JPH08182999A - 下水汚泥の処理方法および下水汚泥処理物 - Google Patents

下水汚泥の処理方法および下水汚泥処理物

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JPH08182999A
JPH08182999A JP6337676A JP33767694A JPH08182999A JP H08182999 A JPH08182999 A JP H08182999A JP 6337676 A JP6337676 A JP 6337676A JP 33767694 A JP33767694 A JP 33767694A JP H08182999 A JPH08182999 A JP H08182999A
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sludge
powder
lime
sewage sludge
sewerage
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JP6337676A
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Takao Tanosaki
隆雄 田野崎
Kenji Nozaki
賢二 野崎
Masaru Shirasaka
優 白坂
Keiichi Usukura
桂一 臼倉
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下水汚泥の無臭化処理方法の提供 【構成】 下水汚泥に生石灰類を混合して脱水した後
に、該汚泥・石灰混合物にSiO2 含有量50重量%以
上で3%水中懸濁時の水素イオン濃度5.0以下の酸性
を呈する粉体を、0.5〜15重量%添加して脱臭する
ことを特徴とする下水汚泥の処理方法およびそれによっ
て得られた脱臭処理物。 【効果】 下水汚泥が実質的に無臭化されるので、広い
用途に利用し易い。またこの処理産物はカルシウムやシ
リカを主体とするのでセメント・鉄鋼原料として有効か
つ大量に処理することができ、含有される有機成分や無
機成分などにより脱硝効果、酸性土壌改良効果、植物の
肥育効果が顕著であり、地盤改良材・肥料などしても有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業排水及び一般家庭
排水を処理して生じる有機性下水汚泥の処理に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、下水道網の整備の拡大に伴い下水
汚泥の発生量は増加の一途をたどっている。下水汚泥の
処理法としては、従来、重油のような助燃用燃料を加え
て焼却し、焼却灰を埋立て処分するのが一般的であった
が、最終処分先の埋立地の確保が困難となりつつあり、
下水処理産物の減容化あるいは有効利用法の開発が急務
である。焼却灰の減容化方法としては溶融ガラス化する
方法が一部の処理場で試みられているが、エネルギーコ
ストが高い上に排出される灰を処理する問題が残り根本
的な解決法とはなっていない。また、焼却灰の有効利用
法としては、レンガ製品の製造や有機肥料への使用等、
多くの方法が試みられているが、新たに市場を開拓する
必要があったり、既存の競合品と対抗するには品質的・
コスト的になお問題があるなどの難点があり、汚泥の大
量的かつ安定的な利用にはつながっていない。
【0003】このような中にあって汚泥を生石灰等と混
合・脱水した上でセメント原料または製鉄用焼結原料と
して利用する技術(特開平 3-98700号、特開平3-207497
号)が注目されている。セメント製造または製鉄では1
000℃以上の炉を用いて原料を焼結しており、汚泥を
これらの炉に投入すると、汚泥中の有機物は助燃用燃料
を加えずに燃焼するので、助燃用燃料を必要とする従来
の処理法と比較してエネルギ−的に有利である。しかも
無機物は珪酸質原料や石灰質原料として有効利用され、
また既存のセメント製造施設や製鋼施設をそのまま利用
できる利点があり、さらに廃ガス対策も既存設備の廃ガ
ス処理で足りる。また、これらの方法は、セメントある
いは鉄鋼といった継続運転する産業用原料として用いる
ために汚泥の大量処理が可能であり、新商品開発に伴な
う市場開拓努力なしに安定的に下水汚泥が処理できる点
で画期的な解決法ともいえ、今後、この方向の利用法が
普及することが望まれている。
【0004】
【従来技術の課題】一方、これらの方法には次のような
課題が残っている。すなわち、現在の下水処理法の主流
である活性汚泥法においては窒素分は汚泥に濃縮吸着さ
せているため、処理場から排出される下水汚泥は多量の
窒素分を含む。下水汚泥に生石灰類を添加する上記処理
方法では、汚泥に生石灰を混合した際の発熱によって汚
泥中の窒素分が分解し、多量のアンモニアガスが発生し
て揮散するため周囲に悪臭が拡散する。発生したアンモ
ニアガスの大部分は生石灰との混合時に回収することが
できるが、一部は生石灰水和後の高比表面積の消石灰と
乾燥汚泥の混合物(以下、“乾粉”と称す。)に吸着さ
れて残存する。この残存アンモニア分は温度の上昇と共
に揮散し、乾粉保管用サイロ内では気温が30℃以上に
なると濃度数%以上のアンモニアガスが充満し、作業環
境が劣悪になる。この乾粉を密閉保管しても、その出し
入れや移送の際、あるいはセメント原料として炉に投入
する際などにはアンモニアガスの漏出が避けられず、悪
臭が漂う。因みに、人間の臭覚は1ppm 程度のアンモニ
ア濃度でも感知するため、これ以下にアンモニア濃度を
除去する脱臭処理方法が求められている。
【0005】アンモニア臭気対策としては、ペット用砂
等でよく行われているように、活性炭などの有機系高比
表面積物質に吸着させる方法が知られている。しかし、
この方法は乾粉の臭気対策には適さない。すなわち、活
性炭などはアンモニアのほかに水やゴミ等を吸着して短
期間に表面が飽和し、吸着力が急激に低下する欠点があ
る。また、多量に使用すると処理コストの増大を招き、
少量の使用で効果を挙げるために微粉化すると、保管時
あるいは移送時に空気中の酸素と結合し易くなり、いわ
ゆる粉塵爆発の危険性を招く。活性炭などを用いる方法
に代えて、気相あるいは液相の酸を滴下することにより
アンモニアを中和することも考えられるが、酸の保管自
体が危険物の保管となり管理が面倒になる上、配管等の
耐食対策が必要なため処理コストが相当に嵩む問題があ
る。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、以上のような従来の処理
方法における問題を解決したものであり、大量に発生す
る下水汚泥の悪臭を除去し、下水汚泥を安定的に有効利
用できる方法を提供することを目的とする。本発明によ
れば、下水汚泥と生石灰の混合物の悪臭が低コストで除
去されるので、該混合物をセメント原料あるいは製鉄原
料として利用し易くなり、さらには従来利用されていな
い分野での新たな用途も可能になる。
【0007】
【課題の解決手段】本発明によれば、以下の構成からな
る下水汚泥の処理方法および下水汚泥処理物が提供され
る。 (1) 下水汚泥に生石灰類を混合して脱水した後に、
該汚泥・石灰混合物にSiO2 含有量50重量%以上で
3%水中懸濁時の水素イオン濃度5.0以下の酸性を呈
する粉体を、0.5〜15重量%添加して脱臭すること
を特徴とする下水汚泥の処理方法。 (2)酸性粉体がケイ藻土または酸性白土である上記
(1) に記載の方法。 (3)下水汚泥に生石灰類を混合して脱水した汚泥・石
灰混合物に、SiO2含有量50重量%以上で3%水中
懸濁時の水素イオン濃度5.0以下の酸性を呈する粉体
が0.5〜15重量%混合されていることを特徴とする
脱臭下水汚泥組成物。 (4)酸性粉体がケイ藻土または酸性白土である上記
(3) に記載の組成物。
【0008】
【具体的な説明】(I)生石灰類による脱水工程 本発明で処理する下水汚泥は、主に下水処理場で発生す
る汚泥であるが、この他に、し尿、家庭用雑排水、産業
用排水処理などによって発生した汚泥を含む。これらの
汚泥は下水処理場でフィルタープレス等により含水率が
60〜100%程度まで脱水処理されており、本発明は
この下水汚泥を使用する。下水汚泥に混合する生石灰類
とは、CaOを主成分とし、下水汚泥の水分を取り込ん
で消石灰類になるものを云い、具体的には、生石灰、仮
焼ドロマイト、水滓、高炉スラグなどが含まれる。生石
灰類の粒度は粒径70mm以下、好ましくは30mm以下で
あれば良い。生石灰類の混合量は下水汚泥の含水率にも
よるが、概ね、下水汚泥100重量部に対して80〜1
30重量部程度が好ましい。生石灰の添加量がこの範囲
よりも少ないと汚泥が乾燥せず、セメント原料ないし製
鉄原料として適さない。また生石灰の添加量が多すぎる
とコスト高になるので好ましくない。含水率80%の下
水汚泥に同量程度の生石灰を混合したものは、含水率が
ほぼゼロの乾燥した粉体が得られる。
【0009】(II)酸性珪酸質粉末による脱臭工程 以上のように脱水処理された汚泥と石灰の混合物に、S
iO2 含有量が50%以上であり、かつ水中に3%懸濁
させた場合の水素イオン濃度(本明細書において「3%
水中懸濁液pH」という。)が5.0以下である珪酸質
粉体を添加して脱臭する。上記粉体のSiO2 含有量が
50%未満であるとプロトン性酸が生じ難く、また3%
水中懸濁液pHが5.0を上回るとアンモニア中和の作
用が十分に行われない。
【0010】上記条件を満たす珪酸質粉体としてはケイ
藻土、酸性白土およびその加工品である活性白土が好適
である。これらは、第一に、北海道から九州に至る火山
地帯に広く分布し入手し易く、価格も同重量の活性炭よ
り安価であり、経済性に優れる。しかも採掘容易の上、
既に粉粒体となっているので粉砕等の必要がない。第二
に、これらは吸水性が少ない上に、数%のアンモニアガ
スを有する乾粉に対して2時間〜7日程度中和を続ける
に要する酸基を有し得る。第三に、化学成分がSiO2
−Al2 3 系であることは、利用先であるセメント・
鉄鋼・土壌改良等の面で不都合が特に問題ないことも長
所である。
【0011】ケイ藻土はケイ藻の殻からなる含水二酸化
ケイ素を主成分とする土壌である。また酸性白土はモン
モリロナイトを主成分とする白色の粘土であり、強い吸
着能を有し、懸濁液のpHは弱酸性を示す。粘土鉱物で
あるモンモリロナイトは珪酸分(SiO2 ) に富み、Si原
子の一部がAl、FeおよびMg原子によって置換さ
れ、このマイナス電荷を層間のK+ 、Na+ 等の陽イオ
ンによって中和した構造を有している。これが風雨に曝
されて陽イオンがプロトンに置換されるとプロトン酸
(ブレンステッド酸)が生じて酸性を呈するようにな
り、酸性白土となる。さらに硫酸などで結晶構造中のA
l、Mg原子を溶出すると、多孔性が高く極めて活性度
の高い活性白土になる。活性白土の3%水中懸濁液pH
は概ね3.0以下であり、アンモニア消臭効果はより大
きい。なお、けいそう土、酸性白土、活性白土類の組成
は、セメント・鉄鋼用途に不適なリン・アルカリ金属等
を特に多量に含むものでなければ、AlないしFeなど
の多寡は問題ではなく、石油精製、製紙等には用いるこ
とのできない低品位のものであってもかまわまい。
【0012】上記ケイ藻土、酸性白土および活性白土で
は、これら粉体の粒子表面または粒子内の金属陽イオン
溶出部に存するプロトンとアンモニア分子が結合しアン
モニウムイオンとして粒子表面または粒子内に捕捉され
る。一方、シリカゲル、ゼオライトあるいは活性炭等な
どもアンモニアの吸着効果を有することが知られている
が、これらの吸着能はその多孔性に依存しており、アン
モニア成分のみならず、他の成分、中でも水蒸気を特に
大量に吸着する。この結果、多孔面が直ちに飽和してし
まい、肝心のアンモニアを十分に吸着できない。汚泥の
含水率を低減すれば水蒸気による飽和を避けることがで
きるが、乾燥のためには多量の熱を必要とし、経済性に
劣る。ところが、本発明で用いる上記ケイ藻土、酸性白
土および活性白土は、単なる多孔性による吸着能ではな
く、前述のように、多孔性と共にその酸性によってアン
モニア分子を吸着するために、アンモニアが効果的に捕
捉されるので、その消臭効果が大きい。
【0013】因みに、シリカゲル・ゼオライト・クリス
トバライト・タルク・セピオライト等もケイ酸を主成分
とし、アンモニア吸着能を有するが、粒子表面が酸基を
保有できないため吸着効果が低く、アンモニアの消臭が
完全でない。さらに、ベントナイトは酸性白土と同様に
モンモリロナイトからなるが、ベントナイトはその懸濁
液が中性ないし弱アルカリ性であり、酸性白土等とは異
なる。ベントナイトが中性ないし弱アルカリ性であるの
は、その SiO2 /Al2 O3 比が6以下であり、酸性白土
よりもアルミ分が多く、従って、Na+ 、Ca2+などを
吸着し易いために酸基を保持できないからである。なお
酸性白土の SiO2 /Al2 O3 比は6〜10であり、ベン
トナイトと大きく異なる。
【0014】酸性白土等の添加量は、乾粉100重量部
に対して、0.5〜15重量部である。添加量が0.5
重量部未満では脱臭効果が十分でなく、また添加量が1
5重量部を超えても脱臭効果は変わらず、むしろ重量増
およびコスト高になるので好ましくない。脱臭剤として
用いる上記酸性白土等の粒度は制限されず、3mm以下が
適当であり、1mm以下が好ましい。
【0015】(III) 本方法の処理工程例 本方法の処理工程例を図1に示す。図示する処理工程
は、下水汚泥供給部1、生石灰供給部2、乾粉製造部
3、排ガス排水処理部4およびこれらを結ぶ移送系から
構成されている。下水汚泥供給部1では、下水処理場で
フィルタープレス等により含水量が70〜80%に脱水
処理された汚泥ケーキが供給装置11を通じて乾粉製造
部3に所定量ずつ送られる。一方、生石灰供給部2には
生石灰の計量手段14が設けられており、一定量の生石
灰が乾粉製造部3に送られる。
【0016】乾粉製造部3は原料混合機12および熟成
混合機13から構成される。原料混合機12では汚泥ケ
ーキと生石灰供給部2から送られてくる一定量の生石灰
が混合される。汚泥の固形分100重量部に対して概ね
50〜150重量部の生石灰を添加して均一に混合した
後に、この混合物を熟成混合機13に移し、水分量が十
分に低減した状態になるまで混合する。これらの混合機
12、13の排気系にはバッグフィルタ15、排ガス冷
却装置16、スクラバ17、中和槽18、ミストセパレ
ータ19および活性炭吸着器20からなる排ガス排水処
理部4が付設される。
【0017】熟成が進行した時点で、熟成混合物に酸性
白土等の消臭剤を添加する。酸性白土等の添加量は乾粉
100重量部に対して0.5〜15重量部である。酸性
泊土等を添加することにより、混合物のアンモニア残存
量は人が臭気を感じる閾値の1ppm 以下に低減され、ア
ンモニア臭が除去される。
【0018】本発明の処理方法によって無臭化した乾粉
(処理物)は貯蔵タンクなどに保管され、セメントもし
くは鉄鋼用原料、あるいは土壌改良剤または肥料として
用いられる。具体的には、セメントの製造工程におい
て、上記処理物を他のセメント原料と共に原料系に投入
して用いることができる。上記処理物の消石灰と汚泥固
形分の無機物はセメント成分となり、汚泥の有機物は焼
成時の燃料となる。また上記処理物は製鉄工程において
焼結原料の一部として用いることができる。
【0019】土壌改良剤としては、単独で用いても良
く、またはシリカ、石灰粉、フライアッシュなどの既知
の土壌改良成分と共に用いても良い。肥料としては、単
独であるいは他の栄養成分とともに用いる。酸性白土等
を用いて無臭化した本発明の汚泥処理産物では、アンモ
ニウムイオンが完全に中和されずに鉱物中のケイ酸単位
を構成する陰イオン群と弱く結合しているため、酸を用
いて完全に中和した場合とは異なりアンモニアによる脱
硝効果等が見られ、炭素源を多量に有すること、および
石灰分を含有するため酸性土壌の中和効果を有すること
と相俟って土壌の肥沃化に顕著な効果がある。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
なお本実施例は例示であり、本発明の範囲を限定するも
のではない。
【実施例1および比較例】(1)使用材料 実施例・比較例で用いた材料は次のとおりである。 (イ)下水汚泥:活性汚泥処理した含水率80%の下水
汚泥。乾燥品の有機物含有率94%。(ロ)生石灰:C
aO含有量94%以上の石灰石焼成品。(ハ)脱臭用粉
体:ケイ藻土、酸性白土、活性白土、ゼオライト、硅石
粉、セピオライト、ベントナイト、鹿沼土、活性炭。ケ
イ藻土〜酸性白土は実施例、その他は比較例。各粉体の
物性は表1に示す通りである。
【0021】
【表1】
【0022】(2)脱水工程 ホバートミキサーに汚泥1kg、生石灰1kgを入れ、15
分間低速で混合した。生石灰の水和に伴い機内の温度は
最高170℃に達し、水分は水蒸気となって揮散した。
水分量15%となった混合物(消石灰と脱水汚泥)を1
2時間熟成し、その後、水分・アンモニア含有量が均一
になるように混合した。この結果、水分量3%〜8%の
乾燥混合物(乾粉)が得られた。
【0023】(3)アンモンモニア濃度の測定 予備試験として、水分量8%の上記乾粉を流速20cm/sec
で温度 100℃の容器内に流し、発生したアンモニアガス
を水中に導いて補集し、ガスクロマトグラフを用いてそ
の濃度を測定した。本発明の脱臭処理を行わない上記乾
粉のアンモニア濃度は6000ppm であった。因みに、
悪臭防止法による臭気強度目安では、濃度1ppm で全て
の人がアンモニア臭を感じるとしており、6000ppm
の濃度は極めて激しいアンモニア臭である。なお同様に
他の悪臭成分を分析したところ、硫化水素1ppm 以下、
トリメチルアミン0.04ppm 以下、ノルマル吉草酸
0.001ppm 以下であった。実施例および比較例は、
実際の使用態様にあわせ、吸引式検知管を用いてアンモ
ニア濃度を測定した。即ち、容量100mlの捕集びん中
に乾粉20gを入れ、40℃の温度に16時間保持した
後、上部空間に滞留するアンモニア蒸気を検知管で濃度
測定した。この結果を表2および表3に示した。
【0024】(4)脱臭工程 上記捕集ビンに乾粉20gと共に各土壌粉末を入れ、発
生するアンモニアガスの濃度を測定した。各試料の測定
結果を粉体の添加量(0.5〜7%)ごとに表2および
表3に示した。なお、表2は水分量3%の乾粉を使用し
たもの、表3は水分量8%の乾粉を使用したものであ
る。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】これらの結果に示されるように、本発明の
処理方法においては、酸性白土等の添加量が0.5%で
もアンモニア濃度が1ppm 以下である。一方、酸性白土
等に代えてゼオライトや活性炭等を混合したものは、最
も脱臭効果が高い活性炭を用いた場合でも、アンモニア
濃度を1ppm 以下にするには、水分量3%の乾粉に対し
て活性炭が3%以上必要であり、水分量8%の乾粉に対
しては活性炭の量を増しても良好な脱臭効果が得られな
い。しかも活性炭等を用いたものは混合状態も大きく影
響し、良く混合しないものはアンモニア濃度が高く脱臭
効果が低い。
【0028】
【実施例2】水分量3%の上記乾粉にケイ藻土、酸性白
土、活性白土をそれぞれ3%添加したものをセメント原
料として用い、これを他のセメント原料(石灰石、粘
土、銅カラミを所定量加え粉砕した調合原料)に内割り
10%となるように添加し、ペレット化したものを14
50℃で焼成した。得られたセメントクリンカーをブレ
ーン値3500m2 /gになるまで粉砕した。このポルト
ランドセメントをJIS R5201により評価した。表4の結
果に示すように、本発明の処理物を添加したものは、こ
れを加えないセメントと比較して、凝結時間およびモル
タル強度に大差なく、上記処理物をセメント原料として
使用できることが確認された。
【0029】
【表4】
【0030】
【実施例3】北海道中央地区の火山灰質酸性土壌に15
0 g/m2 の割合で水分量3%の上記乾粉(酸性白土5%
入)を定植前に散布し、土壌の3%水中懸濁時のpHが
5.2であってものを6.9に調整した。この土壌を使
用してイチゴ(ダメー種)のハウス栽培を行なったとこ
ろ、乾粉未散布土壌により栽培したものと比較して20
%前後の増収が見られた。またイチゴの色調も改善され
た。同様の実験をメロン(アールスフェボリット種)を
用いて行なったところ、乾粉未散布土壌により栽培した
ものと比較して15%前後の増収があり、メロン表面の
ネット模様が明瞭になる効果がみられた。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る下水汚泥の処理方法によれ
ば、汚泥処理産物である乾粉が低コストで実質的に無臭
化され、その取扱性が著しく改善される。従って、この
乾粉を広い用途に利用し易い。また、本発明の処理方法
により得られた処理産物はカルシウムやシリカを主体と
して含むため、セメント・鉄鋼原料として有効かつ大量
に処理することができる。さらに、この処理産物は、含
有される有機成分およびカルシウムその他の無機養分並
びにアンモニウムイオンにより、脱硝効果、酸性土壌改
良効果および植物の肥育効果などが顕著であり、しかも
無臭であるので地盤改良材・肥料などとしても有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理工程図。
【符号の説明】
1…下水汚泥供給部 2…生石灰供給部 3…乾粉製造部 4…排ガス排水処理部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月8日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 臼倉 桂一 東京都港区西新橋二丁目14番1号 秩父小 野田株式会社資源事業本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下水汚泥に生石灰類を混合して脱水した後
    に、該汚泥・石灰混合物にSiO2 含有量50重量%以
    上で3%水中懸濁時の水素イオン濃度5.0以下の酸性
    を呈する粉体を、0.5〜15重量%添加して脱臭する
    ことを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  2. 【請求項2】酸性粉体がケイ藻土または酸性白土である
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】下水汚泥に生石灰類を混合して脱水した汚
    泥・石灰混合物に、SiO2 含有量50重量%以上で3
    %水中懸濁時の水素イオン濃度5.0以下の酸性を呈す
    る粉体が0.5〜15重量%混合されていることを特徴
    とする脱臭下水汚泥組成物。
  4. 【請求項4】酸性粉体がケイ藻土または酸性白土である
    請求項3に記載の組成物。
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