JPH08173755A - 排煙脱硫排水中のフッ素の除去方法 - Google Patents

排煙脱硫排水中のフッ素の除去方法

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JPH08173755A
JPH08173755A JP6322446A JP32244694A JPH08173755A JP H08173755 A JPH08173755 A JP H08173755A JP 6322446 A JP6322446 A JP 6322446A JP 32244694 A JP32244694 A JP 32244694A JP H08173755 A JPH08173755 A JP H08173755A
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flue gas
solid
gas desulfurization
discharged
fluorine
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JP6322446A
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Tetsuya Ito
哲也 伊藤
Hideki Kamiyoshi
秀起 神吉
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石灰−石膏法による湿式排煙脱硫処理工程か
ら排出される排水中のフッ素の除去方法に関する。 【構成】 アルカリ吸収液を用いた燃焼排ガスの湿式排
煙脱硫処理装置から排出する排水中のフッ素の処理方法
において、該排水にアルカリ剤を添加してフッ素錯化合
物を含有する固形物を析出させたのち固液分離し、分離
した水は系外へ排出し、該固形物は前記脱硫装置に返送
して吸収剤として再利用することを特徴とする排煙脱硫
排水中のフッ素の除去方法。 【効果】 排煙脱硫装置の排水中のフッ素及び重金属等
の濃度を従来方法と同じか又はそれ以下に維持したま
ま、排水処理工程において発生する汚泥を、排煙脱硫装
置へ返送することが可能となり、排ガスの吸収剤として
再利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃焼排ガス中の酸化硫黄
ガスを石灰−石膏法による湿式排煙脱硫処理するときに
排出される排水を、無害化処理する方法に関し、特に燃
焼排ガスの冷却工程と吸収工程とが一体となったスート
混合型の脱硫装置から排出される排水中のフッ素の除去
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭などを燃料とする燃焼排ガスは石灰
−石膏法などによる脱硫装置で処理されて、フッ素を含
む排水が排出される。フッ素を含む排水の処理方法とし
て、フッ素イオンに対し2〜3倍当量のカルシウムイオ
ンを添加してフッ化カルシウムとして除去する方法が一
般的である。しかし、この方法では、処理水中のフッ素
濃度が高く、全国一律の規制基準(15mg/リットル
以下)を達成することが困難である。
【0003】この処理方法を改良して、図4に示す2段
凝集沈殿法が一般に知られている。以下、この方法につ
いて説明する。燃焼排ガス10aは排煙脱硫装置1にて
冷却、除塵並びに硫黄酸化物を吸収除去された後、清浄
ガス10bとして放出される。なお図中11は硫黄酸化
物の吸収剤として供給される石灰石スラリである。排煙
脱硫装置1からは燃料成分に起因するフッ素化合物を含
む脱硫排水31と冷却吸収工程スラリ12が排出され
る。この脱硫排水31を溶解槽21に導入し、酸32を
添加してpH4以下にし、排水中の酸溶解成分及び後の
第2沈殿槽から返送される沈殿物42を溶解する(溶解
槽21の作用については後述する)。
【0004】この溶解液33を第1pH調整槽22に導
入し、消石灰34を添加してpH8〜9に調整すること
により、重金属の水酸化物、石膏及びフッ化カルシウム
を含有する沈殿物を生成させる。次いで、この反応液3
5に高分子凝集剤36を添加して、沈殿物を沈降しやす
くしたのち、第1沈殿槽23で重力沈降による固液分離
をする。その上澄液38は第2pH調整槽25に流入さ
せる一方、沈殿物37は脱水機24で脱水する。脱水ろ
液37bは第2pH調整槽25に導入し、脱水ケーキ3
7aは系外へ排出する。
【0005】第2pH調整槽25では、第1沈殿槽23
で固液分離した上澄液38を主とする液にアルカリ剤3
9を添加し、pH10以上に調整する。アルカリ剤39
としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどが使用できるが、運転費など
の面から、好ましくは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ムを使用する。 水酸化ナトリウムを添加した場合は水
酸化マグネシウムの沈殿物が生じ、炭酸ナトリウムを添
加した場合は炭酸カルシウムの沈殿物が生じる。第2p
H調整槽の反応液40中の大部分のフッ素イオンは、こ
れらの沈殿物と錯塩を形成している。なおマグネシウム
化合物は前記排ガス成分に由来するもので、通常マグネ
シウムイオンとして500〜1,000mg/リットル
程度含有する場合が多い。
【0006】第2PH調整槽25の反応液40には高分
子凝集剤36を添加して、沈殿物を沈降しやすくしたの
ち、第2沈殿槽26で重力沈降による固液分離をし、処
理水41は必要に応じて酸により中和処理をした後、系
外へ排出する。沈殿物42は前記溶解槽21に返送し、
新たな脱硫排水31と共に溶解槽21に入る。
【0007】溶解槽21では、沈殿物42及び新たな脱
硫排水31に酸32を添加し、再びpH4以下にして酸
可溶成分、例えば水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム
などを溶解させる。このとき、これらの沈殿物と錯塩を
形成していたフッ素イオンは、沈殿物の溶解に伴い液中
に再溶解する。さらに、この溶解液33は第1pH調整
槽22に流入させ、消石灰34を添加してpH8〜9に
調整することにより、再溶解した液中のフッ素化合物が
溶離したカルシウムイオンと反応してフッ化カルシウム
の沈殿となり、第1沈殿槽23で固液分離して排出す
る。以下第2pH調整槽25以降の工程は、前記と同様
である。なお、冷却吸収工程スラリ12は脱水機2で脱
水されて脱水ケーキ12aとして系外へ排出され、脱水
ろ液12bは別途処理するか排煙脱硫装置1の補給水の
1部などに利用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記の従来の処
理方法には次のような問題点かあった。 (1)排煙脱硫装置で発生する脱硫石膏(図4の12
a)以外に、前記の凝集沈殿による汚泥が大量に発生す
る。脱硫石膏は高純度であるため、回収石膏としてセメ
ントや石膏ボードなどの工業原料として利用できるが、
凝集沈殿汚泥(図4の37a)は石膏以外に水酸化マグ
ネシウム,フッ化カルシウム及びその他の重金属水酸化
物などの不純物を多く含むため、通常廃棄物として扱わ
れている。したがって凝集沈殿汚泥をできるだけ減らす
ことによって、脱硫石膏の回収率が向上するが、前記従
来法ではそれを実現することはできない
【0009】(2)排煙脱硫装置で発生する脱硫石膏
(図4の12a)の脱水処理装置以外に、凝集沈殿汚泥
(図4の37a)のための脱水処理装置が必要であり、
設備費と運転費が高くなるだけでなく、運転管理に要す
る負担がさらに増大する。 (3)フッ素を除去するために多数の処理工程が必要
で、設備費と薬品などの運転費が高くなるうえ運転管理
が複雑となる。 (4)多量の消石灰を使用するため、装置のスケーリン
グの問題が常につきまとう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記従来法にお
ける問題点を解消するために完成されたものである。す
なわち、石灰石あるいは消石灰スラリ等のアルカリ吸収
液を用いた燃焼排ガスの湿式排煙脱硫処理装置から排出
する排水中のフッ素の処理方法において、該排水にアル
カリ剤を添加してフッ素錯化合物を含有する固形物を析
出させたのち固液分離し、分離した水は系外へ排出し、
該固形物は前記脱硫装置に返送して吸収剤として再利用
することを特徴とする排煙脱硫排水中のフッ素の除去方
法である。本発明の好ましい態様として、前記固液分離
の方法が中空糸膜またはセラミック膜によりろ過する方
法である前記排煙脱硫排水中のフッ素の除去方法があ
る。
【0011】本発明の一実施例であるスート混合方式脱
硫排水の処理方法を図1に示し、以下にさらに詳述す
る。石炭などの燃焼排ガス10aは排煙脱硫装置1の冷
却吸収工程(図示せず)で冷却、除塵並びに硫黄酸化物
等を吸収、除去した後、清浄ガス10bとして放出され
る。なお図中11は吸収剤として供給される石灰石スラ
リである。その際、排煙脱硫装置1から燃料成分に起因
するばい塵、重金属、硫黄酸化物のカルシウム塩等のほ
かに、フッ素化合物を含有する中性付近の冷却吸収工程
排水13が放出される。この冷却吸収工程排水13をp
H調整槽3に導入し、アルカリ剤14を添加してpH9
以上、好ましくはpH10.5〜12に調整する。アル
カリ剤14としては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどが適用できる
が、コストなどから水酸化ナトリウムあるいは炭酸ナト
リウムが好ましい。
【0012】該pH領域において、冷却吸収工程排水1
3中の共存成分から不溶物質が析出するが、その物質の
主成分は次式に示すようにアルカリ剤14の種類によっ
て異なる。
【化1】・水酸化ナトリウムを使用した場合: 2 Mg2++ 2 F- + 2 NaOH → Mg(OH)2 *- MgF2+ 2 Na + (1)
【化2】・炭酸ナトリウムを使用した場合: 2 Ca2++ 2 F- + Na2CO3 → CaCO3 * - CaF2+ 2 Na + (2)
【0013】上記反応式において、析出した水酸化マグ
ネシウム〔Mg(OH)2 * 〕または炭酸カルシウム
〔CaCO3 * 〕の表面は何れも活性化しており、液中
のフッ化カルシウム〔CaF2 〕は、それぞれの表面で
フッ素錯化合物〔Mg(OH) 2 * −MgF2 ↓、Ca
CO3 * −CaF2 ↓〕を形成して不溶化し、その結果
液中の濃度が減少する。なお、予め析出させた水酸化マ
グネシウムまたは炭酸カルシウムの固形粉末を添加して
も前記(1)〜(2)式のようなフッ素錯化合物はほと
んど生成されないか、されても極めて少ない。pH調整
槽3の反応液15は次に固液分離装置4で固液分離し、
処理水16は必要に応じて酸を加え、中和処理をした後
系外へ排出する(図示せず)。一方、固形物スラリ17
は排煙脱硫装置1に返送する。この固液分離装置4の方
法として、反応液15の固形物濃度が高く(約10重量
%以上)アルカリ性沈殿物を脱硫装置で再利用するため
には、中空糸膜またはセラミック膜による固液分離が適
している。
【0014】中空糸膜の材料としては、例えばポリエチ
レン、ポリスルフォン、ポリアクリルなどがあり、ま
た、セラミック膜の材料の例としてはムライト、シリコ
ンカーバイト、ケイ酸塩類、無灰純粋炭素などがあげら
れる。
【0015】中空糸膜による固液分離装置4aの概略構
造の一例を図2に示し、さらに詳述する。図2において
反応液15が固液分離装置4aに供給される。固液分離
装置4aには中空糸膜6が配備され、ろ過ポンプ5で中
空糸膜6を吸引して透過液16a(処理水16)とな
る。中空糸膜6は直径300μmのポリエチレン製の繊
維状の中空糸(細孔径0.1μm)を束ねたもので、高
い固形物濃度の排水に直接浸漬して吸引(減圧)ろ過
し、その透過液の固形物濃度を0.2mg/リットル以
下にすることができる。中空糸膜6の下部には散気装置
7を設けて、常時空気18などの気体を噴出させること
により中空糸膜6を振動させるとともに、反応液15の
混合を行う。これによって中空糸膜6の固形物の付着蓄
積が防止できる。空気18の流量は固形物濃度によって
変わるが、固液分離装置4aの横断面積1m2 に対して
0.02m3 /min以上であればよい。この中空糸膜
6によってろ過が阻止された析出物は固液分離装置4a
内で濃縮され、固形物スラリ17として排煙脱硫装置1
に返送される。なお、この中空糸膜6は、ろ過を継続し
ても、ろ過差圧の上昇は比較的少なく、長時間逆洗は不
要である。逆洗を行う場合は、処理水16でろ過と逆方
向に加圧水を供給して、中空糸膜6の細孔を閉塞させた
粒子を除去すればよい。
【0016】またセラミック膜による固液分離装置4b
の概略構造の一例を図3に詳述する。図3において反応
液15がろ過ポンプ5で固液分離装置4bに定流量で供
給される。固液分離装置4bには複数のセラミック膜8
が配備されており、反応液15はろ過ポンプ5によって
加圧され、セラミック膜8でろ過され、透過液16aを
得て処理水16となる。一方、固形物が濃縮された液は
固形物スラリ17として排煙脱硫装置1に戻される。セ
ラミック膜8は外径30mmの円筒形セラミック(細孔
径は0.2μm)で、高い固形物濃度の排水を直接加圧
ろ過することができ、その透過液の固形物濃度を0.4
mg/リットル以下にすることができる。排水のろ過を
継続すると、セラミック膜8のろ過差圧が上昇する。そ
のため圧縮空気18aで、ろ過と逆方向に短時間加圧し
てろ過液を逆流させ、その際生じた逆洗スラリ17aは
固形物スラリ17とともに排煙脱硫装置1に戻される。
この逆洗操作は間欠的に行えばよい。
【0017】排煙脱硫装置1に返送された固形物スラリ
17は同装置内の冷却・吸収工程(図示せず)液と混合
される。排煙脱硫装置1の冷却・吸収工程(図示せず)
では、次式のように排ガス10a中の酸化硫黄ガスの吸
収・酸化反応が進行し、石膏が生成される。その際冷却
・吸収工程(図示せず)の液は中性付近に保たれてい
る。
【化3】 SO2 + H2O → H+ + HSO3 - (3) H ++ HSO3 - + 1/2 O2 → H2SO4 (4) H2SO4 + CaCO 3 + H2O → CaSO4・2H2O↓+ CO2↑ (5)
【0018】固形物スラリ17中のフッ素の錯化合物が
水酸化マグネシウム・フッ素錯化合物の場合、これらの
反応に並行して、水酸化マグネシウムが溶解し、過剰に
存在するカルシウムイオンとフッ素イオンが次式のよう
に反応して、フッ化カルシウムが生成される。
【化4】 Mg(OH)2 * −MgF2+ Ca2+ + 2H + → 2Mg2++ CaF2 ↓+ 2H2O (6)
【0019】また固形物スラリ17中のフッ素の錯化合
物が炭酸カルシウム・フッ素錯化合物の場合、前記
(3)〜(5)式の反応と並行して、次式によりフッ化
カルシウムが生成される。
【化5】 CaCO3 * −CaF2+H2SO 4+H2O → CaSO 4・2H2O↓+CaF2↓+ CO2↑ (5)
【0020】こうして排煙脱硫装置1から排出された冷
却吸収工程スラリ12は脱水機2で脱水されて、脱水ケ
ーキ12aとして系外へ排出するとともに、脱水ろ液1
2bは排煙脱硫装置1の補給水(図示せず)の一部とし
て利用する。以下、冷却吸収工程排水13はpH調整槽
3へ導入し、前記と同様に処理し排ガス成分に起因する
マグネシウム化合物を循環利用し、残存するフッ素化合
物を再び捕捉して排煙脱硫装置1に戻し、フッ化カルシ
ウムに変換して除去する。
【0021】
【作用】
(1)活性化した水酸化マグネシウムまたは炭酸カルシ
ウムを形成させることにより、それらとのフッ素錯化合
物が生成され、フッ化カルシウムのみを生成させた場合
に比べて、溶解性のフッ素イオンが大幅に低下する。 (2)アルカリ剤14として水酸化ナトリウムを使用し
た場合は水酸化マグネシウムを、炭酸ナトリウムを使用
した場合は炭酸カルシウムを含む固形物スラリ17が得
られるがこのスラリは、pHが何れも9以上のアルカリ
性であり、排煙脱硫装置1の冷却・吸収工程において、
吸収剤として再使用することができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
さらに具体的に説明する。 (実施例1)石炭を燃料とするボイラからの排ガスを、
図1及び図2に示すプロセスによって処理し、本発明の
排煙脱硫方法の試験を行った。このときの排ガス及び排
煙脱硫排水の水質を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】前記排煙脱硫排水に、アルカリ剤として水
酸化ナトリウムを添加し、pHを9、10、11、12
の四段階に調整した液を、ポリエチレン中空糸膜(三菱
レーヨン製、細孔径0.1μm)でろ過速度30リット
ル/m2 ・hの連続吸引ろ過をした。その間の散気用の
空気量は、装置断面積1m2 に対して0.02m3 /m
inを供給した。何れのpHにおいても、ろ過差圧は、
ろ過開始14日後でも当初の8kPaと変わらなかっ
た。この透過液(処理水)の水質を表2に示す。また何
れのpHのときも、清浄ガスSO2 濃度は30ppm、
脱硫率は91%であった。また脱水ケーキ(副生石膏)
の固形物量は、約5t/h(乾物ベース)であり、その
組成は大略2水石膏(CaSO4 ・2H2 O)が96.
5%、フッ化カルシウム(CaF2 )が1%、その他
2.5%であった。
【0025】
【表2】
【0026】(実施例2)実施例1に示す表1の排煙脱
硫排水に、アルカリ剤として炭酸ナトリウム500、1
000、1500mg/リットルとなるように添加し
て、実施例1と同様の条件で、中空糸膜による連続吸引
ろ過をした。何れの炭酸ナトリウム注入濃度において
も、ろ過差圧は、ろ過開始20日後で当初の8kPaと
変わらなかった。この透過液(処理水)の水質を表3に
示す。何れのpHのときも、清浄ガスSO2 濃度は30
ppm、脱硫率は91%で、脱水ケーキ(副生石膏)の
固形物量は、約5t/h(乾物ベース)であり、その組
成は大略2水石膏(CaSO4 ・2H2 O)が96.5
%、フッ化カルシウム(CaF2 )が1%、その他2.
5%であった。
【0027】
【表3】
【0028】(実施例3)実施例1と同様に、アルカリ
剤として水酸化ナトリウムを添加し、pHを9、10、
11、12の4段階に調整した液を、図3に示すチュー
ブラ型セラミック膜(日本碍子製、細孔径0.1μm)
を用いて、ろ過速度0.5m3 /m2 ・hの定流量加圧
ろ過をした。ろ過差圧が一定となるように、5分毎に一
回、1秒間逆洗を行った。逆洗圧力は2kg/cm2
した。その結果、ろ過差圧は、ろ過開始20日後でも当
初の0.4kg/cm2 と変わらなかった。このときの
透過液(処理水)水質は表2と同じ結果が得られ、排煙
脱硫装置の脱硫率は実施例1と同じ結果が得られた。ま
た脱水ケーキ(副生石膏)の固形物量も実施例1とまっ
たく同じ結果が得られた。
【0029】(実施例4)実施例2と同様に、アルカリ
剤として炭酸ナトリウム500、1000、1500m
g/リットルとなるように添加して、実施例3と同じ運
転条件で、セラミック膜を用いた定流量加圧ろ過をし
た。ろ過速度、逆洗頻度及び逆洗圧力も実施例3と同様
にした。このときの透過液(処理水)の水質は表3と同
じ結果が得られ、排煙脱硫装置の脱硫率はともに実施例
2と同じ結果が得られた。また脱水ケーキ(副生石膏)
の生成量も実施例2と同じ結果が得られた。
【0030】(比較例1)実施例1と同じ石炭を燃料と
するボイラからの排ガスを、図4に示す従来方法によっ
て脱硫試験を行った。このときのボイラ排ガス及び排煙
脱硫排水の水質は、表1と同じであった。この排水を、
酸32として塩酸を添加して、溶解槽21のpHを3、
第1pH調整槽のpHを消石灰34で9とし、アルカリ
剤39として水酸化ナトリウムを添加して、第2pH調
整槽のpHを11に設定して処理した。このときの処理
水水質はpH11.0、SS20mg/リットル、溶解
性F10mg/リットルであった。また清浄ガスSO2
濃度は30ppm、脱硫率は91%で、脱硫装置石膏と
凝集沈殿汚泥の脱水ケーキ37aの合計量は約5t/h
(乾物ベース)であった。
【0031】(比較例2)アルカリ剤39として炭酸ナ
トリウムを1500mg/リットル添加して、比較例1
と同様に処理試験を行った。このときの処理水水質はp
H10.0、SS20mg/リットル、溶解性F10m
g/リットルであった。また清浄ガスSO2 濃度は30
ppm、脱硫率は91%で、脱硫装置石膏と凝集沈殿汚
泥の脱水ケーキ37aの合計量は、約5t/h(乾物ベ
ース)であった。
【0032】
【発明の効果】
(1)排水処理工程では、生成するフッ化カルシウム、
水酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムの凝集沈殿汚泥
を沈降しやすくするために、高分子凝集剤を添加しなけ
ればならない。高分子凝集剤は、排煙脱硫装置での吸収
剤の脱硫性能を悪化させる恐れがあるため、従来方法で
は、それを含む沈殿物またはその上澄水を、脱硫装置で
の吸収剤と混合することを避けなければならなかった。
本発明によれば、中空糸やセラミック膜を用いた固液分
離装置によりろ過するため、固形物を粗大化する必要性
が小さいので前記汚泥を沈殿させるための、高分子凝集
剤を添加する必要がないため、排煙脱硫装置の脱硫率を
低下させずに、前記析出物またはその上澄水を脱硫装置
での吸収剤と混合することが始めて可能となった。
【0033】(2)排水処理工程において発生する汚泥
を、排煙脱硫装置へ返送することが可能となることによ
って、排ガスの吸収剤として再利用することができるよ
うになる。そのため排水処理工程の汚泥処理が不要とな
り、設備費及び薬品費を節減することができる。また排
水処理工程が簡素となり、運転管理が極めて容易とな
る。(3)本発明では、排煙脱硫装置の排水のフッ素及
び重金属等の濃度は、従来方法と同じまたはそれ以下の
水質レベルが得られるため、必要ならばpH調整をして
直接放流することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排煙脱硫排水処理の工程説明図。
【図2】本発明の実施例1及び実施例2に係わる中空糸
膜による固液分離装置。
【図3】本発明の実施例3及び実施例4に係わるセラミ
ック膜による固液分離装置。
【図4】従来の技術に係る排煙脱硫排水処理の工程説明
図を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/58 CDG ZAB M B01D 53/34 125 R

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼排ガス中の酸化硫黄をアルカリ吸収
    液により吸収、分離する湿式排煙脱硫処理装置から排出
    される排水中のフッ素処理方法において、該排水にアル
    カリ剤を添加してフッ素錯化合物を含有する固形物を析
    出させたのち固液分離し、分離した水は系外へ排出し、
    該固形物は前記脱硫装置に返送して吸収剤として再利用
    することを特徴とする排煙脱硫排水中のフッ素の除去方
    法。
  2. 【請求項2】 固液分離が中空糸膜でろ過する方法であ
    る請求項1に記載の排煙脱硫排水中のフッ素の除去方
    法。
  3. 【請求項3】 固液分離がセラミック膜でろ過する方法
    である請求項1に記載の排煙脱硫排水中のフッ素の除去
    方法。
JP6322446A 1994-12-26 1994-12-26 排煙脱硫排水中のフッ素の除去方法 Pending JPH08173755A (ja)

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