JPH08178583A - 熱交換器およびその製造法 - Google Patents

熱交換器およびその製造法

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JPH08178583A
JPH08178583A JP33852394A JP33852394A JPH08178583A JP H08178583 A JPH08178583 A JP H08178583A JP 33852394 A JP33852394 A JP 33852394A JP 33852394 A JP33852394 A JP 33852394A JP H08178583 A JPH08178583 A JP H08178583A
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JP
Japan
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heat exchanger
baffle plate
tube
heat transfer
plate
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JP33852394A
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English (en)
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Shigeyuki Toda
繁幸 戸田
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器の胴体内面とじゃま板端面とを接合
することにより効率が向上した熱交換器を提供する。 【構成】 熱交換器1の胴体2の内部に、4枚のじゃま
板3および多数の伝熱管5を組んだ管束を挿入する際
に、4枚のじゃま板3の端面にアモルファス合金箔から
なるインサート材21を介在させ、挿入後にじゃま板3
挿入部の周囲に相当する胴体2の外部から加熱して、じ
ゃま板3と胴体2とを拡散ろう接する。従来存在してし
たじゃま板3と胴体2との間の隙間が解消され、この隙
間を流れる流体が無くなる分だけ熱交換器1の効率が向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱交換器およびその製造
法に関し、熱交換器の胴体の内面と熱交換器の胴体内部
に設置されるじゃま板の端面とを接合することにより熱
交換器の効率を向上させようとするものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、熱交換器の一つである多管円筒
形熱交換器(シェル・アンド・チューブ形熱交換器)の
一例を示す断面図であり、図3(a)は外面を一部含む
縦断面図,図3(b)は図3(a)中のA部を拡大して
示す縦断面図であり、図3(c)は図3(a)中のB−
B断面図である。
【0003】同図に示すように、多管円筒形熱交換器1
は、伝熱係数を増大させて熱交換器の効率を向上させる
目的で、円筒状の胴体2の内面にじゃま板3を胴体軸方
向と直交する向きに配置しており、これらのじゃま板3
は固定棒4が接続されて連結・固定される。各じゃま板
3は胴体2の内径よりも少し小さな外径の円板の一部が
直線状に切断された切欠部を備える形状であり、図3
(a)におけるじゃま板3は切欠部が交互に上下に位置
するように配置される。
【0004】これらのじゃま板3を貫通して互いに並列
した状態で複数のU字管状の伝熱管5が保持される。胴
体2の図面上右側の一端部2aに半球状の胴側鏡板6が
溶接される。胴体2の図面上左側の他端部にはフランジ
2bが設けられる。胴体2の左方には半球状の管側鏡板
8が、それぞれのフランジ2b,8aを貫通するボルト
8bとナット8cとにより締結されている。これらのフ
ランジ2b,8aの間には円板状の管板7が挾まれた状
態で保持されており、耐圧容器構造となっている。この
管板7には各伝熱管5が貫通するとともに貫通部を溶接
されており、各伝熱管5は、管板7および管側鏡板8に
より構成される空間に連通している。
【0005】管側鏡板8は内部を仕切板9により上下の
2室10,11に仕切られており、これらの2室10,
11は複数のU字管からなる伝熱管5の入側5a,出側
5bとそれぞれ連通している。仕切板9は管側鏡板8の
内面に溶接され、管板7に設けられた溝部7aに嵌め込
まれて固定される。
【0006】さらに、胴体2の内部空間に連通する胴側
管台12,13が胴体2の側部の一端部と他端部とに溶
接されて管外流体の入口および出口とされており、一
方、上室10に連通する管側管台14が,下室11に連
通する管側管台15が管側鏡板8にそれぞれ溶接されて
管内流体の入口および出口とされる。なお、符号16は
熱交換器1の支持脚である。
【0007】このような多管円筒形熱交換器1は以下の
ような順序で製造される。まず、胴側管台12,13が
内部に連通するように例えば溶接により固定された胴体
2の内部の所定の位置に、多数の伝熱管5を伝熱管長手
方向の複数箇所で挿通させて並列した状態で保持する複
数枚のじゃま板3および管板7(管束)を挿入する。挿
入に際しては、図3(b)および図3(c)に示すよう
に、胴体2の内面とじゃま板3の端面との間の引っ掛か
りを防止するため、じゃま板3の円弧部中央の外縁部に
設けた嵌め込み部3aに長板状のバンドルランナ17を
嵌め込み、挿入の際に上下の少なくとも2本のバンドル
ランナ17が胴体2の内面と接触し、じゃま板3の端面
が胴体2の内面に直接に接触しないようにする。
【0008】そして、挿入後に胴体2のフランジ2bと
管板7と管側鏡板8とを合わせてボルト8bおよびナッ
ト8cによりこれらを締結するとともに、胴側鏡板6を
胴体2の端面2aに例えば溶接により固定する。
【0009】熱交換を行う管内流体は、管側管台14→
上室10→伝熱管入側5a→伝熱管5→伝熱管出側5b
→下室11→管側管台15の順に流れ、もう一方の管外
流体は胴側管台12→胴体2内部→胴側管台13の順に
流れる。特に胴体2の内部ではもう一方の流体は各じゃ
ま板3に設けられた切欠部を通過して流れるため、図3
に実線矢印で図示するように上下方向に蛇行して流れ、
伝熱管5と接触して熱交換が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この従来の多管円筒形
熱交換器1では、バンドルランナ17によりじゃま板3
の端面と胴体2の内面とは離れており、図3(b)およ
び図3(c)に示すように、じゃま板3の端面と胴体2
の内面との間には隙間18が必ず生じてしまう。そのた
め、本来図3(a)に実線矢印で示すように胴体2の内
部を上下方向に蛇行しながら流れるべき流体の一部が、
胴体2の内面に沿って蛇行せずに図3(a)および図3
(b)に破線矢印で示すようにこの隙間18を直線的に
通過してしまう。そのため、胴体2内を蛇行しながら流
れて伝熱管5と接触することによって熱交換を行う流体
の総量が減少し、熱交換器1の効率が低下していた。
【0011】そこで、じゃま板3の外縁部に環状のべろ
をボルト締めし、このべろを胴体2の内面に接触させて
隙間18における流体流れを防止しようという試みもあ
るが、この流体流れを確実に防止することはできず、熱
交換器1の効率を向上させるには至らなかった。
【0012】本発明は、このような従来の技術が有する
課題に鑑みてなされたものであり、熱交換器の胴体の内
面と熱交換器の胴体内部に設置されるじゃま板の端面と
を接合することにより効率を向上した熱交換器およびそ
の製造法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる熱交換器
は、筒状の胴体と,当該胴体の内面に長手方向に離間し
て複数配置されたじゃま板と,複数の前記じゃま板それ
ぞれに挿通されて並列した状態で保持される複数の伝熱
管とを備える熱交換器であって、前記胴体の内面と当該
内面に近接する前記じゃま板の反流路側の端面とは液相
拡散接合されてなることを特徴とするものである。
【0014】一方、本発明にかかる熱交換器の製造法
は、筒状の胴体の内部に、複数の伝熱管を伝熱管長手方
向の複数の位置で挿通させて並列した状態で保持する複
数のじゃま板を挿入することにより熱交換器を製造する
に際し、前記じゃま板を挿入する前に、前記胴体の内面
と近接する複数の前記じゃま板それぞれの端面にアモル
ファス合金箔からなるインサート材を介在させておき、
当該インサート材が前記端面に介在したままの状態で前
記じゃま板を挿入してから、前記端面が近接する前記胴
体の外部を加熱することにより複数の前記じゃま板それ
ぞれと前記胴体とを液相拡散接合することを特徴とする
ものである。
【0015】
【作用】本発明にかかる熱交換器では、胴体の内面とこ
の内面に近接する反流路側のじゃま板の端面とは液相拡
散接合されており、胴体とじゃま板との間に隙間が存在
しないため、胴体の内部を流れる流体の全てがじゃま板
により蛇行しながら流れて伝熱管に接触し、熱交換に寄
与するようになる。
【0016】また、本発明にかかる熱交換器の製造法で
は、胴体の内部にじゃま板を挿入する際に、じゃま板の
端面にアモルファス合金箔からなるインサート材を介在
させておき、このインサート材が前記端面に介在したま
まの状態でじゃま板を挿入して加熱することにより液相
拡散接合を行うようにしており、複数のじゃま板それぞ
れと胴体とが組み立て後における胴体外部からの加熱に
より液相拡散接合され隙間が生じないようになる。
【0017】
【実施例】以下、本発明にかかる熱交換器の一実施例を
添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明にかかる熱交換器を多管円
筒形熱交換器に適用した一実施例を示す断面図であり、
図1(a)は縦断面図,図1(b)は図1(a)のA部
を拡大して示す縦断面図,さらに図1(c)は図1
(a)中のB−B断面図である。なお、図1に示す本発
明にかかる熱交換器は図3に示した熱交換器とほとんど
同一の構成であるため、同一部分については図3と同一
の図中符号を付して示す。
【0019】本発明にかかる多管円筒形熱交換器1は、
伝熱係数を増大させて効率を向上させる目的で、筒状の
胴体2の内面に胴体軸方向に一定距離だけ離間して複数
枚(本実施例では4枚)のじゃま板3を前記胴体軸方向
と直交する向きに配置しており、これらのじゃま板3は
固定棒4が接続されて連結・固定される。各じゃま板3
は胴体2の内径よりも小さな外径の円板の一部が直線状
に切断された切欠部を備える形状であり、各じゃま板3
はこの切欠部が上下に交互に位置するように配置され
る。
【0020】じゃま板3の設置枚数および設置間隔,さ
らには切欠部の大きさ等は特定の値に限定する必要があ
るものではなく、多管円筒形熱交換器1に求める能力に
応じて適宜決定される。
【0021】本実施例では、これらのじゃま板3の端面
のうちの胴体2内面に近接する端面、換言すれば切欠部
を除く反流路側の端面は、液相拡散接合の一種である拡
散ろう接により胴体2の内面に接合部19を介して接合
されている。すなわち、各じゃま板3は胴体2の内面に
対して、前述したように挿入の際の滑りを確保するため
に設置された上下2本のバンドルランナ17により離間
した状態となっているが、この離間した部分が拡散ろう
接により完全に接合されており、図3(c)における隙
間18が生じていない。
【0022】ここで、液相拡散接合とは、接合温度で溶
融するインサート材を用いる接合法を意味しており、拡
散ろう接とはインサート材にアモルファス合金箔を用い
るろう接法を意味する。
【0023】本明細書においては、本発明にかかる熱交
換器1ではじゃま板3と胴体2との間の隙間18が生じ
ないことを明確にするため、図1では、じゃま板3,胴
体2と接合部19とを完全に区別して示したが、実際に
は、接合部19ではじゃま板3に含有される元素と胴体
2に含有される元素とが完全に拡散しており、拡散ろう
接を行われた後のじゃま板3および胴体2との間には図
示する接合部19のような境界層は存在しない。
【0024】これらのじゃま板3を貫通して互いに並列
した状態で多数のU字管からなる伝熱管5が保持され
る。本実施例では伝熱管5としてU字管を用いたが、か
かる態様に限定されるものではなく、直線状の伝熱管を
用いてもよい。
【0025】さらに、胴体2の一端部2aに半球状の胴
側鏡板6が溶接されている。胴体2の図面上左側の他端
部にはフランジ2bが設けられる。胴体2の左方には半
球状の管側鏡板8が、それぞれのフランジ2b,8aを
貫通するボルト8bとナット8cとにより締結されてい
る。これらのフランジ2b,8aの間には円板状の管板
7が挾まれた状態で保持されており、耐圧容器構造とな
っている。この管板7には各伝熱管5が貫通するととも
に貫通部を溶接されており、各伝熱管5は、管板7およ
び管側鏡板8により構成される空間に連通している。
【0026】管側鏡板8は内部を仕切板9により上下の
2室10,11に仕切られており、これらの2室10,
11は複数のU字管からなる伝熱管5の入側5a,出側
5bとそれぞれ連通している。仕切板9は管側鏡板8の
内面に溶接され、管板7に設けられた溝部7aに嵌め込
まれて固定される。
【0027】さらに、胴体2の内部空間に連通する胴側
管台12,13が胴体2の側部の一端部と他端部とに溶
接されて管外流体の入口および出口とされており、一
方、上室10に連通する管側管台14が,下室11に連
通する管側管台15が管側鏡板8にそれぞれ溶接されて
管内流体の入口および出口とされる。なお、符号16は
熱交換器1の支持脚である。
【0028】次に、図1に示す本発明にかかる多管円筒
形熱交換器1の製造法を図面に基づき詳細に説明する。
【0029】図2は、本発明にかかる熱交換器の製造法
の概略を模式的に示す説明図であり、図2(a)は管束
を胴体に挿入する前を,図2(b)は管束挿入後に胴体
外面を加熱している時を,図2(d)は管束を胴体に締
結した後をそれぞれ示しており、図2(c)は図2
(b)の丸印部の拡大図であり、図2(e)は図2
(d)の丸印部の拡大図である。なお、図2の説明にお
いても同一部分については図1と同一の図中符号を付し
て示す。
【0030】まず、図2(a)に示すように、筒状の胴
体2の外周部の2箇所に内部に連通するようにして胴側
管台12,13を例えば溶接により接合するとともに、
胴体2の他端側に半球状の胴側鏡板6を例えば溶接によ
り固定する。
【0031】次に、図2(a)に示すように、じゃま板
3の切欠部が上下に交互に配置されるようにして端から
順に管板7および4枚のじゃま板3を図示しない治具に
より固定し、各じゃま板3および管板7に多数穿設され
た伝熱管貫通孔(図示しない)に、最も端側に位置する
じゃま板3側からU字管状の伝熱管5を管板7に向けて
順次挿入し、全ての伝熱管5を挿入することにより、多
数のU字管からなる伝熱管5を伝熱管長手方向の複数箇
所で挿通させて並列した状態で、じゃま板3および管板
7により保持した管束20として組み立てる。管板7と
伝熱管5との貫通部だけは溶接しておくとともに、伝熱
管5の熱膨脹に対応するため、じゃま板3とは接合せず
に貫通した状態としておく。
【0032】このようにして組み立てた管束20を前述
の胴体2の内部に挿入する。この挿入に際しては、図2
(b)に示すように、胴体2の内面とじゃま板3の端面
との引っ掛かりを防止するため、じゃま板3の円弧部中
央の外縁部に設けた嵌め込み部にそれぞれ長板状のバン
ドルランナ17を2本嵌め込み、管板7の表面に突き当
てるとともに、図2(c)に示すように各じゃま板3の
切り欠き部を除く端面であって胴体2の内面との間に隙
間を生じる部分にアモルファス合金箔からなるインサー
ト材21を介在させる。
【0033】本実施例ではバンドルランナ17は2本と
したが、1本または3本以上としてもよく、2本に限定
するものではない。
【0034】このインサート材21であるアモルファス
合金箔は、Fe,Si,B,P,Cr,MoさらにはW
等の融点降下元素を適宜添加した例えばNi基合金を溶
解炉で溶製し、溶融状態にあるこのNi基合金を急冷用
の回転ホイールに薄い噴射流として噴射してから約10
0万℃/秒の冷却速度で超急却する,いわゆる急冷凝固
法により製造される。アモルファス合金箔の幅は、じゃ
ま板3の端面に介在させて挿入する際の脱落防止の観点
から、じゃま板3の厚さよりも大きくすることが望まし
く、例えばじゃま板3の厚さの3〜5倍程度とする。
【0035】本発明においてインサート材21としてア
モルファス合金箔を用いたのは、アモルファス合金箔は
酸化物等の介在物を含んでいないために表面活性性,流
動性さらには間隙浸透性等に優れるとともに、アモルフ
ァス合金箔は柔軟性に富み、じゃま板3の円周状の端面
に容易に倣わせて保持させることができるからである。
【0036】このアモルファス合金箔をじゃま板3の端
面に介在させるには、例えばアモルファス合金箔の柔軟
性を利用してじゃま板3の端面を中心として対向する二
つの表面側(図2(c)の矢印側)に折り返しておくこ
とが例示できる。なお、バンドルランナ17と胴体2の
内面との間には挿入時の滑りを確保するためにアモルフ
ァス合金箔を介在させないようにしておくことが望まし
い。
【0037】このようにして、切欠部(望ましくはさら
にバンドルランナ17端面)を除く各端面にアモルファ
ス合金箔からなるインサート材21を介在させたじゃま
板3,多数のU字管状の伝熱管5および管板7を組んで
構成された管束20をじゃま板3側から胴体2の内面
に、管板7の表面が胴体2のフランジ2bに突き当たる
まで挿入する。そして、管板7の外側に管側鏡板8を合
わせて、ボルト8bおよびナット8cにより胴体2,管
板7および管側鏡板8を締結する。
【0038】管束20の固定後に、胴体2の外面のうち
じゃま板3の端面が近接する部分を加熱する。加熱範囲
はじゃま板3の端面が近接する胴体2の外部を加熱する
必要があるが、この範囲のみに限定する必要があるもの
ではなく、例えば胴体2の外面全部を加熱するようにし
てもよい。
【0039】インサート材21であるアモルファス合金
箔には前述のようにSi,B等の融点降下元素が添加さ
れているため、加熱により、母材である胴体2およびじ
ゃま板3それぞれの融点以下の温度でアモルファス合金
箔が溶融するが、母材であるじゃま板3,胴体2はいず
れも溶融・変形しない。その後、等温保持すると、溶融
したアモルファス合金と胴体2およびじゃま板3との間
で相互拡散が発生し、融点降下元素が存在することによ
り最終的に等温凝固して、図2(e)に示すように、拡
散層である接合部19が形成されて、胴体2の内面とじ
ゃま板3の端面との間で拡散ろう接が完了し、最終的に
図1に示す多管円筒形熱交換器1が製造される。
【0040】本実施例では、加熱装置は部分的な加熱を
行うことができるために高周波加熱装置22を用い、高
周波加熱装置22の環状の加熱コイル23で胴体2の外
面のうちのじゃま板3設置相当部を覆うようにして加熱
を行ったが、この高周波加熱装置22を必ず用いる必要
があるものではなく、じゃま板3の端面に介在させたア
モルファス合金箔からなるインサート材21を所定の温
度に加熱できる加熱装置であればよい。
【0041】図1に示す本発明にかかる多管円筒形熱交
換器1では、管内流体は、管側管台14→上室10→伝
熱管入側5a→伝熱管5→伝熱管出側5b→下室11→
管側管台15の順に流れる。もう一方の管外流体は胴側
管台12→胴体2→胴側管台13の順に流れる。図1に
示す本発明にかかる多管円筒形熱交換器1では、じゃま
板3と胴体2の内面との間に隙間18が生じていないた
め、胴体2の内部を流れる流体は全てが各じゃま板3に
設けられた切欠部を通過して、図1に実線矢印および破
線矢印で図示するように上下方向に蛇行して流れ、胴体
2の内面とじゃま板3の端面との間を流れる流体は生じ
なくなる。
【0042】そのため、胴体2の内部を流れる流体のう
ち、胴体2の内面とじゃま板3の端面との間を流れてし
まい伝熱管5に充分に接触しない流体がなくなり、伝熱
管5を介する熱授受量が従来よりも10〜15%程度増
加する。
【0043】このようにして、図1に示す本発明にかか
る熱交換器を適用した多管円筒形熱交換器1によれば熱
交換器の効率を10〜15%程度向上することができる
とともに、熱交換器の能力を一定とすれば熱交換器の効
率が向上した分だけ熱交換器全体を小形化できる。
【0044】また、本発明にかかる熱交換器の製造法で
は、じゃま板3と胴体2とを液相拡散接合するに際し、
じゃま板3を管束20として胴体2内に挿入した後胴体
2の外面を加熱するだけでよいため、簡単および確実に
じゃま板3と胴体2との接合を行うことができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の本発明にかかる熱交換器
は、胴体の内面とこの内面に近接するじゃま板の端面と
が液相拡散接合されて隙間が存在しないように構成した
ため、胴体の内部を流れる流体の全てがじゃま板により
蛇行しながら流れて伝熱管に接触するため、熱交換器の
効率が向上する。
【0046】また、請求項1記載の本発明にかかる熱交
換器では、熱交換器の能力を従来と同程度とすれば熱交
換器を従来よりも小型化できる。
【0047】請求項2記載の本発明にかかる熱交換器の
製造法では、胴体の内部にじゃま板を挿入する際に、じ
ゃま板の端面にアモルファス合金箔からなるインサート
材を介在させておき、このインサート材がじゃま板の端
面に介在したままの状態でじゃま板を挿入してから胴体
外部を加熱することにより液相拡散接合を行うため、複
数のじゃま板それぞれと胴体とが液相拡散接合され隙間
が生じないようになるとともに、じゃま板を管束として
胴体内に挿入した後胴体の外面を加熱するだけでよいた
め、簡単および確実にじゃま板と胴体との接合を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱交換器を多管円筒形熱交換器
に適用した一実施例を示す断面図であり、図1(a)は
縦断面図,図1(b)は図1(a)のA部を拡大して示
す縦断面図,さらに図1(c)は図1(a)中のB−B
断面図である。
【図2】本発明にかかる熱交換器の製造法の概略を模式
的に示す説明図であり、図2(a)は管束を胴体に挿入
する前を,図2(b)は管束挿入後に胴体外面を加熱し
ている時を,図2(d)は管束を胴体に締結した後をそ
れぞれ示しており、図2(c)は図2(b)の丸印部の
拡大図であり、図2(e)は図2(d)の丸印部の拡大
図である。
【図3】熱交換器の一つである多管円筒形熱交換器の一
例を示す縦断面図であり、図3(a)は外面を一部含む
縦断面図,図3(b)は図3(a)中のA部を拡大して
示す縦断面図,さらに図3(c)は図3(a)中のB−
B断面図である。
【符号の説明】
1 熱交換器 2 胴体 3 じゃま板 5 伝熱管 21 インサート材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の胴体と,当該胴体の内面に長手方
    向に離間して複数配置されたじゃま板と,複数の前記じ
    ゃま板それぞれに挿通されて並列した状態で保持される
    複数の伝熱管とを備える熱交換器であって、前記胴体の
    内面と当該内面に近接する前記じゃま板の反流路側の端
    面とは液相拡散接合されてなることを特徴とする熱交換
    器。
  2. 【請求項2】 筒状の胴体の内部に、複数の伝熱管を伝
    熱管長手方向の複数の位置で挿通させて並列した状態で
    保持する複数のじゃま板を有する熱交換器を製造するに
    際し、前記じゃま板を挿入する前に、前記胴体の内面と
    近接する複数の前記じゃま板それぞれの端面にアモルフ
    ァス合金箔からなるインサート材を介在させておき、当
    該インサート材が前記端面に介在したままの状態で前記
    じゃま板を挿入してから、前記端面が近接する前記胴体
    の外部を加熱することにより複数の前記じゃま板それぞ
    れと前記胴体とを液相拡散接合することを特徴とする熱
    交換器の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104359333A (zh) * 2014-11-07 2015-02-18 张家港市江南锅炉压力容器有限公司 一种新型气-气换热器
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CN112033188A (zh) * 2020-09-09 2020-12-04 南通昭和机械有限公司 一种管式热交换器

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