部のメチルエチルケトンに、メチルメタク
リレートを36.7重量部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートを5.1重量部、3−メタクリロキシプロピ
ルトリス(トリメチルシロキシ)シランを58.2重量
部及び1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)を1重量部溶解させた溶液を調整し、この
溶液を上記のフラスコ内に2時間にわたって滴下して5
時間熟成させて樹脂を得た。
【0095】次に、得られた樹脂に対して、架橋剤とし
てイソホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパ
ンアダクト(IPDI/TMP系:NCO%=6.1
%)をOH/NCOモル比率が1/1となるように加え
た後、メチルエチルケトンで希釈して固形比3重量%の
コート樹脂溶液を得た。
【0096】そして、平均粒径が50μmの焼成フェラ
イト粉(パウダーテック社製:F−300)からなるコ
ア材に対して、上記のコート樹脂溶液を被覆樹脂量が
1.5重量%になるようにしてスピラコーター(岡田精
工社製)により塗布し、これを乾燥させ、得られたキャ
リアを熱風循環式オーブン中にて160℃で1時間放置
して焼成し、この焼成物を冷却した後、フェライト粉バ
ルクを目開き106μmと75μmのスクリーンメッシ
ュを取り付けたフルイ振とう器を用いて解砕して樹脂被
覆キャリアを得た。
【0097】そして、上記実施例1〜3及び比較例1〜
4の各フルカラー現像用トナーにおける耐熱保管性を調
べると共に、各フルカラー現像用トナーにおける上記の
各トナー6重量部に対してそれぞれ上記のようにして製
造した樹脂被覆キャリアを94重量部混合させ、このよ
うに樹脂被覆キャリアが混合された各フルカラー現像用
トナーを市販のフルカラー複写機(ミノルタ社製:CF
70)に搭載して画像形成を行ない、得られた画像の透
光性、赤色再現性及び緑色再現性を調べ、その結果を下
記の表3に示した。
【0098】ここで、耐熱保管性については、上記の各
トナーをそれぞれガラスビンに5g入れ、50℃の環境
下に24時間放置した場合において、トナー凝集が生じ
た場合を×、僅かにトナー凝集が生じたが実用上問題の
ない場合を△、トナー凝集が発生しなかった場合を○で
表示した。
【0099】また、透光性については、上記のフルカラ
ー複写機によりOHPフィルム上にベタ画像を形成し、
オーバーヘッドプロジェクターで投影した場合の色の鮮
やかさを目視により評価し、色再現性に優れている場合
を○、実用上使用可能な場合を△、彩度が劣る場合を×
で表示した。
【0100】また、赤色再現性及び緑色再現性について
は、上記のフルカラー複写機によりマゼンタトナー及び
イエロートナーのそれぞれの現像量が0.7mg/cm
2 になるようにして赤色画像を、またシアントナー及び
イエロートナーのそれぞれの現像量が0.7mg/cm
2 になるようにして緑色画像を記録紙上に形成し、得ら
れた各色の画像についてそれぞれ分光測色計(ミノルタ
社製:CM−1000)によりLa** 座標空間の色
座標を測定し、下記の式に基づいて各彩度c*を算定し
た。 c* =(a*2+b*21/2
【0101】そして、赤色再現性については、上記の彩
度c* が65以上で優れている場合を○、彩度c* が6
0以上65未満で実用上使用可能な場合を△、彩度c*
が60未満で実用上問題がある場合を×で表示し、また
緑色再現性については、上記の彩度c* が70以上で優
れている場合を○、彩度c* が60以上70未満で実用
上使用可能な場合を△、彩度c* が60未満で実用上問
題がある場合を×で表示した。
【0102】
【表4】
【0103】この結果から明らかなように、イエロート
ナーにおける着色剤に染料を用いた実施例1〜3の各フ
ルカラー現像用トナーを用いて画像形成を行なった場
合、イエロートナーにおける着色剤に顔料を使用した比
較例1〜4の各フルカラー現像用トナーを用いて画像形
成を行なった場合に比べて、得られた画像における透光
性が著しく向上すると共に、赤色再現性及び緑色再現性
も向上しており、色再現性の良い良好なフルカラー画像
が得られた。
【0104】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係るフ
ルカラー現像用トナーにおいては、シアントナー、マゼ
ンタトナー及びイエロートナーの各カラートナーにおけ
るバインダー樹脂に前記の条件を満たすポリエステル樹
脂を用いるようにしたため、各カラートナーが十分な耐
熱保管性、定着性、透光性及び混色性を示すようになる
と共に、各カラートナーにおける着色剤として、イエロ
ートナーにおいてはイエロー染料を用い、シアントナー
及びマゼンタトナーにおいてはシアン及びマゼンタの各
顔料を用いるようにしたため、フルカラーの画像形成を
行なった場合、各カラートナーが上手く混色されて色再
現性が良好であり、また耐久性も良いフルカラー画像が
得られるようになり、特に、OHPシート上にフルカラ
ーの画像を形成した場合にも、投影像が暗くなって彩度
が低くなったりするということがなく、透光性に優れる
と共に色再現性も良好な安定したフルカラー画像が得ら
れるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 健 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 玉置 順一 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 出水 一郎 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともシアントナーとマゼンタトナ
    ーとイエロートナーとを用いて所定の色毎に現像を行な
    い、フルカラーの画像を形成するフルカラー画像形成装
    置に使用されるフルカラー現像用トナーにおいて、上記
    のシアントナー,マゼンタトナー及びイエロートナーの
    各カラートナーにおけるバインダー樹脂に、酸価が1〜
    30mgKOH/g、数平均分子量Mnが3000〜6
    000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比
    (Mw/Mn)が2〜6、ガラス転移点が50〜70℃
    及び軟化点が90〜110℃のポリエステル樹脂を用い
    ると共に、上記シアントナーにおける着色剤にシアン顔
    料を、マゼンタトナーにおける着色剤にマゼンタ顔料
    を、イエロートナーにおける着色剤にイエロー染料を用
    いたことを特徴とするフルカラー現像用トナー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1165172A (ja) * 1997-08-21 1999-03-05 Minolta Co Ltd イエロー現像剤
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