JPH08183871A - ポリエステル発泡体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル発泡体の製造方法

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JPH08183871A
JPH08183871A JP32880894A JP32880894A JPH08183871A JP H08183871 A JPH08183871 A JP H08183871A JP 32880894 A JP32880894 A JP 32880894A JP 32880894 A JP32880894 A JP 32880894A JP H08183871 A JPH08183871 A JP H08183871A
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JP
Japan
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polyester
foam
acid
molecular weight
melt
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Application number
JP32880894A
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English (en)
Inventor
Norio Amano
範夫 天野
Takeyuki Taki
多計之 滝
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分岐剤を連続重合中に混合することにより合
成されたポリエステルを押出機内で発泡剤と溶融混合し
て分子量分布 5.0〜21.0、重量平均分子量60,000以上と
し、この溶融物を低圧下に押出発泡することを特徴とす
るポリエステル発泡体の製造方法。 【効果】 均一で細かい気泡を有するポリエステル発泡
体を簡便に、安定的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル発泡体の
製造方法に関し、詳しくは、押出成形により、発泡倍率
が高く、また均一で細かい気泡を有し、機械的強度、耐
熱性、耐薬品性、断熱性、剛性および緩衝性に優れた発
泡体を安定的に製造することができるポリエステル発泡
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル系樹脂は、中空成
形品、繊維およびフィルムなどの広範囲の用途に利用さ
れているが、これを発泡成形に利用すると、均一な細か
い気泡ができず、ガスが抜け易いために、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂の押出発泡成形は、殆ど不可能に近いく
らいに難しい。
【0003】これまでに、特公昭61-48409号公報には、
熱可塑性ポリエステル樹脂に対し、0.1〜3重量%のジ
グリシジルエステル化合物を混合せしめて押出発泡成形
することによるポリエステル発泡体の製造法が提案され
ている。また、特公平3-16977 号公報には、熱可塑性ポ
リエステル樹脂に対し、多官能グリシジルエステル化合
物0.03〜2.5mol%と多官能カルボン酸無水物0.01〜2mo
l %を混合せしめて押出発泡成形することによるポリエ
ステル発泡体の製造法が提案されている。
【0004】さらに、特開平2-150434号公報には、熱可
塑性ポリエステル系樹脂の押出発泡成形において、1分
子中に2以上の酸無水物基を有する化合物を加える、着
色異物の混在することがない熱可塑性ポリエステル系樹
脂発泡体の製造法が提案されている。US 5,288,764号に
おいては、PMDAをあらかじめポリエステル樹脂に濃
度を違えて溶融混合した2種のポリエステル樹脂を用い
て押出発泡することによるポリエステル樹脂発泡体の製
造法が提案されている。
【0005】US 5,229,432号においては、およそ0.65〜
1.4dl/gの固有粘度を有するトリメリット酸等で分岐さ
れたPET樹脂発泡配合物が提案されているが、当業者
により発明が実施できる程度に十分説明されていない。
US 4,132,707号においては、固有粘度が1.05dl/gより小
さいポリアルキレンテレフタレート(PET/PBT)
に分岐剤を混合して固体粒状に変換し、この粒子を固有
粘度が1.1dl/gより大きくなるまで加熱する(固相重合
する)ことにより得られる樹脂を用いた発泡体の製造法
が提案されている。
【0006】US 4,419,485号には、ポリアルキレンテレ
フタレート(例えば、PBT)のブロー成形製造法にお
いて、エステル交換反応時にペンタエリスリトールを用
いて分岐させたポリアルキレンテレフタレート(例え
ば、PBT)を用いることが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した特公昭61-484
09号公報、特公平3-16977 号公報、特開平2-15043 号公
報及びUS 5,288,764号に記載の方法は、熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂に添加剤を混合或いはあらかじめ溶融混合
して押出発泡を行う方法であり、いずれの方法において
も、熱可塑性ポリエステル系樹脂に添加剤を定量的に、
均一に混合分散させる必要があり、また、この混合物と
してから押出発泡成形するまでの経過時間の違いによ
り、押出発泡体の品質が変わるため、熱可塑性ポリエス
テル系樹脂と添加剤を混合した後押出発泡成形までの経
過時間をできるだけ短くまた一定にする必要がある。
【0008】さらに詳しくは、上記の方法で用いられる
添加剤の添加量は、極めて少量であり、またこの添加量
が0.01重量部変わるだけでも押出発泡体の品質が変わる
ため、極めて正確な計量と均一な混合分散が必要であ
る。特公平3-16977 号公報では、この添加方法につい
て、(1) 熱可塑性ポリエステル樹脂ペレットに添加剤を
まぶして押出機のホッパーに投入し溶融混合する方法、
(2) 先に多官能グリシジルエステル化合物あるいは多官
能カルボン酸無水物のいずれかと、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂とを溶融混合してペレットを作成し、そのペレッ
トと多官能カルボン酸無水物あるいは多官能グリシジル
エステル化合物の残ったものとを溶融混合する方法(2
段で押出)、(3) 押出機中で溶融した熱可塑性ポリエス
テル樹脂に、押出機のシリンダーに設けられた供給口か
ら添加剤を投入する方法、が提案されているが、いずれ
の添加方法を用いても極めて正確な計量と均一な混合分
散が必要である。
【0009】また、熱可塑性ポリエステル系樹脂は、加
熱溶融に先立って充分な乾燥が必要であり、この乾燥が
不十分だったり、乾燥後外気にさらすことにより再吸湿
すると、加熱溶融時に加水分解し良品が得られない。し
たがって、充分な乾燥を行っても添加剤との混合過程、
押出発泡成形までの経過時間、この間の雰囲気中の水分
管理が必要となり、これらのことを充足する計量、混合
装置は極めて複雑で高価な装置となるばかりか、外乱的
要因によって変動する危険に絶えず曝されている。
【0010】US 4,132,707号に記載の方法は、熱可塑性
ポリエステル系樹脂に分岐剤を溶融混合した後固相重合
する方法であり、ポリエステル発泡体を製造するには、
熱可塑性ポリエステル樹脂を製造し(エステル交換後重
縮合することにより製造)、得られた樹脂を分岐剤と溶
融混合して固体状態にし、次いで固相重合により樹脂の
重合度を増大させてた後、溶融押出発泡するという複数
の工程を経なければならない。このように多くの工程か
らなると、経済的、エネルギー的に不利である。また、
熱可塑性ポリエステル樹脂は、加熱溶融する際に水分が
極微量存在しても極めて加水分解し易い熱可塑性樹脂の
筆頭に挙げられることから、熱可塑性ポリエステル系樹
脂を何回も加熱溶融する工程を経なければならないこの
方法では品質の低下を招くので、望ましい方法ではな
い。
【0011】US 4,419,485号には、熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂の製造(エステル交換後重縮合)時に分岐剤を
使用して分岐した熱可塑性ポリエステル系樹脂を製造
し、この樹脂を用いてブロー成形する方法が記載されて
いる。即ち、この方法によれば、まず、ジメチルテレフ
タレートと1,4-ブタンジオールのエステル交換反応時に
分岐剤としてペンタエリスリトールを用いて、分岐した
ポリブチレンテレフタレートを製造することが記載され
ているが、エステル交換反応時に分岐剤を使用している
ことから、分岐させた後に、重縮合反応釜にて高重合化
(ポリマー化)することとなる。しかしながら、この方
法には、エステル交換時に分岐させていることから、そ
のエステル交換生成物(プレポリマー)を重縮合釜に移
した後の重縮合反応が十分に高くは進まない(高重合ポ
リマーが得難い) という問題がある。また、重縮合反応
時に温度の均一化を図り、重縮合触媒を均一に分散し、
重縮合反応によって生じるメタノールや過剰なブタンジ
オールを効率よく除去するために、反応物を攪拌する必
要があるが、分岐したプレポリマーは、粘度が高く攪拌
能力が従来の方法では不足することから高重合度の樹脂
が得難い。
【0012】したがって、本発明の目的は、上記の方法
のような不都合がない、均一で細かい気泡を有するポリ
エステル発泡体を容易に、安定的に製造する方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、分岐剤を連続
重合中に混合することにより合成されたポリエステルを
押出機内で発泡剤と溶融混合して分子量分布 5.0〜21.
0、重量平均分子量60,000以上とし、この溶融物を低圧
下に押出発泡することを特徴とするポリエステル発泡体
の製造方法を提供する。
【0014】本発明で用いられるポリエステルは、テレ
フタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主
たるグリコール成分とする。ここで、「主たる」とは、
85モル%を越える量をいう。したがって、15モル%未満
の範囲においてテレフタル酸、エチレングリコール以外
の他のエステル単位を含むことができ、かかる共重合成
分としてはテレフタル酸、エチレングリコール以外のジ
カルボン酸及びジオール又はオキシ酸がある。具体的に
は芳香族ジカルボン酸、例えば、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ナトリウム─ス
ルホイソフタル酸、ジブロモテレフタル酸など;脂環族
ジカルボン酸、例えば、デカリンジカルボン酸、ヘキサ
ヒドロテレフタル酸など;脂肪族ジカルボン酸、例え
ば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などが例示され
る。また、グリコール成分としては、脂肪族ジオール、
例えば、トリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコ
ールなど;芳香族ジオール、例えば、ヒドロキノン、カ
テコール、ナフタレンジオール、レゾルシン、4,4'−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA
〔2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン〕、テトラブロモビスフェノールA、ビスヒドロキシ
エトキシビスフェノールAなど;脂環族ジオール、例え
ば、シクロヘキサンジオールなど;脂肪族オキシカルボ
ン酸、例えば、グリコール酸、ヒドロアクリル酸、3−
オキシプロピオン酸など;脂環族オキシカルボン酸、例
えば、アシアチン酸、キノバ酸など;芳香族オキシカル
ボン酸、例えば、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p
−オキシ安息香酸、マンデル酸、アトロラクチン酸など
を挙げることができる。
【0015】本発明において用いられるポリエステル
は、まず、分岐剤を用いて連続重合法により合成される
が、これは、従来からポリエチレンテレフタレートの製
造に際して蓄積された連続重合法により行うことができ
る。例えば、テレフタル酸の低級アルキルエステル(例
えば、ジメチルエステル)及びエチレングリコールを用
いてエステル交換反応を行うか、又はテレフタル酸とエ
チレングリコールとを直接エステル化反応を行う工程、
前記工程において得られた反応生成物(プレポリマー、
例えば、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート)
を更に重縮合せしめる工程により製造することができ、
このプレポリマー製造工程と、重縮合反応工程を、とも
に多段式で反応を連続的に進める連続重合法で行う。例
えば、Brit.P 623,669に示されるようなバッチ式PET
製造法においては、重縮合反応時に温度の均一化を図
り、重縮合触媒を均一に分散し、重縮合反応によって生
じるメタノール又は水や過剰のエチレングリコールを効
率よく除去するために、反応物を攪拌する必要があり、
本発明で用いられるポリマーは粘度が高く、高分子量化
するにはかなり高い攪拌能力が必要である。ところが、
従来のバッチ式法では攪拌能力が不足することから高重
合度の樹脂を得るのが困難である。本発明に用いられる
ポリエステルは、そのような不都合のない連続重合法に
より製造されるポリエステルである。
【0016】また、分子量分布が広く、重量平均分子量
が大きいポリエステルとするために、分岐剤として多官
能化合物を上記連続重合中に混合する。分岐剤は、上記
のようにしてプレポリマーを製造した後、該プレポリマ
ーの重縮合反応開始から重縮合反応終了までの任意の時
期に添加する。分岐剤を、プレポリマーの重縮合反応の
初期の段階で添加すると分岐状態が大きいポリマーが得
られやすいが、重縮合反応の後期或いは重縮合反応終了
後に分岐剤を添加したほうが重量平均分子量の大きいポ
リマーが得られやすい。また、分子のゲル化を防ぐため
に、末端停止剤として単官能化合物を併用することがで
きる。末端防止剤も、分岐剤と同様にプレポリマーの重
縮合開始から重縮合終了までの任意の時期に添加する
が、分岐剤を添加した後、所望の分子量分布及び重合平
均分子量に達するか、或いは達する見通しが立った後に
添加する。
【0017】「多官能化合物」としては、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリ
メリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカル
バリル酸、没食子酸や、酸無水物などが例示される。好
ましくは、ピロメリット酸無水物等の1分子中に2以上
の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。「単官能化
合物」としては、安息香酸、o-ベンゾイル安息香酸、ナ
フトン酸、ステアリン酸、アミルアルコール等が例示さ
れる。
【0018】ポリエステルの分子量分布を広くし、重量
平均分子量を大きくするには、分岐剤と末端停止剤との
量やそれらの比率及びそれらの添加時期を適宜選択する
ことによって、調節することができる。分岐剤の添加量
は、具体的には、通常、得られるポリエステルの0.05〜
5mol %の範囲であるのが好ましい。また、これらのポ
リエステルを製造する際に、エステル交換触媒、重合触
媒、安定剤などを使用することが好ましい。これらの触
媒、安定剤などは、ポリエステル、特にポリエチレンテ
レフタレートの触媒、安定剤などとして知られているも
のを用いることができる。エステル交換触媒としては、
具体的には、ナトリウム、マグネシウム等のメチラー
ト;ほう酸亜鉛;酢酸亜鉛に代表されるZn、Cd、Mn、C
o、Ca、Baなどの脂肪酸塩及び炭酸塩;Mg、Pb、Zn、C
d、Ge等の金属の酸化物等が挙げられる。また、重合触
媒としては、具体的には、例えば、Ti化合物、Sn化合
物、Sb化合物等が挙げられ、最も一般的には三酸化アン
チモン(Sb2O8) が用いられる。また、必要に応じて他の
添加剤、例えば、着色剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、難燃剤などを使用してもよい。
【0019】さらに、上記のような連続重合により得ら
れたポリエステルを、さらに高重合化する目的で、予備
結晶化槽内で窒素気流中、 120〜170 ℃で予備結晶化
し、さらに固相重合槽内で窒素気流中、 170〜220 ℃で
処理することも可能である。本発明においては、上記の
ようにして分岐剤を連続重合中に用いることにより合成
されたポリエステルを、押出機内で発泡剤と溶融混合し
て分子量分布 5.0〜21.0、好ましくは 5.5〜16.0、重量
平均分子量60,000以上、好ましくは70,000〜180,000 と
する。但し、上記連続重合により合成されたポリエステ
ルは、押出機内で発泡剤と溶融混合する前に、既に分子
量分布 5.0〜21.0、重量平均分子量60,000以上であって
もよい。
【0020】ここで、分子量分布とは、数平均分子量
(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の割合(Mw/Mn)
をいう。分子量分布の測定法は以下のとおりである。ポ
リマーサンプル5mgを精秤し、これをヘキサフルオロイ
ソプロパノール/クロロホルム等容量の混合溶媒0.4ml
に溶解し、更にクロロホルムで全量10mlに希釈し、ゲル
パーミエーションクロマトグラフー(GPC) にかけて、数
平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)とを測定する。下
記式: 分子量分布 (d)=Mw/Mn により、分子量分布を計算することができる。
【0021】本発明のポリエステル発泡体の製造方法に
おいて、用いられる押出機は、単軸押出機、多軸押出
機、およびタンデム押出機のいずれの押出機を用いるこ
とができ、また成形法は、これらの押出機を用いた押出
成形法、および中空成形法などのいずれの方法によるこ
とができ、押出成形法または中空成形法に使用する金型
は、フラット金型、サーキュラ金型、ノズル金型のいず
れであってもよい。
【0022】また、本発明のポリエステル発泡体の製造
方法において、「ポリエステルを発泡剤と溶融混合する
方法としては、押出機中にて溶融状態と成したポリエス
テルと発泡剤を混合」する方法で、具体的には、押出機
シリンダー途中より発泡剤を注入して、溶融状態のポリ
エステルと混合する方法、押出機先端部(ヘッド)に発
泡剤を注入して、溶融状態のポリエステルと混合する方
法、タンデム押出機において1段目の押出機と2段目の
押出機の間、1段目の押出機先端部、2段目の押出機途
中または2段目の押出機先端部等に発泡剤を注入して、
溶融状態のポリエステルと混合する方法および予めポリ
エステルと発泡剤を混合し、押出機にて溶融状態と成し
たポリエステルと発泡剤を混合する方法のいずれの方法
によることができる。
【0023】ここで溶融状態とは、少なくともポリエス
テルが融点以上の温度となり流動しうる状態をいう。溶
融の温度は、好ましくは、 260〜290 ℃の範囲が好まし
い。また、本発明のポリエステル発泡体の製造方法にお
いて、「低圧下に押し出す」とは、押出機から溶融物を
押し出す時に、そのスクリュウ先端部に生じる圧力(以
下押出圧力と称す)以下の圧力帯に押し出すことであ
り、この低圧下の実際の圧力は、大気圧より高くても低
くても、また大気圧であってもよく、押出圧力以下であ
ればよい。
【0024】本発明のポリエステル発泡体の製造におけ
る「発泡剤」は、加熱によりガス化ないし膨張するもの
である限り、どのようなものであっても、これを使用す
ることができる。大別すると、ポリエステルの軟化点以
上の温度で分解してガスを発生する固体化合物や、加熱
するとポリエステル内で気化する液体や、加圧下でポリ
エステルに溶解させ得る不活性な気体など、その何れを
も用いることができる。具体的には、アゾジカルボンア
ミド;ジニトロソペンタメチレンテトラミン;ヒドラゾ
カルボンアミド;重炭酸ナトリウム;例えば、炭酸ガ
ス、窒素等の不活性ガス;例えば、メタン、エタン、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、メチルペンタ
ン、ジメチルブタン等の飽和脂肪族炭化水素;例えば、
メチルシクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロペンタン、エチルシクロブタン、1,1,
2−トリメチルシクロプロパン等の飽和脂環族炭化水
素;例えば、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素;
例えば、ジクロロメタン、トリクロロモノフルオロメタ
ン、ジクロロフルオロメタン、モノクロロジフルオロメ
タン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラ
フルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、モノク
ロロジフルオロエタン、テトラフルオロエタン、フレオ
ン(デュポン社の登録商標)等のハロゲン化炭化水素;
例えば、ジメチルエーテル、2−エトキシエタノール等
のエーテル;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
アセチルアセトン等のケトンを使用することができる。
発泡剤は、ポリエステル 100重量部に対して 0.1〜20重
量部添加するのが好ましい。
【0025】また、押出発泡に際し、気泡を細かくする
ために、発泡核剤を添加するのが好ましい。発泡核剤と
しては、タルク、シリカ、カオリン、クレー、炭酸カル
シウム、硫酸アルミニウム等の無機物質、ステアリン酸
バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、
二酸化炭素、窒素等の無機ガスを加熱することにより発
生する有機化合物であるアゾジカルボンアミド、アゾビ
スイソブチルジニトリル、アゾジカルバミン酸アミド、
ベンゼンスルホニルヒドラジド等が例示される。発泡核
剤は、ポリエステル 100重量部に対して0.01〜5重量部
添加するのが好ましい。
【0026】さらに、押出発泡に際し、反応促進剤を添
加するのが好ましい。反応促進剤を添加することによ
り、ポリエステルの溶融粘度、ダイスエル、メルトテン
ションを改質し、それによって押出発泡成形性の向上が
図られる。反応促進剤は、押出機内及び押出口金内で溶
融体の発泡を抑制するに足る溶融粘度、押出口金を出た
溶融体中の発泡剤が膨張する際、破泡することなく均一
微細な気泡を形成しかつ引き取れるに足るメルトテンシ
ョンと、発泡体のコルゲートを少なく、また肉厚が厚
く、発泡倍率の高い発泡体を得るためにダイスエルは、
2以上に改質できるものであればよく、例えば、ジグリ
シジルフタレートと、周期律表第I族金属、第II族金属
またはそれらの化合物の併用、1分子中に2以上の酸無
水物基を有する化合物もしくは、周期律表第I、II、II
I 族金属またはそれらの化合物との併用等が好ましいが
これらに限定されるものではない。
【0027】前記1分子中に酸無水物を2つ以上有する
化合物は、芳香族無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族
酸無水物、ハロゲン化酸無水物等およびまた各種酸無水
物を混合、あるいは変性して用いることができる。好ま
しいものとして、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス
(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス
(アンヒドロトリメリテート)、更に好ましくは、無水
ピロメリット酸が挙げられる。
【0028】そして、I、II、III 族金属化合物は有機
系金属化合物及び無機系金属化合物であり、無機系金属
化合物の具体例として炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ア
ルミニウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニ
ウム等が挙げられる。有機系金属化合物の具体例として
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、モンタン酸
ナトリウム、モンタン酸カルシウム、酢酸リチウム、酢
酸ナトリウム、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カル
シウム、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸亜鉛、カプ
リル酸マグネシウム、カプリル酸カルシウム、カプリル
酸アルミニウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン
酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カル
シウム、ミリスチン酸アルミニウム、安息香酸カルシウ
ム、テレフタル酸カリウム、ナトリウムエトキシド、カ
リウムフェノキシド等が挙げられる。これらの中で好ま
しくは、I、II族金属化合物であり、更に望ましくはI
族金属化合物である。またI、II、III 族金属化合物は
気泡を微細にする作用効果のみならず、1分子中に酸無
水物を2つ以上有する化合物の増粘効果を促進する働き
もある。
【0029】反応促進剤は、ポリエステル 100重量部に
対して0.01〜5重量部添加するのが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、製造例、比較製造例、実施例及び比較
例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲
はこれらにより制限されるものではない。なお、物性値
は、下記の方法により測定した。 (分子量分布の測定) ・サンプルの処理 サンプル5mgを精秤、HFIP 0.2ml/CHCl3 0.2ml に溶
解、CHCl3 で10mlに希釈、ついでGPCにかける。
【0031】・測定条件 装置 : Waters System GPC カラム: Waters μ styragel 103 +104 × 105
106 Å 検出 : UV 254nm 感度: 0.05AUFS 溶出液: CHCl3 流量: 1.2 ml /min. 分子量分布 (d)=Mw/Mn 〔d:分散指数〕製造例1〜7 (ポリエステルの製造)各製造例において、以下のよう
にしてポリエステルを合成した。
【0032】精溜塔付きステンレス製オートクレーブ第
一反応器に、テレフタル酸 400重量部及びエチレングリ
コール 590重量部を装填し、系内を窒素ガスにて置換後
ゲージ圧力2.2kg/cm2 の窒素ガスを封入した。前記第一
反応器内の反応混合物を攪拌しながら加熱を開始し(設
定温度 240℃) 、エステル化反応を行った。該反応中、
ガス抜き口より始終圧を抜いて前記反応器内の内圧を一
定に保つ一方、発生する水を逐次精溜塔を通して系外に
除去した。ほぼ理論量の水が溜出したのち、第一反応器
内の反応混合物をその第一反応器と同様の第二反応器に
移し、内圧を1.0kg/cm2Gまで下げて更に20分間直接エ
ステル化反応を行った。続いて、第二反応器内の反応混
合物を第三反応器に逐次移し、三酸化アンチモン 0.14
重量部及び亜燐酸 0. 1重量部を加え、常圧で 270℃に
加熱し、発生するエチレングリコールを除去しながら重
縮合反応を進めて、反応混合物を、中真空(2torr) 、
270℃の第四反応器に連続的に移し、更に重縮合反応を
進めて、高真空(0.1torr) 、 270℃の第五反応器に連
続的に移した。ここで、各製造例において、表1に示す
分岐剤を、表1に示した量添加して、重縮合反応と鎖延
長反応及び架橋反応を進めて、生成したポリエステルを
連続的にチップ状として取り出した。
【0033】
【表1】
【0034】比較製造例1及び2 連続重合中に分岐剤を添加しなかった以外は製造例1と
同様の方法でポリエステルを合成した。実施例1〜6、比較例1及び2 表2に示した上記製造例1〜7及び比較製造例1及び2
で製造したポリエステル 100重量部に対して、タルクを
30重量%含有するポリブチレンテレフタレート樹脂(三
菱化成社製品、PBT5010F1) 3.5重量部を発泡核剤とし
て、タンブラーにおいて混合し、この混合物を押出機ホ
ッパーを兼ねた除湿乾燥機において、160℃の温度およ
び−30℃の露点の熱風により4時間乾燥した後、炭酸ソ
ーダ0.05重量部を反応促進剤として混合し、5mmの口径
のノズル金型を装着した単軸スクリュウ押出機(口径:
40mm、L/D :30)にて押出発泡した。
【0035】押出発泡にさいし、上記押出機シリンダー
途中より発泡剤として液化ブタンガスを溶融物100 部に
対して2.0 部の割合で注入し、次の条件にて気泡の細か
い良好なロッド状の発泡成形品を5kg/時間の割合で得
た。 押出機供給部温度:268 〜280 ℃ 押出機圧縮部温度:285 〜290 ℃ 押出機溶融部温度:275 〜285 ℃ 押出機ヘッド温度:275 〜285 ℃ 押出機金型部温度:275 〜285 ℃ スクリュウ回転数: 32rpm 発泡成形品の製造を開始してから20分後と60分後に発泡
成形品をサンプリングし、発泡成形品のみかけ密度(以
下密度と略記)を測定し、気泡の状態を観察した。その
結果を表2に示す。
【0036】また、得られたポリエステル発泡体の数平
均分子量、重量平均分子量及び分子量分布を表2に示
す。実施例7 製造例6で得られたポリエステルと、市販されているブ
ローボトル用のポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人
社製TR8580、固有粘度0.81、Mn=1400、Mw=61300 、
Mn/Mw=4.38) とを重量比率1/1で混合した混合ポリ
エステルを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリエ
ステル発泡体を製造した。
【0037】発泡成形品の製造を開始してから20分後と
60分後に発泡成形品をサンプリングし、発泡成形品のみ
かけ密度(以下密度と略記)を測定し、気泡の状態を観
察した。その結果を表2に示す。また、得られたポリエ
ステル発泡体の数平均分子量、重量平均分子量及び分子
量分布を表2に示す。実施例8 製造例5で得られたポリエステルを、まず予備結晶化槽
で窒素ガス気流中、 170℃で攪拌しながら30分処理して
結晶化し、固相重合槽へ送り窒素気流中、 220℃で6時
間処理することによりさらに高重合化したポリエステル
を使用した以外は実施例1と同様の方法でポリエステル
発泡体を製造した。
【0038】発泡成形品の製造を開始してから20分後と
60分後に発泡成形品をサンプリングし、発泡成形品のみ
かけ密度(以下密度と略記)を測定し、気泡の状態を観
察した。その結果を表2に示す。また、得られたポリエ
ステル発泡体の数平均分子量、重量平均分子量及び分子
量分布を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、簡便な方法により均一
で細かい気泡を有するポリエステル発泡体を安定的に製
造することができる。本発明によるポリエステル発泡体
は、押出発泡シート、押出発泡プレート、押出発泡ボー
ド、または発泡ブロー成形品として使用することができ
るだけでなく、すぐれた二次加工特性によって、押出発
泡シート、押出発泡プレート、または押出発泡ボードを
二次成形加工の材料として利用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分岐剤を連続重合中に混合することによ
    り合成されたポリエステルを押出機内で発泡剤と溶融混
    合して分子量分布 5.0〜21.0、重量平均分子量60,000以
    上とし、この溶融物を低圧下に押出発泡することを特徴
    とするポリエステル発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 押出発泡する際に反応促進剤を用いる、
    請求項1に記載のポリエステル発泡体の製造方法。
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