JPH08219718A - 面位置検出装置 - Google Patents

面位置検出装置

Info

Publication number
JPH08219718A
JPH08219718A JP7020326A JP2032695A JPH08219718A JP H08219718 A JPH08219718 A JP H08219718A JP 7020326 A JP7020326 A JP 7020326A JP 2032695 A JP2032695 A JP 2032695A JP H08219718 A JPH08219718 A JP H08219718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
inspected
optical system
light beam
light flux
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7020326A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Kawaguchi
透 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP7020326A priority Critical patent/JPH08219718A/ja
Publication of JPH08219718A publication Critical patent/JPH08219718A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡単な構成で、被検面上の広い範囲で
上下方向の位置(高さ)の分布、及び傾斜角の分布の少
なくとも一方を高精度に検出する。 【構成】 コヒーレント光源1からの平行光束LBiを
ウエハ52の表面52a上に斜めに照射し、表面52a
からの反射光LBrを反射鏡3を介して光分割プリズム
4に導き、光分割プリズム4を透過した光束LBr1
と、光分割プリズム4で反射されて反射鏡5で反射され
た光束LBr2とを所定の交差角で撮像素子6の検出面
6a上で重畳する。両光束の干渉縞のピッチ、及び位相
より表面52aの傾斜角、及びZ方向の位置を検出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検面の高さ、及び/
又は傾きを検出する面位置検出装置に関し、例えば半導
体素子や液晶表示素子等の製造工程で使用される投影露
光装置に設けられるオートフォーカスセンサ、及び又は
レベリングセンサに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子を製造するために、マ
スクとしてのレチクル上に形成された回路パターンの投
影光学系を介した像を、感光基板としてのウエハの各シ
ョット領域に転写する縮小投影型露光装置(ステッパ
ー)等の投影露光装置が使用されている。斯かる投影露
光装置では、解像度を高めるために開口数(N.A.)の大
きな投影光学系が用いられるため、許容される焦点範囲
が非常に狭くなっている。そこで、投影光学系の露光フ
ィールド全体に亘って、しかもウエハの各ショット領域
毎に鮮明な回路パターン像を転写するため、従来より投
影露光装置には、投影光学系の結像面に対する各ショッ
ト領域の焦点ずれを補正するオートフォーカス装置、及
びその結像面に対する角ショット領域の傾斜角のずれの
補正を行うオートレベリング装置が備えられている。
【0003】そして、オートフォーカスを行うために投
影光学系の光軸方向のウエハの位置(焦点位置)を検出
する装置の一例として、本出願人による特開昭56−4
2205号公報に開示されているような、被検面上に斜
めに投影したスリット像等を再結像する斜入射型のオー
トフォーカスセンサ(以下、「AFセンサ」と呼ぶ)が
知られている。このAFセンサでは、被検面が上下する
と、再結像されたスリット像等の位置が受光光学系の光
軸と垂直な方向にずれることを利用して、このずれ量を
測定することにより被検面の焦点位置を検出している。
【0004】また、オートレベリングを行うためにウエ
ハの各ショット領域の傾斜状態を検出する装置の一例と
して、本出願人による特開昭58−13706号公報に
開示されているような、コリメータ型のレベリングセン
サが知られている。このセンサでは、被検面上に斜めに
平行光束を照射し、その被検面から反射された平行光束
を例えば4分割受光素子上に集光し、その集光位置から
その被検面の傾斜角を検出している。
【0005】一方、ウエハの表面上の少なくとも3点で
焦点ずれの補正を行えば、同時に傾斜角の補正も行われ
るため、ウエハの表面上の3個以上の計測点での焦点位
置を検出する多点のAFセンサを使用して、焦点ずれの
補正と傾斜角の補正とを同時に行う装置も提案されてい
る。その多点のAFセンサの一例としては、特開平1−
253603号公報において、被検面上に斜め方向から
部分的に共通化された投射レンズ系を介して3個以上の
光束を入射させるようにした面位置検出装置が開示され
ている。
【0006】また、例えば特開平3−40417号公報
において、可干渉光源からの光束を計測ビームと参照ビ
ームとに分けて、その計測ビームを被検面に照射し、そ
の被検面で反射された計測ビームと予め分離されている
参照ビームとを干渉させて干渉縞を形成し、この干渉縞
の情報から被検面の高さ、又は傾きを検出する干渉方式
の検出装置が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の技
術の内で、斜入射型のAFセンサでは、被検面上の広い
範囲に亘る領域における上下方向の位置(高さ)の分布
の検出を同時に行うことができない不都合がある。但
し、上述の特開平1−253603号公報に開示されて
いる多点のAFセンサによれば、斜め方向から入射する
光束の数を増加させて計測点の個数を増加させることに
より、広い範囲の領域での上下方向の位置分布の検出を
行うことが可能である。しかしながら、この装置で計測
点の個数を増加させると、全体の光学系が複雑化すると
共に、各光束の間には或る程度の間隔が必要であるた
め、計測点の間隔を或る程度より狭くできないという不
都合がある。
【0008】一方、従来の平行光束を照射する方式のレ
ベリングセンサでは、被検面上のその平行光束の照射領
域での平均的な傾斜角を検出できるが、その照射領域内
での傾斜角の分布を計測することはできないという不都
合があった。また、従来の干渉方式の高さ、又は傾きの
検出装置を、その特開平3−40417号公報にも開示
されているように、投影露光装置におけるウエハの表面
の位置検出に適用すると、ウエハで反射された計測ビー
ムと予め分離された参照ビームとは長い距離に亘って別
々の光路上を進行することになる。このような場合、干
渉計測において一般に問題となる、空気の揺らぎ等の周
辺環境の変化の影響が生じてくる。空気の揺らぎについ
ては、従来、光路を密閉したり定常的な空気流を形成し
て外乱の影響を低減させる方法がよく利用されている。
しかし、この検出装置の場合、ウエハからの計測ビー
ム、及び参照ビームが共に、投影光学系による露光フィ
ールド上を通過するため、光路の密閉や完全な定常的な
空気流の形成は困難であり、計測結果に空気揺らぎによ
る誤差が混入する恐れがある。
【0009】本発明は斯かる点に鑑み、比較的簡単な構
成で、被検面上の広い範囲で上下方向の位置(高さ)の
分布、及び傾斜角の分布の少なくとも一方を高精度に検
出できると共に、必要に応じてその被検面上の広い範囲
中の所定の部分的な領域に限定した測定をすることもで
きる面位置検出装置を提供することを目的とする。本発
明は更に、干渉方式に適用した場合に、2つの光束を発
生させる部分、及び2つの光束により干渉縞を形成する
部分よりなる光学系(干渉光学系)が、照明系や被検面
の上部を含まずにほぼ孤立した状態で構成でき、更にそ
の干渉光学系を小型化して分割された各光束が互いに近
接した領域を通過できると共に、容易にその干渉光学系
をほぼ密閉する等の処置が可能な面位置検出装置を提供
することをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による面位置検出
装置は、例えば図1に示すように、被検面(52a)に
斜めに可干渉な位置検出用の光束(LBi)を照射する
照射光学系(1,2)と、その被検面からの反射光より
第1光束(LBr1)及び第2光束(LBr2)を分離
する光束分割光学系(3,4)と、それら第1光束及び
第2光束を所定の角度で交差させて重畳する光束交差光
学系(4,5)と、この光束交差光学系によりそれら第
1光束及び第2光束を重畳して得られる干渉縞を光電変
換する光電検出手段(6)と、を有し、この光電検出手
段から出力されるその干渉縞の情報を担う信号に基づい
てその被検面の高さ、及び傾斜角の少なくとも一方を検
出するものである。
【0011】この場合、被検面の高さ、及び傾斜角の検
出を行うときには、光束分割光学系(3,4)での反射
を含めて、その第1光束及びその第2光束の光電検出手
段(6)までのそれぞれの反射回数の偶奇を合わせるこ
とが望ましい。逆に、被検面の傾斜角のみの検出を行う
際には、その第1光束及びその第2光束の反射回数の偶
奇を逆にすることが望ましい。
【0012】また、その被検面上の位置検出用の光束
(LBi)の照射領域と光電検出手段(6)の受光面と
はほぼ共役であることが望ましい。また、例えば図9に
示すように、被検面(52a)からの反射光より第3光
束(LBr3)及び第4光束(LBr4)を分離する第
2の光束分割光学系(23,24,25)と、それら第
3光束及び第4光束をそれら第1光束及び第2光束の交
差方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に所定の交
差角で交差させて重畳する第2の光束交差光学系(2
5,26)と、を設け、この第2の光束交差光学系によ
りそれら第3光束及び第4光束を重畳して得られる干渉
縞の情報に基づいてそれら第3光束及び第4光束の交差
方向での被検面(52a)の傾斜角(θx)を検出する
ことが望ましい。
【0013】
【作用】斯かる本発明によれば、被検面(52a)から
の反射光を分離して得た2光束を干渉させて得られる干
渉縞の強度分布は、例えば図4の分布曲線(59)のよ
うになる。例えば、第1光束及び第2光束の反射回数の
偶奇が等しい場合、その被検面の傾斜角が変化するか、
又は高さが変化すると、その干渉縞の強度分布はそれぞ
れ分布曲線(59A)のようにピッチが変化するか、又
は分布曲線(59B)のように位相が変化する。即ち、
その干渉縞のピッチ及び位相が、それぞれ被検面の傾き
及び高さ(位置)に応じた情報を持っているので、その
干渉縞を光電変換し、そのピッチと位相を求めること
で、被検面の傾き及び高さを検出できる。
【0014】但し、第1光束、及び第2光束の反射回数
の偶奇が異なるときには、被検面の高さが変化しても干
渉縞の位相は変化しないかあるいは変化量は小さくな
り、被検面の傾斜角が変化すると干渉縞のピッチの変化
は大きくなるため、被検面の傾斜角の変化を高感度に検
出できる。そのように干渉縞のピッチ、及び位相を求め
る際には、離散的フーリエ変換、とりわけ高速フーリエ
変換(FFT)を利用することにより、殆どリアルタイ
ムで高速に信号処理が実行されるため、被検面の傾き、
及び位置が高速に検出される。
【0015】この場合、被検面上の所望の広い領域(例
えば投影露光装置に適用したときにはウエハ上のショッ
ト領域)に光束を照射し、その領域に対応した干渉縞の
ピッチ及び位相を検出することで、その広い領域の全体
としての傾き及び高さを検出できる。また、本発明では
被検面からの反射光を分割しているため、干渉縞を生成
するための光学系は小型化され、容易に密閉等を行うこ
とができる。従って、空気の揺らぎ等の周辺環境の変化
の影響を大きく低減できる。
【0016】また、被検面(52a)上の照明領域と光
電検出手段(6)の検出面とが光学的にほぼ共役な関係
にあるときには、その照明領域中の所望の部分的な領域
の傾き、及び高さを検出したいときには、その検出面上
の干渉縞中でその部分的な領域と共役な部分のピッチ、
及び位相を検出すればよい。次に、図9に示すように、
被検面(52a)からの反射光より分離された光束の内
で、第1光束(LBr1)及び第2光束(LBr2)を
干渉させて例えばX方向に配列される干渉縞(28)を
生成し、第2光束(LBr3)及び第3光束(LBr
3)を干渉させて例えばY方向に配列される干渉縞(2
9)を生成した場合、被検面(52a)がY軸を中心に
角度θyだけ傾斜すると干渉縞(28)のピッチが変化
し、被検面(52a)がX軸を中心に角度θxだけ傾斜
すると干渉縞(29)のピッチが変化することから、被
検面(52a)の2次元的な傾斜角を検出できる。
【0017】また、例えば図5に示すように、被検面
(52a)上で反射された光束をミラー(11)により
ほぼ同軸に繰り返し被検面(52a)上で再反射させた
後、この反射光を分割して干渉させ干渉縞を検出する
と、被検面の傾きの検出感度が向上し(およそ被検面上
での反射回数倍)、より高い精度の傾き検出が可能とな
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明による面位置検出装置の種々の
実施例につき図面を参照して説明する。以下の実施例
は、半導体素子製造用のステッパー型の投影露光装置の
オートフォーカス、及びオートレベリング機構の焦点位
置検出系に本発明を適用したものである。
【0019】[第1実施例]図1は本実施例の投影露光
装置の要部を示し、この図1において、露光時には不図
示の照明光学系からの露光光ILのもとで、レチクル5
1のパターンが投影光学系PLを介して所定の投影倍率
β(βは例えば1/4,1/5等)で縮小されて、フォ
トレジストが塗布されたウエハ52の各ショット領域に
投影される。ここで、投影光学系PLの光軸AXに平行
にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行
にX軸を取り、図1の紙面に垂直にY軸を取る。
【0020】ウエハ52は、ウエハホルダ54上に真空
吸着により保持され、ウエハホルダ54はそれぞれZ方
向に伸縮自在な3個の支点56A〜56Cを介してZレ
ベリングステージ55上に載置され、Zレベリングステ
ージ55は、X方向及びY方向にウエハ52を位置決め
するためのXYステージ57上に固定されている。ウエ
ハホルダ54、Zレベリングステージ55、支点56A
〜56C、XYステージ57、及び不図示の回転テーブ
ル等からウエハステージ53が構成されている。
【0021】この場合、支点56A〜56Cとしては、
機械的に例えば球体をZ方向に移動させるカム機構、送
りねじ機構、又はピエゾ素子等が使用できる。Zレベリ
ングステージ55内の駆動部において、それら支点56
A〜56Cを同時に同じ量だけ伸縮させることによりウ
エハ52をZ方向に微動することができ、それら支点5
6A〜56Cを互いに独立に所定量だけ伸縮させること
によりウエハ52を所望の方向に所望の角度だけ傾斜さ
せることができるようになっている。
【0022】また、ウエハ52のX座標及びY座標は不
図示のレーザ干渉計により常時計測され、計測値が制御
系8に供給され、制御系8は、供給された計測値に基づ
いて駆動系9を介してXYステージ57の位置決め動作
を制御する。同時に制御系8は、後述のように検出され
るウエハ52のZ方向の位置(焦点位置)、及び傾斜角
に基づいて駆動系9、及びZレベリングステージ55内
の駆動部を介して支点56A〜56Cの伸縮量を制御す
ることにより、オートフォーカス及びオートレベリング
を行う。
【0023】さて、ウエハ52の各ショット領域にレチ
クル51上の回路パターンの像を良好に転写するには、
各ショット領域毎に投影光学系PLの結像面に対して焦
点深度の範囲内に露光面を収める必要がある。そのため
には、被検面としてのウエハ52の表面52a内の露光
対象のショット領域上の各点の焦点位置を正確に検出す
る必要がある。そのための、本例の焦点位置検出系につ
き説明する。なお、図1の焦点位置検出系は、ウエハ5
2の表面52a(被検面)上のX方向に沿った1次元の
計測方向での焦点位置、及び傾斜角を検出する検出系で
あり、実際にはY方向を計測方向とする同様の焦点位置
検出系(不図示)も設けられている。これら2つの検出
系により、その被検面上の焦点位置、及び2次元方向の
傾斜角が検出される。
【0024】そのX方向を計測方向とする焦点位置検出
系において、He−Neレーザ光源等のコヒーレント光
源1から、ウエハ52上のフォトレジストに対する感光
性の弱い波長λ(波長λは、例えばHe−Neレーザ光
源の場合には633nm)の平行光束LBiが射出され
る。また、コヒーレント光源1の射出部には、それから
射出される平行光束LBiの断面形状を所望の大きさに
設定するためのビームエクスパンダ等も組み込まれてい
る。その平行光束LBiは、反射鏡2を介して投影光学
系PLの光軸AXに対して斜めに進行し、ウエハ52の
表面52a上に入射角θinで入射する。このとき、その
平行光束LBiの照射領域は、投影光学系PLの露光フ
ィールドの中央部であり、且つ表面52aの法線方向と
光軸AXとはほぼ平行である。また、入射角θinは後述
の理由により90°に近い大きな角度にすることが望ま
しい。
【0025】表面52aからの反射光LBrは、反射鏡
3により+Z方向に反射されて干渉光学系58内の光分
割プリズム4に導かれ、光分割プリズム4を透過する光
束LBr1と、光分割プリズム4で+X方向に反射され
る光束LBr2との2光束に分割される。そして、一方
の光束LBr1は、光電検出手段としての例えば1次元
イメージセンサからなる1次元の撮像素子6の検出面
(撮像面)に入射する。また、他方の光束LBr2は、
反射鏡5を介して撮像素子6の検出面上に光束LBr1
と所定の角度ψで交差して重なるように入射する。その
検出面はほぼZ軸に垂直であり、光束LBr1の光軸と
光束LBr2の光軸とがその検出面上で形成する平面は
XZ平面に平行である。また、光分割プリズム4、反射
鏡5、及び撮像素子6より干渉光学系58が構成され、
干渉光学系58の全体が、ガラス製、又は金属板よりな
る遮風カバー60で覆われている。但し、遮風カバー6
0の反射光LBrの通過部はガラス板、又は開口部とな
っている。
【0026】本例の干渉光学系58において、重畳され
た2つの光束LBr1及びLBr2は、撮像素子6の検
出面上に、波長λと2光束のなす角度ψとに応じてほぼ
X方向に所定ピッチの干渉縞を形成する。この干渉縞
が、更に2光束と撮像素子6の検出面とがなす角度に応
じたピッチPの干渉縞として撮像素子6で検出され、撮
像素子6の撮像信号が検出演算系7に供給される。検出
演算系7では、例えば高速フーリエ変換を適用してその
撮像信号を処理することにより、撮像素子6上の干渉縞
のピッチP及び位相φの情報を得た後、これらの情報に
基づいて表面52aのZ方向の位置(焦点位置)h、及
びY軸に平行な軸の回りでの傾き角αを求める。そし
て、検出演算系7で検出された表面52aの焦点位置
h、及び傾き角αの情報が制御系8に送られ、並行して
不図示のY方向用の焦点検出系で得られる表面52aの
X軸に平行な軸の回りでの傾き角の情報も制御系8に送
られる。これらの情報に基づいて制御系8は駆動系9、
及びZレベリングステージ55内の駆動部を介して支点
56A〜56Cの伸縮量を制御する。
【0027】次に、本実施例における焦点位置h及び傾
き角αの検出原理を図2〜図4を参照して説明する。図
2は、図1内の互いにコヒーレントなそれぞれ平行光束
よりなる2つの光束LBr1,LBr2が交差して干渉
縞が生じる様子を示し、この図2において、2つの光束
LBr1,LBr2は図2の紙面に平行な方向に進行
し、ξ軸上でそれら2光束の光軸が交差しており、且つ
図2の紙面内でそれら2光束のなす角を2等分する方向
がξ軸と垂直なη軸と一致しているものとする。なお、
2光束LBr1,LBr2は、実際には有限な大きさの
断面を持つ光束であるが、図2ではそれぞれの光軸を表
す直線で示されている。
【0028】一般によく知られているように、互いにコ
ヒーレントな平行光束よりなる2つの光束が交差する場
合、その2光束が重ね合わされる領域に、2光束の進行
方向を2等分する方向(η軸方向)には強度変化がな
く、それと垂直な方向(ξ軸方向)に一定ピッチの定常
的な強度分布を持つ干渉縞が生じる。その干渉縞は、図
2では強度分布曲線59で示すように、η軸及び点線上
で強度が極大となり、それらの中間の位置で強度が極小
となる。そして、その干渉縞のξ軸方向のピッチP
0 は、2光束の波長λ、及び2光束の交差角ψを用いて
次のようになる。
【0029】 P0 =λ/{2sin(ψ/2)} (1) ここで、図1の撮像素子6の検出面6aが、ξ軸に対し
て角度βだけ傾いているものとすると、撮像素子6で検
出される干渉縞のピッチPは、次のようになる。
【0030】 P=P0 /cos β (2) 図1に戻り、ウエハ52の表面52aが、入射する光束
LBiに対してY軸に平行な軸を中心として角度αだけ
傾斜したとする。この場合、図3(a)に示すように、
図1の表面52aからの反射光LBrは、元の光路に対
して角度2αだけ傾いた点線の光路T1に沿って進行す
る。このため、分割後の2つの光束LBr1,LBr2
もそれぞれ元の光束に対して同一の方向に角度2αで傾
いた点線の光路T2,T3に沿って進行し、2つの光束
が撮像素子6上でなす角度は変わらない。この現象は2
光束LBr1,LBr2に対して相対的に干渉縞の検出
面(撮像素子6の検出面)が角度2αだけ傾くことと等
価であるため、撮像素子6で検出される干渉縞のピッチ
は、(2)式に基づいた次式で表されるP’になる。
【0031】 P’=P0 /cos(β±2α) (3) 図4(a)は、図1のウエハ52の表面52aが角度α
だけ傾斜したときの、撮像素子6の検出面6aでの干渉
縞のX方向への強度分布I(X)の変化を示し、図4
(a)において、実線の強度分布曲線59は図1の状態
で得られる干渉縞、点線の強度分布曲線59Aは、表面
52aが角度αだけ傾斜したときの干渉縞を表してい
る。この場合、干渉縞のピッチが変化するため、このピ
ッチの変化を測定すれば、表面52aの傾きの変化が検
出できることになる。
【0032】次に、図1においてウエハ52の表面52
aがZ方向にhだけ変位したとすると、表面52aから
の反射光LBrの光軸は、図3(b)の点線の光路T4
で示すように、元の光路に対してその光軸と垂直な方向
に間隔dだけ平行移動する。その間隔dは、入射角θin
及び変位hを用いて、次のように表される。
【0033】 d=2h・sin θin (4) 同様に、図3(b)において、分割後の2光束LBr
1,LBr2も、それぞれ点線の光路T5,T6で示す
ように、交差角を元の角度に保った状態で、元の光路に
対して同じ側にdだけ平行移動する。図4(b)は、図
1のウエハ52の表面52aがZ方向にhだけ変位した
ときの、検出面6aでの干渉縞の強度分布I(X)の変
化を示し、図4(b)において、実線の強度分布曲線5
9は変位前の干渉縞、点線の強度分布曲線59Bは変位
後の干渉縞を表している。このように、表面52aのZ
方向への変位により、干渉縞の位相が変化する(干渉縞
がシフトする)が、この位相の変化量Δφは次のように
なる。
【0034】 Δφ=4πh・sin θin・cos β/P0 (5) 従って、この位相の変化量Δφを測定すれば、被検面の
Z方向への変位hが検出できることになる。本実施例の
検出演算系7では、これら干渉縞のピッチ変化及び位相
変化を、検出した干渉縞の強度分布をフーリエ変換して
得られるスペクトル中の、ピッチP付近に相当するスペ
クトル情報から求める。この方法は、例えば”光学 第
13巻,第1号,59頁〜60頁(1984)”に詳し
く論じられているように、フーリエ変換法という干渉縞
の処理法の1つとして一般によく知られている。この方
法によると、干渉縞を光電変換して得られる電気信号
(撮像信号)の処理により、殆どリアルタイムと言われ
るほど短時間で高精度に干渉縞のピッチ及び位相の検出
が可能である。
【0035】ところで、通常ウエハの面は感光材料の薄
い層(フォトレジスト層)で覆われている。本実施例で
も実質的にはこのフォトレジスト層の表面の面位置を検
出することになる。この場合、計測にコヒーレントな光
を利用しているため、フォトレジスト表面とフォトレジ
ストを透過してウエハ表面で反射する光との干渉が生じ
て悪影響を及ぼす恐れがある。そこで、この干渉現象を
抑制する一手法として、上述したようにウエハ52の表
面52aを照明する光束の入射角θinを90°に近い大
きな角度として、フォトレジストを透過する光束を低減
することが望ましい。更に、複数の波長よりなる光束を
発生する光源手段を用いて、フォトレジスト層による干
渉の影響を補正する構成とすること等も有効である。
【0036】また、図1に示すように、本実施例では反
射光LBrが2光束に分割されて干渉する部分である干
渉光学系58が、ウエハ52の表面52a上の空間を含
まずに独立した構成を取っている。そのため、その干渉
光学系58のほぼ全体を容易に遮風カバー60で覆える
ようになっている。従って、干渉光学系58内では空気
の揺らぎが極めて少なく、高精度に干渉縞を利用した計
測を行うことができる。
【0037】更に、本例ではウエハ52の表面52aに
平行光束LBiが照射されているため、撮像素子6の検
出面6a上に形成される干渉縞は、ほぼその表面52a
の各部の位置に対応した情報を担っている。従って、平
行光束LBiで例えばウエハ52上の露光対象のショッ
ト領域の全体を照明し、撮像素子6からの撮像信号を処
理して、撮像素子6上の干渉縞をX方向に細分化して得
られる各干渉縞のピッチ、及び位相をそれぞれ求めるこ
とにより、そのショット領域をX方向に横切るスリット
状の領域を大まかにX方向に分割して得られる各部の焦
点位置、及びY軸に平行な軸の回りの傾斜角を検出する
ことができる。
【0038】また、上述実施例のコヒーレント光源1と
しては、例えば発振波長が安定化されたシングルモード
のレーザダイオード等も使用することができる。
【0039】[第2実施例]本発明の第2実施例につき
図5及び図6を参照して説明する。本実施例は、被検面
の傾き検出の高感度化のために、被検面で光束を繰り返
し反射させるものであり、図5において図1に対応する
部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0040】図5は、本例の投影露光装置の要部を示
し、この図5において、コヒーレント光源1からの波長
λの平行光束LBiはハーフミラー10(ハーフプリズ
ム等も可)に入射し、ハーフミラー10で反射された平
行光束LBiは、ウエハステージ53上に保持されたウ
エハ52の表面52a上に入射角θinで入射する。そし
て、表面52aからの反射光LBrは、反射鏡11によ
りほぼ同軸に折り返すように反射されて反射光LBsと
して表面52aに戻り、表面52aで再度反射された反
射光LBtの内で、ハーフミラー10を透過した反射光
LBtが反射鏡3で反射されて干渉光学系58Aに入射
する。
【0041】干渉光学系58Aは、図1の干渉光学系5
8と対称な構成であり、干渉光学系58Aに入射した反
射光LBtは、光分割プリズム4で2光束に分割され、
この2光束が撮像素子6の検出面上にX方向に配列され
る干渉縞を形成する。即ち、本例では入射する平行光束
LBiが、ウエハ52の表面52aで往復で2回反射さ
れている点が第1実施例と大きく異なっている。但し、
撮像信号6の撮像信号を処理するための検出演算系7、
及びステージ系等の構成は第1実施例と同様である。な
お、平行光束LBiの利用効率を高めるために、ハーフ
ミラー10を偏光プリズムとして、コヒーレント光源1
と偏光プリズムとの間に偏光子を設け、偏光プリズムと
被検面あるいは被検面と反射鏡11との間に1/4波長
板を設ける構成としてもよい。
【0042】次に、本実施例における傾き検出の高感度
化の原理を図6を参照して説明する。図6は、図5のウ
エハ52の表面52aと反射鏡11との間の光路を示
し、この図6において、表面52aが傾いていなけれ
ば、入射する平行光束LBiは実線で示したような光路
を辿って、反射光LBr、反射鏡11での反射光LB
s、そして表面52aでの反射光LBtとして射出され
る。この状態から表面52aが点線T7で示すように角
度αだけ傾くと、最初の反射光LBrは点線の光路T8
で示すように角度2αだけ傾き、反射鏡11での反射光
LBsは点線の光路T9で示すように角度4αだけ傾斜
する。従って、反射光LBsの表面52aでの反射光L
Btは、点線の光路T10で示すように、入射する平行
光束LBiの光軸に対して角度4αだけ傾いた光束とな
る。以下、この点線T10に沿って反射される光束の干
渉縞を第1実施例と同様に検出すると、表面52aの傾
き角αに対応して、干渉光学系58A内の撮像素子6の
検出面での干渉縞のピッチは(3)式に対応する次式で
表されるピッチP”となる。
【0043】 P”=P0 /cos(β±4α) (6) この式と(3)式との比較より明らかなように、この第
2実施例によれば、被検面の同じ傾き量に対して干渉縞
のピッチの変化量は増加し、傾き角の検出感度が向上す
る。同様な考察から、原理的には被検面上での繰り返し
の反射回数の増加に伴って検出感度が向上することが分
かる。しかし実用的には、光学系の構成上の問題や被検
面上での繰り返し反射に伴う検出点の移動等により、そ
の反射回数は制約を受けることになるため、その反射回
数は2回、又は3回程度が好ましい。
【0044】[第3実施例]本発明の第3実施例につき
図7を参照して説明する。これに関して、第1実施例
(図1)では、干渉光学系58内の第1の光束LBr1
の反射回数は0回、第2の光束LBr2の反射回数は2
回であり、両光束の反射回数は偶数回に統一されてい
る。これに対して、本実施例は干渉光学系内の両光束の
反射回数が奇数回に統一されている例であり、図7にお
いて図1に対応する部分には同一符号を付してその詳細
説明を省略する。
【0045】図7は、本例の投影露光装置の要部を示
し、この図7において、ウエハ52の表面52aからの
反射光LBrは、反射鏡3を経て干渉光学系58Bに入
射する。干渉光学系58B内において、Z軸にほぼ平行
に上方に進む反射光LBrは、対物レンズ12を経て計
測方向であるX方向に垂直な光分割面を持つハーフプリ
ズム13によって、ハーフプリズム13で反射される光
束LBr1と、ハーフプリズム12を透過する光束LB
r2との2光束に分割される。そして、分割後の2光束
LBr1,LBr2は、互いに光軸が平行な状態で、そ
れぞれほぼZ軸に平行に進行し、一方の光束LBr1
は、平行平板ガラス14に入射し、他方の光束LBr2
は像回転プリズム17に入射する。
【0046】像回転プリズム17の反射面はハーフプリ
ズム13の光分割面に平行となっており、その反射面と
平行に光束LBr2が入射し、像回転プリズム17で1
回反射された光束LBr2は、入射時と平行に射出され
て、レンズ18を経て稜線を挟んで交差する2つの屈折
面を有するプリズム16の一方の屈折面に入射する。一
方、平行平板ガラス14を透過した光束LBr1は、光
束LBr2に平行にレンズ15を経てプリズム16の他
方の屈折面に入射する。そして、プリズム16により対
称に屈折された2つの光束LBr1及びLBr2は、撮
像素子6の検出面上で交差し、その検出面上に干渉縞が
形成される。従って、撮像素子6の撮像信号を処理する
ことにより、第1実施例と同様にウエハ52の表面52
aの焦点位置、及び傾き角を検出できる。
【0047】本例では、対物レンズ12、及びレンズ1
5により、ウエハ52の表面52aと撮像素子6の検出
面とがほぼ共役となっており、対物レンズ12、及びレ
ンズ18によっても、表面52aと撮像素子6の検出面
とがほぼ共役となっている。また、平行平板ガラス14
は、分割後の2光束LBr1,LBr2の光路長を等し
くさせる補償板の役割を果たすもので、コヒーレント光
源1が十分に長い可干渉距離を有する光源である場合に
は、必ずしも配置する必要はない。逆に、本例では2光
束の光路長差を短くできるため、コヒーレント光源1と
して、例えばシングルモードで発振するレーザダイオー
ド、更にはマルチモードで発振するレーザダイオード等
をも使用できる。但し、レーザダイオードを使用する場
合、温度の安定化等により発振波長を所定の範囲内で安
定化する必要がある。
【0048】また、図7の例では干渉光学系58B内で
の、2つの光束LBr1,LBr2の反射回数をそれぞ
れ1回としているが、一般には奇数回あるいは偶数回に
統一すればよい。図1の第1実施例では、一方の光束に
反射部分がない、即ち一方の光束の反射回数が0回(偶
数回)であるため、2つの光束の反射回数は偶数回に統
一されている。
【0049】逆に、このように反射回数を統一しない
と、本実施例では被検面(表面52a)がZ方向に移動
した場合、各光束LBr1,LBr2が互いに反対側へ
(離れる方向へ)横ずれするため、相対的に撮像素子6
の検出面がデフォーカスしたような状態となり、前述し
たような干渉縞のシフト(位相変化)が生じない。従っ
て、撮像信号から得られる干渉縞の位相変化もなくな
り、被検面の位置変化が検出できなくなる。但し、この
場合、被検面の傾きによる光束のふれ方向も互いに反対
向きとなるため、干渉縞のピッチの変化は反射回数を統
一する場合よりも大きくなり、被検面の傾き検出の感度
が向上する。このため、被検面の傾き角の検出だけを目
的とするならば、反射回数を奇数回あるいは偶数回に統
一しないほうが望ましい。
【0050】[第4実施例]本発明の第4実施例につき
図8を参照して説明する。本例は、第3実施例と同様
に、被検面と干渉縞の検出面とを共役とし、被検領域中
で検出点を選択できる構成としたものである。更に、本
実施例は、干渉光学系内の瞳面(被検面に対するフーリ
エ変換面、即ち光束の絞られた面)上に空間フィルタを
設け、被検面あるいは種々の光学素子からの不要な回折
光や反射光を遮光してノイズ成分を低減するようにした
ものであり、図8において図7に対応する部分には同一
符号を付してその詳細説明を省略する。
【0051】図8は、本例の投影露光装置の要部を示
し、この図8において、ウエハ52の表面52aからの
反射光LBrは、反射鏡3を経てZ軸にほぼ平行に干渉
光学系58Cに入射する。干渉光学系58C内におい
て、入射した反射光LBrは、対物レンズ19、及び平
行平板ガラス20を経てハーフプリズム13により2光
束LBr1,LBr2に分割される。そして、一方の光
束LBr1は、平行平板ガラス14を経て対物レンズ1
9の瞳面(フーリエ変換面)EP上に集光され、他方の
光束LBr2は、像回転プリズム17で1回反射されて
その瞳面EP上に集光される。その瞳面EP上には、ハ
ーフプリズム13で2分割された光束LBr1,LBr
2のみを通過させて、ウエハ52の表面52a上での回
折光や他の光学素子での不要な反射光等を遮光する空間
フィルタ21が配置されている。空間フィルタ21を通
過した2つの光束LBr1,LBr2は、結像レンズ2
2によりそれぞれ再び平行光束とされ、撮像素子6の検
出面上で重ね合わされて、干渉縞が形成される。
【0052】このとき、被検面としての表面52aと撮
像素子6の検出面とは、対物レンズ19及び結像レンズ
22により光学的にほぼ共役な関係となっており、その
表面52a上の検出領域中で所望の部分的な検出領域が
選択可能となっている。このとき、検出演算系7におい
ては、撮像素子6からの撮像信号の内で検出対象とする
部分領域に対応する部分的な撮像信号のみを取り出して
処理できるようになっている。なお、対物レンズ19は
必ずしもハーフプリズム13の被検面側に設ける必要は
なく、2光束に分割された後の各光束に対してそれぞれ
対物レンズを設けてもよい。但し、光学系をコンパクト
にまとめるためには分割前に配置することが望ましい。
【0053】また、平行平板ガラス20を、Y軸に平行
な軸(ハーフプリズム13の光分割面の法線、及びハー
フプリズム13に入射する光束の光軸に垂直な軸)の回
りに回転することにより、ハーフプリズム13から射出
される2光束のX方向の間隔を変更することができる。
従って、平行平板ガラス20により、撮像素子6上に形
成される干渉縞のピッチを容易に調整できる。逆に、干
渉縞のピッチを変更する必要がなければ、平行平板ガラ
ス20は必ずしも必要ない。
【0054】更に、本例のように被検面(表面52a)
と検出面とを共役にした場合、例えば被検面から検出面
への結像倍率を拡大倍率とすると、限られたピッチの画
素を持つ撮像素子に対して、検出精度が向上し、また部
分的な領域の検出を行う場合にはその検出できる領域の
空間分解能も向上することになる。一方、被検面から検
出面への結像倍率を縮小倍率とすると、信号処理上画素
ピッチの有効な範囲で、被検面の検出領域を拡大するこ
とが可能となる。なお、このような拡大倍率、縮小倍率
を随時に任意の倍率で設定できるように、対物レンズ1
9及び結像レンズ22よりなる結像系をズームレンズで
構成することが有効である。
【0055】[第5実施例]本発明の第5実施例につき
図9を参照して説明する。本実施例は、被検面の2次元
的な傾き角を検出できるようにしたものであり、図9に
おいて図1に対応する部分には同一符号を付してその詳
細説明を省略する。図9(a)は、本例のアライメント
装置の要部を示し、図9(b)は図9(a)の光学系を
Y方向に見た正面図を示している。図9(a)におい
て、ウエハ52の表面52aからの反射光LBrは反射
鏡3で反射され、Z軸にほぼ平行に干渉光学系58Dに
向かう。干渉光学系58Dにおいて、入射した反射光L
Brは、2計測方向分岐用のハーフプリズム23で2光
束に分岐される。図9(b)に示すように、このハーフ
プリズム23を透過した光束は、第1実施例と同様に、
光分割プリズム4によりXZ平面上で光束LBr1,L
Br2に分割され、一方の光束LBr1、及び更に反射
鏡5で反射された光束LBr2が、2次元イメージセン
サ等よりなる2次元の撮像素子27の検出面上に所定角
度で交差するように入射して、その検出面上にX方向に
所定ピッチの干渉縞28(図9(a)参照)が形成され
る。
【0056】一方、ハーフプリズム23で−X方向に反
射された光束は、反射プリズム24において光束LBr
1に平行となるようにZ方向に反射され、光分割プリズ
ム25に入射する。図9(a)に戻り、光分割プリズム
25はX方向計測用の光分割プリズム4と同様の役割を
果たしており、反射プリズム24からの光束をYZ平面
上でY方向計測用の2つの光束LBr3及びLBr4に
分割する。そして、光分割プリズム25を透過した光束
LBr3と、光分割プリズム25で反射された後、反射
鏡26で反射された光束LBr4とが、撮像素子27の
検出面上で所定角度で交差し、その検出面上にY方向に
所定ピッチの干渉縞29が形成される。その撮像素子2
7の撮像信号を処理することにより、X方向の干渉縞2
8のピッチ、及び位相、並びにY方向の干渉縞29のピ
ッチが検出される。
【0057】この場合、X方向の干渉縞28の位相、及
びピッチによりそれぞれウエハ52の表面52aのZ方
向の位置(焦点位置)、及びY軸に平行な軸の回りの傾
き角θyが算出される。また、Y方向の干渉縞29のピ
ッチより、その表面52aのX軸に平行な軸の回りの傾
き角θxが算出される。即ち、Y方向の干渉縞29から
は、表面52aのZ方向の位置の変化は検出できない。
しかし、表面52aのZ方向の位置の変化は、X方向の
干渉縞28の位相から検出されるため、特に不都合はな
い。
【0058】なお、図9の実施例では2次元の撮像素子
27を用いてX方向の干渉縞28とY方向の干渉縞29
とを同時に受光しているが、必ずしも2次元の撮像素子
27を用いる必要はなく、例えば各計測方向の干渉縞を
それぞれ上述実施例のように1次元の撮像素子を用いて
受光してもよい。また、図9の干渉光学系58Dは、第
1実施例の干渉光学系58を利用して、その光学系中の
光束の一部を分岐して使用する構成であるが、他の実施
例で示した光学系を利用して、その中の光束の一部を分
岐して使用する構成を採用してもよい。
【0059】また、以上の実施例では全て干渉縞のピッ
チと位相、即ち被検面の傾きと位置の変化とを同時に同
一の検出系で計測する例を示したが、それらを別々に検
出する構成を採ってもよい。その際には、前述したよう
に傾きの検出に関しては、2光束の反射回数を偶数回あ
るいは奇数回に統一しない構成として検出感度を向上さ
せることが有効となる。一方、位置の検出に関しては、
ヘテロダイン干渉法を利用して干渉縞の位相変化を測定
してもよい。
【0060】更に、上記の実施例では投影露光装置の焦
点位置検出系に本発明を適用したものであるが、本発明
は、例えば投影機の試料面の検出装置等の様々な装置に
おいて、面の位置及び傾斜の検出系として利用され得る
ものである。また、ここで示した光学系の構成は、必要
に応じて相互に組み合わせて利用することが可能であ
る。このように、本発明は上述実施例に限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、第1光束、及び第2光
束の重畳により得られる干渉縞のピッチ及び位相が、そ
れぞれ被検面の傾き及び高さ(上下方向の位置)に応じ
た情報を担っているので、干渉縞の強度分布を信号処理
し、そのピッチの分布及び位相の分布を測定すること
で、比較的簡単な構成で被検面の傾き、及び高さの少な
くとも一方を高精度に検出できる利点がある。
【0062】また、被検面上の所望の広い検出領域に対
して可干渉な光束を照射し、その領域に対応した干渉縞
を検出することで広い検出範囲の傾き、及び位置の少な
くとも一方の検出が可能である。この場合、例えば平行
光束を使用することにより被検面上の位置と干渉縞の各
部とは大まかに対応付けができるため、その干渉縞のピ
ッチの分布、及び位相の分布を検出することにより、そ
の広い検出領域の各部での傾き、及び高さの分布の少な
くとも一方を検出できる。
【0063】更に、本発明では2つの光束を発生させる
部分、及び2つの光束より干渉縞を形成する部分よりな
る光学系(干渉光学系)が、照明系や被検面の上部を含
まずにほぼ孤立した状態で構成できるため、その干渉光
学系を小型化して分割された各光束が互いに近接した領
域を通過できるようにできる。更に、容易にその干渉光
学系をほぼ密閉する等の処置が可能であるため、空気揺
らぎ等の周囲の環境の影響を低減できる利点もある。
【0064】この場合、特に第1光束及び第2光束の反
射回数の偶奇を合わせることにより、その被検面の傾
き、及び高さを同時に検出できる利点がある。また、被
検面と光電検出手段の受光面とが共役である場合、被検
面中の照明領域中の所望の部分的な領域について、選択
的に正確に傾き、及び位置の少なくとも一方を検出でき
る利点がある。
【0065】次に、被検面からの反射光より第3光束及
び第4光束を分離して、これら第3光束及び第4光束を
第1光束及び第2光束の交差方向に直交する方向に交差
させて干渉縞を形成する場合には、その干渉縞のピッチ
情報より被検面上で第1光束及び第2光束の干渉縞から
得られる傾斜角の軸に直交する軸の回りの傾斜角を検出
できる利点がある。即ち、これにより被検面の2次元的
な傾斜角を検出できるようになる。
【0066】また、被検面上に入射した光束をほぼ同軸
に繰り返し被検面上で反射させた後、この反射光を分割
して干渉させて干渉縞を検出すると、被検面での反射回
数に応じて被検面の傾きの検出感度が向上し、より高精
度で傾きが検出できる。また、被検面上で反射した光束
の光路中にその光束を集光させる光学系を設け、更にそ
の集光点近傍に微小な開口を付設すると、被検面上ある
いは種々の光学部品において発生する不要な回折光や反
射光が遮光され、干渉縞を検出する際のノイズ成分が除
去あるいは低減されるため、検出精度を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による面位置検出装置の第1実施例が適
用された投影露光装置の要部を示す構成図である。
【図2】第1実施例における被検面の高さ、及び傾き角
の検出原理の説明図である。
【図3】(a)は図1の被検面としての表面52aが傾
いた場合の各光束の光路のずれの様子を示す図、(b)
は図1の表面52aがZ方向に変位した場合の各光束の
光路の横ずれの様子を示す図である。
【図4】(a)は被検面が傾いた場合に生じる干渉縞の
ピッチ変化を示す図、(b)は被検面が上下動したとき
の干渉縞の位相変化を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例が適用された投影露光装置
の要部を示す構成図である。
【図6】図5の実施例において、被検面としての表面5
2aで2回反射を行うことにより、表面52aの傾き角
に対する検出感度が向上することの説明に供する図であ
る。
【図7】本発明の第3実施例が適用された投影露光装置
の要部を示す構成図である。
【図8】本発明の第4実施例が適用された投影露光装置
の要部を示す構成図である。
【図9】(a)は本発明の第4実施例の焦点位置検出系
の要部を示す斜視図、(b)は図9(a)をY方向に見
た正面図である。
【符号の説明】
PL 投影光学系 1 コヒーレント光源 4 光分割プリズム 6 1次元の撮像素子 7 検出演算系 10 ハーフミラー 11 反射鏡 13 光分割プリズム 14,20 平行平板ガラス 16 プリズム 17 像回転プリズム 19 対物レンズ 22 結像レンズ 23 光分割プリズム 24 反射プリズム 25 光分割プリズム 27 2次元の撮像素子 52 ウエハ 53 ウエハステージ 58,58A〜58D 干渉光学系 60 遮風カバー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検面に斜めに可干渉な位置検出用の光
    束を照射する照射光学系と、 前記被検面からの反射光より第1光束及び第2光束を分
    離する光束分割光学系と、 前記第1光束及び第2光束を所定の角度で交差させて重
    畳する光束交差光学系と、 該光束交差光学系により前記第1光束及び第2光束を重
    畳して得られる干渉縞を光電変換する光電検出手段と、
    を有し、 該光電検出手段から出力される前記干渉縞の情報を担う
    信号に基づいて前記被検面の高さ、及び傾斜角の少なく
    とも一方を検出することを特徴とする面位置検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の面位置検出装置であっ
    て、 前記光束分割光学系での反射を含めて、前記第1光束及
    び第2光束の前記光電検出手段までのそれぞれの反射回
    数の偶奇を合わせることを特徴とする面位置検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の面位置検出装置で
    あって、 前記被検面上の前記位置検出用の光束の照射領域と前記
    光電検出手段の受光面とはほぼ共役であることを特徴と
    する面位置検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の面位置検出装
    置であって、 前記被検面からの反射光より第3光束及び第4光束を分
    離する第2の光束分割光学系と、 前記第3光束及び第4光束を前記第1光束及び第2光束
    の交差方向に直交する方向に所定の交差角で交差させて
    重畳する第2の光束交差光学系と、を設け、 該第2の光束交差光学系により前記第3光束及び第4光
    束を重畳して得られる干渉縞の情報に基づいて前記3光
    束及び第4光束の交差方向での前記被検面の傾斜角を検
    出することを特徴とする面位置検出装置。
JP7020326A 1995-02-08 1995-02-08 面位置検出装置 Withdrawn JPH08219718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7020326A JPH08219718A (ja) 1995-02-08 1995-02-08 面位置検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7020326A JPH08219718A (ja) 1995-02-08 1995-02-08 面位置検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08219718A true JPH08219718A (ja) 1996-08-30

Family

ID=12024016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7020326A Withdrawn JPH08219718A (ja) 1995-02-08 1995-02-08 面位置検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08219718A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6473243B1 (en) 1998-12-25 2002-10-29 Nikon Corporation Catadioptric imaging system and a projection exposure apparatus provided with said imaging system
JP2009501939A (ja) * 2005-07-18 2009-01-22 オハイオ ステイト ユニバーシティ 干渉縞の投影及び測定による6自由度の物体運動の超精密測定及び制御のための方法及びシステム
US7670730B2 (en) 2004-12-30 2010-03-02 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
JP2011053148A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Nikon Corp 角速度検出装置
JP2011514969A (ja) * 2008-03-10 2011-05-12 ハイデルベルク・インストルメンツ・ミクロテヒニツク・ゲー・エム・ベー・ハー 変位のための方法および装置
JP2020522716A (ja) * 2017-06-06 2020-07-30 アールディー シナジー リミテッド ホログラフィ干渉測定分野の方法およびシステム
US11719531B2 (en) 2018-10-30 2023-08-08 RD Synergy Ltd. Methods and systems of holographic interferometry
US11892292B2 (en) 2017-06-06 2024-02-06 RD Synergy Ltd. Methods and systems of holographic interferometry

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6473243B1 (en) 1998-12-25 2002-10-29 Nikon Corporation Catadioptric imaging system and a projection exposure apparatus provided with said imaging system
US6639734B2 (en) 1998-12-25 2003-10-28 Nikon Corporation Catadioptric imaging system and a projection exposure apparatus provided with said imaging system
US7670730B2 (en) 2004-12-30 2010-03-02 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
US8102507B2 (en) 2004-12-30 2012-01-24 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
US8354209B2 (en) 2004-12-30 2013-01-15 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
JP2009501939A (ja) * 2005-07-18 2009-01-22 オハイオ ステイト ユニバーシティ 干渉縞の投影及び測定による6自由度の物体運動の超精密測定及び制御のための方法及びシステム
JP2011514969A (ja) * 2008-03-10 2011-05-12 ハイデルベルク・インストルメンツ・ミクロテヒニツク・ゲー・エム・ベー・ハー 変位のための方法および装置
JP2011053148A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Nikon Corp 角速度検出装置
JP2020522716A (ja) * 2017-06-06 2020-07-30 アールディー シナジー リミテッド ホログラフィ干渉測定分野の方法およびシステム
US11892292B2 (en) 2017-06-06 2024-02-06 RD Synergy Ltd. Methods and systems of holographic interferometry
US11719531B2 (en) 2018-10-30 2023-08-08 RD Synergy Ltd. Methods and systems of holographic interferometry

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2658051B2 (ja) 位置合わせ装置,該装置を用いた投影露光装置及び投影露光方法
JP3064433B2 (ja) 位置合わせ装置およびそれを備えた投影露光装置
JP3033135B2 (ja) 投影露光装置及び方法
WO1999039374A1 (fr) Procede d'exposition et dispositif associe
JP2020016898A (ja) アライメントシステム
US9885558B2 (en) Interferometric apparatus for detecting 3D position of a diffracting object
JP7147738B2 (ja) 計測装置及び計測方法、並びに露光装置
US4748333A (en) Surface displacement sensor with opening angle control
KR20090095505A (ko) 위치 측정 장치, 위치 측정 방법 및 노광 장치
US6198527B1 (en) Projection exposure apparatus and exposure method
US7684050B2 (en) Shape measuring apparatus, shape measuring method, and exposure apparatus
WO1998057362A1 (fr) Capteur et procede servant a detecter la position de la surface d'un objet, dispositif d'alignement comportant ce capteur et procede servant a fabriquer ce dispositif d'alignement et procede servant a fabriquer des dispositifs au moyen de ce dispositif d'alignement
JPH08219718A (ja) 面位置検出装置
JP6680997B2 (ja) エンコーダ装置及びその使用方法、光学装置、露光装置、並びにデバイス製造方法
JP5137526B2 (ja) 形状測定装置、形状測定方法、および露光装置
JP3832681B2 (ja) ステージ装置及び該装置を備えた露光装置
JP2814538B2 (ja) 位置合わせ装置及び位置合わせ方法
JP3265031B2 (ja) 表面形状検出方法および投影露光装置
US20160025480A1 (en) Interferometric level sensor
JP3550605B2 (ja) 位置検出方法、それを用いた露光方法、その露光方法を用いた半導体素子、液晶表示素子又は薄膜磁気ヘッドの製造方法、及び位置検出装置、それを備えた露光装置
JPH097915A (ja) 面傾斜検出装置
JPH0697031A (ja) 投影露光装置の位置決め方法
JPH05226224A (ja) 露光装置の位置合わせ装置
JPH095055A (ja) 面傾斜検出装置
JPH07311009A (ja) 位置検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507