JPH08217760A - 新規抗生物質b−4607a - Google Patents

新規抗生物質b−4607a

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JPH08217760A
JPH08217760A JP2240695A JP2240695A JPH08217760A JP H08217760 A JPH08217760 A JP H08217760A JP 2240695 A JP2240695 A JP 2240695A JP 2240695 A JP2240695 A JP 2240695A JP H08217760 A JPH08217760 A JP H08217760A
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vibrio
sank
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JP2240695A
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Kentaro Kodama
健太郎 小玉
Akira Ishii
晃 石井
Takeshi Kagasaki
武之 加賀崎
Hideyuki Shiozawa
秀幸 塩澤
Hideji Takahashi
秀次 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、下記の構造を有するB−4607A: 【化1】 等に関する。 【効果】本発明のB−4607Aは、文献未載の新規化合物
であり、動物(例、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ等)にお
いて、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌に対し抗菌作用
を示すことから、各種細菌感染症を対象とする抗菌剤と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌作用を有する新規化
合物B−4607A、その製法およびその生産菌株に関す
る。
【0002】
【従来の技術】海水より分離したビブリオ(Vibrio)属に
属する微生物が、例えば抗菌活性を有するブロムジフェ
ニルエーテルを生産することが知られている(Experient
ia 47,632(1991))。しかし、ブロムジフェニルエーテル
はブロムベンゼン化合物である。また、海洋細菌のビブ
リオ ガゾゲネス(Vibrio gazogenes)が生産するマグネ
シジン(Magnesidin)が知られている(J.Antibiotics,47,
257(1994))。本化合物はマグネシウムとキレートするト
リケトン化合物である。
【0003】B−4607Aが有するフェナジン骨格を母核
とする誘導体は合成品および天然物を含めて数多いが、
フェナジン−1−カルボン酸構造を有する天然物として
は、例えば、放線菌(Streptomyces griseoluteus) が生
産する抗生物質グリゼオルテイン(griseolutein)Aおよ
びB[J.Antibiotics Ser.A,7,15 〜16(1954);J.Antibio
tics Ser.A,12,55(1959);Chem.Pharm.Bull.6,539〜543
(1958)]、放線菌(St.canarius) が生産する抗生物質サ
フェナマイシン(Saphenamycin)[J.Antibiotics 35,141
2,(1982)]およびシュードモナス属(Psendomonas sp.)
が生産し、抗菌活性、抗腫瘍活性を有するDC-86-M(J.An
tibiotics 39,624,(1986)]、およびDOB-41[J.Antibioti
cs,41,589(1988)]等が知られている。しかし、これらに
はB−4607Aの特徴であるエステル結合したグリシンを
持つ化合物は存在しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ヤドカ
リより分離したビブリオ(Vibrio)属に属するSANK 73794
株の培養物から、抗菌作用を有する新規化合物B−4607
Aが生産されることを見出し本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のB−4607Aは下
記の構造式及び理化学的性状を有する。
【0006】
【化2】
【0007】(1) 物質の性状:橙黄色粉末 (2) 分子式:C171535 (3) 分子量:341(FAB-MS法により測定) (4) 高分解能質量分析:C171635 [(M+H+),FAB
-MS 法により測定] 実測値=342.1060 計算値=342.1090 (5)元素分析(%):(トリフルオロ酢酸塩2水和物(C
17H15N3O5・CF3COOH・2H2O)として) 実測値=C:44.47,H:4.39,N:8.54,F:11.76 計算値=C:44.97,H:3.97,N:8.28,F:11.23 (6) 赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr) 錠剤法で測定した赤外線吸収スペク
トルは次に示す通りである。
【0008】3306,2963,2647,1676,1603,1543,1460,144
0,1203,1135 (7) 紫外線吸収スペクトル:λmax nm (ε) 水溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは次に示す通
りである。
【0009】263(25200),350(sh),365(3900) (8) 高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム:センシューパック,ODS,H-2151, (カラム
サイズφ6×150mm)センシュウ科学(株)製。
【0010】溶媒:25%CH3CN /0.2 %トリフルオロ
酢酸溶液 流速:1.5ml /分 波長:220−400nm(フォトダイオードアレイ検
出) 保持時間:7.95分 (9) 1H −核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(400MHz)
は、次に示す通りである。
【0011】8.71(1H,d,J=8.0),8.56(1H,d,J=9.2),8.20
(1H,dd,J=9.2,J=8.0),8.11(1H,d,J=8.0),7.49 (1H,d,J=
8.0),5.91 (2H,s),4.16(3H,s),3.91(2H,s) (10) 13C −核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重水中、内部基準にジオキサン(67.0ppmとした時) を使
用して測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz) は、次に
示す通りである。
【0012】168.5(s),166.7(s),152.1(s),140.5(s),14
0.3(s),136.5(d),135.2(s),134.0(d),133.2(d),131.5
(d),129.6(s),123.2(s),121.1(s),109.0(d),63.0(t),5
6.0(q),40.0(t) 。
【0013】(11)溶解性:水、メタノール、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミドに可溶、酢酸エチ
ル、クロロホルム、アセトン、エチルエーテル、ヘキサ
ン等に不溶 (12)呈色反応:ニンヒドリン反応に陽性 (13)薄層クロマトグラフィー: Rf値:0.17 吸着剤:シリカゲル(メルク社製、Art.5715) 展開溶剤:CHCl3 −MeOH(9:1) 本発明の、B−4607Aを生産する上記SANK 73794株は北
海道網走市の海岸で採取したヤドカリから分離した海洋
細菌である。
【0014】B−4607Aの生産菌であるSANK 73794株の
菌学的性状は次の通りである。
【0015】1.形態学的性状 マリンアガー(Difco社製) で26℃、24時間培養後の
観察では、細胞は直径0.5 〜0.6 μm 、長さ1.0 〜1.5
μm の桿状であり、単極毛を有し、運動する。胞子を形
成せず、グラム染色は陰性である。
【0016】2.マリンアガー(Difco社製) での生育状
態 26℃で24時間培養したコロニーはいくぶん褐色を帯
びた白色、不透明で円形、扁平状、全縁である。水溶性
の色素を生成しない。
【0017】3.生理学的性状 (1) NaClを含まない培地での生育:− (2) NaCl:0.5 %含有培地での生育:+ (3) NaCl:10.0%含有培地での生育:+(微弱) (4)O-F(オキシダティブ−ファーメンタティブ)テスト
[ヒュー・レイフソン(Hugh・Leifson)法]、人工海水で
培地を調製した。好気的条件下および嫌気的条件下にお
いて、グルコースを分解した。
【0018】(5) カタラーゼ:+ (6) オキシターゼ:+ (7) 硝酸塩の還元:+ (8) デンプンの加水分解:+ (9) ゼラチンの液化:+ (10)DNase の産生:+ (11)リパーゼの産生:− (12)生育温度:7℃では微弱に生育し、23℃−42℃
では良好な生育を示す。45℃では微弱に生育するが5
0℃では生育しない。
【0019】(13)アルギニンジヒドロラーゼ:− (14)オルニチンデカルボキシラーゼ:− (15)リジンデカルボキシラーゼ:− (16)栄養要求性:− (17)炭素化合物の利用性: D−グルコース + セロビオース − D−マンノース − 乳糖 + L−アラビノース − メリビオース + D−マンニトール + エタノール + ラムノース − メソーイノシトール − 蔗糖 + L−セリン + 4.化学分類学的性状 (1) DNAのG+C(グアニン+シトシン)含量:49.9
% (2) キノン:ユビキノンQ−8 以上の菌学的性状を有するSANK 73794株はバージーズ・
マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジ
ー(Bergey's Manual of Systematic Bacteriology)、 1
巻(1984 年) の分類にしたがえば、ビブリオ(Vibrio)属
に属する。しかし、SANK 73794株の性状はバージーズ・
マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジ
ー1巻(1984 年) や最新のインターナショナル・ジャー
ナル・オブ・システマティック・バクテリオロジー(Int
ernational Journal SystematicBacteriology) に記載
されているビブリオ(Vibrio)属細菌の性状とは一致しな
い。それ故、本発明者らはSANK 73794株をビブリオ(Vib
rio)属の新種と同定した。
【0020】本菌はビブリオ(Vibrio)属の新種としてブ
ダペスト条約に従って通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所に国際寄託されている(寄託番号、(FERM
BP−4977) :原寄託日、1995年 1月25日)。
【0021】以上、SANK 73794株について説明したが、
周知の如くビブリオ属の菌類の諸性質は一定したもので
はなく、自然的、または人工的な操作(例えば、紫外線
照射、放射線照射、化学薬品処理等)により、変異を起
こし易く、本発明のSANK 73794株もこの点は同じであ
る。本発明にいうSANK 73794株はそのすべての変異株を
包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝学的方
法、例えば、組換え、形質導入、形質転換等により得ら
れたものも包含される。即ち、ビブリオ属に属するB−
4607Aを生産する、SANK 73794株、その変異株およびそ
れらと明確に区別されない菌株は、すべてSANK 73794株
に包含されるものである。
【0022】本発明の新規化合物B−4607Aを得るた
め、これらの微生物の培養は他の醗酵生成物を生産する
ために用いられるような培地中で行なわれる。このよう
な培地中には、微生物が資化出来る炭素源、窒素源およ
び無機塩を含有する。
【0023】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いる事が出来る。一般には、培地量の
1−10重量%で変量する。
【0024】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を醗酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス等の動物系、植物系またはエキス類の窒素源、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機窒素源である。窒素源は、単一または併用して培地量
の0.1 −6重量%の範囲で用いる。
【0025】培地中に取り入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレート、シリケート等の微量イオンを得る塩も含む。
【0026】液体培養に際しては、消泡剤としてシリコ
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
【0027】ビブリオ エスピー(Vibrio sp.) SANK 73
794 株を培養しB−4607Aを生産する培地のpHは、6.5
−7.5 に変化させることが出来る。
【0028】菌の生育温度は7℃から45℃までである
が17℃から26℃の範囲が生育良好であり、更にB−
4607Aの生産には、17℃から23℃が好適である。
【0029】B−4607Aは、好気的に培養して得られる
が通常用いられる好気的培養法、例えば固体培養法、振
とう培養法、通気撹拌培養法等が用いられる。
【0030】小規模な培養においては、17℃から23
℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。
【0031】培養は三角フラスコ中で、1−2段階の種
の発育工程により開始する。種発育段階の培地は、炭素
源および窒素源を併用出来る。種フラスコは定温インキ
ュベーター中で、例えば、20℃、1乃至3日間振とう
するか、または充分に成長するまで振とうする。成長し
た種は第二の種培地、または生産培地に接種するのに用
いる。中間の発育工程を用いる場合には、本質的に同様
の方法で成長させ、生産培地に接種するためにそれを部
分的に用いる。接種したフラスコを一定温度で1乃至3
日間、または生産量が最大に達するまで振とうし、イン
キュベーションが終わったらフラスコの含有物を遠心分
離またはろ過する。
【0032】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125℃まで加熱して減菌し、冷却後、減菌培地に
あらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は17
℃乃至23℃で通気撹拌して行う。この方法は、多量の
化合物を得るのに適している。
【0033】培養の経過に伴って生産されるB−4607A
の量の経時変化は、高速液体クロマトグラフィーを用い
て測定することが出来る。通常は、19時間から96時
間の培養でB−4607Aの生産量は最高値に達する。
【0034】培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体
内に存在するB−4607Aは、菌体、その他の固形部分を
珪藻土をろ過助剤とする、ろ過操作または遠心分離よっ
て分別し、そのろ液または上清中および菌体中に存在す
るB−4607Aを、その物理化学的性状を利用し精製する
ことにより得られる。例えば、ろ液または、上清中に存
在するB−4607Aは、活性炭または吸着用樹脂であるア
ンバーライトXAD-2 、XAD-4 (ローム・アンド・ハース
社製)等や、ダイアイオンHP-10 、HP-20 、CHP-20、HP
-50 (三菱化成(株)製)等が使用される。B−4607A
を含む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させて不純物
を吸着させて取り除くか、またはB−4607Aを吸着させ
た後、メタノール水、アセトン水、n−ブタノール水な
どを用いて溶出させることにより得られる。また、菌体
内に存在するB−4607Aは、50−90%含水アセトン
または含水メタノールにより抽出した有機溶剤を除去し
た後、ろ液と同様な精製操作を行なうことにより得られ
る。
【0035】このようにして得られたB−4607Aは、更
にシリカゲル、マグネシウム−シリカゲル系のフロリジ
ルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィ
ー、セファデックスLH-20 (ファルマシア社製)などを
用いた分配カラムクロマトグラフィー、および順相、逆
相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製
することが出来る。
【0036】以上の分離、精製の手段を単独または適宜
組み合わせ反復用いることによりB−4607Aを分離精製
することができる。
【0037】
【作用】本発明のB−4607Aは、文献未載の新規化合物
であり、動物(例、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ等)にお
いて、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌に対し抗菌作用
を示すことから、各種細菌感染症を対照とする抗菌剤と
して有用である。
【0038】本発明のB−4607Aを医薬として用いる場
合、常法に従って種々の形態で投与される。その投与形
態としては例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、シ
ロップ剤、水剤などの形態で経口的または注射剤(静脈
内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗布剤、軟膏剤な
どの形態で非経口的に安全に投与することが出来る。こ
れらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助
剤、懸濁剤、コーティング剤、希釈剤などの医薬の製剤
技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて
製剤化することができる。投与量は対象疾患、投与経路
および投与回数などにより異なるが、例えば成人に対し
ては1日20mgから2000mgを、症状に応じて1回または
数回に分けて投与するのが好ましい。
【0039】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】実施例1.B−4607Aのジャー培養 A)培養 ビブリオ エスピー SANK 737945株を、マリンアガー
(Difco 社製) スラント(Marine Agar Slant) 上で23
℃で1日間培養を行い、それを人工海水3mlに懸濁さ
せ、その0.1ml を無菌的に、滅菌した後述の組成の培地
100mlを含む500mlの三角フラスコに接種し、20
℃で200rpm (7cmの回転半径)のロータリー振とう
培養機で24時間培養した。その15mlを無菌的に滅菌
した同様の組成の培地15リットルを含む30リットル
のジャーファーメンター2機に埴菌し、23℃で通気
(7.5 リットル/分)、撹拌(100rpm )下に45時
間培養した。
【0041】PSS-X 培地 バクトペプトン 10g コハク酸ナトリウム 1g (NH4)2SO4 1g MgSO4・7H2O 1g FeCl2・nH2O 2mg MnSO4・nH2O 2mg イーストエキス 1g 人工海水 1L pH6.8 に調整 B)単離 得られた培養液30リットルは塩酸でpH3に調整し、遠
心により上清液と菌体に分け、菌体にはアセトン1リッ
トルを加えて撹拌後濾過して抽出残渣と分け、抽出液は
遠心上清に加えてダイアイオンHP-20 (4リットル)の
カラムに吸着させ、次いで10%アセトン水で洗浄し、
50%アセトン水で溶出した。これを減圧下で濃縮し
て、最終的には凍結乾燥を行い橙黄色の粗粉末(56.6
g) を得た。
【0042】次にこの粗粉末を10%CH3CN を含む0.2
%TFA 溶液(500ml)にとかし、コスモシールカラム
140 C18−OPN(5×25cm:ナカライテスク
(株)製)に吸着後、20%〜25%CH3CN を含む0.2
%TFA 溶液で溶出した。活性のフラクションを集めて、
濃縮、凍結乾燥を行い、B−4607Aを含む橙黄色粉末
(420mg)を得た。
【0043】さらに純品を得るためにはHPLC分取あるい
はLH-20 を用いたカラムクロマトグラフィーが最適であ
る。
【0044】HPLCの分取はセンシューパックODS,H-4251
( φ10×250mm) を用いて、30%CH3CN/TFA 溶液
で4ml/minにて展開した。14分から16分のピークを
集めて、濃縮、凍結乾燥を行い、B−4607AのTFA 塩と
して単離した。
【0045】また、B−4607Aを含む粉末をメタノール
にとかし、LH-20 のカラム(6.5×50cm) を用いてメタ
ノールで展開した。HPLCでモニターしながら活性のピー
クの溶出画分を集めて濃縮し、最終的には少量の水にと
かして凍結乾燥を行い、B−4607Aの純品を得た。
【0046】試験例1.B−4607Aの抗菌作用 一般グラム陽性および陰性細菌に対するB−4607Aの最
小阻止濃度(MIC) は、普通寒天培地(栄研化学(株)
製)を用いた寒天培地希釈法によって測定した。
【0047】結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 ──────────────────────────────────── 被 検 菌 最小阻止濃度(MIC)(μgm/ml) ──────────────────────────────────── スタフィロコッカス アウレウス 209P 0.4 スタフィロコッカス アウレウス 56R 0.8 スタフィロコッカス アウレウス 535(MRSA) 0.8 エンテロコッカス フェカリス 681 6.2 エシェリシア コリ NIHJ 0.4 エシェリシア コリ 609 0.4 サルモネラ エンテリティディス 1.5 クレブシェラ ニューモニエ 806 6.2 クレブシェラ ニューモニエ 846(R) 1.5 エンテロバクタ クロアカエ 963 12.5 セラチア マルセセンス 1184 3.1 プロテウス ブルガリス 1420 0.4 モルガネラ モルガニー 1510 1.5 シュードモナス エルギノーザ 1001 12.5 シュードモナス エルギノーザ NO7 6.2 シュードモナス エルギノーザ 3719 12.5 ──────────────────────────────────── 表1から明かのごとく、B−4607Aは一般グラム陽性お
よび陰性細胞に対して優れた効果を示した。
【0049】
【発明の効果】以上から、本発明の新規化合物B−4607
Aはすぐれた抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩澤 秀幸 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 高橋 秀次 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造を有するB−4607A 【化1】
  2. 【請求項2】 ビブリオ属に属するB−4607A生産菌を
    培養し、その培養物よりB−4607Aを採取することを特
    徴とするB−4607Aの製法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、ビブリオ属に属する
    B−4607A生産菌がビブリオ属の新種(ビブリオ・エス
    ピー)SANK 73794株である製法。
  4. 【請求項4】 B−4607A生産能を有するビブリオ
    属のビブリオ・エスピー(Vibrio sp.)SANK 73794株。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016506725A (ja) * 2013-01-25 2016-03-07 シーエスアイアール アワビの水産養殖において用いるためのプロバイオティクスの製造

Cited By (1)

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JP2016506725A (ja) * 2013-01-25 2016-03-07 シーエスアイアール アワビの水産養殖において用いるためのプロバイオティクスの製造

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