JPH08190733A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH08190733A
JPH08190733A JP7244642A JP24464295A JPH08190733A JP H08190733 A JPH08190733 A JP H08190733A JP 7244642 A JP7244642 A JP 7244642A JP 24464295 A JP24464295 A JP 24464295A JP H08190733 A JPH08190733 A JP H08190733A
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optical recording
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JP7244642A
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English (en)
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Futoshi Okuyama
太 奥山
Hitoshi Nobumasa
均 信正
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
Kusato Hirota
草人 廣田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバライト時の消去率が良好な書換可能相
変化型光記録媒体を提供する。 【解決手段】 少なくとも第1の誘電体層と記録層と第
2の誘電体層と1種以上の金属材料を必須成分とし、高
融点の炭化物、酸化物、ホウ化物、窒化物からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種を含有する材料からなる吸収
量補正層を有し、かつ前記第2の誘電体層の膜厚が1n
m以上50nm以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。
【0002】特に、本発明は、記録情報の消去、書換機
能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可能な光
ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相変化型
光記録媒体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。これらの光記録媒体
は、テルルなどを主成分とする記録層を有し、記録時
は、結晶状態の記録層に集束したレーザー光パルスを短
時間照射し、記録層を部分的に溶融する。溶融した部分
は熱拡散により急冷され、固化し、アモルファス状態の
記録マークが形成される。この記録マークの光線反射率
は、結晶状態より低く、光学的に記録信号として再生可
能である。
【0004】また、消去時には、記録マーク部分にレー
ザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の
温度に加熱することによって、アモルファス状態の記録
マークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0005】これらの書換可能相変化型光記録媒体の記
録層の材料としては、Ge2 Sb2Te5 などの合金
(N.Yamada et al.Proc.Int.Symp.on Optical Memory 1
987 p61-66)が知られている。
【0006】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
設け、記録時に記録層に変形、開口が発生することを防
いでいる。さらに、光ビーム入射方向と反対側の誘電体
層に、光反射性のAlなどの金属反射層を積層して設
け、光学的な干渉効果により再生時の信号コントラスト
を改善すると共に、記録層の冷却効果により、非晶状態
の記録マークの形成を容易にし、かつ消去特性、繰り返
し特性を改善する技術が知られている。特に、記録層と
反射層の間の誘電体層を50nm程度よりも薄く構成し
た「急冷構成」では、誘電体層を200nm程度に厚く
した「徐冷構成」に比べ、記録の書換の繰返しによる劣
化が比較的少なく、また消去パワーのパワー・マージン
が広い点で優れている(T.Ohta et al,Japanese Jounal
of Applied Physics, Vol 28(1989) Suppl. 28-3 pp12
3 - 128 )。
【0007】前述の従来の書換可能相変化型光記録媒体
における課題は、以下のようなものである。すなわち、
従来のディスク構造では、新たにオーバーライト記録し
た記録マークの形状や形成位置がオーバーライト前の信
号で変調を受け、消去率やジッタ特性を制限するという
課題がある。特に、短波長レーザを用いて光スポットを
微小化するなど高密度化技術を適用し、ピットポジショ
ン記録で高密度化した場合や、あるいは、従来のピット
ポジション記録に替わりマーク長記録を採用し、さらに
ピットポジション記録同様高密度化技術を適用した場合
や、高線速で記録した場合などには前記の課題は、より
重大なものとなってくる。
【0008】この課題の原因の一つとして、記録した非
晶の記録マークと結晶状態の反射率差が大きいため、記
録層の非晶状態の光吸収量が結晶状態の光吸収量よりも
高くなり、記録マーク部分が記録時により速く加熱され
ることが考えられる。すなわち、オーバーライト記録前
の部分が結晶か、非晶マークであるかによって、記録時
の昇温状態に差が生じ、その結果、新たにオーバライト
記録した記録マークの形状や形成位置がオーバライト前
の信号で変調を受け、消去率やジッタ特性を制限すると
いうことが原因となっていると考えられる。特に、従来
の通常の急冷構成では、前述したように、光ビーム入射
方向と反対側の誘電体層に隣接してAl合金などの高熱
伝導率、高反射率の層をもうけており、これにより耐久
性や良好な記録特性を得ていたが、この様に高反射率の
層を設けた場合、記録層の非晶状態の光吸収量が、結晶
状態の光吸収量よりもかなり大きくなり、前記の課題を
解決するのは難しい。
【0009】また高密度化のために、記録マークの間隔
を照射している光ビームのサイズ程度(λ/NA)以下
にした領域では、光学的分解能の制約から再生信号の振
幅が小さくなるということも、この課題の原因の一つと
考えられる。特に記録マークの間隔を照射している光ビ
ームサイズ程度(λ/NA)以下にした記録を新たにオ
ーバライト記録した時に、新たにオーバライト記録した
記録マークの形状や形成位置が変調を受け消去率やジッ
タ特性が制限されると考えられる。
【0010】このような課題に対し、非晶状態の光吸収
量が結晶状態の光吸収量より高くなる問題を解決する手
段としては以下の技術が知られている。すなわち、特開
平5−159360号公報のように、厚さ220nmの
第2誘電体層の後に、吸収量補正層として厚さ50nm
程度のTiを形成し、さらに光吸収層の、光吸収に伴う
昇温による熱的負担を軽減するために、厚さ50nm程
度の比較的厚いAl合金を放熱層として形成する技術は
知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の構成では、依然として十分ではなく、書換の繰返
しによる記録特性の劣化が大きく、マーク間の熱干渉に
より、ジッタなどの特性が劣化し、高密度記録に適さな
い。さらに、低線速域において十分なキャリア対ノイズ
比(C/N)が得られないなどの課題があった。
【0012】本発明の目的は、前述の書換の繰り返し特
性などに優れた特性を示す。従来の光記録媒体の消去特
性の改良に関するものであり、オーバライト時の消去特
性が良好な書換可能相変化型光記録媒体を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
された記録層に光を照射することによって、情報の記
録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消去が、
非晶相と結晶相の間の相変化により行われ、少なくとも
第1の誘電体層と記録層と第2の誘電体層と1種以上の
金属材料を必須成分とし、高融点の炭化物、酸化物、ホ
ウ化物、窒化物からなる群より選ばれた少なくとも1種
を含有する材料からなる吸収量補正層を有し、かつ前記
第2の誘電体層の膜厚が1nm以上50nm以下である
ことを特徴とする光記録媒体に関するものである。これ
を第1発明とする。
【0014】また、本発明は、記録層が厚さ10nm以
上45nm以下であることを特徴とする第1発明の光記
録媒体に関するものである。これを第2発明とする。
【0015】また、本発明は、金属材料がNb、Mo、
W、Ti、Teからなる群より選ばれた少なくとも1種
であることを特徴とする第1発明または第2発明の光記
録媒体に関するものである。これを第3発明とする。
【0016】また、本発明は、吸収量補正層が厚さ1n
m以上200nm以下であることを特徴とする第1発明
または第2発明または第3発明の光記録媒体に関するも
のである。これを第4発明とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体の構成部材の
代表的な層構成は、例えば、透明基板/第1誘電体層/
記録層/第2誘電体層/吸収量補正層の積層体を部材と
して構成するもの、あるいは、透明基板/第1誘電体層
/記録層/第2誘電体層/吸収量補正層/反射層の積層
体を部材として構成するものである。但しこれに限定す
るものではない。
【0018】本発明の光記録媒体は、吸収量補正層とし
て適切な材料を選ぶことにより、非晶状態の記録層の光
吸収量を低減し、結晶状態との光吸収量差を小さくす
る、さらには結晶状態の光吸収量が非晶状態の光吸収量
よりも大きくなるようにも構成できる。この吸収量補正
の効果により、記録時における温度上昇の差が小さくな
り、記録マークの形状の乱れ、形成位置のずれなどが低
減できるため、オーバーライト時の消去特性、ジッタ特
性が改善できる。
【0019】本発明の吸収量補正層は、1種以上の金属
材料を必須成分とし、高融点の炭化物、酸化物、ホウ化
物、窒化物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含
有する材料からなる。
【0020】この吸収量補正効果は、各構成層の厚みと
光学定数により決定されるが、特に吸収量補正層の光学
定数(屈折率の実部と虚部)に大きく依存する。この吸
収量補正層の実部と虚部は適度に大きい、すなわち、好
ましくは屈折率の実部が1.0以上8.0以下、より好
ましくは2.0以上5.0以下、屈折率の虚部が1.5
以上6.5以下、より好ましくは2.0以上5.5以下
であり、本発明は、特に、屈折率の実部と屈折率の虚部
が適度に大きな、Nb、Mo、W、Ti、Teからなる
群より選ばれた少なくとも1種を必須成分とし、高融点
の炭化物、酸化物、ホウ化物、窒化物からなる群より選
ばれた少なくとも1種を含有する材料からなる吸収量補
正層を第2の誘電体層の上に設けることにより、記録層
の結晶部と記録マーク部の光吸収量を光学的に調整し、
記録マークの形状歪を抑え、オーバーライト時の消去特
性などの劣化を低減できることを主な目的としている。
また、吸収量補正層を1種以上の金属材料と高融点の炭
化物、酸化物、ホウ化物、窒化物からなる群より選ばれ
た少なくとも1種を含有する材料から形成することによ
り、膜中の残留応力の低減や耐蝕性の向上などによる信
頼性の改善にも効果的である。
【0021】光学定数の測定は、例えば次のようにして
行なう。すなわち、まず、吸収量補正層に用いる材料よ
りなる薄膜を石英ガラス上に形成し、下記装置を用いて
標準的な分光エリプソ法によって記録、消去、再生を行
なう光の波長と同様の波長において測定する。また、光
記録媒体が書換可能相変化型光ディスクの場合、粘着テ
ープを用いて構成している層を剥離して測定する。
【0022】測定装置 :株式会社ニコン製 位相差
測定装置NPDM−1000 分光器 :M−70 光源 :ハロゲンランプ 検出器面 :Si−Ge 偏光子、検光子:グラムトムソン 検光子回転数:2回 入射角 :45度〜80度、2度ピッチ
【0023】本発明の吸収量補正層の材料としては、N
b、Mo、W、Ti、Teからなる群より選ばれた少な
くとも1種を必須成分とし、高融点の、炭化物、酸化
物、ホウ化物、窒化物からなる群より選ばれた少なくと
も1種を含有する材料が、光学定数が適度に大きいこと
から好ましい。ここで、高融点とは、800℃以上の融
点を有する化合物をいう。
【0024】吸収量補正層の材料中におけるNb、M
o、W、Ti、Teからなる群より選ばれた少なくとも
1種の量は、5〜95モル%であることが好ましく、3
0〜95モル%であることがより好ましい。
【0025】例えば、高融点の、炭化物としては、Hf
C、TaC、Ta2 C、NbC、ZrC、TiC、V
C、W2 C、WC、Mo2 C、MoC、SiC、B
4 C、Cr3 2 、酸化物としては、ThO2 、HfO
2 、MgO、ZrO2 、BeO、Cr2 3 、α−Al
2 3 、TiO2 、ホウ化物としては、HfB2 、Ta
2、ZrB2 、NbB2 、TiB2 、W2 5 、Cr
2 、VB2 、FeB、Fe2 B、Mo2 5 、窒化物
としては、BN、TaN、TiN、ZrN、AlN、N
bN、VN、CrN、β−Si3 4 などがある。
【0026】本発明の吸収量補正層を形成する時は、こ
れらの高融点化合物と金属を同時蒸着して形成したり、
一つのターゲットとして蒸着してもかまわない。
【0027】吸収量補正層の膜厚は、光吸収量の補正効
果が高いことから、1nm以上が好ましく、また、実用
的なレーザパワーで記録マークを形成するために200
nm以下が好ましい。
【0028】本発明の第1および第2誘電体層には、記
録時に基板、記録層などが熱によって変形し、記録特性
が劣化することを防止する効果と、光学的な干渉効果に
より、再生時の信号コントラストを改善する効果とがあ
る。
【0029】この誘電体層の材質は、記録光波長におい
て実質的に透明であり、かつその屈折率が、透明基板の
屈折率より大きく、記録層の屈折率より小さい、通常、
ZnS、SiO2 、酸化アルミニウム、窒化シリコン、
ZrC、ZnSeなどの金属硫化物、金属酸化物、金属
窒化物、金属炭化物、金属セレン化物の金属化合物、お
よびその混合物である。
【0030】特にZnSの薄膜、Si、Ge、Al、T
i、Zr、Taなどの金属の酸化物の薄膜、Si、Al
などの窒化物の薄膜、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の
薄膜及びこれらの化合物の混合物の膜が、耐熱性が高い
ことから好ましい。また、これらに炭素、SiCなどの
炭化物、MgF2 などのフッ化物を混合したものも、膜
の残留応力が小さいことから好ましい。特にZnSとS
iO2 の混合膜あるいはZnSとSiO2 と炭素の混合
物は、記録、消去の繰り返しによっても、記録感度、キ
ャリア対ノイズ比(C/N)、消去率などの劣化が起き
にくいことから好ましい。
【0031】第1誘電体層の厚さは、光学的な条件によ
り決められるが、通常、およそ10nm〜500nmで
ある。基板や記録層から剥離し難く、クラックなどの欠
陥が生じ難いことから、50〜400nmが好ましい。
特に記録層の非晶状態と結晶状態の光吸収量差の点か
ら、第1誘電体層の厚さは次式を満たすように設定する
ことが好ましい。 Nλ/4−0.2λ≦nd1≦Nλ/4+0.2λ ここで、Nは、1、3および5から選ばれる整数であ
り、λは記録に用いる波長、nは第1誘電体層の屈折率
(実部)、d1は第1誘電体層の厚さである。
【0032】本発明の第2誘電体層の材質は、第1誘電
体層の材料としてあげたものと同様のものでも良いし、
異種の材料であってもよい。第2誘電体層の厚さは、1
nm以上50nm以下が必要である。第2誘電体層の厚
さが上記より薄いと、クラック等の欠陥を生じ、繰り返
し耐久性が低下するために好ましくない。また、第2誘
電体層の厚さが、上記より厚いと記録層の冷却度が低く
なるために好ましくない。記録・消去時の記録層の冷却
度と大きな吸収量補正効果を得ることを考慮すると、好
ましくは20nm未満であり、より好ましくは10nm
未満である。特に、第2誘電体層の厚さは冷却に関し、
より直接的に影響が大きく、より良好な消去特性や、繰
り返し耐久性を得るためと、前述したように、記録マー
クサイズの間隔をビームサイズ程度(λ/NA)以下に
した記録を新たにオーバーライト記録した時に良好な消
去特性を得るため、また、エッジ記録の場合に良好な記
録・消去特性を得るために、5nm未満がより効果的で
ある。
【0033】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、In−Se合金、Ge−Sb−Te合
金、In−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合
金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−
Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Pd−
Nb−Ge−Sb−Te合金などがある。
【0034】特にGe−Sb−Te合金、Pd−Ge−
Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb−
Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te
合金は、消去時間が短く、かつ多数回の記録、消去の繰
り返しが可能であり、C/N、消去率などの記録特性に
優れることから好ましい。
【0035】本発明の記録層の厚さとしては、10nm
以上45nm以下であることが好ましい。記録層の厚さ
が上記よりも薄い場合は、繰返しオーバーライトによる
記録特性の劣化が著しく、また、記録層の厚さが上記よ
りも厚い場合は、繰返しオーバーライトによる記録層の
移動が起りやすくジッタが悪くなる。
【0036】従来、書換可能相変化型光ディスクなどの
光記録媒体を記録する場合、一定の時間幅で記録パワー
レベルを有するレーザ光パルスを記録するマークの位置
に応じて照射することにより記録を行っている。そのた
め、例えば、ピットポジション記録方式で記録する場
合、記録トラック上にほぼ一定のサイズ、面積の記録マ
ークが変調コードに対応して記録されている。
【0037】オーバライトにより記録を書き換える場合
は、先に記録されている記録マークの再生信号の振幅を
小さくなるように形成するほど、さきに述べた非晶部分
と結晶部分の光吸収量の差や熱伝導度の差に起因する昇
温の不均一が小さくなり、また、先に記録されている記
録マークの消去特性を良くするほど再生波形の歪みは低
減できる。
【0038】さらに、記録マークの間隔が照射している
光ビームのサイズ程度(λ/NA)以下になる記録領域
では、光学分解能の制約から、再生波形の振幅が小さく
なるため、この部分の再生信号の振幅が極めて小さくな
り、正常なデータ検出は困難になる。
【0039】この点を鑑みて、ピットポジション記録の
場合、ジッタ特性が劣化しない範囲でマーク間の熱干渉
を利用することが考えられ、記録層の厚さが上記範囲の
中で、厚い方がよいが、一方、光吸収量の観点からは記
録層の厚さは薄い方が非晶状態の記録層の光吸収量を低
減し、結晶状態の光吸収量との差が小さくでき、さらに
は非晶状態の記録層の光吸収量よりも結晶状態の光吸収
量を高くできることから、この両者の兼ね合いから、記
録層の厚さは好ましくは18nm〜45nmである。よ
り好ましくは26nm〜45nmである。
【0040】一方、マーク長記録を採用する場合は、ピ
ットポジション記録の場合に比べ、記録、消去による記
録層の移動が起こりやすく、これを防ぐため、記録時の
記録層の冷却をより大きくする必要があり、記録層の厚
さは上記範囲の中で薄い方がよく、好ましくは10nm
〜35nm、より好ましくは15nm〜24nmであ
る。
【0041】光記録媒体の構成部材の層構成が、透明基
板/第1誘電体層/記録層/第2誘電体層/吸収量補正
層/反射層の積層体である場合の反射層の材質として
は、光反射性を有する金属、合金、および金属と金属化
合物の混合物などがあげられる。金属としては、Al、
Au、Ag、Cuなどの高反射率の金属、合金としては
これらを主成分として80原子%以上含有し、Ti、T
e、Cr、Hfなどの添加元素を含む合金、金属化合物
としては、Al、Siなどの金属窒化物、金属酸化物、
金属カルコゲン化物などの金属化合物が好ましい。
【0042】Al、Auなどの金属、及びこれらを主成
分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率を高く
できることから好ましい。前述の合金の例として、Al
にSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、
Nb、Mnなどの少なくとも1種の元素を合計で5原子
%以下、0.5原子%以上加えたもの、あるいは、Au
にCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Niなどの少なくと
も1種の元素を合計で20原子%以下1原子%以上加え
たものなどがある。特に、材料の価格が安くできること
から、Alを主成分とする合金が好ましい。
【0043】とりわけ、Al合金としては、耐腐食性が
良好なことから、AlにTi、Cr、Ta、Hf、Z
r、Mn、Pdから選ばれる少なくとも1種以上の金属
を合計で5原子%以下0.5原子%以上添加した合金あ
るいは、Alに合計で5原子%以下のSiとMnを加え
た合金が好ましい。
【0044】特に、耐腐食性、熱安定性が高く、ヒロッ
クなどの発生が起り難いことから反射層を、添加元素を
合計で3原子%未満、0.5原子%以上含む、Al−H
f−Pd合金、Al−Hf合金、Al−Ti合金、Al
−Ti−Hf合金、Al−Cr合金、Al−Ta合金、
Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn合金のいずれ
かのAlを主成分とする合金で構成することが好まし
い。
【0045】反射層の厚さとしては、通常、おおむね1
0nm以上300nm以下である。記録感度を高く、再
生信号強度が大きくできることから20nm以上200
nm以下が好ましい。
【0046】記録感度が高く、高速でシングルビーム・
オーバーライトが可能であり、かつ消去率が大きく消去
特性が良好であることから、次のごとく、光記録媒体の
主要部を構成することが好ましい。
【0047】すなわち、誘電体層がSiO2 の混合比が
15〜35モル%のZnSとSiO2 の混合膜あるいは
ZnSとSiO2 と炭素の混合膜であり、かつ記録層と
してGe、Sb、Teの元素を少なくとも含む合金を用
い、かつ、吸収量補正層として、1種以上の金属材料を
必須成分とし、高融点の、炭化物、酸化物、ホウ化物、
窒化物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含有す
る膜、より好ましくは、Nb、Mo、W、Ti、Teか
らなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴
とする膜を用い、第1誘電体層の厚さ(d1)をNλ/
4−0.2λ≦nd1≦Nλ/4+0.2λ(但し、N
=1、3、5)を満足するように構成し、第2誘電体層
の厚さを1nm以上50nm以下で構成し、かつ記録層
の厚さを10nm以上45nm以下で構成し、吸収量補
正層を厚さ1nm以上200nm以下で構成し、かつ記
録層の組成が次式で表される範囲にあることが好まし
い。 (Mx Sby Te1-x-y 1-z (Te0.5 Ge0.5 z 0 ≦x≦0.05 0.35≦y≦0.65 0.2 ≦z≦0.5 ここで、Mはパラジウム、ニオブ、白金、銀、金、コバ
ルトから選ばれる少なくとも1種の金属、x、y、zお
よび数字は、各元素の原子数比(各元素のモル比)を表
す。
【0048】また、上記構成の吸収量補正層上に、反射
層としてAl合金を、厚さ20nm〜200nmで構成
してもよい。
【0049】本発明の基板の材料としては、透明な各種
の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。ほこり、基
板の傷などの影響をさける目的で、透明基板を用い、集
束した光ビームで基板側から記録を行なうことが好まし
く、この様な透明基板材料としては、ガラス、ポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられ
る。
【0050】特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小
さく、成形が容易であることからポリカーボネート樹
脂、アモルファス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。ま
た耐熱性が要求される場合には、エポキシ樹脂が好まし
い。
【0051】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビームで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。基板はフレキシブルなもの
であっても良いし、リジッドなものであっても良い。フ
レキシブルな基板は、テープ状、シート状、カード状で
使用する。リジッドな基板は、カード状、あるいはディ
スク状で使用する。また、これらの基板は、記録層など
を形成した後、2枚の基板を用いて、エアーサンドイッ
チ構造、エアーインシデント構造、密着張合せ構造とし
てもよい。
【0052】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと、消費電力が小さいこと、変調が容易であることか
ら好ましい。
【0053】記録は結晶状態の記録層にレーザー光パル
スなどを照射してアモルファスの記録マークを形成して
行う。また、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記録
マークを形成してもよい。消去はレーザー光照射によっ
て、アモルファスの記録マークを結晶化するか、もしく
は、結晶状態の記録マークをアモルファス化して行うこ
とができる。
【0054】記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形
が発生しにくいことから記録時はアモルファスの記録マ
ークを形成し、消去時は結晶化を行う方法が好ましい。
また、記録マーク形成時は光強度を高く、消去時はやや
弱くし、1回の光ビームの照射により書換を行う1ビー
ム・オーバーライトは、書換の所要時間が短くなること
から好ましい。
【0055】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。誘電体層、吸収量補正層、記録層、反射層
などを基板上に形成する方法としては、公知の真空中で
の薄膜形成法、例えば真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法などがあげられる。特に組成、
膜厚のコントロールが容易であることから、スパッタリ
ング法が好ましい。形成する記録層などの厚さの制御
は、公知の技術である水晶振動子膜厚計などで、堆積状
態をモニタリングすることで、容易に行える。
【0056】記録層などの形成は、基板を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のどちらでもよい。膜
厚の面内の均一性に優れることから、基板を自転させる
ことが好ましく、さらに公転を組合わせることが、より
好ましい。
【0057】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、吸収量補正層あるいは反射層などを形成し
た後、傷、変形の防止などのため、ZnS、SiO2
ZnS−SiO2 、などの誘電体層あるいは紫外線硬化
樹脂などの保護層などを必要に応じて設けてもよい。ま
た、基板にはハブなどを必要に応じて設けてもよい。さ
らにまた、吸収量補正層あるいは反射層などを形成した
後、あるいはさらに前述の樹脂保護層を形成した後、2
枚の基板を対向して、接着剤で張り合わせてもよい。
【0058】記録層は、実際に記録を行なう前に、予め
レーザ光、キセノンフラッシュランプなどの光を照射
し、結晶化させておくことが好ましい。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0060】(分析、測定方法)吸収量補正層、記録
層、反射層の組成は、ICP発光分析(セイコー電子工
業(株)製)により確認した。またC/Nおよび消去率
(記録後と消去後の再生キャリア信号強度の差)は、ス
ペクトラムアナライザにより測定した。記録層など各層
の膜厚は、水晶振動子膜厚計によりモニターした。
【0061】(実施例1)厚さ0.6mm、直径8.6
cm、1μmピッチのスパイラルグルーブ付きポリカー
ボネート製基板を30rpmで回転させながら、高周波
スパッタ法により、記録層、誘電体層、及び吸収量補正
層を形成した。
【0062】まず、真空容器内を1×10-5Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO
2 を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に膜厚屈折率約2.2の厚さ240nmの第1誘電体層
を形成した。続いて、Ge、Sb、Teからなる合金タ
ーゲットをスパッタして、組成Ge24Sb23Te53(原
子%)の膜厚20nmの記録層を形成した。さらに第1
誘電体層と同じ材質の第2誘電体層を10nm形成し、
この上に、Te76(TaN)24(mol%)混合物の膜
厚60nmの吸収量補正層を形成した。
【0063】さらにこの光記録媒体を真空容器より取り
出した後、この吸収量補正層上にアクリル系紫外線硬化
樹脂をスピンコートし、紫外線照射により硬化させて樹
脂層を形成し、さらに同一構成の光記録媒体とホットメ
ルト接着剤で張り合わせて、本発明の光記録媒体を得
た。
【0064】この光記録媒体を2400rpmで回転さ
せ、基板側から、半径方向に長円に集光した波長820
nmの半導体レーザー光を照射して、記録層を結晶化し
初期化した。
【0065】波長680nmにおいて、吸収量補正層と
して用いたTe76(TaN)24混合物の光学定数は、屈
折率の実部は5.2、屈折率の虚部は3.2である。
【0066】この光記録媒体の非晶状態および結晶状態
光吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、60%、64%
であり、結晶状態の光吸収量が非晶状態のそれよりも大
きかった。計算から求められた結晶状態の反射率は26
%であり、実際に光記録媒体を測定した値とほぼ一致し
ていることから、本計算結果は妥当であることが確認で
きた。
【0067】その後、この光記録媒体を回転数3600
rpmにて回転させ、半径39mmのトラックに、対物
レンズの開口数0.6、半導体レーザーの波長680n
mの光学ヘッドを使用して、周波数15.3MHz(パ
ルス幅20nsec)で、ピークパワー7〜15mW、
ボトムパワー3〜8mWの各条件に変調した半導体レー
ザー光で100回オーバーライト記録した後、再生パワ
ー1.2mWの半導体レーザー光を照射してバンド幅3
0kHzの条件でC/Nを測定した。
【0068】さらにこの部分を5.73MHz(パルス
幅20nsec)で、先と同様に、ピークパワー7〜1
5mW、ボトムパワー3〜8mWの各条件に変調した半
導体レーザー光を照射し、ワンビーム・オーバーライト
し、この時の15.3MHzの前記録信号の消去率を測
定した。以下、この消去率を第1消去率と称する。
【0069】さらにこの部分を15.3MHz(パルス
幅20nsec)で、先と同様に変調した半導体レーザ
ー光を照射し、ワンビーム・オーバライトし、この時の
5.73MHzの前記録信号の消去率を測定した。以
下、この消去率を第2消去率と称する。
【0070】ピークパワー8〜14mWで50dB以上
のC/Nが得られた。また、ボトムパワー3.5〜5.
5mWで20dB以上の消去率が得られ、消去率の最高
21dB、第2消去率の最高は20.5dBが得られ
た。
【0071】さらに、ピークパワー10mW、ボトムパ
ワー4mW、周波数15.3MHzの条件でワンビーム
・オーバライトの繰り返しを1万回行った後、同様の測
定を行ったが、C/N、消去率の変化はいずれも2dB
以内で、ほとんど変化が認められなかった。
【0072】(実施例2)記録層の組成がGe19Sb28
Te53である以外は実施例1と同様の本発明の光記録媒
体を作製した。この光記録媒体のC/N、消去率および
繰り返し特性を、実施例1と同様の方法で測定したとこ
ろ、実施例1とほぼ同等の特性が得られた。
【0073】(実施例3)記録層の組成がNb0.5 Ge
17.5Sb26Te56である以外は実施例1と同様の本発明
の光記録媒体を作製した。この光記録媒体のC/N、消
去率および繰り返し特性を、実施例1と同様の方法で測
定したところ、実施例1とほぼ同等の特性が得られた。
【0074】(実施例4)記録層の組成がPd0.2 Nb
0.3 Ge18.5Sb27Te54である以外は実施例1と同様
の本発明の光記録媒体を作製した。この光記録媒体のC
/N、消去率および繰り返し特性を、実施例1と同様の
方法で測定したところ、実施例1とほぼ同等の特性が得
られた。
【0075】(実施例5)第1誘電体層、記録層、第2
誘電体層、吸収量補正層の各層の厚みがそれぞれ、23
0nm、30nm、5nm、40nmであり、吸収量補
正層の材料としてW49(TiC)51混合物を用いた以外
は実施例1と同様の本発明の光記録媒体を作製した。
【0076】波長680nmにおいて、吸収量補正層と
して用いたW49(TiC)51混合物の光学定数は、屈折
率の実部は3.8、屈折率の虚部は3.8である。
【0077】この光記録媒体の非晶状態および結晶状態
光吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、63%、65%
であり、結晶状態の光吸収量が非晶状態のそれよりも若
干大きかった。計算から求められた結晶状態の反射率は
26%であり、実際に光記録媒体を測定した値とほぼ一
致していることから、本計算結果は妥当であることが確
認できた。
【0078】この光記録媒体のC/Nと消去率を、実施
例1と同様の方法で測定したところ、ピークパワー8〜
13mWで50dB以上のC/Nが得られた。また、ボ
トムパワー3.5〜5mWで20dB以上の消去率が得
られ、かつ第1消去率の最高20.5dB、第2消去率
の最高23dBが得られた。
【0079】さらに、ピークパワー10mW、ボトムパ
ワー4mW、周波数15.3MHzの条件でワンビーム
・オーバライトの繰り返しを1万回行った後、同様の測
定を行ったが、C/N、消去率の変化はいずれも2dB
以内で、ほとんど変化が認められなかった。
【0080】(実施例6)第1誘電体層、記録層、吸収
量補正層の各層の厚みがそれぞれ、230nm、40n
m、40nmであり、吸収量補正層の材料としてW
48(SiC)52混合物を用いた以外は実施例1と同様の
本発明の光記録媒体を作製した。
【0081】波長680nmにおいて、吸収量補正層と
して用いたW48(SiC)52混合物の光学定数は、屈折
率の実部は5.2、屈折率の虚部は2.6である。
【0082】この光記録媒体の非晶状態および結晶状態
光吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、63%、63%
であり、結晶状態と非晶状態の光吸収量は同じであっ
た。計算から求められた結晶状態の反射率は24%であ
り、実際に光記録媒体を測定した値とほぼ一致している
ことから、本計算結果は妥当であることが確認できた。
【0083】この光記録媒体のC/Nと消去率を、実施
例1と同様の方法で測定したところ、ピークパワー7〜
13mWで50dB以上のC/Nが得られた。また、ボ
トムパワー3〜4mWで20dB以上の消去率が得ら
れ、かつ第1消去率の最高は20.5dB、第2消去率
の最高23dBが得られた。
【0084】さらに、ピークパワー8mW、ボトムパワ
ー3.5mW、周波数15.3MHzの条件でワンビー
ム・オーバライトの繰り返しを1万回行った後、同様の
測定を行ったが、C/N、消去率の変化はいずれも2d
B以内で、ほとんど変化が認められなかった。
【0085】(実施例7)吸収量補正層の厚みが40n
mであり、吸収量補正層の材料としてNb43(AlN)
57(mol%)混合物を用い、さらに吸収量補正層の第
2誘電体層と反対側の面にHf−Pd−Al合金の膜厚
50nmの反射層を形成した以外は実施例4と同様の本
発明の光記録媒体を作製した。
【0086】波長680nmにおいて、吸収量補正層と
して用いたNb43(AlN)57混合物の光学定数は、屈
折率の実部は4.0、屈折率の虚部は3.5である。
【0087】この光記録媒体の非晶状態および結晶状態
光吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、58%、63%
であり、結晶状態の光吸収量が非晶状態のそれよりも大
きかった。計算から求められた結晶状態の反射率は23
%であり、実際に光記録媒体を測定した値とほぼ一致し
ていることから、本計算結果は妥当であることが確認で
きた。
【0088】この光記録媒体のC/Nと消去率を、実施
例1と同様の方法で測定したところ、ピークパワー9〜
15mWで50dB以上のC/Nが得られた。また、ボ
トムパワー4〜5.5mWで20dB以上の消去率が得
られ、かつ第1消去率の最高は22dB、第2消去率の
最高20.5dBが得られた。
【0089】さらに、ピークパワー10mW、ボトムパ
ワー4.5mW、周波数15.3MHzの条件でワンビ
ーム・オーバライトの繰り返しを1万回行った後、同様
の測定を行ったが、C/N、消去率の変化はいずれも2
dB以内で、ほとんど変化が認められなかった。
【0090】(実施例8)第1誘電体層、記録層、第2
誘電体層、吸収量補正層、反射層の各層の厚みがそれぞ
れ、220nm、25nm、15nm、30nm、70
nmであり、吸収量補正層の材料としてNb80(Mo
C)20混合物を用いた以外は実施例7と同様の本発明の
光記録媒体を作製した。
【0091】波長680nmにおいて、吸収量補正層と
して用いたNb80(MoC)20混合物の光学定数は、屈
折率の実部は3.8、屈折率の虚部は4.0である。
【0092】この光記録媒体の非晶状態および結晶状態
光吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、66%、66%
であり、結晶状態と非晶状態の光吸収量は同じであっ
た。計算から求められた結晶状態の反射率は27%であ
り、実際に光記録媒体を測定した値とほぼ一致している
ことから、本計算結果は妥当であることが確認できた。
【0093】この光記録媒体のC/Nと消去率を、実施
例1と同様の方法で測定したところ、ピークパワー7〜
13mWで50dB以上のC/Nが得られた。また、ボ
トムパワー3〜4.5mWで20dB以上の消去率が得
られ、かつ第1消去率の最高は22dB、第2消去率の
最高22dBが得られた。
【0094】さらに、ピークパワー8mW、ボトムパワ
ー3.5mW、周波数15.3MHzの条件でワンビー
ム・オーバライトの繰り返しを1万回行った後、同様の
測定を行ったが、C/N、消去率の変化はいずれも2d
B以内で、ほとんど変化が認められなかった。
【0095】(実施例9)第1誘電体層、記録層、第2
誘電体層、反射層の各層の厚みがそれぞれ、230n
m、30nm、5nm、30nmであり、吸収量補正層
の材料としてMo38(ZrN)62混合物を用いた以外は
実施例7と同様の本発明の光記録媒体を作製した。
【0096】波長680nmにおいて、吸収量補正層と
して用いたMo38(ZrN)62混合物の光学定数は、屈
折率の実部は3.7、屈折率の虚部は3.6である。
【0097】この光記録媒体の非晶状態および結晶状態
光吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、60%、62%
であり、結晶状態と非晶状態の光吸収量は同じであっ
た。計算から求められた結晶状態の反射率は22%であ
り、実際に光記録媒体を測定した値とほぼ一致している
ことから、本計算結果は妥当であることが確認できた。
【0098】この光記録媒体のC/Nと消去率を、実施
例1と同様の方法で測定したところ、ピークパワー9〜
15mWで50dB以上のC/Nが得られた。また、ボ
トムパワー4.5〜6mWで20dB以上の消去率が得
られ、かつ第1消去率の最高は20.5dB、第2消去
率の最高23dBが得られた。
【0099】さらに、ピークパワー10mW、ボトムパ
ワー5mW、周波数15.3MHzの条件でワンビーム
・オーバライトの繰り返しを1万回行った後、同様の測
定を行ったが、C/N、消去率の変化はいずれも2dB
以内で、ほとんど変化が認められなかった。
【0100】(実施例10)第1誘電体層、記録層、第
2誘電体層、反射層の各層の厚みがそれぞれ、230n
m、30nm、5nm、30nmであり、吸収量補正層
の材料としてW47(ZrC)53混合物を用いた以外は実
施例7と同様の本発明の光記録媒体を作製した。
【0101】波長680nmにおいて、吸収量補正層と
して用いたW47(ZrC)53混合物の光学定数は、屈折
率の実部は3.7、屈折率の虚部は3.4である。
【0102】この光記録媒体の非晶状態および結晶状態
光吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、63%、64%
であり、結晶状態と非晶状態の光吸収量は同じであっ
た。計算から求められた結晶状態の反射率は23%であ
り、実際に光記録媒体を測定した値とほぼ一致している
ことから、本計算結果は妥当であることが確認できた。
【0103】この光記録媒体のC/Nと消去率を、実施
例1と同様の方法で測定したところ、ピークパワー8〜
15mWで50dB以上のC/Nが得られた。また、ボ
トムパワー4〜5.5mWで20dB以上の消去率が得
られ、かつ第1消去率の最高は21dB、第2消去率の
最高24.5dBが得られた。
【0104】さらに、ピークパワー9mW、ボトムパワ
ー4.5mW、周波数15.3MHzの条件でワンビー
ム・オーバライトの繰り返しを1万回行った後、同様の
測定を行ったが、C/N、消去率の変化はいずれも2d
B以内で、ほとんど変化が認められなかった。
【0105】(実施例11)第1誘電体層、記録層、第
2誘電体層、吸収量補正層、反射層の各層の厚みがそれ
ぞれ、210nm、30nm、4nm、50nm、30
nmであり、吸収量補正層の材料としてTi52(Ti
C)48合物を用いた以外は実施例7と同様の本発明の光
記録媒体を作製した。
【0106】この光記録媒体の非晶状態および結晶状態
光吸収量は、各層の屈折率、厚さから計算した結果、光
の波長680nmにおいて、それぞれ、59%、60%
であり、結晶状態と非晶状態の光吸収量は同じであっ
た。計算から求められた結晶状態の反射率は23%であ
り、実際に光記録媒体を測定した値とほぼ一致している
ことから、本計算結果は妥当であることが確認できた。
【0107】この光記録媒体のC/Nと消去率を、実施
例1と同様の方法で測定したところ、ピークパワー10
〜15mWで50dB以上のC/Nが得られた。また、
ボトムパワー4.5〜6.5mWで20dB以上の消去
率が得られ、かつ第1消去率の最高は20.5dB、第
2消去率の最高23dBが得られた。
【0108】さらに、ピークパワー11mW、ボトムパ
ワー5mW、周波数15.3MHzの条件でワンビーム
・オーバライトの繰り返しを1万回行った後、同様の測
定を行ったが、C/N、消去率の変化はいずれも2dB
以内で、ほとんど変化が認められなかった。
【0109】
【発明の効果】本発明は、光記録媒体で構成したので、
以下の効果が得られた。 (1)オーバーライト時の記録マーク歪みを低減できる
ことにより、消去率が向上できる。 (2)スパッタ法により容易に作製できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣田 草人 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された記録層に光を照射す
    ることによって、情報の記録、消去、再生が可能であ
    り、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変
    化により行われ、少なくとも第1の誘電体層と記録層と
    第2の誘電体層と1種以上の金属材料を必須成分とし、
    高融点の炭化物、酸化物、ホウ化物、窒化物からなる群
    より選ばれた少なくとも1種を含有する材料からなる吸
    収量補正層を有し、かつ前記第2の誘電体層の膜厚が1
    nm以上50nm以下であることを特徴とする光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 記録層が厚さ10nm以上45nm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 金属材料がNb、Mo、W、Ti、Te
    からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 吸収量補正層が厚さ1nm以上200n
    m以下であることを特徴とする請求項1または請求項2
    または請求項3記載の光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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