JPH08209455A - チタン酸カリウム繊維およびその製造方法 - Google Patents

チタン酸カリウム繊維およびその製造方法

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JPH08209455A
JPH08209455A JP3934395A JP3934395A JPH08209455A JP H08209455 A JPH08209455 A JP H08209455A JP 3934395 A JP3934395 A JP 3934395A JP 3934395 A JP3934395 A JP 3934395A JP H08209455 A JPH08209455 A JP H08209455A
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potassium titanate
potassium
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Naomichi Hori
直通 堀
Isao Yamamoto
勲 山本
Yasumasa Tanaka
保正 田中
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Otsuka Chemical Co Ltd
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NIPPON UISUKAA KK
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合強化材、摩擦材または濾過材などの用途
に対して好適な繊維形状と物性範囲を備えるチタン酸カ
リウム繊維と、簡易なプロセスで容易に物性調整ができ
るチタン酸カリウム繊維の製造方法を提供する。 【構成】 Al2 3 および/またはSiO2 を 0.1〜
10重量%含有する組成を有し、平均繊維径が 0.2〜2μ
m 、平均繊維長5〜30μm の繊維形状と、好ましくは窒
素吸着比表面積1〜30m2/g 、嵩比重(タップ密度)0.
05〜0.5g/cc の物性を備えるチタン酸カリウム繊維。製
造方法は、 (a)酸化チタンと (b)酸化カリウムおよび/
または加熱により酸化カリウムを生成するカリウム化合
物の混合物(TiO2/K2O換算モル比;2.0〜8.0)を主原料と
し、これに (c)金属チタン〔 (a)に対して0.1 〜5wt%
〕、(d) アルミナおよび/ または (e)シリカ〔(a) に
対して0.1〜10wt% 〕を添加したのち、 900〜1200℃の
温度域で焼成することを主要な構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックや軽金属
に対する複合強化材、摩擦材、濾過材等に用いられるチ
タン酸カリウム繊維およびその製造方法に係り、詳しく
は特定量のアルミナおよび/またはシリカを含有し、か
つ特定の繊維形状を備えるチタン酸カリウム繊維ならび
に任意の繊維性状を有するチタン酸カリウム繊維の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン酸カリウム繊維は、現在、プラス
チックや軽金属の複合補強材、摩擦材あるいは濾過材等
として有用されている。該チタン酸カリウム繊維に求め
られる物性は、適用する用途に応じて様々であるが、一
般的には繊維径と繊維長の比であるアスペクト比の高い
こと、マトリックスとなるプラスチックや軽金属との反
応性が少ない安定した化合物であること、および安価で
あることが要求されている。
【0003】従来、チタン酸カリウム繊維の製造手段と
しては、焼成法、フラックス法、溶融法、水熱法、融体
法など多様な方法が知られているが、このうち焼成法、
フラックス法および融体法が工業的に有利な製造技術と
されている。フラックス法は炭酸カリウムと二酸化チタ
ンの混合物を出発原料とし、これに塩化カリウムまたは
弗化カリウムのような融材(フラックス)を添加して反
応させる方法で、得られるチタン酸カリウム繊維は細く
て長いアスペクト性状に優れた繊維形状を有すると共に
単繊維結晶の収率も高いという利点はあるが、高価な融
材を使用することにより製造コスト高になるという経済
的問題と、使用される塩化カリウムや弗化カリウムによ
って塩素や弗素を含む有害かつ腐食性の高いガスの発生
を伴うこと、融材の回収に高価な設備を必要とするうえ
工程が煩雑であるなどの欠点がある。融体法は、炭酸カ
リウムと二酸化チタンの混合物を1100℃以上に加熱
して溶融させたのち急冷固化するプロセスで、得られる
団塊は極めて繊維質に富むものの、その組成は二チタン
酸カリウム繊維(K2Ti2O5) であって、繊維径の太い非晶
質の繊維であるため強度的に弱く、そのままでは利用分
野が制限される欠点がある。
【0004】これに対し焼成法は、比較的安価な原料、
例えば高純度の二酸化チタンの代わりに原料鉱石である
ルチルサンドまたはアナターゼサンドあるいはイルメナ
イトのアップグレード鉱をチタン系原料として使用する
方法(特開昭60−34617 号公報)が提案されるなど、工
業的なチタン酸カリウム繊維の製法として注目を集めて
いる。ところが、この方法による場合には安定した針状
結晶を有する繊維は生成し得るものの、形状にバラつき
が多いため用途が限定される難点がある。
【0005】このような問題を解消した焼成法の改良方
法として、特開昭62−256799号公報には、酸化
チタン含有鉱石とカリウム化合物の混合物に、チタン粉
末および/または水素化チタン粉末ならびにアルコール
類を添加混合した組成物を加熱焼成することによって繊
維形状の整ったチタン酸カリウム繊維を得る方法が開示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近時、チタン酸カリウ
ム繊維の用途が拡大するに伴い、各用途分野毎にアスペ
クト比に代表される繊維形状をはじめ、嵩比重や比表面
積等に至るまで繊維形状に対する物性上の高品質化が一
層厳しく要望されており、特に例えばプラスチックの強
化材に対してはアスペクト比の高いもの、濾過材や摩擦
材については嵩比重や比表面積の高いものなど、各用途
に最も好適な個別の物性付与が要求されている。したが
って、安価な生産コストで前記要求に沿うためには、高
価な設備や煩雑な工程を採らずに物性を容易に調整し得
る製造技術を開発する必要がある。
【0007】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果、主原料である酸化チタンと炭酸カリ
ウムのTiO2 /K2 O換算モル比を特定範囲に設定
し、この混合物に金属チタン粉末とアルミナ成分および
/またはシリカ成分を添加混合した組成物を焼成する
と、繊維径や繊維長の繊維形状のほか、嵩比重(タップ
密度)や窒素吸着比表積(N2SA)を特定の範囲内で容易に
所望の物性に調整し得ることを確認した。
【0008】本発明はかかる知見に基づいて開発された
もので、その目的とするところは、複合強化材、摩擦材
または濾過材などの用途に対して好適な物性範囲を備え
るチタン酸カリウム繊維と、前記物性範囲で所望の繊維
形状、嵩比重(タップ密度)および窒素吸着比表面積に
調整可能なチタン酸カリウム繊維の製造方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるチタン酸カリウム繊維は、Al2 3
および/またはSiO2 を0.1〜10重量%含有する
組成を有し、平均繊維径0.2〜2μm 、平均繊維長5
〜30μm の繊維形状を備えることを主要な構成上の特
徴とし、好ましくは窒素吸着比表面積(N2SA)が1〜30
m2/g、さらには嵩密度(タップ密度)が0.05〜0.
5g/ccの物性を兼備することを付加的要件とするもので
ある。
【0010】本発明に係るチタン酸カリウム繊維の主要
な物性的特徴は、Al2 3 および/またはSiO2
0.1〜10重量%含有する組成にあり、この特有の成
分組成により各種用途に適合し得る平均繊維径0.2〜
2μm 、平均繊維長5〜30μm の繊維形状を備え、か
つ窒素吸着比表面積(N2SA)1〜30m2/g、嵩比重(タッ
プ密度)0.05〜0.5g/cc範囲の巾広い物性が具備
される。
【0011】上記の物性を備えるチタン酸カリウム繊維
は、(a) 酸化チタン(TiO2) と(b)酸化カリウム(K2O)
および/または加熱により酸化カリウムを生成するカリ
ウム化合物を主原料とし、これに (c)金属チタン粉末(T
i)、(d) アルミナ(Al2O3)または加熱によりアルミナを
生成するアルミニウム化合物、および/または (e)シリ
カ(SiO2) または加熱によりシリカを生成するケイ素化
合物を添加混合したのち、900〜1200℃の温度域
で0.5〜10時間焼成する方法により製造される。
【0012】主原料を構成する (a)酸化チタン(TiO2)と
しては、水酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、ル
チル型二酸化チタン、天然ルチル鉱石およびアップグレ
ードイルメナイト鉱石のいずれか1種または2種以上の
混合物を挙げることができ、また(b) 酸化カリウム(K
2O) および/または加熱により酸化カリウムを生成する
カリウム化合物としては、K2 O、KOH、K2 CO3
またはKNO3 あるいはこれらの2種以上の混合物が使
用される。これら主原料に添加混合する(c) 金属チタン
粉末(Ti)には、金属チタンの精錬工程で得られるスポン
ジチタンのアンダーメッシュ品の使用がコスト面から好
ましいが、水素化チタン粉などを用いることもできる。
【0013】(d) アルミナ(Al2O3) としては、一般に市
販されているアルミナ粉末を適宜に使用することができ
る。しかし、アルミナ粉末に代えて加熱によりアルミナ
を生成する水酸化アルミニウム〔Al(OH)3 〕等のアルミ
ニウム化合物や金属アルミニウム粉末を使用することも
できる。(e) シリカ(SiO2)成分としては、加熱によりシ
リカを生成する水酸化ケイ素〔Si(OH)4 〕等のケイ素化
合物や金属ケイ素粉末を用いることもできるが、コスト
面を考慮するとホワイトカーボンのようなSiO2 含有
率95重量%程度のものが好ましく使用される。
【0014】原料成分の混合組成は、(a) 成分と (b)成
分の混合比をTiO2 /K2 O換算モル比で2.0〜
8.0の範囲とし、(a) 成分に対する (c)成分の添加量
を0.1〜5重量%、(d) 成分および/または (e)成分
の添加量を0.1〜10重量%にそれぞれ設定する。こ
れらの混合比率が前記の範囲を外れると、目的とするA
2 3 および/またはSiO2 を0.1〜10重量%
含有する組成を有し、かつ平均繊維径0.2〜2μm 、
平均繊維長5〜30μm の繊維形状が得られず、さら
に、窒素吸着比表面積(N2SA)1〜30m2/g、嵩比重(タ
ップ密度)0.05〜0.5g/cc範囲の性状を備えるチ
タン酸カリウム繊維を得ることができなくなる。
【0015】(a) 成分と (b)成分に (c)〜(e) 成分を添
加した混合物は、900〜1200℃の温度域で焼成処
理してチタン酸カリウム繊維に転化させる。900℃未
満の焼成温度ではチタン酸カリウム繊維が円滑に生成せ
ず、また1200℃を越える加熱は目的とする繊維形状
や物性を備えるチタン酸カリウム繊維の生成を阻害する
結果を招くとともに、製造原価を高めるため好ましくな
い。
【0016】上記の方法において、(c) 成分、(d) 成分
および/または (e)成分の添加量を調整して (a)成分お
よび (b)成分のTiO2 /K2 O換算モル比を一定に維
持しながら同一の温度ならびに時間の焼成処理を施す
と、上述した物性範囲内において繊維形状、嵩比重(タ
ップ密度)および窒素吸着比表面積(N2SA)を任意に制御
することができる。
【0017】とくに、(a) 成分および (b)成分のTiO
2 /K2 O換算混合モル比を2.0〜8.0の範囲内と
し、(a) 成分に対して (c)成分0.1〜5重量%および
(d)成分0.1〜10重量%を各添加した混合物を、9
00〜1200℃の温度域で0.5〜10時間焼成する
条件を設定するとにより平均繊維径0.2〜0.7μm
の高いアスペクト性状を付与することができ、また (a)
成分および (b)成分のTiO2 /K2 O換算混合モル比
を同様に2.0〜8.0の範囲内とし、(a) 成分に対し
て (c)成分0.1〜5重量%および (e)成分0.1〜1
0重量%を添加した混合物を、900〜1200℃の温
度域で0.5〜10時間焼成することにより平均繊維径
0.8μm 以上の極太繊維形状のチタン酸カリウム繊維
を得ることが可能となる。
【0018】
【作用】本発明により提供されるチタン酸カリウム繊維
は、Al2 3 および/またはSiO2 を0.1〜10
重量%の範囲で含有しており、この特有の成分組成によ
り各種用途に適合し得る平均繊維径0.2〜2μm 、平
均繊維長5〜30μm の繊維形状を有し、かつ嵩比重
(タップ密度)0.05〜0.5g/cc、窒素吸着比表面
積(N2SA)1〜30m2/g範囲の巾広い物性が具備される。
【0019】また、本発明に係る製造方法によれば、主
原料となる (a)成分と(b) 成分の混合比をTiO2 /K
2 O換算モル比として2.0〜8.0の範囲に調整し、
これに対して (c)〜(e) 成分を適宜に選択した添加混合
物を焼成処理することにより上記物性範囲内において所
望の平均繊維形状、嵩比重および窒素吸着比表面積に制
御することができる。この際、(c) 成分は主原料と混合
して焼成する際にチタン酸カリウム繊維を効率よく生成
させるための反応促進剤として機能し、また (d)成分お
よび (e)成分はそれぞれ単独もしくは併用することによ
り反応調整剤的な作用を営む。このため、 (c)〜(e) 成
分を特定された添加混合範囲内で適宜に増減することに
より、主原料成分の混合比率を変えることなく、しかも
一定の焼成条件(焼成温度 900〜1200℃、焼成時間 0.5
〜10時間)において所望の物性が容易に付与される。一
方、繊維表面はアルミナおよび/またはシリカによって
コーティングされており、比表面積の向上ならびに優れ
た耐候性を与えるために寄与する。このような作用が相
俟って、簡易な条件設定により各用途目的に好適な繊維
形状および物性を備えるチタン酸カリウム繊維を工業的
に製造することが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0021】実施例1 市販のアナターゼ型酸化チタン〔テイカ(株)製、JA−
1〕6mol に対し1.9mol の顆粒状炭酸カリウム〔旭
ガラス(株)製〕を配合して主原料とし、該主原料に添
加剤として金属チタン粉末を酸化チタンに対して3重量
%とAl2 3粉末を酸化チタンに対して3重量%の量
比で添加し、ビニール袋中で予備ブレンドしたのちハン
マーミル〔ホソカワミクロン(株)製、“パルペライザ
ー”〕で2次粉砕混合した。混合原料をニッケル製ルツ
ボに入れ、電気炉中にセットして1070℃で2時間焼
成した。ついで、焼成物をポリ容器中の水に投入し1時
間浸漬したのち、コロイドミル〔特殊機化工業(株)
製、“マイコロイダー”〕で解繊処理を施した。得られ
たスラリーを分級し、微粒側を硫酸にてpH7.5まで
カリウム量の調整を行った。このスラリーを濾過し、6
00℃の温度で1時間熱処理を行い、熱処理品を分散し
分級した。
【0022】このようにして得られたチタン酸カリウム
繊維は、図1に示した電子顕微鏡写真(SEM写真)の
とおり極めて整った繊維形状を呈しており、針状単結晶
の8チタン酸カリウム繊維であることが確認された。そ
の繊維物性を測定したところ、表1に示す結果が得られ
た。なお、各物性の測定は、平均繊維長については光学
顕微鏡の画像をテレビモニターに写し出しその画像をコ
ンピューターで解析したデーターから算出し、平均繊維
径の測定方法は分散してサンプリングした繊維をSEM
にて写真撮影しその写真から各繊維をルーペにて測定し
倍率換算した。標準偏差については平均繊維径を測定す
るため撮影したSEM写真を基にルーペで計測したデー
ターから計算した。また、窒素吸着比表面積については
BET多点連続流動法〔湯浅アイオニクス(株)製、カ
ンタソープ型、QS-17 〕で測定した。
【0023】実施例2 実施例1と同一の主原料に対し、添加剤として金属チタ
ン粉末を酸化チタンに対して3重量%とSiO2 粉末を
酸化チタンに対して3重量%添加した。以後の操作条件
は実施例1と同一にしてチタン酸カリウム繊維を製造し
た。得られたチタン酸カリウム繊維は、図2の電子顕微
鏡写真に示したように整った繊維形状を呈しており、8
チタン酸カリウム繊維であることが確認された。その繊
維物性を測定した結果を表1に併載した。
【0024】実施例3 実施例1と同一の主原料に対し、添加剤として金属チタ
ン粉末を酸化チタンに対し3重量%、SiO2 粉末1.
5重量%およびAl2 3 粉末1.5重量%をそれぞれ
添加した。以後の操作条件は実施例1と同一にしてチタ
ン酸カリウム繊維を製造した。得られたチタン酸カリウ
ム繊維は、図3の電子顕微鏡写真に示したように整った
繊維形状を呈しており、8チタン酸カリウム繊維である
ことが確認された。その繊維物性を測定した結果を表1
に併載した。
【0025】実施例4 実施例1において、焼成温度を1040℃、焼成時間を
3時間に変えたほかは全て同一の操作条件によりチタン
酸カリウム繊維を製造した。得られたチタン酸カリウム
繊維は、8チタン酸カリウム繊維であり、繊維物性は表
1に併載したとおりであった。
【0026】実施例5 実施例2において、焼成温度を1040℃、焼成時間を
3時間に変えたほかは全て同一の操作条件によりチタン
酸カリウム繊維を製造した。得られたチタン酸カリウム
繊維は、8チタン酸カリウム繊維であり、繊維物性は表
1に併載したとおりであった。
【0027】実施例6 実施例3において、焼成温度を1040℃、焼成時間を
3時間に変えたほかは全て同一の操作条件によりチタン
酸カリウム繊維を製造した。得られたチタン酸カリウム
繊維は、8チタン酸カリウム繊維であり、繊維物性は表
1に併載したとおりであった。
【0028】実施例7 実施例4において、焼成温度を1100℃に変えたほか
は全て同一の操作条件によりチタン酸カリウム繊維を製
造した。得られたチタン酸カリウム繊維は、8チタン酸
カリウム繊維であり、繊維物性は表1に併載したとおり
であった。
【0029】比較例1 実施例1と同一の主原料に対し、添加剤として金属チタ
ン粉末のみを酸化チタンに対し3重量%添加混合した。
以後の操作条件は実施例1と同一にしてチタン酸カリウ
ム繊維を製造した。得られたチタン酸カリウム繊維は、
図4の電子顕微鏡写真に示したように形状が不均一な繊
維形状を呈するものであった。また、表1に併載したよ
うに繊維物性も実施例に比べて劣るものであった。
【0030】
【表1】 〔表注〕*標準偏差は、平均繊維径を測定したSEM写真からルーペで計測した データから計算した。
【0031】表1の結果から明らかなとおり、本発明の
要件を満たす実施例によれば焼成条件を温度900〜1
200℃、焼成時間を0.5〜10時間の範囲において
添加成分の種類および添加量比を選択することにより繊
維形状および嵩比重、窒素吸着比表面積等の性状を所望
の範囲に調整し得ることが認められる。これに対し、添
加成分が金属チタン粉末のみの比較例1では、繊維形状
が不揃いのうえ、嵩比重が極端に高くなる結果を示し
た。
【0032】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればプラスチ
ックや軽金属に対する複合強化材、摩擦材および濾過材
として好適な繊維形状ならびに物理的性状を備えるチタ
ン酸カリウム繊維と、これを簡易な操作手段により所望
の物性に調整可能な製造方法を提供することができる。
さらに、付随的効果として生成されるチタン酸カリウム
繊維は表面がアルミナまたは/およびシリカで被覆され
た複合形態となるから、優れた耐候性を付与することも
できる。したがって、用途面の拡大を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られたチタン酸カリウム
繊維の繊維形状を示したた電子顕微鏡拡大写真(倍率:
3000倍)である。
【図2】図2は、実施例2で得られたチタン酸カリウム
繊維の繊維形状を示したた電子顕微鏡拡大写真(倍率:
3000倍)である。
【図3】図3は、実施例3で得られたチタン酸カリウム
繊維の繊維形状を示したた電子顕微鏡拡大写真(倍率:
3000倍)である。
【図4】図4は、比較例1で得られたチタン酸カリウム
繊維の繊維形状を示したた電子顕微鏡拡大写真(倍率:
3000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 保正 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3−3−5 日本 ウイスカー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al2 3 および/またはSiO2
    0.1〜10重量%含有する組成を有し、平均繊維径
    0.2〜2μm 、平均繊維長5〜30μm の繊維形状を
    備えることを特徴とするチタン酸カリウム繊維。
  2. 【請求項2】 窒素吸着比表面積(N2SA)が、1〜30m2
    /gである請求項1記載のチタン酸カリウム繊維。
  3. 【請求項3】 嵩比重(タップ密度)が、0.05〜
    0.5g/ccである請求項1又は2記載のチタン酸カリウ
    ム繊維。
  4. 【請求項4】 (a) 酸化チタン(TiO2) と(b) 酸化カリ
    ウム(K2O) および/または加熱により酸化カリウムを生
    成するカリウム化合物を主原料とし、これに(c) 金属チ
    タン粉末(Ti)、(d) アルミナ(Al2O3)または加熱により
    アルミナを生成するアルミニウム化合物、および/また
    は (e)シリカ(SiO2) または加熱によりシリカを生成す
    るケイ素化合物を添加混合したのち、900〜1200
    ℃の温度域で焼成することを特徴とするチタン酸カリウ
    ム繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 (a) 成分と (b)成分の混合比をTiO2
    /K2 O換算モル比で2.0〜8.0の範囲とし、(a)
    成分に対する (c)成分の添加量を0.1〜5重量%、
    (d) 成分および/または (e)成分の添加量を0.1〜1
    0重量%に設定する請求項4記載のチタン酸カリウム繊
    維の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5の方法において、(c)
    成分、(d) 成分および/または (e)成分の添加量を調整
    することにより (a)成分および (b)成分のTiO2 /K
    2 O換算モル比を一定に維持し、かつ焼成温度ならびに
    焼成時間を変更することなく、繊維形状、嵩比重(タッ
    プ密度)および窒素吸着比表面積(N2SA)を任意に制御す
    ることを特徴とするチタン酸カリウム繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または5の方法において、(a)
    成分および (b)成分のTiO2 /K2 O換算混合モル比
    を2.0〜8.0の範囲内とし、(a) 成分に対して (c)
    成分0.1〜5重量%および (d)成分0.1〜10重量
    %を添加した混合物を、900〜1200℃の温度域で
    0.5〜10時間焼成することを特徴とする高いアスペ
    クト比を示すチタン酸カリウム繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4または5の方法において、(a)
    成分および (b)成分のTiO2 /K2 O換算混合モル比
    を2.0〜8.0の範囲内とし、(a) 成分に対して(c)
    成分0.1〜5重量%および (e)成分0.1〜10重量
    %を添加した混合物を、900〜1200℃の温度域で
    0.5〜10時間焼成することを特徴とする極太繊維形
    状のチタン酸カリウム繊維の製造方法。
JP3934395A 1995-02-03 1995-02-03 チタン酸カリウム繊維およびその製造方法 Pending JPH08209455A (ja)

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