JPH08205602A - 耕耘同時移植機のリヤカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータリ耕耘装置Ｃの後部に移植機Ｄを付設
した耕耘同時移植機において、湛水耕耘作業で発生する
泥土や泥水の流れを抑制するリヤカバーを構成して、移
植された苗の植付姿勢を向上させる。 【構成】 耕耘爪１０・１０・・・を有する耕耘爪軸１
４の上部を耕耘カバー１１で覆い、該耕耘カバー１１の
後部にリヤカバー１２を配置し、該リヤカバー１２の内
側に弾性体からなるプレート１６を垂下し、該プレート
１６とリヤカバー１２の下部との間に空間Ｅを形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は耕耘同時移植機のロータ
リ耕耘部のリヤカバーの構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、トラクタ等の後部にロータリ耕耘
装置を装着し、更に該ロータリ耕耘装置の後部に移植機
を装着して、耕耘と同時に植付作業を行えるようにした
耕耘同時移植機が公知となっている。この耕耘同時移植
機のリヤカバーは耕耘カバーの後部にリヤカバーの前部
を枢支して、該リヤカバーを上下回動可能に構成してい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の耕耘同時移植機
のロータリ耕耘部のリヤカバーは耕耘カバーの後部に上
下回動可能に枢支されていたので、このままで湛水耕耘
作業を行うと、耕耘爪の回転により耕耘された圃場の土
塊と水で生じた泥水の流れがリヤカバーの下を通過して
移植された苗の植付姿勢を乱したり、苗を流したりして
いた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いる。即
ち、ロータリ耕耘装置の後部に移植機を付設した耕耘同
時移植機において、耕耘爪軸を耕耘カバーで覆い、該耕
耘カバーの後部にリヤカバーを配置し、該リヤカバーの
内側に弾性体からなるプレートを垂下し、該プレートと
リヤカバーの下部との間に空間を形成したものである。

【０００５】

【作用】このような手段を用いることによって、本発明
はロータリ耕耘装置を駆動させることによって湛水耕耘
作業を行うと同時に、その後部に配置した移植機で植付
作業を行うとき、前記ロータリ耕耘装置の湛水耕耘作業
時には、耕耘爪の回転によって圃場の土塊が砕かれて、
水と混じり泥土となり、前進しながらの作業であるので
泥土は流されて、弾性体のプレートに当たる。この泥土
の流れによりプレートは変形され、流れる力を吸収して
緩和し、その緩和された後の泥土がリヤカバーの下を通
過するので、泥土と泥水の流速が緩和され、平均化され
る。

【０００６】

【実施例】次に、添付の図面に示した実施例の構成を説
明する。図１は本発明のリヤカバーを装備した耕耘同時
移植機の側面図である。トラクタＡの後部に三点リンク
式作業機装着装置Ｂが配設され、該作業機装着装置Ｂの
後部にロータリ耕耘装置Ｃが装着され、該ロータリ耕耘
装置Ｃの後部に移植機Ｄが配設される。即ち、作業機装
着装置Ｂを構成するトップリンク１後部にロータリ耕耘
装置Ｃのトップマスト３上部が枢支され、ロアリンク２
・２後部にギヤボックス５両側が枢支され、該ギアボッ
クス５上部にトップマスト３が固定されている。４はリ
フトアーム、６はリフトロッドであり、リフトアーム４
を回動させることでリフトロッド６を介してロアリンク
２を回動してロータリ耕耘装置Ｃ及び移植機Ｄを昇降で
きるようにしている。

【０００７】前記ギヤボックス５の両側より側方へビー
ム９・９が突出され、該ビーム９・９端部に伝動ケース
７とサイドサポートが固設され、該伝動ケース７とサイ
ドサポート下部の間に耕耘爪軸１４が横架され、該耕耘
爪軸１４上に耕耘爪１０・１０・・・が放射状に植設さ
れてロータリを構成し、このロータリ上方が耕耘カバー
１１にて覆われる。該耕耘カバー１１は側面視円弧状に
構成されて、耕耘爪軸１４近傍を中心に前後に回動可能
に構成され、スプリング３３によって後方へ回動するよ
うに付勢されている。

【０００８】前記耕耘カバー１１後部に本発明のリアカ
バー１２が固定され、図２に示すように、該リヤカバー
１２の内側上部にゴム、合成樹脂または金属からなる弾
性体よりなるプレート１６の上部が固設され、該リヤカ
バー１２とプレート１６は側面視逆Ｖ字状となるように
形成されて、リヤカバー１２と弾性体プレート１６と圃
場面との間に空間Ｅを形成するようにしている。但し、
図３に示すように、耕耘カバー１１後端に枢支軸１５を
設けて、該枢支軸１５にリヤカバー１２の前部を枢支
し、該リヤカバー１２と耕耘カバー１１の間の上部にロ
ッド１７を架設して、該ロッド１７にスプリング１８を
外嵌して、リヤカバー１２を下方へ付勢する構成とする
こともできる。

【０００９】また、前記トップマスト３とギヤボックス
５両側に平行リンク２２・２２を枢支し、該平行リンク
２２・２２後端に移植機Ｄの支持フレーム２３が枢支さ
れ、この上側の平行リンク２２とトップマスト３の間に
は油圧シリンダー２４が介装されて、該油圧シリンダー
２４を伸縮させることによって移植機Ｄを独立して昇降
できるようにしている。前記支持フレーム２３の下部に
は植付ケース２５が固設され、該植付ケース２５の後部
に植付爪２６が回動可能に配設され、植付ケース２５下
部にフロート２７を吊設し、該植付ケース２５上と前記
支持フレーム２３上部にガイドレールを横設して、苗載
台２９を左右往復摺動できるように載置している。

【００１０】そして、前記ロータリ耕耘装置Ｃのギアボ
ックス５前端より入力軸１３が突出され、該入力軸１３
とトラクタＡのＰＴＯ軸との間にはユニバーサルジョイ
ント２０を介装して動力を伝えられるように構成され、
ギアボックス５よりビーム９内の伝動軸、伝動ケース７
内のスプロケット、チェーンを介して耕耘爪軸１４に動
力を伝えて、耕耘爪１０・１０・・・を回転駆動するよ
うに構成している。また、ギヤボックス５より動力取出
軸２１を後方へ突出して、ユニバーサルジョイント３０
を介して、移植機Ｄの植付ケース２５より前方へ突出し
た入力軸に動力を伝えて、植付爪２６を回動したり、苗
載台２９を往復駆動できるようにしている。

【００１１】このような構成において作業を行う場合に
は、ロータリ耕耘装置Ｃを下降し、移植機Ｄも圃場面に
接地させる。そして、トラクタＡの前進とともに、ＰＴ
Ｏ軸の駆動によって、耕耘爪１０・１０・・・を回転さ
せて、一定の深さで湛水耕耘を行う。この湛水耕耘によ
って、圃場の土塊が砕かれ、水と混じり合って泥土とさ
れ、前進によって泥土と泥水はプレート１６に当たる。
この泥土の流れによりプレート１６は変形され、流れる
力を吸収して緩和し、その緩和された後の泥土がリヤカ
バー１２の下を通過し、そして、その後部で移植機Ｄに
よって植付作業が行われるが、泥土や泥水の流れは小さ
くなっているので、植え付け作業に悪影響を与えること
なく、苗の植付姿勢も崩すことはなくきれいに植えつけ
られていく。

【００１２】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したことによ
り次のような効果を奏する。即ち、耕耘爪により湛水耕
耘された圃場の土塊と水で生じた泥水の流れが、弾性体
よりなるプレートに当たり、該弾性体プレートとリヤカ
バーの下部面との間に形成される空間内で、弾性体プレ
ートが変形して、泥土と泥水の流速が緩和され平均化さ
れて、その後にリヤカバーの下を通過するので、泥水の
乱流もなくなり、その後方で移植される苗が流されるこ
ともなくなって正確に植えつけられるようになったので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のリヤカバーを装備した耕耘同時移植機
の側面図である。

【図２】同じくリヤカバー取付部の拡大側面断面図であ
る。

【図３】他の実施例のリヤカバーを装備した耕耘同時移
植機の側面図である。

【符号の説明】

Ｃ ロータリ耕耘装置 Ｄ 移植機 １０ 耕耘爪 １１ 耕耘カバー １２ リヤカバー １４ 耕耘爪軸 １６ プレート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロータリ耕耘装置の後部に移植機を付設
   した耕耘同時移植機において、耕耘爪軸の上部を耕耘カ
   バーで覆い、該耕耘カバーの後部にリヤカバーを配置
   し、該リヤカバーの内側に弾性体からなるプレートを垂
   下し、該プレートとリヤカバーの下部との間に空間を形
   成したことを特徴とする耕耘同時移植機のリヤカバー。