JPH08225019A - 自動車窓のパーティションサッシュプロテクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 風切り音の発生を確実に防止することがで
き、かつ組み付け作業性を向上させることができると共
に、製造コスト的にも有利なパーティションサッシュプ
ロテクタを得る。 【構成】 基体４の上面に窓枠ａの内空部に挿入される
一対の連結片５ａ，５ｂを互いに所定間隔離間した状態
に一体に突設すると共に、該連結片５ａ，５ｂ間を連結
する補強壁６を一体に設け、かつ上記一対の連結片５
ａ，５ｂの内、外側に位置する連結片５ａに弾性材料か
らなるクッション部７を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のドア等に設け
られた窓の窓枠内を仕切るパーティションサッシュの上
端部と窓枠との間に取り付けてパーティションサッシュ
の上端部と窓枠とを連結するパーティションサッシュプ
ロテクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】４ドアの自動車のリアドアなどに設けら
れた窓には、図３に示したように、窓枠ａ内を前後に仕
切るパーティションサッシュｂを上下方向に沿って配設
し、該パーティションサッシュｂにより仕切られた窓の
コーナー部分に窓ガラスを開閉不可にはめ込んだコーナ
ー窓ｄを設けることが行われている。

【０００３】この場合、上記パーティションサッシュｂ
は、下部をネジ等によりドア本体ｃに固定すると共に、
上端部をパーティションサッシュプロテクタと呼ばれる
合成樹脂製の連結具により窓枠ａに連結することによ
り、窓枠ａに取り付けられている。

【０００４】従来、上記パーティションサッシュプロテ
クタとしては、図４（Ａ）に示したように、ブロック状
基体ｅの下端部から下方へ脚突片ｆ，ｆを突設すると共
に、上端部から上方へ連結片ｇを突設したプロテクタ
ｈ，ｈからなる２部品構成のパーティションサッシュプ
ロテクタが知られており、このパーティションサッシュ
プロテクタは、図４（Ｂ）に示したように、プロテクタ
ｈ，ｈの脚突片ｆ，ｆ，ｆ，ｆをそれぞれパーティショ
ンサッシュｂの上端部に嵌入してパーティションサッシ
ュｂに取り付けると共に、両連結片ｇ，ｇを窓枠ａに設
けられた溝内に挿入固定することにより、パーティショ
ンサッシュｂと窓枠ａとを連結するものである。

【０００５】この場合、上記パーティションサッシュプ
ロテクタには、両連結片ｇ，ｇを被覆するようにしてク
ッション材ｉが取り付けられ（図４（Ｂ）参照）、この
クッション材ｉによりプロテクタｈ，ｈと窓枠ａとの間
にがたつきが生じるのを防止している。また、パーティ
ションサッシュｂには窓ガラスを固定するためのラバー
ｊが取り付けられ（図４（Ａ）参照）、このラバーｊの
上端部は上記両プロテクタｈ，ｈ間に介装され、上記ク
ッション材ｉにより上記両連結片ｇ，ｇと共に被覆固定
される（図４（Ｂ）参照）。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のパーティションサッシュプロテクタを用いたパーテ
ィションサッシュの連結構造には、以下の問題点があ
る。 （１）がたつき及び風切り音の発生を防止するためにク
ッション材ｉを配設してはいるが、窓枠ａと外側のプロ
テクタｅとの間に小さな隙間が生じやすく、高速走行時
の風切り音を必ずしも効果的に防止し得ない。 （２）上記クッション材ｉがプロテクタｈ，ｈと別体構
成となっているため製造コスト及び組み付けコストの点
で不利である。 （３）パーティションサッシュプロテクタが外側プロテ
クタｈと内側プロテクタｈとの２部品構成となっている
ため各プロテクタｈ，ｈが小さく、組み付け作業性が悪
い。

【０００７】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、上記問題点を解消し、風切り音の発生を確実に防止
することができ、かつ組み付け作業性を向上させること
ができると共に、製造コスト的にも有利なパーティショ
ンサッシュプロテクタを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、自動車に設けられた窓の窓枠を仕切るパー
ティションサッシュの上端部と窓枠との間に取り付けら
れる合成樹脂製のパーティションサッシュプロテクタで
あって、上記パーティションサッシュの上端部に嵌着固
定される基体の上面に上記窓枠の内空部に挿入される一
対の連結片を互いに所定間隔離間した状態に一体に突設
すると共に、該一対の連結片間を連結する補強壁を一体
に設け、かつ上記一対の連結片の内、少なくともパーテ
ィションサッシュに取り付けた際に外側に配設される一
方の連結片に弾性材料からなるクッション部を設けてな
ることを特徴とする自動車窓のパーティションサッシュ
プロテクタを提供する。

【０００９】この場合、上記クッション部は、二色成形
法によって上記連結片の外周を被覆するように弾性材料
層を一体に形成し、該弾性材料層をクッション部とする
ことにより連結片を芯材としてその周囲に一体的に形成
することができる。

【００１０】

【作用】本発明のパーティションサッシュプロテクタ
は、自動車のドア等に設けられた窓の窓枠内を仕切るパ
ーティションサッシュの上端部と窓枠との間に取り付け
てパーティションサッシュの上端部と窓枠とを連結する
もので、上述した従来のパーティションサッシュプロテ
クタと同様に、基体をパーティションサッシュの上端部
に嵌着固定し、該基体の上面に突設された一対の連結片
を窓枠に形成された溝内に挿入してパーティションサッ
シュと窓枠とを連結するものである。そしてこのとき、
外側の連結片に設けられたクッション部が上記窓枠の溝
内面に弾接密着し、パーティションサッシュプロテクタ
と窓枠との間に隙間が生じることを確実に防止して、走
行時に風切り音が発生するのを確実に防止するものであ
る。

【００１１】この場合、本発明のパーティションサッシ
ュプロテクタは、一つの基体に内側連結片と外側連結片
とを突設した一部品構成となっており、かつ該連結片間
に当該両連結片を連結する補強壁が一体に設けられてい
るので、この補強壁を指でつまんでパーティションサッ
シュの上端部に取り付け、その連結片を窓枠の溝内に挿
入するだけで簡単にパーティションサッシュと窓枠とを
連結することができ、二部品からなるプロテクタを用い
た従来の構造に比べて遥かに作業性よく簡単に連結構造
を構成することができる。

【００１２】また、外側部分と内側部分とが一体形成さ
れているので、外側プロテクタ及び内側プロテクタをそ
れぞれ個別に成形しなければならない従来のプロテクタ
に比べて遥かに低コストで製造することができる。

【００１３】更に、クッション部を二色成形法によって
連結片に一体に設けることにより、クッション材を組み
付ける手間もなく、かつ窓枠内に挿入した連結片がこの
クッション部により隙間を生じることなく確実に窓枠の
溝内面に弾接密着し、風切り音の発生を極めて効果的に
防止することができる。この場合、クッション部を上記
連結片の外周を被覆するように形成することにより、ク
ッション部内の連結片が芯材として作用し、クッション
部を窓枠の溝内面に所定圧力で確実に密着させることが
できるものである。

【００１４】このように、本発明のパーティションサッ
シュプロテクタは、風切り音の発生を確実に防止するこ
とができ、かつ組み付け作業性を向上させることができ
ると共に、製造コスト的にも有利なものである。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例につき図面を参照して
説明する。図１，２は、本発明の一実施例にかかるパー
ティションサッシュプロテクタ１を用いたパーティショ
ンサッシュｂと窓枠ａとの連結構造を示すもので、この
連結構造は、図３に示した自動車の後部ドアの窓に設け
られたコーナー窓ｄを形成するパーティションサッシュ
ｂと窓枠ａとを連結したものである。

【００１６】上記パーティションサッシュプロテクタ１
は、基板２の両側縁部に沿ってそれぞれ断面くの字状の
嵌着片３，３を一体に形成した基体４の上面に外側連結
片５ａ及び内側連結片５ｂを互いに所定間隔離間した状
態で一体に突設し、かつこの両連結片５ａ，５ｂ間を一
体に連結する補強壁６を基体４の上面に一体に形成した
ものである。

【００１７】ここで、上記外側連結片５ａの周囲には、
弾性材料層７が二色成形法により該外側連結片５ａを被
覆するように一体に形成されており、この弾性材料層７
がクッション部を構成している。

【００１８】また、上記基体４を構成する基板２には、
上記補強壁６を挟んだ両側部分の下面にそれぞれ固定爪
８，８が突設されている（図では基板２の補強壁６を挟
んだ片側部分に形成された固定爪８，８しか示されてい
ない）。なお、図中９は上記固定爪８，８を成形するた
めに金型に設けられたピンを抜く穴である。

【００１９】このパーティションサッシュプロテクタ１
は、射出成形法により合成樹脂で成形すると共に、二色
成形法により上記クッション部７も一体に成形したもの
であり、この場合特に制限されるものではないが、上記
クッション部７を除いた部分は６−ナイロン、６，６−
ナイロン等の比較的剛性の高い合成樹脂が用いられ、ま
た上記クッション部７を構成する弾性材料としては、各
種熱可塑性エラストマーなどが好適に用いられる。

【００２０】この本例パーティションサッシュプロテク
タ１は、図１に示されているように、断面略Ｈ字状のパ
ーティションサッシュｂの上端部と断面略Ｃ字状の窓枠
ａとを連結するものであり、この場合まずパーティショ
ンサッシュプロテクタ１の基体４をパーティションサッ
シュｂの上端に被せるようにして本パーティションサッ
シュプロテクタ１をパーティションサッシュｂの上端部
に取り付ける。この場合、図２に示したように、パーテ
ィションサッシュｂの上端部が基体４の両嵌着片３，３
間に嵌入されると共に、特に図示していないが上記固定
爪８，８がパーティションサッシュｂの内部壁ｋを挟持
し、本例パーティションサッシュプロテクタ１がパーテ
ィションサッシュｂの上端部に固定される。

【００２１】次いで、このパーティションサッシュプロ
テクタ１の両連結片５ａ，５ｂを窓枠ａの溝内に挿入す
る。この場合、外側連結片５ａに設けられたクッション
部７が圧縮変形した状態で窓枠ａの溝内に圧入され、該
クッション部７により外側連結片５ａの外面が窓枠ａの
溝内面に密着すると共に、クッション部７の弾発力によ
り両連結片５ａ，５ｂががたつきなくしっかりと固定さ
れるものである。なお、図１中ｊはコーナー窓ｄ（図３
参照）にはめ込まれるガラスを保持するためのラバーで
ある。

【００２２】このように本実施例のパーティションサッ
シュプロテクタ１は、１つの基体４に内側連結片５ａと
外側連結片５ｂとを突設した一部品構成となっていると
共に、両連結片５ａ，５ｂ間に補強壁６が形成されてお
り、かつ外側連結片５ａにクッション部７が一体に設け
られているので、上記補強壁６を指でつまんで単にこの
パーティションサッシュプロテクタ１をパーティション
サッシュａの上端部に取り付け、両連結片５ａ，５ｂを
窓枠ａの溝内に挿入するだけで簡単にパーティションサ
ッシュｂと窓枠ａとを連結することができ、二部品から
なるプロテクタとクッション材とを組み合わせた従来の
構造に比べて遥かに作業性よく簡単に連結構造を構成す
ることができる。

【００２３】また、外側部分と内側部分とが一体形成さ
れていると共に、二色成形法により連結片にクッション
部７を一体に形成してあるので、外側プロテクタ、内側
プロテクタ及びクッション材をそれぞれ個別に成形しな
ければならない従来のプロテクタに比べて遥かに低コス
トで製造することができる。

【００２４】更に、クッション部７が連結片５ａに一体
に設けられているので、このクッション部７の弾性によ
って窓枠ａと外側連結片５ａとり間に隙間を生じること
がなく、外側連結片５ａが確実に窓枠ａの溝内面に弾接
密着し、風切り音の発生を極めて効果的に防止すること
ができるものである。この場合、本実施例ではクッショ
ン部７を外側連結片５ａの先端側外周を被覆するように
形成したことにより、クッション部７内の連結片５ａが
芯材として作用し、クッション部７を窓枠ａの溝内面に
所定圧力で確実に密着させることができる。

【００２５】このように、本実施例のパーティションサ
ッシュプロテクタ１は、風切り音の発生を確実に防止す
ることができ、かつ組み付け作業性を向上させることが
できると共に、製造コスト的にも有利なものである。

【００２６】なお、本発明のパーティションサッシュプ
ロテクタは、上記実施例に限定されるものではなく、例
えば基体４及び外側，内側両連結片５ａ，５ｂの形状等
はパーティションサッシュｂや窓枠ａの形状等に応じて
適宜変更することができ、また、上記実施例ではクッシ
ョン部７を二色性成形法により外側連結片５ａと一体的
に形成したが、このクッション部７を別体とし、従来の
プロテクタと同様に後から連結片５ａに取り付けるよう
にしてもよい。さらに、その他の構成についても本発明
の要旨を逸脱しない限り種々変更して差し支えない。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のパーティ
ションサッシュプロテクタによれば、風切り音の発生を
確実に防止することができ、かつ組み付け作業性を向上
させることができると共に、低コストで製造することが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例にかかるパーティションサッ
シュプロテクタを用いたパーティションサッシュと窓枠
との連結構造を示す分解斜視図である。

【図２】同連結構造を示す断面図である。

【図３】パーティションサッシュプロテクタが用いられ
る自動車の後部ドアを示す概略斜視図である。

【図４】従来のパーティションサッシュプロテクタを用
いたパーティションサッシュと窓枠との連結構造を示す
もので、（Ａ）は分解斜視図、（Ｂ）は断面図である。

【符号の説明】

１ パーティションサッシュプロテクタ ２ 基板 ３ 嵌着片 ４ 基体 ５ａ 外側連結片 ５ｂ 内側連結片 ６ 補強壁 ７ クッション部 ８ 固定爪 ａ 窓枠 ｂ パーティションサッシュ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車に設けられた窓の窓枠を仕切るパ
   ーティションサッシュの上端部と窓枠との間に取り付け
   られる合成樹脂製のパーティションサッシュプロテクタ
   であって、上記パーティションサッシュの上端部に嵌着
   固定される基体の上面に上記窓枠の内空部に挿入される
   一対の連結片を互いに所定間隔離間した状態に一体に突
   設すると共に、該一対の連結片間を連結する補強壁を一
   体に設け、かつ上記一対の連結片の内、少なくともパー
   ティションサッシュに取り付けた際に外側に配設される
   一方の連結片に弾性材料からなるクッション部を設けて
   なることを特徴とする自動車窓のパーティションサッシ
   ュプロテクタ。
2. 【請求項２】 二色成形法によって連結片の外周を被覆
   するように弾性材料層を一体的に形成して、該弾性材料
   層をクッション部とした請求項１記載の自動車窓のパー
   ティションサッシュプロテクタ。