JPH08230592A

JPH08230592A - エアバッグ

Info

Publication number: JPH08230592A
Application number: JP32465595A
Authority: JP
Inventors: Hiroto Nishimura; 寛仁西村; Yasusuke Matsushima; 庸介松島; Takahiro Iino; 恭弘飯野; Takashi Kikuchi; 隆志菊地
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1994-12-27
Filing date: 1995-12-13
Publication date: 1996-09-10

Abstract

(57)【要約】【課題】接合後に袋状の３次元的容積部が形成される
エアバッグであっても、格別に大がかりな接合機械を用
いずとも、汎用の自動接合機械によって平板上にても充
分自動接合が可能で、接合時間が短縮されて、しわの発
生のない品質の安定したエアバッグを提供するものであ
る。【解決手段】フロントパネル３と該フロントパネル３
と展開形状を異にする一対のサイドパネル１、２とを接
合して、接合後に袋状の３次元的容積部とインフレータ
からのガスが流入するインフレータ用開口１０が形成さ
れるエアバッグにおいて、前記各パネル１、２、３をほ
ぼ同一平面上に配置し、かつそれらの接合縁部１Ｓ、３
Ｓ、２Ｓ、３Ｓ、１Ｌ、２Ｌ、３Ｌ、３Ｌが平らに重合
した状態で平板上で接合できる展開形状に形成したこと
を特徴とするものでる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等において
乗員保護のためにインストルメントパネル等内に収納さ
れて使用されるのに適したエアバッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のインストルメントパネル
等内に収納されて使用されるのに適したエアバッグとし
ては、図５に示す所謂太鼓型のエアバッグがある。図５
（Ａ）は使用状態にあるエアバッグを示し、図５（Ｂ）
は縫合終了後の裏返し状態のものを示す。図５（Ｃ）は
エアバッグを縫合前の展開形状に分解して示したもので
ある。図５（Ｃ）に示されるように、太鼓の胴に相当す
る本体布２３は上面部２３Ａ、正面部２３Ｂそして下面
部２３Ｃを形成するごとく円筒状に配置し、その両側縁
に沿って右側面布２１および左側面布２２を当接し、図
５（Ｂ）のように、それらの辺部を縫合して第１縫合部
２４および第２縫合部２５を形成して縫合後に袋状の３
次元的容積部とインフレータからのガスが流入するイン
フレータ用開口３０が形成されるように構成され、その
後裏返されて図５（Ａ）のようなエアバッグを得てい
た。図５（Ｃ）の２７は各布のインフレータ用開口とな
る縁部に縫合される補強布である。

【０００３】通常、このような縫合後に袋状の３次元的
容積部が形成されるようなエアバッグを構成する各布片
の展開形状が異なるために、それら各布片の周辺部を当
接して縫合する際には人力による手縫い（ミシン等を使
用しながらも人手によって布片を移動させる。）によら
なければならなかった。また、図５のような太鼓型のエ
アバッグにあっては、左右側面布２１、２２間に配置さ
れる本体布２３は太鼓の胴のごとく前記各側面布の辺部
とはほぼ直角状に当接されて縫合されねばならず、これ
を縫合する際には本体布２３側の縁部にしわを生じさせ
て縫合せざるを得ず、縫合の終端部に至って「しわ寄
せ」による食い違いを増大させかねないものであった。
そのために、このようなエアバッグを自動縫製しようと
すると、例えば特開平６−９９７８３号や特開平６−９
９７８４号公報に記載されたもののような非常に大がか
りな縫製機械によって縫製する必要があり、これによっ
て、前記図６に示した複数枚のエアバッグ基布のうち少
なくとも一部の基布が、機械による自動縫製可能な形状
を呈することになったとしても、その縫製には多くの時
間を要した。その上、このような縫製機械によっても、
エアバッグを構成する布片が前記形状を呈している以
上、縫製時の「しわ寄せ」は完全に除去されず、品質が
安定していなかった。

【０００４】このため、格別に複雑な縫製機械を用いず
とも、通常の平板上での縫合型の自動縫製機械によって
簡単に縫合することができるエアバッグとして、図６に
示される特開平３−１８６４４８号公報に記載されたも
のが提案された。図６（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）に示されるよ
うな円形の基布２３、２４および扇形の基布２７からエ
アバッグが形成されるもので、扇形の基布２７の直線縁
２７Ｂ、２７Ｃ同士を縫合して円錐形のエアバッグ基部
とし、基布２７の円弧状外縁２７Ａと前記円形の基布２
３の孔３０の縁２３Ａとを縫合し、その後、乗員受け止
め部となる円形の基布２４の外周縁２４Ｂと基布２３の
外周縁２３Ｂとを縫合するものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記基布２
７の円弧状外縁２７Ａと前記円形の基布２３の孔３０の
縁２３Ａとの縫合に際しては、エアバッグ基部の円錐面
と基布２３とは鋭角をもって重合されるので、それらの
接合縁部が平らに重合した状態になく、これらを平板上
にて縫合しようとすると、依然として縫製時の「しわ寄
せ」は完全に除去されず、品質が安定していなかった。
また、このような従来例のものにあっても、前記扇形の
基布２７の円弧状外縁２７Ａと円形の基布２３の孔３０
の縁２３Ａとを縫合するに当たっては、基布２７の円弧
状外縁２７Ａと円形の基布２３の孔３０の縁２３Ａとは
それらの縁は互いに向き合った形にて重合されて縫合せ
ざるを得ず、このため、互いの縁部を揃えることが困難
であった。しかも、縁部が内側を向いた孔部と円弧状外
縁との縫合であるために自動縫製機械が複雑になるばか
りでなく、孔部と外周縁間の間隔が大きい基布の孔部側
を縫製する必要から、縫製機械における縫合針の位置に
制約を受け、自動縫製機械が大型化する虞れもあった。
このため、本発明では、以上述べてきたような従来のエ
アバッグにおける課題を解決して、接合後に袋状の３次
元的容積部が形成されるエアバッグであっても、格別に
大がかりな接合機械を用いずとも、汎用の自動接合機械
によって平板上にても充分自動接合が可能で、接合時間
が短縮されて、しわの発生のない品質の安定したエアバ
ッグを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、フロ
ントパネルと該フロントパネルと展開形状を異にする一
対のサイドパネルとを接合して、接合後に袋状の３次元
的容積部とインフレータからのガスが流入するインフレ
ータ用開口が形成されるエアバッグにおいて、前記各パ
ネルをほぼ同一平面上に配置し、かつそれらの接合縁部
が平らに重合した状態で平板上で接合できる展開形状に
形成したことを特徴とするもので、これを課題解決のた
めの手段とするものである。また本発明は、インフレー
タ用開口側が狭い展開形状の一対の上下サイドパネル
と、これら上下サイドパネルにおけるインフレータ用開
口が形成されない側半分の各展開形状とほぼ合同の各半
分を基準線の両側に展開した形状のフロントパネルとか
ら成り、前記各サイドパネルの底辺を前記フロントパネ
ルの対応する上下辺にそれらの接合縁部が平らに重合し
た状態で平板上で接合するとともに、前記フロントパネ
ルを前記基準線部にて折り曲げることで重合された所定
の接合縁部が平らに重合した状態で平板上で接合して形
成したことを特徴とするものである。また本発明は、前
記重合せる各サイドパネルの底辺とフロントパネルの上
下辺とが円弧に形成されたことを特徴とするものであ
る。また本発明は、前記フロントパネルを前記基準線部
にて折り曲げることで重合されたフロントパネル同士お
よび上下のサイドパネル同士の接合縁部を直線縫いにて
一気に接合したことを特徴とするものである。また本発
明は、前記フロントパネル同士および上下のサイドパネ
ル同士の接合縁部を直線縫いにて一気に接合するに際し
て、前記各サイドパネルの底辺とフロントパネルの上下
辺との接合線の端部とをクロスさせて接合したとを特徴
とするものである。また本発明は、前記フロントパネル
の基準線の両側端を折り重ねて接合することによりフロ
ントパネルを予め立体形状に形成したことを特徴とする
ものである。また本発明では、前記サイドパネルにおい
て、接合後にインフレータ用開口縁となる部分およびガ
ス排気口となるベントホール部分に予め補強布部を施し
ておくことを特徴とするもので、前記補強布部は前記サ
イドパネルの縁部を折り返して接合することにより形成
してもよい。さらに本発明では、前記サイドパネルにお
いて、接合後にインフレータ用開口縁となる部分および
ガス排気口となるベントホール部分の補強布を一体にて
形成してもよいものであり、これらを課題解決のための
手段とするものである。

【０００７】

【作用】インフレータ用開口側が狭い展開形状の一対の
上下サイドパネル１、２と、これら上下サイドパネル
１、２におけるインフレータ用開口が形成されない側半
分１Ａ、２Ａの各展開形状とほぼ合同の各半分を基準線
の両側に展開した形状のフロントパネル３とから成り、
前記各サイドパネル１、２の底辺１Ｓ、２Ｓを前記フロ
ントパネル３の対応する上下辺３Ｓ、３Ｓにそれらの接
合縁部が平らに重合した状態で接合部４、４が平板上で
接合されるとともに、前記フロントパネル３を前記基準
線Ｌ部にて折り曲げることで重合された所定の（図１の
例では上下サイドパネル１、２およびフロントパネル３
同士）接合縁部１Ｌ、２Ｌおよび３Ｌ、３Ｌが平らに重
合した状態で接合部５、６が平板上で接合し、「しわ寄
せ」を気にすることなく容易に自動接合することが可能
となる。したがって、本発明によると、接合後に袋状の
３次元的容積部が形成されるエアバッグであっても、従
来のもののように格別に大がかりな特製の縫製機械を用
いずに、各パネルをそれらの接合縁部が同方向を向いて
揃う状態で接合できるので、接合縁部を揃えるのが容易
であり、かつ接合線は該接合縁部の僅か内側であるため
に、例えば高周波接合等による自動接合機械を採用した
場合、接合子等における極部の支点からの距離は僅かで
よく、装置が大型化することはない。このように、汎用
の平板上での接合型自動接合機械にても充分自動接合が
可能であり、単純な平板上での接合による自動接合であ
ることから接合時間が短縮され、しかも接合時の「しわ
寄せ」の発生も殆どなく、品質の安定したエアバッグが
得られる。

【０００８】

【実施の形態】以下本発明の第１実施の形態を図面に基
づいて説明する。図１は本発明の第１実施の形態の分解
斜視図で、図１（Ａ）に示すように、インフレータ用開
口側が狭い展開形状（本実施の形態ではほぼ台形である
が形状は種々採用し得る。）の一対の第１および第２の
上下サイドパネル１、２（本実施の形態では上下サイド
パネル１および２はほぼ形状が等しいものが示されてい
るが、エアバッグの展開形状によっては必ずしも等しく
ない。）と、これら上下サイドパネル１、２におけるイ
ンフレータ用開口が形成されない側半分１Ａ、２Ａの各
展開形状とほぼ合同の各半分３Ａ、３Ｂを基準線Ｌの両
側に展開した形状のフロントパネル３とから成り、図１
（Ｂ）に示すように、前記台形各サイドパネル１、２の
底辺１Ｓ、２Ｓを前記フロントパネル３の対応する上下
辺３Ｓ、３Ｓにそれらの接合縁部が平らに重合した状態
でそれぞれ平板上で第１接合部４、４にて縫合するとと
もに、図１（Ｃ）に示すように、前記フロントパネル３
を前記線対称の基準線Ｌ部にて折り曲げ、図１（Ｄ）に
示すように、重合された上下サイドパネル１、２および
フロントパネル３同士の側方接合縁部１Ｌ、２Ｌおよび
３Ｌ、３Ｌの第２および第３接合部５、６を接合縁部が
平らに重合した状態で平板上での直線縫いにて一気に接
合して形成し、図１（Ｅ）のようなエアバッグ形状を得
て、図示はしないが、これを裏返して完了する。また、
前記台形各サイドパネル１、２の底辺１Ｓ、２Ｓと前記
フロントパネル３のこれらに対応する上下辺３Ｓ、３Ｓ
との第１接合部４、４は円弧形状を呈するごとく形成さ
れる。該円弧形状は円に限らず楕円の円弧であってもよ
い。

【０００９】本発明は、上述したような汎用の平板上で
の縫合による自動縫製ミシンによる縫合の他に、高周波
接合等の自動接合機械によって接合縁部を接合する方式
の他に適宜の自動接合機械が採用され得る。したがっ
て、本発明によると、接合後に袋状の３次元的容積部が
形成されるエアバッグであっても、従来のもののように
格別に大がかりな特製の縫製機械を用いずに、各パネル
をそれらの接合縁部が接合縁部が平らに重合した状態で
接合できるので、接合部に全くしわを発生することがな
いので、品質の高いエアバッグが得られるのみならず、
接合縁部を揃えるのが容易であり、かつ接合線は該接合
縁部の僅か内側であるために、例えば高周波接合等によ
る自動接合機械を採用した場合、接合子等における極部
の支点からの距離は僅かでよく、装置が大型化すること
はない。また、前記各サイドパネル１、２の底辺１Ｓ、
２Ｓと前記フロントパネル３のこれらに対応する上下辺
３Ｓ、３Ｓとの第１接合部４、４は円弧形状を呈するご
とく形成されているので、連続した縫合等による接合が
可能となり、装置の簡素化と作業工程時間の短縮が図れ
る。このように、汎用の平板上での接合型自動接合機械
にても充分自動接合が可能であり、円弧や直線のみの単
純な接合線を採用してしかも平板上での接合による自動
接合であることから接合時間が大幅に短縮され、しかも
接合時の「しわ寄せ」の発生も全くなく、品質の安定し
たエアバッグが得られる。また、図１（Ｂ）のＡ−Ａ断
面である図１（Ｆ）、図１（Ｇ）、図１（Ｈ）に示した
ように、前記各サイドパネル１、２において、接合後に
インフレータ用開口１０の縁部となる部分に予め補強布
部１Ｒ、２Ｒを施しておく。補強布部１Ｒを例にする
と、図１（Ｃ）に示したように、サイドパネル１の縁部
あるいは折り返し縁部に複数の補強布１Ｒを積層して接
合して形成してもよいし、図１（Ｄ）、図１（Ｅ）に示
したように、サイドパネル１の縁部を折り返して接合し
て形成してもよい。さらに、前記サイドパネル１におい
て、接合後にガス排気口となるベントホール７部分に予
め補強布部８を施しておく。該補強布部８として、後述
するようにサイドパネル１の縁部を折り返してもよい
し、複数の補強布を積層して接合して形成してもよい。

【００１０】図２は本発明の２実施の形態の分解斜視図
で、図２（Ａ）に示すように、インフレータ用開口側が
狭い展開形状の一対の第１および第２の上下サイドパネ
ル１、２と、これら上下サイドパネル１、２におけるイ
ンフレータ用開口が形成されない側半分１Ａ、２Ａの各
展開形状とほぼ合同の各半分３Ａ、３Ｂを基準線Ｌの両
側に展開した形状のフロントパネル３とから成り、図２
（Ｂ）に示すように、本実施の形態では前記サイドパネ
ル１の底辺１Ｓおよび両側方接合縁部１Ｌ、１Ｌを前記
フロントパネル３の対応する上辺３Ｓおよび両側方接合
縁部３Ｌ、３Ｌにそれらの接合縁部が平らに重合した状
態でそれぞれ平板上で第１接合部４として縫合するとと
もに、図２（Ｃ）に示すように、前記サイドパネル２が
平面板上に位置する形にて、上下サイドパネル１、２の
インフレータ用開口１０が形成される側の半分１Ｂ、２
Ｂ同士の両側方接合縁部１Ｌと２Ｌおよびフロントパネ
ル３の半分３Ｂとサイドパネル２の半分２Ａ同士の両側
方接合縁部３Ｌと２Ｌとが平らに重合した状態でそれぞ
れ第２および第３接合部５、６として縫合する。これら
の第２および第３接合部５、６についても前記実施の形
態と同様に、円弧形状を呈するごとく形成して連続した
縫合等による接合を可能にできる。そして、図２（Ｄ）
のようなエアバッグ形状を得て、図示はしないが、これ
を裏返して完了する。また本実施の形態では、前記上サ
イドパネル１において、接合後にインフレータ用開口１
０縁となる部分の補強布１Ｒの他に、ガス排気口となる
ベントホール７、７部分に予め補強布部を施すのに、前
記サイドパネル１の縁部に形成した補強布部８を折り返
して接合できるように形成しているが、図２（Ｅ）に示
すように、接合後にインフレータ用開口１０縁となる部
分およびガス排気口となるベントホール７部分の補強布
８を一体にて形成してもよいものである。

【００１１】図３は本発明の３実施の形態を示すもの
で、図１（Ｄ）に相当する図３（Ａ）に示すように、台
形サイドパネル１の底辺１Ｓをフロントパネル３の対応
する上辺３Ｓにそれらの接合縁部が平らに重合した状態
で平板上で円弧状の第１接合部４にて縫合し（サイドパ
ネル２の底辺とフロントパネル３の下辺も同様）、その
後、フロントパネル３を前記線対称の基準線Ｌ部にて折
り曲げ、重合された上下サイドパネル１、２およびフロ
ントパネル３同士の側方接合縁部１Ｌ、２Ｌおよび３
Ｌ、３Ｌの第２および第３接合部５、６を接合縁部が平
らに重合した状態で平板上での直線縫いにて一気に接合
して第２、第３の接合線５、６を形成するに際して、本
実施の形態では図３（Ｂ）に示すように、前記各サイド
パネル１、２の底辺１Ｓ、２Ｓとフロントパネル３の上
下辺３Ｓ、３Ｓとの第１接合線４、４の端部とをクロス
させて接合したものである。これによって、簡素な接合
線を採用したにもかかわらず、図３（Ｃ）のような第１
接合線３４の端部と第２および第３接合部３６とが交差
しない場合に生じ易い「縫合ほつれ」や「孔」の形成を
完全に防止することができる。したがって、これらの各
接合線４、６が交差するＢ部分（図３（Ｄ）参照）にお
いてガスが流出することがないので、高圧ガスの確保を
より確実にする。

【００１２】図４は本発明の４実施の形態の分解斜視図
で、図１の実施の形態と同様に本実施の形態のエアバッ
グは、図４（Ａ）のようなインフレータ用開口側が狭い
ほぼ台形の展開形状（裁断形状）の一対の第１および第
２の上下サイドパネル１、２と、これら上下サイドパネ
ル１、２におけるインフレータ用開口が形成されない側
半分の各展開形状とほぼ合同の各半分を基準線Ｌの両側
に展開した形状のフロントパネル３とから成る。本実施
の形態のフロントパネル３はほぼ楕円形状を呈し、その
上下辺３Ｓ、３Ｓは楕円の円弧に形成され、対応する前
記各サイドパネル１、２の底辺１Ｓ、２Ｓをそれらの接
合縁部が平らに重合した状態でそれぞれ平板上で第１接
合部４、４にて縫合するとともに、前記フロントパネル
３を前記線対称の基準線Ｌ部にて折り曲げ、図４（Ｃ）
に示すように、重合された上下サイドパネル１、２およ
びフロントパネル３同士の側方接合縁部１Ｌ、２Ｌおよ
び３Ｌ、３Ｌの第２および第３接合部５、６を接合縁部
が平らに重合した状態で平板上での直線縫いにて一気に
接合して形成し、図１（Ｅ）のようなエアバッグ形状を
得て、図４（Ｄ）のように、これを裏返して完了する。
本実施の形態では、図４（Ｂ）、（Ｃ）のように、前記
フロントパネル３の基準線Ｌの両側端１１、１２をほぼ
扇形に折り重ねて接合することによりフロントパネルを
予め立体形状に形成することができる。このフロントパ
ネル３の基準線Ｌの両側端１１、１２を折り重ねて接合
したことにより、フロントパネル３を予め立体形状に形
成することができるので、エアバッグの膨張展開時に無
理なく立体形状を形成することができる。しかも、前記
基準線Ｌの両側端１１、１２を折り重ねて接合するの
は、前記第２および第３接合部５、６として直線縫い等
の接合にて平板状で一気に形成することができる。本実
施の形態においても、前記図３の実施の形態と同様に、
前記各サイドパネル１、２の底辺１Ｓ、２Ｓとフロント
パネル３の上下辺３Ｓ、３Ｓとの第１接合線４、４の端
部とをクロスさせて接合することができる。

【００１３】以上、本発明の実施の形態に係るエアバッ
グについて詳述したが、該エアバッグが使用されるエア
バッグ装置は助手席やドア、後部座席その他に配置され
るエアバッグ装置に採用されるものであり、本発明の趣
旨の範囲内で、各サイドパネル、フロントパネルの形状
および基準線の両端部の折り重ね部の形状、フロントパ
ネルを折り返す基準線の位置、サイドパネルとフロント
パネルの間の接合形状、補強布部の形状および補強布の
積層数、幅等は適宜選択できることは言うまでもないこ
とである。

【００１４】

【発明の効果】以上詳細に述べてきたように、本発明で
は、フロントパネルと該フロントパネルと展開形状を異
にする一対のサイドパネルとを接合して、接合後に袋状
の３次元的容積部とインフレータからのガスが流入する
インフレータ用開口が形成されるエアバッグにおいて、
前記各パネルをほぼ同一平面上に配置し、かつそれらの
接合縁部が平らに重合した状態で平板上で接合できる展
開形状に形成したので、接合後に袋状の３次元的容積部
が形成されるエアバッグであっても、従来のもののよう
に格別に大がかりな特製の縫製機械を用いずに、各パネ
ルをそれらの接合縁部が平らに重合した状態で接合で
き、接合部に全くしわを発生することがないのみなら
ず、接合縁部を揃えるのが容易であり、かつ接合線は該
接合縁部の僅か内側であるために、例えば高周波接合等
による自動接合機械を採用した場合、接合子等における
極部の支点からの距離は僅かでよく、装置が大型化する
ことはない。また、各サイドパネルの側方接合縁部がほ
ぼ均等間隔にて２条形成されるので、エアバッグ作動時
にサイドパネルが側方に拡張し過ぎることを有効に防止
できるので、乗員をより安全に保護することができる。
このように、汎用の平板上での接合型自動接合機械にて
も充分自動接合が可能であり、単純な平板上での接合に
よる自動接合であることから接合時間が短縮され、しか
も接合時の「しわ寄せ」の発生も全くなく、品質の安定
したエアバッグが得られる。しかも、前記各サイドパネ
ルの底辺とフロントパネルの上下辺との第１接合線の端
部とをクロスさせて接合すれば、簡素な接合線を採用し
たにもかかわらず、第１接合線の端部と第２および第３
接合部との交差部において「縫合ほつれ」や「孔」の発
生を完全に防止することができ、エアバッグ膨張展開時
の高圧ガスの確保をより確実にできる。さらに、前記フ
ロントパネルの基準線の両側端を折り重ねて接合するこ
とによりフロントパネルを予め立体形状に形成するなら
ば、エアバッグの膨張展開時に無理なく立体形状に膨張
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエアバッグの第１実施の形態の分解斜
視図である。

【図２】本発明のエアバッグの第２実施の形態の分解斜
視図である。

【図３】本発明のエアバッグの第３実施の形態の全体お
よび要部の斜視図である。

【図４】本発明のエアバッグの第４実施の形態の全体お
よび要部の斜視図である。

【図５】エアバッグの第１の従来例を示す図である。

【図６】エアバッグの第２の従来例を示す図である。

【符号の説明】

１第１サイドパネル２第２サイドパネル３フロントパネル４第１接合部５第２接合部６第３接合部１０インフレータ用開口１１基準線の端部（折り重ね部）１２基準線の端部（折り重ね部）１Ｌ接合縁部１Ｓ接合縁部２Ｌ接合縁部２Ｓ接合縁部３Ｓ接合縁部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フロントパネルと該フロントパネルと展
開形状を異にする一対のサイドパネルとを接合して、接
合後に袋状の３次元的容積部とインフレータからのガス
が流入するインフレータ用開口が形成されるエアバッグ
において、前記各パネルをほぼ同一平面上に配置し、か
つそれらの接合縁部が平らに重合した状態で平板上で接
合できる展開形状に形成したことを特徴とするエアバッ
グ。
【請求項２】インフレータ用開口側が狭い展開形状の
一対の上下サイドパネルと、これら上下サイドパネルに
おけるインフレータ用開口が形成されない側半分の各展
開形状とほぼ合同の各半分を基準線の両側に展開した形
状のフロントパネルとから成り、前記各サイドパネルの
底辺を前記フロントパネルの対応する上下辺にそれらの
接合縁部が平らに重合した状態で平板上で接合するとと
もに、前記フロントパネルを前記基準線部にて折り曲げ
ることで重合された所定の接合縁部が平らに重合した状
態で平板上で接合して形成したことを特徴とするエアバ
ッグ。
【請求項３】前記重合せる各サイドパネルの底辺とフ
ロントパネルの上下辺とが円弧に形成されたことを特徴
とする請求項２に記載のエアバッグ。
【請求項４】前記フロントパネルを前記基準線部にて
折り曲げることで重合されたフロントパネル同士および
上下のサイドパネル同士の接合縁部を直線縫いにて一気
に接合したことを特徴とする請求項２または３に記載の
エアバッグ。
【請求項５】前記フロントパネル同士および上下のサ
イドパネル同士の接合縁部を直線縫いにて一気に接合す
るに際して、前記各サイドパネルの底辺とフロントパネ
ルの上下辺との接合線の端部とをクロスさせて接合した
とを特徴とする請求項４に記載のエアバッグ。
【請求項６】前記フロントパネルの基準線の両側端を
折り重ねて接合することによりフロントパネルを予め立
体形状に形成したことを特徴とする請求項５に記載のエ
アバッグ。
【請求項７】前記サイドパネルにおいて、接合後にイ
ンフレータ用開口縁となる部分に予め補強布部を施して
おくことを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載
のエアバッグ。
【請求項８】前記サイドパネルにおいて、接合後にガ
ス排気口となるベントホール部分に予め補強布部を施し
ておくことを特徴とする請求項１乃至７に記載のエアバ
ッグ。
【請求項９】前記補強布部は前記サイドパネルの縁部
を折り返して接合することにより形成したことを特徴と
する請求項７または８に記載のエアバッグ。
【請求項１０】前記サイドパネルにおいて、接合後に
インフレータ用開口縁となる部分およびガス排気口とな
るベントホール部分の補強布を一体にて形成したことを
特徴とする請求項７乃至９に記載のエアバッグ。