JPH08209280A - 成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents
成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法Info
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- JPH08209280A JPH08209280A JP1912095A JP1912095A JPH08209280A JP H08209280 A JPH08209280 A JP H08209280A JP 1912095 A JP1912095 A JP 1912095A JP 1912095 A JP1912095 A JP 1912095A JP H08209280 A JPH08209280 A JP H08209280A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、延性が高く、成形時に割れが発生し
ない成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造
方法を提供することを目的とする。 【構成】Ｍｇを４．０〜１０．０重量％を含有し、Ｍ
ｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群より選ばれた少
なくとも一つの元素をそれぞれ０．５重量％以下であっ
て合計で０．０１〜１．０重量％含有し、残部がＡｌお
よび不可避的不純物であるアルミニウム合金からなり、
アルミニウム合金において、存在する最大の金属間化合
物の寸法が円相当径で１０μｍ以下であり、金属間化合
物の面積占有率が１０％以下であることを特徴としてい
る。また、上記アルミニウム合金について、鋳塊からア
ルミニウム合金板までの総加工量が板厚減少率で少なく
とも９８％となるように加工を行うことを特徴としてい
る。
ない成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造
方法を提供することを目的とする。 【構成】Ｍｇを４．０〜１０．０重量％を含有し、Ｍ
ｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群より選ばれた少
なくとも一つの元素をそれぞれ０．５重量％以下であっ
て合計で０．０１〜１．０重量％含有し、残部がＡｌお
よび不可避的不純物であるアルミニウム合金からなり、
アルミニウム合金において、存在する最大の金属間化合
物の寸法が円相当径で１０μｍ以下であり、金属間化合
物の面積占有率が１０％以下であることを特徴としてい
る。また、上記アルミニウム合金について、鋳塊からア
ルミニウム合金板までの総加工量が板厚減少率で少なく
とも９８％となるように加工を行うことを特徴としてい
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の外板等に使用
される成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製
造方法に関する。
される成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製
造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、自動車の外板としては、成形性が
良好である冷延鋼板が主に用いられている。近年、自動
車車体の軽量化が要求され、自動車の外板としてアルミ
ニウム合金板を使用することが検討されている。自動車
の外板として使用するためには、高強度であると共に延
性が高いことが要求される。このため、自動車の外板に
は、５０５２合金、５１８２合金等のＡｌ−Ｍｇ合金か
らなるアルミニウム合金板が主に使用されている。
良好である冷延鋼板が主に用いられている。近年、自動
車車体の軽量化が要求され、自動車の外板としてアルミ
ニウム合金板を使用することが検討されている。自動車
の外板として使用するためには、高強度であると共に延
性が高いことが要求される。このため、自動車の外板に
は、５０５２合金、５１８２合金等のＡｌ−Ｍｇ合金か
らなるアルミニウム合金板が主に使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
Ａｌ−Ｍｇ合金からなるアルミニウム合金板は、冷延鋼
板に比べると、まだまだ延性が低く、成形時に割れが発
生し易い。この問題を解決するために、Ａｌ−Ｍｇ合金
に添加する元素を種々検討したり、不純物を低減させ
て、アルミニウム合金板の延性を改善する試みがなされ
ているが、充分な延性向上効果は得られていない。
Ａｌ−Ｍｇ合金からなるアルミニウム合金板は、冷延鋼
板に比べると、まだまだ延性が低く、成形時に割れが発
生し易い。この問題を解決するために、Ａｌ−Ｍｇ合金
に添加する元素を種々検討したり、不純物を低減させ
て、アルミニウム合金板の延性を改善する試みがなされ
ているが、充分な延性向上効果は得られていない。
【０００４】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、延性が高く、成形時に割れが発生しない成形性に
優れたアルミニウム合金板およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
あり、延性が高く、成形時に割れが発生しない成形性に
優れたアルミニウム合金板およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の第１の発明は、
Ｍｇを４．０〜１０．０重量％を含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，
Ｚｒ，およびＴｉからなる群より選ばれた少なくとも一
つの元素をそれぞれ０．５重量％以下であって合計で
０．０１〜１．０重量％含有し、残部がＡｌおよび不可
避的不純物であるアルミニウム合金からなり、前記アル
ミニウム合金において、存在する最大の金属間化合物の
寸法が円相当径で１０μｍ以下であり、金属間化合物の
面積占有率が１０％以下であることを特徴とする成形性
に優れたアルミニウム合金板を提供する。
Ｍｇを４．０〜１０．０重量％を含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，
Ｚｒ，およびＴｉからなる群より選ばれた少なくとも一
つの元素をそれぞれ０．５重量％以下であって合計で
０．０１〜１．０重量％含有し、残部がＡｌおよび不可
避的不純物であるアルミニウム合金からなり、前記アル
ミニウム合金において、存在する最大の金属間化合物の
寸法が円相当径で１０μｍ以下であり、金属間化合物の
面積占有率が１０％以下であることを特徴とする成形性
に優れたアルミニウム合金板を提供する。
【０００６】本発明の第２の発明は、アルミニウム合金
の鋳塊に熱間圧延加工を施し、次いでこれに冷間圧延加
工および焼鈍処理を順次施すことによりアルミニウム合
金板を得るアルミニウム合金板の製造方法において、前
記アルミニウム合金が、Ｍｇを４．０〜１０．０重量％
含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群より
選ばれた少なくとも一つの元素をそれぞれ０．５重量％
以下であって合計で０．０１〜１．０重量％含有し、残
部がＡｌおよび不可避的不純物であるアルミニウム合金
であり、前記鋳塊から前記アルミニウム合金板までの総
加工量が板厚減少率で少なくとも９８％となるように加
工を行うことを特徴とする成形性に優れたアルミニウム
合金板の製造方法を提供する。本発明の第１および第２
の発明において、アルミニウム合金がＣｕを０．１〜
０．５重量％含有するものであってもよい。
の鋳塊に熱間圧延加工を施し、次いでこれに冷間圧延加
工および焼鈍処理を順次施すことによりアルミニウム合
金板を得るアルミニウム合金板の製造方法において、前
記アルミニウム合金が、Ｍｇを４．０〜１０．０重量％
含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群より
選ばれた少なくとも一つの元素をそれぞれ０．５重量％
以下であって合計で０．０１〜１．０重量％含有し、残
部がＡｌおよび不可避的不純物であるアルミニウム合金
であり、前記鋳塊から前記アルミニウム合金板までの総
加工量が板厚減少率で少なくとも９８％となるように加
工を行うことを特徴とする成形性に優れたアルミニウム
合金板の製造方法を提供する。本発明の第１および第２
の発明において、アルミニウム合金がＣｕを０．１〜
０．５重量％含有するものであってもよい。
【０００７】
【作用】本発明の第１の発明は、Ｍｇを４．０〜１０．
０重量％を含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉから
なる群より選ばれた少なくとも一つの元素をそれぞれ
０．５重量％以下であって合計で０．０１〜１．０重量
％含有し、残部がＡｌおよび不可避的不純物であるアル
ミニウム合金からなり、アルミニウム合金において、存
在する最大の金属間化合物の寸法が円相当径で１０μｍ
以下であり、金属間化合物の面積占有率が１０％以下で
あることを特徴としている。
０重量％を含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉから
なる群より選ばれた少なくとも一つの元素をそれぞれ
０．５重量％以下であって合計で０．０１〜１．０重量
％含有し、残部がＡｌおよび不可避的不純物であるアル
ミニウム合金からなり、アルミニウム合金において、存
在する最大の金属間化合物の寸法が円相当径で１０μｍ
以下であり、金属間化合物の面積占有率が１０％以下で
あることを特徴としている。
【０００８】このように、上記組成を有するアルミニウ
ム合金において、最大の金属間化合物の寸法および面積
占有率を規定することにより、得られるアルミニウム合
金板の破断限界を向上させて成形性を改善することがで
きる。
ム合金において、最大の金属間化合物の寸法および面積
占有率を規定することにより、得られるアルミニウム合
金板の破断限界を向上させて成形性を改善することがで
きる。
【０００９】本発明において、アルミニウム合金の組成
を規定したのは以下の理由による。Ｍｇは、固溶するこ
とにより、得られるアルミニウム合金板の強度を増大さ
せると共に加工硬化性させる。これにより、アルミニウ
ム合金板の延性が向上して成形性が改善される。Ｍｇの
含有量を４．０〜１０．０重量％としたのは、含有量が
４．０重量％未満であると延性向上の効果に乏しく、１
０．０重量％を超えると耐応力腐食割れ性が悪化すると
共に熱間加工性が悪くなり、製造が困難になるためであ
る。
を規定したのは以下の理由による。Ｍｇは、固溶するこ
とにより、得られるアルミニウム合金板の強度を増大さ
せると共に加工硬化性させる。これにより、アルミニウ
ム合金板の延性が向上して成形性が改善される。Ｍｇの
含有量を４．０〜１０．０重量％としたのは、含有量が
４．０重量％未満であると延性向上の効果に乏しく、１
０．０重量％を超えると耐応力腐食割れ性が悪化すると
共に熱間加工性が悪くなり、製造が困難になるためであ
る。
【００１０】Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，Ｔｉは、それぞれアル
ミニウム合金の結晶粒の微細化あるいはマトリクス強度
を向上させる効果がある。これらの元素の含有量をいず
れも０．５重量％以下にしたのは、含有量が０．５重量
％を超えると得られるアルミニウム合金板の延性を低下
させるからである。また、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，Ｔｉのう
ち少なくとも２つの元素を含有する場合は、含有量を合
計で１．０重量％以下にする。これは、含有量が合計で
１．０重量％を超えると粗大な金属間化合物が形成され
て得られるアルミニウム合金板の延性が低下するからで
ある。
ミニウム合金の結晶粒の微細化あるいはマトリクス強度
を向上させる効果がある。これらの元素の含有量をいず
れも０．５重量％以下にしたのは、含有量が０．５重量
％を超えると得られるアルミニウム合金板の延性を低下
させるからである。また、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，Ｔｉのう
ち少なくとも２つの元素を含有する場合は、含有量を合
計で１．０重量％以下にする。これは、含有量が合計で
１．０重量％を超えると粗大な金属間化合物が形成され
て得られるアルミニウム合金板の延性が低下するからで
ある。
【００１１】Ｃｕは、焼付塗装時にＧＰゾーン、θ´、
Ｓ相等を析出してアルミニウム合金板の強度を向上させ
るので、塗装後の強度を向上させる場合にアルミニウム
合金に添加する。Ｃｕの含有量を０．１〜０．５重量％
としたのは、含有量が０．１重量％未満であると強度を
向上させる効果が乏しく、０．５重量％を超えると得ら
れるアルミニウム合金板の耐食性が低下するからであ
る。
Ｓ相等を析出してアルミニウム合金板の強度を向上させ
るので、塗装後の強度を向上させる場合にアルミニウム
合金に添加する。Ｃｕの含有量を０．１〜０．５重量％
としたのは、含有量が０．１重量％未満であると強度を
向上させる効果が乏しく、０．５重量％を超えると得ら
れるアルミニウム合金板の耐食性が低下するからであ
る。
【００１２】Ｆｅ，Ｓｉは、通常Ａｌの不純物として含
まれるものである。しかしながら、ＦｅはＳｉと化合物
を形成し易く、その化合物はアルミニウム合金板を変形
させる際にクラックの起点となり、延性を低下させるこ
とが知られている。このため、Ｆｅ，Ｓｉの含有量は、
いずれも０．２重量％以下にすることが好ましい。
まれるものである。しかしながら、ＦｅはＳｉと化合物
を形成し易く、その化合物はアルミニウム合金板を変形
させる際にクラックの起点となり、延性を低下させるこ
とが知られている。このため、Ｆｅ，Ｓｉの含有量は、
いずれも０．２重量％以下にすることが好ましい。
【００１３】本発明の第１の発明において、アルミニウ
ム合金中に存在する最大の金属間化合物の寸法は円相当
径で１０μｍ以下に設定する。このように、金属間化合
物をアルミニウム合金中で微細に分布させると、分散強
化により強度が向上する。最大の金属間化合物の円相当
径が１０μｍを超えると得られるアルミニウム合金板の
成形時に金属間化合物がクラックの起点となるので好ま
しくない。
ム合金中に存在する最大の金属間化合物の寸法は円相当
径で１０μｍ以下に設定する。このように、金属間化合
物をアルミニウム合金中で微細に分布させると、分散強
化により強度が向上する。最大の金属間化合物の円相当
径が１０μｍを超えると得られるアルミニウム合金板の
成形時に金属間化合物がクラックの起点となるので好ま
しくない。
【００１４】本発明の第１の発明において、アルミニウ
ム合金中に存在する金属間化合物の面積占有率は１０％
以下に設定する。これは、面積占有率が１０％を超える
と、得られるアルミニウム合金板の成形時に金属間化合
物がクラックの起点となるからである。
ム合金中に存在する金属間化合物の面積占有率は１０％
以下に設定する。これは、面積占有率が１０％を超える
と、得られるアルミニウム合金板の成形時に金属間化合
物がクラックの起点となるからである。
【００１５】本発明の第２の発明は、上記アルミニウム
合金について、鋳塊からアルミニウム合金板までの総加
工量が板厚減少率で少なくとも９８％となるように加工
を行うことを特徴としている。
合金について、鋳塊からアルミニウム合金板までの総加
工量が板厚減少率で少なくとも９８％となるように加工
を行うことを特徴としている。
【００１６】このような加工を施すことにより、存在す
る最大の金属間化合物の寸法が円相当径で１０μｍ以下
であり、金属間化合物の面積占有率が１０％以下である
アルミニウム合金板を得ることができる。
る最大の金属間化合物の寸法が円相当径で１０μｍ以下
であり、金属間化合物の面積占有率が１０％以下である
アルミニウム合金板を得ることができる。
【００１７】本発明の第２の発明において、鋳塊からア
ルミニウム合金板までの総加工量が板厚減少率で少なく
とも９８％となるように加工を行う。これは、次の理由
による。アルミニウム合金中に不純物として含まれるＦ
ｅ、あるいは強度向上のために添加するＭｎ，Ｃｒ，Ｚ
ｒ，Ｔｉは、鋳造時に粗大な金属間化合物として鋳塊内
部に存在する。これらの粗大な金属間化合物は、成形時
にクラックの起点となるので、できるだけ小さくしなけ
ればならないが、均質化処理等の熱処理を施しても充分
に小さくすることができない。このため、できるだけ総
加工量を多くして金属間化合物をアルミニウム合金中に
分散させる必要がある。板厚減少率が９８％未満である
と、金属間化合物を充分に小さくすることができないの
で好ましくない。
ルミニウム合金板までの総加工量が板厚減少率で少なく
とも９８％となるように加工を行う。これは、次の理由
による。アルミニウム合金中に不純物として含まれるＦ
ｅ、あるいは強度向上のために添加するＭｎ，Ｃｒ，Ｚ
ｒ，Ｔｉは、鋳造時に粗大な金属間化合物として鋳塊内
部に存在する。これらの粗大な金属間化合物は、成形時
にクラックの起点となるので、できるだけ小さくしなけ
ればならないが、均質化処理等の熱処理を施しても充分
に小さくすることができない。このため、できるだけ総
加工量を多くして金属間化合物をアルミニウム合金中に
分散させる必要がある。板厚減少率が９８％未満である
と、金属間化合物を充分に小さくすることができないの
で好ましくない。
【００１８】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
下記表１に示す組成を有するＡ〜Ｆのアルミニウム合金
を溶解し、鋳造し、さらにこれに面削りを行い、厚さ１
００mm、幅２００mm、長さ１１５０mmの鋳塊を作製し
た。
下記表１に示す組成を有するＡ〜Ｆのアルミニウム合金
を溶解し、鋳造し、さらにこれに面削りを行い、厚さ１
００mm、幅２００mm、長さ１１５０mmの鋳塊を作製し
た。
【００１９】
【表１】
【００２０】次いで、この鋳塊に４２０℃の熱間圧延加
工を施して厚さ１０mmの熱間圧延板を得た。続けて、熱
間圧延板からの総加工量を調整するために、表１に示す
種々の板厚に切り出した。さらに、これに冷間圧延加工
および焼鈍処理を施して最終板厚が１mmのアルミニウム
合金板を得た。このとき、総加工量および焼鈍処理の条
件を下記表２に示す。
工を施して厚さ１０mmの熱間圧延板を得た。続けて、熱
間圧延板からの総加工量を調整するために、表１に示す
種々の板厚に切り出した。さらに、これに冷間圧延加工
および焼鈍処理を施して最終板厚が１mmのアルミニウム
合金板を得た。このとき、総加工量および焼鈍処理の条
件を下記表２に示す。
【００２１】
【表２】
【００２２】下記表３に示すNo. １〜１０までのアルミ
ニウム合金板について、最大金属間化合物の円相当径、
金属間化合物の面積占有率、および張出高さを調べた。
その結果を下記表３に併記する。なお、最大金属間化合
物の円相当径および面積占有率は研磨後に画像解析によ
り算出し、張出高さはポンチ径５０mm、ダイス径７５m
m、ロックビード、潤滑油の粘度１００cSt の条件で球
頭張出を行い、その高さを測定した。
ニウム合金板について、最大金属間化合物の円相当径、
金属間化合物の面積占有率、および張出高さを調べた。
その結果を下記表３に併記する。なお、最大金属間化合
物の円相当径および面積占有率は研磨後に画像解析によ
り算出し、張出高さはポンチ径５０mm、ダイス径７５m
m、ロックビード、潤滑油の粘度１００cSt の条件で球
頭張出を行い、その高さを測定した。
【００２３】
【表３】
【００２４】表３から明らかなように、本発明において
規定する組成のアルミニウム合金を用いて本発明にかか
る方法で得られたアルミニウム合金板No. １〜７は、い
ずれも最大金属間化合物の円相当径が１０μｍ以下であ
って、金属間化合物の面積占有率が１０％以下であり、
成形性が良好であった。
規定する組成のアルミニウム合金を用いて本発明にかか
る方法で得られたアルミニウム合金板No. １〜７は、い
ずれも最大金属間化合物の円相当径が１０μｍ以下であ
って、金属間化合物の面積占有率が１０％以下であり、
成形性が良好であった。
【００２５】これに対して、Ｍｇの含有量が本発明の範
囲より少ないアルミニウム合金を用いて本発明にかかる
方法で得られたアルミニウム合金板No. ８は、成形性が
悪いものであった。Ｍｎの含有量が本発明の範囲より多
いアルミニウム合金を用いて本発明にかかる方法で得ら
れたアルミニウム合金板No. ９は、最大金属間化合物の
円相当径が１０μｍを超え、金属間化合物の面積占有率
も１０％を超えて、成形性が悪いものであった。また、
本発明において規定する組成のアルミニウム合金を用い
て本発明の範囲よりも小さい総加工量で加工して得られ
たアルミニウム合金板No. 10は、最大金属間化合物の円
相当径が１０μｍを超え、成形性が悪いものであった。
囲より少ないアルミニウム合金を用いて本発明にかかる
方法で得られたアルミニウム合金板No. ８は、成形性が
悪いものであった。Ｍｎの含有量が本発明の範囲より多
いアルミニウム合金を用いて本発明にかかる方法で得ら
れたアルミニウム合金板No. ９は、最大金属間化合物の
円相当径が１０μｍを超え、金属間化合物の面積占有率
も１０％を超えて、成形性が悪いものであった。また、
本発明において規定する組成のアルミニウム合金を用い
て本発明の範囲よりも小さい総加工量で加工して得られ
たアルミニウム合金板No. 10は、最大金属間化合物の円
相当径が１０μｍを超え、成形性が悪いものであった。
【００２６】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の成形性に優れ
たアルミニウム合金板は、Ｍｇを４．０〜１０．０重量
％を含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群
より選ばれた少なくとも一つの元素をそれぞれ０．５重
量％以下であって合計で０．０１〜１．０重量％含有
し、残部がＡｌおよび不可避的不純物であるアルミニウ
ム合金からなり、アルミニウム合金において、存在する
最大の金属間化合物の寸法が円相当径で１０μｍ以下で
あり、金属間化合物の面積占有率が１０％以下であるの
で、延性が高く、成形時に割れが発生しないものであ
る。
たアルミニウム合金板は、Ｍｇを４．０〜１０．０重量
％を含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群
より選ばれた少なくとも一つの元素をそれぞれ０．５重
量％以下であって合計で０．０１〜１．０重量％含有
し、残部がＡｌおよび不可避的不純物であるアルミニウ
ム合金からなり、アルミニウム合金において、存在する
最大の金属間化合物の寸法が円相当径で１０μｍ以下で
あり、金属間化合物の面積占有率が１０％以下であるの
で、延性が高く、成形時に割れが発生しないものであ
る。
【００２７】また、本発明の成形性に優れたアルミニウ
ム合金板の製造方法は、上記アルミニウム合金につい
て、鋳塊からアルミニウム合金板までの総加工量が板厚
減少率で少なくとも９８％となるように加工を行うの
で、上記アルミニウム合金板を容易に得ることができ
る。したがって、従来アルミニウム合金では困難であっ
た難成形部材をアルミニウム合金で成形することができ
るので、産業上大きな効果が期待できる。
ム合金板の製造方法は、上記アルミニウム合金につい
て、鋳塊からアルミニウム合金板までの総加工量が板厚
減少率で少なくとも９８％となるように加工を行うの
で、上記アルミニウム合金板を容易に得ることができ
る。したがって、従来アルミニウム合金では困難であっ
た難成形部材をアルミニウム合金で成形することができ
るので、産業上大きな効果が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 垣生 哲史 東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古 河電気工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項１】 Ｍｇを４．０〜１０．０重量％を含有
し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群より選ば
れた少なくとも一つの元素をそれぞれ０．５重量％以下
であって合計で０．０１〜１．０重量％含有し、残部が
Ａｌおよび不可避的不純物であるアルミニウム合金から
なり、前記アルミニウム合金において、存在する最大の
金属間化合物の寸法が円相当径で１０μｍ以下であり、
金属間化合物の面積占有率が１０％以下であることを特
徴とする成形性に優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項２】 Ｍｇを４．０〜１０．０重量％およびＣ
ｕを０．１〜０．５重量％を含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚ
ｒ，およびＴｉからなる群より選ばれた少なくとも一つ
の元素をそれぞれ０．５重量％以下であって合計で０．
０１〜１．０重量％含有し、残部がＡｌおよび不可避的
不純物であるアルミニウム合金からなり、前記アルミニ
ウム合金において、存在する最大の金属間化合物の寸法
が円相当径で１０μｍ以下であり、金属間化合物の面積
占有率が１０％以下であることを特徴とする成形性に優
れたアルミニウム合金板。 - 【請求項３】アルミニウム合金の鋳塊に熱間圧延加工を
施し、次いでこれに冷間圧延加工および焼鈍処理を順次
施すことによりアルミニウム合金板を得るアルミニウム
合金板の製造方法において、 前記アルミニウム合金が、Ｍｇを４．０〜１０．０重量
％含有し、Ｍｎ，Ｃｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群よ
り選ばれた少なくとも一つの元素をそれぞれ０．５重量
％以下であって合計で０．０１〜１．０重量％含有し、
残部がＡｌおよび不可避的不純物であるアルミニウム合
金であり、前記鋳塊から前記アルミニウム合金板までの
総加工量が板厚減少率で少なくとも９８％となるように
加工を行うことを特徴とする成形性に優れたアルミニウ
ム合金板の製造方法。 - 【請求項４】アルミニウム合金の鋳塊に熱間圧延加工を
施し、次いでこれに冷間圧延加工および焼鈍処理を順次
施すことによりアルミニウム合金板を得るアルミニウム
合金板の製造方法において、 前記アルミニウム合金が、Ｍｇを４．０〜１０．０重量
％およびＣｕを０．１〜０．５重量％含有し、Ｍｎ，Ｃ
ｒ，Ｚｒ，およびＴｉからなる群より選ばれた少なくと
も一つの元素をそれぞれ０．５重量％以下であって合計
で０．０１〜１．０重量％含有し、残部がＡｌおよび不
可避的不純物であるアルミニウム合金であり、前記鋳塊
から前記アルミニウム合金板までの総加工量が板厚減少
率で少なくとも９８％となるように加工を行うことを特
徴とする成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1912095A JPH08209280A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1912095A JPH08209280A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08209280A true JPH08209280A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11990617
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1912095A Pending JPH08209280A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08209280A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103556012A (zh) * | 2013-11-01 | 2014-02-05 | 张家港市昊天金属科技有限公司 | 镁铝合金丝及其制造方法 |
| CN113174500A (zh) * | 2021-04-29 | 2021-07-27 | 郑州明泰实业有限公司 | 一种提高5083合金o态折弯性能的方法 |
-
1995
- 1995-02-07 JP JP1912095A patent/JPH08209280A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103556012A (zh) * | 2013-11-01 | 2014-02-05 | 张家港市昊天金属科技有限公司 | 镁铝合金丝及其制造方法 |
| CN113174500A (zh) * | 2021-04-29 | 2021-07-27 | 郑州明泰实业有限公司 | 一种提高5083合金o态折弯性能的方法 |
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