JPH08195995A - 骨伝導音声振動検出素子 - Google Patents

骨伝導音声振動検出素子

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JPH08195995A
JPH08195995A JP414595A JP414595A JPH08195995A JP H08195995 A JPH08195995 A JP H08195995A JP 414595 A JP414595 A JP 414595A JP 414595 A JP414595 A JP 414595A JP H08195995 A JPH08195995 A JP H08195995A
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bone conduction
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cantilever
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JP414595A
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English (en)
Inventor
Tadashi Hyono
匡 表野
Tsukasa Matsuura
司 松浦
Kaoru Kawada
薫 河田
Yuka Oki
由香 沖
Hidekazu Kuroda
英一 黒田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外耳道近傍に伝達される骨伝導音声振動の高
域周波数における減衰を補正することができ、高感度で
骨伝導音声振動が検出でき、通話音声の歪みの少ない小
型の骨伝導振動検出素子を提供する。 【構成】 片持ち梁の振動を圧電体の電圧出力などで検
出する骨伝導音声振動検出素子において、梁の最大歪み
を生じる部位のみに検出材を配設したことと、異なる、
または同一の共振周波数の複数個の梁を用いて構成した
ことにより、骨伝導による高域周波数における減衰を補
正し、所望の周波数感度特性をうるようにするととも
に、検出感度を向上させた小型の骨伝導音声振動検出素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本明細書中において、片持ち梁の振動に関
した表現のうち、機械的振動について述べるときは振動
数、固有振動数、一方、電気的信号について述べるとき
は周波数、共振周波数という語を用いる。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は骨伝導イヤホンマイク
(イヤマイク)に用いられる、骨伝導により外耳部分に
伝達される音声振動を検出する素子に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、骨伝導音声振動を外耳道21で検
出する振動検出素子としては、特開昭51−94218
号公報に示されているように圧電型のものや、マグネテ
ィック型のものなどがあった。図16は従来における圧
電素子を利用した骨伝導振動検出素子を示しており、イ
ヤーピース20内に支持体を介して圧電素子1を配置
し、骨伝導音声振動が外耳道壁を通じて圧電素子に取り
付けられた重り3に伝わることで圧電素子に力が加わ
り、圧電素子には加わった力に比例した出力が発生す
る。
【0004】また、図17、および図17のI−I断面
を示す図18に示されるように、特開昭58−8099
7号公報および特開昭58−94298号公報には、特
性がほぼ等しい一対の片持ち梁2をその振幅方向を相対
させるか、または直交させて配置することで不用出力を
相殺させ、ハウリング現象を減少させることが開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の技術のう
ち、圧電セラミックを一本の片持ちまたは両持ち梁形式
にした圧電型の検出素子では、所望の周波数特性に合わ
せるために梁の共振周波数を最適設計しようとすれば梁
の厚さなどの寸法を小さくする必要があり、とくに研
磨、組立などの工程で不都合が生じ、工業的に実現がむ
ずかしいという問題点があった。
【0006】また、一対の片持ち梁を用いた後者の検出
素子では、その音質が単一の梁の周波数特性により決定
されるので、骨伝導により減衰する音声振動信号に対し
ては高域(1.0kHz以上、以下同じ)の出力が小さ
く、気道音マイクロフォンに比べて音質が著しく劣ると
いう欠点があった。
【0007】本発明は、前記のような問題点を解決する
ためになされたもので、骨伝導による音声振動の高域で
の減衰を補正するとともに、感度を向上させることがで
き、気道音声に近い音質を検出できる小型骨伝導音声振
動検出素子をえることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわる振動検
出素子は、片持ち梁(以下、とくにことわらない限り
「梁」という)の最大歪みを生じる部位のみに検出部材
を配するようにしたものである。また、異なる固有振動
数、または同一の固有振動数の複数の梁を有し、それぞ
れの梁の検出部材の出力を電気的に加算(以下、単に
「加算」という)するようにしたものである。また、検
出部材として高分子圧電体を使用するようにしたもので
ある。また、片持ち梁の共振ピークを空気抵抗による気
体ダンピング、または電気的にダンピングするようにし
たものである。
【0009】
【作用】本発明の請求項1にかかわる検出素子は片持ち
梁の最大歪みを生じる部位のみに検出部材を配設してい
るので、骨伝導音声振動に伴う検出部材の出力が大きく
なり、振動検出感度を高くできる作用があり、同時に、
高価な検出部材の使用量が少なくてすむ。
【0010】また、本発明の請求項2において振動特性
が同一の複数の梁を有する骨伝導音声振動検出素子で
は、それぞれの検出部材の出力を電気的に加算すること
で出力信号が増加する作用がある。また本発明の請求項
2、3において、振動特性の異なる複数の梁を有する骨
伝導音声振動検出素子および振動特性の同一の複数個の
梁を有している骨伝導音声振動検出素子ではそれぞれの
検出部材の出力を電気的に加算することで出力信号が増
加するとともに、骨伝導による減衰の大きい高域の振動
に対する検出感度が向上する作用がある。
【0011】また、本発明の請求項4にかかわる骨伝導
振動検出素子の検出部材として、たとえばポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)フィルムなどの高分子圧電体を使
うことで、音声振動の検出感度が向上し、加工が容易で
コストが低下し、品質が安定する作用がある。
【0012】また、本発明の請求項5、6にかかわる骨
伝導振動検出素子の検出素子を収納するケース内部の形
状を梁および重りの外形形状にほぼ合わせるようにし
て、空気による抵抗を利用すること、検出部材として圧
電体を使用する素子のばあいでは骨伝導音声振動による
圧電体出力をネガティブフィードバックすることにより
片持ち梁の共振ピークによるハウリングを防止するの
で、周波数特性の不整が減少する作用がある。
【0013】また、本発明の請求項7にかかわる骨伝導
振動検出素子の振動特性の同一の複数個の梁と振動特性
の異なる複数個の梁とを有し、梁の共振振動数が高いば
あいほど多くの本数を備えた骨伝導音声振動検出素子の
ばあいでは、それぞれの検出部材の出力を加算して骨伝
導により減衰しやすい高域の検出感度を向上できる作用
がある。また、本発明の請求項8にかかわる骨伝導振動
検出素子の振動特性の異なる複数個の梁を有し、梁の共
振振動数が高いばあいほど振動の減衰係数を小さくした
骨伝導音声検出素子では、それぞれの検出部材の出力を
加算して骨伝導により減衰しやすい高域の検出感度が向
上できる作用がある。
【0014】また、本発明の請求項9、10、11にか
かわる骨伝導振動検出素子の振動特性の同一の複数個の
梁と、振動特性の異なる複数個の梁を有し、振動特性が
同一の梁の検出部材の出力は直列に接続し、振動特性が
異なる梁の検出部材の出力は並列に接続するようにした
骨伝導音声振動検出素子では、直列に接続した梁に増幅
器を接続することが容易になる。また、並列に接続して
鋭い共振ピークを持った梁振動特性に対してダンピング
作用が生じる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の骨伝導音声振動検出素子を添
付図面にもとづいて詳細に説明する。
【0016】[実施例1]図1は本発明の骨伝導音声振
動検出素子の一実施例を示した図である。骨伝導音声振
動をよく伝達する、たとえば真鍮(黄銅)からなる比較
的硬いケース4内に支持部材5を介して片持ち梁2を配
し、梁2の最大歪みを生じる部位の表裏に検出部材とし
て圧電体(1a、1b)を配している。骨伝導イヤホン
マイクへの検出素子の装着は、梁の長軸がほぼ外耳道に
沿う方向で、梁の振動方向が外耳壁にほぼ直交するよう
に行なう。梁にはリン青銅(200μm厚、4mm長)
を使用し、その最大歪みを生じる部位(両面)に圧電体
としてZnO薄膜(5μm厚、梁の長さ方向の長さは
1.5mm)をスパッタリング法により形成した。梁の
先端の重り3はチタン酸バリウムセラミックで作製し、
有機接着剤で梁に接着した。
【0017】骨伝導による音声振動は、検出素子を外耳
道周辺の骨、皮膚、外耳道に装着するための、図示しな
いプラスチック部材を介して検出素子を収納するケース
4に伝達され、支持部材5を経由して片持ち梁に伝達さ
れる。骨伝導音声振動による片持ち梁の振動は検出部材
4の圧電体の電圧出力として引出線6を通じてケース外
に取り出される。
【0018】本実施例の検出素子を組み込んだイヤホン
マイクを外耳道に装着し、骨伝導音声振動を検出したと
ころ、通常の会話程度の音声のとき、マイク出力として
1〜4mVp−pの出力がえられ、音声振動を感度よく
検出することができた。一方、ZnO薄膜を梁の全面に
形成した、従来技術による検出素子を作製し、実施例と
同様の方法で特性を測定したところ、出力は0.1〜
0.5mVp−pであった。また実施例では高価な圧電
体の使用量を減らせるのでコスト低減が可能であり、ま
た加工、組み立て工程が容易になるという効果がある。
【0019】なお、本実施例では梁の先端に重りを設け
た例を説明したが、重りを設けなくとも本発明の効果が
えられる。また、本実施例では圧電体による振動検出に
ついて説明したが、ピエゾ抵抗や半導体などによる歪み
検出の方法を用いても同様の効果がえられる。
【0020】図2は実施例1の他の態様であり、梁の最
大歪みを生じる部位はPZTセラミックバイモルフ圧電
体1で、歪みの小さい部位は非圧電体(チタン酸カルシ
ウム)2として、当該圧電体と当該非圧電体とは接着、
溶着などの方法で固着して構成した例である。
【0021】図3は実施例1のさらに他の態様であり、
梁全体をPZTセラミックバイモルフ圧電体1で作製
し、梁の最大歪みを生じる部位のみに電極11を付ける
ようにしたものである。このばあい、最大歪みを生じる
部位のみを使用するので、はじめに梁全体に電極が形成
されているものの表面電極を、その必要とする部分を、
他の部分から切断して使用してもかまわない。
【0022】[実施例2]図4は本発明の骨伝導音声振
動検出素子の他の実施例である。骨伝導音声振動をよく
伝達する、前記比較的硬いケース4内に、同一構造で、
基本的に同一振動特性の2本の片持ち梁2を配設してい
る。梁の共振周波数は5kHzである。本実施例では梁
はリン青銅(100μm厚)とし、検出部材1の材料と
してはPZTセラミック圧電体(70μm厚)を両面に
接着した。梁の先端には重り3としてチタン酸カルシウ
ムのブロックを接着している。2本の梁の圧電体出力は
単体でほぼ2〜5mVp−pであるが、加算することが
できるので2倍の出力をうることができた。
【0023】なお、本実施例では梁の先端に重りを配設
した実施例で説明したが、重りを設けなくとも本発明の
効果がえられる。また、本実施例では圧電体による振動
検出について説明したが、ピエゾ抵抗や半導体などによ
る歪み検出、電気容量検出、光学的な検出、磁気的な検
出の方法を用いても同様の効果がえられる。
【0024】[実施例3]図5は本発明の骨伝導音声振
動検出素子のさらに他の実施例である。骨伝導音声振動
をよく伝達する比較的硬い前記ケース4内に、異なる振
動特性の2本の梁(2a、2b)を配設している。梁の
共振周波数は2kHzと5kHzである。梁は最大歪み
を生じる部位をPZTセラミックのバイモルフ(300
μm厚)1を用いて構成し、梁の歪の小さい部分は非圧
電体(チタン酸カルシウム)として、当該バイモルフと
当該非圧電体とは接着、溶着などの方法で固着して構成
した例である。寸法は梁の幅1.0mm、長さは共振周
波数2kHzが3.5mm、共振周波数5kHzが4.
6mm、梁先端の重り(チタン酸カルシウム)はどちら
も25mgである。
【0025】図6は、図5に示した実施例の電圧出力特
性を示すグラフである。(A)は共振周波数2kHzの
梁2aの出力、(B)は5kHzの梁2bの出力、
(T)は加算出力をそれぞれ示している。それぞれの梁
の出力を加算することにより、2kHzと5kHzにピ
ークを持つ周波数特性がえられた。このように、異なる
振動特性の梁を複数個組合せて構成することで、所望の
周波数特性をうることができる。
【0026】[実施例4]図7は本発明の骨伝導音声振
動検出素子の、さらに他の実施例である。骨伝導音声振
動をよく伝達する、前記比較的硬いケース4内に、複数
個の片持ち梁2a、2bを配している。1.5kHzの
共振周波数の梁2bを1本と2.5kHzの共振周波数
の梁2aを2本備えたものである。使用した材料は梁と
してPZTセラミックのバイモルフで、重り3は多結晶
フェライトである。
【0027】図8は、図7に示した実施例の電圧出力特
性を示すグラフで、(B)は1.5kHzの共振周波数
の梁の出力、(A)は2.5kHzの共振周波数の1本
の梁の出力を示している。(T)は加算出力を示してい
て、ほぼ1.5kHz以上の高域での高い検出感度がえ
られている。骨伝導による音声振動は高域において減衰
を受けるので、高域における検出感度を上げることによ
って気道音声に近い良好な音質をうることができる。
【0028】[実施例5]検出部材として公知のチタン
酸ジルコン酸(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO3
などのバルクセラミック圧電体、またはそれらの材料を
スパッタリング、蒸着、ゾルーゲル法などの方法で薄膜
状に形成して利用できるが、たとえばポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)フィルムなどの高分子圧電体フィルム
を使うことにより、とくに好ましい効果をうることがで
きる。PVDFフィルムは圧電電圧定数g31が大きい
ので電圧出力が大きく取り出せ、また可撓性を有してい
るので鋭い共振ピークが現れにくい。とくに10μmな
いし200μmの薄いPVDFフィルムを用いて作製し
たバイモルフを利用することができるので骨伝導による
音声振動が伝達されてフィルムが高感度で振動し、しか
も材料の圧電電圧感度が高いために電圧出力が大きくな
り、小型化することができ、高感度の検出素子をうるこ
とができる。
【0029】その両面にAl(アルミニウム)を蒸着し
て電極を配設したPVDFフィルム(厚み100μm、
g31定数0.17Vm/N)をエポキシ系接着剤で接
着して、バイモルフを作製した。梁の幅、長さをそれぞ
れ2mm、4mmとし、梁の先端には4mgのセラミッ
クブロックを接着した。この片持ち梁の検出素子を30
0Hz(最大加速度0.5m/s2)で加振し、出力を
測定したところ2.3mVo−pであった。ほぼ同様の
寸法形状のPZTセラミックバイモルフで試作し、同じ
条件で測定したところ0.7mVo−pであった。ま
た、周波数特性から共振の減衰係数を求めたところ、P
VDFフィルムでは0.42、PZTセラミックでは
0.18であった。また、PVDFでは有害な共振ピー
クは生じていなかった。かかる高分子圧電体を用いた振
動検出素子のばあいは、高い検出出力がえられ、またハ
ウリングを引き起こす有害な共振ピークの発生が防止さ
れるという効果がある。
【0030】なお、本実施例では梁材(芯材)を使わな
いで、PVDFを直接貼合わせて梁としたが、たとえば
リン青銅などの弾性材を芯材とし、その両面にPVDF
フィルムを貼付ける構成にするばあいでも同様の効果を
うることができる。
【0031】[実施例6]図9は本発明の、さらに別の
実施例であり、梁の振動のダンピングの手段として空気
を用いた例である。図に示したように、重りや梁の外形
に合わせた仕切り板7を設けることによって、梁の両側
の空間を隔離している。8は密閉のための蓋である。仕
切り板7と、梁2および重り3との間隙9を80μmと
なるように配設した。該間隙を設けたことにより、梁が
振動する際の、空気の粘性効果が大きくなり、ハウリン
グの生じない、有効なダンピング効果がえられた。間隙
の大きさは、必要とするダンピング効果の大きさと組み
立て方法の違いによる精度の良否とによって変わるが、
好ましくは10μm〜100μmである。粘性のある液
体を充填する方法では、液体を充填する工程や密閉する
工程がありその技術がむずかしいため高い製造コストが
必要となる。しかしながらこの空気抵抗を利用したダン
ピングの方法は粘性液体の方法と比較して、あまり製造
コストがかからず、安価に実現できるという利点があ
る。
【0032】[実施例7]図10は本発明の、さらに別
の実施例であるが、検出部材として圧電体を用いて、ダ
ンピングの方法として圧電体12からえられる電圧出力
を、帰還回路13により反転させて、当該圧電体にネガ
ティブフィードバックをする構成とした例で行うもので
ある。また、共振周波数付近の電圧出力だけをバンドパ
スフィルターで分離し、同様にフィードバックをかける
ことによって、さらに効果的なネガティブフィードバッ
クをうることができる。
【0033】[実施例8]図11は本発明の、さらに別
の実施例であるが、異なる3つの振動特性の片持ち梁
(共振周波数1kHz、2kHz、4kHz)を含み、
共振周波数1kHzの梁2cは1本、2kHzの梁2b
は2本、4kHzの梁2aは3本、それぞれ備えた構成
としたものである。異なる共振周波数の梁を、本実施例
のようにそろえるためには、もっとも簡便な方法である
ところの梁の長さを変化させる方法で行なった。図12
は図11の検出素子の加算出力特性を示したグラフであ
るが、共振周波数が高い部分ほど梁の本数を多く設けて
いるので、高域での検出感度が高くなっていることを示
している。
【0034】[実施例9]図13は本発明の、さらに別
の実施例であるが、異なる共振周波数(2kHz、4k
Hz)の片持ち梁を含み、共振周波数の低い梁ほど、そ
の梁に対する振動の減衰係数を大きくなるように設計し
たものである。梁はPZTバイモルフを用いて、共振周
波数2kHzの梁2bの根元部分に防振樹脂10を接着
した。当該樹脂はシリコーンゴムを用いた。
【0035】図14は図13に示した実施例の電圧出力
の周波数特性を示したグラフである。(B)は防振樹脂
で減衰させた共振周波数2kHzの梁の出力、(A)は
共振周波数4kHzの梁の出力、(T)は加算した出力
を、それぞれ示している。骨伝導による音声振動は、高
域において減衰が大きいので、骨伝導音声振動検出素子
の望ましい周波数感度特性は100Hz〜4000Hz
の帯域において周波数が高い方ほど感度を高くできるこ
とであり、本実施例においての加算出力(T)は所望の
周波数特性に近い特性がえられていることが示されてい
る。また、前記の片持ち梁の共振ピークについては、P
VDFなどの高分子圧電フィルムを用いることにより材
料そのものの減衰効果を利用することもできる。また、
振動を吸収する、たとえばゴム、粘度の高い液体、気体
の抵抗、電気的な減衰なども利用することができる。
【0036】[実施例10]図15は本発明の、さらに
別の実施例を示す模式図であるが、高低2種類の共振周
波数を持つ複数の梁2a、2bにおいて、同一の共振周
波数を有するばあいは、検出部材からの出力を直列に接
続し、異なる共振周波数を有するばあいは、並列に接続
した構成のものである。直列接続の直後に増幅器14を
挿入し、周波数特性を変化させることができる。また、
それぞれの梁は比較的鋭い共振ピークを持つ周波数特性
を有しているが、検出部材として圧電体を用いたばあい
には、電気的にダンピング効果が生じ、骨伝導振動の検
出のときにハウリング現象のない良好な感度がえられ
た。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば梁の最大
歪みを生じる部位のみに検出部材を配したこと、異なる
共振周波数、または同一の共振周波数の複数の梁とした
ことにより、骨伝導による高域周波数の減衰を補正し、
所望の周波数感度特性をうることができるとともに、検
出感度が向上するという効果がある。
【0038】本発明の請求項1にかかわる検出素子は片
持ち梁の最大歪みを生じる部位のみに検出部材を配設し
ているので、骨伝導音声振動に伴う検出部材の出力が大
きくなり、振動検出感度を高くできる効果があり、同時
に、高価な検出部材の使用量が少なくてすむ効果があ
る。
【0039】また、本発明の請求項2において振動特性
が同一の複数の梁を有する骨伝導音声振動検出素子で
は、それぞれの検出部材の出力を電気的に加算すること
で出力信号が増加する効果がある。また本発明の請求項
2、3において、振動特性の異なる複数の梁を有する骨
伝導音声振動検出素子および振動特性の同一の複数個の
梁を有している骨伝導音声振動検出素子ではそれぞれの
検出部材の出力を電気的に加算することで出力信号が増
加するとともに、骨伝導による減衰の大きい高域の振動
に対する検出感度が向上する効果がある。
【0040】また、本発明の請求項4にかかわる骨伝導
振動検出素子の検出部材として、たとえばポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)フィルムなどの高分子圧電体を使
うことで、音声振動の検出感度が向上し、加工が容易で
コストが低下し、品質が安定する効果がある。
【0041】また、請求項5、6にかかわる骨伝導振動
検出素子の検出素子を収納するケース内部の形状を梁お
よび重りの外形形状にほぼ合わせるようにして、空気に
よる抵抗を利用すること、検出部材として圧電体を使用
する素子のばあいでは骨伝導音声振動による圧電体出力
をネガティブフィードバックすることにより片持ち梁の
共振ピークによるハウリングを防止するので、周波数特
性の不整が減少する効果がある。
【0042】また、本発明の請求項7にかかわる骨伝導
振動検出素子の振動特性の同一の複数個の梁と振動特性
の異なる複数個の梁とを有し、梁の共振振動数が高いば
あいほど多くの本数を備えた骨伝導音声振動検出素子の
ばあいでは、それぞれの検出部材の出力を加算して骨伝
導により減衰しやすい高域の検出感度を向上できる効果
がある。また、本発明の請求項8にかかわる骨伝導検出
素子の振動特性の異なる複数個の梁を有し、梁の共振振
動数が高いばあいほど振動の減衰係数を小さくした骨伝
導音声検出素子では、それぞれの検出部材の出力を加算
して骨伝導により減衰しやすい高域の検出感度が向上で
きる効果がある。
【0043】また、本発明の請求項9、10、11にか
かわる骨伝導振動検出素子の振動特性の同一の複数個の
梁と、振動特性の異なる複数個の梁を有し、振動特性が
同一の梁の検出部材の出力は直列に接続し、振動特性が
異なる梁の検出部材の出力は並列に接続するようにした
骨伝導音声振動検出素子では、直列に接続した梁に増幅
器を接続することが容易になる。また、並列に接続して
鋭い共振ピークを持った梁振動特性に対してダンピング
作用が生じる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例にかかわる骨伝導音声振動
検出素子を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施例にかかわる骨伝導音声振動
検出素子を示す斜視図である。
【図3】 本発明の一実施例にかかわる骨伝導音声振動
検出素子を示す斜視図である。
【図4】 本発明の他の実施例にかかわる骨伝導音声振
動検出素子を示す斜視図である。
【図5】 本発明の他の実施例にかかわる骨伝導音声振
動検出素子を示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施例にかかわる骨伝導音声振動検
出素子の圧電体電圧出力特性を示すグラフである。
【図7】 本発明の他の実施例にかかわる骨伝導音声振
動検出素子を示す斜視図である。
【図8】 本発明の実施例にかかわる骨伝導音声振動検
出素子の圧電体電圧出力特性を示すグラフである。
【図9】 本発明の他の実施例にかかわるる骨伝導音声
振動検出素子を示す斜視図である。
【図10】 本発明の実施例における骨伝導音声振動検
出素子の回路図である。
【図11】 本発明の他の実施例における骨伝導音声振
動検出素子を示す斜視図である。
【図12】 本発明の実施例における骨伝導音声振動検
出素子の圧電体電圧出力特性を示すグラフである。
【図13】 本発明の他の実施例における骨伝導音声振
動検出素子を示す斜視図である。
【図14】 本発明の他の実施例における骨伝導音声振
動検出素子の圧電体電圧出力特性を示すグラフである。
【図15】 本発明の他の実施例における骨伝導音声振
動検出素子の配線図である。
【図16】 従来例における骨伝導イヤホンマイクを示
す断面図である。
【図17】 従来例における骨伝導イヤホンマイクを示
す断面図である。
【図18】 従来例における骨伝導イヤホンマイクを示
す断面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 検出部材、2、2a、2b、2c 片
持ち梁、3 重り、4 ケース、5 支持部材、6 引
出線、7 仕切り板、8 蓋、9 仕切り板と梁、重り
との間隙、10 防振樹脂、11 電極、12 圧電体
検出素子、13 帰還回路、14 増幅器、20 イヤ
ピース、21 外耳道、A、B、C 単一の梁による圧
電体電圧出力、T 加算電圧出力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖 由香 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株式 会社パーソナル情報機器開発研究所内 (72)発明者 黒田 英一 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株式 会社パーソナル情報機器開発研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片持ち梁と、該片持ち梁上に配設する検
    出部材とを含んだ検出素子を少なくとも1個有してお
    り、該検出部材は、骨伝導音声振動が伝達されて発生す
    る前記片持ち梁の振動を検出することができる骨伝導音
    声振動検出素子において、前記片持ち梁の最大歪みを生
    じる部位のみに検出部材が配設されてなることを特徴と
    する骨伝導音声振動検出素子。
  2. 【請求項2】 前記骨伝導音声振動検出素子が、複数個
    の前記検出素子を含んでおり、該検出素子の片持ち梁の
    固有振動数が同一であり、実質的に同一の振動特性を有
    してなる請求項1記載の骨伝導音声振動検出素子。
  3. 【請求項3】 前記骨伝導音声振動検出素子が、複数個
    の前記検出素子を含んでおり、該検出素子の片持ち梁の
    固有振動数が異なり、実質的に異なる振動特性を有して
    なる請求項1記載の骨伝導音声振動検出素子。
  4. 【請求項4】 前記検出部材が高分子圧電体で作製され
    てなる請求項1、2または3記載の検出素子。
  5. 【請求項5】 前記片持ち梁および当該片持ち梁上に設
    けた先端重りの形状に合わせた仕切り板を設けることに
    よって空気抵抗が大きくなるようにしてなる請求項1、
    2または3記載の検出素子。
  6. 【請求項6】 前記検出部材が圧電体からなり、前記片
    持ち梁の振動を減衰させる電気信号を当該圧電体にフィ
    ードバックするようにしてなる請求項1、2または3記
    載の検出素子。
  7. 【請求項7】 前記片持ち梁の固有振動数が高いばあい
    ほど多くの本数を備えてなる請求項3記載の検出素子。
  8. 【請求項8】 前記片持ち梁の固有振動数が高いばあい
    ほど前記フィードバックによる減衰係数を小さくしてな
    る請求項3記載の検出素子。
  9. 【請求項9】 前記片持ち梁が同一の振動特性を有する
    ばあいの前記検出部材の出力は直列に接続してなる請求
    項2記載の検出素子。
  10. 【請求項10】 前記片持ち梁が異なる振動特性を有す
    るばあいの検出部材の出力は並列に接続してなる請求項
    3記載の検出素子。
  11. 【請求項11】 前記片持ち梁のうち、異なる振動特性
    を有する片持ち梁が少なくとも1個以上含まれるばあい
    に、振動特性が同一である片持ち梁の検出部材の出力は
    直列に、および振動特性が異なる片持ち梁の検出部材の
    出力は並列に、接続してなる請求項3記載の検出素子。
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