JPH0823090B2 - 高特性炭素繊維の製造方法 - Google Patents

高特性炭素繊維の製造方法

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JPH0823090B2 JP60058001A JP5800185A JPH0823090B2 JP H0823090 B2 JPH0823090 B2 JP H0823090B2 JP 60058001 A JP60058001 A JP 60058001A JP 5800185 A JP5800185 A JP 5800185A JP H0823090 B2 JPH0823090 B2 JP H0823090B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はピツチ系炭素繊維の製造方法に関するもので
あり、より詳しくは引張り強度及び引張り弾性率が向上
した高特性のピツチ系炭素繊維の製造方法に関するもの
である。
(従来の技術) 炭素繊維は、比強度及び比弾性率が高い材料であり、
高性能複合材料のフイラー繊維として注目されている。
現在、炭素繊維はポリアクリロニトリル(PAN)を原
料とするPNA系炭素繊維とピツチ類を原料とするピツチ
系炭素繊維が製造されているが、一般に開発が先行して
いた為にPAN系がより広く使用され、高強度、高弾性の
高特性炭素繊維としても主にPAN系炭素繊維が種々の工
夫を加えて使用されている現状にある。
しかしながら、PAN系炭素繊維は、更に高弾性化する
ことには限界がある点で難点を有している。又、その原
料であるPANが高価であること、原料当りの炭素繊維の
収量が低いこと等のため高価である、という難点も有し
ている。
そこで、近年、より高弾性な特徴を有し、より広範な
用途の期待されるピツチ系炭素繊維の高特性化が種々検
討されている。
ピツチ系炭素繊維の高特性化は、従来紡糸原料として
使用していた等方質ピツチの代りに、原料ピツチを加熱
処理して、異方性が発達し、配向しやすい分子種が形成
されたピツチ、所謂、メソフエーズピツチを使用する方
法(特公昭49−8634号)が提案されて以来、主に紡糸ピ
ツチの性状を調節することによつて行なわれている。
例えば、特開昭49−19127号には、原料ピツチを不活
性ガス雰囲気下に加熱処理して高度に配向されたメソフ
エーズを形成し、該メソフエーズを40〜90重量%含有す
るピツチを紡糸ピツチとする方法が提案されている。
しかし、かかる方法により等方質の原料ピツチをメソ
化するには長時間を要するので、特開昭54−160427号
は、予め原料ピツチを十分量の溶媒で処理しておくこと
により、短時間でメソ化を行なう方法を提案している。
即ち、原料ピツチをベンゼン、トルエン等の溶媒で処理
してその不溶分を得、それを230〜400℃の温度で10分以
下の短時間加熱処理して、高度に配向され、光学的異方
性部分が7.5重量%以上で、キノリン不溶分25重量%以
下の所謂ネオメソフエーズを形成し、かかるネオメソフ
エーズを紡糸ピツチとする方法を提案している。
このようにして得られた紡糸ピツチを溶融紡糸して、
ピツチ繊維を得、次いで不融化、炭化あるいは、更に黒
鉛化する事により高強度、高弾性等の高特性炭素繊維が
製造される。
しかしながら、ピツチを原料として炭素繊維を製造す
る場合、不融化、炭化の際の炭化収縮に起因する引張応
力が繊維断面の周方向に作用し、得られる炭素繊維表面
を破損する様な表面欠陥が生じやすい。
その原因の一つとして、通常の方法で溶融紡糸して得
られるピツチ繊維の断面の外周部が、一般に所謂ラジア
ル型配向構造となりやすい為に、炭化、黒鉛化の際にそ
の様な表面欠陥を生じるものと考えられ、かかる表面欠
陥を有する炭素繊維は引張り強度、引張り弾性率の点に
おいて問題を生ずる。一般に繊維表面の改良方法として
は種々提案があり、例えば、特公昭45−1287号公報には
ポリアクリロニトリル系あるいはポリエステル系炭素繊
維を樹脂マトリツクスとの接着性向上の目的で気相酸化
処理を施す事が記載されている。
また最近、特殊グレードのPAN系の1000℃焼成炭素繊
維を空気流通下、400℃及び450℃で5〜30分処理するこ
とが報告されている(Polymer Engineering and Scienc
e,May,1984,Vol.24,No.7,PP.455−459)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、ポリアクリロニトリル系あるいはポリ
エステル系炭素繊維は一般にピツチ系炭素繊維の断面構
造に起因する様な表面欠陥が生じ難く、かつ、かかる処
理は繊維と樹脂マトリツクスとの接着性を向上させるこ
とが目的であり、また繊維原料そのものが異なるので、
繊維自体の引張り強度及び引張り弾性率のそれぞれを同
時に改善するものではなかつた。
(問題点を解決する手段) そこで、本発明者等はかかる問題点を解決するために
鋭意検討を行なつた結果、ピツチ系炭素繊維を加熱酸化
処理することにより、繊維表面の表面欠陥部分に応力集
中が生じにくくなることを見い出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的はピツチ系炭素繊維にその断
面構造上特有に発生し易い表面欠陥を改善して繊維自体
の強度及び弾性率を同時に向上させた高特性炭素繊維の
製造法を提供するものである。
そして、この目的は1200℃以上の温度で焼成して得ら
れたピッチ系炭素繊維を、酸素含有雰囲気下で450〜550
℃で15分間以下で加熱処理することにより達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる炭素
繊維を得るための紡水ピツチとしては、配向しやすい分
子種が形成されており、光学的に異方性の炭素繊維を与
えるようなものであれば特に制限はなく、前述の様な従
来の種々のものが使用できる。
これら紡糸ピツチを得るための炭素質原料としては、
例えば、石炭系のコールタール、コールタールピツチ、
石炭液化物、石油系の重質油、タール、ピツチ等が挙げ
られる。これらの炭素質原料には通常フリーカーボン、
未溶解石炭、灰分などの不純物が含まれているが、これ
らの不純物は過、遠心分離、あるいは溶剤を使用する
静置沈降分離などの周知の方法で予め除去しておく事が
望ましい。
また、前記炭素質原料を、例えば、加熱処理した後特
定溶剤で可溶分を抽出するといつた方法、あるいは水素
供与性溶剤、水素ガスの存在下に水添処理するといつた
方法で予備処理を行なつておいても良い。
本発明においては、前記炭素質原料あるいは予備処理
を行なつた炭素質原料を、通常350〜500℃、好ましくは
380〜450℃で、2分〜50時間、好ましくは5分〜5時
間、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、或いは、
吹き込み下に加熱処理することによつて得られる40%以
上、好ましくは、70%以上の光学的異方性組織を含み、
かつキノリン不溶分が40重量%以下、好ましくは35重量
%以下のメソフエーズピツチが好適である。
本発明でいうメソフエーズピツチの光学的異方性組織
割合は、常温下偏光顕微鏡でのメソフエーズピツチ試料
中の光学的異方性を示す部分の面積割合として求めた値
である。
具体的には、例えばメソフエーズピツチ試料を数mm角
に粉砕したものを常法に従つて約2cm直径の樹脂の表面
のほぼ全面に試料片を埋込み、表面を研磨後、表面全体
をくまなく偏光顕微鏡(100倍率)下で観察し、試料の
全表面積に占める光学的異方性部分の面積の割合を測定
する事によつて求める。
上記の様な紡糸ピツチを用いて通常の方法に従つて溶
融紡糸、不融化、炭化、更には必要に応じて黒鉛化して
炭素繊維を得る。
特に、本発明では1200℃以上の温度で焼成した炭素繊
維、好ましくは、1200〜3000℃で30〜400分、特に好ま
しくは、1400から2000℃で30〜300分程度の温度で炭化
あるいは黒鉛化処理した炭素繊維あるいは黒鉛繊維(以
下、これらを「炭素繊維」という。)が好適に使用され
る。
本発明においてかかる炭素繊維を炭素含有雰囲気下で
450℃より高く550℃以下の温度で加熱処理することが重
要である。その際、加熱処理温度が450℃以下であると
得れれた炭素繊維の引張り強度及び引張り弾性率のいず
れも改善はされず、又、550℃より高い温度で加熱処理
を行なうと炭素繊維の表面が酸化されすぎて、かえつて
表面欠陥が増加するため繊維自体がもろくなり、特性の
点においても劣化するので好ましくない。酸素含有雰囲
気としては、空気中でもよいし酸素を吹き込んでもよ
い。酸素含有雰囲気における酸素濃度は炭素繊維表面を
極度に酸化しない程度の濃度であれば特に限定されるも
のではないが、好ましくは20%以下の酸素濃度であれば
よい。
具体的には、焼成炉を開放系とするか、あるいは、焼
成炉に空気もしくは酸素を吹き込みながら加熱処理する
ことによつて行なわれる。
本発明においては、450℃よりたかく550℃以下の温度
で15分以下で加熱処理する。
以上の様に、特定温度で炭化処理もしくは黒鉛化処理
することにより得られたピツチ系炭素繊維を酸素含有雰
囲気下で450℃より高く550℃以下の温度で加熱処理する
ことにより、繊維自体の強度・弾性率が改善される。こ
の原因は未だ十分には解明されていないものの、ピツチ
系炭素繊維の破断要因となる繊維表面の表面欠陥が酸素
含有雰囲気での加熱処理により繊維表面が軽度にエツチ
ングされて表面欠陥が除去されるか、もしくは欠陥程度
が軽減されることにより表面欠陥への応力集中が緩和さ
れるためと推定される。
(効果) 本発明によれば、ピツチ系炭素繊維にその繊維断面構
造上特有に発生し易い表面欠陥を改善して繊維自体の引
張り強度及び引張り弾性率を同時に向上した高特性のピ
ツチ系炭素繊維を製造することができる。この高特性ピ
ツチ系炭素繊維は機械的特性が優れているとともに、そ
の表面状態も改良されているので各種繊維強化複合材に
非常に有用である。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明の要旨を超えない限り、本発明は実施例に限定される
ものではない。
実施例−1 コールタールピツチを原料として、N2雰囲気下、430
℃で約120分加熱処理し、異方性割合が100%、キノリン
不溶分が30.5%の紡糸ピッチを得た。
これを常法に従つて、ノズル径0.3mmの紡糸ノズルか
ら紡糸し、ついで310℃で30分間不融化処理后、1400℃
で60分炭化処理を行ない、引張り強度288Kg/mm2、引張
り弾性率24.5t/mm2の炭素繊維を得た。
この繊維を開放系の焼成炉を用いて室温から8℃/min
の昇温速度で500℃まで昇温した。そしてその温度で1
分間保持後、放冷した。処理后の繊維の引張り試験を行
なつた結果、引張り強度は337Kg/mm2、引張り弾性率は3
0.7t/mm2であつた。
比較例1 実施例−1で得られた紡糸ピツチを、実施例−1と同
様にして紡糸し、不融化して后、1000℃で60分間炭化処
理を行ない、引張り強度282Kg/mm2、引張り弾性率19.0t
/mm2の炭素繊維を得た。
この炭素繊維を実施例−1と同様にして、酸素含有雰
囲気下、500℃で1分間加熱処理した。処理后の繊維の
引張り試験を行なつた結果、引張り強度は263Kg/mm2
引張り弾性率18.4t/mm2であつた。
比較例−2 実施例−1で使用した炭素繊維について実施例−1と
同一の焼成炉を用いて500℃で60分間保持後、引張り試
験を行なつたところ、引張り強度は323Kg/mm2、引張り
弾性率は28.2t/mm2であつた。
比較例−3 比較例−2において、炭素繊維の加熱処理を400℃、6
0分とするほか、比較例−2と同様にして処理した。処
理后の繊維の引張り強度287Kg/mm2、引張り弾性率は2
4、5t/mm2であつた。
比較例−4 実施例−1で用いた炭素繊維を不活性ガス(Ar)雰囲
気下500℃、1分の加熱処理を行なつた。得られた繊維
の引張り強度は285Kg/mm2、引張り弾性率は25.0t/mm2
あり、引張り強度向上の効果はほとんど見られなかつ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 秀彦 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−133221(JP,A) 特公 昭48−25003(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1200℃以上の温度で焼成して得られたピッ
    チ系炭素繊維を、酸素含有雰囲気下で450〜550℃で15分
    間以下で加熱処理することを特徴とする高特性炭素繊維
    の製造方法。
  2. 【請求項2】ピッチ系炭素繊維が1,400℃から2,000℃の
    温度で焼成されたものであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
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