JPH0820088A - シート状積層体 - Google Patents

シート状積層体

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JPH0820088A
JPH0820088A JP15486594A JP15486594A JPH0820088A JP H0820088 A JPH0820088 A JP H0820088A JP 15486594 A JP15486594 A JP 15486594A JP 15486594 A JP15486594 A JP 15486594A JP H0820088 A JPH0820088 A JP H0820088A
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JP
Japan
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layer
sheet
laminate
base material
resin
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Application number
JP15486594A
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English (en)
Inventor
Shoichi Nakamura
正一 中村
Akitaka Miyake
顕隆 三宅
Akira Shibata
亮 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の内装材、OA機器のハウジング等の
ように、人が触る可能性のある部位に貼着・被覆するこ
とにより良好な接触感、耐傷付性を付与するシート状積
層体を提供する。 【構成】 熱可塑性ウレタンエラストマーを主成分とす
る表面層8/接着性樹脂層9/熱可塑性樹脂を主成分と
する基材層10/熱可塑性樹脂を主成分とする骨材層1
1がこの順に積層されてなるシート状積層体。かくする
ことにより、接触感や耐傷付性に優れ、適度の剛性を有
し、後加工による賦形性、賦形後の型保持性等を兼備し
たものとなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な接触感と、耐傷
付性に優れたものであって、自動車内装用、建材内装
用、物品の表面被覆用、包装用、装飾用等各種用途に使
用されるシート状積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】人が触る可能性のある物品の表面に貼り
付けて被覆することにより、良好な接触感と、耐傷付性
を付与するための被覆用シートや、自動車内装用、建材
内装用シート状材料として、熱可塑性樹脂シート或いは
フィルム等を積層した各種のシート状積層体が用いられ
ている。従来、このような被覆用シートとしては、
(イ)塩化ビニル、ポリプレピレン、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を使
用し、射出成形により、最初から成形体の形状に賦形し
たものを成形した後、耐傷付性を付与するために、表面
処理剤の有機溶剤溶液を塗布して表面処理層を形成した
もの、(ロ)同じ樹脂素材を使用して押出成形によりシ
ート状体を連続成形し、表面処理層を形成した後、定尺
に切断して真空成形、加圧成形等の後加工により成形体
の形状に賦形したもの等がある。
【0003】しかし、射出成形によるものは金型費が高
価であり、多品種少量生産には不向きである。また、何
れの方法によって製造されたものでも、使用する樹脂は
剛性に富むが故に接触感が悪く、使用樹脂がポリ塩化ビ
ニルの場合は、ブリードアウトした可塑剤のベトツキ
や、経時による可塑剤の揮散があり、用済み後の焼却時
に有毒ガスが発生する等、製品の品質上、安全衛生上、
リサイクル上の問題があった。更に耐傷付性付与のため
に行う表面処理では、有機溶剤使用による作業環境の悪
化が問題であり、乾燥ブースのような大掛かりな設備の
設置を余儀無くされ、設備費が高騰するという問題もあ
った。
【0004】そこで、特公平1−14023号公報に記
載のように、表面がエンボス加工されたポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー層を表面層とし、この裏面側
に、ポリエチレンまたはポリプロピレンの発泡体層を積
層してなるシート状積層体が提案されている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】上記のシート状積層
体に関しては、確かに製造に用いられる金型、接触感、
塩化ビニル樹脂に起因する諸問題は解決されるが、シー
ト表面の接触抵抗が増大するために耐傷付性が悪く、こ
の点では未解決であった。
【0006】本発明は、上述の如きシート状積層体にお
ける多くの問題点を解消し、製造工程上において安全衛
生上の問題がなく、大掛かりな設備を必要とせず、後加
工による賦形が容易であり、しかも耐傷付性、接触感に
優れたシート状積層体を提供することを第一の目的と
し、更に、例えば車両の内装材のように特に厚肉製品が
要求される場合に、所望の厚みを具備するとともに、厚
肉であるにも係わらず、軽量化されたシート状積層体を
提供することを第二の目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のシ
ート状積層体は、熱可塑性ウレタンエラストマーを主成
分とする層を表面層とし、この表面層に続いて接着性樹
脂層、熱可塑性樹脂を主成分とする基材層、及び熱可塑
性樹脂を主成分とする骨材層がこの順に積層されてなる
ものである。
【0008】請求項2記載の発明のシート状積層体は、
上記のシート状積層体において、基材層及び骨材層の何
れか一方もしくは両方を発泡体とするものである。
【0009】また、請求項3記載の発明のシート状積層
体は、熱可塑性ウレタンエラストマーを主成分とする層
を表面層とし、この表面層に続いて接着性樹脂層、熱可
塑性樹脂を主成分とする基材層、熱可塑性樹脂を主成分
とする発泡体層、熱可塑性樹脂を主成分とする骨材層が
この順に積層されてなるものである。
【0010】上記後2社の発明においては、発泡体層を
設けることにより、クッション性、接触感をより向上さ
せた厚肉シートとなし、併せて厚肉シートにかかわら
ず、軽量化されたものとしたところにある。
【0011】本発明のシート状積層体は、単にプラスチ
ック成形体の被覆用シートに採用されるばかりでなく、
包装用、装飾用、他のシートとの積層用等、他の多くの
用途にも採用出来ることは言うまでもない。
【0012】請求項1〜3記載の発明における、表面層
形成材料である熱可塑性ウレタンエラストマーとして
は、常温ではゴム弾性を有し、高温では可塑化されて各
種の形状に成形加工することが可能なものであり、一般
に分子中にエントロピー弾性を有するゴム成分(ソフト
セグメント)として、ポリエーテル、ポリエステル、ポ
リカーボネートを有し、塑性変形を防止するための分子
拘束成分(ハードセグメント)として、ウレタン結合で
構成されたセグメントを有している。成形可能な範囲に
おいては一部架橋構造を有する場合もあるが、広範囲の
三次元網目構造は有していないものである。
【0013】上記熱可塑性ウレタンエラストマーは、耐
傷付性を発現するために、そのガラス転移点(Tg)は
特に−50〜20℃のものが良好であり、分子量は剛性
の点から高いほうが好ましく、その重量平均分子量は2
0,000〜3,000,000の範囲が好ましい。ま
た、その硬さは裏面層に接着性樹脂層を介して積層する
基材層や発泡体層の硬さや、厚みによっても異なるが、
A硬さ(JIS K−7215)で50〜98程度のも
のが好ましい。
【0014】請求項1〜3記載の発明における、接着性
樹脂層を構成する材料としては、表面層および後述する
基材層を構成する樹脂に相溶するポリマーもしくはオリ
ゴマーが用いられる。このような樹脂分としては、主鎖
または側鎖に水酸基、アミド基、エポキシ基、カルボン
酸基、カルボン酸エステル基などの官能基を有する化合
物を含むポリマーもしくはオリゴマーが好適に用いられ
る。これら官能基のうち、カルボン酸基を有するものが
特に好ましく、カルボン酸の量としては、ポリマーもし
くはオリゴマーの酸価が、1〜30mg(KOH、g)
が好ましい。ポリマーの分子量は特に限定されないが、
一般的には2,000〜500,000程度である。軟
化点は100〜220℃程度が好ましい。軟化点がこの
範囲より低すぎると得られたシートの耐熱性が悪くな
り、高すぎると本来の接着性が悪くなる傾向にある。
【0015】請求項1〜3記載の発明における、基材層
を構成する樹脂としては、熱可塑性エラストマーや、ポ
リスチレン、アクリル系ポリマー、ポリカーボネート、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、AB
S(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体)、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレン
サルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエー
テルケトン、アイオノマーなどが挙げられるが、より柔
軟なソフトタッチ感を付与するためには、熱可塑性エラ
ストマーを採用することが好ましい。
【0016】例えば、熱可塑性エラストマーとしては、
成形性およびコスト面で優れる熱可塑性ポリオレフィン
系エラストマーが挙げられ、具体的には、ハードセグメ
ントとしてポリプロピレンを有し、ソフトセグメントと
してエチレンを有するもの、またはエチレンと共に少量
のジエン成分を有するもの(順にEPM、EPDM、総
称してEPR)、これらをブレンドして得られたもの
や、これらにさらに有機過酸化物を添加することにより
部分架橋させたもの等を使用することができる。
【0017】また、ポリプロピレン系樹脂が、チタン化
合物及びアルミニウム化合物の存在下において、先ずプ
ロピレン系樹脂を予備重合し、得られたこのチタン含有
ポリオレフィンと、上記チタン化合物及びアルミニウム
化合物の存在下で、プロピレンとエチレン、或いはプロ
ピレンとα−オレフィンとをそれぞれ共重合させて得ら
れたプロピレンエチレン、又はプロピレンα−オレフィ
ン共重合体からなり、且つ、ポリプロピレン系樹脂が、
重量平均分子量8〜60万の範囲内にあり、クロス分別
法による10℃の溶出量が全ポリプロピレン系樹脂量の
20〜80重量%であり、更に10〜65℃における大
略の溶出量が全ポリプロピレン樹脂量の10〜50重量
%、65〜90℃におけるそれが1〜15重量%、90
〜125℃におけるそれが10〜35重量%の範囲内に
あるようなものも使用できる。
【0018】これら熱可塑性ポリオレフィン系エラスト
マーの硬さは、所望するシート状積層体の表面の感触に
よっても異なるが、一般的に、A硬さ(JIS K−7
215)で50〜98の範囲が好ましい。また、熱可塑
性ポリオレフィン系エラストマーの押出成形性や延伸成
形性などを改良するために、さらにポリプロピレンやL
LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)などのポリオレ
フィン系樹脂が基材層に含有されていてもよい。
【0019】また、基材層にポリオレフィン系の熱可塑
性エラストマーが用いられる場合には、塩素化ポリオレ
フィン、アイオノマー樹脂(エチレン−メタクリル酸共
重合体金属塩)、酸変性されたSBS(スチレン−ブタ
ジエン−スチレン共重合体)同じく酸変性されたSEB
S(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合
体)などが好適に用いられ、特に、それ自身もエラスト
マーとしての性質を示すもの(例えば、A硬さ50〜9
8程度)が好ましく用いられる。
【0020】請求項2記載の発明における、発泡体から
なる基材層もしくは骨材層としては、上述の基材層形成
材料、或いは後述する骨材層形成材料に、同じく後述す
る発泡剤を配合して発泡させることにより得られる。ま
た、発泡倍率は1.5〜5倍、好ましくは2〜3倍程度
の低倍率とする。そのための発泡剤の添加量としては樹
脂100重量部に対して、0.5〜2重量部であり、発
泡剤と併用して発泡助剤(抑制剤、促進剤)、架橋剤等
を適宜添加使用するのがよい。
【0021】また、請求項3記載の発明における熱可塑
性樹脂からなる発泡体層を構成する樹脂としては、ポリ
プロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体
などのポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、各種熱可塑性エラストマー樹脂など
発泡可能な樹脂材料が挙げられる。
【0022】また、発泡倍率は、クッション性やソフト
タッチ感を発現するため、5〜50倍程度が好ましく、
特に20〜50倍程度が好ましい。また、発泡剤として
は、アゾ系発泡剤、ニトロソ系発泡剤、ヒドラジド系発
泡剤等が挙げられ、好ましくは、アゾ系もしくはニトロ
ソ系である。具体的には、アゾジカルボンアミド、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミンである。
【0023】発泡技術は、公知の技術が採用可能であっ
て、発泡剤にもよるが、例えば発泡剤分解法の範疇に入
るところの、常圧発泡法、プレス発泡法、押出発泡法等
が挙げられる。
【0024】請求項1〜3記載の発明における、骨材層
形成材料としては、主としてポリプロピレン等のオレフ
ィン系樹脂が使用される。そして、更に剛性及び耐熱性
を高めるために、タルク、マイカ、ウィスカ、ガラス繊
維等を添加することができる。
【0025】本発明のシート状積層体の形成材料には、
さらに必要に応じて顔料、染料等の着色剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、その他の添加剤を使用することがで
きる。具体的には、顔料としては、酸化チタン、酸化
鉄、カーボンブラック、シアニン系顔料、キナクリドン
系顔料等が挙げられ、染料としては、アゾ系染料、アン
トラキノン系染料、インジゴイド系染料、ステルベンゼ
ン系染料等が挙げられる。また、アルミフレーク、ニッ
ケル粉、金粉、銀粉等の金属粉等を着色剤として使用し
てもよい。これらの材料はできるだけ微粒子のものが好
ましい。これらの着色剤は、例えば高隠蔽性を有する着
色剤を用いる場合は、樹脂固形分100重量部に対し
て、2〜400重量部の範囲が好ましい。
【0026】本発明のシート状積層体に、種々の機能を
付与するために、各種機能性付与剤を添加することもで
きる。上記各種機能性付与剤とは、導電性材料、結露防
止剤、フォトクロミック化合物、防錆剤等である。さら
に、上記シート状積層体の意匠性を高めるために、印刷
等の模様付けを行う場合もある。この場合の印刷は、表
面層よりも接着性樹脂層に設けるのが好ましい。
【0027】上述の各樹脂材料を用いて、シート状積層
体を成形するには、共押出成形法が採用でき、場合によ
っては更にラミネーション法を併用してもよい。即ち、
請求項1記載の発明の場合、表面層、接着性樹脂層、基
材層からなる中間シートを共押出成形して一旦巻取り、
次いで該巻重体を巻き戻しつつ、別途、骨材層を押出成
形しつつ、中間シートの基材層側に骨材層が重なるよう
に熱溶融ラミネーションする方法、骨材層を一旦成形し
て一旦巻取り、次いで該巻重体を巻き戻しつつ、別途中
間シートを共押出成形しつつ、同様に接着剤を用いて該
中間層の基材層側に骨材層をドライラミネーションする
方法、4層共押出成形する方法等が挙げられる。
【0028】このようにして得られるシート状積層体の
厚みは、用途の相違に基づくシート構成により異なる
が、例えば、請求項1記載の発明の場合、、表面層が5
〜500μm、接着性樹脂層が5〜200μm、基材層
が200〜3000μm、骨材層が500〜3000μ
m程度となるように設定することが好ましい。
【0029】
【作用】請求項1記載の発明のシート状積層体は、熱可
塑性ウレタンエラストマーを主成分とする材料からなる
表面層を有するので、接触感や耐傷付性に優れたものと
なり、また、熱可塑性樹脂を主成分とする材料からなる
基材層を有するので、シート全体に優れた接触感が付与
されたものとなり、また、熱可塑性樹脂を主成分とする
骨材層を有するので、必要とする範囲内での剛性を付与
し、併せて後加工による賦形性、賦形後の型保持性をも
付与されている。また、各層の形成材料を全て熱可塑性
樹脂系に統一したので、成形手段として、各層の共押出
成形や熱溶融ラミネーション法の採用が可能である。
【0030】請求項2記載の発明のシート状積層体は、
請求項1記載の発明において、基材層及び骨材層の何れ
か一方もしくは両方を発泡体としたので、軽量な厚肉シ
ートが得られ、且つクッション性、接触感のより優れた
ものが得られる。
【0031】請求項3記載の発明のシート状積層体は、
請求項1記載の発明において、基材層と骨材層との間に
発泡体層を介在させたので、請求項2記載の発明と同等
以上の作用を発揮する。
【0032】本発明のシート状積層体は、単にプラスチ
ック成形体の被覆用シートに採用されるばかりでなく、
包装用、装飾用、他のシートとの積層用等、他の多くの
用途にも採用出来ることは言うまでもない。
【0033】また、基材層形成材料として、熱可塑性樹
脂を主成分とするものを使用しているので、優れた接触
感が具備され、骨材層を裏打ちすると共に、その形成材
料として熱可塑性樹脂を主成分とするものを使用してい
るので、必要とする範囲内での剛性感が付与され、併せ
て後加工での賦形性、賦形後の型保持性が付与される。
更に、各層の形成材料が全て熱可塑性樹脂系に統一され
ているので、各層の共押出成形や熱溶融ラミネーション
等の積層手段の採用が可能となった。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。
【0035】図1に、以下に述べる実施例に使用した成
形装置の概略図を示す。なお、部数は固形分での重量部
数を示す。また、以下の実施例では、表面層/接着性樹
脂層/基材層/骨材層の4層構造からなるシート状積層
体の成形例の場合を示す。
【0036】〔実施例1〜3〕各層の形成材料として、
次のものを使用した。 表面層:熱可塑性ウレタンエラストマー樹脂(旭硝子社
製、PN3429、JIS K−7215によるA硬
さ) 接着性樹脂層:酸変性されたSEBS(旭化成社製、タ
フテックM1943) 基材層:熱可塑性オレフィンエラストマー樹脂(三井石
油化学社製、ミラストマー8030N)80部にPPを
20部ペレットブレンドしたもの 骨材層:ポリプロピレン(チッソ社製、F−3122)
【0037】そして、先ず、図1に示すように、それぞ
れ押出機1a(口径40φ)から表面層成形用材料を、
また押出機1b(口径50φ)から接着性樹脂層成形用
材料をそれぞれ押し出してフィードブロック2内に送り
込み、この中で合流させ、この合流シートをマルチマニ
ホールドダイ3内に送り込んだ。一方、押出機1c(口
径90φ)から基材層成形用材料を押し出して、フィー
ドブロック2を経由し、マルチマニホールドダイ3内に
送り込み、このダイ3内で上記合流シートと更に合流さ
せ、中間シート4とした。
【0038】尚、各層の押し出し直後の温度調整は、表
面層及び接着性樹脂層=190℃、基材層=230℃と
なるように設定した。このときのダイ3の設定温度=2
00℃であった。次に、ダイから出てきた中間シート4
を、金属ロールとゴムロールの組み合わせになる引き取
りロール5、5′間に通して積層し、巻き取った。
【0039】次に、図2に示すように、押出機1d(口
径110φ)から骨材層形成材料を押し出しつつ、ダイ
7から押し出された直後のシートに、一方から上記中間
シート4を巻き戻しつつ、その基材層側が接するよう
に、引き取りロール5、5′と同じ構造からなる別の引
き取りロール6、6′間に通してラミネートし、請求項
1記載のシート状積層体S1を得た。尚、各引き取りロ
ール5、5′、6、6′の内、金属ロール5、6側の温
度が40℃になるように制御した。また、骨材層の押し
出し直後の温度調整は220℃、ダイ7の設定温度は2
20℃であった。
【0040】各層の厚みについては、表1に示すとおり
に変えた(実施例1〜3)。実施例1〜3のシート状積
層体S1の断面構造を図4(イ)に示す。同図におい
て、8は表面層、9は接着性樹脂層、10は基材層、1
1は骨材層である。
【0041】〔比較例1〕実施例1における骨材層のみ
のシートサンプルを作成した。
【0042】〔比較例2〕基材層を除いた他は実施例1
と同様にしてシートサンプルを得た。
【0043】〔実施例4〕骨材層形成材料1kg当たり
10gのアゾジカルボンアミドを添加し、ドライブレン
ドしたこと以外は、実施例1と同様にして請求項2記載
のシート状積層体S2を得た。
【0044】〔実施例5〕基材層及び骨材層の各形成材
料1kg当たりそれぞれ10gのアゾジカルボンアミド
を添加し、ドライブレンドしたこと以外は、実施例4と
同様にして請求項2記載のシート状積層体S2を得た。
【0045】シート状積層体S2の断面構造を図4
(ロ)、(ハ)、(ニ)に示す。同図(ハ)は実施例4
の場合、同じく(ニ)は実施例5の場合をそれぞれ示
す。同図において、10aは発泡体からなる基材層、1
1aは発泡体からなる骨材層である。
【0046】〔比較例3〕基材層を使用せず、骨材層を
発泡させなかったこと以外は、実施例4と同様にしてシ
ートサンプルを得た。
【0047】〔実施例6〕発泡体層形成材料としてポリ
プロピレン系発泡シート(積水化学社製、SPV250
2、厚み=2mm、発泡倍率=25)を使用し、図3に
示すように、実施例1の場合と同様に、表面層、接着性
樹脂層、基材層の3層構造の第一の中間シート12を共
押出成形し、押出直後の第一の中間シート12の基材層
側に、上記発泡シート13の巻重体を巻き戻しつつ、熱
融着ラミネートして、第二の中間シート14とした。
【0048】次に、図2に示す装置を用いて、骨材層形
成材料を押し出しつつ、押し出された直後のシートに、
一方から上記第二の中間シート14の発泡体層側が接す
るように引き取りロール6、6′間に通してラミネート
し、請求項3記載のシート状積層体S3を得た。
【0049】〔実施例7〕発泡体層形成材料としてポリ
プロピレン系発泡シート(積水化学社製、SPVSM1
503、厚み=3mm、発泡倍率=15)を使用し、基
材層の厚みを変更したこと以外は、実施例6と同様にし
て請求項3記載のシート状積層体S3を得た。
【0050】〔実施例8〕発泡体層形成材料としてポリ
プロピレン系発泡シート(積水化学社製、SP150
2、厚み=2mm、発泡倍率=15)を使用し、基材層
の厚みを変更したこと以外は、実施例6と同様にして請
求項3記載のシート状積層体S3を得た。シート状積層
体S3の断面構造を図4(ホ)に示す。同図において、
15は発泡体層である。
【0051】〔比較例4〕表面層、接着性樹脂層、骨材
層を使用せず、発泡体層形成材料としてポリプロピレン
系発泡シート(積水化学社製、SP2003、厚み=3
mm、発泡倍率=20)を使用し、基材層の厚みを変更
したこと以外は、実施例6と同様にしてシートサンプル
を得た。
【0052】〔比較例5〕表面層、接着性樹脂層、骨材
層を使用せず、発泡体層形成材料としてポリプロピレン
系発泡シート(積水化学社製、SP1502、厚み=2
mm、発泡倍率=15)を使用し、基材層の厚みを変更
したこと以外は、実施例6と同様にしてシートサンプル
を得た。
【0053】各実施例、及び比較例におけるシート状積
層体及びシートサンプルの耐傷付性、接触感(表面の硬
さ)、剛性、重量比の評価並びに測定結果を表1に示
す。尚、評価方法等は次の通りである。
【0054】耐傷付性:テーパースクラッチテスター
(東洋精機製作所製)による引っ掻き強さ試験によって
行い、目視により表皮に傷が付いたり、破れたりする時
の外観変化の荷重(50g〜500g)を以下の等級で
表し、4級以上が満足する荷重とした。5級=外観変化
が全く認められないもの。4級=わずかに外観変化が認
められるが、殆ど目立たないもの。3級=明らかに外観
変化が認められるが、目立ちの少ないもの。2級=外観
変化が著しいもの。1級=外観変化がかなり著しいも
の。
【0055】接触感:実用に耐え得る感覚のものを○、
実用に耐えられない感覚のものを×とした。
【0056】剛 性:JIS J−7221に準拠し
て、最大曲げ荷重を測定し、0.7kg/50mmを基
準値とし、基準値以上のものを○、基準値に満たないも
のを×とした。但し、試験速度を50mm/分とした。
【0057】重量比:比較例3のものを100とした場
合に対する換算重量を、百分率で表したものである。
【0058】
【表1】
【0059】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜3のものは、各評価項目共に満足すべきものであった
のに対し、骨材層のみである比較例1の場合は、耐傷付
性、接触感共に満足できるものではなく、基材層を欠く
比較例2の場合は、当然、接触感に乏しいものであっ
た。
【0060】また、実施例4、5のものは、各評価項目
共に満足すべきものであったのに対し、基材層を欠き、
骨材層も非発泡体である比較例3の場合は、当然、接触
感に乏しいものであった。
【0061】また、実施例6〜8のものは、各評価項目
共に満足すべきものであったのに対し、表面層、接着性
樹脂層、骨材層を欠く比較例4、5のものは、耐傷付性
に劣り、剛性に乏しいものであった。
【0062】
【発明の効果】請求項1〜3記載の発明は、上述の通り
の構成としたので、柔弾性や耐傷付性に優れたものとな
り、またシート全体に優れた接触感が付与されたものと
なり、また必要とする範囲内での剛性、後加工による賦
形性、賦形後の型保持性等を兼備したものとなってい
る。また、各層の形成材料を全て熱可塑性樹脂系に統一
して各層の共押出成形や熱溶融ラミネーションも可能で
ある。
【0063】従って、製造工程上において安全衛生上の
問題がなく、大掛かりな設備を必要とせず、生産効率も
よく、二次賦形が容易であり、しかも耐傷付性、接触感
に優れたシート状積層体となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1または2記載の発明のシート状積層体
の製造装置の一部を示す概略図である。
【図2】同上の製造装置の他の一部を示す概略図であ
り、請求項3記載の発明のシート状積層体の製造装置の
他の一部をも示すものである。
【図3】請求項3記載の発明のシート状積層体の製造装
置の一部を示す概略図である。
【図4】本発明のシート状積層体の実施例を示す断面図
であり、(イ)は請求項1記載の発明のシート状積層体
の実施例を示す断面図、(ロ)〜(ニ)はそれぞれ請求
項2記載の発明のシート状積層体の実施例を示す断面
図、(ホ)は請求項1記載の発明のシート状積層体の実
施例を示す断面図である。
【符号の説明】
S1、S2、S3 シート状積層体 1(a、b、c、d) 押出機 2 フィードブロック 3 マルチマニホールドダイ 4 中間シート 5、5′、6、6′ 引き取りロール 7 ダイ 8 表面層 9 接着性樹脂層 10、10a 基材層 11、11a 骨材層 12 第一の中間シート 13 発泡シート 14 第二の中間シート 15 発泡体層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ウレタンエラストマーを主成分
    とする表面層、接着性樹脂層、熱可塑性樹脂を主成分と
    する基材層、及び熱可塑性樹脂を主成分とする骨材層が
    この順に積層されてなることを特徴とするシート状積層
    体。
  2. 【請求項2】 基材層及び骨材層の何れか一方もしくは
    両方が発泡体からなることを特徴とする請求項1記載の
    シート状積層体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ウレタンエラストマーを主成分
    とする表面層、接着性樹脂層、熱可塑性樹脂を主成分と
    する基材層、熱可塑性樹脂を主成分とする発泡体層、及
    び熱可塑性樹脂を主成分とする骨材層がこの順に積層さ
    れてなることを特徴とするシート状積層体。
JP15486594A 1994-07-06 1994-07-06 シート状積層体 Pending JPH0820088A (ja)

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