JPH08185848A - 電池用セパレーター及びその製造方法とアルカリ蓄電池 - Google Patents

電池用セパレーター及びその製造方法とアルカリ蓄電池

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JPH08185848A
JPH08185848A JP6337689A JP33768994A JPH08185848A JP H08185848 A JPH08185848 A JP H08185848A JP 6337689 A JP6337689 A JP 6337689A JP 33768994 A JP33768994 A JP 33768994A JP H08185848 A JPH08185848 A JP H08185848A
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fibers
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優 上坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度を備えた抱液率の高い電池用セパ
レーター及びその製造方法、また上記セパレーターを組
み込んだサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を提供す
る。 【構成】 1種以上の熱可塑性短繊維と熱融着短繊
維とが相互に三次元的に水流交絡されており、熱融着短
繊維の一部又は全部が熱溶融されて繊維間が接着されて
なる湿式不織布において、繊維表面には不織布の全重量
に基いて0.05〜0.5重量%のノニオン系界面活性
剤が付着している電池用セパレーター。吸液速度40
mm以上、抱液率85%以上の性能を有すること。
抄造法で作製される1種以上の熱可塑性短繊維と熱融着
短繊維とからなる混抄シートに水流を衝突させて三次元
的に立体交絡させた後、熱処理によって熱融着短繊維の
一部又は全部を溶融させた湿式不織布の表面に不織布の
全重量に基いて0.05〜0.5重量%のノニオン系界
面活性剤を付着させる電池用セパレーターの製造方法。
上記セパレーターを組み込んだアルカリ蓄電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電池用セパレーターとそ
の製造方法並びに上記セパレーターを組み込んだアルカ
リ蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電池用セパレーターの役割としては正極
と負極の分離、短絡防止、電解液の保持、又、二次電池
においては電極反応により生じるガスの通過などが挙げ
られる。特に充放電サイクルの進行に伴いセパレーター
内の電解液が電極板に吸い寄せられ、電池の寿命低下が
起こることから、電解液の保持はきわめて重要である。
又、電池セパレーターは電池製造工程において生じる張
力に対抗するために、一定以上の引張強度及び電極挿入
時に際し幅入れしない等の機械的特性も併せて備えてい
ることが要求される。
【0003】しかしながら、従来の電池用セパレーター
ではこれらのことが充分に実現されていなかった。特開
平5−129012号公報では耐アルカリ性界面活性剤
を0.3〜3.0重量%付着させてセパレーターの吸液
速度、保液率を向上させることが提案されているが、界
面活性剤を多く付着させたために電解液中への界面活性
剤の脱落が多くなり、界面活性剤の電極板上への再付着
が時間の経過とともに起こり、保液率の高いセパレータ
ーにも関わらず電解液が電極板に吸い寄せられる現象が
現れる。従って、電解液の電極板への移行、いわゆるド
ライアウトは電池の寿命を早める。
【0004】特開平1−157055号公報ではメルト
ブロ−ン不織布を特定の条件で加熱されたロ−ルに接触
させ、短絡防止、保液性と機械強度の向上を図ろうとし
ているが、機械強度は充分でなく、またガス通気性の低
下が懸念される。又、特開平2−259189号公報で
は熱融着繊維を融着させることで強度と保液率の両方を
向上させようとしているが、高強度を得るために熱処理
温度を高くすると繊維の相互接着により繊維表面積が減
少し、保液率の低下が免れない結果となっているのが現
状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な問題を解決しようとするものであり、短絡防止性能が
良く、二次電池に使用される際はガス通過性が良好な上
に電池内での電解液の保持性能に優れ、ドライアウトし
難い上、更に電池製造工程上充分な機械的強度を有する
電池用セパレーター及び上記電池用セパレーターを組み
込んだサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の手段に
よって達成することができる。すなわち、 1種以上
の熱可塑性短繊維と熱融着短繊維とが相互に三次元的に
水流交絡されており、熱融着短繊維の一部又は全部が熱
溶融されて繊維間が接着されてなる湿式不織布におい
て、繊維表面には不織布の全重量に基いて0.05〜
0.5重量%のノニオン系界面活性剤が付着している電
池用セパレーターを提供することによる。
【0007】また、 上記電池用セパレーターが吸液
速度40mm以上、抱液率85%以上の性能を有する点
にも特徴を有する。また、 上記熱可塑性短繊維がポ
リアミド系繊維である点にも特徴を有する。更に、
抄造法により作製される1種以上の熱可塑性短繊維と熱
融着短繊維からなる混抄シ−トに水流を衝突させて、繊
維を三次元的に立体交絡させた後、熱処理によって熱融
着短繊維の一部又は全部を溶融させた湿式不織布の繊維
表面に0.05〜0.5重量%のノニオン系界面活性剤
を付着させる電池用セパレーターの製造方法を提供する
ことによる。
【0008】従って、本発明のもう一つ発明は、上記
電池用セパレーターを組み込んだサイクル特性に優れた
アルカリ蓄電池である。以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の電池用セパレーターを組み込んだアルカリ
蓄電池の種類としては代表的なものとして、ニッケル−
カドニウム型、ニッケル−水素型、ニッケル−鉄型、酸
化銀−亜鉛型でボタン形状や円筒形状のものが含まれ
る。
【0009】本発明に用いる熱可塑性短繊維、熱融着短
繊維の素材としては、電解液のアルカリ溶液に対し耐久
性を有するもの、例えばポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン系:COOH、SO3 H、OH、C
OOM、SO3 M、OM(Mは軽、重金属)などの親水
基を持つポリオレフィン系:ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン10、
ナイロン12などのポリアミド系:ポリパラフェニレン
テレフタルアミド等のアラミド系繊維等の単独または組
合せたものが好ましい。
【0010】本発明に用いる熱可塑性短繊維として、よ
り好ましくは適度の親水性を有し、耐アルカリ性を有す
るポリアミド系繊維であり、具体的には特に好ましくは
ナイロン6、ナイロン66が使用される。本発明の電池
用セパレーターを構成する熱融着短繊維は熱融着温度が
熱可塑性短繊維の融点よりも10℃以上低いもので、熱
可塑性短繊維が2種以上の場合は最も低い融点を持つ短
繊維より10℃以上低いことが好ましい。10℃未満で
あると熱融着短繊維が熱溶融の際短繊維の一部も溶融す
る恐れがあり、目的とする充分な不織布強度が得られ
ず、又電解液の保持率が低下するという問題がある。更
に好ましくは20℃以上である。
【0011】本発明における熱融着短繊維は、従来の熱
融着乾式不織布や熱融着湿式不織布に使用されている鞘
芯型、サイドバイサイド型の複合繊維、あるいは単一成
分タイプなどが挙げられるが、高い引張強度を得るとい
う点から特に鞘芯型熱融着短繊維であることが好まし
い。例えば、具体的な鞘芯型熱融着短繊維としては、耐
アルカリ性の芯成分がナイロン66で鞘成分がナイロン
6、或いは芯成分がナイロン6又は66で鞘成分がナイ
ロン612、610等の共重合ナイロン及びポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、更には芯成
分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンのような組
合せが好適に用いられる。
【0012】本発明における熱融着短繊維の効果は、熱
融着短繊維を使用しない場合に起こる低い引張強度でか
つ伸び易い、また電池製造工程で切断あるいは伸びによ
る幅入れのため極板の幅より小さくなり、短絡が起きる
などの問題を解決するためである。また熱融着短繊維の
混合比率としては、不織布全体の5〜80%が好まし
く、更に好ましくは10〜70%である。混合比率が8
0%を超えると繊維間接着部の増大で繊維表面積が減少
し、液体の保持率の低下を引き起こす。
【0013】一方、熱融着短繊維の混合比率が5%未満
であると引張強度が低くなる。本発明における熱可塑性
短繊維、熱融着短繊維の単糸直径はガス通過性、短絡防
止、液体保持の点から見て、好ましくは3〜25μm、
さらに好ましくは5〜20μmであるが、電池セパレー
ターとしての性能が達成されれば特に限定されるもので
はない。
【0014】ここで言う単糸の断面は円形であっても非
円形の種々の断面であってもよい。単糸の断面が円形の
場合は直接的にその直径を測定した値でもって単糸の直
径とし、異形断面の場合は重量法によりその繊度(デニ
−ル)を測定し、このデニ−ルを単糸が円形と仮定した
場合の次式で得られる平均直径でもって表すこととす
る。
【数1】 R=√(4d/(π×9×105 ×ρ))×104 〔ここで、Rは単繊維直径(μm)であり、ρは単繊維
を構成する高分子重合体の密度(g/cm3 )であり、
dは単繊維繊度(デニール)であり、πは円周率であ
る。〕
【0015】本発明に用いる界面活性剤は耐アルカリ性
を有することが必要である。例えば、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル等のノニオン系界面活性剤が望ましい。界
面活性剤の親水性あるいは親油性を表すHLBは特に限
定するものではないが、10〜17、好ましくは12〜
16がよい。
【0016】HLBが10未満の界面活性剤は水への溶
解性が極めて悪くイソプロピルアルコール等の溶剤と併
用する必要があり、製造工程が複雑になる。また、HL
Bが17を超える界面活性剤は目的である親水性能が低
く、本発明の電池用セパレーターを作り得ない。界面活
性剤の付着量は不織布の全重量に対して0.05〜0.
5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%が必要であ
る。
【0017】界面活性剤が全く付着していない、または
0.05重量%未満では親水基を持つ繊維といえども電
解液の吸液速度が著しく遅くなり、セパレーターが濡れ
ない等、実用の点から問題になる。これは、本発明の電
池用セパレーターの不織布原反の製造方法が抄造、水流
交絡という水を多量に使うプロセスであって、紡糸に由
来する繊維表面の界面活性剤をほとんど全て洗い流すた
めである。
【0018】また、界面活性剤の付着量が0.5重量%
を超えると吸液速度は満足するものの、電解液中への脱
落が多くなり界面活性剤の再付着が電極板上に行われる
ために、時間の経過とともにセパレーター中の電解液が
電極板に移行するという問題が生じる。従来、セパレー
ターの電解液を保持する能力を表す評価として保液率が
挙げられていたが、この評価はセパレーター単独の能力
であり、保液率の高いセパレーターであっても界面活性
剤の付着量が多い場合、電池内では電解液を保持できな
い。
【0019】電解液の電極板への移行といった電池内で
のセパレーターの電解液を保持する能力として新しく抱
液率により規定することにより本発明の特定の不織布を
使用した効果を明確に表すことができる。濡れやすさを
表すセパレーターの吸液速度は構成繊維の繊維径に相関
があり、繊維が太くなるほど高くなる。液離れを表すセ
パレーターの抱液率は構成繊維の繊維径に逆相関があ
り、繊維が太くなるほど低くなる。
【0020】この為、セパレーターを構成する繊維によ
り界面活性剤の付着量を適正化する必要がある。電池の
性能を満足するためにはセパレーターとして、好ましく
は吸液速度40mm以上、抱液率85%以上が必要であ
る。吸液速度が40mm未満であると、セパレーターに
アルカリ電解液が均一に含浸されず、内部抵抗が高くな
り十分な放電電圧が得られない問題を生ずる。一方、抱
液率が85%未満であるとセパレーターが電解液を保持
する力が弱いため、電池の充放電サイクルを繰り返すと
経時的にセパレーターの電解液が電極に取られるドライ
アウト現象を起こし、電池の寿命が早く尽きるなどの問
題が生じる。
【0021】本発明の電池セパレーター用不織布の目付
は10〜350g/m2 であり、好ましくは25〜15
0g/m2 であり、より好ましくは35〜100g/m
2 である。また、本発明の電池セパレーター用不織布の
厚みは30〜1,000μmであり、好ましくは70〜
400μm、より好ましくは90〜250μmである。
【0022】目付が10g/m2 以下で、厚みが40μ
m以下になると、余りにも目付が薄いために強度が不足
し、活物質の通過も完全に防止できず、また目付が35
0g/m2 を超え、厚みが1,000μmより厚くなる
と十分な繊維交絡を得られず電気抵抗も大きくなり、電
極活物質を多く充填できなくなることから、十分な電気
容量が得られないなどの問題が生じるため好ましくな
い。
【0023】次に、本発明の電池用セパレーターの製造
方法について説明する。1種以上の熱可塑性短繊維と熱
融着短繊維を準備して、これを0.05〜3%の濃度に
なるように水に分散させスラリ−を調合する。このスラ
リ−を長網式或は傾斜型長網式、丸網式の抄造機で抄造
する。次いで得られた混抄シ−トを円柱柱状の水流にて
交絡させる。水圧は用いる原糸の種類及び混抄シ−トの
目付量により異なるが、繊維間の充分な交絡を得るため
には3〜100kg/cm2 、好ましくは3〜50kg
/cm2 の範囲で衝突させる。
【0024】同一繊維の場合低目付ほど水圧は低く、高
目付になるほど高水圧に設定すればよい。又、同一目付
の場合、ヤング率の高い原糸の時には高水圧で処理する
と本発明の目的とする高強度が得られる。水流を噴射す
るノズルの径は0.01〜1mmが好ましい。水流の軌
跡形状は混抄シ−トの進行方向に対し並行な直線状であ
っても良いし、ノズルを取り付けたヘッダ−の回転運動
やシ−トの進行方向に直角に往復する振動運動によって
得られる曲線形状であっても良い。
【0025】回転運動により得られる幾重にも重なった
円形状の水流軌跡の交絡は、ノズル1錘あたりのシ−ト
に対する水流の噴射面積が大きくなり効率的であると同
時に、商品価値を低下させる水流軌跡の斑が見えにくく
なる。混抄シ−トに対する水流処理の方法は表裏交互に
水流を噴射する方法でも良いし、片面だけを処理する方
法でも良い。
【0026】又、処理回数も目的に応じて最適条件を選
択すれば良い。これら混抄シ−トの水流処理の水圧条件
は目的とする充分な繊維交絡を得、且つ均一性を得るよ
うな条件下で選択させるが、例えば10〜100g/m
2 の比較的小さい目付の混抄シ−トの場合は3〜40k
g/cm2 の水圧で片面或は両面処理するのが好まし
い。 この交絡処理によって混抄シ−トの構成繊維は水
流によって移動し相互に絡み合って強固な結合を得るに
至る。
【0027】不織布製造工程において、水流交絡が無い
製造工程では、基布を乾燥機に導布する場合、混抄シー
ト中の熱可塑性短繊維と熱融着短繊維が三次元的に絡み
合っていないことから、混抄シートはほとんど引張強度
を持っていない。強度発現のためには、一度熱融着短繊
維を溶融させ繊維相互間を仮接着せねばならず、その後
でないと乾燥機に導布することが出来ない。直接混抄シ
ートをそのまま乾燥させる面接触型の乾燥機などにより
乾燥させることが考えられるが、混抄シートの表面だけ
しか熱が伝わらないため強度が充分発現できなかった
り、表面の熱融着短繊維によるフィルム化により通気度
の低下を招いたりするため余り実用的でなく、また低温
高圧力で混抄シートを圧着すれば厚みが薄くなり、通気
度、液体の保持の低下を招くこととなる。
【0028】一方では、熱可塑性短繊維と熱融着短繊維
の交絡点の数が減少するために、上記に記載した熱融着
短繊維の効果が発現しにくいと解釈される。この様な工
程上の問題を解決するために水流交絡工程が必要不可欠
となってくる。次いで得られた交絡シ−トを熱処理する
ことによって熱融着短繊維の一部または全部を溶融せし
める。熱処理条件はガスの通過性や電解液の保持率を損
なわないようにするため、非接触式の熱風乾燥機を用い
て5秒〜10分の短時間処理が好ましい。熱処理温度は
熱融着短繊維の融点以上、短繊維の融点以下の温度に設
定する。
【0029】このようにして得られた不織布に不織布の
全重量に対して0.05〜0.5重量%、好ましくは
0.1〜0.3重量%のノニオン系界面活性剤を付着さ
せる。界面活性剤をシートに付着させる方法としては、
界面活性剤を水溶液にして浸漬させた後、水分率を調整
し乾燥する方法、界面活性剤の水溶液を噴霧し、その後
乾燥する方法等が用いられる。界面活性剤の濃度は特に
限定されないが、斑付等が起こらないようにするために
好ましくは0.02〜0.5%である。
【0030】厚みの調整が必要な場合はエンボス機やカ
レンダー機等で圧着処理をする。しかし、この時ガス通
過性や電解液の保持能力を低下させないような条件を選
択しなければならない。界面活性剤の付着処理と厚み調
整のための圧着処理の順序は特にこだわらないが、圧着
処理を行った後のシートは繊維密度が高くなり界面活性
剤水溶液の浸透性が悪く付着斑を生じることがあるので
付着処理後に圧着処理を行う方が良い。この後、使用す
る電池つまり電極板に合った大きさにシートを切断して
本発明の電池用セパレーターが得られる。
【0031】
【実施例】以下実施例でもって本発明をさらに詳しく説
明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。なお、
実施例中、測定値は以下の方法によって測定したもので
あり%はすべて重量%である。
【0032】1)引張強度 (Kg/cm):JIS−
L1096 ストリップ法に準じ測定する。 2)通気度 (cc/cm2 s):JIS−L1096
フラジ−ル法に準じ測定する。 3)保液率 (%):10cm×10cmの正方形にカ
ットした試験片を採取し、水分平衡に至らせた状態の重
量(W1 )を1mgまで測定する。次に31%水酸化カ
リウム水溶液中に1時間以上広げて浸した後、液中から
引き上げて正方形の1角をつかみ10分間吊した後の試
験片重量(W2 )を測定する。保液率(%)は次式で求
める。
【数2】保液率=(W2 −W1 )/W1 ×100
【0033】4)吸液速度 (mm):2.5cm×2
0cmの試験片の先端5mmを31%水酸化カリウム水
溶液に垂直に浸漬する。毛細管現象による水酸化カリウ
ム水溶液の30分後の上昇高さ(mm)を測定し、吸液
速度とする。 5)抱液率 (%):3.4cm×5cmの試験片に試
験片と等重量(W1 )の31%水酸化カリウム水溶液を
加え、濾紙(アドバンテックNo.4−A)上に置き試
験片と同じ大きさの100gの重りを加えて、30秒間
放置し離液させた後の試験片が保持している液重量(W
2 )を測定する。抱液率(%)は次式で求める。
【数3】抱液率=W2 /W1 ×100
【0034】(実施例1)繊維長L=7.5mmである
0.5デニール(単糸直径D=7.8μm)のナイロン
66短繊維80%とL=15mmである2デニール(単
糸直径D=14.1mm)の熱融着短繊維ユニメルトU
L−61〔ユニチカ(株)製、芯部:ナイロン6、鞘
部:共重合ナイロン〕20%を水に分散し1%濃度のス
ラリー液に調整した。このスラリー液から傾斜型長網抄
紙機により85g/m2 の混抄シートを得た。得られた
混抄シ−トを80メッシュの金網に乗せ、ノズル径0.
15mmのノズルを装着したノズルヘッダーを285r
pmで円運動させ、圧力15kg/cm2 の水を噴射さ
せて混抄シートに衝突させることにより短繊維、熱融着
短繊維を交絡させた。更に同じ処理を6回行った後、シ
ートの表裏を逆転させて同じ処理を7回施した。続いて
ノズルヘッダーを420rpmで回転させ、水圧10k
g/cm2 で表裏各2回ずつ処理して交絡シートが完成
した。
【0035】得られた交絡シートを温度を160℃に設
定したピンテンター乾燥機で乾燥すると同時に交絡シー
ト間のユニメルトUL−61の鞘部(融点140℃)を
溶融せしめた。次いで、ノニオン系界面活性剤エマルゲ
ン120(花王(株)製)を0.05%含有する水溶液
に浸漬した後、付着率が不織布の200%になるように
絞り、温度を130℃に設定したピンテンター乾燥機で
乾燥した。更に、100℃に加熱した一対の金属ロール
に導き、線圧45kg/cmでカレンダー加工を施して
目付65g/m2 、厚さ0.15mmの電池用セパレー
ターを得た。
【0036】(実施例2)ノニオン系界面活性剤水溶液
の濃度が0.1%の他は全て実施例1と同様の方法で電
池用セパレーターを得た。 (実施例3)ノニオン系界面活性剤水溶液の濃度が0.
25%の他は全て実施例1と同様の方法で電池用セパレ
ーターを得た。
【0037】(比較例1)ノニオン系界面活性剤水溶液
の代わりに水だけを用い、他は全て実施例1と同様の方
法で電池用セパレーターを得た。 (比較例2)ノニオン系界面活性剤水溶液の濃度が1%
の他は全て実施例1と同様の方法で電池用セパレーター
を得た。
【0038】(比較例3)実施例1と同様にナイロン6
6が80%、ユニメルトUL−61が20%からなる混
抄シートに実施例記載の流体流処理を全く施さず、温度
160℃、圧力70g/cm2 の条件で熱プレスし、続
いて温度を160℃に設定したピンテンター乾燥機でシ
ート内のユニメルトUL−61を溶解せしめた。更に実
施例1と同様に同じ界面活性剤付与、カレンダー加工を
行い目付65g/m2 、厚さ0.15mmの電池用セパ
レーターを得た。 上記の実施例1、2、3及び比較例1、2、3で得られ
た電池用セパレーターの性能試験結果を下記表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】比較例1は界面活性剤が繊維表面に全く付
着していない場合で、電池用セパレーターに必須の親水
性が認められない。比較例2は界面活性剤の付着量が
2.0重量%と多い。この為、界面活性剤は電解液中に
溶解し、次いで電極板(この場合は濾紙)上への再付着
が行われることにより抱液率が極めて低くなる。比較例
3の場合は熱可塑性短繊維と熱融着短繊維が三次元的に
絡み合っていない。つまり混抄シートはほとんど引張強
度を持っていないので、一度熱融着短繊維を溶融させ繊
維相互間を仮接着した後、乾燥機で融着しているのも関
わらず引張強度が低い。また、厚み調整のためのプレス
圧が高くなり、通気度も低くなる。
【0041】表1で明らかなように本発明の電池用セパ
レーターは引張強度、通気度、保液率が高く、吸液速度
が良好な上に抱液率が高い。実施例1、2、3及び比較
例2のセパレーターを用い、公称容量1.2AHのSC
サイズの密閉形ニッケル−カドミウム蓄電池を作成しサ
イクル特性を調べた。
【0042】この時の条件は1.8Aの電流で1時間充
電を行った後、1.2Aの電流で終止電圧1.0Vまで
放電するというものである。図1にこの結果を示す。本
発明の実施例1、2、3は比較例2に比べサイクルの進
行に伴う電池容量の低下が小さい、極めて優れたサイク
ル特性を示した。比較例2の電池の容量低下はセパレー
ターに付着している界面活性剤がサイクルの進行ととも
に電極板面にも付着し出し、セパレーター中の電解液が
電極板に吸い寄せられた結果である。
【0043】
【発明の効果】本発明の電池用セパレーターは機械的強
度が充分な上、通気度、保液率、吸液速度性能が良好
で、かつ抱液率が優れているので、電池セパレーターの
用途に採用しうるものである。上記電池用セパレーター
を組み込んだアルカリ蓄電池はサイクル特性に優れてお
り、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に従うノニオン系界面活性剤を施した電
池用セパレーターとそのような処理を施さない比較例の
電池用セパレーターとを組み込んだアルカリ蓄電池のサ
イクル回数と電池容量比との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 13/26 H01M 10/24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種以上の熱可塑性短繊維と熱融着短繊
    維とが相互に三次元的に水流交絡されており、熱融着短
    繊維の一部又は全部が熱溶融されて繊維間が接着されて
    なる湿式不織布において、繊維表面に不織布の全重量に
    基いて0.05〜0.5重量%のノニオン系界面活性剤
    が付着していることを特徴とする、電池用セパレータ
    ー。
  2. 【請求項2】 吸液速度40mm以上、抱液率85%以
    上の性能を有することを特徴とする、請求項1記載の電
    池用セパレーター。
  3. 【請求項3】 上記熱可塑性短繊維がポリアミド系繊維
    であることを特徴とする、請求項1記載の電池用セパレ
    ーター。
  4. 【請求項4】 抄造法により作製される1種以上の熱可
    塑性短繊維と熱融着短繊維からなる混抄シ−トに水流を
    衝突させて、繊維を三次元的に立体交絡させた後、熱処
    理によって熱融着短繊維の一部又は全部を溶融させた湿
    式不織布の繊維表面に0.05〜0.5重量%のノニオ
    ン系界面活性剤を付着させることを特徴とする、電池用
    セパレーターの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の電池用
    セパレーターを組み込んだことを特徴とするアルカリ蓄
    電池。
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