JPH0823371B2 - 軸受の表面処理方法 - Google Patents

軸受の表面処理方法

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JPH0823371B2
JPH0823371B2 JP12640687A JP12640687A JPH0823371B2 JP H0823371 B2 JPH0823371 B2 JP H0823371B2 JP 12640687 A JP12640687 A JP 12640687A JP 12640687 A JP12640687 A JP 12640687A JP H0823371 B2 JPH0823371 B2 JP H0823371B2
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oil
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JP12640687A
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佐 佐藤
清 中西
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エヌティエヌ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は軸受の表面処理方法に関するものである。
〔従来の技術〕 高温または高真空度の条件下で使用されるすべり軸
受、転がり軸受および軌道輪、転動体(ボール)、保持
器等の軸受部品(以下これを一括して軸受と略記する)
の潤滑性付与のための表面処理には、液体もしくは半固
体状の潤滑油もしくはグリースなどは使用できないの
で、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑剤
が用いられている。そしてこれら固体潤滑剤は塗布もし
くは蒸着(イオンプレーティング、スパッタリング)な
どの方法によって皮膜に加工されるが、近年は薄くて均
質な膜が得られ、また付着力が大きいという理由から塗
布法よりもスパッタリング法の方が特に愛用されてい
る。しかし、このようなスパッタリング法にも、球状物
の処理が困難であったり、高価な真空設備を必要とする
などの欠点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕 このように、従来の技術においては、軸受特に球状の
ものに対しても、薄くて均質で付着力も大きい潤滑性皮
膜を、しかも安価に形成することは容易でないという問
題点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するために、この発明は有機モリ
ブデン化合物0.3〜3.0重量%、有機亜鉛化合物0.1〜1.0
重量%さらにアミン系酸化防止剤を加えるかまたは加え
ずして、鉱油もしくは合成炭化水素油残部からなりかつ
170℃〜220℃に加熱された混合溶液に浸漬して軸受の表
面処理を行なうという手段を採用したものである。以下
その詳細を述べる。
まず、この発明における有機モリブデン化合物として
は、I式で示されるモリブデンジアルキルジチオカーバ
メイトまたはモリブデンジアリールジチオカーバメイト
のほか、II式で示されるモリブデンジアルキルジチオフ
ォスフェートまたはモリブデンジアリールジチオフォス
フェート、すなわち 〔式中XはOまたはS〕 〔式中Rは一級または二級のアルキル基またはアリール
基〕 で示される化合物を挙げることができる。このような有
機モリブデン化合物はそれぞれ単独または2種類以上を
混合したものであってもよい。そして、これら有機モリ
ブデン化合物の添加量を0.3〜3.0重量%とする理由は0.
3重量%未満の少量では期待する効果が現れにくく、ま
た3.0重量%を越える多量では皮膜が必要以上に厚くな
って剥離しやすくなったり経済的な不利を招いたりして
好ましくないからである。
つぎに、この発明における有機亜鉛化合物としては、
ジンクジアルキルジチオフォスフェートまたはジンクジ
アリールジチオフォスフェート、すなわち、 〔式中R′は一級または二級のアルキル基またはアリー
ル基〕 で示される化合物を挙げることができる。そしてこのよ
うな有機亜鉛化合物はそれぞれ単独または2種類以上の
混合物であってもよく、いずれにしても前記の有機モリ
ブデン化合物とともにきわめて有効な極圧添加剤である
が、添加量は多過ぎても効果は同じかまたは悪くなるた
め、0.1〜1.0重量%であることが好ましい。
さらに、この発明におけるアミン系酸化防止剤は、た
とえばフェニルαナフチルアミン、4,4′−ジオクチル
ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,
N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェ
ニル−N′−シクロヘキシル−p−フェニレンジアミン
などの芳香族系アミンが望ましい。なぜならば、芳香族
アミン系酸化防止剤はほかの酸化防止剤たとえばアルキ
ルアミンなどに比べて、熱的に安定性がある点で好まし
いからである。そしてこのようなアミン系酸化防止剤の
添加量は1.0重量%以下であることが望ましい。なぜな
らば1.0重量%を越える多量では添加剤の析出などが起
こる場合もあって好ましくないからである。
また、この発明における鉱油もしくは合成炭化水素油
は後述する混合溶液の加熱温度170〜220℃よりも高い沸
点のものであることが望ましく、たとえばポリαオレフ
イン油などを例示することができる。なお、ジメチルシ
リコーン油、ジメチルジフェニルシリコーン油などのシ
リコーン油は均一な皮膜の形成が困難であるから好まし
くない。
以上の有機モリブデン化合物、有機亜鉛化合物、さら
に必要に応じてアミン系酸化防止剤、を鉱油もしくは合
成炭化水素油に溶解する方法は特に限定するものではな
いが、得られた混合溶液に被処理物の軸受を浸漬する。
好ましい浸漬温度を170〜220℃とする理由は第1図に示
したように、170℃未満の低温では皮膜の形成が悪く、1
70℃付近で急激に良くなり、また220℃を越える高温で
は次第に低下して、温度を上昇させてもその効果がない
からである。また、浸漬時間は特に限定されるものでは
ないが、一般に潤滑性皮膜の場合、0.5〜0.8μm厚の皮
膜が広く採用されることから、第2図に示す結果からす
れば2時間以上を一つの目安とすればよい。なお、この
発明の方法を行なうには、たとえば被処理物を入れた網
製の回転ドラムを混合液内で回転させればよく、このよ
うにすれば被処理物の表面を満遍なく処理することが出
来て、皮膜の厚さは均一になる。
ここで、この発明で形成される皮膜はモリブデン、硫
黄、亜鉛などを含む複雑な組成、構造のものと推定され
る。なお、鉱油、合成油などが支障を来たすときは皮膜
を溶剤で洗浄して使用すればよい。
〔実施例〕 実施例1: タービン油#140にモリブデンジアルキルジチオフォ
スフェート〔旭電化工業社製:商品名サクラルーブ30
0〕3重量%とジンクジアルキルジチオフォスフェート
〔日本ルーブリゾール社製:商品名Lubrizol 1095〕1
重量%とを混合して処理液を作製した。そしてこの溶液
を200±1℃に加熱して、これにSUJ2世の1/4″ボールを
浸漬し3.5時間静置した。このような処理を施したボー
ルの表面には膜厚0.3μmの均一な黒色皮膜が形成され
ていた。そしてこの皮膜の潤滑性を調べるために、つぎ
のような回転摩擦トルクを測定した。測定に使用した装
置は第3図に示すように回転するレース1に16個の試験
ボール2を乗せ、荷重3を塔載し、2個の軸受4および
4′で支えられた軸5に取り付けられた平板6で前記試
験ボール2を押え、この状態でレース1を一定の回転速
度で回転させ、そのときの回転摩擦トルクをトルクメー
タ7で読み取るようになっている。このような装置を用
いて得た測定結果を第4図および第5図に示した。なお
第4図は真空度2×10-2torrの比較的低真空下、荷重1.
5kgf、1600rpmの条件のもとのトルクの経時変化を、ま
た第5図は真空度6×10-7と比較的高真空下で荷重1.0k
gf、5000rpmとしたときの回転数とトルクとの関係を示
したものであり、いずれも摩擦トルク値は第3図の二つ
の軸受4および4′の分をも含む合計値である。また、
第4図には対照品として実施例1の処理を施さないSUJ2
製の1/4″ボールを用い、この結果をも記載したが、短
時間でトルクは急上昇し、本発明品は良好な潤滑性を示
した。
実施例2: 実施例1における処理液に酸化防止剤としてフェニル
αナフチルアミン1重量%を添加した以外は実施例1と
全く同様の操作をして、SUJ2ボールの表面に皮膜を形成
した。得られた皮膜は、厚さ0.75μmの均一な黒色皮膜
で、実施例1における皮膜よりもかなり厚いものが得ら
れた。またこのボールに対する回転摩擦トルクは0.5g・
cm以下であった。
比較例1: 実施例1における#140タービン油の代りにジメチル
シリコーン油(信越化学工業社製:KF96)を用いた以外
は実施例1と全く同一の操作を行なった。しかし、ボー
ル表面には皮膜が形成されず黒変しなかった。
比較例2: 実施例1におけるジンクジアルキルジチオフォスフェ
ートを用いないこと以外は実施例1と全く同様の操作を
行なった。しかし得られたボールの表面に部分的な変色
は認められたものの全表面に均一な皮膜は形成されなか
った。
比較例3: 従来用いられて来たスパッタリング法によって、実施
例1において用いたと同じSUJ2の1/4″ボール表面に、
平均膜厚0.4μmの二硫化モリブデンの黒色皮膜を形成
した。なお、スパッタリングの条件は4W/cm2、2時間
(日電アネルバ社製:高周波スパッタリング装置STF−2
10使用)であって、得られたボールについて、実施例1
の場合と同様回転摩擦トルクを測定した。測定結果を第
4図に併記したが、第4図の低真空度下においては本発
明よりはやや劣る結果を示した。また第5図に相当する
高真空下においては、本発明品(実施例1)の耐久寿命
が5.1×105回転(102分)であったのに対して、このス
パッタリング法によるもの(比較例3)の耐久寿命は9.
35×105回転(187分)であった。
〔効果〕
以上述べたように、この発明の軸受(すべり軸受、転
がり軸受およびこれら軸受の部品)の潤滑処理方法によ
れば、たとえば蒸着装置のような特殊装置を必要とせ
ず、大量の処理が可能であり、潤滑処理費が安価であ
り、摩擦係数が小さくて従来の二硫化モリブデンの蒸着
皮膜と少なくとも同程度のものを得ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図は混合溶液の液温と膜厚との関係を、また第2図
は液温175℃、200℃における浸漬時間と膜厚との関係を
示す図、また第3図は回転摩擦トルク測定装置を模式的
に示す図、第4図は回転摩擦トルクの経時変化、第5図
は回転摩擦トルクの寿命(総回転数)を示す図である。 1……レース、2……試験ボール、3……荷重、4、
4′……軸受、5……軸、6……平板、7……トルクメ
ータ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機モリブデン化合物0.3〜3.0重量%、有
    機亜鉛化合物0.1〜1.0重量%および鉱油もしくは合成炭
    化水素油残部からなり、かつ170〜220℃に加熱された混
    合溶液に浸漬することを特徴とする軸受の表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】有機モリブデン化合物0.3〜3.0重量%、有
    機亜鉛化合物0.1〜1.0重量%、アミン系酸化防止剤およ
    び鉱油もしくは合成炭化水素油残部からなり、かつ170
    〜220℃に加熱された混合溶液に浸漬することを特徴と
    する軸受の表面処理方法。
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JPS63293322A JPS63293322A (ja) 1988-11-30
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US5252391A (en) * 1988-12-01 1993-10-12 Nippon Seiko Kabushiki Kaisha Surface treated sliding or rolling contact element and rolling bearing
JP2969700B2 (ja) * 1988-12-01 1999-11-02 日本精工株式会社 表面処理した摺動又は転がり部材及び転がり軸受
FR2640009B1 (fr) * 1988-12-01 1994-09-23 Nippon Seiko Kk Element de contact de glissement ou de roulement traite en surface et palier de roulement l'utilisant
JP3677939B2 (ja) 1996-07-30 2005-08-03 日本精工株式会社 表面処理転動部材を有する転動装置

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