JPH08196146A - 園芸用鉢ないし園芸用支柱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 本発明は、通気性及び排水性に優れ、鉢の側
面にも種を植え、また根付かせることができる園芸用
鉢、及び巻き付き易く、内部に根を張らせ養分を吸収で
きると共に、巻き付きを強固にできる園芸用鉢ないし支
柱を提供する。 【構成】 本発明の園芸用鉢１は、側面に複数の穴２が
形成され、内側および／または外側に天然繊維又は合成
繊維等の保水性材料層３が設けられ、さらに、鉢の内側
に鉢の開口部と底部を貫通する通気性中空部材４が設け
られている。また本発明の園芸用支柱は、中空の支柱の
側面に多数の穴が形成され、この支柱の内側および／ま
たは外側に天然繊維又は合成繊維等の保水性材料層が設
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、園芸用鉢ないし、特に
つる性植物に適した園芸用支柱に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の園芸用鉢は、素焼き製、陶磁器
製、プラスチック製等のものが一般に用いられ、また従
来の園芸用支柱は、合成樹脂で被覆された鋼管が一般に
用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の園芸用鉢
は、通気性および排水性が劣るため、特に夏期にあって
は鉢内の高温化や蓄熱化を促し、根腐れや栽培植物の生
長不良等を引き起こす。また、上記従来の園芸用支柱
は、表面が硬く平滑であるため、栽培される植物のつる
が巻き付きにくく、つるや茎が支柱から外れ易いという
問題があった。

【０００４】本発明は、通気性および排水性に優れ、鉢
の側面にも種を植え、根付かせることができる園芸用
鉢、および巻き付きが容易で、内部に根を張らせて養分
を吸収できると共に巻き付きを強固にできる園芸用鉢な
いし支柱を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、側面に複数の
穴を形成し、側面の内側および／または外側に天然繊維
または合成繊維等の保水性材料層を設けた園芸用鉢ない
し支柱、および鉢の内側に鉢の開口部と底部を貫通する
通気性中空部材を設けた園芸用鉢ないし支柱を要旨とす
る。

【０００６】本発明の園芸用鉢ないし支柱は、通常、新
聞故紙、段ボール再生故紙に無機フィラーを充填したも
のや、特にはプラスチック製の比較的軽量の材料で形成
されるのが好ましいが、これに限定されることなく、従
来公知の陶磁器等を用いてもよい。

【０００７】本発明は、このような材料で形成された園
芸用鉢ないし支柱（以下、単に鉢ないし支柱という。）
の側面に複数の穴を形成し、内側および／または外側に
天然繊維または合成繊維等の保水性材料層を設けてい
る。

【０００８】鉢ないし支柱の側面に形成される複数の穴
は、鉢内の通気性を促進し、鉢ないし支柱の内側および
／または外側に巻き付く、つる性等の植物の根付きを容
易にするもので、これらのうち比較的大きな穴は、直接
この穴から鉢ないし支柱内の保水性材料層に植物、種、
苗、成体を植えることができるようにするもので、栽培
しようとする植物に適した穴に形成される。

【０００９】この比較的大きな穴は、９ｃｍ² 〜２５ｃ
ｍ² の大きさに形成し、他方通気性促進のみの穴は、比
較的小さく、０．５ｍｍ² 〜５ｍｍ² とするのが好まし
い。穴の大きさは、特に制限はないが、通常０．１ｍｍ
〜５０ｍｍの間の適宜の大きさのものを、各穴の面積の
和が鉢の外周面積に対して２０％〜３０％の割合になる
ように適宜分散して形成するのがよい。

【００１０】穴の配置状態は、比較的大きな穴（例え
ば、直径３０ｍｍ〜５０ｍｍの円孔）を８０ｍｍ〜１０
０ｍｍの一定間隔で千鳥状に設け、その中間に直径０．
１ｍｍ〜５ｍｍの円孔を１０ｍｍの一定間隔で、格子
状、菱目状、千鳥状等、適宜の模様に均一または不均一
に配し、あるいは配さずして設ける等、植物の植性（特
に呼吸量）に応じて適宜選択すればよい。また、上記穴
は、鉢の外形に合わせて、円形、楕円形、三角形等各種
の形状を組み合わせることにより鉢全体の装飾性を高め
ることができる。

【００１１】本発明の鉢ないし支柱の内側および／また
は外側に設けられる保水性材料層は、従来の鉢に入れる
土壌性材料であれば特に制限はないが、植物の生長に適
した保水性のある天然繊維または合成繊維材料が好まし
く採用される。このような天然繊維材料としては、水
苔、椰子の実繊維、ピート等が用いられ、合成繊維材料
としては、従来公知の合成繊維が採用できる。

【００１２】鉢ないし支柱の内側および／または外側に
設けられる上記保水性材料層は、上記のような保水性材
料を鉢ないし支柱の内側では詰め込むように、外側では
付着、植毛、巻回、縛り付け、さし込み等、適宜の手段
で固定するようにして設けられるが、詰める量が多過ぎ
ると植性によっては、保水性が良過ぎて根腐れ等を引き
起こしたり、反対に少な過ぎると良好な保水性が保てな
いので植性に応じて、好適な詰め密度になるようにす
る。

【００１３】本発明の鉢ないし支柱の大きさは、特に制
限はないが、鉢として用いる場合は、通常、径が５ｃｍ
〜５０ｃｍ、高さが径の１／１０〜３倍、支柱として用
いる場合は、径が３ｍｍ〜５０ｃｍのものが好ましく採
用される。

【００１４】また、本発明の鉢ないし支柱の外側に設け
られる保水性材料層は、特につる性等の植物に用いられ
る鉢ないし支柱に好適で、つる性植物ないし気根性植物
（ポトスや寄性植物等）が鉢の外側に張り出して根を張
り、巻き付き易くするためのものであり、鉢ないし支柱
の内側に設けられる上記保水性材料と同じものが採用で
きる。

【００１５】本発明の鉢ないし支柱は、栽培する植物の
植性に応じ、内側のみに上記保水性材料層を設けたもの
や、内側および外側に上記保水性材料を設けたものを選
択して使用する。また、本発明の鉢ないし支柱は、その
内側に鉢ないし支柱の開口部と底部を貫通する通気性中
空部材を設けることにより、鉢ないし支柱内の通気性を
より高め、鉢ないし支柱内の高温、蓄熱化をより一層防
止することができる。この通気性中空部材は、大型の鉢
ないし支柱に特に有効である。

【００１６】この通気性中空部材は、前記本発明の鉢な
いし支柱の開口部と底部を貫通し、その側面が通気性を
有する構成である。このような中空部材の通気性は、通
常、プラスチック製パイプの側面に無数の小孔（０．３
ｍｍ〜３．０ｍｍ径）を均一に設けるか、無数の小孔を
開けたプラスチックシートまたはプラスチック板を円筒
状にしたもの等を使用することによって得られるが、天
然または合成繊維材料の集合体を筒状に形成したものを
使用してもよく、その他通気性を有し、中空部材であれ
ば不織布、編織物、天然または合成紙等どのようなもの
を採用してもよい。上記プラスチックシートまたは板に
は、耐久性、加工性の観点からＰＶＣ、ＰＥが好ましく
採用される。なお、上記プラスチックシートとしては、
シートの両辺縁に形成された嵌着部材を、互いに結合さ
せることにより中空部材を容易に形成することのでき
る、いわゆるシートパイプを採用するのが好ましい。

【００１７】この通気性中空部材は、通常、円筒状ない
し円錐台状に作られ、鉢ないし支柱のほぼ中心部に設け
られる。また、この通気性中空部材の大きさは、例えば
使用される鉢ないし支柱が円筒状の場合、その内径の１
／３〜１／４の径に形成するとよい。中空部材の外側
と、鉢ないし支柱の内側ないし外側のみに保水性材料を
詰めたもの、換言すれば中空部材の内側を単に中空とし
たものは、鉢ないし支柱内の高温化の防止や、良好な通
気性の確保、および蓄熱化を防止することができる。

【００１８】本発明の鉢は、吊り下げて使用する、いわ
ゆる吊り鉢としても適用できる。この場合、吊り鉢の底
面に水貯蔵部となる受皿部を一体、あるいは別個に嵌合
ないし遊嵌して設けるのが好ましく、また、吊り手は、
通常、鉢の上側面に取り付けられるが、吊り鉢として内
側に通気性中空部材を形成したときは、この通気性中空
部材の中を通過させて、受皿部の底面で留めるように形
成すると良い。本発明の鉢ないし支柱内部の保水性材料
の保護、および鉢ないし支柱内の良好な保水性を保持す
るため、鉢ないし支柱の頂部と底部に通気性のある蓋を
設けてもよい。

【００１９】以下に、本発明の鉢ないし支柱を図面に基
づいて説明する。図１は、本発明の鉢ないし支柱の一例
の鉢に近い形での（以下、鉢とする）使用状態を示す斜
視図であるが、図示しないが、これを図面の長手方向に
連続して伸長すれば支柱としても利用できることは容易
に理解できるであろう。図２は、本発明の鉢ないし支柱
の他の例の吊り鉢に近い形での（以下、吊り鉢とす
る。）使用状態を示す斜視図である。図３は、本発明の
鉢ないし支柱の支柱に近い形での（以下、支柱とす
る。）一例で、地面に埋設した状態を示す概略断面図で
ある。

【００２０】図１で示す本発明の鉢１は、側面に複数の
（植え付け用の）穴２が形成され、内側に保水性材料層
となる水苔、ピートモス３が設けられ、鉢の内側に鉢の
開口部と底部を貫通する通気性中空部材４が設けられて
いる。この通気性中空部材４は、プラスチック製のシー
トパイプで形成され、側面には無数の（通気用の）小孔
５が開けられている。また、鉢１の頂部と底部には、蓋
が設けられ、頂部の蓋には多数の通気孔１８が形成され
ている。図１では、鉢の外面に植え付け用の穴２のみを
有するものを示したが、小孔５を均一または不均一に設
けてもよく、また、通気性中空部材４に穴２を設けても
よい。

【００２１】また、図２（ａ）で示す本発明の吊り鉢６
は、側面に複数の（植え付け用の）穴２が形成され、吊
り鉢の内側に鉢の開口部と底部を貫通する通気性中空部
材７が設けられ、底部に水貯蔵部となる受皿８が取り付
けられている。この通気性中空部材７の表面には、多数
の小孔５が形成され、また受皿８の底面には吊り手９が
留められている。また、吊り鉢６の頂部には多数の通気
孔１８が形成された蓋が設けられ、さらに鉢の外側面に
は、保水性材料層となる椰子の実繊維の筒状の集合物１
０が設けられている。

【００２２】図２の（ｂ）、（ｃ）は、吊り鉢の受皿８
部分の嵌合状態を示す説明用部分断面図で、図２（ｂ）
は受皿８に通気孔１８を設けたもの、図２（ｃ）は水１
７の貯蔵機能をもたせたものである。また、鉢１の頂部
と底部には蓋が設けられ、頂部の蓋には、多数の通気孔
１８が形成されている。なお、図２（ａ）では、通気性
中空部材７を有する二重円筒のものを示したが、これは
通気性中空部材７を有しない吊り鉢タイプのものであっ
てもよい。

【００２３】図３で示す本発明の支柱は、中空のプラス
チック製の支柱１１の側面に多数の穴１２が形成され、
この支柱の内側には保水性材料層となる水苔１３が詰め
られ、外側には同じく保水性材料層となる椰子の実等の
繊維１４が植毛されているまた、支柱の頂部と底部には
多数の通気孔１８が形成された蓋１５、１６が取り付け
られている。なお、図３では支柱の内側に水苔１３を詰
め、外側に繊維１４を植毛したものを示したが、これは
支柱の内側あるいは外側のみに設けたものであってもよ
い。

【００２４】

【作用】本発明の鉢ないし支柱の内側および／または外
側に設けられる天然繊維等からなる保水性材料層は、鉢
ないし支柱に植物の生長に適した通気性と保水性を付与
する。さらに、この鉢ないし支柱の側面に形成された複
数の穴は、外気を鉢内へ送って鉢内の通気性をより高め
ると同時に、鉢ないし支柱の外周にまつわりついた植物
をこれらの穴から鉢の内部に根付かせることができ、ま
た穴から直接鉢内に種を植えることができる。

【００２５】本発明の鉢ないし支柱の外側に設けられる
保水性材料層は、特につる性等の植物が鉢ないし支柱の
外側に巻き付き易くし、また根を張らせることができ
る。また、鉢ないし支柱の内側に設けられた通気性中空
部材は、その側面から外気を鉢の内部に送り込んで、鉢
の内部の通気性を高め、鉢の内側から直接、鉢内の高温
化と蓄熱化を防止する。

【００２６】

【発明の効果】本発明の鉢ないし支柱によれば、通気性
や排水性に優れ、鉢ないし支柱内の高温化や蓄熱化を防
ぐことができるので、植物の良好な生長を促す。また、
つる性植物にあっては鉢ないし支柱の側面に植物のつる
が巻き付き易く、つるや茎が支柱から外れることがな
く、根付かせることができ、支柱の側面から支柱内に入
って根を張らすことができるので、鉢ないし支柱に安定
して良好な生長が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の園芸用鉢の一例の使用状態を示す斜視
図である。

【図２】（ａ）は、本発明の園芸用鉢の他の例の使用状
態を示す斜視図であり、（ｂ）は、鉢の底部の部分断面
説明図、（ｃ）は、底部の他の態様を示す部分断面説明
図である。

【図３】本発明の園芸用支柱の一例の使用状態を示す断
面図である。

【符号の説明】

１ 園芸用鉢 ２ 穴 ３ 水苔 ４ 通気性中空部材 ５ 小孔 ６ 吊り鉢 ７ 通気性中空部材 ８ 受皿 ９ 吊り手 １０ 筒状集合物 １１ 支柱 １２ 穴 １３ 水苔 １４ 椰子の実等の繊維 １５ 蓋 １６ 蓋 １７ 水 １８ 通気孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 側面に複数の穴を形成し、側面の内側お
   よび／または外側に天然繊維または合成繊維等の保水性
   材料層を設けたことを特徴とする園芸用鉢ないし支柱。
2. 【請求項２】 鉢の内側に鉢の開口部と底部を貫通する
   通気性中空部材を設けたことを特徴とする請求項１に記
   載の園芸用鉢ないし支柱。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２に記載の園芸用
   鉢において、鉢の底部に受皿を設け、この受皿または鉢
   の側面に吊り手を取り付けたことを特徴とする園芸用
   鉢。