JPH08217209A - ピッキングシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】パレットにより物品の保管を行っている倉庫よ
り、パレット単位で指定の物品を取り出してピッキング
ステーションに搬送するシステムにおいて、外部パレッ
トと内部パレットとに分離したピッキングシステムにお
いて、省スペース化を可能にするシステムづくりに重点
をおき、そして、ピッキング量の変動に対して柔軟に対
応できるシステムを構築する。 【構成】倉庫１５とピッキングステーション１７間に各
台車を個別に管理するループ状軌道台車１６からなるピ
ッキング待機のバッファ手段、搬入側と搬出側が近接し
たピッキングステーション１７を備えたシステム。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は荷物の積み替えを行うピ
ッキングシステムおよび物流システムに関する。特に、
外部パレット（搬入側パレット）と内部パレット（搬出
側パレット）に分けて搬入、搬出するループ状軌道台車
を用いて搬送するピッキングシステムおよび物流システ
ムに関する。

【０００２】

【従来の技術】保管する品物の数が少ない場合には、倉
庫は単純な構造でよく、管理も人手で十分に行えた。し
かし現在のように大量で多品種の品物を扱う時代になる
と、倉庫の管理は人手では行えなくなっている。そこで
登場したのがコンピュータ管理による自動倉庫システム
である。保管場所には番地が付けられており、品物は保
管場所番地によりコンピュータにより管理される。

【０００３】倉庫からの品物の取り出しはコンピュータ
の指令により、自動的に行われる。輸送業務では倉庫か
らトラックなどの輸送媒体に積み替えられて直接出荷さ
れるものもあるが、生産加工や仕分けが必要な場合に
は、倉庫から取り出された品物はコンベアで仕分けエリ
アに運ばれて、そこで荷物の仕分けが行われる。

【０００４】図１は従来の、一連の品物の流れ中心に描
いた搬送システムの例である（ただし搬送の単位はパレ
ット）。倉庫１から取り出された品物はパレット単位で
コンベア３で搬送されてループ状軌道台車４に載せられ
る。この場合も搬送の単位はパレットである。倉庫が大
型の場合、品物の出庫時間がかかるため、下流の作業
（ピッキングと出荷）を迅速に行うため、大型倉庫と下
流設備間にバッファ用のミニ倉庫を設ける例も見受けら
れる。

【０００５】軌道台車に載せられたパレットは目的のピ
ッキングステーション５に来るとそこで止められ、ピッ
キングステーションのコンベア６に移され、ピッキング
ステーションで新しいパレットに品物の積み替え（ピッ
キング）が行われ、出荷（搬出）される。一方、積み替
えが行われたパレットは隣のコンベア７に移され、逆ル
ートを通ってミニ倉庫２に戻される。

【０００６】ただしピッキングステーションで空になっ
たパレットは、ループ軌道内に設置された空パレットマ
ガジン（パレット置き場）８に保管され、倉庫には戻さ
ない。図１ではピッキングステーションのラインは往復
の１セットのみになっているが、実際には作業効率を上
げるために複数設置されている場合が多い。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】以上が従来のピッキン
グを含めた搬送システムの概要である。ここで従来の搬
送システムの問題点は、ピッキングステーションでの作
業に遊びがでないようにするために、時間には対しては
厳密に調整する必要があり、また途中にバッファ用のミ
ニ倉庫を設けたり、ピッキングステーションに複数個の
パレットが載る施設にしなければならない。

【０００８】図２は従来のローラーを用いたピッキング
ステーションの説明図である。ラインは数個のパレット
が載る長さがあり、ピッキングを待機させるようになっ
ている。また、当然のことながら、ピッキング済みのパ
レットを台車に戻すラインも必要となる。このような理
由から、従来のシステムにするには、ピッキングエリア
のスペースが広くなければならという条件が必要とな
る。

【０００９】以上の問題点をまとめると、従来の搬送シ
ステムは構造的に広い場所が必要であり、かつ設備費が
かかることである。本発明の課題は、外部パレットと内
部パレットとに分離したピッキングシステムにおいて、
省スペース化を可能にするシステムづくりに重点をお
き、そして、ピッキング量の変動に対して柔軟に対応で
きるシステムを構築することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明では、ループ状の軌道を回っている軌道台車
をバッファとして利用する。そのために軌道台車に番号
を振り、コンピュータで台車の管理を行う。倉庫より取
り出された品物はコンベアによって搬送され、台車に移
される。その場合、空いている台車から順位にパレット
を移しかえる。

【００１１】この時点で台車とパレットは１対１の対応
がつけられる。ピッキングステーションより要求がない
場合には、台車はそのまま軌道上を回り、空きが出るま
で待つ。

【００１２】一方、外部パレットから内部パレットにピ
ッキング（積み替え）の終わった外部パレットはループ
軌道上に戻される。ただし、従来のシステムでは品物の
残っている外部パレットはすぐに倉庫に戻されていた
が、本発明では、別オーダーですでにピッキングが予定
されている外部パレットに対しては、次のピッキング機
会を待つためにループ軌道上に残す。これによって、む
だな倉庫からのパレットの出し入れをなくす。

【００１３】また本発明では、ループ軌道台車をバッフ
ァにしているため、一つのピッキングステーションに置
けるパレットの数は一つとすることができる。若干、パ
レットが回ってくるまでの待ちが生じるが、複数のピッ
キングステーションを設置することでピッキング作業効
率の低下を防ぐ。

【００１４】本システムではミニ倉庫を設けないで、軌
道台車をミニ倉庫の代用を行う。このため、倉庫からの
パレットの搬出は必ずしも厳密に出庫の順番どおりにし
なくてもよいわけであり、パレットの取り出しやすい順
番で倉庫出しができる。なお、内部パレットの出荷は順
番どおりに行う必要が場合は、その調整は搬出側往復動
軌道台車で行う。以上のパレットの管理とスケジューリ
ングは、すべてコンピュータに組み込んだプログラムに
よって行う。

【００１５】さらに本発明では作業効率を上げるため
に、パレット上の品物を全部あるいは大半を外部パレッ
トから内部パレットの移動するときは、一つ一つ品物を
ピッキングして移し替えるのではなく、プッシャーなど
を用いてプッシングによって全部の品物を内部パレット
に移し、必要な数だけピッキングによって外部パレット
に戻すようにする。そのために、搬入側（外部パレット
側）のピッキングステーションと搬出側（内部パレット
側）を近接した形態にする。

【００１６】なお、マニュアルでピッキングする際に
は、人間が入れるスペースを確保することが望ましく、
さらにプッシャー方式とマニュアルピッキングを兼ね備
えるようにすると効果的である。

【００１７】

【実施例】本発明の実施例として、薬品製造用に設計さ
れたピッキングシステムの例について説明する。このシ
ステムでは製造原料や包装材料などはパレットに載せて
倉庫に保管している。金属ドラム、紙袋、段ボールなど
に入れられた原料や包装資材はパレットに載せて倉庫に
保管している。このパレットを外部パレット、または何
度も使用して汚れていることからノンクリーンパレット
とよぶ。

【００１８】製造／包装の指示が出ると、倉庫から目的
の資材が載っている外部パレットを取り出してコンベア
に載せて搬送し、ループ軌道台車に移し替える。

【００１９】軌道台車上の外部パレットはピッキングス
テーションより指示があるとそこで止まり、ピッキング
ステーションにパレットごと移される。ピッキングステ
ーションでは、すぐに外部パレット上の段ボールを内部
パレットにピッキングして移し替える。ピッキング作業
の終わった外部パレットは空いたループ軌道台車に載せ
て、倉庫に戻される。ただしここで外部パレット上の資
材に残りがあり、しかもすぐに別の積み替えが必要な場
合には、その外部パレットはループ軌道上を回り続け、
次のピッキングの機会を待つ。

【００２０】一方、ピッキングが終わった内部パレット
は往復動軌道台車上を往復しながら出荷順を待ち、出荷
順序に従って製造／包装工場にベルトコンベアで搬送さ
れる。ただし外部パレットと内部レットは必ずしも１対
１の対応にはない。一般に内部パレットの稼働効率を上
げるために、ｎ対１（ｎは自然数）の対応になってい
る。内部パレットの積載量が適量になったところで往復
軌道台車に移動する。図３はその概念図を示している。

【００２１】なお、生産エリアは衛生が第一に考えられ
ているから、内部パレットは外部パレットをノンクリー
ンパレットとよぶのに対して、クリーンパレットと呼ん
で使用を分けている。実施例のピッキングシステムを図
４に示す。図ではピッキングステーションが２ラインし
か描いてないが、実際には複数ライン設置されており、
１人の受け持つラインは２ないしは３ラインである。

【００２２】図１の従来のシステムと図４の本発明のシ
ステムとを比較すると、ミニ倉庫がないこと、ピッキン
グエリアのラインが短い（１個のパレットが置ける広さ
である）こと、１ラインのみである（従来は往復で１セ
ットのピッキングステーションとなっている）こと、搬
入側（ノンクリーンエリア）と搬出側（クリーンエリ
ア）のピッキングステーションが近接されていることな
どが挙げられる。これによって省スペース化が実現され
ている。ノンクリーンエリアとクリーンエリアのピッキ
ングステーションを近接した理由は、省スペースという
ことも一つにはあるが、資材の移動をピッキングだけで
なく、プッシングによっても行えるようにするためであ
る。

【００２３】たとえばすべての資材（段ボール）を外部
パレットから内部パレットに移す場合には、図５に示す
ように外部パレット上の資材をプッシングによってすべ
てを内部パレットに移動する。多数の資材が外部パレッ
ト上にあり、その一部（たとえば１箱とか２箱）残して
すべて内部パレットに移す場合も、まずプッシングです
べて資材を内部パレットに移しておき、そのあとピッキ
ングによって余分の資材を外部パレットに戻す操作を行
う。これによって、１個ずつ資材をピッキングによって
移し替えるよりもはるかに効果的に積み替えが行え、作
業効率がアップする。

【００２４】以上のピッキングシステムの管理はコンピ
ュータが行う。図６は１個の外部パレットに対してのみ
見た搬送管理の流れ図で、倉庫出しから倉庫に戻るまで
の動きを表している。実際のプログラムでは他の外部パ
レットとの絡み、内部パレットとの絡みがあるためにも
っと複雑なロジックになるが、本発明の外部パレットの
物流は基本的にこの流れ図で表せる。とくにこの流れ図
で重要な点は、ピッキング待ちの外部パレットがループ
軌道上を回り続けることである。すなわち、ループ軌道
台車がバッファの役割を果たしていることである。

【００２５】

【発明の効果】本発明のシステムの最大の効果は省スペ
ース化が実現できることである。具体的にはループ状軌
道台車をバッファ代わりに使用するために、ミニ倉庫が
不要なことと、ピッキングステーションを最小のスペー
スに抑えられることにある。

【００２６】ピッキングステーションは１個分のパレッ
トが置けるスペースであるために、従来のシステムでは
ピッキング前のパレットを運ぶラインとピッキング後の
パレットを運ぶラインの２ラインが必要であったが、本
システムでは１ラインのみでよい。このため設備はいた
って単純な構造になっている。

【００２７】一方、パレットのコントロール面か見る
と、ループ状軌道台車にバッファとしての働きをもたせ
てあるから、倉庫から取り出す品物の順番にある程度の
柔軟性をもたせることができ、効率のよい倉庫出しがミ
ニ倉庫なしで行える。

【００２８】このため、効率のよい倉庫出しと効率のよ
いピッキングが行える。ただミニ倉庫を用いない分、若
干の効率低下は避けられないが、省スペース化と軌道台
車のバッファリングとの効果によって、その欠点は十分
に補える。別の見方をすれば、ミニ倉庫と本発明とを組
み合わせればさらに効率アップが見込めるということで
もある（ただし、ミニ倉庫を用いるのは本発明の主旨に
反する）。とくに本発明では、ピッキングとプッシング
とを組み合わせることによっても、ミニ倉庫を設けない
ために発生する効率低下を補っている。以上の効果をま
とめると以下のようになる。

【００２９】（１）本システムにより、シンプルで柔軟
性のあるピッキングが可能となり、システムのスペース
が大幅に削減できる。

【００３０】（２）システムへの部品供給順序の制限を
緩和できるとともに、システム系外への搬出、系内への
搬入回数の削減が可能である。これにともなって、供給
側機器の設備費の削減ができる。さらに、供給用の倉庫
での出荷システムも単純なものにすることができる。

【００３１】（３）ピッキングシステム作業個所が集約
されるため、自動化が格段に容易となり、またピッキン
グ量の変動に対して作業員の適正な配置もスムーズにな
る。

【００３２】（４）外部パレット側ピッキングステーシ
ョンと内部パレット側ピッキングステーションを近接さ
せることにより、品物の一括移送が可能となり、作業効
率が一段と向上するとともに、設置スペースの削減が可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の搬送システムの説明図である。

【図２】従来のローラーを用いたピッキングステーショ
ンの説明図である。

【図３】ピッキングステーションでのピッキングの説明
図である。

【図４】本発明のピッキングシステムの構成の説明図で
ある。

【図５】プッシャーなどを用いてプッシングによるパレ
ットの移動の説明図である。

【図６】本発明の実施例における１個の外部パレットに
対してのみ見た搬送管理の流れ図である。

【符号の説明】

１ 倉庫 ２ ミニ倉庫 ３ コンベア ４ ループ状軌道台車 ５ ピッキングステーション ６ ピッキングステーションのコンベア ７ コンベア ８ 空きパレットマガジン ９ 往復動軌道台車 １０ 品物 １１ パレット １２ ローラー １３ 台車 １４ ピッキングステーション １５ 倉庫 １６ ループ状軌道台車 １７ ピッキングステーション １８ 往復動軌道台車 １９ 空きパレットマガジン ２０ ピッキングステーションＣ ２１ ピッキングステーションＥ ２２ 内部パレット ２３ 外部パレット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 輝延 神奈川県川崎市宮前区けやき平１−１− 507 (72)発明者 湯川 元文 神奈川県川崎市高津区末長654−55 (72)発明者 加藤 三治 神奈川県横浜市中区本牧和田29−６

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パレットにより品物の保管を行っている
   倉庫より、パレット単位で指定の品物を取り出してピッ
   キングステーションに搬送するシステムにおいて、前記
   倉庫と前記ピッキングステーション間に各台車を個別に
   管理するループ状軌道台車からなるピッキング待機のバ
   ッファ手段を備えたことを特徴とするピッキング装置。
2. 【請求項２】 パレットにより品物の保管を行っている
   倉庫より、パレット単位で指定の品物を取り出してピッ
   キングステーションに搬送するシステムにおいて、前記
   倉庫と前記ピッキングステーション間に各台車を個別に
   管理するループ状軌道台車からなるピッキング待機のバ
   ッファ手段、および搬入側と搬出側が近接したピッキン
   グステーションを備えたことを特徴とするピッキングシ
   ステム。