JPH0822341A - 任意周波数発生器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】時間−周波数データを取り込み、その周波数情
報を持った波形を再現することのできる任意周波数発生
器を実現する。 【構成】時間−周波数情報が格納され第１のアドレスジ
ェネレータからの指定アドレスにより時間−周波数デー
タを送出する周波数情報メモリと、この周波数情報メモ
リの出力に対応して変化するアドレスを発生する第２の
アドレスジェネレータと、波形データが格納され第２の
アドレスジェネレータからの指定アドレスにより波形デ
ータが読み出される波形メモリと、この波形メモリの出
力データをアナログ変換するＤＡ変換器と、外部からの
周波数−時間情報のデータを通信により受信するための
通信回路と、この通信回路を介して受信した周波数−時
間情報を前記周波数情報メモリに書き込む機能を有する
制御演算回路を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、任意の信号を発生する
任意波形発生器、特に任意の周波数が発生できる任意周
波数発生器において、実波形の周波数を取り込み、その
周波数信号を発生する発生器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、波形メモリに格納された波形
データを順次読み出すと共にアナログ変換し、アナログ
波形を発生する任意波形発生器はよく知られている。図
３はこの任意波形発生器を用いて実波形を取り込み、そ
の波形を再生する場合のシステムの構成説明図である。
まずデジタルオシロスコープ１００（デジタイザでもよ
い）で実波形を取り込む。デジタルオシロスコープある
いはデジタイザは、アナログ・デジタル変換器（以下ア
ナログ・デジタル変換をＡＤ変換という）とメモリを備
え、実波形の電圧−時間データを測定し、メモリに記憶
することができる。このメモリに記憶されたデータを任
意波形発生器２００に転送（ダウンロード）し、任意波
形発生器の波形メモリに一旦格納する。その後波形メモ
リから波形データを読み出し、再生波形を出力する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では次のような問題があった。すなわち、デジタルオ
シロスコープで取り込んだ時間−電圧情報を任意波形発
生器のメモリに取り込みそれを再生するという方法であ
るため、周波数の変動しない正弦波やパルス波のような
波形を取り込んでそのまま再生する場合には適している
ものの、図４（同図（ａ）は実波形、同図（ｂ）はその
実波形の周波数の変化を示す図である）に示すように周
波数が変動する信号例えば回転信号波形などでは、電圧
−時間関係だけでデータを取り込み再生しようとすると
沢山のサンプリング点が必要であり、したがって超ロン
グメモリが必要であり、また転送等の処理時間もかかる
という欠点があった。

【０００４】本発明の目的は、このような点に鑑み、周
波数が変動する実信号を対象とし、周波数カウンタやタ
イムインターバルカウンタで測定した時間−周波数（ま
たは時間−周期）データを取り込み（ダウンロード
し）、その周波数情報を持った波形を再現することので
きる任意周波数発生器を実現しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明では、時間−周波数情報が格納され、所
定の割合で変化するアドレス信号を発生する第１のアド
レスジェネレータからアドレスが指定されると、当該指
定アドレスに格納された内容を送出するように構成され
た周波数情報メモリと、この周波数情報メモリの出力を
周波数データとして受け、この周波数データに対応して
変化するアドレス信号を発生する第２のアドレスジェネ
レータと、波形データが格納され、前記第２のアドレス
ジェネレータからアドレスが指定されると当該アドレス
に格納された波形データが読み出されるように構成され
た波形メモリと、この波形メモリの出力データをアナロ
グ変換するＤＡ変換器と、時間−周波数情報が格納さ
れ、所定の割合で変化するアドレス信号を発生する第１
のアドレスジェネレータからアドレスが指定されると、
当該指定アドレスに格納された内容を前記第２のアドレ
スジェネレータの周波数データとして送出するように構
成された周波数情報メモリと、外部からの周波数−時間
情報のデータを通信により受信することのできる通信回
路と、この通信回路を介して受信した周波数−時間情報
を前記周波数情報メモリに書き込む機能を有する制御演
算回路を具備したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】第２のアドレスジェネレータから発生するアド
レスにより波形メモリから波形データが読み出し、ＤＡ
変換器を介してアナログ波形として出力する。出力のア
ナログ波形の周波数は第２のアドレスジェネレータに与
える周波数データに応じて変わる。その周波数データは
周波数情報メモリに格納された時間−周波数情報であ
り、本発明ではその時間−周波数情報を通信回路を通し
て周波数情報メモリに取り込むことができる。周波数情
報メモリに時間−周波数情報を書き込み、波形メモリに
は基本波形を記憶しておくことにより、ＤＡ変換器より
時間−周波数情報に応じた周波数情報を持った波形を再
現できる。

【０００７】

【実施例】以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。
図１は本発明に係る任意周波数発生器の一実施例を示す
要部構成図である。図において、１０は第１のアドレス
ジェネレータ、２０は周波数情報メモリ、３０は第２の
アドレスジェネレータ、４０は波形メモリ、５０はデジ
タル・アナログ変換器（以下デジタル・アナログ変換を
ＤＡ変換という）、６０は制御演算回路、７０は通信回
路である。

【０００８】第１のアドレスジェネレータ１０は基準ク
ロック（クロックの発生器については図示を省略してあ
る）に同期してアドレスを発生するものである。なお、
第１のアドレスジェネレータ１０と第２のアドレスジェ
ネレータ３０との内部構成は同じである。第１のアドレ
スジェネレータ１０は加算器１１とラッチ１２より構成
されている。ラッチ１２はクロックパルスの入力ごとに
加算器１１の出力をラッチして出力する。加算器１１は
ラッチ１２の出力と全体時間Ｎとを加算する。ラッチ１
２の出力（この場合Ｎずつ増加するデータ）は周波数情
報メモリ２０に対するアドレスとなる。

【０００９】周波数情報メモリ２０は周波数−時間情報
すなわち周波数スイープデータが格納されるメモリであ
る。この周波数スイープデータは第２のアドレスジェネ
レータ３０に周波数データＭとして加えられる。第２の
アドレスジェネレータ３０は波形メモリ４０に対してＭ
ずつ変化するアドレスを出力する。波形メモリ４０には
所望の基本波形が格納されていて、第２のアドレスジェ
ネレータ３０のアドレス指定により波形データが読み出
される。読み出された波形データはＤＡ変換器５０でア
ナログ変換される。

【００１０】ＤＡ変換器５０の出力波形の周波数は第２
のアドレスジェネレータ３０に与える周波数データＭに
対応している。Ｍが２倍になれば周波数も２倍になり、
Ｍが３倍になれば周波数も３倍になる。このＭの値は周
波数情報メモリ２０に格納されている時間−周波数デー
タであり、したがってＤＡ変換器５０から出力される出
力波形の周波数は時間−周波数データに従った周波数と
なる。

【００１１】制御演算回路６０は通信回路７０を介して
入力された外部信号を周波数情報メモリ２０に書き込む
機能を有する。また波形メモリ４０に対しても波形デー
タを書き込むことができる。通信回路７０は外部の周波
数カウンタやタイムインターバルカウンタ等（いずれも
図示を省略してある）からの信号をダウンロードするた
めのインタフース回路である。

【００１２】このような構成における動作を、図２の信
号の転送および再生に係るシステムの構成説明図を参照
して次に説明する。振幅一定で周波数が変化する正弦波
についてタイムインターバルカウンタあるいはメモリ機
能を持った周波数カウンタ３００により周波数を測定
し、その周波数データを本発明の任意周波数発生器４０
０にダウンロードするものとする。

【００１３】制御演算回路６０は通信回路７０経由で受
け取った周波数データ（時間−周波数データ）を周波数
情報メモリ２０に書き込んでゆく。この場合のデータ数
は、電圧変化の実波形を忠実にサンプリングする場合の
データ数に比べて格段に少なくてすみ、メモリ長も少な
くてすむ。なお、波形メモリ４０には予め正弦波の基本
波形を書き込んでおく。

【００１４】実波形と同様の波形を再生する場合は、第
１のアドレスジェネレータ１０を起動して周波数情報メ
モリ２０に対するアドレスを発生させる。同時に第２の
アドレスジェネレータ３０も起動し、波形メモリ４０に
対するアドレスを発生させる。周波数情報メモリ２０か
らは実波形の周波数変化に従った周波数データが出力さ
れ、第２のアドレスジェネレータ３０に周波数データＭ
として加えられる。これにより波形メモリ４０から読み
出された波形は、周波数情報メモリ２０より読み出され
た周波数データに従って変化する周波数でなる波形、換
言すれば実波形の周波数変化に従った波形となってい
る。

【００１５】なお、本発明は任意周波数発生器の機能の
みでなく、任意波形を発生する任意波形発生器としての
機能も持っている。すなわち、周波数情報メモリ２０か
らは一定の周波数データＭが第２のアドレスジェネレー
タ３０に加えられるように設定しておき、波形メモリ４
０に格納する波形を適宜変更することにより任意の波形
を発生することができる。また、外部のデジタルオシロ
スコープからの波形データをダウンロードし、波形メモ
リ４０に書き込んでこれを再生することもできる。いず
れにしても従来の任意波形発生器と同じ機能を発揮させ
ることができる。

【００１６】また本発明は実施例に限定されるものでは
なく、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜構成を変更
することができる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来のデジタルオシロスコープからの波形データのダウン
ロードに加えて、周波数−時間情報を記憶する周波数情
報メモリに外部からの周波数−時間情報をダウンロード
することにより従来はメモリの制約で発生できなかった
周波数スイープの信号を容易に発生させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る任意周波数発生器の一実施例を示
す要部構成図である。

【図２】本発明の任意周波数発生器を用いたシステムの
構成説明図である。

【図３】従来の任意波形発生器を用いたシステムの構成
説明図である。

【図４】実波形の特性図である。

【符号の説明】

１０ 第１のアドレスジェネレータ １１，３１ 加算器 １２，３２ ラッチ ２０ 周波数情報メモリ ３０ 第２のアドレスジェネレータ ４０ 波形メモリ ５０ ＤＡ変換器 ６０ 制御演算回路 ７０ 通信回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】時間−周波数情報が格納され、所定の割合
   で変化するアドレス信号を発生する第１のアドレスジェ
   ネレータからアドレスが指定されると、当該指定アドレ
   スに格納された内容を送出するように構成された周波数
   情報メモリと、 この周波数情報メモリの出力を周波数データとして受
   け、この周波数データに対応して変化するアドレス信号
   を発生する第２のアドレスジェネレータと、 波形データが格納され、前記第２のアドレスジェネレー
   タからアドレスが指定されると当該アドレスに格納され
   た波形データが読み出されるように構成された波形メモ
   リと、 この波形メモリの出力データをアナログ変換するＤＡ変
   換器と、 外部からの周波数−時間情報のデータを通信により受信
   することのできる通信回路と、 この通信回路を介して受信した周波数−時間情報を前記
   周波数情報メモリに書き込む機能を有する制御演算回路
   を具備し、外部から通信により取り込んだ時間−周波数
   情報を周波数情報メモリに書き込み、前記ＤＡ変換器よ
   り前記時間−周波数情報に基づいた波形が出力されるよ
   うにしたことを特徴とする任意周波数発生器。