JPH08192830A - 提げ手付きカートン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ラップラウンド用カートンの上壁１及び底壁
３に連なる側壁２の略々中央部に、側壁２の幅方向に沿
った提げ手６を形成するための一対の提げ手形成用切目
７、７を設ける。この提げ手形成用切目７、７は上壁
１、２にまで延長する。 【効果】 提げ手６を起こしやすくかつ提げ手６と被包
装物Ｐとの間に手指を差し入れるだけの十分な空間が生
じるので、提持しやすい。従来のカートンに提げ手形成
用切目７、７等を付加するだけで、簡単に製作できる。
かつ、従来のカートンを用いた包装ラインにそのまま対
応できるので、コストアップを生じない。提げ手６を使
用しない場合は、中の被包装物が見えないので外観体裁
も良い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、提げ手付きカート
ン、例えば、ビールや清涼飲料等の缶容器入り飲料とく
に缶容器がアルミニウム缶のように上下両端部が先細り
状に絞り込まれてなる缶容器入り飲料用の提げ手付きカ
ートンに関する。

【０００２】

【従来の技術】ビール、清涼飲料等の缶入り飲料は、１
カートンに２４缶が詰め込まれて包装されることが多い
が、そうすると、３５０ｃｃの缶容器のものは、１カー
トンの重量が９ｋｇ前後になってしまう。これを手で運
ぶ場合、いささか運び難いために、種々の提げ手付きカ
ートンが提案されている（例えば、特開平２−２８２０
４１号、特公平３−２７４３号等）。

【０００３】

【従来技術の課題】ところが、このような従来の提げ手
付きカートンは、提げ手を形成するために通常のカート
ンより材料を多く必要としたり、またあるものは、予め
カートンの一部を切り欠いて手指差し入れ孔が設けられ
ているために、提持し難かったり、缶の一部が露出して
外観体裁が悪くなったり、輸送・運搬時に缶に傷が付い
たり、するというような欠点があった。

【０００４】そこで、本願発明者は、アルミニウム缶は
周壁上下両端部が、先細り状に絞り込まれてやや細くな
っており、カートンに詰め込んだ場合、前記周壁上下両
端部とカートンの稜部との間及びカートンのコーナーに
隙間ができることに着目した。そして、この隙間をうま
く利用して、一般に使用されている缶入り飲料用カート
ンを、別材料を用いることなく僅かに加工するだけで、
使い勝手の良い提げ手が得られることに思い至ったので
ある。

【０００５】すなわち、この発明は、通常のカートンと
同じ材料費で製作することができ、かつ提持携行時以外
は、缶が外から見えることなく外観体裁も良好であっ
て、輸送・運搬中に缶容器に傷を付ける虞もなく、しか
も飲料メーカーの従来の包装ラインに支障なく対応ので
きる提げ手付きカートンを提供することを目的とするも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】而して、上記目的を達成
するために、この発明は、側壁に一対の切目を設けて、
側壁の幅方向に沿った長さを有する提げ手を形成するも
のとしている。

【０００７】すなわち、この発明は、缶容器の上下両面
が上壁又は底壁に向かい合うものとなされ、前記上壁及
び底壁の側縁から折目を介して一対の側壁が連設される
一方、両端縁から折目を介して外フラップが連設され、
前記側壁の端縁から折目を介して内フラップが連設され
てなるカートンにおいて、前記上壁及び底壁に折目を介
して連設された側壁の中央部に、前記上壁及び底壁に折
目を介して連設された側壁の中央部に、側壁の幅方向に
沿って提げ手を形成するための一対の提げ手形成用切目
が設けられると共に、該提げ手形成用切目が上壁及び底
壁の端部にまで延設されてなることを特徴とする提げ手
付きカートンを要旨とする。

【０００８】また、請求項２の発明は提げ手の両側に中
折り部を備えてなるものとし、カートンを提持携行する
際に、提げ手を切り起こし形成しやすくかつ把持しやす
くなされている。

【０００９】請求項３の発明は、提げ手形成用切目の両
側方に、該切目に連続して押し下げ部を形成するための
一対の切目が設けられ、提げ手を切り起こしやすくなさ
れている。

【００１０】請求項４の発明は、提げ手の裏面に補強用
テープが側壁の幅方向に沿って貼着されると共に、該補
強用テープは上壁、底壁及び対向側壁にまで延長されて
貼着されてカートンの強度向上が図られている。

【００１１】請求項５の発明は、上壁又は底壁の少なく
ともいずれか一方に、補強用テープを横断方向に切断す
る切目が設けられ、カートンの分割を行いやすくしてい
る。

【００１２】

【作用】提げ手両側の中折部又は内方折り込み部を内方
に押し下げながら、提げ手を掴んでカートンを持ち上げ
ると、被包装物の重量により、上壁及び底壁の側壁がわ
の端部が提げ手に引っ張られ斜状となり、その分、提げ
手が上昇し、提げ手と被包装物との間により大きな空間
が生じて、提げ手が持ちやすくなる。

【００１３】

【実施例】以下、この発明を図面に示す実施例に基いて
説明する。

【００１４】この発明に係る提げ手付きカートンは、従
来一般に使用されているいわゆるラップラウンド式の段
ボール製のカートンの基本的形態をそのまま踏襲したも
ので、１枚の段ボールから作製され、図４に展開状態で
示すように上壁（１）、側壁（２）、底壁（３）、側壁
（４）及び胴貼り用接合片（５）が折目（20）（21）
（22）（23）を介して一連に連設され、底壁（３）の内
面上に被包装物である缶容器の所定個数を直立状態で整
列させた後、側壁（２）、上壁（１）、側壁（４）及び
胴貼り用接合片（５）を缶容器に巻き回すように折り曲
げていくものとなされている。また、上壁（１）及び底
壁（３）の両端縁から折目（24）（24）（26）（26）を
介して、組立時に互いに突き合い状態となって開口部を
閉鎖する外フラップ（14）（14）（16）（16）が設けら
れる一方、側壁（２）及び（４）の両端縁から折目（2
5）（25）（27）（27）を介して、前記外フラップ（1
4）（14）（16）（16）の内側に位置される内フラップ
（15）（15）（17）（17）が連設されている。図１は、
所定個数の缶容器（Ｐ）（Ｐ）……が、この提げ手付き
カートンに包装され、前記内フラップ（15）（15）（1
7）（17）及び外フラップ（14）（14）（16）（16）が
開口部を閉鎖した状態が示されている。

【００１５】上壁（１）及び底壁（３）に折目（20）
（21）を介して連設された側壁（２）は、中央部に側壁
（２）の幅方向に沿って提げ手（６）を切り起し形成す
るための一対の提げ手形成用切目（７）（７）が設けら
れている。該提げ手形成用切目（７）（７）は、中間部
が広幅に設定されて提げ手（６）の両側に中折部（６
ａ）（６ａ）が形成されている。この中折部（６ａ）
（６ａ）の中央部には中折部（６ａ）（６ａ）の上縁の
一点に集中する三方向からの折目（10）（10）（10）が
設けられ提げ手（６）の切り起こし時に、カートンの内
方に指を挿入しやすくなされている。また、提げ手形成
用切目（７）（７）は、上壁（１）及び底壁（３）の上
端部にまで延設され、その先端部（７ａ）（７ａ）…は
上壁（１）又は底壁（２）の下方に向かいかつ外側方に
湾曲されて、提げ手を切り起こしやすくなされている。

【００１６】前記提げ手（６）の裏面には、側壁（２）
の幅方向に沿って前記底壁（３）、上壁（１）、対向側
壁（４）及び胴貼り用接合片（５）に迄及ぶ帯状の一対
の提げ手補強用テープ（18）（18）が貼着されている。
この提げ手補強用テープ（18）は、紙繊維層の片面にと
くに合成繊維を長さ方向に揃えた合成繊維層が積層され
てなるものである。

【００１７】上壁（１）の略々中央部には、前記提げ手
補強用テープ（18）（18）を横断する態様の横一文字状
切目（11）が設けられている。この横一文字状切目（1
1）は、提げ手補強用テープ（18）（18）の貼着後に上
壁（１）に刻設されたもので、この横一文字状切目（1
1）により提げ手補強用テープ（18）（18）が分断され
ている。

【００１８】提げ手（６）が切り起こし形成される側壁
（２）の幅方向中央部には、側壁（２）の両端から側壁
（２）の長さ方向に沿って多数個の破断用切目（30）
（30）…が提げ手（６）を除く部分に断続的にかつ平行
状に配置されている。一方、対向側壁（４）の幅方向中
央部にも、側壁（４）の両端から側壁（４）の長さ方向
に沿って多数個の破断用切目（30）（30）…が平行状に
配置されると共に、側壁（４）の中央部に縦切目（31）
が刻設され、該縦切目（31）の左右にハ字状切目（32）
（32）…が配置されている。このハ字状切目（32）（3
2）…は、提げ手補強用テープ（18）（18）の貼着後に
側壁（４）に刻設されたもので、このハ字状切目（32）
（32）…により提げ手補強用テープ（18）（18）が分断
されている。上記構成を有する提げ手付きカートンは、
前記のとおり、通常のラップラウンド式のカートンと同
様に、箱詰め及びカートンの所要箇所の貼着が機械によ
り行われ、図１に示す包装完了状態が得られる。

【００１９】次に、この包装完了状態から、提げ手
（６）を切り起こして、提げ持つ際の操作について説明
する。先ず、この包装完了状態において、提げ手（６）
とその両側の中折部（６ａ）（６ａ）とは、面一の状態
にあるが、中折部（６ａ）（６ａ）の中央の折目（10）
…近傍を下方に押し込むようにして指先をカートンに挿
入し、中折部（６ａ）（６ａ）を下方に折り曲げつつ提
げ手（６）を把持する。そして、カートンを持ち上げ始
めると、上壁（２）の上端部の提げ手形成用切目先端部
（７ａ）（７ａ）…に挟まれた部位が内方に傾斜して、
提げ手（６）を図３に示すように円弧状とし、提げ手
（６）中間部が実質的に上方に移動するので、提げ手
（６）と被包装物（Ｐ）との間に複数本の手指を差し入
れるのに十分な空間が生じ、提げ手（６）の把持を行い
やすくする。

【００２０】また、提げ手（６）を用いて運搬した後、
カートンをすぐに開封しないで保管しておく場合には、
中折部（６ａ）（６ａ）を拡て提げ手（６）と面一に
し、提げ手（６）の端部を側壁（２）と上壁（１）又は
底壁（２）との稜線に対応させて角張らせるように補整
すると、略々提げ手（６）を切り起こす前の状態に復元
することができ、側壁（２）が略々平になり缶容器
（Ｐ）が露出することもなく衛生的であると共に、外観
体裁も良好である。

【００２１】そして、量販店等において、このカートン
ごと展示する際には、まず底壁（３）を下にして適当な
面に載置し、側壁（２）（４）中間部の破断用切目（3
0）（30）…を破断しかつ上壁の切目（11）から上壁中
間部を提げ手（６）の方向に引っ張り上げると、上壁
（１）の裏面には補強用テープ（18）（18）が貼着され
ているので、先細りとなることなく略々一定の幅で引き
ちぎれて提げ手（６）まで到達し、カートンを上下に分
離し、上壁（１）側を取り外して展示することができる
ようになる。

【００２２】図５（イ）（ロ）は、この考案の他の実施
例の要部展開状態を拡大して示したもので、先の実施例
のものとは異なり、提げ手形成用切目（57）（67）が直
線状に刻設されている。そのため、先の実施例のように
中折部（６ａ）（６ａ）を設けることができないので、
該切目（57）（67）の外側に一対の弧状切目（60）（6
0）あるいは切目（57）（67）に垂直な一対の切目（7
0）（70）が刻設されて押し下げ部（58）（58）（68）
（68）が形成されている。提げ手（56）（66）を切り起
こす際に、まずこの押し下げ部（58）（58）（68）（6
8）を内方に押し下げることにより、指を挿入しやすく
して提げ手（６）の切り起こしが行いやすくなされてい
る。

【００２３】

【発明の効果】上述の次第で、この発明に係る提げ手付
きカートンは、上壁（１）及び底壁（３）に折目（20）
（21）を介して連設された側壁（２）の中央部に、側壁
（２）の幅方向に沿って提げ手（６）を形成するための
一対の提げ手形成用切目（７）（７）が設けられると共
に、該提げ手形成用切目（７）（７）が上壁（１）及び
底壁（３）の端部にまで延設されてなるものであるから
提げ手（６）（56）（66）を起こしやすくかつ提げ手
（６）と被包装物（Ｐ）との間に手指を差し入れるだけ
の十分な空間が生じるので、提持しやすい。

【００２４】また、提げ手（６）を使用する前は、カー
トンに切目（７）（７）（57）（57）（67）（67）があ
るだけで、中の被包装物が見えないので外観体裁も良い
し、被包装物の十分な保護もできる。

【００２５】さらに、従来のカートンに提げ手形成用切
目（７）（７）（57）（57）（67）（67）を付加するだ
けで、簡単に製作でき、かつ、従来のカートンを用いた
包装ラインにそのまま対応できるので、コストアップを
生じることがないという利点を有する。

【００２６】請求項２の提げ手付きカートンは、提げ手
（６）の両側に中折り部（６ａ）（６ａ）を備えている
から、提げ手（６）の切り起こしが行いやすい。

【００２７】請求項３の提げ手付きカートンは、提げ手
形成用切目（57）（57）（67）（67）の両側方に、該切
目（57）（57）（67）（67）に連続して押し下げ部（5
8）（58）（68）（68）を形成するための一対の切目（6
0）（60）（70）（70）が設けられてなるから、提げ手
（６）の切り起こしが行いやすい。

【００２８】請求項４の提げ手付きカートンは、提げ手
（６）（56）（66）の裏面に補強用テープ（18）（18）
が側壁（２）の幅方向に沿って貼着されると共に、該補
強用テープは上壁（１）、底壁（３）及び対向側壁
（４）にまで延長されて貼着されてなるから、提げ手
（６）（56）（66）の強度を向上させ、カートン全体の
紙厚を可及的薄くすることができ、コストダウンを行え
るという効果を奏する。

【００２９】請求項５の提げ手付きカートンは、上壁
（１）又は底壁（３）の少なくともいずれか一方に、補
強用テープ（18）（18）を横断方向に切断する切目（1
1）が設けられているから、該切目（11）から上壁
（１）又は底壁（３）の補強用テープ貼着部位を提げ手
（６）の方に引っ張ることにより、別途刃物等を用いて
補強用テープ（18）（18）を切断することなく、前記補
強用テープ貼着部位を上壁（１）又は底壁（３）から分
離させて、カートンを上下に分離でき、従来のカートン
と同様に店頭において展示する際にも活用できるという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る提げ手付きカートンの一部切欠
き斜視図である。

【図２】同提げ手付きカートンの提げ手を起こした状態
の斜視図である。

【図３】図２のIII −III 線断面図である。

【図４】同提げ手付きカートンの展開状態の平面図であ
る。

【図５】この考案に係る提げ手付きカートンの他の実施
例における要部の展開状態平面図である。

【符号の説明】

１…上壁 ２…側壁 ３…底壁 ４…側壁 ６、56、66…提げ手 ６ａ…中折部 ７、57、67…提げ手形成用切目 14、16…外フラップ 15、17…内フラップ 18…提げ手補強用テープ 20、21、24、25、26、27…折目 58、68…押し下げ部 60、70…切目 Ｐ…缶容器

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 缶容器（Ｐ）の上下両面が上壁（１）又
   は底壁（３）に向かい合うものとなされ、前記上壁
   （１）及び底壁（３）の側縁から折り目（20）（21）
   （22）を介して一対の側壁（２）（４）が連設される一
   方、両端縁から折目（24）（24）（26）（26）を介して
   外フラップ（14）（14）（16）（16）が連設され、前記
   側壁（２）（４）の端縁から折目（25）（25）（27）
   （27）を介して内フラップ（15）（15）（17）（17）が
   連設されてなるカートンにおいて、前記上壁（１）及び
   底壁（３）に折目（20）（21）を介して連設された側壁
   （２）の中央部に、側壁（２）の幅方向に沿って提げ手
   （６）を形成するための一対の提げ手形成用切目（７）
   （７）が設けられると共に、該提げ手形成用切目（７）
   （７）が上壁（１）及び底壁（３）の端部にまで延設さ
   れてなることを特徴とする提げ手付きカートン。
2. 【請求項２】 提げ手（６）は、両側に中折り部（６
   ａ）（６ａ）を備えてなる請求項１に記載の提げ手付き
   カートン。
3. 【請求項３】 提げ手形成用切目（57）（57）（67）
   （67）の両側方に、該切目（57）（57）（67）（67）に
   連続して押し下げ部（58）（58）（68）（68）を形成す
   るための一対の切目（60）（60）（70）（70）が設けら
   れてなる請求項１又は請求項２に記載の提げ手付きカー
   トン。
4. 【請求項４】 提げ手（６）（56）（66）は、その裏面
   に補強用テープ（18）（18）が側壁（２）の幅方向に沿
   って貼着されると共に、該補強用テープは上壁（１）、
   底壁（３）及び対向側壁（４）にまで延長されて貼着さ
   れてなる請求項１ないし請求項３のいずれかに記載の提
   げ手付きカートン。
5. 【請求項５】 上壁（１）又は底壁（３）の少なくとも
   いずれか一方に、補強用テープ（18）（18）を横断方向
   に切断する切目（11）が設けられてなる請求請求項４の
   いずれかに記載の提げ手付きカートン。