JPH08209584A - 導電性アラミド紙およびその製造方法 - Google Patents

導電性アラミド紙およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08209584A
JPH08209584A JP1176495A JP1176495A JPH08209584A JP H08209584 A JPH08209584 A JP H08209584A JP 1176495 A JP1176495 A JP 1176495A JP 1176495 A JP1176495 A JP 1176495A JP H08209584 A JPH08209584 A JP H08209584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic heat
paper
fine particles
aramid
resistant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1176495A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Yamamoto
至郎 山本
Osamu Nakayama
修 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP1176495A priority Critical patent/JPH08209584A/ja
Publication of JPH08209584A publication Critical patent/JPH08209584A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シールド材、電界緩和材等に用いるのに適度
な導電性を有するm−アラミド紙とその製造方法を提供
する。 【構成】 導電性微粒子を包含した有機耐熱性繊維とm
−アラミドフィブリッドとから実質的に成る合成紙。望
ましい態様では、有機耐熱性繊維としてm−アラミド繊
維を使用し、導電性微粒子として炭素粒子を使用する。
当該合成紙の電気特性は、体積抵抗率が102〜108Ω
cm、表面抵抗が102〜1010Ωが望ましい。この合
成紙の製造方法としては、溶融した有機耐熱性高分子若
しくは有機耐熱性高分子溶液中に導電性微粒子を分散さ
せ、該溶融高分子若しくは該高分子溶液から有機耐熱性
繊維を紡糸し、切断し、m−アラミドフィブリッドと混
合してスラリーとし、抄紙し、脱水乾燥させる方法、ま
たは、これに熱圧工程を加える方法が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアラミド紙に関するもの
である。更に詳細には、m−アラミドフィブリッドと有
機耐熱性繊維から湿式で抄造して成り、耐熱性であると
共にある程度の導電性を有し、シールド材、電界緩和材
等として有用なm−アラミド紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】m−アラミド紙と呼ばれる薄手のシート
は既に幾種類ものものが開発され、用いられてきた。こ
の主な用途には電気絶縁物と薄葉構造材料等が挙げられ
る。
【0003】電気絶縁物としてのシートは、変圧器、電
動機、チョークコイル等の巻線関係の絶縁物やプリント
基板等に広く用いられており、ある程度の導電性を有す
るシートは、その導電性の程度により、発熱体等やシー
ルド材、電界緩和材等としても用いられている。
【0004】m−アラミドは通常はポリメタフェニレン
イソフタルアミドあるいはその共重合物を意味し、m−
アラミド紙は普通、m−アラミドのフィブリッドと耐熱
性の繊維とを混合してスラリーとなし、抄造したもので
ある。ここでフィブリッドと呼んでいるものは、基本的
には抄紙性のある高分子微小片でデュポン社の造語であ
り、抄紙性の視点からはしばしばパルプ(または合成パ
ルプ)とも呼ばれている(特公昭第35−11851号
公報、特公昭第37−5732号公報等を参照。) 上記の耐熱性繊維としては、m−アラミド繊維が一般的
であるが、その他、p−アラミド繊維、アリレート繊
維、ポリエステル繊維等の有機耐熱性繊維、ガラス繊
維、アスベスト等の無機繊維が挙げられる。m−アラミ
ドフィブリッドとm−アラミド繊維との組み合わせより
成るm−アラミド絶縁紙はH種絶縁物として適当なもの
であり、m−アラミドフィブリッドとポリエステル繊
維、特にポリエチレンテレフタレート繊維、との組み合
わせより成るm−アラミド絶縁紙はE種もしくはF種絶
縁物として適当なものである。
【0005】m−アラミド紙にはこのほか、フィブリッ
ドを用いない、m−アラミド繊維のみから成るものもあ
り、m−アラミド不織布とも呼ばれている。この場合に
は、繊維同士の融着を図るため、未延伸、半延伸等の状
態で、繊維を構成するポリマーの結晶化度や結晶配向度
の低いものを用い、またはこれらと充分に延伸した繊維
とを併用することが多い。また、場合によっては融点が
低めの他の繊維を併用することもある。これに対し、フ
ィブリッドを有機耐熱性繊維と共に用いた紙の場合に
は、フィブリッドが接着材の役を果たし、有機耐熱性繊
維が紙の物性と抄紙性の向上のための機能を果たす。得
られた紙は高温でカレンダー(熱圧)して物性の向上を
図ることが多い。
【0006】m−アラミド紙に導電性を付与し、シール
ド材、電界緩和材等として使用できるようにするために
は、上記のフィブリッド/耐熱性繊維の組合わせにおい
て、耐熱性繊維として導電性の繊維を用いたり、m−ア
ラミドフィブリッドを導電性としたものがある。例えば
耐熱性繊維として炭素繊維、金属繊維等を使用するもの
としては特開昭第51−47103号公報、特開昭第5
7−115702号公報、特開平第4−65226号公
報、特開平第4−153399号公報等に記載のもの
が、炭素粉末等の導電性微粒子を含んだm−アラミドフ
ィブリッドを使用するものとしては特開昭第51−55
401号公報、特公昭第57−27204号公報等に記
載のものが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、m−アラ
ミド紙に導電性を付与する場合、耐熱性繊維として炭素
繊維、金属繊維等を使用する方法とフィブリツドに炭素
粉末等の導電性微粒子を加える方法が公知であるが、こ
れらの方法はなお問題を残している。すなわち、このよ
うな導電性繊維の比重(密度)はm−アラミドよりかな
り大きく、長網抄紙機等でウエブ化するに際して繊維が
偏在し易く、均一な積層が困難であり、また、導電性の
繊維が紙層を貫くように存在したり、導電性繊維より成
る毛羽がある紙が出来易くなり、これらを電気絶縁材料
として用いる場合には絶縁破壊につながり易いという問
題が生じる。炭素繊維等の毛羽を実質的に抑える方法と
しては、例えば炭素繊維等を含まない層(絶縁層)と抄
き合わせをする方法も提案されているが(特開平第4−
80025号公報参照)、この方法を実行してみてもな
お、剛性の大きい上記の導電繊維は絶縁層を破壊するこ
とが多い。更に、これらの導電繊維では個々の導電繊維
の電気抵抗が低すぎるため、シート全体の導電性を所定
の範囲にしようとする場合に、導電繊維の使用量が少な
ければ導電繊維が均一に分散した製品を作り難く、充分
な導電性を有しない部分を含むシートとなり、多けれ
ば、所定の導電性の範囲を逸脱した高い導電性のシート
となってしまい、絶縁破壊も起こりやすくなる等、品質
の管理が困難である。
【0008】製造面から言えば、このような剛性の大き
い導電性繊維を含有する材料は抄紙やその後の工程で支
障を来すことが多い。例えば、抄紙工程においては、抄
造から乾燥に至る間で脱水のために搾水するが、この際
のロールプレス等で繊維が折れて紙の表面に残ったり、
ローラー表面を傷つけたりする問題や、炭素繊維等の剛
性の大きい繊維が抄紙ワイヤに突き刺さり、紙がワイヤ
面から離れ難くなる等の問題がある。また、このような
導電性を有するアラミド紙はシールド、電界緩和材等に
用いられるので表面強度や薄さを求められることが多
く、従って熱圧紙とされることが多いが、これらの繊維
を加えた紙を熱圧すると繊維が折れたり、熱圧設備の表
面に傷を付けたりして、良好な製品が得られないのみな
らず、設備を壊す場合も多い。
【0009】フィブリッドのみに炭素粉末等の導電性粉
末を加える方法の場合には、通常、フィブリッドが厚さ
0.1μm程度の微細フィルムであるために、必要量の
導電性粉末を加えると、得られた合成紙を取り扱う際
に、加えられた導電性微粒子が徐々にフィブリッドから
(すなわち合成紙から)離脱してしまう場合が多い。
【0010】本発明の目的は、このような製造上の問題
が少なく、適度の導電性を有し、そのばらつきが少な
く、品質の安定した合成紙を提供することにある。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明者等は各種検討の
結果、有機耐熱性繊維側に導電性微粒子を加えることに
よりこの問題を解決できることを見いだした。すなわ
ち、本発明は以下の(1)〜(9)に示すものである。
【0012】(1)導電性微粒子を包含した有機耐熱性
繊維とm−アラミドフィブリッドとから実質的に成る合
成紙。 (2)導電性微粒子を包含した有機耐熱性繊維とm−ア
ラミドフィブリッドとから実質的に成り、体積抵抗率が
102〜108Ωcm、表面抵抗が102〜101 0Ωであ
る合成紙。 (3)導電性微粒子を包含した有機耐熱性繊維と導電性
微粒子を包含したm−アラミドフィブリッドとから実質
的に成る合成紙。 (4)導電性微粒子を包含した有機耐熱性繊維と導電性
微粒子を包含したm−アラミドフィブリッドとから実質
的に成り、体積抵抗率が102〜108Ωcm、表面抵抗
が102〜1010Ωである合成紙。 (5)導電性微粒子が炭素粒子であることを特徴とす
る、上記(1)、(2)、(3)または(4)の項に記
載の合成紙。 (6)有機耐熱性繊維がm−アラミド繊維であるとを特
徴とする、上記(1)、(2)、(3)、(4)または
(5)の項に記載の合成紙。 (7)有機耐熱性繊維がポリエステル繊維であることを
特徴とする、上記(1)、(2)、(3)、(4)また
は(5)の項に記載の合成紙。 (8)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)または(7)の項に記載の合成紙の製造方法であ
って、溶融した有機耐熱性高分子若しくは有機耐熱性高
分子溶液中に導電性微粒子を分散させ、該溶融高分子若
しくは該高分子溶液から有機耐熱性繊維を紡糸し、切断
し、m−アラミドフィブリッドと混合してスラリーと
し、抄紙し、脱水乾燥させることを特徴とする方法。 (9)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)の項に記載の合成紙の製造方法であって、溶融し
た有機耐熱性高分子若しくは有機耐熱性高分子溶液中に
導電性粒子を分散させ、該溶融高分子若しくは該高分子
溶液から有機耐熱性繊維を紡糸し、切断し、m−アラミ
ドフィブリッドと混合してスラリーとし、抄紙し、脱水
乾燥させた後、更に熱圧することを特徴とする方法。
【0013】有機繊維に導電性微粒子を加えることによ
り当該有機繊維に導電性を与えられることは公知であ
る。しかしながら、通常の使用においては、導電性微粒
子の含有量が少ないと導電性が不十分になり、また逆
に、導電性微粒子の含有量が、有機繊維に導電性を付与
できるほど多いと繊維自体の強度が不足し、結局、現実
の使用に耐えないものがほとんとであり、当該発明に係
る用途への応用は全く研究されていなかった。しかしな
がら、本発明者等はこの可能性について着目し、鋭意検
討した結果、有機耐熱性繊維とm−アラミドフィブリッ
ドとを組み合わせた組成であること、有機耐熱性繊維と
m−アラミドフィブリッドとの混抄による紙であるこ
と、当該有機耐熱性繊維に導電性微粒子を包含させるこ
と等を組み合わせれば導電性付与の課題が達成でき、紙
としての強度は充分であり、しかも、この導電性のばら
つきは少なく、合成紙製造時の作業性が向上し、ローラ
ー面を傷つける等の問題も減少することを見いだしたも
のである。有機耐熱性繊維がm−アラミドである場合
は、耐熱特性、強度特性、導電性に特に優れた合成紙が
得られる。
【0014】本用途に使用される有機耐熱性繊維は通常
数10μmφ以下であり、フィブリッドの普通の厚さで
ある0.1μm程度では包含しがたい大粒の導電性微粒
子まで包含できる。また、導電性微粒子は有機耐熱性繊
維中に容易に均一に分散できるため、個々の有機耐熱性
繊維は適度の導電性を有しており、そのばらつきも小さ
く、安定した品質の製品を得ることが可能となった。ま
た、導電性微粒子を包含する耐熱性繊維が有機高分子で
出来ているため適度の柔軟性を持ち、抄造物を搾水する
場合やカレンダーによる熱圧等での破損も少なく、この
作業に於いてカレンダーロール等を傷つけることが大幅
に少なくなった。又、導電性微粒子を包含した有機導電
性繊維は、これら粒子が当該繊維中で相互に連結してい
るのではないにも関わらず、当該繊維中の包含量に対応
した導電性を示すことが見いだされた。
【0015】導電性微粒子を包含した有機耐熱繊維は導
電性微粒子を溶融耐熱性高分子若しくは耐熱性高分子溶
液中に分散させ、該溶融高分子若しくは該高分子溶液か
らこの有機耐熱性繊維を紡糸して得られるが、導電性微
粒子が極めて小さい場合には、予め作った繊維の表面
に、導電性微粒子を溶融耐熱性高分子若しくは耐熱性高
分子溶液中に分散させたものを、塗布して乾燥若しくは
固化して得た繊維でもよい。
【0016】本発明に係る合成紙に含まれる導電性微粒
子は、紙の全体に汎ってできるだけ均一に、かつ、所定
の導電性が得られる限りできるだけ低濃度にあることが
電気絶縁材料としては好ましいので、繊維と共にフィブ
リッドにも導電粒子を分散させたものであることが好ま
しい場合がある。この場合、両者に導電性微粒子を分散
させるため、フィブリッドのみに導電性微粒子を分散さ
せた場合よりフィブリッド中の導電性微粒子量を低くで
き、したがってフィブリッドからの導電性微粒子の離脱
を抑制する効果が得られる。
【0017】本発明に使用されるm−アラミドは、ポリ
メタフェニレンイソフタルアミドまたはその共重合物を
意味し、m−アラミドフィブリッドはm−アラミドのフ
ィブリッドを意味する。m−アラミド紙とは、m−アラ
ミドのフィブリッドと耐熱性の有機繊維とを混合してス
ラリーとなし、抄造したものである。なお、本来の物性
を大幅には損なわない限り他の成分を含む共重合体、例
えばテレフタル酸やパラフェニレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、シクロヘキシルジアミン等を含む共重
合体、や他の高分子との混合物も本発明に言うm−アラ
ミドに含まれる。メタフェニレンイソフタルアミド成分
は本発明でいうm−アラミドの全体量の内50重量%を
越えるものが望ましく、80重量%を越えるものが更に
望ましい。
【0018】本発明に使用されるm−アラミド紙に使用
される有機耐熱性繊維は、上記と同様なm−アラミドが
一般的であるが、その他の有機耐熱性繊維でもよく、具
体的には、例えばp−アラミド繊維、耐熱性ポリエステ
ル繊維、ポリアリレート繊維、PPS繊維、耐熱性ナイ
ロン等、またはこれらの混合物が用いられる。
【0019】また、本発明に使用される有機耐熱性繊維
に含まれる導電性粒子は炭素が普通であるが、ニッケ
ル、クロム、金、銀、銅等の金属の微粒子、ヨウ化銅等
の導電性の金属化合物の微粒子でもよい。微粒子のサイ
ズは数10μmφ以下、好ましくは10μmφ以下であ
る。粒子が大きすぎれば有機耐熱性繊維(フィブリッド
にも包含させる場合には、フィブリッドも含めて)への
包含が不良となり、且つ、高分子溶液または溶融高分子
中に分散させて繊維化する際に、紡糸口金の穴が詰まっ
たり、押し出し(吐出)圧力が異常に高くなる等の不都
合が生じ、逆に小さすぎれば、分散に際して凝集する等
の実用上の問題がある。検討の結果、本発明の目的を達
成するには、0.01〜10μmであることが好まし
く、0.01〜1μmであることが更に好ましいことが
判明した。
【0020】また、紙の基本物性を大幅には損なわない
限り、m−アラミドフィブリッドと共に他のフィブリッ
ド、例えば、特公昭第59−16002号公報に記載さ
れたポリエーテルアミドのフィブリッド、を含むものも
本発明の範囲に含まれるが、m−アラミドフィブリッド
がフィブリッド全体量の内50重量%を越えるものが好
ましく、80重量%を越えるものが更に好ましい。シー
ト全体に対してはm−アラミドフィブリッドが15重量
%以上、95重量%未満のものが好ましい。
【0021】なお、全ての繊維が導電性である必要はな
く、混入される繊維の一部のみが導電性であってもよ
い。
【0022】各種の検討の結果、シールド材として好ま
しいのは102〜108Ωcm程度の体積抵抗率、102
〜1010Ω程度の表面抵抗率を有するm−アラミド紙で
あることが判明した。
【0023】
【実施例】次に例をあげて本発明を詳細に説明する。但
し、これらは本発明の例示を行うものであり、本発明を
制約するものではない。
【0024】[実施例1]フィブリッドと繊維の準備 特公昭第47−10863号公報の記載に基づいて界面
重合法でポリメタフェニレンイソフタルアミドのポリマ
ーを準備した。このポリマーをN−メチル−2−ピロリ
ドンに溶解して測定した固有粘度(I.V.)は1.3
5であり、実質的に無機塩類を含まないものであった。
【0025】このポリマーを特公昭48−17551号
公報に記載の方法に基づいて繊維とした。得られた繊維
の太さは2deで、引張強度は3.55g/de、伸度
は18%であった。これを長さ6mmに切断した。
【0026】また、同じ方法により、但し紡糸に際し
て、導電性微粒子として、公称0.1μmφのカーボン
ブラック(炭素粉末)を130g/kg(対ポリマー)
加えて紡糸した。紡糸された繊維の電気抵抗(体積抵抗
率)は104Ωcmであった。これも長さ6mmに切断
した。
【0027】また、上記のポリマーを特公昭52−15
1621号公報に記載の沈澱装置(直径150mm)を
用いてフィブリッドとした。濾水度はカナダ標準濾水度
で90mlであった。
【0028】抄 紙 上記のフィブリッドを家庭用のミキサーで水に分散させ
た。また、上記の2種類の繊維を50/50(重量比)
の割合で混合して、同様に家庭用のミキサーで水に分散
させ、これを上記のフィブリッドのスラリーと混合し、
繊維/フィブリッド=60/40(重量比)とした。
【0029】このスラリーを実験用のタッピー抄紙機で
抄紙し、抄き上げてローラーで脱水後に写真用の乾燥機
で乾燥して、40g/m2のm−アラミド紙を得た。乾
燥後得られた紙の密度は0.301g/cm3、強度は
1.2kg/mm2、体積抵抗率は平均3×107Ωc
m、表面抵抗率は平均3×108Ωであった。
【0030】紙の熱圧 上記で得られた導電性アラミド紙を熱圧した。すなわ
ち、得られたm−アラミド紙を充分に乾燥してカレンダ
ーで280℃、100kg/cm、6m/minの速度
でプレスし、更に250℃、100kg/cm、6m/
minの速度で熱圧した。得られたシートの密度は0.
802g/cm3、強度は6.4kg/mm2、体積抵抗
率は平均4×107Ωcm、表面抵抗率は平均2×108
Ωであった。
【0031】[比較例1]抄紙に際して、カーボンブラ
ック(炭素粉末)を混入した繊維の代わりに、炭素繊維
を混合した以外は実施例1とまったく同様にして抄造物
を得た(特開昭第51−47103号公報参照)。この
紙を実施例1と同様の条件で熱圧し、電気抵抗を測定し
たところ、体積抵抗率の値、表面抵抗率の値は、共に、
0.0(実質的に短絡)から無限大(実質的に絶縁)迄
のばらつきを示した。また、プレスに際して炭素繊維が
折れ、その一部が露出した。
【0032】[実施例2]フィブリッドと繊維の準備 実施例1で用いたフィブリッド、繊維を準備した。
【0033】抄 紙 上記のフィブリッドを工業用のパルパーで水に分散さ
せ、さらにディスクリファイナーと高速離解機で処理し
た。また、上記の2種類の繊維を50/50(重量比)
の割合で混合して、専用の工業用パルパーで水に分散さ
せ、上記のフィブリッドのスラリーと混合し、繊維/フ
ィブリッド=60/40(重量比)とした。
【0034】このスラリーを長網抄紙機で抄紙し、抄き
上がり脱水後に乾燥して40g/m 2のm−アラミド紙
を得た。乾燥後得られた紙の密度は0.301g/cm
3、強度はMD(縦)方向が1.6kg/mm2、CD
(横)方向が1.1kg/mm2であった。
【0035】紙の熱圧 上記で得られた導電性アラミド紙を熱圧した。すなわ
ち、得られたm−アラミド紙を充分に乾燥して280℃
の予熱装置で加熱後、第一段ロールで250℃、200
kg/cm、6m/minの速度で熱圧し、320℃の
予熱炉で昇温後、第二ロールで250℃、200kg/
cm、6m/minの速度で熱圧した。得られたシート
の密度は0.802g/cm3、強度はMD(縦)方向
が6.4kg/mm2、CD(横)方向が3.9kg/
mm2、体積抵抗率は平均3×107Ωcm、表面抵抗率
は平均1×108Ωであった。
【0036】[実施例3]フィブリッドと繊維の準備 実施例1と同様にして界面重合法でポリメタフェニレン
イソフタルアミドのポリマーを準備した。このポリマー
をN−メチル−2−ピロリドンに溶解して測定した固有
粘度1.3であった。
【0037】このポリマーを特公昭第48−17551
号公報に記載の方法に基づいて繊維とした。但し、紡糸
に際して、導電性微粒子として、公称0.1μmφのカ
ーボンブラック(炭素粉末)を130g/kg(対ポリ
マー)加えて紡糸した。これを長さ6mmに切断した。
【0038】同様に上記のポリマーに公称0.1μmφ
のカーボンブラック(炭素粉末)を10重量%加え、特
公昭第52−151621号公報記載の沈澱装置(直径
150mm)を用いて 特公昭第57−27208号公
報記載に基づくフィブリッドとした。濾水度はカナダ標
準濾水度で120mlであった。
【0039】抄 紙 このフィブリッドを家庭用のミキサーで水に分散させ
た。また、上記の繊維を、同様に家庭用のミキサーで水
に分散させ、これを上記のフィブリッドのスラリーと混
合し、繊維/フィブリッド=60/40(重量比)とし
た。
【0040】このスラリーを実験用のタッピー抄紙機で
抄紙し、抄き上げてローラーで脱水後に写真用の乾燥機
で乾燥して、40g/m2のm−アラミド紙を得た。乾
燥後得られた紙の密度は0.323g/cm3、強度は
1.0kg/mm2、体積抵抗率は平均3×106Ωc
m、表面抵抗率は平均3×105Ωであった。
【0041】紙の熱圧 得られた導電性アラミド紙を熱圧した。すなわち、得ら
れたm−アラミド紙を充分に乾燥してカレンダーで28
0℃、100kg/cm、6m/minの速度でプレス
し、更に250℃、100kg/cm、6m/minの
速度で熱圧した。得られたシートの密度は0.802g
/cm3、強度は6.4kg/mm2、体積抵抗率は平均
2×106Ωcm、表面抵抗率は平均2×105Ωであっ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明により、ばらつきの少ない適度の
導電性を持ち、耐久性と均一性に優れ、シールド材、電
界緩和材等の用途に有用なm−アラミド紙が得られる。
また、ローラーを傷つける等の製造上の問題も大幅に減
少する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性微粒子を包含した有機耐熱性繊維
    とm−アラミドフィブリッドとから実質的に成る合成
    紙。
  2. 【請求項2】 導電性微粒子を包含した有機耐熱性繊維
    とm−アラミドフィブリッドとから実質的に成り、体積
    抵抗率が102〜108Ωcm、表面抵抗が102〜10
    10Ωである合成紙。
  3. 【請求項3】 導電性微粒子を包含した有機耐熱性繊維
    と導電性微粒子を包含したm−アラミドフィブリッドと
    から実質的に成る合成紙。
  4. 【請求項4】 導電性微粒子を包含した有機耐熱性繊維
    と導電性微粒子を包含したm−アラミドフィブリッドと
    から実質的に成り、体積抵抗率が102〜108Ωcm、
    表面抵抗が102〜1010Ωである合成紙。
  5. 【請求項5】 導電性微粒子が炭素粒子であることを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の合成紙。
  6. 【請求項6】 有機耐熱性繊維がm−アラミド繊維であ
    るとを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の
    合成紙。
  7. 【請求項7】 有機耐熱性繊維がポリエステル繊維であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載
    の合成紙。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    記載の合成紙の製造方法であって、溶融した有機耐熱性
    高分子若しくは有機耐熱性高分子溶液中に導電性微粒子
    を分散させ、該溶融高分子若しくは該高分子溶液から有
    機耐熱性繊維を紡糸し、切断し、m−アラミドフィブリ
    ッドと混合してスラリーとし、抄紙し、脱水乾燥させる
    ことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    記載の合成紙の製造方法であって、溶融した有機耐熱性
    高分子若しくは有機耐熱性高分子溶液中に導電性粒子を
    分散させ、該溶融高分子若しくは該高分子溶液から有機
    耐熱性繊維を紡糸し、切断し、m−アラミドフィブリッ
    ドと混合してスラリーとし、抄紙し、脱水乾燥させた
    後、更に熱圧することを特徴とする方法。
JP1176495A 1995-01-27 1995-01-27 導電性アラミド紙およびその製造方法 Pending JPH08209584A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1176495A JPH08209584A (ja) 1995-01-27 1995-01-27 導電性アラミド紙およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1176495A JPH08209584A (ja) 1995-01-27 1995-01-27 導電性アラミド紙およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08209584A true JPH08209584A (ja) 1996-08-13

Family

ID=11787051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1176495A Pending JPH08209584A (ja) 1995-01-27 1995-01-27 導電性アラミド紙およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08209584A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999010598A1 (fr) * 1997-08-26 1999-03-04 Toyo Tanso Kabushiki Kaisya Tole de graphite deploye pour blindage contre les ondes electromagnetiques et son procede de fabrication
WO2002070796A1 (en) * 2001-03-05 2002-09-12 E. I. Du Pont De Nemours And Company Electrically-conductive para-aramid pulp
JP2007023429A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Teijin Techno Products Ltd 耐熱性導電紙およびその製造方法
JP2016216866A (ja) * 2015-05-26 2016-12-22 Kbセーレン株式会社 導電性合成紙
KR20190041487A (ko) * 2016-09-01 2019-04-22 이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니 아라미드 및 모드아크릴 섬유를 포함하는 탄소-함유 섬유 블렌드
CN112681010A (zh) * 2020-12-25 2021-04-20 烟台民士达特种纸业股份有限公司 一种大型油浸式变压器用高电导率芳纶绝缘纸基材料及其制备方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999010598A1 (fr) * 1997-08-26 1999-03-04 Toyo Tanso Kabushiki Kaisya Tole de graphite deploye pour blindage contre les ondes electromagnetiques et son procede de fabrication
WO2002070796A1 (en) * 2001-03-05 2002-09-12 E. I. Du Pont De Nemours And Company Electrically-conductive para-aramid pulp
KR100761208B1 (ko) * 2001-03-05 2007-10-04 이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니 전기 전도성 파라-아라미드 펄프
JP2007023429A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Teijin Techno Products Ltd 耐熱性導電紙およびその製造方法
JP4694909B2 (ja) * 2005-07-19 2011-06-08 帝人テクノプロダクツ株式会社 耐熱性導電紙およびその製造方法
JP2016216866A (ja) * 2015-05-26 2016-12-22 Kbセーレン株式会社 導電性合成紙
KR20190041487A (ko) * 2016-09-01 2019-04-22 이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니 아라미드 및 모드아크릴 섬유를 포함하는 탄소-함유 섬유 블렌드
CN112681010A (zh) * 2020-12-25 2021-04-20 烟台民士达特种纸业股份有限公司 一种大型油浸式变压器用高电导率芳纶绝缘纸基材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1885953B1 (en) Electroconductive aramid paper
JP5723199B2 (ja) 導電性アラミド紙及びその製造方法
WO2010007919A1 (ja) ポリフェニレンサルファイド繊維およびその製造方法、湿式不織布、湿式不織布の製造方法
WO2003093576A1 (fr) Feuille en fibres synthetiques resistantes a la chaleur
JPS6313283B2 (ja)
TWI598226B (zh) Aromatic polyamine resin film laminated body and its manufacturing method
US8168039B2 (en) Electroconductive aramid paper and tape made therefrom
CN107849813B (zh) 芳族聚酰胺纸、制备方法及其用途
JP5665690B2 (ja) 抄紙用原料の製造方法、得られた抄紙用原料、及び該原料を使用した耐熱性電気絶縁シート材料
JPH08209584A (ja) 導電性アラミド紙およびその製造方法
JP2001207335A (ja) フィブリル状物及びその製造方法
TW201704591A (zh) 聚芳醯胺(aramid)紙及其製造方法
WO2020196215A1 (ja) 固体電解コンデンサ用セパレータ
JP2009133033A (ja) 合成繊維紙、電気絶縁紙および合成繊維紙の製造方法
JP2003096698A (ja) 耐熱性絶縁紙及びその製造方法
JPH09139113A (ja) 耐熱紙
JP3523128B2 (ja) フッ素樹脂繊維混抄紙の製造方法。
JPH06108400A (ja) 電気絶縁シート
JP3484455B2 (ja) 芳香族ポリアミド繊維紙
JPS60162900A (ja) 透明導電フイルムの製造法
KR101700827B1 (ko) 적층 아라미드 종이 및 그 제조방법
JP3588423B2 (ja) 耐熱性繊維紙及びその製造方法並びに該耐熱性繊維紙を用いたプリプレグ
KR102201806B1 (ko) 전기 절연지용 전방향족 아라미드 종이 및 그의 제조방법
JP6821071B2 (ja) 固体電解コンデンサ用セパレータ
JPH0921089A (ja) 耐熱性紙及びその製造方法