JPH0817480B2 - 映像信号処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はオフセットサブサンプリ
ングによって帯域圧縮された高品位テレビ信号を復元す
るための映像信号処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】高品位テレビ信号はその帯域が２０ＭＨ
ｚ以上あり、衛星等を利用して伝送する場合には何らか
の方法で帯域を圧縮する必要がある。高品位テレビ信号
の帯域を大幅に圧縮する有効な技術として、多重サブナ
イキストサンプリングによって信号帯域を圧縮するＭＵ
ＳＥ（Multiple Sub-Nyquist Sampling Encoding）方式
が提案されている（二宮、他「高品位テレビの衛星１チ
ャンネル伝送方式（ＭＵＳＥ）」テレビジョン学会技術
報告ＴＥＢＳ９５−２ ３７ページ〜４２ページ）。

【０００３】このＭＵＳＥ方式は、図５に示すようにフ
ィールド間およびフレーム間でオフセットサブサンプリ
ングを施すものであり、元の信号の標本点の１／４の標
本点を伝送し、４フィールドで完全な絵を伝送するもの
で、元の信号の帯域は１／４に圧縮される。受信側にお
いては伝送されてきた標本点から伝送されていない標本
点（非標本点）を内挿して元の信号を復元する。例えば
静止画領域に対しては、現フィールドと過去３フィール
ドすべての標本点を用いて内挿する。一方、動画領域に
対しては、伝送されてきたそのフィールド内の標本点の
みで内挿する。このように静止画部分と動画部分とでは
内挿方法が異なるために受信側では画像の動きを検出し
て内挿方法を切り替えて、画像を復元している。

【０００４】以上のような送信側および受信側の処理に
より高品位テレビ放送を家庭で楽しむことができる。し
かしながら、上記の信号処理回路（ＭＵＳＥデコーダ）
は非常に高価であり家庭用として普及するにはかなりの
時間を要すると思われる。そこで、現在家庭に普及して
いる標準方式のテレビ，ＶＴＲで表示，録再可能にする
ために、高品位テレビ信号を方式変換回路を用いて現行
の標準テレビ信号に変換する装置があり、その中で簡単
な構成で画像を復元するために内挿処理を行なう映像信
号処理回路が提案されている。従来の映像信号処理装置
としては、たとえば「映像信号方式変換装置」特願平０
２−３２８７０７号に示されている。

【０００５】図６はこの従来の映像信号処理装置のブロ
ック図であり、１０１はＭＵＳＥ信号を入力する入力端
子、１０２は帯域圧縮されたＭＵＳＥ信号を復元するた
めにフィールド内の標本点から非標本点を内挿する内挿
回路、１０３，１０４はフィールドメモリ、１０５は隣
接する３フィールド間の信号の中間値信号を抽出する中
間値選択回路、１０６は平均化処理を行なう加算器、１
０７は折り返し歪が除去された高品位テレビ信号を取り
出すための出力端子である。

【０００６】以上のような構成要素の従来の映像信号処
理装置においては、入力端子１０１に入力されたＭＵＳ
Ｅ信号は内挿回路１０２において帯域圧縮された信号を
復元するためにフィールド内の標本点から非標本点の内
挿が行なわれる。内挿回路１０２でＭＵＳＥデコーダの
動画処理に相当するフィールド内内挿された信号は、そ
の信号通過特性が図７(ａ)の周波数特性図に示すように
なるので、静止画像においては図７(ｂ)の周波数特性図
に示すようなＭＵＳＥ方式のオフセットサブサンプリン
グによる高品位テレビ信号の高精細成分が折り返し歪と
して再生され画質を劣化させる。そこで、内挿処理され
た信号は縦続接続されたフィールドメモリ１０３，１０
４に供給された後に、隣接する３フィールド間の信号の
中間値信号が中間値選択回路１０５で抽出され、フィー
ルド間で相関のある信号同士の平均値信号を得るように
中間値選択回路１０５の出力信号とフレームメモリ１０
３の出力信号とが加算器１０６で平均化処理されてフィ
ールド間オフセットサブサンプリングに起因する折り返
し歪が除去された信号が出力端子１０７に得られる。

【０００７】なお、中間値選択回路１０５は図８に示す
ように、入力された３つの信号の中からそれぞれ２つず
つの信号の大小を比較して振幅的に中間値である信号を
検出し、その検出結果に応じて選択手段を切り替えて中
間値信号を出力する。中間値選択回路１０５における中
間値選択の論理値表を（表１）に示す。

【０００８】

【表１】

【０００９】以下に、折り返し歪の除去動作についてを
図９を用いて説明する。図９は折り返し歪を除去する動
作を説明するための信号波形の一例を示す。

【００１０】入力されたテレビ信号の動きがない静止画
領域あるいは動きの変化点においては、図９(ａ)，(ｂ)
に示すように中間値選択回路１０５で抽出される中間値
信号Ｘ（図中 ●で示す）が前後のいずれかの信号とな
るので、現フィールドの信号Ｙ（図中 ◎で示す）と加
算器１０６で平均されてフィールド間の和がとられるこ
とにより、フィールド間オフセットサブサンプリングに
よる折り返し成分が除去される。一方、入力されたテレ
ビ信号の動きがある動画領域においては、図９(ｃ)に示
すように中間値選択回路１０５で抽出される中間値信号
Ｘが現フィールドの信号Ｙになるため、現フィールドの
信号そのものが得られて画質劣化を生じない。したがっ
て、隣接する３フィールド間で相関の強いフィールド間
の信号同士の平均を適応的に行なうので、ＭＵＳＥ方式
のフィールド間オフセットサブサンプリングに起因する
折り返し歪を動画像に影響を与えることなく除去するこ
とができる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、加算器１０６において隣接する３フィー
ルド間で最適なフィールド間の平均化処理が行なわれる
ことによりフィールド間オフセットサブサンプリングに
起因する折り返し歪は除去され、映像の縦線部分にぎざ
ぎざ状の歪が張り付いたように見える３０Ｈｚのフッリ
カ成分は見えなくなるが、帯域圧縮されたＭＵＳＥ信号
はさらにフレーム間オフセットサブサンプリングに起因
する折り返し歪をも含んでおり、映像の斜め成分に３０
Ｈｚのフリッカが残るという問題点を有していた。

【００１２】本発明は上記問題点を解決するもので、フ
ィールド間オフセットサブサンプリングに起因する折り
返し歪だけでなく、低域に折り返して視覚上目立つフレ
ーム間オフセットサブサンプリングに起因する折り返し
歪も除去することができる映像信号処理装置を提供する
ことを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、オフセットサブサンプリングによって帯域
圧縮された高品位テレビ信号を入力し、サブサンプリン
グされた信号を復元するためにフィールド内の標本点か
ら非標本点を内挿する内挿手段と、内挿処理された信号
を記憶するために縦続接続された第１および第２のフィ
ールドメモリと、２つのフィールドメモリの入出力から
隣接する３フィールド間の信号の中間値信号を抽出する
中間値選択手段と、第１のフィールドメモリの出力と中
間値選択手段の出力との平均をとる第１の加算器と、第
１のフィールドメモリの入力と第２のフィールドメモリ
の出力からフレーム間の平均をとる第２の加算器と、２
つのフィールドメモリの入出力からフィールド差分とフ
レーム差分を検出し、差分の大きさに応じて切り換え信
号を出力する相関判別手段と相関判別手段の出力によっ
て第１の加算器の出力と第２の加算器の出力を切り換え
る信号切り換え器と、第１のフィールドメモリの入力と
第２のフィールドメモリの出力から画像の動きを検出す
る動き検出手段と、検出された動きに応じて信号切り換
え器の出力と内挿手段の出力を混合する混合器を備えて
いる。

【００１４】また、オフセットサブサンプリングによっ
て帯域圧縮された高品位テレビ信号を入力し、入力され
たテレビ信号を記憶するための縦続接続された第１およ
び第２のフィールドメモリと、２つのフィールドメモリ
の入出力からサブサンプリングされた信号を復元するた
めにフィールド内の標本点から非標本点を内挿する第
１、第２および第３の内挿手段と、３つの内挿手段の出
力から隣接する３フィールド間の信号の中間値信号を抽
出する中間値選択手段と、第２の内挿手段の出力と中間
値選択手段の出力との平均をとる第１の加算器と、第１
の内挿手段の出力と第３の内挿手段の出力からフレーム
間の平均をとる第２の加算器と、３つの内挿手段の出力
からフィールド差分とフレーム差分を検出し、差分の大
きさに応じて切り換え信号を出力する相関判別手段と相
関判別手段の出力によって第１の加算器の出力と第２の
加算器の出力を切り換える信号切り換え器と、第１の内
挿手段の出力と第３の内挿手段の出力から、または第１
のフィールドメモリの入力と第２のフィールドメモリの
出力から画像の動きを検出する動き検出手段と、検出さ
れた動きに応じて信号切り換え器の出力と第１の内挿手
段の出力を混合する混合器を備えた構成を有している。

【００１５】

【作用】本発明は上記した構成において、フィールド内
で内挿されたテレビ信号が２つのフィールドメモリに供
給され、隣接する３フィールド間の中間値信号と現フィ
ールドの信号との和をとり、隣接する前後のいずれか相
関性のあるフィールド間の平均をとることによってフィ
ールド間オフセットサブサンプリングに起因する折り返
し歪を除去した信号と、フレーム間の平均をとることに
よってフレーム間オフセットサブサンプリングに起因す
る折り返し歪を除去した信号を得、そしてフィールド間
差分とフレーム間差分の大小関係からどちらの歪が大き
いかを判別して切り換えることによってフィールドのみ
ならずフレーム間オフセットサブサンプリングに起因す
る折り返し歪も除去することができる。さらに、画像の
動きを検出して隣接する前後のいずれか相関性のあるフ
ィールド間の平均化処理したものとフレーム間の平均化
処理したものとが切り換えられた信号と、フィールド内
処理されたものとを混合処理することにより動画像にお
いても２重像の発生などの画質劣化を防ぐことができ
る。

【００１６】また、内挿処理される前の信号を記憶する
ようにフィールドメモリを前置した構成によって、フィ
ールドメモリの容量が削減できる。

【００１７】

【実施例】（実施例１）図１は本発明の第１の実施例に
おける映像信号処理装置のブロック図である。図１にお
いて、１１はＭＵＳＥ信号を入力する入力端子、１２は
帯域圧縮された信号を復元するためフィールド内の標本
点から非標本点を内挿する内挿回路、１３，１４はフィ
ールドメモリ、１５は隣接する３フィールド間の信号の
中間値信号を抽出する中間値選択回路、１６，１７は平
均化処理を行なう加算器、１８はフィールド間オフセッ
トサブサンプリングによる折り返し歪を検出するフィー
ルド差分検出回路、１９はフレーム間オフセットサブサ
ンプリングによる折り返し歪を検出するフレーム差分検
出回路、２０はフィールドとフレーム間の折り返し歪の
どちらが大きいかを判別する相関判別回路、２１は信号
切り換え器、２２は動き検出回路、２３は混合器、２４
は折り返し歪が除去された高品位テレビ信号を取り出す
ための出力端子である。

【００１８】以上のような構成要素を持つ映像信号処理
装置の動作を説明する。入力端子１１に入力されたＭＵ
ＳＥ信号は内挿回路１２において帯域圧縮された信号を
復元するためにフィールド内の標本点から非標本点の内
挿が行なわれる。次に、内挿処理された信号は縦続接続
された２つのフィールドメモリ１３，１４に供給され、
２つのフィールドメモリ１３，１４の入出力信号から中
間値選択回路１５において隣接する３フィールド間の信
号の中間値信号が抽出された後に、加算器１６でフィー
ルドメモリ１３の出力信号と平均化処理されてフィール
ド間オフセットサブサンプリングに起因する折り返し歪
が除去された信号が得られる。ここまでの処理は従来の
映像信号処理装置と同様である。この実施例において
は、内挿回路１２の出力信号とフィールドメモリ１４の
出力信号は加算器１７でフレーム間の平均化処理が行な
われてフレーム間オフセットサブサンプリングに起因す
る折り返し歪が除去された信号が得られる。また、２つ
のフィールドメモリ１３，１４の入出力信号はフィール
ド差分検出回路１８とフレーム差分検出回路１９に供給
されて、フィールド間オフセットサブサンプリングによ
る折り返し歪とフレーム間オフセットサブサンプリング
による折り返し歪が検出されて、相関判別回路２０にお
いてフィールドとフレーム間の折り返し歪のどちらが大
きいかを判別し、加算器１６から出力されるフィールド
間オフセットサブサンプリングに起因する折り返し歪が
除去された信号と加算器１７から出力されるフレーム間
オフセットサブサンプリングに起因する折り返し歪が除
去された信号とを折り返し歪が強い方を除去した信号を
通すように信号切り換え器２１が制御される。

【００１９】さらに、動き検出回路２２においてフィー
ルドメモリ１３の入力信号とフィールドメモリ１４の出
力信号とから画像の動きを検出して信号切り換え器２１
から出力される隣接する前後のいずれか相関性のあるフ
ィールド間の平均化処理したものとフレーム間の平均化
処理したものとが切り換えられた信号と、フィールド内
内挿回路１２から出力されるフィールド内処理されただ
けの信号とが混合器２３で動きの量に応じて混合処理さ
れるので動画像においても画質劣化（２重像の発生な
ど）がなく折り返し歪がほぼ除去された信号が出力端子
２４に得られる。

【００２０】以上のようにこの第１の実施例によれば、
内挿回路１２においてＭＵＳＥデコーダの動画処理に相
当するフィールド内内挿が行なわれた後に、静止画像に
おいて生じる折り返し歪については、隣接する前後のい
ずれか相関性のあるフィールド間の平均化処理を中間値
選択回路１５の出力信号とフィールドメモリ１３の出力
信号とから加算器１６で行なうことによりフィールド間
オフセットサブサンプリングに起因する折り返し歪が除
去された信号が得られるともに、フレーム間の平均化処
理を内挿回路１２の出力信号とフィールドメモリ１４の
出力信号とから加算器１７で行なうことによりフレーム
間オフセットサブサンプリングに起因する折り返し歪が
除去された信号が得られる。これら２つの信号は、隣接
する３フィールドの信号からフィールドとフレーム間の
折り返し歪の状況を検出するために図２に示すように隣
接する３フィールドの信号からフィールド間差分の絶対
値を検出するフィールド差分検出回路１８とフレーム間
差分の絶対値を検出するフレーム差分検出回路１９およ
び両差分を比較しその大小関係を検出する相関判別回路
２０を設けることにより、図３に示すように３０Ｈｚの
フリッカ成分となるフィールド間の折り返し歪と１５Ｈ
ｚのフリッカ成分となるフレーム間の折り返し歪の大き
さに応じて、折り返し歪が強い方の信号に対して処理し
た信号を信号切り換え器２１で切り換えて出力される。
その結果、信号切り換え器２１からはフィールドおよび
フレーム間オフセットサブサンプリングに起因する折り
返し歪が除去された信号が得られる。

【００２１】（実施例２）図４は本発明の第２の実施例
における映像信号処理装置のブロック図である。図４に
おいて、３１はＭＵＳＥ信号を入力する入力端子、３
２，３３はフィールドメモリ、３４，３５，３６は帯域
圧縮されたＭＵＳＥ信号を復元するためフィールド内の
標本点から非標本点を内挿する内挿回路、３７は隣接す
る３フィールド間の信号の中間値信号を抽出する中間値
選択回路、３８，３９は平均化処理を行なう加算器、４
０はフィールド間オフセットサブサンプリングによる折
り返し歪を検出するフィールド差分検出回路、４１はフ
レーム間オフセットサブサンプリングによる折り返し歪
を検出するフレーム差分検出回路、４２はフィールドと
フレーム間の折り返し歪のどちらが大きいかを判別する
相関判別回路、４３は信号切り換え器、４４は動き検出
回路、４５は混合器、４６は折り返し歪が除去された高
品位テレビ信号を取り出すための出力端子である。

【００２２】以上のような構成要素を持つ映像信号処理
装置の動作を説明する。入力端子３１に入力されたＭＵ
ＳＥ信号は縦続接続された２つのフィールドメモリ３
２，３３に記憶され、内挿回路３４，３５，３６におい
て隣接する３フィールドの帯域圧縮された信号に対して
フィールド内の標本点から非標本点の内挿が行なわれ
る。次に、内挿回路３４，３５，３６の出力信号から中
間値選択回路３７において隣接する３フィールド間の信
号の中間値信号が抽出された後に、加算器３８で内挿回
路３５の出力信号と平均化処理されてフィールド間オフ
セットサブサンプリングに起因する折り返し歪が除去さ
れた信号が得られる。一方、内挿回路３４の出力信号と
内挿回路３６の出力信号とが加算器３９で加算され、フ
レーム間の平均化処理が行なわれてフレーム間オフセッ
トサブサンプリングに起因する折り返し歪が除去された
信号が得られる。また、内挿回路３４，３５，３６から
出力される隣接する３フィールドの内挿処理された信号
はフィールド差分検出回路４０とフレーム差分検出回路
４１に供給されて、フィールド間オフセットサブサンプ
リングによる折り返し歪とフレーム間オフセットサブサ
ンプリングによる折り返し歪が検出されて、相関判別回
路４２においてフィールドとフレーム間の折り返し歪の
どちらが大きいかを判別し、加算器３８から出力される
隣接する前後のいずれか相関性のあるフィールド間の平
均をとることによりフィールド間オフセットサブサンプ
リングに起因する折り返し歪が除去された信号と、加算
器３９から出力されるフレーム間オフセットサブサンプ
リングに起因する折り返し歪が除去された信号とを折り
返し歪が強い方を除去した信号を通すように信号切り換
え器４３が制御される。

【００２３】さらに、動き検出回路４４において内挿回
路３４の出力信号と内挿回路３６の出力信号とから画像
の動きが検出されて、信号切り換え器４３から出力され
るフィールドまたはフレーム間の平均化処理された信号
と、内挿回路３４から出力されるフィールド内処理され
ただけの信号とが混合器４５で検出された動きの量に応
じて混合処理されるので動画像においても画質劣化（２
重像の発生など）がなく折り返し歪がほぼ除去された信
号が出力端子４６に得られる。

【００２４】以上のようにこの第２の実施例によれば、
隣接する３フィールド間の信号を得るためのフィールド
メモリを内挿処理される前のテレビ信号を記憶するよう
に設けることにより、ＭＵＳＥ方式のフィールド間およ
びフレーム間オフセットサブサンプリングに起因する折
り返し歪をほぼ完全に除去し、かつフィールドメモリの
容量を半分に削減することができる。

【００２５】なお、第１の実施例においてフィールド差
分検出回路１８は隣接する３フィールドの信号すべてを
使用する構成としたが、前後いずれかのフィールド間の
差分を検出するものでもよい。また、動き検出回路２２
は１フレーム間の信号から画像の動きを検出している
が、さらに１フレーム間の信号を導出して２フレーム間
の信号からも動きを検出するようにしてもよい。第２の
実施例においても動き検出回路４４は内挿処理された１
フレーム間の信号から画像の動きを検出するものである
が、内挿処理される前の１フレーム間の信号から画像の
動きを検出するものであってもよく、第１の実施例と同
様にして２フレーム間の信号からも動きを検出するよう
にしてもよいことは言うまでもない。

【００２６】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
によれば、オフセットサブサンプリングによって帯域圧
縮された高品位テレビ信号を復元するためにフィールド
内の標本点から非標本点を内挿する内挿手段と、内挿処
理された信号を記憶するために縦続接続された第１およ
び第２のフィールドメモリと、２つのフィールドメモリ
の入出力から隣接する３フィールド間の信号の中間値信
号を抽出する中間値選択手段と、第１のフィールドメモ
リの出力と中間値選択手段の出力との平均をとる第１の
加算器と、第１のフィールドメモリの入力と第２のフィ
ールドメモリの出力からフレーム間の平均をとる第２の
加算器と、２つのフィールドメモリの入出力からフィー
ルド差分とフレーム差分を検出し差分の大きさに応じて
切り換え信号を出力する相関判別手段と、相関判別回路
の出力によって第１の加算器の出力と第２の加算器の出
力を切り換える信号切り換え器と、第１のフィールドメ
モリの入力と第２のフィールドメモリの出力から画像の
動きを検出する動き検出手段と、検出された動きに応じ
て信号切り換え器の出力と内挿手段の出力を混合する混
合器を設けてあるので、動画像においても画質劣化が生
じることなくフィールド間オフセットサブサンプリング
に起因する折り返し歪のみならず、視覚上目立つフレー
ム間オフセットサブサンプリングに起因する折り返し歪
も除去する映像信号処理装置を提供できる。

【００２７】また、オフセットサブサンプリングによっ
て帯域圧縮された高品位テレビ信号を入力し、入力され
たテレビ信号を記憶するための縦続接続された第１およ
び第２のフィールドメモリと、２つのフィールドメモリ
の入出力からサブサンプリングされた信号を復元するた
めにフィールド内の標本点から非標本点を内挿する第
１、第２および第３の内挿手段と、３つの内挿手段の出
力から隣接する３フィールド間の信号の中間値信号を抽
出する中間値選択手段と、第２の内挿手段の出力と中間
値選択手段の出力との平均をとる第１の加算器と、第１
の内挿手段の出力と第３の内挿手段の出力からフレーム
間の平均をとる第２の加算器と、３つの内挿手段の出力
からフィールド差分とフレーム差分を検出し、差分の大
きさに応じて切り換え信号を出力する相関判別手段と、
相関判別手段の出力によって第１の加算器の出力と第２
の加算器の出力を切り換える信号切り換え器と、第１の
内挿手段の出力と第３の内挿手段の出力から、または第
１のフィールドメモリの入力と第２のフィールドメモリ
の出力から画像の動きを検出する動き検出手段と、検出
された動きに応じて信号切り換え器の出力と第１の内挿
手段の出力を混合する混合器を設けてあるので、動画像
においても画質が劣化せず、そしてフレーム間およびフ
ィールド間オフセットサブサンプリングに起因する折り
返し歪も除去することができるとともにメモリ容量を削
減することができる映像信号処理装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における映像信号処理装
置のブロック図

【図２】同実施例におけるフィールドとフレーム間の折
り返し歪の状況を検出する回路の細部ブロック図

【図３】同実施例における折り返し歪を判別する動作を
説明するための特性図

【図４】本発明第２の実施例における映像信号処理装置
のブロック図

【図５】ＭＵＳＥ方式のオフセットサブサンプリングに
よる帯域圧縮方法を説明するための原理図

【図６】従来の映像信号処理装置のブロック図

【図７】フィールド内内挿処理におけるＭＵＳＥ方式の
オフセットサブサンプリングに起因する折り返し歪の発
生を説明するための周波数特性図

【図８】従来および本発明の映像信号処理装置における
中間値選択回路のブロック図

【図９】従来および本発明の映像信号処理装置おけるフ
ィールド間の折り返し歪を除去する動作を説明するため
の模式図

【符号の説明】

１２，３４，３５，３６ フィールド内内挿回路 １３，１４，３２，３３ フィールドメモリ １５，３７ 中間値選択回路 １６，１７，３８，３９ 加算器 １８，４０ フィールド差分検出回路 １９，４１ フレーム差分検出回路 ２０，４２ 相関判別回路 ２１，４３ 信号切り換え器 ２２，４４ 動き検出回路 ２３，４５ 混合器

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】オフセットサブサンプリングによって帯域
   圧縮された高品位テレビ信号を入力し、サブサンプリン
   グされた信号を復元するためにフィールド内の標本点か
   ら非標本点を内挿する内挿手段と、前記内挿処理された
   信号を記憶するために縦続接続された第１および第２の
   フィールドメモリと、前記第１と第２のフィールドメモ
   リの入出力から隣接する３フィールド間の信号の中間値
   信号を抽出する中間値選択手段と、前記第１のフィール
   ドメモリの出力と前記中間値選択手段の出力との平均を
   とる第１の加算器と、第１のフィールドメモリの入力と
   第２のフィールドメモリの出力からフレーム間の平均を
   とる第２の加算器と、前記第１と第２のフィールドメモ
   リの入出力からフィールド差分とフレーム差分を検出し
   差分の大きさに応じて切り換え信号を出力する相関判別
   手段と、前記相関判別手段の出力によって前記第１の加
   算器の出力と前記第２の加算器の出力を切り換える信号
   切り換え器を備えた映像信号処理装置。
2. 【請求項２】第１のフィールドメモリの入力と前記第２
   のフィールドメモリの出力から画像の動きを検出する動
   き検出手段と、検出された動きに応じて前記信号切り換
   え器の出力と前記内挿手段の出力を混合する混合器を備
   えた請求項１記載の映像信号処理装置。
3. 【請求項３】オフセットサブサンプリングによって帯域
   圧縮された高品位テレビ信号を入力し、入力されたテレ
   ビ信号を記憶するための縦続接続された第１および第２
   のフィールドメモリと、前記第１と第２のフィールドメ
   モリの入出力からサブサンプリングされた信号を復元す
   るためにフィールド内の標本点から非標本点を内挿する
   第１、第２および第３の内挿手段と、前記第１、第２お
   よび第３の内挿手段の出力から隣接する３フィールド間
   の信号の中間値信号を抽出する中間値選択手段と、前記
   第２の内挿手段の出力と前記中間値選択手段の出力との
   平均をとる第１の加算器と、前記第１の内挿手段の出力
   と前記第３の内挿手段の出力からフレーム間の平均をと
   る第２の加算器と、前記第１、第２および第３の内挿手
   段の出力からフィールド差分とフレーム差分を検出し差
   分の大きさに応じて切り換え信号を出力する相関判別手
   段と、前記相関判別手段の出力によって前記第１の加算
   器の出力と前記第２の加算器の出力を切り換える信号切
   り換え器を備えた映像信号処理装置。
4. 【請求項４】第１の内挿手段の出力と前記第３の内挿手
   段の出力から画像の動きを検出する動き検出手段と、検
   出された動きに応じて前記信号切り換え器の出力と前記
   第１の内挿手段の出力を混合する混合器を備えた請求項
   ３記載の映像信号処理装置。
5. 【請求項５】第１のフィールドメモリの入力と前記第２
   のフィールドメモリの出力から画像の動きを検出する動
   き検出回路と、検出された動きに応じて信号切り換え器
   の出力と前記第１の内挿手段の出力を混合する混合器を
   備えた請求項３記載の映像信号処理装置。