JPH08232149A - 不織布の縫製方法 - Google Patents

不織布の縫製方法

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JPH08232149A
JPH08232149A JP7039704A JP3970495A JPH08232149A JP H08232149 A JPH08232149 A JP H08232149A JP 7039704 A JP7039704 A JP 7039704A JP 3970495 A JP3970495 A JP 3970495A JP H08232149 A JPH08232149 A JP H08232149A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
sewing
woven fabric
web
fiber
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JP7039704A
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English (en)
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Katsunori Suzuki
克昇 鈴木
Nobuo Noguchi
信夫 野口
Michiyo Iimi
美智代 飯見
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 天然繊維からなる不織布の縫製部間に10〜
30mm幅の熱可塑性合成繊維からなる不織布を積層
し、超音波溶着機により該合成繊維からなる不織布の積
層部に1列あるいは複数列の点状または線状の溶着部を
形成させて縫製する。 【効果】 超音波溶着機による溶着ができない天然繊維
からなる不織布が容易に縫製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然繊維を素材として
なる不織布の縫製方法に関するものであり,該不織布を
衣料用素材,医療用素材,日用生活用品,産業資材用,
農業資材用,土木資材用等の用途に適した形状に縫製す
る方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然繊維からなる不織布の縫製方
法としては、通常の糸使いによるミシン縫製による方法
や接着剤を塗布し接合する方法等があり,これらの方法
によって簡易衣服,袋状,筒状等用途に適した形状に縫
製されている。このミシン縫製による方法では,不織布
を予め所定の寸法に裁断する工程と,ミシン縫製する工
程の2工程を必要としている。また,接着剤を塗布し接
合を行う方法においても,同様に2工程を必要としてお
り,さらに接着剤の種類によっては,高温度で接合を行
う必要があることによる生産コストの上昇,接着剤の臭
気対策,有機溶剤の使用による作業従事者に対する健康
への影響等の問題がある。
【0003】一方,超音波溶着機による縫製方法が熱可
塑性合成繊維よりなる布帛に適用されているが,熱可塑
性性能を有していない天然繊維には適用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の現状
に鑑みてなされたものであり,不織布の特徴である通気
性を損なうことなく,超音波による溶着が不可能な天然
繊維からなる不織布の超音波溶着機による縫製を可能に
する方法を提供し,また予め裁断しておく必要のない縫
製方法を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,前記課題を解
決するものであり,次の構成を有するものである。すな
わち本発明は,1枚あるいは複数枚の天然繊維からなる
不織布を縫製するに際して,該天然繊維からなる不織布
の縫製部間に10〜30mm幅の熱可塑性合成繊維から
なる不織布を積層し,超音波溶着機により該合成繊維か
らなる不織布の積層部に1列あるいは複数列の点状また
は線状の溶着部を形成させて縫製することを特徴とする
不織布の縫製方法及び溶着部を形成させると共に,溶着
部の外側を溶断して縫製することを特徴とする不織布の
縫製方法を要旨とするものである。
【0006】次に,本発明を詳細に説明する。本発明を
構成する天然繊維からなる不織布を構成する天然繊維と
しては,コットンやラミーに代表される天然のセルロー
ス系繊維,また短繊維状に裁断が施されたシルク繊維を
使用することができる。
【0007】本発明に用いられるコットンとしては,晒
し加工の施されていない通常のコットン,晒し加工され
た晒し綿,また織物や編物をほぐして得られた反毛であ
ってもよい。
【0008】本発明で反毛を用いる際に,効果的に用い
ることができる反毛機は,ラツグ・マシン,ノツト・ブ
レーカー,ガーネツト・マシン,廻切機などである。用
いる反毛機の種類や組み合わせは反毛される布帛の形状
や,構成する糸の太さ,撚りの強さにもよるが,同一の
反毛機を複数台直列に連結させたり,2種以上の反毛機
を組み合わせて用いたりすると効果的である。
【0009】次に本発明の天然繊維からなる不織布の製
造方法に関して説明する。本発明の方法では,まず,前
記天然繊維の短繊維を単独または複数の組み合せによ
り,カード機によりカーディングして所定目付のウエブ
を作成する。このウエブは,カード機の進行方向に配列
したパラレルウエブ,パラレルウエブのクロスレイドさ
れたウエブ,ランダムに配列したランダムウエブ,ある
いは両者の中程度に配列したセミランダムウエブのいず
れであってもよい。また,衣料用用途に用いられるもの
には,不織布としての強力において,縦/横の強力比が
概ね1:1となるカードウエブを用いるとよい。
【0010】カーディングの施された天然繊維ウエブを
不織布とする方法としては,ニードルパンチ法およびス
パンレース法を採用することができるが,スパンレース
法を採用することにより,使用に適した強度を有する不
織布を得ることができる。この方法により得られた不織
布は,三次元交絡を有する不織布となる。
【0011】三次元交絡を有する不織布とは,短繊維か
らなるカードウエブを三次元的に交絡せしめた構造を持
つものである。三次元的交絡とは,不織布の縦/経の方
向のみでなく,不織布の厚み方向に対しても,繊維相互
の交絡を含むものである。
【0012】次に,スパンレース法による短繊維ウエブ
の三次元交絡の方法について説明する。スパンレース法
による交絡処理は,孔径が0.05〜1.5mmの噴射
孔を噴射孔間隔0.05〜5mmで1列ないしは複数列
に複数個配設されたオリフイスヘッドより,高圧で柱状
に噴射される流体により,多孔性支持部材上に載置した
短繊維ウエブに衝突せしめ,短繊維ウエブを構成する繊
維相互を緻密に交絡せしめ一体化せしめるものである。
流体としては常温の水あるいは熱水を使用することがで
きる。流体噴射を前記短繊維ウエブに衝突させるに際し
ては,前記噴射孔が配設されたオリフイスヘッドを,多
孔性支持部材上に載置された前記短繊維ウエブの進行方
向に対し,直角をなす方向に噴射孔間隔と同一間隔でオ
リフイスヘッドを振幅させ,柱状液体流噴射を短繊維ウ
エブに均一に衝突させるとよい。この柱状液体流噴射の
際に,短繊維ウエブを載置する多孔性支持部材として
は,柱状液体流が支持部材上の短繊維ウエブを通過しう
る構成のものであれば,金属製,ポリエステル製,ある
いはその他の材質のいずれでも良い。
【0013】また,多孔製支持部材のメッシュ構成は,
20〜200本/25mmの範囲が好ましく,更に好ま
しくは30〜100本/25mmの範囲である。25本
/25mm未満では,柱状液体流噴射が短繊維ウエブに
衝突の際に,短繊維ウエブが柱状液体流とともにネット
を通過し,短繊維の単糸の脱落を招き好ましくない。
【0014】また,200本/25mmを越えるメッシ
ュでは,短繊維ウエブとネットを柱状液体流が通過に要
するエネルギー量が多大になり,生産コスト上好ましく
ない。
【0015】この柱状液体流による交絡処理は,少なく
とも2回以上に分けて行うとよい。
【0016】すなわち,第1回目の柱状液体流よる交絡
処理は,水圧が40kg/cm2 未満の柱状液体流によ
り前記短繊維ウエブに予備交絡を施すものである。この
第1回目の交絡処理を行う水圧が40kg/cm2 以上
になると,柱状液体流により発生する随伴気流により前
記短繊維ウエブの乱れが生じ,目付けムラとなり不織布
の品位上好ましくない。引き続き,第2回目以降の交絡
処理を水圧50kg/cm2 以上の柱状液体流により行
うと,前記予備交絡処理の施された不織短繊維ウエブが
緻密に一体化し,不織短繊維ウエブを構成する短繊維が
相互に三次元的に交絡したいわゆるスパンレース不織布
となる。
【0017】前記方法により得られた不織短繊維シート
を,さらに反転し第3回目の交絡処理として,第2回目
で適用した水圧により交絡処理を施すことにより,表裏
共に緻密に交絡したスパンレース不織布とすることがで
きる。
【0018】得られた不織短繊維シートの余分な水分を
既知の水分除去装置であるマングル等により除去し,更
にサクシヨンバンド方式の熱風循環式乾燥機により乾燥
処理を施し,本発明に用いることのできるスパンレース
不織布を得るものである。
【0019】本発明に用いられる天然繊維不織布の目付
けは,30〜200g/m2 の範囲であり,より好まし
くは50〜150g/m2 である。30g/m2 未満で
は,後述の超音波加工を施した際,接合の施された不織
布の剥離強力が十分に得られず好ましくない。また,2
00g/m2 を越えると接合部分の厚みが大きくなり十
分な剥離強力が得られず好ましくない。
【0020】次に,本発明に用いる合成繊維からなる不
織布について説明する。本発明に用いる合成繊維不織布
としては,合成繊維フイラメントに代表されるスパンボ
ンド不織布や合成繊維からなる短繊維を素材とした短繊
維不織布を用いることもできる。短繊維不織布として
は,抄紙法による湿式不織布,カーデイングの施された
短繊維ウエブが熱融着されてなるサーマルボンデイング
不織布,またはスパンレース法による不織布等を用いる
ことができる。サーマルボンデイングの方法としては,
サーマルスルー,カレンダー,エンボス等の方法により
熱融着が施され不織布となすものである。
【0021】次に,代表的な合成繊維長繊維からなるス
パンボンド不織布について説明する。合成繊維長繊維を
構成する合成重合体としては,繊維形成性を有するポリ
オレフイン系重合体,ポリエステル系重合体あるいはポ
リアミド系重合体等が挙げられる。
【0022】ポリオレフイン系重合体としては,炭素原
子数2〜18の脂肪族α−モノオレフイン,例えばエチ
レン,プロピレン,ブテン−1,ペンテン−1,3−メ
チルブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1,ドデセ
ン−1,オクタデセン−1からなるホモポリオレフイン
重合体が挙げられる。この脂肪族α−モノオレフイン
は,他のエチレン系不飽和モノマ,例えばブタジエン,
イソプレン,ペンタジエン−1・3,スチレン,α−メ
チルスチレンのような類似のエチレン系不飽和モノマが
共重合されたポリオレフイン系共重合体であってもよ
い。また,ポリエチレン系共重合体の場合には,エチレ
ンに対してプロピレン,ブテン−1,ヘキサン−1,オ
クテン−1,または類似の高級α−オレフインが10重
量%以下共重合されたものであってもよく,ポリプロピ
レン系重合体の場合には,プロピレンに対してエチレン
または類似の高級α−オレフインが10重量%以下共重
合されたものであってもよいが,前記これらの共重合物
の共重合率が前記重量%を超えると共重合体の融点が低
下し,これらの長繊維からなる不織ウエブを用いて得た
複合不織布を高温条件下で使用したときに,機械的特性
や寸法安定性が低下するので好ましくない。
【0023】ポリエステル系重合体としては,テレフタ
ル酸,イソフタル酸,ナフタリン−2・6・ジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピン酸,セバチ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類
を酸成分とし,かつエチレングリコール,ジエチレング
リコール,1・4−ブタジオール,ネオペンチルグリコ
ール,シクロヘキサン−1・4−ジメタノール等のジオ
ール化合物をエステル成分とするホモポリエステル重合
体あるいは共重合体が挙げられる。なお,これらのエス
テル系重合体には,パラオキシ安息香酸,5−ソジウム
スルホイソフタール酸,ポリアルキレングリコール,ペ
ンタエリススリトール,ビスフェノールA等が添加ある
いは共重合されていてもよい。
【0024】さらに本発明では,ポリエステル系重合体
として,脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸の縮重
合体である脂肪族ポリエステルが好ましく用いられる。
これは脂肪族ポリエステルが熱可塑性であるにもかかわ
らず生分解性を備えており,本発明のように天然繊維と
併用して使用される場合,そのまま土中へ捨てても何ら
問題にならないからである。この脂肪族ポリエステルの
例としては,ポリエチレンオキサレート,ポリエチレン
サクシネート,ポリエチレンアジペート,ポリエチレン
アゼレート,ポリブチレンオキサレート,ポリブチレン
サクシネート,ポリブチレンアジペート,ポリブチレン
セバケート,ポリヘキサメチレンセバケート,ポリネオ
ペンチンチルオキサレート,あるいはこれらの共重合体
が挙げられる。
【0025】ポリアミド系重合体としては,ポリイミノ
−1−オキソテトラメチレン(ナイロン4),ポリテト
ラメチレンアジパミド(ナイロン46),ポリカプラミ
ド(ナイロン6),ポリヘキサメチレンアジパミド(ナ
イロン66),ポリウンデカナミド(ナイロン11),
ポリラウロラクタミド(ナイロン12),ポリメタキシ
レンアジパミドポリパラキシレリレンデカナミド,ポリ
ビスシクロヘキシルメタンデカナミド又はこれらのモノ
マを構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げられ
る。特に,ポリテトラメチレンアジパミドの場合,ポリ
テトラメチレンアジパミドにポリカプラミドやポリヘキ
サメチレンアジパミド,ポリウンデカメチレンテレフタ
ラミド等の他のポリアミド成分が30モル%以下の共重
合されたポリテトラメチレンアジパミド系共重合体であ
ってもよい。前記他のポリアミド成分の共重合率が30
モル%を超えると共重合体の融点が低下し,これら共重
合体の長繊維からなる不織ウエブを用いて得た複合不織
布を高温条件下で使用したときに,機械的特性や寸法安
定性が低下するので好ましくない。
【0026】なお,本発明において,前記繊維形成性熱
可塑性重合体には,必要に応じて,例えば艶消し剤,顔
料,防炎剤,消臭剤,光安定剤,熱安定剤,酸化防止剤
等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添
加することができる。
【0027】本発明におけるウエブ層を構成する長繊維
は,繊維形成性を有する前記重合体から構成されるもの
であるが,その形態は,前記重合体単独からなるものの
他に,前記重合体の中から選択された2種以上の相異な
る重合体が各々溶融紡糸性を損なわない範囲内でブレン
ドされたブレンド物からなるものであってもよい。この
ブレンドでは,例えばポリエステル系重合体とポリオレ
フィン系重合体とがブレンドされたものや,2種の相異
なるポリアミド系重合体がブレンドされたものが挙げら
れる。特に,前者の場合には,溶融防出直後で未配向の
ポリエステル成分の収縮を抑制することができて好まし
い。また,この長繊維の形態は,前記重合体の中から選
択された2種の相異なる重合体が芯鞘型あるいは並列型
に配されたものであってもよい。この複合では,例えば
ポリエチレンテレフタレート重合体が芯部にかつポリエ
チレン重合体が鞘部に配された芯鞘型,あるいはポリカ
プラミド重合体とポリヘキサメチレンアジパミド重合体
とからなる並列型のような複合形態が挙げられる。
【0028】本発明におけるウエブ層を構成する長繊維
は,繊維形成性を有する前記重合体から構成され,かつ
単繊維繊度が1.5〜8.0デニールのものが好まし
く,2.0〜5.0デニールであるのがより好ましい。
単繊維繊度が1.5デニール未満であると得られた複合
不織布の機械的特性が低下したり,溶融紡糸工程におい
て製糸性が低下し,一方,単繊維繊度が8.0デニール
を超えると得られたウエブの風合いが硬くなって柔軟性
に富む複合不織布を得ることができず,いずれも好まし
くない。
【0029】本発明におけるウエブ層が,前記長繊維か
ら構成され,かつその構成繊維間が部分的に熱圧接され
たものである。この部分的な熱圧接とは,加熱され表面
に彫刻模様が刻印されたロールすなわちエンボスロール
と加熱され表面が平滑な金属ロールとの間にウエブを通
すことにより前記彫刻模様に該当する部分のウエブ構成
繊維同士を熱的に接着させたものである。さらに詳しく
は,この部分的な熱圧接とは,ウエブ層の全表面積に対
して特定の領域を有し,すなわち,個々の熱接着領域は
必ずしも円形の形状である必要はないが0.1〜1.0
mm2 の面積を有し,その密度すなわち圧接点密度が2
〜80点/cm2 であるのが好ましく,4〜60点/c
2 であるのがより好ましい。この圧接点密度が2点/
cm2 未満であると熱圧接後のウエブの機械的特性や形
態保持性が向上せず,一方,圧接点密度が80点/cm
2 を超えると柔軟性と嵩高性が向上せず,いずれも好ま
しくない。また,ウエブ層の全表面積に対する全熱圧接
領域の面積の比すなわち圧接面積率が2〜30%である
のが好ましく,4〜20%であるのがより好ましい。こ
の圧接面積率が2%未満であると熱圧接後のウエブの寸
法安定性が向上せず,したがって,このウエブ層にウエ
ブ層を積層して得られた複合不織布の寸法安定性が劣
り,好ましくない。
【0030】本発明に用いる合成繊維長繊維からなるス
パンボンド不織布の目付けは,10〜50g/m2 の範
囲であるのが好ましく,20〜30g/m2 の範囲であ
るのがより好ましい。10g/m2 未満であると縫製さ
れた不織布の接着強力が弱く好ましくない。また,50
g/m2 を超えたもを用いて衣服等を縫製すると,天然
繊維不織布より硬いスパンボンド不織布が皮膚に接触し
た際,皮膚を刺激し好ましくない。次に,本発明に用い
る超音波溶着機による不織布の縫製方法について説明す
る。本発明に用いる超音波溶着機は,周波数19.7K
Hzの超音波発信装置,超音波を受ける振動盤,および
布帛をドット状ないしは帯状に溶着を施す部分と布帛の
溶断を行う刃状に形成された部分とを有したロール,ま
たは溶着を施す部分のみを有するロールのいずれかのロ
ールにより構成されるものである。
【0031】本発明において使用される溶断・溶着ロー
ルの形状について説明する。布帛の溶断を行う刃状に形
成された部分はロールの円周方向に,角度30度から1
20度の範囲で錘状を形成した両刃形により構成される
もの,もしくは角度が30度から60度の範囲で,片刃
状に形成された構成を有するものである。この溶断を行
う刃の角度は30度以下であると溶断部を構成する刃の
欠損が生じ易く好ましくない,また両刃形状では120
度を超えるとき,および片刃形状で60度を超えると
き,布帛の溶断が行われず,溶着状態となり好ましくな
い。
【0032】ロールの円周上に点状ないしは帯状に凸部
を有して配設される溶着を施す部分は,1列でも,複数
列でも良く,点状に構成される場合には,複数列配され
る時,その配置は並列でもよく,また千鳥配列でも良
い。溶着を施すドットないしは帯状部分は溶断を行う刃
の片側のみでなく,両側に配設されてもよい。すなわ
ち,溶断を行う刃の両側に溶着部が配されたロールを用
いると,溶断した両側部分に溶着により縫製された部分
を形成することができる。溶断および溶着を行う際,ロ
ールの加圧には,空気圧が使用され,ロールが振動盤に
接する圧力としては,0.5〜10kg/cmの範囲で
あり,0.5kg/cm未満では,積層不織布の厚みに
対し押し圧の不足となり,溶断及び溶着のいずれも生じ
ないため好ましくない。また,10kg/cmを越える
と,溶着部分に対して圧力が掛かり,溶着部分のフイル
ム化による接着強力の低下を招き好ましくない。
【0033】また,ロールの溶断部を構成する刃の高さ
に対し,溶着を施す点状ないしは帯状の凸部の高さの間
に,高低差を設けることが好ましい。高低差の範囲は,
溶断部を構成する刃の高さに対し,溶着部の凸部の高さ
を,10μmから100μmの範囲で低くするとよい。
そうすると確実に溶断が施され,溶着を施す凸部は縫製
布帛を完全に加圧することがなく,縫製部全てがフイル
ム化することを防止することができる。この溶断刃と溶
着を施す凸部との間隔は,5mm以下とするのが好まし
い。
【0034】次に,不織布の縫製方法について説明す
る。本発明による縫製は,図1のごとく1枚の天然繊維
からなる不織布1が折られて重ね合わされた端部を縫製
する場合,図2のごとく重ね合わされた2枚の天然繊維
からなる不織布1,2の両端部を縫製する場合,図3の
ごとく2枚の天然繊維からなる不織布1,2の重ね合わ
さった部分を縫製して繋ぎ合わせる場合等に適用でき
る。本発明では,これらの縫製部間に10〜30mm幅
の熱可塑性合成繊維からなる不織布3を積層し,溶着ロ
ール4を装着した超音波溶着機(図示せず。)により溶
着して縫製する。熱可塑性合成繊維からなる不織布3の
幅は,使用する溶着ロールが作業中に外れないだけあれ
ばよく,狭すぎると作業しにくく,広すぎるのは不役の
部分が広く無駄になるので好ましくない。図1や図2の
縫製に際して,溶着を施す部分と溶断を行う刃状に形成
された部分とを有しるロールを用いると任意の形状の縫
製物とすることができると共に溶着部分から端までの長
さが上下共に揃った縫製部を形成させることができる。
また図4のごとく重ね合わされた2枚の天然繊維からな
る不織布1,2の中間部に10〜30mm幅の熱可塑性
合成繊維からなる不織布3を積層し,溶断を行う刃の両
側に溶着部を配したロールを用いると裁断と2つの縫製
部の形成を1工程で行える。
【0035】本発明による縫製の施された製品は,廃棄
に際しては,合成繊維不織布と天然繊維部分とは,分離
ないしは溶着部分を切り取ることにより,天然繊維不織
布と合成繊維不織布とを完全に分離し処分を行い得るも
のである。
【0036】
【作用】本発明では,天然繊維からなる不織布の縫製部
間に10〜30mm幅の熱可塑性合成繊維からなる不織
布を積層し、該積層部に1列あるいは複数列の点状また
は線状の溶着部を有する溶着ロールを備えた超音波溶着
機で処理すると,溶着部の熱可塑性合成繊維が溶融し,
少なくとも境界部に存在する天然繊維が溶融部に埋設さ
れた状態で一体化されるので,超音波溶着機による溶着
ができない天然繊維からなる不織布が容易に縫製でき
る。
【0037】
【実施例】以下,実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。実施例における不織布の性能の測定は以下の方法
により実施した。
【0038】(1)不織布の目付け 試料幅10cm,試料長10cmの試料片を5個作成
し,その重量を測定し,平均値を目付(g/m2 )とし
た。
【0039】(2)剥離強力 試料幅5cm,試料長は接合部より両側10cmずつの
試料片を10個作成し,各試料片を,東洋ボールドウイ
ン社製テンシロン UTM−4−1−100を用い,掴
み間隔は接合部を中心に10cm,引っ張り速度10c
m/分の条件で最大剥離強力を個々に測定し,その平均
値(kg/5cm)を接合部の剥離強力とした。
【0040】(3)重合体の融点 パーキンエルマー社製DSC−2型の示差走査型熱量計
を用い,昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱ピーク
の最大値を与える温度を融点とした。
【0041】(4)メルト・フローレイト ASTM D 1238 L法により測定した。
【0042】実施例1 1.5デニールの平均繊度,平均繊維長25mmのコッ
トンの晒し綿を用い,ランダムカード機により,繊維の
配列が一様でない目付85g/m2 の短繊維ウエブを得
た。この短繊維ウエブを,20m/分で移動する70メ
ッシュのネット上に載置し,短繊維ウエブ上方50mm
の位置より,噴射孔径0.1mm,噴射孔間隔0.6m
mで一列に配置された噴射孔より,第1回目の予備交絡
として水圧30kg/cm2 の常温の水により交絡処理
を施し,引続き前記と同一ネットおよび噴射孔を用い,
水圧70kg/cm2 の水圧により第2回目の交絡処理
を施した。
【0043】さらに第3回目の交絡処理として,前記と
同一のネットおよび噴射孔を用い,交絡処理の施された
不織短繊維ウエブを反転し,第2回目と同一水圧条件に
て交絡処理を施し,表裏ともに緻密に交絡の施された不
織繊維ウエブを得た。
【0044】得られた不織短繊維ウエブを,マングルに
より余剰の水分を除去した後,100℃の温度の乾燥機
により,乾燥処理を行って,目付83g/m2 の表裏と
もに緻密な三次元交絡を有する天然繊維(コットン)よ
りなる本発明による縫製に供するスパンレース不織布を
得た。
【0045】合成繊維からなる長繊維フイラメントのス
パンボンド不織布として,融点156℃,密度0.96
g/cc,メルト・フローレイトの測定値が56g/1
0分のポリプロピレン重合体チップを用い,スパンボン
ド法による長繊維不織ウエブを作成した。すなわち,前
記重合体チップを紡糸温度250℃で溶融し,紡糸孔よ
り溶融紡出されたポリマ流を冷却した後,エアサッカー
を用い引き取り速度4000m/分の速度で引き取りコ
ロナ放電により該繊維束を開繊し,移動する捕集面上に
捕集・堆積させて,単糸繊度が3デニールの長繊維から
なるウエブとし,次いで得られたウエブに熱圧接処理を
施して目付けが20g/m2 のスパンボンド不織布を得
た。熱圧接を施すにあたっては,面積が0.6cm2
接面積比13.2%,圧接点密度20点/cm2 で配設
されたエンボスロールと表面平滑な金属ロールにより,
ロール表面温度130℃,かつロール間の線圧を25k
g/cmとした。得られた不織布を10mm幅に裁断し
た。
【0046】天然繊維のコットンからなるスパンレース
不織布を,図1のごとく2つ折りにし,該不織布の端部
の間に,上記方法で得られたポリプロピレンからなるス
パンボンド不織布の端部を合わせ,幅2mm,長さ2m
mの凸部が2mm間隔で3列に円周上に配された溶着ロ
ールを装着した超音波溶着機で溶着縫製した。
【0047】縫製された不織布は,ポリプロピレンスパ
ンボンド部分において接合の施された筒状をなすもの
で,接合部分の剥離強力は,1.7kg/5cmであり
実用に耐え得るものであった。
【0048】実施例2 縫製に供する天然繊維の不織布としては,実施例1と同
一の不織布を使用した。合成繊維の長繊維フイラメント
からなるスパンボンド不織布は下記の方法により作成し
た。融点が259℃,相対粘度が1.38のポリエチレ
ンテレフタレート重合体チップを用い,スパンボンド法
による長繊維不織ウエブを作成した。すなわち,前記重
合体チップを溶融し,これを紡糸孔を通して紡糸温度2
90℃で溶融紡出し,溶融紡出されたポリマ流を冷却し
た後,エアサッカーを用いて引き取り速度4500m/
分で引き取り,コロナ放電により開繊し,移動する捕集
面上に捕集・堆積させて単繊維繊度が3.0デニールの
長繊維からなるウエブとし,次いで得られたウエブに熱
圧接処理を施し目付が20g/m2 の長繊維不織ウエブ
を得た。熱圧接処理を施すに際しては,面積が0.6m
2 の彫刻模様が圧接点密度20点/cm2 かつ圧接面
積率15%で配設されたエンボスロールと表面が平滑な
金属ロールとを用いた。このエンボスロールと表面が平
滑な金属ロールの表面温度を230℃,かつ両ロール間
の線圧を25kg/cmとした。得られた不織布を20
mm幅に裁断した。
【0049】天然繊維のコットンからなるスパンレース
不織布を,図1のごとく2つ折りにし,該不織布の端部
の間に,上記方法で得たスパンボンド不織布の端部を合
わせ,60度の角度を有する溶断を行う刃部と,刃の位
置より内側5mmの位置に,幅2mm長さ2mmの凸部
を間隔2mmで円周上に1列に配した溶着部を有するロ
ールを装着した超音波溶着機で,3層に構成された不織
布層の端部から5mmの位置に刃の部分を合わせ,処理
速度5m/分にて溶断・溶着縫製を施した。縫製された
不織布は,溶断刃の外側部分が切り取られて3層の不織
布がきれいに切り揃えられ,かつ溶断部の内側部分に溶
着接合部を有する筒状をなすもので,接合部分の剥離強
力は,1.5kg/5cmであった。
【0050】
【発明の効果】本発明は,超音波振動による縫製のでき
ない天然繊維からなる不織布を縫製するに際し,縫製部
分にのみ合成繊維からなる不織布を積層することによ
り,超音波振動により接合・裁断を行うことができるよ
うにしたものであり,衣料用,医療用,産業資材,農業
用資材,土木用資材,日用品用等用途に適した形状に天
然繊維からなる不織布を縫製する方法を提供するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用できる縫製形態の例を示す図であ
る。
【図2】本発明の適用できる縫製形態の例を示す図であ
る。
【図3】本発明の適用できる縫製形態の例を示す図であ
る。
【図4】本発明の適用できる縫製形態の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 天然繊維からなる不織布 2 天然繊維からなる不織布 3 合成繊維からなる不織布 4 溶着ロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚あるいは複数枚の天然繊維からなる
    不織布を縫製するに際して,該天然繊維からなる不織布
    の縫製部間に10〜30mm幅の熱可塑性合成繊維から
    なる不織布を積層し、超音波溶着機により該合成繊維か
    らなる不織布の積層部に1列あるいは複数列の点状また
    は線状の溶着部を形成させて縫製することを特徴とする
    不織布の縫製方法。
  2. 【請求項2】 1枚あるいは複数枚の天然繊維からなる
    不織布を縫製するに際して,該天然繊維からなる不織布
    の縫製部間に10〜30mm幅の熱可塑性合成繊維から
    なる不織布を積層し、超音波溶着機により該合成繊維か
    らなる不織布の積層部に1列あるいは複数列の点状また
    は線状の溶着部を形成させると共に,溶着部の外側を溶
    断して縫製することを特徴とする不織布の縫製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009518202A (ja) * 2005-12-07 2009-05-07 エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー 吸収用品用のラミネート材およびその製造方法
JP2016529412A (ja) * 2013-08-08 2016-09-23 廈門延江新材料股▲ふん▼有限公司 綿を含む不織布及びその製造方法

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