JPH10326434A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH10326434A
JPH10326434A JP9346426A JP34642697A JPH10326434A JP H10326434 A JPH10326434 A JP H10326434A JP 9346426 A JP9346426 A JP 9346426A JP 34642697 A JP34642697 A JP 34642697A JP H10326434 A JPH10326434 A JP H10326434A
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JP
Japan
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layer
recording medium
optical recording
dielectric layer
medium according
Prior art date
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Application number
JP9346426A
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English (en)
Inventor
Kunihisa Nagino
邦久 薙野
Tomoya Yamaho
智也 山舗
Hitoshi Nobumasa
均 信正
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
Takeshi Arai
猛 新井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の書換の繰り返しにおけるセクターの始
端部分、終端部分の劣化が少なく、なおかつ、ジッタ特
性が良好な書換可能相変化光記録媒体を提供すること。 【解決手段】 高硬度層と、第1誘電体層と記録層と第
2誘電体層と反射層を有し、なおかつ、高硬度層の硬度
が第1の誘電体層の硬度よりも大きく、第2の誘電体層
の厚さが3nm以上、50nm以下であることを特徴と
する光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。
【0002】特に、本発明は、記録情報の消去、書換機
能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可能な光
ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相変化型
光記録媒体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。これらの光記録媒体
は、テルルなどを主成分とする記録層を有し、記録時
は、結晶状態の記録層に集束したレーザー光パルスを短
時間照射し、記録層を部分的に溶融する。溶融した部分
は熱拡散により急冷され、固化し、アモルファス状態の
記録マークが形成される。この記録マークの光線反射率
は、結晶状態より低く、光学的に記録信号として再生可
能である。
【0004】また、消去時には、記録マーク部分にレー
ザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の
温度に加熱することによって、アモルファス状態の記録
マークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0005】これらの書換可能相変化型光記録媒体の記
録層の材料としては、Ge2Sb2Te5などの合金(N.Y
amada et al.Proc.Int.Symp.on Optical Memory 1987 p
61-66)が知られている。
【0006】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
それぞれ1層ずつ設け、記録時に記録層に変形、開口が
発生することを防いでいる。さらに、光ビーム入射方向
と反対側の誘電体層に、光反射性のAlなどの金属反射
層を積層して設け、光学的な干渉効果により再生時の信
号コントラストを改善する技術が知られている。
【0007】前述の従来の書換可能相変化型光記録媒体
における課題は、以下のようなものである。従来のディ
スク構造では、記録の書換の繰り返しにより、記録領域
部(以下セクターという)の記録の書き始め部分および
書き終わり部分の記録波形が劣化したり、ジッタ特性が
悪化するという問題がある。特に、従来のピットポジシ
ョン記録に替わり高密度化が可能なマーク長記録を採用
した場合には前記の問題は、より重大なものとなってく
る。この問題の原因の一つとして、記録の書換の繰り返
しにより、記録層がトラック方向および半径方向に移動
することが考えられる。すなわち、記録の書換の繰り返
しにより、記録膜が徐々にトラックの前方および、ある
いは後方に移動し、記録の開始端および終了端に記録膜
がたまったり、あるいは薄くなることが原因となってい
ると考えられる。同様に、半径方向についても記録の書
換の繰り返しにより、トラックの幅方向の中心部分の記
録膜が押しのけられ、トラック側壁にたまることによ
り、トラックの幅方向の中心部分の記録膜が薄くなると
いうことが原因となっていると考えられる。このこと
は、さらに記録の書換の繰り返しによるトラッキングの
安定性の低下の原因にもなっていると考えられる。
【0008】さらには、従来のグルーブ記録に替わり、
ランドにも記録を行う、より高密度記録が可能なランド
グルーブ記録を適用したときに、記録の書換の繰り返し
により、グルーブに比較して、ランドのジッタがより悪
化しやすいという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、書換
の繰り返しにおけるセクターの書き始め部分および書き
終わり部分劣化が少なく、ジッタ特性が良好な書換可能
相変化型光記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録層に光を
照射することによって、情報の記録、消去、再生が可能
であり、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の
相変化により行われる光記録媒体であって、基板上に少
なくとも高硬度層、第1誘電体層、記録層、第2誘電体
層および反射層をこの順に有し、かつ、前記高硬度層の
硬度が前記第1誘電体層の硬度よりも大きく、第2誘電
体層の厚さが3nm以上50nm以下であることを特徴
とする光記録媒体に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体の構成部材の
代表的な層構成は、例えば、透明基板/高硬度層/第1
誘電体層/記録層/第2誘電体層/反射層の積層体から
なるものである。但しこれに限定するものではない。
【0012】本発明の光記録媒体において、高硬度層の
硬度が第1誘電体層の硬度よりも大きいことが重要であ
る。すなわち高硬度層の材料として、第1誘電体層の材
料よりも硬度の大きい材料を用いることにより、記録の
書換の繰り返しにともなう膨張、収縮による記録膜の移
動を抑制でき、記録書換繰り返しにおけるセクターの書
き始め部分および書き終わり部分の劣化およびジッタの
悪化を改良できる。通常、書換可能相変化型光記録媒体
には記録層に隣接する保護層としてZnS−SiO2
電体膜が用いられる。ZnS−SiO2誘電体膜のヌー
プ硬度は400kg/mm2程度であり、記録の書換の繰り返
しにともなう書き始め部分および書き終わり部分の劣化
やジッタの悪化を改善するためには、高硬度層の硬度は
450kg/mm2以上であることが好ましい。
【0013】上記の構成は、特にランドグルーブ記録を
行う光記録媒体に適用すると効果が大きい。なぜなら
ば、他の方法では改善が困難な、記録書換繰り返しによ
るランドのジッタの繰り返し特性を大きく改善すること
ができるからである。
【0014】また、上記の構成は、マーク長記録を行う
光記録媒体に適用すると効果が大きい。なぜならば、マ
ーク長記録を行う光記録媒体においては、記録の書換の
繰り返しにともなう書き始め部分および書き終わり部分
の劣化やジッタの悪化がより顕著であり、改善の効果が
より大きいからである。
【0015】また、高硬度層の熱膨張係数は、第1誘電
体層の熱膨張係数よりも小さいことが好ましい。こうす
ることにより、記録書換の繰り返しに関して、記録層の
変動を小さく押さえ込み、セクターの書き始め部分およ
び書き終わり部分の劣化、ジッタの悪化を改良する。
【0016】さらに、高硬度層は、記録層の熱負荷を少
なくすることと、基板への熱ダメージを小さくすること
から、第1誘電体層よりも熱伝導率が大きいことが好ま
しい。第1誘電体層の熱伝導率が大きい場合、記録層に
照射されたレーザー光による熱が、十分に効果的に記録
層の相変化に利用される前に冷却されてしまい、感度が
悪くなるため、好ましくなく、高硬度層の熱伝導率が第
1誘電体層よりも高いことが好ましい。
【0017】さらにまた、入射光を取り込みやすくする
ために、高硬度層は記録光波長において実質的に透明で
あり、かつその屈折率は第1誘電体層の屈折率よりも小
さいことが好ましい。
【0018】このような高硬度層の材料としては、例え
ば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化
物、金属セレン化物などの金属化合物、およびその混合
物である。高硬度層の材質としては、より具体的には、
例えば、Si、Ge、Al、Ti、Zr、Ta、Nb、
In、Sn、Pbなどの金属の酸化物の薄膜(例えばS
iOx(1≦x≦2)、Al23、TiO2、Ta25
Nb23、MgO、SrTiO3、ITOなど)、光学
ガラス(例えば、BK7など。なお、ここでいう、光学
ガラスとは、少なくともSi、B、Al、Na、K、C
a、Zn、Ba、Pb、Sb、As、Ti、P、Zr、
Laの酸化物から選ばれる2種類以上の混合物を指
す)、Si、Al、Ge、Ti、Zr、Ta、Nbなど
の窒化物の薄膜(例えばSi34、AlNなど)、S
i、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の薄膜及びこれらの
化合物の混合物の膜が好ましい。また、これらに炭素、
SiCなどの炭化物、MgF2などのフッ化物を混合し
たものも、膜の残留応力が小さいことから好ましい。膜
形成速度、材料コスト、実用性などを鑑みると、SiO
x(1≦x≦2)、Ta25-x(0≦x≦1)、Al2
3-x(0≦x≦2)、TiO2-x(0≦x≦1)、Nb2
5-x(0≦x≦1)、Si34-x(0≦x≦2)、A
lNx(0.2≦x≦1)、ZrOx(0.5≦x≦
2)、光学ガラスなどがより好ましい。
【0019】また、高温状態や高湿状態での耐久性を考
慮した場合には、高硬度層の硬度が高すぎると、温度変
化などの影響により、他の構成層や基板との物理的性状
の違いによりクラックなどの欠陥が発生しやすくなる。
こうした欠陥発生をさけるためには、上記にあげた材料
のうち、ヌープ硬度が1000kg/mm2を越えるよ
うな高硬度のものについては、Al23-x(0.2≦x
≦1.5)、Si34 -x(0.5≦x≦1.5)、Al
x(0.5≦x≦0.9)、ZrOx (0.8≦x≦
1.8)であることがより好ましい。これらの範囲とす
ることで、実質的に硬度を低下させることなく、環境の
変化に対して、柔軟に形状を追従させることが可能とな
るからである。
【0020】本発明の高硬度層を形成する時は、これら
の1種あるいは2種以上を同時蒸着して形成したり、あ
るいは、一つのターゲットとして蒸着してもかまわな
い。
【0021】膜形成速度、材料コスト、実用性などを鑑
みると、高硬度層は、反応性スパッタリング法により成
膜することが好ましい。特に、半導体や金属ターゲット
とDC電源を用い、反応性スパッタリング法を行って、
上記の高硬度層を成膜すれば、装置の価格を安くでき、
なおかつ、成膜速度を早くできるのでさらに好ましい。
【0022】本発明の高硬度層、第1および第2誘電体
層には、記録時に基板、記録層などが熱によって変形
し、記録特性が劣化することを防止する効果と、光学的
な干渉効果により、再生時の信号コントラストを改善す
る効果とがある。
【0023】ディスクの光学的な設計を容易にする点か
ら、高硬度層の屈折率、第1誘電体層の屈折率の少なく
ともどちらかが、1.6以上であり、第2誘電体層の屈
折率と高硬度層の屈折率の差が、−0.2以上、0.2
以下、もしくは、第2誘電体層の屈折率と第1誘電体層
の屈折率の差が、−0.2以上、0.2以下であること
が好ましい。
【0024】第1誘電体層の材質としては、ZnSの薄
膜、Si、Ge、Al、Ti、Zr、Ta、Nb、I
n、Sn、Pbなどの金属の酸化物の薄膜、Si、Al
などの窒化物の薄膜、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の
薄膜及びこれらの化合物の混合物の膜が、耐熱性が高い
ことから好ましい。また、これらに炭素、SiCなどの
炭化物、MgF2などのフッ化物を混合したものも、膜
の残留応力が小さいことから好ましい。特に、記録光波
長において実質的に透明であり、かつその屈折率が、透
明基板の屈折率より大きく、記録層の屈折率より小さ
い、ZnSとSiO2の混合物からなる膜を用いること
が好ましい。また、光を吸収し、記録、消去に効率的に
熱エネルギーとして用いることができることから、透明
でない材料から形成されることも好ましい。例えば、Z
nSとSiO2と炭素の混合物は、膜の残留応力が小さ
いこと、記録、消去の繰り返しによっても、記録感度、
キャリア対ノイズ比(C/N)、消去率などの劣化が起
きにくいことからも好ましい。
【0025】高硬度層の厚さは、第1誘電体層の厚さよ
りも薄く、かつ、10nm以上であることが望ましい。
10nmよりも薄い場合、高硬度層を設けた効果が得ら
れないことがあるし、高硬度層にクラック等が生じるこ
とがあり、かえって繰り返し耐久性に対して悪影響をお
よぼす場合がある。記録の書換の繰り返しに対して高硬
度層の十分な効果を得るためには25nm以上が好まし
く、より好ましくは35nm以上である。また、第1誘
電体層の光学的な特性を十分に発揮するためには高硬度
層の厚さは第1誘電体層よりも薄いことが望ましい。高
硬度層があまり厚いと、記録の繰り返しにより高硬度層
にクラックなどが生じることがあり、かえって繰り返し
耐久性に対して悪影響を与えるときがある。また、高硬
度層を厚くすると、結果的に製造コストが上昇する。ま
た、後述する高硬度層および第1誘電体層の厚さの和の
好ましい範囲から、高硬度層の厚さは100nm以下が
望ましく、光学設計の点から、50nm以下が好まし
い。より好ましくは45nm以下である。
【0026】高硬度層と第1誘電体層の厚さは、光学的
な条件により決められるが、両者の和は、およそ10n
m〜500nmである。基板や記録層から剥離し難く、
クラックなどの欠陥が生じ難いことから、50〜400
nmが好ましい。より好ましくは80nm〜200nm
である。
【0027】なお、高硬度層と第1誘電体層の間に、高
硬度層の材料と第1誘電体層の材料からなる混合層を有
しても構わない。こうすることにより、高硬度層と第1
誘電体層の密着性に優れ、特に、長期保存安定性に優れ
た光記録媒体を得ることができる。
【0028】本発明の第2誘電体層の材質は、高硬度層
や第1誘電体層の材料としてあげたものと同様のもので
も良いし、異種の材料であってもよい。例えば、第2誘
電体層の材質は、ZnS、SiO2、酸化アルミニウ
ム、窒化シリコン、ZrC、ZnSeなどの金属硫化
物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属セレン
化物の金属化合物、およびその混合物である。また、こ
れら透明な材料でもよいが、透明でない材料から形成さ
れることが好ましい。この層で光を吸収し、記録、消去
に効率的に熱エネルギーとして用いることができる。
【0029】第2誘電体層の具体的な材料としては、Z
nSの薄膜、Si、Ge、Al、Ti、Zr、Ta、N
bなどの金属の酸化物の薄膜、Si、Alなどの窒化物
の薄膜、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の薄膜及びこれ
らの化合物の混合物の膜が、耐熱性が高いことから好ま
しい。また、これらに炭素、SiCなどの炭化物、Mg
2などのフッ化物を混合したものも、膜の残留応力が
小さいことから好ましい。特にZnSとSiO2の混合
膜あるいはZnSとSiO2と炭素の混合物は、繰り返
しによる記録特性の低下が起きにくいことから好まし
い。
【0030】第2誘電体層の厚さは、3nm以上50n
m以下が必要である。第2誘電体層の厚さが上記より薄
いと、クラック等の欠陥を生じ、繰り返し耐久性が低下
するために好ましくない。また、第2誘電体層の厚さ
が、上記より厚いと記録層の冷却度が低くなるために好
ましくない。第2誘電体層の厚さは記録層の冷却に関
し、より直接的に影響が大きく、より良好な消去特性
や、繰り返し耐久性を得るために、また、特にマーク長
記録の場合に良好な記録・消去特性を得るために、30
nm以下がより効果的である。
【0031】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、In−Se合金、Ge−Sb−Te合
金、In−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合
金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−
Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Pd−
Nb−Ge−Sb−Te合金などがある。
【0032】特にGe−Sb−Te合金、Pd−Ge−
Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb−
Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te
合金は、消去時間が短く、かつ多数回の記録、消去の繰
り返しが可能であり、C/N、消去率などの記録特性に
優れることから好ましい。
【0033】本発明の記録層の厚さとしては、5nm以
上40nm以下であることが好ましい。記録層の厚さが
上記よりも薄い場合は、繰り返しオーバーライトによる
記録特性の劣化が著しく、また、記録層の厚さが上記よ
りも厚い場合は、繰り返しオーバーライトによる記録層
の移動が起こりやすくジッタが悪化が激しくなる。特
に、マーク長記録を採用する場合は、ピットポジション
記録の場合に比べ、記録、消去による記録層の移動が起
こりやすく、これを防ぐため、記録時の記録層の冷却を
より大きくする必要があり、記録層の厚さは、好ましく
は10nm〜35nm、より好ましくは10nm〜24
nmである。最も好ましくは、16nm〜24nmであ
る。
【0034】反射層の材質としては、光反射性を有する
金属、合金、および金属と金属化合物の混合物などがあ
げられる。金属としては、Al、Au、Ag、Cuなど
の高反射率の金属、合金としてはこれらを主成分として
80原子%以上含有し、Ti、Te、Cr、Hfなどの
添加元素を含む合金、金属化合物としては、Al、Si
などの金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物な
どの金属化合物が好ましい。
【0035】Al、Auなどの金属、及びこれらを主成
分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率を高く
できることから好ましい。前述の合金の例として、Al
にSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、
Nb、Mnなどの少なくとも1種の元素を合計で5原子
%以下、0.5原子%以上加えたもの、あるいは、Au
にCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Niなどの少なくと
も1種の元素を合計で20原子%以下1原子%以上加え
たものなどがある。特に、材料の価格が安くできること
から、Alを主成分とする合金が好ましい。
【0036】とりわけ、Al合金としては、耐腐食性が
良好なことから、AlにTi、Cr、Ta、Hf、Z
r、Mn、Pdから選ばれる少なくとも1種以上の金属
を合計で5原子%以下0.5原子%以上添加した合金あ
るいは、Alに合計で5原子%以下のSiとMnを加え
た合金が好ましい。
【0037】特に、耐腐食性、熱安定性が高く、ヒロッ
クなどの発生が起こり難いことから反射層を、添加元素
を合計で3原子%未満、0.5原子%以上含む、Al−
Hf−Pd合金、Al−Hf合金、Al−Ti合金、A
l−Ti−Hf合金、Al−Cr合金、Al−Ta合
金、Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn合金のい
ずれかのAlを主成分とする合金で構成することが好ま
しい。
【0038】反射層の厚さとしては、通常、おおむね1
0nm以上300nm以下である。記録感度を高く、再
生信号強度が大きくできることから20nm以上200
nm以下が好ましい。
【0039】また、高線速、高密度化にともない、オー
バーライト時にオーバーライト前の記録膜の状態が結晶
相か非晶相かにより、記録マーク歪みが生じるが、この
ような場合は、記録膜が結晶相の場合と非晶相の場合の
光吸収量差を調整することを主な目的として、反射層と
第2誘電体層の間に光を一部吸収したり、透過させたり
できる層厚さで、Ti、Zr、Hf、Cr、Ta、M
o、Mn、W、Nb、Rh、Ni、Fe、Pt、Os、
Co、Zn、Pd、Siやこれらの合金、Ti、Nb、
MoあるいはTeを必須とする高融点の炭化物、酸化
物、ホウ化物、窒化物、およびこれらの混合物などから
なる吸収量補正層を形成しても良い。
【0040】記録層、第2誘電体層および反射層は、間
に他の層を介さず、隣接して設けられていることが、よ
り良好な消去特性や、繰り返し耐久性を得るために、好
ましい。特に、これらの層の間に第2誘電体層よりも厚
い層を設けると、マーク長記録の場合に記録の書換の繰
り返しによるジッタ悪化が大きくなる。
【0041】記録感度が高く、高速でシングルビーム・
オーバーライトが可能であり、かつ消去率が大きく消去
特性が良好であり、かつ、記録の書換の繰り返しによる
記録の書き始め部分および書き終わり部分の劣化が少な
く、ジッタ悪化が少ないことから、次のごとく、光記録
媒体の主要部を構成することが好ましい。
【0042】すなわち、高硬度層がSiOx(1≦x≦
2)、Si34-x(0≦x≦2)、Ta25-x(0≦x
≦1)、Al23-x(0≦x≦2)、AlNx(0.2
≦x≦1)、ZrOx(0.5≦x≦2)から選ばれた
膜、あるいはこれらを主成分とする混合膜であり、第1
誘電体層がSiO2の混合比が15〜35モル%のZn
SとSiO2の混合膜あるいはZnSとSiO2と炭素の
混合膜であり、かつ記録層としてGe、Sb、Teの元
素を少なくとも含む合金を用い、かつ、第2誘電体層が
SiO2の混合比が15〜35モル%のZnSとSiO2
の混合膜あるいはZnSとSiO2と炭素の混合膜であ
り、第2誘電体層の厚さを3nm以上50nm以下で構
成し、かつ記録層の厚さを5nm以上40nm以下で構
成することが好ましい。特に、記録層の組成が次式で表
される範囲にあることが好ましい。
【0043】 (MxSbyTe1-x-y1-z(Te0.5Ge0.5z 0≦x≦0.05 0.35≦y≦0.65 0.2≦z≦0.5 ここで、Mはパラジウム、ニオブ、白金、銀、金、コバ
ルトから選ばれる少なくとも1種の金属、を表す。ま
た、x、y、zおよび数字は、各元素の原子数比(各元
素のモル比)を表す。また、上記構成の第2誘電体層上
に、反射層としてAl合金を、厚さ20nm〜200n
mで構成することが好ましい。
【0044】本発明の基板の材料としては、透明な各種
の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。ほこり、基
板の傷などの影響をさける目的で、透明基板を用い、集
束した光ビームで基板側から記録を行うことが好まし
く、この様な透明基板材料としては、ガラス、ポリカー
ボネート、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられ
る。
【0045】特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小
さく、成形が容易であることからポリカーボネート樹
脂、アモルファス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。ま
た耐熱性が要求される場合には、エポキシ樹脂が好まし
い。
【0046】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビームで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。特に好ましい範囲は、0.
4mm以上1.2mm以下である。基板はフレキシブル
なものであっても良いし、リジッドなものであっても良
い。フレキシブルな基板は、テープ状、シート状、カー
ド状で使用する。リジッドな基板は、カード状、あるい
はディスク状で使用する。また、これらの基板は、記録
層などを形成した後、2枚の基板を用いて、エアーサン
ドイッチ構造、エアーインシデント構造、密着貼り合わ
せ構造としてもよい。
【0047】なお、ランドグルーブ記録を行う場合は、
光記録媒体の形状などは以下のようにすることが好まし
い。
【0048】光記録媒体の案内溝(グルーブ)と案内溝
間(ランド)の間の傾斜部分の傾きは0.15以上1.
8以下とすることが好ましい。ここで、案内溝と案内溝
間の傾斜部分の傾きは、図1に示すとおり、溝の底から
10%の位置と溝の頂部から10%の位置の間での傾き
y/xを指す。ランドとグルーブでは幾何学的関係が異
なるため、ランドの方が放熱が大きく、ランドとグルー
ブに同じように記録した場合、ランドの方がマークが小
さくなったり、不鮮明になる傾向があるが、傾斜部分の
傾きを0.15以上にすることにより、ランドとグルー
ブの記録時における熱拡散の差を小さくできる。また、
通常、基板はスタンパーと称する溝を形成した型を用い
て加圧、成形して作製するが、傾斜部分の傾きが1.8
を越えると、成形時の離型が悪くなり、良好な基板が得
られないことがある。好ましくは0.25以上1.0以
下であり、製造上のマージン等を考慮すると、0.3以
上、0.7以下がより好ましい。このように、傾斜角度
を成型時の離型に問題にならない程度に大きくすること
により、クロスイレーズ耐久性も向上できる。
【0049】また、ランドとグルーブにおける書換の繰
り返しによる記録層の移動がトラッキングを乱す原因と
考えられるが、グルーブとランドがウォブルしている場
合は(ウォブルとは、位置情報を検出するために、グル
ーブとランドを波打たせることを指す)、この現象がさ
らに増幅されるため、ウォブルの幅は、ウォブルの信号
が検出できる範囲で小さい方が好ましく、グルーブおよ
びランドの幅の1%以上、10%以下が好ましい。より
好ましくは2%以上、8%以下である。
【0050】また、グルーブとランドの間の傾斜部の幅
がトラックピッチの25%以下であると、グルーブが矩
形状に近くなり、傾斜部分で記録した際の熱を遮断し、
クロスイレーズ耐久性が向上するので好ましい。ただ
し、グルーブとランドの間の傾斜部の幅がトラックピッ
チの3%未満の場合、傾斜角が大きすぎる場合と同様、
基板成形の際、スタンパーから基板を剥離しにくくな
る。すなわち、グルーブとランドの間の傾斜部の幅は3
%以上、25%以下が好ましい。
【0051】さらに、本発明の光記録媒体では、クロス
トークを減少させて、ランドとグルーブの記録特性差を
小さくできる点から、グルーブ深さを再生光の波長の1
/7以上1/5以下の光路長とすることが好ましい。グ
ルーブ深さが再生光の波長の1/7未満もしくは1/5
を越える光路長の場合は、クロストークが大きくなり、
正確な再生が困難になる。
【0052】さらにまた、本発明のトラックピッチ(T
p)は、クロスイレーズを小さくすることと、高密度記
録の観点から Tp=a・λ/NA(λは記録再生光波長、NAはレン
ズ開口数) 0.9≦a≦1.5 の範囲におさめることが好ましい。また、トラックピッ
チに対するランドおよびグルーブの平坦部の割合は、ラ
ンドとグルーブの再生信号の振幅差を少なくすることか
ら、0.4以上、0.6以下が好ましい。結局、トラッ
クピッチがλ/NA以上、1.5λ/NA以下であり、
ランドとグルーブの平坦部の割合を0.4以上、0.6
以下であることにより、高密度記録で、ランドとグルー
ブの記録特性をそろえることができることから好まし
い。
【0053】また、ランドとグルーブの熱的環境の違い
による再生信号の違いを補正するためと、さらに、ウォ
ブルしたランドやグルーブで記録消去の繰り返しを行う
時にウォブルによる記録層の移動や、トラッキングの悪
化を防ぐため、さらにまた、再生信号振幅を大きく取る
点や、クロスイレーズの発生を防いだり、クロストーク
を低減するために、予め記録層におけるランドの幅とグ
ルーブの幅、記録マークの幅を、(Wag−Ww)/2≦
Wmg≦Wag−Ww、および、(Wal−Ww)/2≦Wml≦
Wal−Wwとすることが好ましい。
【0054】ただし、記録層におけるグルーブの幅:W
ag、記録層におけるランドの幅:Wal、ランドおよびグ
ルーブのウォブル幅:Ww、グルーブに記録された記録
マークの幅:Wmg、ランドに記録された記録マークの
幅:Wml、である。ウォブルの幅とランドおよびグルー
ブの幅およびランドとグルーブに記録された記録マーク
の幅の関係を図2に示す。記録マークがこの上記範囲内
であると、書換の繰り返しによる消し残りや記録層の移
動がウォブルの影響を受けにくく、好ましい。再生時の
信号強度も考慮すると、より好ましくは 0.5×(Wag−Ww)≦Wmg≦0.9×(Wag−W
w) および 0.5×(Wal−Ww)≦Wml≦0.9×(Wal−W
w) である。
【0055】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと、消費電力が小さいこと、変調が容易であることか
ら好ましい。
【0056】記録は結晶状態の記録層にレーザー光パル
スなどを照射してアモルファスの記録マークを形成して
行う。また、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記録
マークを形成してもよい。消去はレーザー光照射によっ
て、アモルファスの記録マークを結晶化するか、もしく
は、結晶状態の記録マークをアモルファス化して行うこ
とができる。記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形
が発生しにくいことから記録時はアモルファスの記録マ
ークを形成し、消去時は結晶化を行う方法が好ましい。
また、記録マーク形成時は光強度を高く、消去時はやや
弱くし、1回の光ビームの照射により書換を行う1ビー
ム・オーバーライトは、書換の所要時間が短くなること
から好ましい。
【0057】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。高硬度層、第1誘電体層、記録層、第2誘
電体層、反射層などを基板上に形成する方法としては、
真空中での薄膜形成法、例えば真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法などがあげられる。特
に組成、膜厚のコントロールが容易であることから、ス
パッタリング法が好ましい。
【0058】形成する記録層などの厚さの制御は、水晶
振動子膜厚計などで、堆積状態をモニタリングすること
で、容易に行える。
【0059】記録層などの形成は、基板を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のどちらでもよい。膜
厚の面内の均一性に優れることから、基板を自転させる
ことが好ましく、さらに公転を組み合わせることが、よ
り好ましい。
【0060】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層を形成した後、傷、変形の防止など
のため、ZnS、SiO2、ZnS−SiO2、などの誘
電体層あるいは紫外線硬化樹脂などの保護層などを必要
に応じて設けてもよい。また、基板にはハブなどを必要
に応じて設けてもよい。さらにまた、反射層を形成した
後、あるいはさらに前述の樹脂保護層を形成した後、2
枚の基板を対向して、接着剤で貼り合わせてもよい。記
録層は、実際に記録を行う前に、予めレーザ光、キセノ
ンフラッシュランプなどの光を照射し、結晶化させてお
くことが好ましい。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析,測定方法)反射層、記録層の組成は、ICP発
光分析(セイコー電子工業(株)製)により確認した。
また、ジッタはタイムインターバルアナライザにより測
定した。記録領域部の書き始め部分および書き終わり部
分の劣化距離(波形の潰れ)はオシロスコープにより観
察した。
【0062】記録層、誘電体層、反射層の形成中の膜厚
は、水晶振動子膜厚計によりモニターした。また各層の
厚さは、走査型あるいは透過型電子顕微鏡で断面を観察
することにより測定した。屈折率は、680nmで測定
した。
【0063】(実施例1)厚さ0.6mm、直径12c
m、1.48μmピッチ(ランド幅0.74μm、グル
ーブ幅0.74μm、グルーブ深さ72nm)のスパイ
ラルグルーブ付きポリカーボネート製基板を毎分30回
転で回転させながら、高周波スパッタ法により、高硬度
層、誘電体層、記録層、反射層を形成した。なお、この
実施例で用いた基板の詳細なパラメーターは表10に示
す。
【0064】まず、真空容器内を1×10-3Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO
2ターゲットをスパッタし、基板上に35nmの高硬度
層を形成した。さらに、SiO2を20mol%添加し
たZnSをスパッタし、膜厚95nmの第1誘電体層を
形成した。
【0065】SiO2 のヌープ硬度は550、屈折率
は1.5であり、第1誘電体層であるZnS・SiO2
のヌープ硬度は400、屈折率は2.1である。
【0066】また、ZnS・SiO2 の熱伝導率は
0.6(W/m・K)、熱膨張係数は6.1(×10-6
/K)であり、高硬度層であるSiO2 の熱伝導率と
熱膨張係数はそれぞれ1.5(W/m・K)と、0.5
(×10-6/K)である。
【0067】続いて、Ge、Sb、Teからなる合金タ
ーゲットをスパッタして、厚さ20nm、組成Ge
0.185Sb0.279Te0.536からなる記録層を得た。さら
に第1誘電体層と同じ材料で第2誘電体層を16nm形
成し、この上に、Al98.1Hf1. 7Pd0.2合金をスパッ
タして膜厚150nmの反射層を形成し、本発明の光記
録媒体を得た。
【0068】この光記録媒体に波長830nmの半導体
レーザのビームでディスク全面の記録層を結晶化し初期
化した。
【0069】次に、グルーブに、線速度6m/秒の条件
で、対物レンズの開口数0.6、半導体レーザの波長6
80nmの光学ヘッドを使用して、8/16変調のラン
ダムパターンをマーク長記録によって10万回オーバー
ライトした。この時、記録レーザー波形は、一般的に用
いられているマルチパルスを用いた。また、この時のウ
ィンドウ幅は、34nsとした。また、記録パワー、消
去パワーはそれぞれ、10.0mW、4.8mWとし
た。
【0070】なお、オーバーライトの際にはデータ群
(記録マーク)の書き始めと、書き終わりを、ディスク
上の一つの点に固定した。また、データの書き始め部分
と、書き終わり部分の間の距離は、1cmとし、この部
分のみをオーバーライトした。
【0071】10万回オーバーライト後の、データの書
き始め部分と、書き終わり部分の波形の潰れを観察した
ところ、それぞれ、3μm、1μmであり実用上問題が
ないと確認できた。さらに、この部分のジッタを測定し
たところ、ウインドウ幅の9%と実用上十分小さいと確
認できた。
【0072】さらに、グルーブの代わりにランドに10
万回繰り返し記録した以外は、上記と同様な測定を行っ
たところ、データの書き始め部分と、書き終わり部分の
波形の潰れを観察したところ、それぞれ、10μm、0
μmであり実用上問題がないと確認できた。さらに、こ
の部分のジッタを測定したところ、ウインドウ幅の9.
5%と実用上十分小さいと確認できた。
【0073】(実施例2)Ge、Sb、Teからなる合
金ターゲットをスパッタして、記録層をGe0.20 7Sb
0.257Te0.536とした他は、実施例1と同様のディスク
を作製した。
【0074】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、5μm、1μ
mであり実用上十分小さいと確認できた。また、この部
分のジッタは、ウィンドウ幅の9.5%と実用上十分に
小さいと確認できた。
【0075】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、15μm、0μmであり実用上十分小さいと確認
できた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の1
0.0%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0076】(実施例3)Pd、Nb、Ge、Sb、T
eからなる合金ターゲットをスパッタして、組成Nb
0.003Pd0.002Ge0.185Sb0.27Te0.54の膜厚20
nmの記録層を形成した他は実施例1と同様のディスク
を作製した。
【0077】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、2μm、0μ
mと実用上十分に小さいと確認できた。また、この部分
のジッタは、ウィンドウ幅の9.0%と十分に小さいと
確認できた。
【0078】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、5μm、5μmであり実用上十分小さいと確認で
きた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の1
0.5%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0079】(実施例4)SiO2ターゲットとC(カ
ーボン)ターゲットを同時にスパッタすることにより、
(SiO2973からなる高硬度層を作製した他は、実
施例1と同様なディスクを得た。この時の高硬度層のヌ
ープ硬度は500、屈折率は1.5であった。また、熱
伝導率と熱膨張係数はそれぞれ1.2(W/m・K)
と、0.8(×10-6/K)である。
【0080】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、5μm、1μ
mと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタはウ
ィンドウ幅の9.0%であり実用上十分に小さかった。
【0081】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、7μm、4μmであり実用上十分小さいと確認で
きた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の9.
0%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0082】(実施例5)光学ガラス”BK3”からな
る高硬度層を作製した他は、実施例1と同様なディスク
を得た。この時の高硬度層のヌープ硬度は580、屈折
率は1.5であった。熱伝導率と熱膨張係数はそれぞれ
1.0(W/m・K)と、5.8(×10-6/K)であ
る。
【0083】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、5μm、3μ
mと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタはウ
ィンドウ幅の10.0%であり実用上十分に小さかっ
た。
【0084】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、5μm、10μmであり実用上十分小さいと確認
できた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の
9.5%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0085】(実施例6)Si34からなる高硬度層を
作製し、第1誘電体層の厚さを65nmとした他は、実
施例1と同様なディスクを得た。この時の高硬度層のヌ
ープ硬度は1900、屈折率は2.0であった。熱伝導
率と熱膨張係数はそれぞれ18(W/m・K)と、5.
7(×10-6/K)である。
【0086】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、6μm、2μ
mと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタはウ
ィンドウ幅の9.5%であり実用上十分に小さかった。
【0087】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、15μm、3μmであり実用上十分小さいと確認
できた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の1
0.5%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0088】(実施例7)Ta25からなる高硬度層を
作製した他は、実施例6と同様なディスクを得た。この
時の高硬度層のヌープ硬度は580、屈折率は2.0で
あった。熱伝導率と熱膨張係数はそれぞれ12.9(W
/m・K)と、4.0(×10-6/K)である。
【0089】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、5μm、1μ
mと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタはウ
ィンドウ幅の9.5%であり実用上十分に小さかった。
【0090】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、20μm、8μmであり実用上十分小さいと確認
できた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の1
0.5%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0091】(実施例8)Al23からなる高硬度層を
作製した他は、実施例6と同様なディスクを得た。この
時の高硬度層のヌープ硬度は1900、屈折率は1.8
であった。熱伝導率と熱膨張係数はそれぞれ40(W/
m・K)と、5.3(×10-6/K)である。
【0092】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、6μm、1μ
mと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタはウ
ィンドウ幅の9.0%であり実用上十分に小さかった。
【0093】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、8μm、0μmであり実用上十分小さいと確認で
きた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の9.
5%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0094】(実施例9)AlNからなる高硬度層を作
製した他は、実施例6と同様なディスクを得た。この時
の高硬度層のヌープ硬度は1500、屈折率は1.9で
あった。熱伝導率と熱膨張係数はそれぞれ24.5(W
/m・K)と、4.0(×10-6/K)である。
【0095】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、4μm、2μ
mと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタはウ
ィンドウ幅の10.0%であり実用上十分に小さかっ
た。
【0096】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、15μm、8μmであり実用上十分小さいと確認
できた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の
9.5%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0097】(実施例10)Ar:N2=1:1のガス
雰囲気中でSiターゲットをDCスパッタし、基板上に
35nmのSiNx(X=1.33)高硬度層を形成し
たした以外は、実施例6と同じディスクを得た。
【0098】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、6μm、2μ
mと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタはウ
ィンドウ幅の9.5%であり実用上十分に小さかった。
【0099】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、10μm、5μmであり実用上十分小さいと確認
できた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の
9.0%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0100】(実施例11)ZrO2からなる高硬度層
を作製した他は、実施例6と同様なディスクを得た。こ
の時の高硬度層のヌープ硬度は1600、屈折率は2.
0であった。熱伝導率と熱膨張係数はそれぞれ3.1
(W/m・K)と、5.9(×10-6/K)である。
【0101】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れを観察したところ、それぞ
れ、4μm、2μmと十分に小さいことが確認できた。
また、ジッタはウィンドウ幅の10.0%であり実用上
十分に小さかった。
【0102】また、ランドの10万回オーバーライト後
の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れは、それ
ぞれ、12μm、10μmであり実用上十分小さいと確
認できた。また、この部分のジッタは、ウィンドウ幅の
10.5%と実用上十分に小さいと確認できた。
【0103】(実施例12)基板上に、SiO2からな
る高硬度層を35nm作成し、さらに、Ar:O2
1:1のガス雰囲気中でGeターゲットをDCスパッタ
し、基板上に90nmのGeOx(X=1)第1誘電体
層を作成した。なお、この第1誘電体層のヌープ硬度は
450、屈折率は2.1であった。熱伝導率と熱膨張係
数はそれぞれ1.0(W/m・K)と、7.6(×10
-6/K)である。この後、実施例3と同様の記録層を形
成し、さらに、第2誘電体層として、SiO2を20n
m形成した。しかる後に、実施例3と同様の反射層を形
成し、目的の光記録媒体を得た。実施例1と同様な測定
を行ったところ、ほぼ、実施例1と同様な結果が得られ
た。
【0104】(実施例13)ArとN2の混合ガスを用
いて、Si反応性スパッタにより、Si32.0、Si3
2.6、Si33.4、Si34.0の4水準の高硬度層を
作成した他は実施例6と同様なディスクを得た。Siと
Nの組成比はArとN2の流量比を変化させることによ
り変化させた。作製した高硬度層の組成は、NRA(N
uclearReaction Analysis)法
により確認した。この時の高硬度層のヌープ硬度および
屈折率は表1に示すような数値であった。
【0105】実施例1と同様な測定をこの4つの異なる
組成のディスクに対して行い、グルーブの10万回オー
バーライト後の書き始め部分と書き終わり部分の波形の
潰れを観察した。またジッタの計測も行った。その結
果、表1に示すような結果を得た。
【0106】この結果から、4水準のいずれも良好な初
期特性を示すことがわかった。次に、これらを90℃8
0%RHのオーブンに入れ、500時間保持した。その
後、室温に戻して、波形観測を行ったところ、記録信号
中に構成層の一部が剥離したことによって発生したと思
われる欠陥(バースト欠陥)の現れるものがあることが
わかった。表1にその結果を示す。この結果より、Si
32.53.5が、耐久性の点から良好な特性を示すこと
が明らかとなった。
【0107】
【表1】
【0108】(実施例14)ArとO2の混合ガスを用
いて、Al反応性スパッタにより、Al21.2、Al2
1.6、Al22.7、Al23.0の4水準の高硬度層を
作成した他は実施例6と同様なディスクを得た。Alと
Oの組成比は、ArとO2の流量比を変化させることに
より変化させた。作製した高硬度層の組成は、RBS
(Rutherford Backward Scat
tering)法により確認した。
【0109】実施例1と同様な測定をこの4つの異なる
組成のディスクに対して行い、グルーブの10万回オー
バーライト後の書き始め部分と書き終わり部分の波形の
潰れを観察した。またジッタの計測も行った。その結
果、表2に示すような結果を得た。
【0110】この結果から、4水準のいずれも良好な初
期特性を示すことがわかった。次に、これらを90℃8
0%RHのオーブンに入れ、500時間保持した。その
後、室温に戻して、波形観測を行ったところ、記録信号
中に構成層の一部が剥離したことによって発生したと思
われる欠陥(バースト欠陥)の現れるものがあることが
わかった。表2にその結果を示す。この結果より、Al
21.52.8が、耐久性の点から良好な特性を示すこと
が明らかとなった。
【0111】
【表2】
【0112】(実施例15)ArとN2の混合ガスを用
いて、Al反応性スパッタにより、AlN0.2、AlN
0.5、AlN0.9、AlN1.0の4水準の高硬度層を作成
した他は実施例6と同様なディスクを得た。AlとNの
組成比は、ArとN2の流量比を変化させることにより
変化させた。作製した高硬度層の組成は、NRA(Nu
clear Reaction Analysis)法
により確認した。
【0113】実施例1と同様な測定をこの4つの異なる
組成のディスクに対して行い、グルーブの10万回オー
バーライト後の書き始め部分と書き終わり部分の波形の
潰れを観察した。またジッタの計測も行った。その結
果、表3に示すような結果を得た。
【0114】この結果から、4水準のいずれも良好な初
期特性を示すことがわかった。次に、これらを90℃8
0%RHのオーブンに入れ、500時間保持した。保持
後、室温に戻して、波形観測を行ったところ、記録信号
中に構成層の一部が剥離したことによって発生したと思
われる欠陥(バースト欠陥)の現れるものがあることが
わかった。表3にその結果を示す。この結果より、Al
20.50.9が、耐久性の点から良好な特性を示すこと
が明らかとなった。
【0115】
【表3】
【0116】(実施例16)ZrとO2の混合ガスを用
いて、Zr反応性スパッタにより、ZrO0.5、ZrO
0.9、ZrO1.8、ZrO2.0の4水準の高硬度層を作成
した他は実施例6と同様なディスクを得た。ZrとOの
組成比は、ArとO2の流量比を変化させることにより
変化させた。作製した高硬度層の組成は、RBS(Ru
therford Backward Scatter
ing)法により確認した。
【0117】実施例1と同様な測定をこの4つの異なる
組成のディスクに対して行い、グルーブの10万回オー
バーライト後の書き始め部分と書き終わり部分の波形の
潰れを観察した。またジッタの計測も行った。その結
果、表4に示すような結果を得た。
【0118】この結果から、4水準のいずれも良好な初
期特性を示すことがわかった。次に、これらを90℃8
0%RHのオーブンに入れ、500時間保持した。保持
後、室温に戻して、波形観測を行ったところ、記録信号
中に構成層の一部が剥離したことによって発生したと思
われる欠陥(バースト欠陥)の現れるものがあることが
わかった。表4にその結果を示す。この結果より、Zr
0.81.8が、耐久性の点から良好な特性を示すことが
明らかとなった。
【0119】
【表4】
【0120】(実施例17)Si34ターゲットをスパ
ッタし、基板上に25nmの高硬度層を形成した。次に
Si34ターゲットとZnS−SiO220mol%タ
ーゲットを同時スパッタすることにより、高硬度層材料
と第1誘電体層材料の混合層を20nm形成した。この
際、Si34ターゲットとZnS−SiO220mol
%ターゲットに供給する電力比を直線的に連続変化さ
せ、高硬度層側界面から第1誘電体層側界面の間で混合
層の組成が連続的に変化するようにした。さらに、Zn
S−SiO220mol%ターゲットをスパッタするこ
とにより第2の誘電体層を50nm形成した。
【0121】続いて、Ge、Sb、Teからなる合金タ
ーゲットをスパッタして、厚さ19nm、組成Ge
0.185Sb0.279Te0.536からなる記録層を得た。さら
に前述の第2の誘電体層と同様にして、第2の誘電体層
を16nm形成し、この上に、Al98.1Hf1.7Pd0.2
合金をスパッタして膜厚150nmの反射層を形成し、
本発明の光記録媒体を得た。この他は、実施例1と同様
なディスクとした。
【0122】次に、これを90℃80%RHのオーブン
に入れ、200時間保持した結果、剥離は全く観測され
なかった。
【0123】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、5μm、0μ
mと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタはウ
ィンドウ幅の10.0%であり実用上十分に小さかっ
た。
【0124】(実施例18)Si34ターゲットの代わ
りにSiO2ターゲットを使用し、高硬度層/高硬度層
材料と第1誘電体層材料の混合層/第1の誘電体層の厚
みが、20nm/80nm/20nmとした以外は、実
施例17と同様な光記録媒体を得た。
【0125】この光記録媒体を実施例17と同様に、9
0℃80%RHのオーブンに入れ、200時間保持した
結果、剥離は全く観測されなかった。
【0126】実施例1と同様な測定を行ったところ、グ
ルーブの10万回オーバーライト後の書き始め部分と書
き終わり部分の波形の潰れは、それぞれ、10μm、3
μmと十分に小さいことが確認できた。また、ジッタは
ウィンドウ幅の10.0%であり実用上十分に小さかっ
た。
【0127】(実施例19)高硬度層の厚さを5nm、
25nm、120nmとした他は実施例1と同様なディ
スクを作製した。これらのディスクについて、実施例1
と同様な測定を行い、グルーブの10万回オーバーライ
ト後の書き始め部分と書き終わり部分の波形の潰れを観
察した。またジッタの計測も行った。その結果、表5に
示すような結果を得た。
【0128】
【表5】
【0129】なお、上記の結果で、高硬度層の厚さが1
20nmのもののジッタが若干悪い理由は、繰り返し記
録によるバーストの発生によるものである。上記の結果
より、高硬度層の厚さは、10nm以上、第1誘電体層
よりも薄い方が繰り返し耐久性に対し良好な特性を示す
ことが明らかになった。
【0130】(実施例20)基板として表10に示す形
状のスパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板を
用いた他は、実施例1、6、7と同様な光記録媒体を作
製した。実施例1と同様な測定を行い、グルーブの10
万回オーバーライト後の書き始め部分と書き終わり部分
の波形の潰れを観察した。またジッタの計測も行った。
その結果、表6に示すような、いずれのディスクも良好
な結果が得られた。
【0131】また、ランドで同様な測定を行ったとこ
ろ、グルーブと同様に良好な結果が得られた。その結果
を表7に示す。
【0132】
【表6】
【0133】
【表7】
【0134】(実施例21)基板として、表10に示す
形状のスパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板
を用いた他は、実施例1、6、7と同様な光記録媒体を
作製した。実施例1と同様な測定を行い、グルーブの1
0万回オーバーライト後の書き始め部分と書き終わり部
分の波形の潰れを観察した。またジッタの計測も行っ
た。その結果、表8に示すような、いずれのディスクも
良好な結果が得られた。
【0135】また、ランドで同様な測定を行ったとこ
ろ、グルーブと同様に良好な結果が得られた。その結果
を表9に示す。
【0136】
【表8】
【0137】
【表9】
【0138】(実施例22)基板として、表10に示す
形状のスパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板
を用いた他は、実施例1と同様なディスクを作製した。
実施例1と同様な測定を行ったところ、かき始め部分
と、書き終わり部分の波形の潰れは実施例1と同様であ
ったが、10万回オーバーライト後のグルーブのジッタ
は、15%と大きくなった。
【0139】(実施例23)第2誘電体層の厚さを5n
mとし、さらに第2誘電体層と、反射層の間にSiO2
からなる高硬度層(厚さ22nm)を設けた他は、実施
例1と同様にディスクを作製し、計6層からなるディス
クを得た。このディスクを実施例1と同様に測定したと
ころ、かき始め部分と、書き終わり部分の波形の潰れは
実施例1と同様であったが、10万回オーバーライト後
のグルーブのジッタは、15%と大きくなった。
【0140】(実施例24)基板として表10に示す形
状のスパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板を
用いた他は、実施例1と同様なディスクを作製した。実
施例1と同様な測定を行ったところ、かき始め部分と、
書き終わり部分の波形の潰れは実施例1と同様であった
が、10万回オーバーライト後のグルーブのジッタは、
14%と大きくなった。
【0141】(比較例1)高硬度層を省いた他は、実施
例1と同様のディスクを得た。実施例1と同様な測定を
行ったところ、グルーブの10万回オーバーライト後の
ジッタは14%と大きく、さらに、書き始め部分と、書
き終わり部分の波形の潰れを観察したところ、それぞ
れ、200μm、50μmと大きく、正確なデータの再
生が困難であることがわかった。
【0142】また、ランドの10万回記録後のジッタ
は、ウィンドウ幅の25%とさらに大きく、かき始め部
分と、書き終わり部分の波形の潰れを観察したところ、
それぞれ、400μm、100μmと大きく、正確なデ
ータの再生は出来ないことがわかった。
【0143】(比較例2)実施例1の高硬度層の替わり
に、ZnSを作製した以外は、実施例1と同様なディス
クを作製した。ZnSのヌープ硬度は、200であっ
た。
【0144】このディスクを実施例1と同様に測定した
ところ、グルーブの10万回オーバーライト後のジッタ
は、ウインドウ幅の18%と大きく、さらに、書き始め
部分と、書き終わり部分の波形の潰れも、それぞれ、1
50μm、100μmと大きく、正確なデータの再生が
困難であるとわかった。
【0145】(比較例3)第2誘電体層の厚さを5nm
とし、さらに第2誘電体層と、反射層の間にSiO2
らなる高硬度層(厚さ22nm)を設けた他は、比較例
1と同様なディスクを作製した。
【0146】これを実施例1と同様に測定したところ、
グルーブの10万回オーバーライト後のジッタは、ウイ
ンドウ幅の20%と大きく、さらに、書き始め部分と、
書き終わり部分の波形の潰れも、それぞれ、180μ
m、30μmと大きく、正確なデータの再生が困難であ
るとわかった。
【0147】(比較例4)基板として表10に示す形状
のスパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板を用
いた他は、比較例1と同様なディスクを作製した。実施
例1と同様な測定を行ったところ、グルーブの10万回
オーバーライト後のジッタはウィンドウ幅の16%と比
較例1よりも大きかった。また、かき始め部分と、書き
終わり部分の波形の潰れを観察したところ比較例1と同
様な結果が得られ、正確なデータの再生が困難であるこ
とが分かった。
【0148】
【表10】
【0149】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、以下の効
果が得られた。 (1) 多数回の記録・消去を行ってもセクターの書き始め
部分、書き終わり部分の劣化が少ない。 (2) 多数回の記録・消去を行ってもジッタ特性が良好で
ある。 (3) ランドグルーブ記録においても、繰り返し特性が良
好である。 (4) スパッタ法により容易に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光記録媒体の断面概略図を示す
【図2】本発明による光記録媒体の平面概略図を示す
【符号の説明】
1 反射層 2 第2誘電体層 3 記録層 4 第1誘電体層 5 高硬度層 6 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 7/24 561 G11B 7/24 561P 561Q 7/00 7/00 F (72)発明者 大林 元太郎 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 新井 猛 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録層に光を照射することによって、情
    報の記録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消
    去が、非晶相と結晶相の間の相変化により行われる光記
    録媒体であって、基板上に少なくとも高硬度層、第1誘
    電体層、記録層、第2誘電体層および反射層をこの順に
    有し、かつ、前記高硬度層の硬度が前記第1誘電体層の
    硬度よりも大きく、第2誘電体層の厚さが3nm以上5
    0nm以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 ランドとグルーブの両方を情報記録トラ
    ックとする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 ランドとグルーブの斜面部分の傾きが
    0.15以上1.8以下であることを特徴とする請求項
    2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 ランドとグルーブの傾斜部分の幅がトラ
    ックピッチの3%以上、25%以下であることを特徴と
    する請求項2記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 グルーブの溝深さが再生光の波長の1/
    7以上、1/5以下の光路長であることを特徴とする請
    求項2記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 グルーブとランドがウォブルされてお
    り、かつ該ウォブルの幅がそれぞれ、該グルーブ、該ラ
    ンドの幅の1%以上、10%以下であることを特徴とす
    る請求項2記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 情報がマーク長記録方式で記録されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 記録消去に用いるレーザー波長における
    高硬度層の屈折率、もしくは、第1誘電体層の屈折率の
    少なくともどちらかが1.6以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 記録消去に用いるレーザー波長における
    第2誘電体層の屈折率と高硬度層の屈折率の差が、−
    0.2以上、0.2以下、もしくは、第2誘電体層の屈
    折率と第1誘電体層の屈折率の差が、−0.2以上、
    0.2以下であることを特徴とする請求項1記載の光記
    録媒体。
  10. 【請求項10】 高硬度層の熱伝導率が第1誘電体層の
    熱伝導率よりも高いことを特徴とする請求項1記載の光
    記録媒体。
  11. 【請求項11】 高硬度層の屈折率が第1誘電体層の屈
    折率よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の光記
    録媒体。
  12. 【請求項12】 高硬度層の厚さが10nm以上、10
    0nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光記
    録媒体。
  13. 【請求項13】 高硬度層の厚さが25nm以上である
    ことを特徴とする請求項12記載の光記録媒体。
  14. 【請求項14】 高硬度層の厚さが35nm以上である
    ことを特徴とする請求項12記載の光記録媒体。
  15. 【請求項15】 高硬度層と第1誘電体層の厚さの和が
    10nm〜500nmであり、かつ、高硬度層の厚さが
    第1誘電体層の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項
    1記載の光記録媒体。
  16. 【請求項16】 高硬度層と第1誘電体層の厚さの和が
    80nm〜200nmであることを特徴とする請求項1
    5記載の光記録媒体。
  17. 【請求項17】 高硬度層の熱膨張係数が第1誘電体層
    の熱膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項1記
    載の光記録媒体。
  18. 【請求項18】 記録層の厚さが5nm以上40nm以
    下であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  19. 【請求項19】 高硬度層と第1誘電体層の間に高硬度
    層材料と第1誘電体層材料の混合層を有することを特徴
    とする請求項1記載の光記録媒体。
  20. 【請求項20】 第1誘電体層および第2誘電体層がZ
    nSとSiO2の混合膜あるいはZnSとSiO2を主成
    分とする混合膜であり、SiO2の含量が15〜35モ
    ル%であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒
    体。
  21. 【請求項21】 高硬度層がSiOx(1≦x≦2)膜
    あるいはこれを主成分とする混合膜であることを特徴と
    する請求項1記載の光記録媒体。
  22. 【請求項22】 高硬度層がSi34-x(0≦x≦2)
    膜あるいはこれを主成分とする混合膜であることを特徴
    とする請求項1記載の光記録媒体。
  23. 【請求項23】 高硬度層がSi34-x(0.5≦x≦
    1.5)膜あるいはこれを主成分とする混合膜であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  24. 【請求項24】 高硬度層がTa25-x(0≦x≦1)
    膜あるいはこれを主成分とする混合膜であることを特徴
    とする請求項1記載の光記録媒体。
  25. 【請求項25】 高硬度層がAl23-x(0≦x≦2)
    膜あるいはこれを主成分とする混合膜であることを特徴
    とする請求項1記載の光記録媒体。
  26. 【請求項26】高硬度層がAl23-x(0.2≦x≦
    1.5)膜あるいはこれを主成分とする混合膜であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  27. 【請求項27】 高硬度層がAlNx(0.2≦x≦
    1)膜あるいはこれを主成分とする混合膜であることを
    特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  28. 【請求項28】 高硬度層がAlNx(0.5≦x≦
    0.9)膜あるいはこれを主成分とする混合膜であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  29. 【請求項29】 高硬度層がZrOx(0.5≦x≦
    2)膜あるいはこれを主成分とする混合膜であることを
    特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  30. 【請求項30】 高硬度層がZrOx(0.8≦x≦
    1.8)膜あるいはこれを主成分とする混合膜であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  31. 【請求項31】 高硬度層が反応性スパッタリング法で
    成膜されたものであることを特徴とする請求項1記載の
    光記録媒体および光記録媒体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011150297A (ja) * 2009-12-25 2011-08-04 Keio Gijuku 導波路型光ゲートスイッチ
US8133565B2 (en) 2006-06-16 2012-03-13 Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. Recording medium
JP2013041019A (ja) * 2011-08-12 2013-02-28 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 光路切替素子、光ファイバ及び相変化誘起方法

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