JPH0819212A - 回転機の振動抑制装置 - Google Patents

回転機の振動抑制装置

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JPH0819212A
JPH0819212A JP15016994A JP15016994A JPH0819212A JP H0819212 A JPH0819212 A JP H0819212A JP 15016994 A JP15016994 A JP 15016994A JP 15016994 A JP15016994 A JP 15016994A JP H0819212 A JPH0819212 A JP H0819212A
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清彦 中西
Kie Nakagawa
貴恵 中川
Kazumichi Kato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転機の回転軸の振動を弾性体104により
抑制することで、回転機が広い範囲の回転数において安
定した回転動作をし得るようにする。 【構成】 回転機1のシャフト3は、ボールベアリング
B1を介して円環状をなす1次ヨーク101によって支
持されている。この1次ヨークは、弾性体104を介し
て円環状をなす2次ヨーク102によって支持されてい
る。また、シャフト3の上部と2次ヨーク102の内周
面との間には、L字型をなし先端部にノズル111を有
した給油管が、ボールベアリングB1の左方に取り付け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高速かつ安定した回
転動作が必要とされる回転機に、用いられる振動抑制装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は紡糸工程内の繊維機械等に適用さ
れるオーバハングローラ付回転機1の構成を示すもので
あり、同図には回転機1の軸線Jより片側の部分を裁断
した状態が示されている。同図に示す通り、回転機1の
本体は、駆動対象たる装置2に固定されている。符号3
は回転機1の回転軸たるシャフトであり、回転機1の本
体内部を貫通している。このシャフト3の周囲はロータ
6によって取り囲まれており、このロータ6に回転駆動
する磁力を発生するステータ7がロータ6を取り囲むよ
うに回転機本体の内側に取り付けられている。シャフト
3の一端はボールベアリングB1を介して本体端部の軸
受部41により支持されており、シャフト3の他端に至
るまでの途中の部分は軸受部42によりボールベアリン
グB2を介して支持される。そして、軸受部42から回
転機外部へ突出したシャフト3の端部にはローラ5が取
り付けられている。回転機1が発生する回転駆動力は、
このローラ5を介して駆動対象たる装置に伝達される。
かかる構成を有する回転機1によれば、ステータ7が発
生する磁力により、ロータ6に回転力が付与され、この
回転力がシャフト3を介してローラ5に伝達される。そ
して。紡糸工程においては、このように回転駆動される
ローラ5より、糸に張力を付与したり、あるいは糸をガ
イドするといった処理が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近は、生
産効率の向上等の要請により、この種の回転機のローラ
が大型化しつつある。しかし、ローラを大型化すると、
これに伴って回転機の軸端付加および軸端質量が大きく
なり、ローラを含む回転系に不釣り合い量に基づく大き
な振動が発生するという問題が生じる。以下、この問題
について図8〜図10を参照し説明する。
【0004】回転系に振動を生じさせないためには、少
なくとも回転系自体の構造が振動の要因となるものを含
ます、不釣り合い量を有していない状態にする必要があ
る。しかしながら、ロータ等の回転系の個々の部品は完
全な軸対称形状とすることが困難であり、それらを組み
立てた回転系に至っては完全な軸対称に構成することは
極めて困難であるため、回転系の重心と回転系の回転軸
との間にはどうしても若干のずれが生じてしまう。この
ように重心が回転軸からずれた回転体を回転駆動した場
合、その回転速度に対応した周波数の振動が回転体に生
じる。更にこのような重心のずれ以外にも回転系の不釣
り合い量を構成する原因が幾つかあり、かかる不釣り合
い量に起因した加振力が回転系に生じ、これによって回
転系に振動が生じることとなる。
【0005】図8は以上説明した不釣り合い量に起因し
て回転体に生じる振動の特性を例示するものであり、同
図における曲線Aは、図7に示す回転機1を回転駆動し
た場合の回転数Nとローラ5のa点に生じる振動の振幅
の関係を示している。一般にローラ、シャフト等からな
る回転系は固有振動数を有している。回転機1の回転数
が固有振動数以下である場合には、回転系が受ける上記
不釣り合い量に起因した加振の影響が少なく、図9に示
すようにロータ5には僅かな振幅の振動しか生じない。
従って、シャフトに過度な曲げ応力が加わることのない
正常な回転動作が得られる。(図9参照)。
【0006】しかし、回転機1の回転数が固有振動数付
近になると、回転系がその不釣り合い量による加振力に
対して過敏に反応することとなり、ローラ等に大きな振
動が発生する。図8には1次固有振動数N1においてロ
ーラ5のa点の振動が最大となる様子が示されている。
なお、実際は2次以上に高次の固有振動数が多数存在す
るが、図8では2次以上の固有振動数の図示は省略され
ている。そして、このように大きな振動がローラ5に発
生すると、シャフト3に大きな応力が作用し、最悪の場
合にはシャフト3が曲り、極めて危険な状態となる(図
10参照)。なお、図10はシャフト3の曲がり具合を
実際より誇張して図示されている。このように回転系に
大きな振動が発生するのを避けるため、一般的に回転機
の定格回転数N MAXは1次の固有振動数N1よりも低
く設定される。
【0007】しかしながら、生産性を高めるためには、
定格回転数を高く設定する必要があり、そのためには以
下のような対策を講じる必要がある。 1次の固有振動数を高くする。 回転数が固有振動数と一致した場合に生じる振動の振
幅を低く抑える。 ここで、1次固有振動数を高めるためにはシャフト3の
径を大きくする必要がある。しかし、シャフト径を大き
くすると、シャフト3を支持するボールベアリングのd
n値が大きくなることによりボールベアリングの寿命が
低下する。このため、シャフトの大型化には限界があ
る。一方、1次固有振動数N1におけるローラの振動の
振幅は、回転系が有する不釣り合い量および減衰係数に
より決定されるが、不釣り合い量を小さくして安定性を
高めたり減衰係数を高めたりするのにも限界があり、1
次固有振動数におけるローラの振動を抑制するのは、困
難であった。
【0008】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、回転数と回転系の固有の振動数が一致した
場合においても回転機において大きな振動が発生せず、
回転機を高速、かつ、安全な状態で動作させることがで
きる振動抑制装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
回転機の回転軸の一端部をボールベアリングを介して支
持する円環状の第1ヨークと、前記第1ヨークを支持す
る円環状の第2ヨークと、前記第1、第2ヨーク間に介
挿された弾性体と、前記ボールベアリングの近傍に取り
付けられ、前記ボールベアリングへ潤滑油を供給する潤
滑装置とを具備することを特徴とする。また、請求項2
記載の発明は、請求項1記載の回転機の振動抑制装置に
おいて、前記ボールベアリングの外輪を前記回転軸の軸
心方向に付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、前記回転機の回転軸の一
端部をボールベアリングを介して支持する円環状の第1
ヨークと前記第1ヨークに対向配置された電磁石を有す
る前記第1ヨークを支持する円環状の第3ヨークと、前
記回転軸を横切る方向の前記第1ヨークの変位を検出す
るセンサと、前記センサから得られる検出信号に基づい
て、前記電磁石により発生する磁力を制御し前記第1ヨ
ークに生じる振動を抑制する制御回路と、前記第1、第
3ヨーク間に介挿された弾性体と、前記ボールベアリン
グの近傍に取り付けられ、前記ボールベアリングへ潤滑
油を供給する潤滑装置と、前記ボールベアリングの外輪
を前記回転軸の軸心方向に付勢する弾性部材とを具備す
ることを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明によれば、回転軸が回転駆
動されると潤滑装置によりボールベアリングの潤滑が開
始される。そして、回転軸の回転に伴い振動が発生し第
1ヨークに振動が伝えられ、第1、第2ヨーク間の弾性
体により振動が減衰する。また、請求項2記載の発明に
よれば、前述した請求項1記載の作用に加えて、ボール
ベアリングに発生する振動が、弾性部材により減衰す
る。従って、ボールベアリングの特性が安定し、長寿命
化が図られると共に回転軸の振動が抑制される。また、
請求項3記載の発明によれば、回転軸が回転駆動される
と、潤滑装置によりボールベアリングの潤滑が開始され
る。そして、回転軸の回転に伴い振動が発生し、ボール
ベアリングに振動が伝えられ、この振動は弾性部材によ
り減衰することで、ボールベアリングの特性が安定す
る。更に、第1ヨークに振動が伝えられ、第1、第3ヨ
ーク間の弾性体により振動が減衰する。並行して、第1
ヨークの振動による変位がセンサにより検出され、セン
サの検出信号に基づいて電磁石が制御され、第3ヨーク
を介して回転軸の振動が抑制される。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。 <第1実施例>図1は、この発明の第1実施例による回
転機の振動抑制装置の構成を示す図である。この図にお
いて、図7の各部に対応する部分には同一の符号を付
し、その説明を省略する。この図において、シャフト3
の左部近傍に振動抑制装置200が設けられている。図
2は、振動抑制装置200の構成を示す図1のA−A線
拡大断面図である。図2では、ロータ等の回転機1の構
成部品については煩雑化を避けるため図示が省略されて
いる。これらの図において、符号102は、円環状をな
した2次ヨークであり内部をシャフト3が貫通してい
る。この2次ヨーク102は、ボールベアリングB1を
介してシャフト3を支持している。また、2次ヨーク1
02の内周面には、ボールベアリングB1の潤滑油を溜
める油溜り溝aと、この潤滑油を外部へ排出する排油穴
bが形成されている。符号101は2次ヨーク102と
同心円をなす円環状の1次ヨークであり、回転機1本体
の内壁に取り付けられている。1次ヨーク101と2次
ヨーク102との空隙部Gには、2次ヨーク102の円
周方向に複数個のゴム等の弾性体104が1次ヨーク1
01と2次ヨーク102が密閉構造をなすように介挿さ
れている。すなわち、1次ヨーク101は、弾性体10
4を介して2次ヨーク102を支持している。この弾性
体104は、事前に有限要素法等の解析手段により振動
形態をシュミュレーションし最適の減衰率を具備したも
のが使用される。また、弾性体104の取り付けスペー
スを広く取ることが可能であり、振動抑制に有効な減衰
率を具備した弾性体104を任意の個数取り付けること
ができる。符号107は、潤滑油の給油機能を持つL字
型のエンドプレートであり、シャフト3と2次ヨーク1
02との間に取り付けられている。このエンドプレート
107の右端とボールベアリングB1の外輪cとの間に
は、高分子材料のスペーサ108と弾性バネ109が順
次介挿されている。符号110は、L字型をなす給油管
であり水平部分がシャフト3の上部と2次ヨーク102
の内周面との間で、ボールベアリングB1の左方に取り
付けられている。そして、この、給油管110の先端部
にボールベアリングB1方向に向けてノズル111が取
り付けられている。一方、給油管110の他端は、図示
しない油霧発生装置に接続されている。この油霧発生装
置は、極少量の潤滑油と圧搾空気とを混合しオイルミス
トを生成する装置である。符号105は、排油穴bから
出た潤滑油を外部へ排出するL字型をなす排油管であ
り、2次ヨーク102の下部に取り付けられている。
【0012】上記構成において、ステータ7が発生する
磁界によりロータ6が回転駆動されシャフト3が回転す
ると、油霧発生装置で生成されたオイルミストが、給油
管110を介してノズル111より、ボールベアリング
B1に向けて噴射される。そして、潤滑に供された潤滑
油は油溜溝aに溜まり排油穴bから排油管105を介し
て外部へ排出される。また、シャフト3の回転により振
動が発生すると、この振動がシャフト3からボールベア
リングB1へ伝えられ、ボールベアリングB1が振動す
る。このボールベアリングB1の振動は、弾性バネ10
9により減衰する。これにより、安定したボールベアリ
ングの特性が得られる。更に、この減衰した振動は、2
次ヨーク102を介して弾性体104に伝えられ、弾性
体104によって更に減衰する。なお、上記の方法によ
る制振を以下パッシブ制振と称する。
【0013】以上説明したように、第1実施例による振
動抑制装置によれば、シャフト3に大きな振動が発生し
易い状況においても振動を効果的に抑制することがで
き、回転機の動作を振動の少ない安定したものとするこ
とができる。そして、振動による構成部品の経年劣化が
低く抑えることができるため、回転機1の耐用年数が増
加し、コスト面においても有利となる。図3(b)にお
ける曲線Bは、第1実施例による振動抑制装置を取り付
けた場合の回転機1の振動振幅と減衰時間の関係を示す
ものである。振動抑制装置を有しない従来の回転機1の
特性(図6(a)曲線A参照)に比し、振動の減衰時間
が1/3以下になっているのが分かる。なお、図6にお
ける”ζ”は減衰比であり、回転機の構成部品の諸条件
を考慮し振動抑制に効果的な値を計算およびシュミュレ
ーションにより算出されたものである。
【0014】<第2実施例>図4は、この発明による第
2実施例による回転機の振動抑制装置の構成を示す図で
ある。また、図5は図4のB−B線拡大断面図である。
これら図において、図2の各部に対応する部分には同一
の符号を付け、その説明を省略する。この図に示す回転
機の振動抑制装置においては、1次ヨーク101の磁極
にコイルとセンサとが新たに設けられている。この図に
おいて1次ヨーク101からは、その内周から2次ヨー
クのある側に向けて8個の磁極が突出しており、これら
の磁極にはコイルLYa,LYb,LXa,LXb,L
Yc,LYd,LXc,LXdが各々巻回されている
(図5参照)。図4にはこれらの8個のコイルのうちコ
イルLYa、LYcが図示されている。
【0015】コイルLYaおよびLYbは、直列接続ま
たは並列接続されており、これらに対する通電が行われ
ることにより、図5に破線および矢印によって示すよう
に、1次ヨーク101→コイルLYb内の磁極→2次ヨ
ーク102→コイルLYa内の磁極→1次ヨーク101
という磁路を通過する磁束が発生し、2次ヨーク102
がY方向に吸引されるようになっている。他の各コイル
の組、すなわち、コイルLXaおよびLXb、コイルL
YcおよびLYd、コイルLXcおよびLXdについて
も同様であり、これらの各組をなすコイルおよび1次ヨ
ーク101から突出した各磁極により、2次ヨーク10
2をX方向、−Y方向および−X方向に吸引する電磁石
が構成されている。なお、1次ヨーク101および2次
ヨーク102に渦電流が発生し、これが2次ヨーク10
2に外乱として作用する可能性があるが、この影響が看
過できない場合には1次ヨーク101および2次ヨーク
102を共に積層構造として渦電流を低減すればよい。
【0016】また、2次ヨーク102と対向するように
距離センサ103Xおよび103Yが配置されており、
これらの距離センサにより2次ヨーク103までの距離
に応じた検出信号が出力される。なお、図4では距離セ
ンサ103Yのみが図示されている。距離センサ103
Xおよび103Yとしては、例えば渦電流式のもの、ま
たは光学式のものを用いることができる。
【0017】距離センサ103Yおよび103Xから得
られる検出信号は、図示しない制振制御回路に供給され
る。この制振制御回路は各距離センサからの検出信号に
基づいて、2次ヨーク102のY方向またはX方向の振
動を抑制する磁束が発生されるようにコイルLYa,L
Yb,LXa,LXb,LYc,LYd,LXc,LX
dの通電量を制御するものである。
【0018】図6は制振制御回路の全回路のうち2次ヨ
ーク102のY方向の振動の抑制に係る部分を示すもの
である。同図において、距離センサ103Yから得られ
る検出信号は、センサアンプ111Yを介してコントロ
ーラ112Yに与えられる。コントローラ112Yは、
センサアンプ111Yの出力信号に対してPID制御を
含む所定の処理を施し、加算器121Yおよび減算器1
22Yへ出力する。ここで、コントローラ112Yの出
力信号には比例要素(P)、積分要素(I)および微分
要素(D)が含まれるが、これらのうち比例要素(P)
は、シャフト3が振動しておらず2次ヨーク102が理
想的な位置にある状態では0となり、2次ヨーク102
が理想的な位置からY方向に変位するとその変位量に応
じた負の値となり、逆に−Y方向に変位した場合には変
位量に応じた正の値となる。この比例要素(P)および
積分要素(I)は2次ヨーク102を定位置に維持する
制御信号として機能する。また、微分要素(D)は回転
系の振動の減衰係数を高めるための制御信号として機能
する。加算器121Yは所定の一定電流指令値Sに対し
コントローラ112Yの出力信号を加算して出力し、減
算器122Yは一定電流指令値Sからコントローラ11
2Yの出力電流を減算して出力する。加算器121Yお
よび減算器122Yの各出力信号はパワーアンプ131
Yおよび132Yに各々入力される。そして、パワーア
ンプ131YはコイルLYaおよびLYbを駆動し、他
方、パワーアンプ132YはコイルLYcおよびLYd
を駆動する。
【0019】以上、Y方向の振動抑制に係る回路構成を
説明したが、これと同様な構成を有し、距離センサ10
3Xの検出信号に基づいてコイルLXa,LXb,LX
c,LXdに対する通電量を制御する回路が制振制御回
路内に設けられている。
【0020】上記構成において、ステータ7が発生する
磁界によりロータ6が回転駆動されシャフト3が回転駆
動されると、油霧発生装置で生成されたオイルミスト
が、給油管110を介してノズル111よりボールベア
リングB1に向けて噴射される。そして、この潤滑に供
された潤滑油は油溜溝aに溜まり排油穴bから排油管1
05を介して外部へ排出される。また、シャフト3の回
転により振動が発生する。この振動はシャフト3からボ
ールベアリングB1へ伝えられ、ボールベアリングB1
が振動する。ボールベアリングの振動は、弾性バネ10
9に吸収され減衰する。従って、安定したボールベアリ
ングB1の特性が得られる。更に、この減衰した振動
は、2次ヨーク102を介して弾性体104に伝えら
れ、この弾性体104によって振動は更に減衰する。上
述したパッシブ制振に加え、1次ヨーク101の電磁石
およびセンサによる制振(以下アクティブ制振と称
す。)が行われる。
【0021】以下、このアクティブ制振の動作を説明す
る。シャフト3に大きな振動が発生せず2次ヨーク10
2が理想的な位置にある場合には、コントローラ112
Yの出力信号は0となる。従って、この場合、一定電流
指令値Sに対応した電流が各コイルに供給されることと
なり、2次ヨークはY方向、X方向、−Y方向および−
X方向の4方向に均等な磁力によって吸引され、理想的
な位置を維持する。これに対し、回転機1の回転数が回
転系の固有振動数付近である場合には、シャフト3に軸
方向を横切る方向の大きな振動が発生し易くなる。かか
る振動が発生した場合、その振動はボールベアリングB
1を介して2次ヨーク102に伝達される。そして、弾
性体104によって振動が吸収され減衰する。ここで、
弾性体104によって減衰しきらなかった振動によって
2次ヨーク102が例えばY方向および−Y方向に振動
したとすると、この振動に基づく2次ヨーク102の変
位が距離センサ103Yおよびセンスアンプ111Yを
介してコントローラ112Yにより検知され、コントロ
ーラ112Yからその変位量に応じた信号が出力され
る。ここで、コントローラ112Yの出力信号中の比例
要素(P)は、2次ヨーク102の変位方向がY方向の
場合には負の値となってコイルLYa,LYbの電流を
減少せしめると共にコイルLYcおよびLYdの電流を
増加させる。逆に2次ヨーク102の変位方向が−Y方
向である場合、比例成分(P)は正となり、コイルLY
aおよびLYbの電流を増加せしめると共にコイルLY
cおよびLYdの電流を減少させる。このようなコント
ローラ112Yの出力信号中の比例成分(P)と共に積
分成分(I)が各コイルの通電量の制御に使用されるこ
とにより、2次ヨーク102を介しシャフト3をY方向
に関し定位置に維持する制御が行われる。また、コント
ローラ112Yの出力信号中の微分成分(D)は、上記
比例要素(P)よりも位相の進んだ状態で各コイルの通
電量の制御に寄与し、シャフト3を含む回転系の減衰係
数を高める機能を果す。2次ヨーク102のX方向の振
動も、距離センサ103Xから得られる検出信号に基づ
きY方向の場合と同様な動作により抑制される。
【0022】以上説明したように、第2実施例による回
転機の振動抑制装置によれば、シャフト3に大きな振動
が発生し易い状況においても振動を第1実施例による回
転機に振動抑制装置に比して更に効果的に抑制すること
ができ、回転機の動作を振動の少ない安定したものとす
ることができる。そして、振動による構成部品の経年劣
化を更に低く抑えられ、回転機1の耐用年数が更に増加
する。また、図3(c)における曲線Cは、第2実施例
による振動抑制装置を取り付けた場合の回転機1の減衰
特性を示すものである。振動抑制装置を有しない従来の
回転機1の減衰特性(曲線A)に比し、減衰時間が大幅
に減少し1/9以下となっている。また、第1実施例に
よる振動抑制装置を有した回転機1の減衰特性(曲線
B)に比しても、減衰時間が1/3以下となっており顕
著な効果が得られることが分かる。
【0023】<変形例>以上説明した第1実施例および
第2実施例について次のような変形例が考えられる。回
転機1は、使用目的により回転数が異なり、設置環境に
よって振動形態が異なる。そこで、振動形態により第1
実施例と第2実施例を組み合わせて使い分けることが考
えられる。すなわち、第1実施例と第2実施例に示した
1次ヨーク101は、寸法的に互換性を具備しており、
回転機1の本体にセットボルトで固定され簡便に取り外
しが可能である。したがって、第1実施例に示した回転
機で当初想定した振動減衰特性が得られなかった場合
は、第2実施例に示したパッシブ制振とアクティブ制振
とを組み合わせた1次ヨーク101を第1実施例の1次
ヨーク101と交換することで所望の振動減衰特性を得
ることができる。
【0024】以上この発明の実施例を図面を参照して詳
述してきたが、具体的構成はこれらの実施例に限られる
ものではなく、例えば、上述した実施例においては、ボ
ールアリングB1の潤滑方法としてオイルミストによる
潤滑方法を示したが、ボールベアリングB1のdn値に
応じて下記の方法を適用させることもできる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、ボールベアリングが潤滑装置により潤滑さ
れることで、安定したボールベアリングの特性が得られ
る。また、回転軸に発生した振動は、弾性体により吸収
され減衰する。これにより回転軸の振動が抑制される。
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の回
転機の振動抑制装置の効果に加え、ボールベアリングを
弾性部材により外輪に付勢することで、ボールベアリン
グの振動が吸収され減衰する。これによりボールベアリ
ングの特性が向上し、回転軸の振動が更に抑制される。
また、請求項3記載の発明によれば、ボールベアリング
が潤滑装置により潤滑されることと、弾性部材で外輪に
付勢することにより、更に安定したボールベアリングの
特性が得られる。回転機に発生した振動は、弾性体によ
り吸収され振動すると共に、第1ヨークの振動による変
位がセンサにより検出され、センサの検出信号に基づい
て電磁石が制御され、第3ヨークを介して振動が抑制さ
れる。これにより、更に振動が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例による回転機の振動抑制
装置を適用した回転機の一部裁断視断面図である。
【図2】同回転機の振動抑制装置付近を示す図1のA−
A線拡大断面図である。
【図3】振動抑制装置を適用しない従来の回転機と、こ
の発明の第1実施例と第2実施例による回転機の振動抑
制装置を適用したそれぞれの回転機の振動減衰特性を示
す図である。
【図4】この発明の第2実施例による回転機の振動抑制
装置の付近を示す拡大断面図である。
【図5】図4のB−B線拡大断面図である。
【図6】同回転機の制振抑制回路の構成を示すブロック
図である。
【図7】従来の回転機の構成を示す一部裁断視断面図で
ある。
【図8】同回転機における回転数とローラに発生する振
動との関係を説明する図である。
【図9】回転数が固有振動数と一致しない場合における
回転機の挙動を説明する図である。
【図10】回転数が固有振動数と一致した場合における
回転機の挙動を説明する図である。
【符号の説明】
1 回転機 3 シャフト 101 1次ヨーク 102 2次ヨーク 104 弾性体 110 給油管 111 ノズル 200 振動抑制装置 B1 ボールベアリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機の回転軸の一端部をボールベアリ
    ングを介して支持する円環状の第1ヨークと、 前記第1ヨークを支持する円環状の第2ヨークと、 前記第1、第2ヨーク間に介挿された弾性体と、 前記ボールベアリングの近傍に取り付けられ、前記ボー
    ルベアリングへ潤滑油を供給する潤滑装置と、 を具備することを特徴とする回転機の振動抑制装置。
  2. 【請求項2】 前記ボールベアリングの外輪を前記回転
    軸の軸心方向に付勢する弾性部材、 を設けたことを特徴とする請求項1記載の回転機の振動
    抑制装置。
  3. 【請求項3】 前記回転機の回転軸の一端部をボールベ
    アリングを介して支持する円環状の第1ヨークと、 前記第1ヨークに対向配置された電磁石を有する前記第
    1ヨークを支持する円環状の第3ヨークと、 前記回転軸を横切る方向の前記第1ヨークの変位を検出
    するセンサと、 前記センサから得られる検出信号に基づいて、前記電磁
    石により発生する磁力を制御し前記第1ヨークに生じる
    振動を抑制する制御回路と、 前記第1、第3ヨーク間に介挿された弾性体と、 前記ボールベアリングの近傍に取り付けられ、前記ボー
    ルベアリングへ潤滑油を供給する潤滑装置と、 前記ボールベアリングの外輪を前記回転軸の軸心方向に
    付勢する弾性部材と、 を具備することを特徴とする回転機の振動抑制装置。
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JP2013081931A (ja) * 2011-09-30 2013-05-09 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 化学反応装置の運転方法

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