JP3484455B2 - 芳香族ポリアミド繊維紙 - Google Patents

芳香族ポリアミド繊維紙

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JP3484455B2
JP3484455B2 JP2000107794A JP2000107794A JP3484455B2 JP 3484455 B2 JP3484455 B2 JP 3484455B2 JP 2000107794 A JP2000107794 A JP 2000107794A JP 2000107794 A JP2000107794 A JP 2000107794A JP 3484455 B2 JP3484455 B2 JP 3484455B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリアミド
繊維紙に関し、さらに詳しくは、耐熱性及び電気絶縁性
に優れ、特に電気回路板用積層物の製造に使用した場合
に優れた効果を発揮する芳香族ポリエステル繊維紙に関
する。
【0002】
【従来の技術】電気回路板用積層物に使用される基材に
は、耐熱性や耐熱寸法安定性、耐湿寸法安定性、電気絶
縁性、耐変形性(捩れ、反り、波打ちなどを生じ難いこ
と)、軽量性などの諸特性が要求される。芳香族ポリア
ミド繊維紙は、他素材からなる紙基材に比べて、耐熱
性、電気絶縁性、耐熱寸法安定性、軽量性などの点で優
れているため、最近では、前記の諸特性が要求される電
気回路板用積層物の基材にもよく活用されるようになっ
てきた。
【0003】例えば、ポリメタフェニレンイソフタルア
ミド短繊維(帝人(株)製、「コーネックス」)とポリメタフ
ェニレンイソフタルアミドパルプ(フィブリッド)からな
る紙:「電気絶縁紙」(特開平2−236907号公報や
特開平2−10684号公報)、ポリパラフェニレンテ
レフタルアミド短繊維(デュポン(株)製、「ケブラー」)や
コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン
・テレフタルアミド短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」)
と有機系樹脂バインダーからなる芳香族ポリアミド繊維
紙:「樹脂含浸シート」(特開平1-92233号公報)や
芳香族ポリアミド紙の製造方法(特開平2−47392
号公報)などが提案されている。
【0004】しかし前者の繊維紙は、耐熱性には優れて
いるものの、250℃以上の高温で熱処理すると収縮し
て寸法変化を生じるばかりでなく、繊維の平衡水分率
(含水率)が高く且つ不純イオンの含有量も多いので、特
に長期間高湿度下で保持された場合における電気絶縁性
が劣るため、高度な信頼性が要求される電気絶縁用基材
には使用できない。
【0005】一方、後者の芳香族ポリアミド繊維紙は平
衡水分率も少なく、且つ、不純イオンの含有量も比較的
少ないが、有機系樹脂のみをバインダー成分として使用
しているため、該芳香族ポリアミド繊維紙の製造工程で
バインダー成分が紙の表裏側にマイグレーションして偏
在化する結果、紙の中層部に存在するバインダー成分の
量が微小となって、該芳香族ポリアミド繊維紙の厚さ方
向の均一性が低下し信頼性を低化させるという問題を有
している。
【0006】従って、このような芳香族ポリアミド繊維
紙を電気絶縁材料用の基材として使用すると、その製造
工程、特に、エポキシ樹脂などの配合ワニスを含浸、乾
燥させるプリプレグ作成工程や該プリプレグ品を積層成
形する工程などで配合ワニスの含浸量(特に厚さ方向)
や付着量のバラツキが拡大したり、また、バインダー用
樹脂の一部が溶融して繊維間の接着力低下を招き紙基材
の切断が発生したり、さらには、短繊維が相互移動し易
くなるために、繊維密度分布の均一性を悪化させて、特
に高温度で処理されるハンダリフロー工程終了後の電気
回路板用積層物に変形が生じるという問題があり好まし
くなかった。
【0007】このような問題を解消すべく、バインダー
成分として有機系樹脂を用いる代わりにメタ型芳香族ポ
リアミドフィブリッドを用いて、パラ型芳香族ポリアミ
ド短繊維(例えば、デュポン(株)製、「ケブラー」)とフィ
ブリル化されたパラ型芳香族ポリアミドの微少繊維(例
えば、デュポン(株)製、「ケブラー」)とを結合せしめた
繊維紙「高密度パラアラミド紙」(特開昭61−1605
00号公報)が提案されている。この紙は、耐熱性や耐
熱寸法安定性、耐湿寸法安定性、耐変形性(捩じれ、反
り、波打ちなどを生じ難いこと)などの特性には優れて
いるものの、その使用されるメタ型芳香族ポリアミドフ
ィブリッドの製法上、平衡水分率や不純イオンの含有量
が高いという問題があり、また、その繊維紙の構成上、
フィブリル化された微少繊維でパラ型芳香族ポリアミド
短繊維間が充填され、しかもこれらがフィブリッドで結
合されているため、電気回路板用積層物の基材として使
用する場合にはエポキシ樹脂などの配合ワニスの含浸性
が低下して、部分的な不均一が発生し易く、特に高湿下
での電気絶縁性に不良が多発するという問題があり、こ
の改良が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性や熱
寸法安定性、層間剥離強度、高湿度下における電気絶縁
性などに優れ、特に電気回路用積層物の基材として好適
であり、且つ、従来の芳香族ポリアミド繊維紙が有して
いた前記の諸問題、とりわけ電気回路板用積層物の製造
工程における変形(捩じれ、反り、波打ち等)が改良さ
れ、高湿度下における電気絶縁性不足の問題が解消され
る新規な芳香族ポリアミド繊維紙を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
解決のために鋭意検討の結果、芳香族ポリアミド繊維紙
を構成する芳香族ポリアミド短繊維として、該短繊維の
長さ方向に互いに独立した少なくとも2個の突起部を有
するパラ型芳香族ポリアミド短繊維とバインダー性能を
有する有機系高分子重合体からなるフィブリッドで結合
せしめて抄紙し、高温、高圧下で芳香族ポリアミドから
なるフィブリッドを部分溶融させて紙を構成している短
繊維間を強固に結合せしめて芳香族ポリアミド繊維紙と
し、また、用途の要求特性上必要ならば、結合補助剤と
して有機系樹脂バインダーの少量を添加した紙は、加熱
加圧加工後の紙特性や紙層間の均一性を向上せしめて、
配合ワニスの含浸性や電気絶縁特性、電気回路板用積層
物が具備すべき種々の特性を良好ならしめる点に着目し
てなされたものである。
【0010】すなわち、本発明によれば、芳香族ポリア
ミド短繊維と有機系高分子重合体からなるフィブリッド
とを主成分とし、該有機系高分子重合体からなるフィブ
リッドの少なくとも一部は溶融して該パラ型芳香族ポリ
アミド短繊維間を結合してなる芳香族ポリアミド繊維紙
において、該芳香族ポリアミド短繊維が紙の全重量の4
0〜97重量%、有機系高分子重合体からなるフィブリ
ッドが紙の全重量の3〜60重量%の範囲にあり、該芳
香族ポリアミド短繊維全重量中の50重量%以上がパラ
型芳香族ポリアミド短繊維からなり、且つ、該パラ型芳
香族ポリアミド短繊維の少なくとも一部はその長さ方向
に互いに独立した2個以上の環状突起部を有し、各環状
突起部の最大径:d1と突起部を繋ぐ細い部分の平均
径:d2との比率が、d1/d2≧1.1を満足する形状
を有することを特徴とする芳香族ポリアミド繊維紙が提
供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における芳香族ポリアミド繊維紙とは、芳香族ポ
リアミド短繊維と有機系高分子重合体からなるフィブリ
ッドを主成分とし、必要に応じて補助的に有機系の樹脂
バインダーを添加して作成されてなる紙状物、不織布状
物もしくはシート状物を含むものである。
【0012】また、本発明で用いる芳香族ポリアミド短
繊維とは、ポリアミドを構成する繰り返し単位の80モ
ル%以上(好ましくは90モル%以上)が、下記式
(1)で表される芳香族ホモポリアミド、または、芳香
族コポリアミドからなる短繊維である。ここでAr1
Ar2は芳香族基を表し、なかでも下記式(2)から選
ばれた同一の、または、相異なる芳香族基からなるもの
が好ましい。但し、芳香族基の水素原子は、ハロゲン原
子、低級アルキル基、フェニル基などで置換されていて
もよい。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】このような芳香族ポリアミド繊維の製造方
法や繊維特性については、例えば、英国特許第1501
948号公報、米国特許第3733964号明細書、第
3767756号明細書、第3869429号明細書、
日本国特許の特開昭49−100322号公報、特開昭
47−10863号公報、特開昭58−144152号
公報、特開平4−65513号公報などに記載されてい
るものが使用できる。
【0016】また、該芳香族ポリアミド短繊維の中で耐
熱性の優れたものとしてパラ型芳香族ポリアミド短繊維
があげられるが、これは前記芳香族ポリアミドの延鎖結
合が共軸または平行で、且つ、反対方向に向いているポ
リアミドからなる短繊維であり、例えば、前記Ar1
Ar2の80モル%以上が下記式(A)で表される芳香
族基、及び/又は、下記式(B)で表される芳香族基で
ある短繊維が例示される。
【0017】
【化3】
【0018】具体的には、ポリパラフェニレンテレフタ
ルアミド短繊維(例えば、デュポン(株)製、「ケブラ
ー」)、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェ
ニレン・テレフタルアミド短繊維(例えば、帝人(株)
製、「テクノーラ」)等が例示され、特に後者は、不純イ
オンの含有量が少ないので電気絶縁性に優れているので
より好ましい。
【0019】また、本発明では、前記芳香族ポリアミド
短繊維の一部にメタ型芳香族ポリアミド短繊維を含ませ
てもよい。ここに用いられるメタ型芳香族ポリアミド短
繊維は、前記芳香族ポリアミドのうち、延鎖結合の50
モル%以上が非共軸で非平行の芳香族ポリアミドであっ
て、例えば、ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソ
フタル酸等の一種又は二種以上と、ジアミンとしてメタ
フェニレンジアミン、4,4−ジアミノフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレン
ジアミン等の一種又は二種以上を使用したホモポリマー
又は共重合ポリマーからなる短繊維をあげることがで
き、その代表的な例としては、ポリメタフェニレンイソ
フタルアミド、ポリメタキシレンテレフタルアミド、あ
るいはイソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライ
ド、メタフェニレンジアミン等を共重合せしめた共重合
ポリマーからなる短繊維等であり、これらの中で特に繰
り返し単位の80モル%以上、さらに好ましくは、90
モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミドである芳
香族ポリアミド短繊維であるものが高温高圧下で部分的
に溶融し易く、バインダー効果をより発現し易いので好
ましい。
【0020】また、本発明の芳香族ポリアミド繊維紙に
用いるパラ型芳香族ポリアミド短繊維の使用割合は、芳
香族ポリアミド短繊維の全重量に対して、パラ型芳香族
ポリアミド短繊維の量を50重量%以上にすることが肝
要である。該パラ型芳香族ポリアミド短繊維の量が50
重量%未満では、突起部を有する短繊維の効果が十分に
得られない。
【0021】また、本発明にメタ型芳香族ポリアミド短
繊維を用いる場合は、結合材としての役割を最大に発揮
させるために、該メタ型芳香族ポリアミド短繊維の製造
工程における繊維の延伸倍率が5.0倍未満であること
が望ましく、さらに好ましくは、2.8倍未満、また
は、未延伸の繊維を用いるのが好ましい。なかでも、延
伸倍率が1.1〜1.5の範囲にある延伸繊維が最も好
ましい。
【0022】さらに加えて、該メタ型芳香族ポリアミド
短繊維の製造工程において、できるだけ熱履歴が与えら
れていないことが望ましい。その理由は、製造工程にお
ける延伸倍率が高くなるほど、また熱履歴を多く受ける
ほど、繊維の結晶化が進んで、上記の軟化、溶融傾向が
発現され難くなり、結合材としての役割が発揮され難く
なるからである。
【0023】前記の芳香族ポリアミド繊維の中には、加
熱等により繊維中に含有する水分(湿分)を脱水(脱
湿)処理すると繊維軸方向に収縮する傾向を示すものと
伸びる傾向を示すものとがあり、これらの芳香族ポリア
ミド繊維の量を上手く制御してやると水洗いや乾燥を繰
り返しても寸法変化が起こり難く、耐熱寸法安定性や耐
湿寸法安定性に優れた芳香族ポリアミド繊維紙を得るこ
とができる。
【0024】次に、本発明に使用するパラ型芳香族ポリ
アミド短繊維は、その長さ方向に互いに独立した2個以
上の突起部を有する形状を有しているものを含むことが
肝要である。このような突起部は、種々の方法により形
成することができるが、例えば、紡糸、延伸条件(例え
ば、紡糸時の吐出量、紡糸張力、延伸倍率など)を間欠
的に変化させたり、短繊維に切断する際に、張力を付与
しながら切断し、該切断時のスナップバックを利用して
突起部を形成させることが出来る。
【0025】該突起部は、1本の短繊維中に少なくとも
2個形成されることが必要であり、また、該突起部の最
大径は、該突起部を含まない細い部分の短繊維の平均径
の1.1倍以上であるものが用いられる。
【0026】図1は、本発明で使用するパラ型芳香族ポ
リアミド短繊維の例を示す側面図である。図1におい
て、図1(a)は短繊維の両端部に突起部1を有する例を
示すものであり、該突起部1を繋ぐ短繊維の細い部分
(以下、突起部以外の部分という)2の短繊維の平均径:
2と突起部1の最大径:d1の比率は前記のようにd1
/d2≧1.1を満足する。
【0027】また、該突起部は短繊維の端部以外の部分
に形成されていてもよいが、できれば、短繊維の端部付
近(出来れば両端部付近)に形成されているものが好まし
く、例えば、図1(b)の例示に示すように突起部1が短
繊維の端部から距離:L1の位置に形成され、該L1が短
繊維全長Lの20%以内であるものが好ましい。
【0028】また、このような突起部を有するパラ型芳
香族ポリアミド短繊維は、パラ型芳香族ポリアミド短繊
維の一部に混合されていてもよいが、該パラ型芳香族ポ
リアミド短繊維の全重量の30重量%以上を占めている
ことが好ましい。このような突起部を有するパラ型芳香
族ポリアミド短繊維が30重量%未満では、十分な結合
効果が得られないことがあり好ましくない。
【0029】このような芳香族ポリアミド短繊維の単繊
維繊度は、0.33〜5.56dtex(0.3〜5.
0de)であることが好ましい。該単繊維繊度が0.3
3dtex未満では、製糸技術上困難な点が多く、断糸
や毛羽が発生して良好な品質の繊維を安定して生産する
ことが困難になるだけでなく、コストも高くなるため好
ましくない。一方、5.56dtexを超えると繊維の
機械的物性、特に強度低下が大きくなるため実用的でな
くなる。なお、これらの芳香族ポリアミド短繊維は、そ
の1部が機械的にフィブリル化されていてもよいが、そ
の割合があまり多くなり過ぎると配合ワニスの含浸性が
低下するなど本発明の目的を阻害するようになるので、
できるだけその割合は少なくすることが好ましい。
【0030】また、かかる芳香族ポリアミド短繊維の繊
維長は、1〜60mmの範囲のものが好ましく用いられ
るが、特に、湿式法で紙を形成する場合においては、2
〜12mmの範囲内にあるものが最適である。該繊維長
が1mm未満では、得られる芳香族ポリアミド繊維紙
(繊維集合体)の機械的物性が不十分なものとなりやすく
好ましくない。一方、該繊維長が60mmを超えると、
短繊維の開繊性、分散性等が悪化して得られる繊維集合
体の均一性が損なわれ、やはり機械的物性が不十分なも
のとなりやすい。
【0031】なお、前記の芳香族ポリアミド短繊維が本
来有する特性を阻害しない範囲内で他素材、例えば、ガ
ラス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、ポリフェニレンスルフィド、セラッミクなどからな
る短繊維を混合してもよい。この場合、全構成繊維中に
占める芳香族ポリアミド短繊維の割合は、80重量%以
上、より好ましくは90重量%以上である。
【0032】次に、本発明で用いる有機系高分子重合体
からなるフィブリッドとは、湿式抄造工程において、バ
インダー性能を有する微小のフィブリルを有する薄葉
状、鱗片状の小片、又は、ランダムにフィブリル化した
微小短繊維の総称であり、例えば、特公昭35−118
51号公報、特公昭37−5732号公報等に記載され
た方法により、有機系高分子重合体溶液を該高分子重合
体溶液の沈澱剤と剪断力の存在する系において混合する
ことにより製造されるフィブリッドや、あるいは、特公
昭59−603号公報に記載された方法により、光学的
異方性を示す高分子重合体溶液から成形した分子配向性
を有する成形物に叩解等の機械的剪断力を与えてランダ
ムにフィブリル化させたフィブリッドを用いるものが好
ましく、なかでも前者の方法によるものが最適である。
【0033】このような有機系高分子重合体としては、
繊維、若しくは、フィルム形成能を有する耐熱性高分子
重合体であって熱分解開始温度が330℃以上のもので
あればどれでも使用できる。
【0034】例えば、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエ
ステル、テヘロ環含有芳香族ポリマー等を用いることが
出来るが、それらの中でも、特に、ポリメタフェニレン
イソフタルアミド(デュポン(株)製、「ノーメックス」)が
好ましく、さらに、不純イオン含有量の少ないコポリパ
ラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフ
タルアミド(帝人(株)製、「テクノーラ」)や、平衡水分
率の小さいp−ヒドロキシ安息香酸と2,6−ヒドロキ
シナフトエ酸の共重合体からなる芳香族ポリエステル
((株)クラレ製、「ベクトラン」)が好適であり、また、特
に耐熱性が要求される場合には、ポリパラフェニレンベ
ンズビスオキサゾール(東洋紡績(株)製、「PBO」)が最
適である。
【0035】また、該有機系高分子重合体からなるフィ
ブリッドの本発明の繊維紙中に占める比率は、3〜60
重量%であり、好ましくは4〜45重量%、さらに好ま
しくは、5〜30重量%の範囲にあるものである。該フ
ィブリッドの混合比率を比較的低めに設定する場合に
は、例えば、特公昭35−11851号公報や特公昭3
7−5732号公報等に記載された製造方法から得られ
るフィブリッドを用いるのが好ましく、また、混合比率
を比較的高めに設定する場合には、特公昭59−603
号公報に記載された方法により製造されたフィブリッド
を用いるのが好ましく、さらにこれら両方の製造方法か
らなるフィブリッドを混合使用しても良い。
【0036】前者の方法によるフイブリッドを用いる
と、嵩密度の高い芳香族ポリアミド繊維紙の作成が可能
となり、逆に、後者の方法によるフィブリッドを用いる
と、嵩密度の低い芳香族ポリアミド繊維紙の作成が可能
となるため、何れのフィブリッドを用いるのか、又は、
両者の混合比率をどのようにするのかは、目的とする電
気回路板用積層物の要求特性を見極めながら決定するこ
とができる。何れにせよ、該フィブリッドの混合比率が
3%未満では、湿式抄造工程で紙形成に必要は引張強力
を維持出来ず、また、60重量%を超えると、得られる
芳香族ポリエステル繊維紙の嵩密度が大となり(下記に
示す好ましい嵩密度の範囲の上限:1.13g/cm3
を外れる)、配合ワニスの含浸性を阻害するようになっ
て好ましくない。
【0037】また、前記の如く芳香族ポリアミド繊維の
中には、加熱等により繊維中に含有する水分(湿分)を
脱水(脱湿)処理すると繊維軸方向に伸長、又は、収縮
する傾向を示す繊維があるが、有機系高分子重合体から
なるフィブリッドの中にも、同条件処理で薄葉状や鱗片
状の長さ方向に収縮、又は、伸長する傾向を示すフィブ
リッドもあるため、これらの両方を上手く組み合わせる
ことにより前記と同様に、水洗や乾燥を繰り返しても寸
法が変化し難く、耐熱寸法安定性や耐湿寸法安定性に優
れた芳香族ポリアミド繊維紙が得られる。
【0038】また、前記有機系高分子重合体からなるフ
ィブリッドは、湿式抄造工程において短繊維間を結合せ
しめるバインダーとしての機能を有するが、その結合力
(接着力)は、熱硬化性の樹脂、例えばエポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ホ
ルムアルデヒド樹脂、フルオロ重合体樹脂等に比べて劣
るため、これら熱硬化性樹脂からなる群から選択された
水分散型の結合補助剤を少量添加して湿式抄造工程にお
ける抄造性能を高めることができる。(この場合、該結
合補助剤はフィブリッドの代替えとして使用するため、
添加した結合補助剤の量だけ該フィブリッドの量を減少
させる)。特に、分子内にエポキシ官能基を有する水分
散可能なエポキシ系の樹脂を用いたものがプリプレグ工
程で使用する配合ワニスとの相溶性が良く最適である。
【0039】また、該結合補助剤が本発明の芳香族ポリ
アミド繊維紙中に占める割合としては、前記有機系高分
子重合体からなるフィブリッドの重量の1/3以下、さ
らに好ましくは、1/4以下の範囲で用いるものがよ
い。該結合補助剤の割合が該フィブリッド重量の1/3
を超えると、湿式抄造工程におけるマイグレション現象
をフィブリッドが抑制出来得なくなるおそれがあり、紙
の表裏側と中層部との層間接着力が不均一となる要因と
なり、その後のカレンダー工程で紙中層部の短繊維の配
向性や繊維密度分布の均一性を低下せしめることがある
ために好ましくない。
【0040】以上述べた芳香族ポリアミド繊維紙は、従
来から公知の方法により製造することができ、例えば、
該芳香族ポリアミド短繊維を所定の比率になるように秤
量し、繊維濃度が約0.15〜0.40重量%の範囲に
なる様に水中に投入して均一分散させ、調整した水性ス
ラリー中に、必要に応じて、分散剤や粘度調整剤を加え
た後、長網式や丸網式等の抄紙機による湿式抄造法で湿
紙を形成し、この湿紙にもし必要ならば、有機系のバイ
ンダー樹脂をスプレー方式等により所定の固形分比率の
重量になるよう付与した後、乾燥して得た乾燥紙を所定
の嵩密度の範囲となるように加熱加圧加工して芳香族ポ
リアミド繊維紙を得ることが出来る。
【0041】例えば、カレンダー機を用いて加熱加圧加
工を行う場合は、直径約15〜80cmからなる1ケの
硬質表面ロールと直径約30〜100cmからなる1ケ
の表面変形可能な弾性ロールとの間で、または、より好
ましくは、直径約20〜80cmからなる2ケの硬質表
面ロール同士の間で行えばよい。その際、メタ型芳香族
ポリアミド短繊維や有機系高分子重合体からなるフィブ
リッドを軟化または部分溶融させてバインダー成分とし
ての機能を充分に発揮させるためには、220〜400
℃の温度範囲で行うものがよく、好ましくは、250〜
350℃、さらに好ましくは、280℃〜330℃の温
度範囲で行うことにより優れた結合結果が得られる。ま
た、圧力は147〜245daN/cm(150〜25
0kg/cm)の範囲の線圧力で行うものがよく、好ま
しくは、176.4〜245daN(180〜250k
g/cm)の範囲の線圧力で行うものが例示される。ま
た、該カレンダーによる加熱加圧加工は、カレンダー機
の1段の処理でもよいがより厚さ方向により均質な紙を
得るためには予備的に加熱加圧処理を施すカレンダー機
の2段処理を行うことも出来る。
【0042】このような加熱加圧加工処理により、芳香
族ポリアミド繊維紙の嵩密度が、0.45〜1.13g
/cm3、好ましくは、0.50〜0.88g/cm3
更に好ましくは、0.55〜0.75g/cm3の範囲
内に入るように製紙工程で紙の嵩密度を調整、コントロ
ールすることができる。
【0043】また、電気回路板用積層物の製造には、通
常、約220℃の高温で熱処理する工程があるため、該
熱処理温度以上の熱履歴を該芳香族ポリアミド繊維紙に
予め与えておかないと、該熱処理工程で該芳香族ポリア
ミド繊維紙の熱寸法変化や内部歪みが発現し、耐熱寸法
安定性や耐変形性を低下せしめる問題も生じて好ましく
ない。このため本発明では、温度:280℃〜330
℃、線圧:176.4〜245daN(180〜250
kg/cm)の範囲内の条件でカレンダー加工するのが
最適であり、この条件下で作成された芳香族ポリアミド
繊維紙は、例えば、温度280℃×5分間熱処理した後
の熱寸法変化率が0.30%以下と小さく耐熱寸法安定
性に優れ、嵩密度も0.55〜0.75g/cm3範囲
内となり、引張強力や層間剥離強力も前記性能以上のも
のが得られ、電気回路板用積層物やその製造工程で要求
される諸特性を充分に満足でき得る芳香族ポリアミド繊
維紙になる。なお、該加熱加圧条件が400℃、245
daN/cm(250kg/cm)を超えると、得られる
紙の嵩密度が1.13g/cm3を超えるために好まし
くない。また、該加熱加圧加工処理により、紙を構成す
る短繊維の結晶化等が進み、得られる芳香族ポリアミド
繊維紙の吸水率が低下し、平衡水分率を3%以下にする
ことも可能である。
【0044】芳香族ポリアミド短繊維の平衡水分率があ
まりに高いと(例えば、7%以上)、加熱加圧加工を施
しても得られた芳香族ポリアミド繊維紙の平衡水分率が
3%を超えることがあるので(平衡水分率が3%を超え
ると絶縁性などの電気特性に悪影響を与えるので好まし
くない)、電気回路板用積層物の基材に使用するために
は芳香族ポリアミド短繊維やフィブリッドの選択と配合
割合には注意を要する。
【0045】なお、該芳香族ポリアミド繊維紙の平衡水
分率は、JIS,L―1013に準拠し、以下の方法で
測定する。すなわち、湿式抄造して作成した後、加熱加
圧加工して得られた芳香族ポリアミド繊維紙を温度12
0℃の雰囲気中で絶乾した後、該絶乾状態での該芳香族
ポリアミド繊維紙の重量を測定し、さらに温度20℃か
つ相対湿度65%RHの雰囲気中において72時間調製
した後の、該芳香族ポリアミド繊維紙の重量を測定して
該芳香族ポリアミド繊維紙の絶乾状態での重量に対する
割合を算出し、これを百分率(%)にて表し平衡水分率
を求める。
【0046】
【発明の作用】本発明の芳香族ポリアミド繊維紙は、紙
を構成する短繊維の内、パラ型芳香族ポリアミド短繊維
の少なくとも一部がその長さ方向に互いに独立した少な
くとも2個の突起部を有するものであるために、短繊維
同士が強硬に結合された形態となる。すなわち、従来の
ように均一な太さを有する短繊維と比較すると、突起部
を有する短繊維を用いたものでは、紙中での繊維の引抜
き抵抗が著しく増加するため、補強効果が大きく向上す
るためと推察される。
【0047】また、本発明の芳香族ポリアミド繊維紙
は、比較的短い長さの微小フィブリッド及び水分散型の
結合補助剤の両方にバインダーとしての機能を持たせて
いるために、比較的低嵩密度でも高い引張強力と高い層
間剥離強度を有し、かつ、紙の厚さ方向や面方向の熱や
温度、湿度に対する寸法変化が嵩密度が低いわりには小
さく、配合ワニスなどの樹脂含浸性も嵩密度の割には良
好であり、プレス積層成形工程における短繊維の部分的
な移動も少ない均一性に富んだ積層物の成形を可能なら
しめるものである。
【0048】
【発明の効果】このようにして得られる本発明の芳香族
ポリアミド繊維紙は、従来技術で作成された芳香族ポリ
アミド繊維紙が電気回路板用積層物に使用される際に有
していた諸問題、特に、温度や湿度の変化による寸法変
化を低下させ、吸水率(平衡水分率)を低下させて電気
絶縁性を改良せしめたものであり、引張強力や層間剥離
強力の高い芳香族ポリアミド繊維紙を得たものである。
該芳香族ポリアミド繊維紙を基材に使用した電気回路板
用積層物は、その製造工程や用途において、捩じれや反
り、波打ちなどが殆ど発生しないため、微細回路の設計
が可能で、且つ、リードレスセラミックチップキャリヤ
ー(LCCC)やベアーチップ等の温度湿度膨張係数の
小さな電子部品を直接ハンダ付け搭載しても長期に渡っ
て高い信頼性を維持できる画期的なものであり、特に、
本発明の芳香族ポリアミド繊維紙は高度の軽量性や高度
の耐熱、耐湿寸法安定性、電気絶縁性が要求される用途
の電気回路板用積層物の基材として好適である。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例で用いた試験片の作成方法、及
び、その評価方法は下記の方法によった。
【0050】<試験片の作成方法> (1)突起部を有するパラ型芳香族ポリアミド繊維の製
造 所定の繊維径(繊度:0.33〜5.56dtex(0.
3〜5.0de))に紡糸された芳香族ポリアミド繊維に
水を付与しながら引き揃え、トータルの繊度が約11.
1万dtex(10万de)になるように束ねて、張力を
掛けながらギロチンカッターにより目的とする長さ(2
〜12mm)にカットすることにより短繊維の切り口の
両端部(カット部)、又は、該両端部近傍に、環状突起部
の最大径:d1と該突起部を繋ぐ短繊維の細い部分の平
均径:d2との比率:d1/d2が1.1以上となるよう
な2個の環状突起が形成された芳香族ポリアミド短繊維
を得た。
【0051】一方、短繊維の切り口の端部:d3と短繊
維の中央部の平均径:d2との比率:d3/d2が1.0
5未満となるような短繊維を得るために、所定の繊維径
(繊度:0.33〜5.56dtex)に紡糸された芳香
族ポリアミド繊維に水を付与しながら引き揃え、トータ
ルの繊度が約11.1万dtex(10万de)になるよ
うに束ねて、高速度(刃先線速度:5m/分以上)で回転
するカッターにより目的とする長さ(2〜12mm)にカ
ットして芳香族ポリアミド短繊維(比較用)を得た。
【0052】(2)繊維紙の作成 前記(1)で作成された芳香族ポリアミド短繊維、更に、
下記の実施例でそれぞれ記載する芳香族ポリアミド短繊
維及び有機系高分子重合体からなるフィブリッドを用い
て水に分散させ、公知の方法により抄造し、該抄造紙を
温度:110℃で乾燥させ、さらに、1対の金属ロール
を有するカレンダー装置で温度:200℃〜350℃、
線圧力:196daN/cm(200kg/cm)、カレ
ンダー速度:4m/分の条件でカレンダ―処理を行い芳
香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0053】(3)プリプレグの作成 前記(2)で得た芳香族ポリアミド繊維紙を基材として用
い、該基材に樹脂ワニスを含浸させる。含浸樹脂ワニス
は熱硬化性樹脂を樹脂主成分として用い、さらに、硬化
剤、触媒などを溶剤に溶解混合して適度な粘度に調整し
たものを使用する。含浸方法としては、該基材を連続的
に前記樹脂ワニスに含浸し、溶剤を乾燥させる塗工機を
用いて乾燥させてプリプレグを得る。
【0054】(4)プリント配線基板の作成 前記(3)で得たプリプレグの両面に厚さ:35μmの電
解銅箔を重ね、圧力:20〜50kg/cm2、積層温
度:0〜260℃の範囲で60分間熱圧着処理を行い、
この時の積層温度は使用した含浸樹脂の種類や硬化温度
の相違に応じて変更して行う。
【0055】<試験片の評価方法> (5)突起部の最大径の比率 芳香族ポリアミド短繊維100本を光学顕微鏡により観
察して、それぞれの短繊維について環状突起部の最大
径:d1と該環状突起部を繋ぐ細い部分の径:d2とを測
定し、d1/d2を求め、100個のd1/d2からその平均
値を求める。
【0056】(6)紙の嵩密度 JIS C−2111の6.1に準拠する方法で測定し
た。
【0057】(7)紙の引張り強力 定速伸長型引張試験機を用い、JIS C−2111の
7に準拠する方法で測定した。
【0058】(8)紙の層間剥離強力 定速伸長型引張試験機を用い、長さ200mm、幅15
mmの試料の中間層部をT字状に剥離する時の強力
(9.8mN/15mm)を測定した。
【0059】(9)紙の熱寸法変化率 高精度二次元座標測定機(ムトウ工業株式会社製)を用
い、長さ250mm、幅50mmの試料の長さ方向につ
いて、熱処理前と温度280℃で5分間熱処理した後の
長さを測定し、下記計算式により熱寸法変化率を算出し
た。なお、測定用の試料は、連続紙の長さ方向と幅方向
から採取して測定し、その平均値で比較判定した。
【0060】
【数1】
【0061】(10)プリント配線基板の反り量 前記のプリプレグを3枚用いて重ね、熱プレス処理した
後に200mm角の両面銅張り積層板の銅箔を除去した
硬化基板を定盤の上に置き、硬化基板の4隅で浮き上が
り量の一番大きい個所の反り量を測定する。
【0062】(11)高湿度下での絶縁抵抗値 高純度のブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に硬化剤と
してジシアンジアミド、硬化促進剤として2−エチル−
4メチルイミダゾールを配合してなるエポキシ樹脂組成
物をメチルエチルケトンとメチルセルソルブの混合溶液
に溶解して得た配合ワニスを芳香族ポリアミド繊維紙に
含浸させた後、温度110〜120℃で5〜10分間乾
燥して、樹脂分の体積含有率が55%であるBステージ
のプリプレグ紙を作成した。該プリプレグ紙を厚さ:1
8μの銅箔の両側に積層し、さらに、その外側に同一の
銅箔を積層し、ホットプレスにより、減圧下で170℃
×40kg/cm×50分間の条件でプレスを行い、樹
脂を硬化せしめて電気回路板用積層物を作成し、更に温
度200℃の熱風乾燥機内で約20分間硬化処理を行っ
た。この電気回路板用積層物の片面に、0.15mm間
隔の櫛型電極パターンをエッチングにより形成し、温度
60℃、相対湿度95%RHの雰囲気内で、この櫛形電
極間に35Vの直流電圧を印加しながら1000時間保
管した。次いで、該櫛形電極を温度:20℃、相対湿
度:60%RHの雰囲気内に1時間保管後、この櫛形電
極間に直流電圧(35〜90V)を60秒間印加して絶
縁抵抗値(Ω/cm)を測定した。
【0063】[実施例1]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニ
レン・テレフタルアミドからなる単繊維繊度:1.67
dtex(1.5de)、カット長:3mm、平衡水分
率:1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」):9
0重量%と有機系高分子重合体からなるフィブリッドと
して、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(デュポン
(株)製、「ノーメックス」)からなるフィブリッド:10
重量%を用い、パルパーにより水中に離解分散させ、こ
れに0.03%濃度になるように分散剤(松本油脂(株)
製、「YM−80」)を添加して、繊維濃度:0.20重
量%の抄紙用短繊維とフィブリッドが分散した抄紙用ス
ラリー液を作成した。
【0064】但し、芳香族ポリアミド短繊維であるコポ
リパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン・テ
レフタルアミドからなる短繊維は、前記(1)に示したよ
うにしてギロチンカッターによりd1/d2=1.15と
なるようにカットされたものを使用した。
【0065】次に、タッピー式角型手抄機を用い、該抄
紙用スラリー液を使用して抄紙し、軽く加圧脱水後、温
度160℃の熱風乾燥機中で約15分間乾燥して、芳香
族ポリアミド繊維紙を得た。次いで、直径約400mm
の一対の硬質表面金属ロールからなるカレンダー機を用
い、温度230℃、線圧:160kg/cmの条件で加
熱・加圧した後、さらに前記のポリメタフェニレンイソ
フタルアミドからなるフィブリッドを軟化・部分溶融さ
せて、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェ
ニレン・テレフタルアミド短繊維との接着を強固ならし
めるために、直径約500mmの一対の硬質表面金属ロ
ールからなる高温ハイカレンダー機を用い、温度:32
0℃、線圧:200kg/cmの条件で加熱、加圧して
目的とする坪量:72g/m2の芳香族ポリアミド繊維
紙を得た。
【0066】該芳香族ポリアミド繊維紙の平衡水分率は
1.9%であった。また、その他の特性について前記の
測定法により評価した諸特性は、表3に示す通りであっ
た。さらに該芳香族ポリアミド繊維紙を用い、前記に記
載した方法により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ
紙を作成し、該プリプレグ紙を使用して作成した電気回
路板用積層物について高湿度下に長時間保管した後の絶
縁抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
【0067】[実施例2]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、ポリパラフェニレンテレフタルアミドからなる単繊
維繊度:1.58dtex(1.42de)、カット長:
3mmの短繊維(デュポン(株)製、「ケブラー」):90重
量%を用いる以外は実施例1と同様に行って芳香族ポリ
アミド繊維紙を得た。
【0068】この紙について実施例1と同様の方法で評
価した諸特性は表3に併せて示す通りであった。また、
該芳香族ポリアミド繊維紙を用い、前記に記載した方法
により、配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成
し、該プリプレグ紙を使用して作成した電気回路板用積
層物について高湿度下に長時間保管したあとの絶縁抵抗
値を測定した。その結果を表3に併せて示す。
【0069】[実施例3]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニ
レン・テレフタルアミドからなる単繊維繊度:1.67
dtex(1.5de)、カット長:3mm、平衡水分
率:1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」):7
5重量%とポリメタフェニレンイソフタルアミドからな
り、製造工程における延伸倍率が1.4倍、単繊維繊度:
3.33dtex(3.0de)、カット長:6mmの短
繊維(帝人(株)製、「コーネックス」):15重量%とを用
い、さらに実施例1で使用した有機系高分子重合体から
なるフィブリッドとして、ポリメタフェニレンイソフタ
ルアミド(デュポン(株)製、「ノーメックス」)からなるフ
ィブリッド:10重量%を用いた以外は実施例1と同様
に行って目的とする芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0070】この紙について実施例1と同様の方法で評
価した諸特性は表3に示す通りであった。また該芳香族
ポリアミド繊維紙を用い、実施例1と同様に行って作成
した電気回路板用積層物について、実施例1と同一の方
法で評価した変形量と高湿度下での絶縁抵抗値は表3に
示す通りであった。
【0071】[実施例4]実施例3において、有機系高
分子重合体からなるフィブリッドとして、ポリメタフェ
ニレンイソフタルアミド(デュポン(株)製、「ノーメック
ス」)からなるフィブリッド:8重量%を用い、さらに、
抄紙時にビスフェノールAエピクロルヒドリン型水分散
性エポキシ樹脂バインダー(大日本化学工業(株)製)の水
希釈液(固形分濃度:2重量%)を、該樹脂の固形分付
着量が2重量%になるようにスプレーした以外は実施例
3と同様に行って目的とする芳香族ポリアミド繊維紙を
得た。
【0072】この紙について実施例1と同様の方法で評
価した諸特性は表3に示す通りであった。また該芳香族
ポリアミド繊維紙を用い、前記に記載した方法により、
配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成し、該プリ
プレグ紙を使用して作成した電気回路板用積層物につい
て高湿度下に長時間保管したあとの絶縁抵抗値を測定し
た。その結果を表3に併せて示す。
【0073】[実施例5]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニ
レン・テレフタルアミドからなる単繊維繊度:1.67
dtex(1.5de)、カット長:3mm、平衡水分
率:1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」):9
0重量%を用い、有機系高分子重合体からなるフィブリ
ッドとして、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(デ
ュポン(株)製、「ノーメックス」)からなるフィブリッ
ド:7重量%を用い、さらに、抄紙時にビスフェノール
Aエピクロルヒドリン型水分散性エポキシ樹脂バインダ
ー(大日本化学工業(株)製)の水希釈液(固形分濃度:2
重量%)を、該樹脂の固形分付着量が3重量%になるよ
うにスプレーした以外は実施例1と同様に行って目的と
する芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0074】この紙について実施例1と同様の方法で評
価した諸特性は表3に示す通りであった。また該芳香族
ポリアミド繊維紙を用い、前記に記載した方法により、
配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成し、該プリ
プレグ紙を使用して作成した電気回路板用積層物につい
て高湿度下に長時間保管したあとの絶縁抵抗値を測定し
た。その結果を表3に併せて示す。
【0075】[実施例6]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニ
レン・テレフタルアミドからなる単繊維繊度:1.67
dtex(1.5de)、カット長:3mm、平衡水分
率:1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」):9
2重量%と有機系高分子重合体からなるフィブリッドと
して、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェ
ニレン・テレフタルアミドからなるフィブリッド(帝人
(株)製):8重量%を用いる以外は実施例1と同様に
行って芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0076】この紙について実施例1と同様の方法で評
価した諸特性は表3に示す通りであった。また該芳香族
ポリアミド繊維紙を用い、前記に記載した方法により、
配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成し、該プリ
プレグ紙を使用して作成した電気回路板用積層物につい
て高湿度下に長時間保管したあとの絶縁抵抗値を測定し
た。その結果を表3に併せて示す。
【0077】[実施例7]芳香族ポリアミド短繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニ
レン・テレフタルアミドからなる単繊維繊度:1.67
dtex(1.5de)、カット長:3mm、平衡水分
率:1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」):9
2重量%を用い、有機系高分子重合体からなるフィブリ
ッドとして、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシ
ジフェニレン・テレフタルアミドからなるフィブリッド
(帝人(株)製):5重量%を用い、さらに、抄紙時に
ビスフェノールAエピクロルヒドリン型水分散性エポキ
シ樹脂バインダー(大日本化学工業(株)製)の水希釈液
(固形分濃度:2重量%)を、該樹脂の固形分付着量が
3重量%になるようにスプレーした以外は実施例1と同
様に行って目的とする芳香族ポリアミド繊維紙を得た。
【0078】この紙について実施例1と同様の方法で評
価した諸特性は表3に示す通りであった。また該芳香族
ポリアミド繊維紙を用い、前記に記載した方法により、
配合ワニスを含浸させてプリプレグ紙を作成し、該プリ
プレグ紙を使用して作成した電気回路板用積層物につい
て高湿度下に長時間保管したあとの絶縁抵抗値を測定し
た。その結果を表3に併せて示す。
【0079】[比較例1]芳香族ポリアミド繊維とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニ
レン・テレフタルアミドからなる単繊維繊度:1.67
dtex(1.5de)、カット長:3mm、平衡水分
率:1.8%の短繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」):7
5重量%と、ポリメタフェニレンイソフタルアミドから
なり、製造工程における延伸倍率が1.4倍、短繊維繊
度:3.33dtex(3.0de)、カット長:6mm
の短繊維(帝人(株)製、「コーネックス」):15重量%を
用い、さらに、有機系高分子重合体からなるフィブリッ
ドとして、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(デュ
ポン(株)製、「ノーメックス」)からなるフィブリッド:
10重量%を用い、抄紙用スラリーを作成する際に、該
コポリパラフェニレン・3,4’―オキシジフェニレン
・テレフタルアミドからなる短繊維として、刃先線速
度:8m/分で回転するカッターによりd1/d2=1.0
2となるようにカットしたものを使用して芳香族ポリア
ミド繊維紙を得た。
【0080】この紙について実施例1と同様の方法で評
価した諸特性は表3に示す通りであった。また該芳香族
ポリアミド繊維紙を用い、実施例1と同様に行って作成
した電気回路板用積層物について、実施例1と同一の方
法で評価した変形量と高湿度下での絶縁抵抗値は表3に
示す通りであった。
【0081】なお、[表1]には実施例1〜7及び比較
例1に示した芳香族ポリアミド繊維紙の主な構成成分
を、[表2]には実施例1〜7及び比較例1に示した芳
香族ポリアミド繊維紙に使用した芳香族ポリアミド短繊
維について、突起部の最大径:d1と突起部以外の部分
の径:d2との比率を示した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するパラ型芳香族ポリアミド短繊
維の例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 環状突起部 2 環状突起部を繋ぐ部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−119989(JP,A) 特開 平9−228289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 B29C 67/12 - 67/18 H05K 3/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミド短繊維と有機系高分子
    重合体からなるフィブリッドとを主成分とし、該有機系
    高分子重合体からなるフィブリッドの少なくとも一部は
    溶融して該パラ型芳香族ポリアミド短繊維間を結合して
    なる芳香族ポリアミド繊維紙において、該芳香族ポリア
    ミド短繊維が紙の全重量の40〜97重量%、有機系高
    分子重合体からなるフィブリッドが紙の全重量の3〜6
    0重量%の範囲にあり、該芳香族ポリアミド短繊維全重
    量中の50重量%以上がパラ型芳香族ポリアミド短繊維
    からなり、且つ、該パラ型芳香族ポリアミド短繊維の少
    なくとも一部はその長さ方向に互いに独立した2個以上
    の環状突起部を有し、各環状突起部の最大径:d1と突
    起部を繋ぐ細い部分の平均径:d2との比率が、d 1/d
    2≧1.1を満足する形状を有することを特徴とする芳
    香族ポリアミド繊維紙。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミド短繊維の繊維長が、2
    〜12mmの範囲にある請求項1記載の芳香族ポリアミ
    ド繊維紙。
  3. 【請求項3】 パラ型芳香族ポリアミド短繊維が、ポリ
    パラフェニレンテレフタルアミドからなる短繊維、又
    は、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニ
    レン・テレフタルアミドからなる短繊維である請求項1
    又は2記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリアミド繊維紙中の有機系高分
    子重合体からなるフィブリッドの全重量の1/3以下
    を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ホ
    ルムアルデヒド樹脂及びフルオロ重合体樹脂からなる群
    から選択された水分散型の結合補助剤の少なくとも1種
    以上で代替して形成されてなる請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の芳香族ポリアミド繊維紙。
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