JPH08198715A - 工業殺菌・静菌剤及び工業用殺菌・静菌方法 - Google Patents

工業殺菌・静菌剤及び工業用殺菌・静菌方法

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JPH08198715A
JPH08198715A JP605195A JP605195A JPH08198715A JP H08198715 A JPH08198715 A JP H08198715A JP 605195 A JP605195 A JP 605195A JP 605195 A JP605195 A JP 605195A JP H08198715 A JPH08198715 A JP H08198715A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2種の公知の工業用殺菌剤に少量のメチレン
ビスチオシアネートを組合せることにより、殺菌効果の
増強、その効果の持続の向上及び増殖抑制時間の延長効
果を有する工業用殺菌・静菌剤を提供する。 【構成】 (a) 2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピ
オンアミド、(b) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジ
アセトキシプロパン、1,2−ビスブロモアセトキシエ
タン、1,2−ビスブロモアセトキプロパン、1,2,
3−トリスブロモアセトキシプロパン及び1,4−ビス
(ブロモアセトキシ)−2−ブテンから選ばれたブロム
含有ポリアセトキシアルキレン誘導体及び(c) メチレン
ビスチオシアネートを相乗効果を奏する割合で含有させ
ることを特徴とする工業用殺菌・静菌剤及びその工業用
殺菌・静菌方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工業用殺菌・静菌剤
及び工業用殺菌・静菌方法に関する。さらに詳しくは紙
・パルプ工業における抄紙工程水、各種工業用の冷却水
や洗浄水、金属加工油剤、繊維油剤、ペイント、防汚塗
料、紙用塗途工液、ラテックス、糊剤、澱粉スラリー等
の防腐や殺菌・静菌に有用な工業用殺菌・静菌剤及び工
業用殺菌・静菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微生物汚染に起因して各種用水の
スライムによる障害が多発し、種々の弊害をもたらして
いる。ここでスライムとは、主として微生物の繁殖によ
って生じる粘性塊状〜泥状物質のことをいい、たとえ
ば、化学工場などの冷却水系統の熱交換器や配管などに
スライムが発生すると、冷却効率を低下させ、ときには
配管を閉塞させたり、あるいは、紙・パルプ工場の抄紙
工程水やパルプスラリーにスライムが発生すると、これ
が剥離して紙料やパルプに混入したとき、紙切れの原因
となり工程の運転を中断したり、又は紙やパルプに斑点
や着色が発生し製品の品質に損傷を与えるといったトラ
ブルが発生する。
【0003】また、表面サイズ剤やコーティングカラー
等に利用される澱粉スラリーは、スラリー溶解タンクで
調製され、その後ストレージタンク等に一時的又は所定
期間貯溜される。この貯溜期間が長くなったり、又は貯
溜温度の変動や、さらに、他の経路からの微生物の混入
等によって、該液状物が腐敗、変質し、これが原因し
て、腐敗臭の発生、pHの低下等性状の悪変が起こって、
使用に耐えなくなるばかりか、器壁にスライムが発生
し、これが剥離することによってストレーナーや経路を
閉塞する等作業上の障害をもたらす。
【0004】また、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリ
マー、繊維油剤、切削油、ラテックス類、合成樹脂エマ
ルジョンや水をベースとするいわゆる水溶性タイプの金
属加工油(クーラント)等の工業用途に供される多くの
水性液状物も上記澱粉スラリーと同様、微生物によって
品質の低下や作業障害が起こりやすい。これらの微生物
に起因する障害を防止するために各種工業用殺菌剤が開
発されている。
【0005】例えば、最近では毒性の低い5−クロロ−
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ
−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、2−
n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンで代表される
イソチアゾロン類や2−ブロモ−2−ニトロプロパン−
1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1
−エタノール、1,2−ビス−(ブロモアセトキシ)エ
タン、1,4−ビス−(ブロモアセトキシ)−2−ブテ
ンで代表される有機ブロム系化合物、メチレンビスチオ
シアネート、3,5−ジメチルテトラヒドロ−1,3,
5−2H−チアジアジン−2−オン及び2−(4−チオ
シアノメチルチオ)ベンゾチアゾール等が工業用殺菌剤
として汎用されている(日本防菌防黴学会より昭和61年
発行の「防菌防黴剤事典」参照)。
【0006】しかし、微生物のうち特に細菌類は同一殺
菌剤を長期間使用していると、その殺菌剤に対して抵抗
性の強い細菌のみが系内に繁殖し、従来使用していた殺
菌剤濃度では殺菌効果が著しく減退することが知られて
いる。そこで、いわゆる相乗効果を期待して、2種の殺
菌剤を組み合わせて使用することが提案されている。例
えば、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミ
ドは、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシ
プロパン又は1,4−ビス−(ブロモアセトキシ)−2
−ブテン等の公知の工業用殺菌剤との併用により、相乗
効果が発揮されることが知られている(特開平2-42007
号及び特公昭52-46285号各公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境汚染を防止
すべく排水規制等が厳しくなり、紙・パルプ工場におい
てもいわゆるクローズド化が進み工程水を循環使用する
場合が多くなると共に故紙の再利用率も高くなったた
め、系内の富栄養化が起こり各種微生物の繁殖速度が増
し、以前にも増してスライム障害が発生する頻度が高く
なってきた。
【0008】一方、新聞抄造系ではカラー刷りの新聞が
多く抄造されることに伴い定着剤としてでんぷんが大量
に使用されるようになったため、特にスライム障害が多
発している。また、一旦スライムが形成されると微生物
の代謝産物である粘性ゼラチン質の多糖類からできた粘
膜層(Slime layer )を形成し、この粘膜層がスライム
中の微生物と殺菌剤との接触を妨げる事実が確認され
た。スライム中の菌数は菌の増殖により109 〜1012と非
常に多くなっている場合が多く、スライム中から菌が水
中に移行しさらにスライムや腐敗の発生原因となる場合
もあった。
【0009】かかる状況下、従来の工業用殺菌剤の使用
では、殺菌効果が経時的に低下し、長期間にわたり有効
な殺菌効力が期待できないと共に増殖抑制効果も不十分
となる問題点があった。一方、2,2−ジブロモ−3−
ニトリロプロピオンアミドは、他の工業用殺菌剤に比較
して低濃度で顕著な殺菌力を有するが、生菌数の増殖を
長期間に亘り抑制する作用は小さいという欠点を有す
る。
【0010】前記提案の2,2−ジブロモ−3−ニトリ
ロプロピオンアミドを一方成分とする2成分の組み合わ
せにかかる工業用殺菌剤は、殺菌効力の持続性や増殖抑
制効果が改良されたものの未だ充分とは言えず、上記状
況下における紙・パルプ工業の工程水におけるスライム
コントロール剤や殺菌効力の持続性が求められる澱粉ス
ラリー、コーティングカラー、切削油、ラテックス類等
の防腐剤としては、必ずしも有効ではなかった。
【0011】この発明の目的は、2,2−ジブロモ−3
−ニトリロプロピオンアミドを含む2成分系工業殺菌剤
に、さらに殺菌成分を併用することにより殺菌効果の増
強、殺菌時間の持続性の向上及び増殖抑制効果の延長効
果を有する工業用殺菌・静菌剤を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者は、こ
の観点より、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオ
ンアミドと種々の工業用殺菌成分の組合せについて研究
した結果、2種の公知の工業用殺菌剤に少量のメチレン
ビスチオシアネートを特定割合で組合せることにより、
2成分の組合せに比較して、広範な種類の微生物に対し
て、いわゆる相乗的な殺菌効果の増強、その効果の持続
性の向上及び増殖抑制時間の延長効果が発揮される意外
な事実を見出した。
【0013】かくして、この発明によれば、(a) 2,2
−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(以下、
「DBNPA」という。)、(b) 2−ブロモ2−ニトロ
−1,3−ジアセトキシプロパン(以下、「DBNDA
P」という。)、1,2−ビスブロモアセトキシエタン
(以下、「BBAE」という。)、1,2−ビスブロモ
アセトキシプロパン(以下、「BBAP」という。)、
1,2,3−トリスブロモアセトキシプロパン(以下、
「TBAP」という。)及び1,4−ビス−(ブロモア
セトキシ)−2−ブテン−(以下、「BBAB」とい
う。)から選ばれたブロム含有ポリアセトキシアルキレ
ン誘導体及び(c) メチレンビスチオシアネート(以下
「MBTC」という。)を相乗効果を奏する割合で含有
することを特徴とする工業用殺菌・静菌剤が提供され
る。
【0014】この発明に用いられる原料化合物は、前記
したようにいずれも公知の殺菌剤であり、市販のものを
使用することができる。この組合せによる相乗効果は、
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを含
む2成分系工業用殺菌剤に対して重量比として1/30と
いう少量のメチレンビスチオシアネートを組み合わせた
場合に発揮され、しかも、その殺菌・静菌効果は、それ
ぞれ単独の殺菌・静菌効果から予想することができない
程顕著なものであった。
【0015】このような顕著な効果が発揮される理由の
詳細は明らかではないが、特定の化合物の特定割合の組
合せによる相乗作用ではないかと考えられる。この発明
の工業用殺菌・静菌剤において、相乗効果を奏する割合
としては、一般に(a) 成分を1重量部として(b) 成分が
0.03〜10重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部であ
り、(a) 成分と(b) 成分の合計量を1重量部として(c)
成分が0.01〜2.5 重量部、好ましくは0.02〜1重量部、
さらに好ましくは0.02〜0.5重量部の配合割合である。
【0016】さらに、具体的な化合物を例にとり、各成
分の相乗効果を奏する好ましい配合割合を挙げれば、次
の通りである。 1)DBNPAを1重量部としてDBNDAPが0.03〜10
重量部であり、DBNPAとDBNDAPの合計量を1
重量部としてMBTCが0.01〜2.5 重量部 2)DBNPAを1重量部としてBBAEが0.1〜10重量
部であり、DBNPAとBBAEの合計量を1重量部と
してMBTCが0.01〜2.5重量部 3)DBNPAを1重量部としてBBAPが0.1〜10重量
部であり、DBNPAとBBAPの合計量を1重量部と
してMBTCが0.01〜2.5重量部 4)DBNPAを1重量部としてTBAPが0.1〜10重量
部であり、DBNPAとTBAPの合計量を1重量部と
してMBTCが0.01〜2.5重量部 5)DBNPAを1重量部としてBBABが0.1 〜10重量
部であり、DBNPAとBBABの合計量を1重量部と
してMBTCが0.01〜2.5 重量部 とするのが相乗効果が発揮されるため好ましく、さらに 6)DBNPAを1重量部としてDBNDAPが0.05〜5
重量部であり、DBNPAとDBNDAPの合計量を1
重量部としてMBTCが0.03〜1重量部 7)DBNPAを1重量部としてBBAEが0.2〜5重量
部であり、DBNPAとBBAEの合計量を1重量部と
してMBTCが0.02〜0.5重量部 8)DBNPAを1重量部としてBBAPが0.2〜5重量
部であり、DBNPAとBBAPの合計量を1重量部と
してMBTCが0.02〜0.5重量部 9)DBNPAを1重量部として、TBAPが0.2〜5重
量部であり、DBNPAとTBAPの合計量を1重量部
としてMBTCが0.02〜0.5重量部 10)DBNPAを1重量部としてBBABが0.2 〜5重
量部であり、DBNPAとBBABの合計量を1重量部
としてMBTCが0.02〜1重量部 とするのが特に顕著な相乗効果が発揮されるためより好
ましい。
【0017】この発明の工業用殺菌・静菌剤は、通常各
有効成分からなる液剤の形態に調製し、種々の工業用殺
菌・静菌対象系に用いられる。特に、殺菌・静菌対象系
が製紙工程のプロセス水や工業用冷却水等の各種水系や
澱粉スラリーや合成樹脂エマルジョン等の場合には、有
効成分の溶解、分散性を考慮して、親水性有機溶媒さら
に必要があれば分散剤(界面活性剤等)を用いた液剤と
するのが好ましい。
【0018】この親水性有機溶媒としては、ジメチルホ
ルムアミド等のアミド類、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、フェ
ニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコ
ールエーテル類、炭素数8までのアルコール類又はメチ
ルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシブチル
アセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−エト
キシエチルアセテート、プロピレンカーボネート、グル
タル酸ジメチル等のエステル類が挙げられる。
【0019】分散剤としては、カチオン性界面活性剤、
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性
界面活性剤が適当であり、製剤としての安定性の点でノ
ニオン性界面活性剤が好ましい。このノニオン性界面活
性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加
物(エチレンオキサイドは以下E.Oと略す)、アルキ
ルフェノール(E.O)付加物、脂肪酸(E.O)付加
物、多価アルコール脂肪酸エステル(E.O)付加物、
高級アルキルアミン(E.O)付加物、脂肪酸アミド
(E.O)付加物、油脂の(E.O)付加物、プロピレ
ンオキサイド〔P.Oと略す〕(E.O)共重合体、ア
ルキルアミン(P.O)(E.O)共重合体付加物、グ
リセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂
肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エ
ステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのア
ルキルエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。
【0020】これら製剤の配合は、工業殺菌剤有効成分
の合計量1〜70重量部、残部を親水性有機溶媒等とする
のが好ましい。また必要に応じて、分散剤が該有効成分
の合計1重量部に対して少なくとも0.01重量部配合され
てもよい。なお、殺菌対象系が切削油、油性塗料などの
油系の場合には、灯油、重油、スピンドル油等の炭化水
素溶媒を用いた液状製剤とするのが好ましく、上記分散
剤を用いてもよい。
【0021】さらに、この発明の有効成分がそれぞれに
直接溶解又は分散しうる殺菌対象系に対しては、直接又
は固体希釈剤(例えばカオリン、クレー、ベントナイ
ト、カルボキシメチルセルロース類等)で希釈された粉
剤として用いられてもよく、各種界面活性剤を用いても
よい。
【0022】この発明の工業用殺菌・静菌各有効成分
は、場合によっては別々の製剤として同時に又は別々に
殺菌対象系に添加してもよい。この発明の工業用殺菌・
静菌剤を有効に使用できる工業用殺菌・静菌対象系とし
ては、 i)紙・パルプ工業における抄紙工程や各種工業におけ
る冷却水系統 ii)紙・パルプ工場で使用される紙用途工液(コーティ
ングカラー)、炭酸カルシウムスラリー、合成樹脂エマ
ルジョン(スチレン−ブタジエンゴムラテックス等)、
澱粉糊料等 iii )その他:金属加工油(切削油、圧延油等)、繊維
油剤、各種ペイント類(エマルジョン塗料、油性塗料
等)、各種接着剤、糊剤、ラテックスコンパウンド、セ
メント分散剤等 の工業製品が挙げられる。
【0023】特に、スライム障害が直接製品に悪影響を
及ぼす紙・パルプ工業における抄紙工程が、この発明の
効果が顕著に発揮されるため好ましい対象系の一つであ
る。この発明の工業用殺菌・静菌剤の添加量は、上記工
業用対象系により異なるが、通常有効成分((a) 成分と
(b) 成分と(c) 成分の合計量)の濃度として0.1 〜200m
g/L 、好ましくは0.5 〜100mg/L 程度で充分である。
【0024】添加量が0.1mg/L 未満であると有効な殺菌
効果が発揮されないため好ましくなく、200mg/L より多
く添加してもよいが経済的な理由で好ましくない。特
に、スライム障害が直接製品に悪影響を及ぼす紙・パル
プ工業における抄紙工程が、この発明の効果が顕著に発
揮されるため好ましい対象系の一つである。
【0025】また、この発明によれば、工業用殺菌・静
菌対象系に、(a) 2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロ
ピオンアミド、(b) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−
ジアセトキシプロパン、1,2−ビスブロモアセトキシ
エタン、1,2−ビスブロモアセキシプロパン、1,
2,3−トリスブロモアセトキシプロパン及び1,4−
ビス−(ブロモアセトキシ)−2−ブテンから選ばれた
ブロム含有ポリアセトキシアルキレン誘導体及び(c) メ
チレンビスチオシアネートを相乗効果を奏する割合で、
かつ、合計有効殺菌剤濃度として0.1 〜200mg/L となる
ように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業
用殺菌・静菌方法が提供される。
【0026】この場合、各殺菌有効成分の併用割合を、
この発明の工業殺菌剤と同様に、(a) 成分を1重量部と
して(b) 成分が0.03〜10重量部、さらに好ましくは0.05
〜5重量部であり、(a) 成分と(b) 成分の合計量を1重
量部として(c) 成分が0.01〜2.5 重量部、好ましくは0.
02〜1重量部、さらに好ましくは0.02〜0.5重量部の配
合割合で含有することにより顕著な相乗効果が発揮され
る。
【0027】この発明の方法において、上記の有効成分
を同時に添加する場合には、前述したように同一製剤と
し用いるのが簡便であるが、別々に添加しても同様な効
果が発揮される。この場合も、上記した製剤化形態が好
ましい。この発明において各有効成分((a) 成分と(b)
成分と(c) 成分の合計量)の添加量は、殺菌対象系によ
り異なるが、通常有効成分の濃度として0.1 〜200mg/
L、好ましくは0.5 〜100mg/L 程度で充分である。
【0028】添加量が0.1mg/L 未満であると有効な殺菌
効果が発揮されないため好ましくなく、200mg/L より多
く添加してもよいが経済的な理由で好ましくない。この
発明の工業用殺菌・静菌方法が適用される工業用殺菌・
静菌対象系としては、上記した工業製品が挙げられる。
この発明を以下の実施例及び試験例により例示する。
【0029】
【実施例】以下の実施例は、この発明の有効成分として
(3種の化合物)からなる製剤であり、比較例としては
この発明の有効成分の1種または2種からなるか、或い
はこれに他の公知の殺菌剤を加えて調製した製剤であ
る。 実施例 製剤例1 DBNPA 8重量部 DBNDAP 5重量部 MBTC 1.5重量部 プロピレンカーボネート 85.5重量部 製剤例2 DBNPA 10重量部 DBNDAP 3重量部 MBTC 1重量部 ジエチレングリコール 86重量部 製剤例3 DBNPA 10重量部 BBAB 5重量部 MBTC 2重量部 プロピレンカーボネート 83重量部 製剤例5〜19を表2に示す。 比較例 比較製剤例1 DBNPA 10重量部 DBNDAP 10重量部 プロピオンカーボネート 80重量部 比較製剤例2 DBNPA 10重量部 MBTC 3重量部 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール 15重量部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 72重量部 比較製剤例3〜12を表3に示す。
【0030】なお、上記略号は以下の化合物を意味す
る。 DBNPA :2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピ
オンアミド DBNDAP:2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジア
セトキシプロパン BBAB :1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2
−ブテン MBTC :メチレンビスチオシアネート
【0031】試験例1〔製紙抄造白水でのスライム付着
抑制効果確認試験〕 某製紙会社より採取した板紙抄造白水(故紙利用率50
%、pH5.4 、生菌数1.1 ×107 CFU/ml、菌種:Alcalige
nes sp. Pseudomonas sp. Bacillus sp.)1lを、90mm
×70mmに切り取った2mmのアクリル板を浸漬したビーカ
ーに入れ、各種工業用殺菌剤を3ppm となるように添加
し、液温を30℃に調節して50rpm で1週間連続運転し
た。試験終了後のアクリル板を取り出し、付着したスラ
イム量を測定した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】評価:スライム付着の度合いを0から5の
6段階にて評価。数値が大きいほど汚れの度合いが大き
い。 評価基準5:アクリル板の全面(100%)にスライムの
付着が認められる。 4:アクリル板の70〜90%にスライムの付着が認められ
る。 3:アクリル板の50〜70%にスライムの付着が認められ
る。 2:アクリル板の30〜50%にスライムの付着が認められ
る。 1:アクリル板の10〜30%にスライムの付着が認められ
る。 0:アクリル板にスライムの付着が認められない。
【0034】試験例2〔中性抄造白水での静菌効果確認
試験〕 某製紙会社より採取した中性抄造白水(故紙利用率40
%、pH7.5 、生菌数6.1×106 CFU/ml、菌種:Alcaligen
es sp. Pseudomonas sp. Flavobacterium sp.)を濾過
してL字管に分注し、供試薬剤を所定の濃度になるよう
に添加する。栄養源としてブイヨン培地を加え、30℃で
24時間振盪培養し、最小発育阻止濃度(MIC24hr:吸
光度660 nmで菌の増殖に基づく濁りが認められない濃
度)を測定した。その結果を図1〜図3に示す。
【0035】試験例3〔酸性抄造白水での静菌効果確認
試験〕 某製紙会社より採取した酸性抄造白水(故紙利用率50
%、pH4.5、生菌数8.4×106cell/ml、菌種:Bacillus s
p. Pseudomonas sp. Flavobacterium sp.)を濾過して
L字管に分注し、供試薬剤を所定の濃度になるように添
加する。栄養源としてブイヨン培地を加え、30℃で24時
間振盪培養し、最低発育阻止濃度(MIC 24hr:吸光度660
nm で菌の増殖に基づく濁りが認められない濃度)を測
定した。その結果を図4〜図6に示す。
【0036】試験例4〔中性紙抄造工程白水を用いた静
菌効果確認試験〕 某製紙工場の中性紙抄造工程白水〔pH:7.9、生菌数6.0
×107CFU/ml(菌種:Bacillus sp. Pseudomonas sp. Fl
avobacterium sp.)、故紙利用率50%〕を濾過したもの
を供試水として、増殖抑制効果確認試験を行なった。 (試験方法)供試水に液体ブイヨン培地を加えたものを
予め滅菌したL型試験管にとる。次いで、これに薬剤を
所定量添加し、30℃で振盪培養した。24時間後、菌の増
殖に基づく濁りを660nm の吸光度で測定し、効果の有無
を判定した。各薬剤添加時において吸光度の増加が認め
られない最小添加量(mg/l)、すなわち最小発育阻止濃
度(MIC 24Hr)を求めた。試験結果を表2及び表3に示
す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】この発明の工業用殺菌・静菌剤は、2,
2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを含む特
定の2成分系工業用殺菌成分に、メチレンビスチオシア
ネートを組合せることにより、それぞれ2成分の組合せ
に比較して、広範な種類の微生物に対し、いわゆる相乗
的な殺菌効果の増強、その効果の持続性の向上及び増殖
抑制時間の延長効果が発揮される。
【0040】この発明は、特に、スライム障害が直接製
品に悪影響を及ぼす紙・パルプ工業における抄紙工程水
用の殺菌・静菌剤及び殺菌・静菌方法として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】DBNPAとDBNDAPとMBTCの相乗効
果を示すMIC図である。
【図2】DBNPAとDBNDAPとMBTCの相乗効
果を示すMIC図である。
【図3】DBNPAとDBNDAPとMBTCの相乗効
果を示すMIC図である。
【図4】DBNPA、BBAB、MBTCの相乗効果を
示すMIC図である。
【図5】DBNPA、BBAB、MBTCの相乗効果を
示すMIC図である。
【図6】DBNPA、BBAB、MBTCの相乗効果を
示すMIC図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【実施例】以下の実施例は、この発明の有効成分として
(3種の化合物)からなる製剤であり、比較例としては
この発明の有効成分の1種または2種からなるか、或い
はこれに他の公知の殺菌剤を加えて調製した製剤であ
る。 実施例 製剤例1 DBNPA 8重量部 DBNDAP 5重量部 MBTC 1.5重量部 プロピレンカーボネート 85.5重量部 製剤例2 DBNPA 10重量部 DBNDAP 3重量部 MBTC 1重量部 ジエチレングリコール 86重量部 製剤例3 DBNPA 10重量部 BBAB 5重量部 MBTC 2重量部 プロピレンカーボネート 83重量部 製剤例4 DBNPA 10重量部 BBAB 10重量部 MBTC 2重量部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 78重量部 製剤例5〜19を表2に示す。 比較例 比較製剤例1 DBNPA 10重量部 DBNDAP 10重量部 プロピレンカーボネート 80重量部 比較製剤例2 DBNPA 10重量部 MBTC 3重量部 2-ブロモ-2- ニトロ-1,3- プロパンジオール 15重量部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 72重量部 比較製剤例3〜12を表3に示す。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月16日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 工業殺菌・静菌剤及び工業用殺菌・静
菌方法

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 2,2−ジブロモ−3−ニトリロプ
    ロピオンアミド、(b) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3
    −ジアセトキシプロパン、1,2−ビスブロモアセトキ
    シエタン、1,2−ビスブロモアセトキシプロパン、
    1,2,3−トリスブロモアセトキシプロパン及び1,
    4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテンから選ばれ
    たブロム含有ポリアセトキシアルキレン誘導体及び(c)
    メチレンビスチオシアネートを相乗効果を奏する割合で
    含有させることを特徴とする工業用殺菌・静菌剤。
  2. 【請求項2】 (a) 成分を1重量部として(b) 成分が0.
    03〜10重量部であり、(a) 成分と(b) 成分の合計量を1
    重量部として(c) 成分が0.01〜2.5 重量部である請求項
    1記載の工業用殺菌・静菌剤。
  3. 【請求項3】 (a) 成分を1重量部として(b) 成分が0.
    05〜5重量部であり、(a) 成分と(b) 成分の合計量を1
    重量部として(c) 成分が0.02〜1重量部である請求項1
    記載の工業用殺菌・静菌剤。
  4. 【請求項4】 工業用殺菌・静菌対象系に、(a) 4,5
    −ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン、(b) 2−
    ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン、
    1,2−ビスブロモアセトキシエタン、1,2−ビスブ
    ロモアセトキシプロパン、1,2,3−トリスブロモア
    セトキシプロパン及び1,4−ビス−(ブロモアセトキ
    シ)−2−ブテンから選ばれたブロム含有ポリアセトキ
    シアルキレン誘導体及び(c) メチレンビスチオシアネー
    トを相乗効果を奏する割合で、かつ、合計有効殺菌成分
    濃度として0.1 〜200mg/L となるように同時に又は別々
    に添加することを特徴とする工業用殺菌・静菌方法。
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