JPH08217938A - 塩化ビニル系プラスチゾル組成物 - Google Patents

塩化ビニル系プラスチゾル組成物

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JPH08217938A
JPH08217938A JP2962095A JP2962095A JPH08217938A JP H08217938 A JPH08217938 A JP H08217938A JP 2962095 A JP2962095 A JP 2962095A JP 2962095 A JP2962095 A JP 2962095A JP H08217938 A JPH08217938 A JP H08217938A
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vinyl chloride
plastisol composition
polyester
plasticizer
acid
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Nobutaka Ikeda
信隆 池田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチゾル組成物の調製時やこれを賦形す
る時の気泡の巻込みが少なく、また巻き込んだ気泡は速
やかに抜けるという脱泡性が良好で、耐油性、耐候性、
及び非移行性に優れたポリエステル系可塑剤を含有する
塩化ビニル系プラスチゾル組成物の提供。 【構成】 アニオン界面活性剤を含む塩化ビニル系ペー
スト樹脂及び該樹脂100重量部あたりポリエステル系
可塑剤10〜200重量部を含有してなる塩化ビニル系
プラスチゾル組成物において、使用するポリエステル系
可塑剤の酸価が0.7〜8mgKOH/gである塩化ビ
ニル系プラスチゾル組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形時の気泡の巻き込
みが少なく、気泡の抜けが速い塩化ビニル系プラスチゾ
ル組成物に関する。詳しくは、調製時や成形加工時の気
泡の巻き込みが少なく、また巻き込んだ気泡が速やかに
抜けるような性質を有し、従って表面外観が良好な成形
品を与えることができる塩化ビニル系プラスチゾル組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系プラスチゾル組成物(以下
「プラスチゾル組成物」と略記する)は、直径0.1〜
10μmの塩化ビニル系ペースト樹脂を液状の可塑剤中
に分散させ、更に必要に応じてブレンディングレジン
(希釈用塩化ビニル系樹脂)、安定剤、充填剤及び顔料
等を添加混合した固液分散型の組成物である。
【0003】プラスチゾル組成物を賦形後加熱溶融して
得られた成形品は適度な柔軟性や触感を示し、かつ耐候
性や耐薬品性に優れるので、床材、壁装材のような建築
用装飾材、手袋等の日用品、マーキングフィルム、鋼板
被覆材等の装飾・被覆材、人形、ボール等の玩具、塩ビ
レザーなど広い分野で使用されている。これらの用途の
中で、耐候性、灯油等に対する耐抽出性(以下「耐油
性」と記す)、あるいはアクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の樹脂への非移
行性が求められる分野においては、可塑剤としてポリエ
ステル系可塑剤が使用されるようになっている。
【0004】プラスチゾル組成物は発泡用途に用いられ
るものを除き、気泡を巻き込みにくくかつ巻き込んだ気
泡が速やかに抜ける(以下「脱泡性が良い」と記す)性
質を持つものが望まれる。これは、プラスチゾル組成物
の原材料中に含まれる水分や空気、及びプラスチゾル組
成物を調製・賦形する時に巻き込んだ気泡が加工後の成
形品に残留すると、製品の物性低下や外観不良の原因と
なるためである。また、通常はプラスチゾル組成物の調
製から賦形までの間の工程において、減圧等による脱泡
処理を行うため、作業能率の面からもプラスチゾル組成
物の脱泡性は重要である。
【0005】特に、前記の目的のためポリエステル系可
塑剤が配合されたものは、一般にプラスチゾル組成物の
粘度が高くなるため脱泡性が悪化する傾向となるので、
より脱泡性の良好なプラスチゾル組成物が望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラ
スチゾル組成物の調製時やこれを賦形する時の気泡の巻
き込みが少なく、また巻き込んだ気泡は速やかに抜ける
という脱泡性が良好で、耐油性、耐候性、及び非移行性
に優れた、ポリエステル系可塑剤を含む塩化ビニル系プ
ラスチゾル組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の状況に鑑み、脱泡性が良好なポリエステル
系可塑剤を含有する塩化ビニル系プラスチゾル組成物を
得るべく鋭意検討したところ、この組成物に含まれるポ
リエステル系可塑剤の酸価を特定の範囲に制御すること
により著しく脱泡性が改良されることを見出して本発明
を完成した。
【0008】本発明の要旨は、アニオン界面活性剤を含
む塩化ビニル系ペースト樹脂及び該樹脂100重量部あ
たりポリエステル系可塑剤10〜200重量部を含有し
てなる塩化ビニル系プラスチゾル組成物において、使用
するポリエステル系可塑剤の酸価が0.7〜8mgKO
H/gであることを特徴とする塩化ビニル系プラスチゾ
ル組成物、に存する。
【0009】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明のプラスチゾル組成物には塩化ビニル系ペースト樹脂
としてアニオン界面活性剤を含む樹脂を使用する。塩化
ビニル系ペースト樹脂は、通常乳化重合法または微細懸
濁重合法により製造された塩化ビニル系重合体の粒径
0.1〜10μm程度の球状粒子及び/又はその凝集体
からなるものである。
【0010】乳化重合法は、例えば塩化ビニル単量体単
独または塩化ビニルとこれと共重合可能なコモノマーと
の混合物(以下、併せて「塩化ビニル系単量体」と記
す)をラウリル硫酸ナトリウムやドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤及び水溶
性重合開始剤の存在下にラジカル重合させる方法であ
る。また微細懸濁重合法は、塩化ビニル系単量体をアニ
オン界面活性剤の存在下塩化ビニル単量体に可溶の重合
開始剤とともにホモジナイザー等の分散機により均質化
処理した後に重合させる方法である。
【0011】上記の塩化ビニル単量体と共重合可能なコ
モノマーとしては、例えばエチレン、プロピレン、アク
リロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイン
酸またはそのエステル、アクリル酸またはそのエステ
ル、メタクリル酸またはそのエステル等が挙げられる。
【0012】本発明のプラスチゾル組成物に用いられる
塩化ビニル系ペースト樹脂に含まれるアニオン界面活性
剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
オクタデシルスルホン酸ナトリウム等のアルキル(ベン
ゼン)スルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアル
キル硫酸エステル塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリ
ウム、等が挙げられる。これらは、単独でもまたその二
種以上の混合物でも使用できる。中でも、アルキルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムやアルキルスルホン酸ナトリ
ウムは本発明の効果が顕著に奏されて好適である。
【0013】アニオン界面活性剤は、通常塩化ビニル系
ペースト樹脂を製造する際の重合用の乳化剤として使用
される。従って、これを含まない塩化ビニル系ペースト
樹脂は、特殊な重合処方を採用するか、生成重合体から
アニオン界面活性剤を除去するための操作を行わないと
得られず、あまり一般的ではない。また、本発明におい
て、このような塩化ビニル系ペースト樹脂を使用して
も、本発明の効果はあまり顕著には得られない。
【0014】アニオン界面活性剤の塩化ビニル系ペース
ト樹脂中の含有量は0.1〜10重量%が好ましい。こ
の含有量が0.1重量%未満の塩化ビニル系ペースト樹
脂は、上述の通り製造が難しく、また本発明の効果も十
分には発揮されない傾向となる。また、アニオン界面活
性剤の含有量が10重量%を超えるような場合は、塩化
ビニル系樹脂とアニオン界面活性剤とが相溶できる量を
超えてしまい、噴き出しの原因となったり、或いは本発
明の効果が十分得られなくなったりすることが多い。
【0015】アニオン界面活性剤は上記の通り重合用乳
化剤として使用するのが一般的であるが、重合反応終了
後に添加しても構わない。本発明のプラスチゾル組成物
にはその粘度を低くして取り扱いを容易にするため、粒
径10〜100μmの、いわゆるブレンディングレジン
を、例えば総塩化ビニル系樹脂中の20重量%以下の割
合等で併用することもできる。
【0016】本発明に用いるポリエステル系可塑剤は二
塩基酸とグリコールとが重縮合した構造を有し、通常、
二塩基酸とグリコールとを常法によりエステル化反応さ
せることによって製造されるが、その酸価としては0.
7〜8mgKOH/g、好ましくは1〜3mgKOH/
gであるものを使用する。この酸価はポリエステルの製
造時に二塩基酸とグリコールとの仕込比を調整したり、
反応終了を決定する酸価を調節したりすることにより、
所望の範囲に制御できる。
【0017】ポリエステル系可塑剤の酸価が0.7未満
の場合は、これを用いて得られるプラスチゾル組成物の
脱泡性の改良効果が不十分となり、逆に酸価が8を超え
るような場合は、この可塑剤と塩化ビニル系ペースト樹
脂との相溶性が不十分となって可塑剤が噴き出したり
(「ブリード」)、プラスチゾル組成物(及びこれを用
いて得られる成形品)の熱安定性が低下したりする。酸
価が1〜3mgKOH/gの範囲にあるものが、これら
の各性能がよく調和しており好ましい。
【0018】ポリエステル系可塑剤の使用量は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部当り10〜200重量部、好ま
しくは20〜150重量部である。この使用量が10重
量部未満ではポリエステル系可塑剤を使用した可塑化塩
化ビニル系樹脂成形品に期待される耐油性、非移行性や
耐候性が不十分となり、一方200重量部を超える場合
は用いたポリエステル系可塑剤自体が噴き出しやすくな
る。
【0019】上記ポリエステル系可塑剤としては、二塩
基酸と炭素数2〜9のグリコールとが重縮合した構造を
有しているのが好ましい。ポリエステル系可塑剤の二塩
基酸成分としては、脂肪族二塩基酸であるアジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸等や芳香族二塩基酸であるフ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が例示できる
が、中でも、塩化ビニル系樹脂との相溶性、原材料の入
手のしやすさ、及び得られるポリエステル系可塑剤の性
能等の面から脂肪族二塩基酸、特にアジピン酸を用いる
のが好適である。
【0020】炭素数2〜9のグリコール成分としては、
脂肪族二価アルコール、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、2,2−ジメ
チル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、3−メチルペンタンジオール、1,8−オクタ
ンジオール、及び1,9−ノナンジオール等が挙げられ
る。グリコールの炭素数が10以上の場合は得られるポ
リエステル系可塑剤の塩化ビニル系樹脂との相溶性が低
下する傾向となる。
【0021】ポリエステル系可塑剤は通常、末端封止を
行なうが、この末端封止に用いる一価のアルコールまた
は有機酸は、例えばヘプタノール、2−エチルヘキサノ
ール、n−オクタノール、n−ノナノール、混合ブテン
の二量体のオキソ反応により製造されるイソノニルアル
コール、プロピレン三量体のオキソ反応により製造され
るイソデシルアルコール、ウンデカノール、及びトリデ
カノール等の一価アルコールや、カプリル酸、ラウリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の一価脂肪酸等、特
に種類を限定することなく用いることができるが、入手
のしやすさ、末端部分の塩化ビニル系樹脂との相溶性を
考慮すると、例えばヘプタノール、2−エチルヘキサノ
ール、n−オクタノール、n−ノナノール、イソノニル
アルコール等の炭素数7〜9の一価アルコールやラウリ
ン酸等が好ましい。
【0022】ポリエステル系可塑剤は数平均分子量が5
00〜5000、好ましくは600〜3000の範囲に
あるのが良い。数平均分子量が500未満ではポリエス
テル系可塑剤の特長である非移行性が不十分となりやす
く、一方5000を超えるほど数平均分子量が高い場合
は、可塑剤自体の粘度が高くなり、或いは固体となるた
め、取り扱いが困難になったり、塩化ビニル系樹脂との
相溶性が低下したりする傾向となる。
【0023】本発明において特定の酸価のポリエステル
系可塑剤が脱泡性の改良に有効である理由は不明である
が、ポリエステル系可塑剤中の酸価を示す部位、即ちカ
ルボキシル基が消泡剤的に作用するのではないかと考え
られる。
【0024】本発明の塩化ビニル系プラスチゾル組成物
には上述の必須の構成成分に加えて、本発明の目的を超
えない範囲で上記のポリエステル系可塑剤以外の可塑剤
や、塩化ビニル系プラスチゾル組成物に通常添加される
添加剤、例えば、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、
充填剤、紫外線吸収剤、顔料等の着色剤、界面活性剤、
帯電防止剤等を添加してもよく、またそれ等の配合量も
一般に使用される範囲で差し支えない。
【0025】本発明のプラスチゾル組成物はこれらの配
合成分を所定量秤取し、攪拌・混合して製造することが
できる。混合機としては、塩化ビニル系プラスチゾル組
成物の調製に通常使用される、リボンブレンダー、スー
パーミキサー、ポニーミル、インクロール、ディゾルバ
ー、ディスパー等を用いることができる。
【0026】
【実施例】次に本発明の塩化ビニル系プラスチゾル組成
物を実施例を用いて更に詳しく説明するが、本発明はそ
の要旨を超えない限り以下の実施例により限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例中「部」、「%」と
あるのは、それぞれ「重量部」、「重量%」を示し、ま
た圧力表示(hPa又はmmHg)は絶対圧を示す。
【0027】<ポリエステル系可塑剤及びプラスチゾル
組成物の評価方法> (1)粘度 E型粘度計((株)トキメック製EM型
粘度計)により25℃にて測定した。 (2)酸価 JIS K6751に準拠した。 (3)数平均分子量 標準ポリスチレンを用いた検量線
を用いて、GPC(ゲルパーミエイション・クロマトグ
ラフィー)法により測定した。
【0028】(4)脱泡性 下記の配合にて、実施例又は比較例のポリエステル系可
塑剤を含む各成分を秤取し、その配合物をホバートミキ
サーを用いて混合して塩化ビニル系プラスチゾル組成物
を調製した。このプラスチゾル組成物25mlを500
mlのメスシリンダーに採取し、真空ポンプをつないだ
真空チャンバー(脱泡器)に入れ、系を減圧にしてプラ
スチゾル組成物の脱泡を行う。発泡により膨張したプラ
スチゾル組成物の最大体積及び発泡倍率を計測し脱泡性
の尺度とした。
【0029】なお、プラスチゾル組成物の調製に用いた
塩化ビニルペースト樹脂は二種類で、これらに含まれる
アニオン界面活性剤は、該樹脂からのメタノール抽出物
の分析(IR法)より、一方(樹脂「A」と表示)はド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、他方(樹脂
「B」と表示)はラウリル硫酸ナトリウムであった。
【0030】 評価配合 塩化ビニルペースト樹脂 100部 ポリエステル系可塑剤 50 フタル酸ジ(2−エチルヘキシル) 50 (三菱化学(株)製、ダイヤサイザー(登録商標)DOP) Ca−Zn系安定剤 3 (旭電化(株)製、アデカスタブ(登録商標)SC−34)
【0031】脱泡性の評価 ランク1:脱泡性非常に良好(発泡倍率12倍未満) ランク2:脱泡性良好(発泡倍率12倍以上16倍未
満) ランク3:脱泡性やや不良(発泡倍率16倍以上20倍
未満) ランク4:脱泡性不良(発泡倍率20倍以上)
【0032】(5)相溶性 プラスチゾル組成物を1mmの厚さでガラス板上に塗布
し、180℃で10分間加熱する。得られたシートをU
字型に折り曲げた状態で、気温23℃、相対湿度50%
の雰囲気中に24時間放置する。テスト後の試料のU字
型の内側になっていた面の可塑剤の噴き出し(ブリー
ド)の有無を評価した。
【0033】評価結果は下記により示した。 ○:噴き出しなし ×:噴き出しあり 評価結果はまとめて表−1及び表−2に示す。
【0034】<ポリエステル系可塑剤の調製>PE−1 (1)エステル化 二塩基酸としてアジピン酸146g(1モル)、グリコ
ールとして1,2−プロピレングリコール52.5g
(0.7モル)、1,3−ブタンジオール45.0g
(0.5モル)、及び末端封止剤として2−エチルヘキ
サノール23.4g(0.18モル)を温度計、窒素導
入管(及び減圧ノズル)、Dean-Stark型分水器(以下、
単に「分水器」という)、攪拌機及び還流冷却器を付し
た内容積1リットルのフラスコに仕込み、窒素気流下で
攪拌しながら加熱し、反応液温度を220℃まで昇温し
つつ、生成水を分水器により連続的に系外へ除去して反
応を実施した。引き続き、水の留出が停止するまで温度
を220℃に保持した。水の留出がなくなったところで
系内を減圧(約267hPa(200mmHg))し、アル
コールを還流させて分水器で水を更に除去した。この操
作中随時サンプルを採取して酸価を測定し、酸価が約1
5mgKOH/gになったところでエステル化反応を終え、次
の縮合工程に移った。ここまでの反応時間は6時間であ
った。
【0035】(2)縮合 エステル化が終了した反応系にテトライソプロピルチタ
ネート0.012gを加え、反応温度220℃で約7h
Pa(5mmHg)まで減圧し、縮合により生成する2−エ
チルヘキサノール及びグリコール類を留出させた。約3
時間の反応を行い、粘度が5000±500mPa ・s(cp
s)になったところで(この時は5000mPa ・s(cps))
加熱を停止し反応を終了させ、酸価1.0(mgKOH/
g)、数平均分子量2250のポリエステル可塑剤20
4gを得た。
【0036】PE−2〜PE−34 実施例1と同様の方法で、仕込み組成と反応条件を表−
1に示すように変えて、種々の酸価、数平均分子量をも
つポリエステル系可塑剤を合成した。反応結果を表−1
に併せて示す。
【0037】<実施例1〜21及び比較例1〜19>上
記の方法により合成したポリエステル系可塑剤を用い、
二種類の塩化ビニル系ペースト樹脂(樹脂「A」及び樹
脂「B」)を使用し上述の配合にてプラスチゾル組成物
を調製し、その脱泡性及び相溶性を評価した。結果はま
とめて表−2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】<結果の評価>上記実施例及び比較例よ
り、本発明のアニオン界面活性剤を含む塩化ビニル系ペ
ースト樹脂及び特定の範囲の酸価を示すポリエステル系
可塑剤を特定量含有する塩化ビニル系プラスチゾル組成
物は、相溶性が良好で、かつ脱泡性が優れていることが
判る。
【0043】
【発明の効果】本発明のアニオン界面活性剤を含む塩化
ビニル系ペースト樹脂及び特定の範囲の酸価を示すポリ
エステル系可塑剤を特定量含有する塩化ビニル系プラス
チゾル組成物は、相溶性が良好で、かつ脱泡性が優れて
いる。従って、プラスチゾルを使用する成形加工の際
の、プラスチゾルからの気泡除去に要する時間が短縮で
き、生産性を高くできる。また、残留した気泡が成形品
の表面を不均一にしたり、損なったりする可能性も小さ
くなり、製品の品質や歩留りが向上する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン界面活性剤を含む塩化ビニル系
    ペースト樹脂及び該樹脂100重量部あたりポリエステ
    ル系可塑剤10〜200重量部を含有してなる塩化ビニ
    ル系プラスチゾル組成物において、使用するポリエステ
    ル系可塑剤の酸価が0.7〜8mgKOH/gであるこ
    とを特徴とする塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステル系可塑剤の酸価が1〜3m
    gKOH/gである請求項1に記載の塩化ビニル系プラ
    スチゾル組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエステル系可塑剤が二塩基酸と炭素
    数2〜9のグリコールとが重縮合した構造を有してお
    り、かつ数平均分子量が500〜5000の範囲内にあ
    る請求項1又は請求項2に記載の塩化ビニル系プラスチ
    ゾル組成物。
  4. 【請求項4】 塩化ビニル系ペースト樹脂中のアニオン
    界面活性剤の含有量が0.1〜10重量%である請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系プラスチゾ
    ル組成物。
  5. 【請求項5】 アニオン界面活性剤がアルキルベンゼン
    スルホン酸ナトリウム及び/又はアルキルスルホン酸ナ
    トリウムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩
    化ビニル系プラスチゾル組成物。
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