JPH08205885A - ラミニンの付着受容体およびその使用 - Google Patents

ラミニンの付着受容体およびその使用

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JPH08205885A
JPH08205885A JP7278186A JP27818695A JPH08205885A JP H08205885 A JPH08205885 A JP H08205885A JP 7278186 A JP7278186 A JP 7278186A JP 27818695 A JP27818695 A JP 27818695A JP H08205885 A JPH08205885 A JP H08205885A
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JP
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receptor
laminin
cell
cells
adhesion
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JP7278186A
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English (en)
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Erkki I Ruoslahti
アイ.ルオスラーティ エルキ
Eva Engvall
エングヴァル エヴァ
Kurt R Gehlsen
アール ゲールセン カート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute
La Jolla Cancer Research Foundation
Original Assignee
Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute
La Jolla Cancer Research Foundation
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Publication date
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
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    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2839Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the integrin superfamily

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミニン付着受容体を単離および精製する方
法ならびにラミニン付着受容体の医療上の利用手段を提
供する。 【解決手段】 ラミニンまたはラミニンの細胞付着促進
断片と選択的に結合する受容体であって、αおよびβか
らなる2つのサブユニットを含み、該αサブユニットは
さらに2つのジスルフィド結合されたポリペプチドを含
むインテグリンα3である受容体を含有する組成物なら
びに該受容体を哺乳類細胞抽出調製物から単離する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に細胞付着シ
ステムに関し、特にラミニンの付着受容体に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞表面において起こることの多くは、
その周囲にある物質の細胞による認識に関連する。第1
の例は、細胞による可溶性ホルモンの結合およびそのよ
うな結合に対する反応である。細胞表面認識のもう1つ
の重要な局面は、細胞とそれを取り巻く不溶性構造物と
の相互作用である。このような構造物は、その他の細胞
または細胞外マトリックスの表面であり得る。
【0003】細胞間および細胞外マトリックスとの相互
作用についてはまだ充分に理解されていないが、それら
は細胞の生命において重要な役割を果たしている。例え
ば、細胞マトリックスおよび細胞間の相互作用によっ
て、細胞が体内のどの部分に存在するべきか、または移
動する場合には、どの部分に移動するべきかが決定され
るようである。特に興味深い例は、プロセスを適切な部
位へ送る神経細胞であり、それによって体内の離れた部
位への連絡が形成される。腫瘍がその起源細胞に不適切
な体内の部分へ侵入および散在するため、部位シグナル
は、明らかに癌中において損なわれている。事実、我々
の細胞マトリックスおよび細胞間の相互作用の理解が高
まり、その探求が可能になるにつれて、この分野は新し
く重要な医学の最先端として発展していくであろう。
【0004】細胞表面におけるタンパクおよび糖は両方
とも細胞マトリックスおよび細胞間の相互作用に参与し
得る。細胞外マトリックスは細胞によって配置されるタ
ンパクおよび糖の不溶性網状組織から構成され、細胞内
空間の大半を占める。体内における異なる部位のマトリ
ックスは、コラーゲン、プロテオグリカン、エラスチ
ン、ヒアルロン酸およびフィブロネクチンおよびラミニ
ン等の様々な糖タンパクの異なる組合せからなる。事
実、同定された細胞外マトリックス糖タンパクおよびコ
ラーゲンはすべて細胞と相互作用する。
【0005】細胞と細胞外マトリックス分子との相互作
用の中で最も容易に観察可能な結果は、細胞付着であ
る。細胞外マトリックスタンパクの付着特性は、細胞を
細胞外マトリックス物質または精製されたマトリックス
タンパクの1つによってコートされた表面にプレートす
ることによってインビトロで容易に示され得る。細胞
は、そのような表面に容易に付着し、その上に広がる。
しかし、付着タンパクは、付着を促進するだけでなく、
細胞移動をも刺激する。細胞は、表面に勾配として付与
された、制限された濃度の付着タンパクに直面すると、
より濃度の高いところへ移動する。
【0006】細胞外マトリックスが細胞に影響する更に
複雑な方法は、細胞の分化、生存および増殖を促進する
ことである。細胞外マトリックスタンパクの1つである
ラミニンは、特に細胞に大きな影響を与える。特定の細
胞外マトリックスシート、基部膜に存在するこのタンパ
クは、細胞の付着および移動を促進し、分化および腫瘍
の転移において役割を果たす。ラミニンはまた、神経細
胞プロセスまたは神経突起の成長を促進および誘導す
る。
【0007】細胞およびラミニンの間のこれらの相互作
用は、ラミニンの付着受容体として機能する細胞表面受
容体によって媒介されると思われる。ラミニンの細胞に
対する影響を媒介するこの単数または複数の受容体の全
特性はまだ知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、ラミニン付着
受容体を同定および単離する必要がある。単離された受
容体を得ることによって、この例えば腫瘍細胞の表面に
おけるラミニン受容体の発現を分析するために使用され
得る、受容体に特異的な抗体の生成が可能となる。受容
体に結合する組換え体タンパク断片のような化合物は、
ラミニンの活性を再生またはラミニンを含有する構造物
に対する細胞付着を阻害するのに使用され得る。更に、
リポーソームを、治療またはその他の目的のための特異
的な組織に標的化し得る必要がある。本発明は、これら
の必要性を満足すると共に、付加的な利点をも提供す
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、2つのサブユ
ニット、αおよびβを含み、ラミニン、およびそのポリ
ペプチドのCOOH末端部分からなるラミニンの部分由来
の、ラミニンの細胞付着促進断片と相互作用することを
特徴とする、実質的に純粋な哺乳類のラミニン付着受容
体を提供する。ラミニンまたはラミニンの細胞付着促進
断片との相互作用は、二価カチオン依存性である。大き
い方のαサブユニットが、抗α3抗血清反応性を有す
る。
【0010】1つの局面において、本発明は、ラミニン
付着受容体を単離および精製する方法を提供する。本発
明のもう1つの局面において、モノクローナル抗体およ
びポリクローナル抗体が、単離された受容体に対して調
製され、その反応性が精製された受容体に対して分析さ
れる。その他のいかなる受容体も、α3サブユニットを
含んでいることが知られていないので、大きい方のαサ
ブユニットに対する抗体は、ラミニン受容体に対して特
異的であるのに対して、小さい方のβサブユニットに対
する抗体の中にはフィブロネクチン受容体およびその他
の関連細胞付着受容体と反応し得るものがある。抗αサ
ブユニット抗体は、所定の細胞タイプによって発現され
るラミニン受容体の量を決定するのに有用である。更
に、細胞付着分析による選択によって、細胞のラミニン
への付着を阻害し得る抗αサブユニット抗体が提供され
る。このような抗体は、インビトロ分析において、腫瘍
細胞が羊水膜組織を介して侵入するのを防止する。
【0011】本発明のもう1つの局面において、受容体
は、ラミニン受容体の機能を再生または阻害し得る化合
物を提供するのに使用される。本発明の更にもう1つの
局面において、細胞表面受容体は、リポソームの膜に取
り入れられる。次いで、そのようなリポソームは、リポ
ソームの内容物をラミニンを含む組織に標的化するのに
使用され得る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、ラミニンの哺乳類付着
受容体に関する。ラミニンは、通常の細胞の分化および
悪性細胞の転移の両方において役割を果たすことが知ら
れている。この受容体およびそれと反応する抗体の単離
は、腫瘍細胞の表面上におけるラミニン受容体の存在を
検出するのに使用され得る。ラミニンに結合する細胞の
能力は、その侵入および転移能力と関連しているのが発
見されている。
【0013】哺乳類ラミニン付着受容体を単離および精
製するために、表面を標識された哺乳類細胞の抽出物
を、細胞付着を促進することが可能な固定されたラミニ
ン断片により分画した。その他の哺乳類細胞タイプも使
用され得るが、そのような細胞が神経由来の悪性細胞で
あることが好ましい。例えば、ラットグリア芽細胞腫細
胞(RuGli)の表面を、まず、ラクトペルオキシダーゼ
でヨウ素化し、オクチルグルコシド中に溶解させた。Ru
Gli細胞はラミニンでコートされたプラスチック表面に
付着し、その上に広がる。付着分析における細胞懸濁物
にMn2+を加えることによって、ラミニンでコートされた
表面への細胞の付着が高められる。同様の精製方法を適
用することによって、受容体が、ヒト骨肉腫細胞MG-63
または胎盤組織のような他の細胞のタイプおよび組織か
ら単離され得る。
【0014】通常、Engvallら、J. Cell biol. 103:245
7 (1986)(本願で参考として記載されている)の方法に
よって、細胞付着促進活性を保持するラミニン断片を単
離した。この方法には、非損傷ラミニンまたはペプシン
およびキモトリプシン以外のプロテアーゼにより生成し
た断片を使用する等の様々な改変が可能である。ラミニ
ン断片を臭化シアン(CNBr)活性セファロース(Sigma,
St. Louis, MO)に結合することによって、親和性マト
リックスを調製した。特定の溶離液を、EDTA(エチレン
ジアミノテトラ酢酸)でカラムを処理することによって
得た。溶離緩衝液を除くすべての緩衝液は、受容体の親
和性マトリックスへの結合を容易にするために、1mMのM
n2+を含んでいた。溶離した断片を、SDS-PAGEにより、
次いでオートラジオグラフィーによって分析した。図1
および図2に示されるように、非還元条件下において、
RuGli細胞由来のタンパクが存在する、不完全な非折り
たたみ状態で、150kDおよび120kDの見かけ分子量に対応
する部位に移動した2つのタンパクバンドが見られた。
還元条件の下でSDS-PAGEによって決定されるより正確な
分子量は、これらのサブユニットの分子量がそれぞれ約
165および140kDであることを示している。なぜなら還元
した場合、サブユニットの大きい方が135kDおよび35kD
の分子量を有する2つのポリペプチドを生じるからであ
る。この分析において、小さい方の成分は、35/30kDの
複体として現れる。この説明によって限定されるもので
はないが、30kDポリペプチドは、35kDポリペプチドの開
裂断片であると思われる。
【0015】RuGli細胞タンパクのサブユニットに類似
するサブユニットを有するラミニン結合タンパクをま
た、ヒトMG-63骨肉腫細胞および胎盤組織から単離し
た。このヒトラミニン受容体はまた、2つのポリペプチ
ドからなる。しかし、大きい方のサブユニットは元来の
170,000Dの分子量を有する。
【0016】本願で使用される「ラミニン付着受容体」
(「ラミニンの付着受容体」とも呼ばれる)という用語
は、細胞のラミニンへの付着を媒介するために機能する
細胞表面受容体のことを指す。ラミニン付着受容体は、
細胞付着促進活性を保持するラミニンまたはラミニン断
片に特異的に結合し、ビトロネクチン、フィブリノーゲ
ン、コラーゲンタイプIまたはアルブミンには、実質的
に結合しない。天然のラミニン付着受容体は、分子量が
約165から170kDおよび約140kDである2つのサブユニッ
トから構成される。一方、大きい方のポリペプチドは、
分子量が約135kDおよび35kDである2つのジスルフィド
連結鎖から構成される。
【0017】「ラミニン付着受容体」という用語は、ラ
ミニンまたはラミニン断片結合活性を保持する天然の構
造物およびこの構造物の修飾物または類似体(isofor
m)を指す。細胞付着促進活性を保持するラミニンまた
はラミニン断片は、ラミニン付着受容体のリガンドと言
われる。リガンド結合活性を破壊することなくラミニン
付着受容体の構造物に、限定された改変を加えることは
可能であり、一次構造物全体の一部分のみが活性を有す
るために必要とされ得ることが理解される。リガンド結
合活性を保持する受容体の断片はこの定義内に含まれ
る。
【0018】本発明のラミニン付着受容体の状態を説明
するのに使用される「実質的に純粋な」という用語は、
その自然環境において、通常、受容体と関連または受容
体と共に生じる他のタンパクを実質的に持たず、そし
て、例えば単離工程により取り入れられた抗体のよう
に、干渉および希釈するような細胞表面タンパクまたは
その他のタンパクから実質的に分離しているような受容
体を指す。しかし、2つ以上の受容体の類似体が「実質
的に純粋な」調製物において存在し得る。
【0019】単離されたラミニン付着受容体のヘテロダ
イマー構造物、その大きい方のサブユニットのジスルフ
ィド結合2本鎖組成物、および還元により小さい方のサ
ブユニットの分子量が増加することは、すべて、インテ
グリン(RuoslahtiおよびPierschbacher, Science 238:
491(1987)を参照、本願で参考として記載されている)
と呼ばれる受容体類の特性である。多数の受容体を含む
インテグリンは、アミノ酸配列の類似性を共有する。
【0020】ラミニン付着受容体と既知のインテグリン
との関係を探求するために、この受容体を、アフィニテ
ィー精製されたポリクローナル抗体と共にフィブロネク
チンおよびビトロネクチン受容体に免疫ブロットした。
抗フィブロネクチン受容体抗体は、ラミニン付着受容体
の小さい方の(β)サブユニットと交差反応したが、一
方、抗ビトロネクチン受容体抗体とは反応しなかった。
これらの結果は、ラミニン付着受容体が特殊なタンパク
で、その1つのサブユニットがフィブロネクチン受容体
βサブユニットに関連し得ることを示す。ラミニン受容
体のαサブユニットは、インテグリンに属するα3サブ
ユニットの細胞質領域内の、判別された配列をモデルに
したペプチドに対する抗体と反応し(Hynesら、J. Cell
Biol.,印刷中)、このことはラミニン受容体のαサブ
ユニットがα3であることを示唆している。図3に示す
ように、βサブユニットは、フィブロネクチン受容体β
サブユニットに密接に関連する。しかし、図4は、少な
くともRuGli細胞受容体の場合において、免疫学的にベ
ータサブユニットがフィブロネクチン受容体βサブユニ
ットと異なり得ることを示す。
【0021】ラミニン受容体のリガンド結合の特異性を
リポソーム結合分析において研究した。受容体を, Pyte
laら、Cell 40:191, (1985)(本願で参考として記載さ
れている)の方法によってホスファチジルコリンリポソ
ーム膜に取り入れた。簡単に述べれば、受容体およびホ
スホリドを含む洗浄剤溶液を、洗浄剤を含まない緩衝液
に対して透析する。生成したリポソームは、ラミニンで
コートされた基質表面に強力に付着した。これらはま
た、ある程度の変動はあるが、フィブロネクチン、タイ
プIVおよびタイプIコラーゲンに結合した。しかし、
ビトロネクチン、フィブリノーゲンまたはアルブミンで
コートされた基質表面には結合しなかった。これに対し
て、同様の細胞からフィブロネクチン受容体と共に形成
されたリポソームは、フィブロネクチンに強力に結合
し、ラミニンとの相互作用を示さなかった。ラミニン付
着受容体と共に調製されたリポソームの付着は、細胞が
フィブロネクチンおよびビトロネクチン(Gehlsenら、
J. Cell. Biol. 106:925-950(1988);本願に参考として
記載されている)と結合するのを阻害するGRGDSPペプチ
ド、またはラミニン由来のその他のペプチド(Grafら、
Cell 48:989, (1987);本願で参考として記載されてい
る)によってではなく、精製された細胞付着促進ラミニ
ン断片によって阻害された。すべてのペプチドは、従来
の1文字の略号によって示される。これらの結果は、ラ
ミニン付着受容体がリポソーム膜に取り入れられ得、ラ
ミニンとの所望される結合をリポソームまで持ち込むこ
とを示す。
【0022】特定の組織に薬剤を送達するために、薬剤
を充填した上記ラミニン付着受容体リポソームを、ラミ
ニンを含む基部膜に標的化するのに有用である。例え
ば、腎臓糸球体における沈澱物は、タンパク加水分解酵
素およびその他の酵素で負荷されたリポソームで、受容
体媒介標的化によって、処理され得る。上記の標的化
は、静脈投与のような種々の方法により、実施し得る。
【0023】非脂質表面を受容体でコートするために、
そのようなコーティングまたは結合に用いられる多数の
周知の方法の1つを使用して、溶液からの受容体を、プ
ラスチックのような表面に吸着または共有結合させる。
リガンド結合活性を保持するが、分子の膜包埋部分を欠
損する受容体断片は、完全な受容体よりも更に溶解性が
高いため、有利に利用される。受容体でコートされたこ
のような材料は、例えば人工レンズのように基部膜の付
着が所望される人工器官として使用される。
【0024】単離されたラミニン受容体の結合特異性は
また、ラミニンまたはその他のタンパクによってコート
されたマイクロタイターウェル中で125-Iで標識された
受容体をインキュベートし、放射能のウェルへの結合を
測定することからなる放射受容体分析において調べられ
ている。各細胞タイプからのラミニン受容体はラミニン
によってコートされたウェルと結合した。これらもすべ
てフィブロネクチンに対してある種のアフィニティーを
示し、受容体の中にはタイプIVコラーゲンと結合するも
のもあった(図6)。後者の結果から、様々な細胞タイ
プから単離された受容体が2つのカテゴリー−タイプIV
コラーゲン非結合(例えば、RuGli)およびタイプIVコ
ラーゲン結合(例えば、MG63)に分類されることが示唆
される。これらのタイプの受容体の間にはいかなる化学
的相違も確立されていなかった。
【0025】また、放射受容体分析を使用して、様々な
タンパク断片がラミニンおよびその受容体の間の相互作
用を阻害する能力を査定した(図7)。分子のCOOH末端
部を構成する部分由来のラミニンの断片(Dillnerら、
前出)は、結合を阻害した。更に、その分子の細胞付着
領域由来のフィブロネクチン断片もまた、阻害的であっ
た。断片のラミニン受容体の相互作用を阻害する能力
は、腫瘍細胞が血管基部膜へ付着するのを防止するのに
有用である。この分析は、ラミニン受容体とラミニンと
の相互反応を阻害できるその他の物質を同定するのにも
有用である。
【0026】ラミニン付着受容体に対するモノクローナ
ル抗体およびポリクローナル抗体を、当該技術分野に既
知の手法に従って調製した。ポリクローナル抗体を、セ
ファロースに結合した精製フィブロネクチン受容体によ
り吸収させる(Argravesら、前出)。ラミニンおよびフ
ィブロネクチン受容体のβサブユニットは類似してお
り、フィブロネクチン受容体βサブユニットは、多数の
その他のインテグリンによって共有されるため、この処
理により、このインテグリン類における受容体によって
共有される決定基に対する抗体が除去される。また、こ
の処理により、ラミニンおよびフィブロネクチン親和性
マトリックスの両方に非特異的に結合する混入タンパク
に対する抗体が除去される。必要に応じて、このような
抗体はまた、「疑似精製(mock-purified)受容体調製」
(実施例6を参照)により抗血清を吸収することによっ
ても除去され得る。抗体の特異性は、酵素免疫分析;表
面がヨウ素化されそして代謝的に標識された細胞からの
洗浄剤抽出物の免疫沈澱;ならびに当該技術分野で既知
の方法により得られた単離されたラミニン受容体、その
他の単離されたインテグリン、および全細胞抽出物の免
疫ブロッティングを実施することによって調べられる。
図4に示されるように、RuGli細胞受容体の場合には、R
uGli細胞ラミニン受容体に対して形成された抗血清をRu
Gli細胞フィブロネクチン受容体と共に吸収することに
よって、主としてラミニン受容体と反応性を有する抗体
の調製物を産生した。
【0027】モノクローナル抗体を、単離された受容体
または受容体を含むその他の物質で免疫し、次いで当該
技術分野で周知の抗体生成ハイブリドーマ細胞を単離す
ることによって調製する。(例えば、HarlowおよびLan
e, ANTIBODIES: A LABORATORYMANUAL, Cold Spring Har
bor, 1988;本願で参考として記載されている;を参
照)。適切なハイブリドーマ細胞を、精製ラミニン受容
体を用いて酵素免疫分析を行うことによって選択する。
ラミニン受容体に対して特異的な抗体は、ラミニン受容
体のサブユニットの中の1つと反応するが、他のインテ
グリンサブユニットととは反応しない抗体を選択する、
免疫ブロッティングを使用することによって得られる。
受容体のラミニン結合活性を阻害し得るラミニン受容体
に対して特異的な抗体を得るために、サブユニット特異
性モノクローナル抗体を、ラミニンへの細胞付着阻害剤
としてテストする。この分析は、抗体の存在および不在
下において細胞をマイクロタイターウェルに付着させる
ことによって行なわれる。最後に、付着を促進する抗体
の選択を、種々の異なる濃度において精製抗体でマイク
ロタイターウェルをコートし、次いで、ラミニン受容体
を有する細胞をウェルに加えることによって行う。血清
アルブミンのような不活性のタンパクでコートされたウ
ェルに対して細胞の付着を増加させることによって、所
望の特性を有する抗体の存在が示される。
【0028】ラミニン付着受容体はまた、様々な化合物
のラミニンへの結合のための競合能力を調べるため、こ
の化合物をスクリーニングするのに使用され得る。好ま
しくは、このようなスクリーニングは、実施例8に記載
されるように阻害分析を使用して行われる。その他の方
法も当該技術者により明白である。この阻害分析は、未
知の物質または物質の混合物の阻害活性を調べるため
に、これらをスクリーニングするのに有利に使用され得
る。このような混合物が阻害活性を有していることが発
見されると、次いで、特定の活性化合物を単離または同
定するために分画され得る。このような活性化合物は、
基質表面をそのような化合物でコートすることによって
ラミニン付着受容体を表現する細胞の基質表面への付着
を促進するのに、または可溶形態で化合物を提供するこ
とによってそのような細胞のラミニンへの付着を阻害す
るのに使用され得る。本発明は、現在における好ましい
実施態様を参照して説明したが、本発明の精神を逸脱し
ないようになされた様々な改変が可能であることは理解
されなければならない。
【0029】本発明の本質は、図面を参照することによ
り、十分に理解される。
【0030】図1は、ラミニン親和性マトリックスから
溶離された画分のドデシル硫酸ナトリウムポリアクリル
アミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)分析を示す。RuGliグ
リア芽細胞腫細胞の表面を標識して抽出し、その抽出物
を共有結合したラミニンの細胞付着促進断片を含むセフ
ァロースカラムにより以下の実施例1に説明されるよう
に分画したものである。各画分の一部を、非還元条件の
下でSDS-PAGEによって分析し、オートラジオグラフィー
を使用してタンパクバンドを可視化した。レーン1〜1
3は、カラムのEDTA溶離物由来の断片を示す。分子量マ
ーカーは、ミオシン、200kD;β−ガラクトシダーゼ、1
16kD;ホスホリラーゼB、94kD;ウシ血清アルブミン、
67kD;オバルブミン、43kDである。
【0031】図2は、非還元(NR)および還元(R)条
件下でのRuGliラミニン受容体(レーン1)およびフィ
ブロネクチン受容体(レーン2)のSDS-PAGE分析を示
す。フィブロネクチン受容体を、Pytelaら、Cell 40:54
8, (1985)(参考として本願に記載されている)の方法
を使用して親和性マトリックスとしてフィブロネクチン
細胞付着断片セファロースを使用することによってラミ
ニン受容体と同様の細胞抽出物から得たものである。電
気泳動条件は、図1と同様である。図中の矢印は、αサ
ブユニットの軽鎖を示す。
【0032】図3は、ラミニン受容体の免疫ブロット分
析を示す。RuGli細胞から単離されたフィブロネクチン
(A)およびラミニン(B)受容体を非還元条件の下で電
気泳動にかけ、ニトロセルロースフィルターに移し、こ
のフィルターをウサギ抗フィブロネクチン受容体抗体と
共にインキュベートし(Argravesら、J. Cell Biol.10
5:1183, 1987、本願で参考として記載されている)、次
いで、結合した抗体を、セイヨウワサビペルオキシダー
ゼに結合したヤギ抗ウサギIgGにより検出したものであ
る。
【0033】図4は、ラミニンおよびフィブロネクチン
受容体の免疫ブロット分析を示す。RuGli細胞抽出物か
ら単離したフィブロネクチン(レーン1、3)およびラ
ミニン(レーン2、4)受容体を非還元条件の下で電気
泳動にかけ、ニトロセルロースフィルターに移したもの
である。このフィルターを、セファロース結合ラミニン
受容体に吸収されたフィブロネクチン受容体に対するウ
サギ抗血清(レーン1、2)、またはセファロース結合
フィブロネクチン受容体に吸収されたウサギ抗ラミニン
受容体抗血清(レーン3、4)と共にインキュベート
し、結合抗体をセイヨウワサビペルオキシダーゼに結合
したヤギ抗ウサギIgGにより検出したものである。吸収
に使用される抗フィブロネクチン受容体抗体については
説明されており(Pytelaら, Meth. Enzymol., 144:475
-489 (1987)、本願において参考として記載されてい
る)、抗ラミニン受容体抗血清を、実施例1に記載のRu
Gli細胞から精製された受容体と共に免疫することによ
って調製したものである。
【0034】図5は、ラミニン受容体を含むリポソーム
の基質表面への結合を示す。マイクロタイターウェルを
様々なタンパクでコーティングし、プラスチック上の非
占有結合部位を、このウェルをウシ血清アルブミンでイ
ンキュベートすることによってブロックし、次いで、受
容体リポソームのウェルへの結合または結合の阻害を、
実施例2で説明されるようにテストしたものである。6
つの実験結果を最大結合率(%)により示す。BSAが付
着したものからバックグラウンドを差し引いた後の平均
に標準エラーを加えたもの:LM,ヒトラミニン;FN,フィ
ブロネクチン;IV、タイプIVコラーゲン;LM+LM断片、L
M+20μgのキモトリプシンのラミニン断片;LM+RGD, LM
+lmg/ml GRGDSPペプチド;LM+YIGSR,LM+lmg/ml YIGSRペ
プチド;フィブロネクチン受容体リポソーム(白抜き
棒);LMR,ラミニン受容体リポソーム(斜線棒)であ
る。
【0035】図6は、放射受容体結合分析を示す。様々
なヒト(MG-63, A431)およびラット(RuGli, NRK-49
F)細胞から単離された精製ヨウ素化ラミニン受容体
を、マイクロタイターウェルにコートした様々なタンパ
クと共にインキュベートし、このウェルを洗浄し、結合
受容体をTBS中の1%SDSで可溶化し、ガンマカウンターで
定量した結果を、ラミニン結合を100パーセントとし
て、受容体結合率で示している。縦棒は、図中、LM, ヒ
トラミニン;FN, ヒトフィブロネクチン;CIV, タイプI
Vコラーゲン;CI,タイプIコラーゲン;BSA,ウシ血清ア
ルブミン;で示されるように、異なる細胞タイプからの
受容体を示す。
【0036】図7は、放射受容体結合分析におけるラミ
ニン受容体結合の阻害を示す。データは、様々な阻害剤
の存在下においてラミニンでコートされたマイクロタイ
ターウェルに対するラミニン受容体の結合率(%)を、
阻害されないラミニン結合を100パーセントとし、これ
と比較して示す。A-431細胞(広い斜線棒)およびRuGli
細胞(狭い斜線棒)由来のラミニン受容体を使用し、テ
ストした阻害剤は、ラミニン断片およびフィブロネクチ
ン断片ならびに標識されていない受容体(実施例8に記
載)である。RuGli受容体は、2つの阻害剤(NA)と共
にはテストしていない。
【0037】
【実施例】以下の実施例は、例示することを目的として
おり本発明を限定するものではない。これらの実施例
は、通常使用され得るものであるが、当該技術分野に既
知のその他の手法も代わりに使用され得る。
【0038】実施例1ラミニン受容体の単離 a.RuGli細胞 Max Planck Institute, Tubigen, West Germanyから得
られるグリア芽細胞腫細胞系RuGliをラットラミニン付
着受容体の源として使用した。細胞を増殖させて集密化
し、そして、細胞表面をラクトペルオキシダーゼ法(Le
bienら、J.Immunol. 129:2287 (1982);本願で参考とし
て記載されている)によって125Iでヨウ素化し、25mMの
オクチル−β−D−チオグルコシド(Calbiochem, La j
olla, CA)、1mMのMnCl2、および1mMのフェニルメチルス
ルフォニルフルオリド(PMSF)(抽出緩衝液)を含有す
る、pH7.2のトリス緩衝液で緩衝化した生理食塩水で抽
出した。Mn2+を、フィブロネクチンアフィニティークロ
マトグラフィーによってフィブロネクチン受容体の単離
を容易にするため、緩衝液に含有させた。
【0039】細胞付着促進および神経突起促進活性を有
するラミニン断片を、Wewerら、J.Biol. Chem. 258:126
54 (1983)(本願で参考として記載されている)の免疫
アフィニティークロマトグラフィー法によってヒト胎盤
から単離した。単離に使用した4E10抗ヒトラミニン抗体
は、Telios Pharmaceuticals, Inc., San diego, CAか
ら入手可能である。
【0040】上記のようにして得られた90mgのヒトラミ
ニン断片を、製造者の指示に従って、10mlの臭化シアン
活性化セファロースゲル(Pharmacia, Uppsala, Swede
n)に結合させることによって調製した。
【0041】5mlの充填された表面ヨウ素化細胞からの
可溶性抽出物を、10ml(ベッドボリューム)のラミニン
−セファロースカラムにかけた。細胞抽出物をカラムに
2回通過させて、カラムを30mlの抽出緩衝液で洗浄し
た。初期の希釈を、2mg/mlの合成ペプチドGRGDSPを含有
する20mlの緩衝液で、次いで20mM EDTAを含有する20ml
のカチオンを含まない緩衝液で行った。各収集された2m
l画分のアリコットを非還元条件の下で7.5%のSDSポリア
クリルアミドゲル上で電気泳動にかけた。オートラジオ
グラフィーに一夜かけることによって、タンパクバンド
が観察された。GRGDSP溶離物は、親和性マトリックスか
ら特異的に溶離されたバンドを放出しなかったのに対し
て、EDTA溶離物は、図1に示されるように、ラミニン付
着受容体を放出した。
【0042】図1および図2に示されるように、RuGli
細胞由来のタンパクが非還元条件の下で存在する、不完
全な非折り畳み構造を有する状態で、150kDおよび120kD
の見かけ分子量に対応する部位に移動した2つのタンパ
クバンドが見られた。還元条件の下でSDS-PAGEによって
決定されるより正確な分子量は、これらのサブユニット
の分子量がそれぞれ約165および140kDであることを示し
ている。なぜなら、還元した場合に、サブユニットの大
きい方が135kD帯および35/30kDの複体である2つのポリ
ペプチドを生じるからである。この説明によって限定す
ることを意図したくはないが、30kDのポリペプチドは、
35kDのポリペプチドの開裂断片であると思われる。
【0043】b.MG-63, A-431, およびU-251細胞 ヒト骨肉腫細胞(MG-63;ATCC受託番号第CRL1427号)、
ヒト表皮悪性腫瘍細胞(A-431;ATCC受託番号第CRL-1555
号)およびヒトグリア芽細胞腫細胞(U-251)を、ヒト
インテグリンタイプのラミニン受容体の源として使用し
た。受容体をRuGli受容体用として、上記の方法によっ
て単離した。得られた受容体は、大きい方の(α)サブ
ユニットが、約170,000Dの見かけ分子量を有するRuGli
受容体αサブユニットよりも更にゆっくりと移動したこ
とを除いて、図1に示すRuGli受容体と同様の電気泳動
的外観を有していた。
【0044】実施例2ラミニン受容体のリポソームへの導入およびリポソーム
の基質表面への結合 細胞表面受容体を含むホスファチジルコリンリポソーム
を、フィブロネクチン受容体(Pytelaら、Meth. Enzymo
l. 144:475-489, 1987)について説明したように、実質
的にMimmsら、Biochemistry 20:883, (1981)の方法によ
って調製した。これらの引例は両方とも本願において参
考として記載されている。卵黄ホスファチジルコリン
(Sigma, St. Louis, MO)および3H−ホスファチジルコ
リン(Newengland Nuclear, boston, MA)を100μg/ml
で受容体画分中に溶解させ、次いでこの溶液を500mMのN
aCl, 1mMのCa2Clおよび1mMのMg2Clを含有する50mMのト
リスHClに対して4oCで24時間透析した。生成したリポ
ソームを超遠心分離においてショ糖勾配の表面に浮揚さ
せることによって単離し、様々な基質を結合するために
テストした。
【0045】ポリスチレンマイクロタイタープレートウ
ェル(Linbro/Titertek, Inglewood, CA)を、Engvall
ら、J.Cell. Biol. 103:2457 (1986)(本願で参考とし
て記載されている)の方法に従って、ラミニン、フィブ
ロネクチン、コラーゲンおよびビトロネクチン(Telios
Pharmaceuticals, Inc., La Jolla, CA)を含む細胞外
マトリックスタンパクで、(PBS中20μg/mL使用)4o
で一夜コートすることによって調製した。バックグラウ
ンドの非特異的結合を決定するために、ウシ血清アルブ
ミン(BSA; 5mg/mL)によるコーティングを使用した(S
igma Chemical Co., St. Louis, MO)。ラミニン受容体
−リポソームの調製物は、ラミニンでコートされたマイ
クロタイターウェルへの強力な供与量依存性の結合を示
し、フィブロネクチンにわずかに結合し、そして図5に
示すように、コラーゲンタイプIまたはIVあるいはビト
ロネクチンへのバックグラウンドを越えた結合を示さな
かった。
【0046】同様のRuGli細胞抽出物から単離されたフ
ィブロネクチン受容体を、リポソーム分析において比較
のために使用した。この受容体で調製されたリポソーム
は、ラミニン受容体リポソームよりも大きな割合でフィ
ブロネクチンに結合し、ラミニンへの結合は示さなかっ
た。更に、特性制御には、キモトリプシンにより切断さ
れた細胞付着促進ヒトラミニン断片をリポソーム分析へ
加えることによる、ラミニン受容体結合の阻害が含まれ
た。これらの断片は、ラミニン受容体リポソームのラミ
ニンへの結合を阻害したが、GRGDSPペプチドまたはYIGS
Rラミニンペプチドは阻害しなかった。これらの分析の
代表的な結果を図5に示す。
【0047】実施例3治療剤を標的化するための受容体−リポソーム調製物の
使用 受容体リポソームを上記にように調製し、所望の治療剤
を文献に記載された方法(GregoriadisおよびSenior, B
iochem. Soc. Trans. 12:337, (1984);本願に参考とし
て記載されている)に従って、この調製物に取り入れ
る。これらの複合リポソームに体重kg当り1−300μmol
の脂質を使用して静脈投与または局部投与する。このよ
うなラミニン受容体リポソームを、例えば大量のラミニ
ンを含有する薬剤を組織に標的化するために使用する。
【0048】実施例4放射受容体分析による受容体特異性の分析 ラミニン受容体のラミニンへの結合およびこの結合に対
する抗体およびタンパク断片の影響を、フィブロネクチ
ン受容体について上記に説明した放射受容体分析(Haut
anenら、J. Biol. Chem. 264:1437-1442 (1989))によ
り調べた。マイクロタイターウェルを、1−2μg/mlのヒ
トラミニン、ウシタイプIコラーゲン(Collaborative
research, Lexington, MA)、マウスタイプIVコラーゲ
ン(BRL,Bethesda, MD)、ヒトプラズマフィブロネクチ
ンまたはウシ血清アルブミンでコートした。表面ヨウ素
化細胞から単離された125I標識受容体を、50mMのオク
チル−β−グルコピラノシド、1mMのPMSFおよび1mMの
MnCl2を含有するトリス緩衝化生理食塩水(150mMのNaC
l、50mMのトリスHCl, pH7.5, TBS)の存在下において室
温で2時間コートされたウェルに結合させた。ウェル当
りに加えられた受容体の量は、104cpmに相当した。イン
キュベーションに次いで、ウェルを洗浄し、結合受容体
を、TBS中の1%のドデシル硫酸ナトリウムで可溶化し、
結合放射能を計数することによって定量した。非特異性
結合を、アルブミンでコートされたウェルにおいて測定
した。結合の合計は、加えた放射能の5から10%の間で
あり、この内の70−80%は上記の基準から特異的であっ
た。テストした各細胞タイプからのラミニン受容体は、
図6に示される分析においてラミニンに結合した。受容
体はまた、ある程度の変動はあるが、フィブロネクチン
およびタイプIVコラーゲンに結合した。この変動の理由
は不明である。下記の説明に限定されないが、この相違
は受容体のβサブユニットに存在し、タイプIVコラーゲ
ンに対して親和性をもつ受容体が組成α3β1を有し、
(RuoslahtiおよびPierschbacher, 前出)、そして、タ
イプIVコラーゲンに対して親和性をもたない受容体が異
なるβサブユニットを有すると思われる。この見解は、
図4において立証されるRuGli細胞ラミニンおよびフィ
ブロネクチン受容体の間の免疫上の相違によって支持さ
れる。
【0049】実施例5ラミニン受容体結合部位の局在化 a.電子顕微鏡検査 ラミニン受容体−ラミニン複合体の電子顕微鏡による分
析を、受容体−フィブロネクチン複合体(Gailitおよび
Ruoslahti, J. Biol. Chem.
263:12927 (1988);本願で参考とし
て記載されている)について説明したように、かついく
つかの改変を加えて行った。アフィニティークロマトグ
ラフィー溶離物からの受容体調製物を、各1mMのC
a2+,Mg2+およびMn2+の存在下で、マウスラミニン(BRL,
Bethesda, Md)またはヒトラミニンのペプシン消化断
片(Dillnerら、Exp. Cell. Res. 177:186 (1988);本
願で参考として記載されている)と混合した。様々な割
合の受容体およびラミニンを使用し、高温において二価
カチオンの存在下で発生することが知られるラミニンの
凝集を避けるために、受容体−ラミニン複合体のすべて
のインキュベーションを4oCで行った。
【0050】ラミニン受容体をマウスラミニンと混合す
る場合には、ラミニン分子のうちいくらかは受容体と複
合化したようであった。受容体は、これらの複合体にお
いてラミニンのロングアームの球形端と結合した。ラミ
ニン受容体複合体に類似する構造物は、ラミニンを単独
からなるあるいはMG-63またはRuGli細胞フィブロネクチ
ン受容体と混合したラミニンからなるコントロール調製
物において観察されなかった。単独に調製されたいくつ
かのサンプルからの多数のフィールドを調べると、100
を越える数の可能な受容体−ラミニン複合体の内、約80
%がロングアームの末端における球形領域と関連する受
容体を有していた。可能な複合体の残りの内、受容体分
子はショートアームの1つまたはクロスの中心と多様に
関連しているようであった。マウスラミニンとともに得
られた複合体に類似するラミニン−受容体複合体はヒト
ラミニンのペプシン消化断片をラミニン受容体と混合す
る際に見られた。
【0051】b.モノクローナル抗体による局在化 ラミニン分子のロングアームの末端における球形領域へ
の受容体の好ましい結合は、ラミニンの神経突起促進活
性を阻害することが可能な1群のモノクローナル抗体に
ついて以前に示されたものと同様であった。ペプシン抽
出ヒトラミニンに対するモノクローナル抗体を、Engval
lら、J. Cell Biol. 103:2457-2465 (1986)(本願で参
考として記載された方法)によって調製した。これらの
抗体の内の2つ、3E5および4E10の放射受容体分析にお
ける受容体のラミニンへの結合を干渉する能力を調べ
た。3E5および4E10抗体は、濃度に依存するような方式
でRuGli受容体のラミニンへの結合を阻害した。神経突
起生成に影響を与えず、ラミニンクロスの中心付近の領
域に結合する抗体2E8は、比較しうる抗体濃度において
ほとんど阻害を示さなかった。関連しない特性を有する
モノクローナル抗体もまた影響力がなかった。MG-63細
胞受容体の結合を、この分析において3E5および4E10抗
体によって阻害すると、ラミニン受容体は両方とも同一
の部位に結合し得ることが示された。
【0052】c.cDNAクローニングによるモノクローナ
ル抗体結合部位の局在化 受容体結合部位を規定するモノクローナル抗体の結合の
ためのこれらのクローンによって形成されたタンパクを
テストするために、ラミニンcDNAクローンを単離した。
ラミニンに対するポリクローナル抗体およびモノクロー
ナル抗体を有する、胎盤細胞および内皮細胞のλgtllcD
NAライブラリーをスクリーニングすることによって、多
数の反応性を有するクローンが産生された。DNA配列、
およびすでに文献に記載されたラミニンの配列(Pikkar
ainenら、J. Biol. Chem. 262:10454-10462 (1987)およ
びPikkarainenら、J. Biol. Chem. 263:6751-6758 (198
8))との比較によって、これらのクローンのうちのいく
つかは、B1およびB2鎖のCOOH末端部位をコードすること
が示された。A鎖クローンは同定されなかった。
【0053】B1およびB2鎖クローンから発現された融合
タンパクを、マクロプラークフィルター分析(Suzuki
ら、EMBO J. 4:2519-2524 (1985))において、モノクロ
ーナル抗体との反応性についてテストした。B1鎖のCOOH
末端をコードするすべてのクローン由来の融合タンパク
は3E5抗体と反応したが、この抗体はB2鎖融合タンパク
とは反応しなかった。3E5抗体と反応性を有する最短の
クローンがB1鎖のCOOH末端の252個のアミノ酸をコード
する。B1およびB2鎖のCOOH末端からの融合タンパクは、
他の抗体4E10とは反応性を持たなかった。
【0054】実施例6ラミニン受容体に対する抗体の調製および受容体を検出
するためのそれらの使用 a.ポリクローナル抗体 ウサギを、フロイントの完全アジュバント中の精製ラミ
ニン受容体で免疫した。フロイントの不完全アジュバン
ト中に50μgの受容体を含有するブースタを3週間間隔
で注射し、最終の注射の1週間後に、血清を採収する。
抗血清を、セファロースとそれぞれ結合しているヒトプ
ラズマタンパク、フィブロネクチンおよびラミニンに吸
収させた。更に、ウシ血清アルブミンが結合したセファ
ロースカラムで、ラミニン受容体の源として作用する同
様の細胞または組織抽出物を分画することによって得ら
れる「疑似精製受容体」を吸収させた。受容体単離にお
けるのと同様の工程を次いで行い、受容体単離において
受容体を含む画分を疑似精製受容体として採収した。次
いで、更に、これもまたセファロースと結合したフィブ
ロネクチン受容体に抗血清を吸収させた。フィブロネク
チン受容体をPytelaら、前出、の方法で単離した。2ml
の血清を連続して100μgの疑似精製受容体タンパクまた
は100μgのフィブロネクチン受容体を含有する1mlのセ
ファロースカラムを通過させることによって、疑似精製
受容体−セファロースおよびフィブロネクチン受容体−
セファロースによる吸収を行った。非結合物質の反応性
を、固相酸素免疫測定法およびSDS-PAGE免疫ブロッティ
ングにより行った。固相酸素免疫測定法(ELISA; Engv
all, Meth. Enzymol. 70:419-439, 1980;本願で参考と
して記載している)は、抗体として精製ラミニン受容体
およびフィブロネクチン受容体を用いて行い、そして、
SDS-PAGE免疫ブロッティングは、受容体に対して、およ
び受容体の源として働く細胞または組織からの全細胞抽
出物または全組織抽出物に対して行った。この吸収を、
これらの分析により、抗血清が特異的であることが示さ
れるまで繰り返した。抗血清は、それがELISA中のラミ
ニン受容体とのみ反応し、Towbinら、Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 76:4350 (1979)およびArgravesら、前出、
(図4参照)の方法(本願で参考として記載されてい
る)に従って行われた免疫ブロッティングにおいて、ラ
ミニン受容体サブユニットとのみ結合し、フィブロネク
チン受容体サブユニットととは反応しない場合に、ラミ
ニン受容体に対して特異的であると見なされた。同様の
手法を使用し、疑似精製受容体タンパクおよびラミニン
受容体により吸収することによって、フィブロネクチン
受容体抗血清からフィブロネクチン受容体特異性抗体を
得た。受容体−セファロースカラムを、50mMトリスHCl,
pH7.0中の8Mの尿素で洗浄することによって再生した。
【0055】b.モノクローナル抗体 マウスに、フロイントの完全アジュバント中の10μgの
精製ラミニン受容体を皮下注射し、次いで同量の精製ラ
ミニン受容体をアジュバントを使用せずに腹膜内注射
(ブースタ)することにより免疫した。ブースタ注射の
3日後、免疫したマウスからの脾臓細胞を採収し、文献
において説明されるようにハイブリドーマを生成するた
めに使用した。ラミニン受容体と反応するハイブリドー
マ分泌抗体を、抗体としてラミニン受容体を使用して固
相酵素免疫分析によって選択した(Engvall, ら、Meth.
Enzymol. 70:419-439, 1980)。分析のために、オクチ
ルグルコシド含有ストック溶液をリン酸塩緩衝化生理食
塩水で少なくとも1:10に希釈した1μg/mlの受容体溶液
で、マイクロタイターウエルをコートした。ラミニン受
容体と特異的に反応するこれらの抗体を、フィブロネク
チン受容体に対して陽性な抗体をテストすることによっ
て更に選択した。この反応性は、ラミニン受容体以外の
受容体を含有する細胞抽出物に対してSDS-PAGE免疫ブロ
ッティングを行うことによって、SDS変性の受容体と反
応し得る抗体について証明された。
【0056】受容体のラミニン結合機能を阻害する抗体
を、細胞付着分析において更に選択した。モノクローナ
ル抗体を、プロテイン−Aセファロースによるアフィニ
ティークロトグラフィー(Pharmacia, Uppsala, Swede
n)によってハイブリドーマ培地から単離し(当該技術
分野に熟知のその他の方法も使用し得る)、単離した抗
体の、免疫受容体の源として作用する細胞のラミニンへ
の付着を阻害する能力をテストした。マイクロタイター
ウェルを1μg/mlの細胞付着促進ヒトラミニン断片でコ
ートし、RuGli細胞を、様々な濃度のモノクローナル抗
体のウェルにそれぞれ加えた。ポリクローナル抗ラミニ
ン受容体抗体を陽性コントロールとして使用し、抗フィ
ブロネクチン受容体αサブユニットモノクローナル抗体
を陰性コントロールとして使用した。抗体が所望の阻害
活性を有している場合には、ほとんどの細胞が分析の末
期においてウェルに付着しなかった。
【0057】実施例7腫瘍侵入分析における抗ラミニン受容体抗体のテスト 腫瘍細胞が組織に侵入するのを抗ラミニンαサブユニッ
ト抗体が干渉する能力をテストするために、羊水膜侵入
分析を使用する。RuGliグリア芽細胞腫細胞を、様々な
濃度の抗ラミニン受容体抗体および上記と同様のコント
ロール抗体の存在下で、文献(Gehlsenら, J. Cell Bio
l.106:925-930, 1988;本願に参考として記載してい
る)において記述されているように、羊水膜を通して移
動させる。阻害抗体の存在下において羊水膜を通して移
動する細胞は、コントロール抗体の場合よりも少ない。
【0058】実施例8放射受容体結合分析におけるラミニン受容体の阻害 マイクロタイターウェルを、実施例4において記述した
ようにPBS中の1から2μLでラミニンによりコートし
た。次いで、実施例1において記述したように、A-431
またはRuGli細胞から単離したラミニン受容体を単独で
(LM)、またはラミニンのキモトリプシン消化断片(ch
ymo. frag., 25μg/mL Dillnerら,前出)、110kDのフ
ィブロネクチンの断片(Pierschbacherら、Cell 26:259
-267 (1981)における110kD frag., 25μg/mL, 120kDの
断片)、または標識されないラミニン受容体(Cold LM
R)の存在下においてマイクロタイターウェルに加え
た。
【0059】その結果を図7に示す。データは、ラミニ
ン結合が阻害されていないときを100パーセントとして
比較した場合の結合したラミニン受容体の割合(百分
率)を示す。観察されるように、分子のCOOH末端部を構
成する部分由来のラミニンの細胞付着促進断片は、ラミ
ニン受容体がラミニンでコートされたウェルへ結合する
のを阻害した。更に、分子の細胞付着領域由来のフィブ
ロネクチン断片もまた、阻害的であった。予想されたよ
うに、コントロールとしてテストされた標識されないラ
ミニン受容体はまた、放射性受容体の結合を阻害した。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、細胞および組織でのラ
ミニン受容体の分析における直接的で迅速な利用が達成
される。上記の単離方法は、培養細胞または組織サンプ
ルをラミニン受容体の含量について分析するのに使用さ
れ得る。このような分析は、腫瘍等の細胞の付着能力を
決定するのに重要である。あるいは、単離された受容体
は、受容体の定量のための抗体を調製するために使用さ
れ得る。このような抗体と共に、受容体は、放射性免疫
分析またはELISAのような受容体についての分析を確立
させるであろう。受容体へ結合する化合物は、受容体の
ラミニンへの結合と競合するように、受容体と共に選択
され得、例えば腫瘍侵入中の腫瘍細胞の基部膜への付着
を防ぐ場合に有用である。あるいは、不溶形態である場
合に、この様な基質は、組織再構築におけるラミニンの
細胞付着促進効果を再生するために使用され得る。上記
実施例において記述されるラミニン受容体で主としてな
る試薬は、基質を選択された組織に運搬するのに使用さ
れ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラミニン親和性マトリックスから溶離された
画分のドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS-PAGE)写真である。
【図2】 非還元(NR)および還元(R)条件の下でのR
uGliラミニン受容体(レーン1)およびフィブロネクチ
ン受容体(レーン2)のドデシル硫酸ナトリウムポリア
クリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)写真である。
【図3】 ラミニン受容体の免疫ブロット分析を示す、
RuGli細胞から単離されたフィブロネクチン(A)および
ラミニン(B)受容体を非還元条件の下で電気泳動した
写真である。
【図4】 ラミニンおよびフィブロネクチン受容体の免
疫ブロット分析を示す、RuGli細胞抽出物から単離した
フィブロネクチン(レーン1、3)およびラミニン(レ
ーン2、4)受容体を非還元条件の下で電気泳動した写
真である。
【図5】 ラミニン受容体を含むリポソームの基質表面
への結合を示すグラフである。
【図6】 放射受容体結合分析を表すグラフである。
【図7】 放射受容体結合分析におけるラミニン受容体
結合阻害率を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/566 33/577 B (C12P 21/00 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 エヴァ エングヴァル アメリカ合衆国 カリフォルニア 92067 ランチョ サンタ フェ,ピー.オー. ボックス 1054 (72)発明者 カート アール ゲールセン アメリカ合衆国 カリフォルニア 92122 サンディエゴ,パルミラ ドライブ 7646−16

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インテグリンラミニン付着受容体を哺乳
    類細胞抽出調製物から単離する方法であって、以下の行
    程: a.ラミニンの細胞付着促進部位をマトリックスに結合
    させてアフィニティーカラムを構成する工程: b.単離されるべき細胞表面受容体とラミニン細胞付着
    部位との間の結合を形成するために、二価カチオンの存
    在下でカラムに該哺乳類細胞抽出調製物を流す工程; c.該結合に干渉し細胞表面受容体を選択的に溶離し得
    る物質を含む溶液で該カラムを溶離する工程;および d.溶離された該細胞表面受容体を採取する工程;を包
    含する方法:ここで該受容体は、ラミニンまたはラミニ
    ンの細胞付着促進断片と選択的に結合する受容体であっ
    て、αおよびβからなる2つのサブユニットを含み、該
    αサブユニットはさらに2つのジスルフィド結合された
    ポリペプチドを含むインテグリンα3である受容体であ
    る。
  2. 【請求項2】 前記マトリックスがアガロース由来であ
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記物質が、RuGliグリア芽細胞腫細胞
    およびMG-63骨肉腫細胞の付着によって規定されるラミ
    ニンの細胞付着部位を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記細胞抽出調製物が培養哺乳類細胞由
    来である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記細胞抽出調製物が哺乳類組織由来で
    ある、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記細胞抽出調製物がヒト細胞由来であ
    る、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ヒト細胞が骨肉腫細胞である、請求
    項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記細胞抽出調製物が胎盤組織由来であ
    る、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記細胞抽出調製物がラット細胞由来で
    ある、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ラミニンを含有する特異的組織成分に
    薬剤を標的化する方法であって、以下の行程: a.インテグリンラミニン付着受容体および/またはラ
    ミニン結合活性を保持する該受容体の修飾物を、薬剤を
    有するリポソームに取り入れる工程;および b.該取り入れたリポソームを該特異的組織成分に供与
    し、該取り入れたリポソームの結合を達成させる工程;
    を包含する方法:ここで該受容体は、ラミニンまたはラ
    ミニンの細胞付着促進断片と選択的に結合する受容体で
    あって、αおよびβからなる2つのサブユニットを含
    み、該αサブユニットはさらに2つのジスルフィド結合
    されたポリペプチドを含むインテグリンα3である受容
    体である。
  11. 【請求項11】 インテグリンラミニン付着受容体と結
    合し、該受容体のラミニンへの結合を阻害する化合物を
    提供することによって、ラミニン付着受容体のラミニン
    への結合を阻害する方法:ここで該受容体は、ラミニン
    またはラミニンの細胞付着促進断片と選択的に結合する
    受容体であって、αおよびβからなる2つのサブユニッ
    トを含み、該αサブユニットはさらに2つのジスルフィ
    ド結合されたポリペプチドを含むインテグリンα3であ
    る受容体である。
  12. 【請求項12】 インテグリンラミニン付着受容体を表
    現する細胞の基質表面への付着を阻害する方法であっ
    て、該受容体に結合する化合物を可溶形態で提供する工
    程を包含する方法:ここで該受容体は、ラミニンまたは
    ラミニンの細胞付着促進断片と選択的に結合する受容体
    であって、αおよびβからなる2つのサブユニットを含
    み、該αサブユニットはさらに2つのジスルフィド結合
    されたポリペプチドを含むインテグリンα3である受容
    体である。
  13. 【請求項13】 インテグリンラミニン付着受容体を表
    現する細胞を基質表面に付着させる方法であって、該受
    容体に結合する化合物を提供する工程、および該化合物
    を該基質表面にコートする工程を包含する方法:ここで
    該受容体は、ラミニンまたはラミニンの細胞付着促進断
    片と選択的に結合する受容体であって、αおよびβから
    なる2つのサブユニットを含み、該αサブユニットはさ
    らに2つのジスルフィド結合されたポリペプチドを含む
    インテグリンα3である受容体である。
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