JPH08172234A - 光伝送装置およびその変調方式 - Google Patents

光伝送装置およびその変調方式

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JPH08172234A
JPH08172234A JP6334064A JP33406494A JPH08172234A JP H08172234 A JPH08172234 A JP H08172234A JP 6334064 A JP6334064 A JP 6334064A JP 33406494 A JP33406494 A JP 33406494A JP H08172234 A JPH08172234 A JP H08172234A
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polarization
wavelength
polarized
semiconductor laser
optical transmission
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JP6334064A
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Tamayo Hiroki
珠代 広木
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】2つの偏波の間で安定に変調できる光伝送装置
及びその変調方式である。 【構成】複数の電気的に分離された領域24、25を有
する分布帰還型半導体レーザである。1ラウンドトリッ
プのTE偏波の光の位相とTM偏波の光の位相との差が
存在する(好適には、πとなる)ように構成する。複数
の領域24、25への注入電流を制御することにより、
発振する偏波の方向をTE偏波とTM偏波間で変調し、
偏光子を透過させることにより、AM変調された信号を
送り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光LANシステムなど
の光通信システム等に用いられる半導体レーザ、光伝送
装置、その変調方式等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10に従来例を示す(特開昭62−4
2593号)。この従来例は、n−InP基板111上
に、n−InGaAsPガイド層119、InGaAs
P活性層120、p−InPクラッド層121、p−I
nGaAsPコンタクト層122が形成されたストライ
プ状のメサ構造を有し、これをp−InP112、n−
InP113、n−InGaAsP114で埋め込んで
いる。ガイド層119に沿って形成されるコラゲーショ
ンの深さDは50〜150nm、ピッチは400nmで
ある。また、共振器長LLは400μmである。そし
て、端面には反射を無くすためにAl23のコーティン
グ118が施してある。
【0003】これらの、DFBレーザでは、利得の大き
さがTE、TM双方に同程度となるようにすることによ
り、TEモード、TMモードのどちらでも発振すること
が可能であり、注入電流を変えると発振モードがTEモ
ード、TMモード間で変化する。この様なレーザを用
い、バイアス電流を、TEモードからTMモードに移る
直前に設定することにより、わずかな変調電流でTEモ
ード、TMモードの変調が可能となる。この変調された
光を、TE波或はTM波のみを選択するような検光子を
通して外部へ取り出すようにすることにより、高速かつ
消光比の高い変調が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、従
来例で用いられているような通常のDFBレーザでは、
TEおよびTM偏波に対する有効屈折率、内部利得、ブ
ラッグ波長などの違いにより、両者の特性が異なり、そ
の振舞が不安定で複雑なものとなり、TE/TM変調可
能な素子の歩留りが悪かった。また、変調を行なう場合
のバイアス点を探すのが難しい、波長可変光源として用
いる場合にモードの跳びが複雑になるために波長制御が
難しいなどの問題点があった。
【0005】本発明の目的は、これらの問題点を解決し
た半導体レーザ、光伝送装置、その変調方式、この変調
方式を用いた光通信方式を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の電気的
に分離された領域を有する分布帰還型半導体レーザにお
いて、1ラウンドトリップのTE偏波の光の位相とTM
偏波の光の位相との差が存在する(好適には、πとな
る)ように構成し、さらに、複数の領域への注入電流を
制御することにより、発振する偏波の方向をTE偏波と
TM偏波間で変調し、偏光子を透過させることにより、
AM変調された信号を送り出す。
【0007】詳細には、本発明の光伝送装置ないし半導
体レーザは、複数の電気的に分離された領域を有する分
布帰還型半導体レーザにおいて、該分布帰還型半導体レ
ーザ中でのTE偏波に対するブラッグ波長近傍のTE偏
波の位相変化量とTM偏波に対するブラッグ波長近傍の
TM偏波の位相変化量との間に差が存在する(例えば、
π付近)ことを特徴とする。
【0008】次のような構成にしてもよい。半導体レー
ザの電気的に分離された複数の領域のうち、少なくとも
1つの領域が、活性層を有さず位相のみを制御する位相
制御領域である。該位相制御領域でのTE偏波の位相変
化量とTM偏波の位相変化量の差がπ付近である。該活
性領域のTE偏波に対するブラッグ波長近傍におけるT
E偏波に対する有効屈折率n1TE、TM偏波に対するブ
ラッグ波長近傍におけるTM偏波に対する有効屈折率n
1TM、および、該位相制御領域のTE偏波に対するブラ
ッグ波長におけるTE偏波に対する有効屈折率n2TE
TM偏波に対するブラッグ波長におけるTM偏波に対す
る有効屈折率n2TMが、回折格子のピッチΛ、位相制御
領域長Lを用いて、 n2TE/n1TE−n2TM/n1TM〜Λ/2L の関係で表される。また、該半導体レーザの活性層がバ
ルク、或は面内の引っ張り歪を持つ歪量子井戸で構成さ
れる。
【0009】また、本発明の光伝送装置の変調方式は、
上記光伝送装置が、複数の領域への注入電流を制御する
ことにより、出力光の偏波の方向をTE偏波とTM偏波
の間で変調し、該出力光の2偏波のうち1偏波のみを選
択して取り出すことにより、AM変調された信号を送り
出すことを特徴とする。
【0010】また、本発明の光通信方式は、上記変調方
式において、該2つの偏波のうち送出する偏波の波長を
可変にし、該2つの偏波間でスイッチングを行なうよう
注入電流を変調し、受信側で波長フィルタを用いて任意
の波長の信号を検出することを特徴とする。この光通信
方式において、該光伝送装置と該波長フィルタを複数用
いて波長多重光通信を行なうこともできる。
【0011】
【実施例1】図1に本発明の実施例1の素子の構成を示
す。まず、素子の作製方法について記述する。n−In
P基板30の活性領域25にピッチ245nmの回折格
子21を作製し、その上にn−InGaAsPガイド層
31、φ−InGaAsP活性層32、p−InGaA
sPバッファ層13、p−InPクラッド層14、p−
InGaAsPコンタクト層17を順次積層する。その
後、位相制御領域24の活性層32までの層をエッチン
グし、その上にp−InGaAsP層13、p−InP
層14を積層する。その後、幅2μmのメサ・ストライ
プを残して、基板30の上までエッチングし、その周囲
をn−InP層、p−InP層で埋め込む。各領域2
4、25は、独立に電流制御できるように、電気的に分
離する。これらの上にp型電極19を設け、裏面にn型
電極20を設ける。活性領域25は300μm、位相制
御領域24は300μmとした。端面はARコーティン
グを施し、反射率は1%以下とした。
【0012】次に、素子の動作を説明する。図2に本実
施例のDFB−LDのΔβL(βは伝搬定数)とgth
(ディメンションの関係でLをかけている)の関係を示
す。ただし、 TE偏波の場合、Δβ=βTE−βBTE TM偏波の場合、Δβ=βTM−βBTM (サフィックスTE、TM、Bは夫々TE偏波、TM偏
波 ブラッグ波長でのものであることを表す)とし、同
一グラフ上にプロットした。従って、TE偏波の場合と
TM偏波の場合で原点での波長は異なる。見やすくする
為にこの様に示した。位相制御領域24での位相の変化
量が異なると、発振モードのΔβと利得係数gthLが異
なる。大まかには、図2の曲線上を位相差により移動す
る。位相制御領域24でのブラッグ波長近傍での位相変
化量φは、 φ=2βL =2π(n2/n1)L/Λ (1) β:ブラッグ波長(2n1Λ)での伝搬定数 L:位相制御領域長 n1:活性領域の有効屈折率 n2:位相制御領域の有
効屈折率 Λ:回折格子のピッチ で表される。本実施例では、TE偏波とTM偏波の各ブ
ラッグ波長近傍での位相変化量の差(φTE−φTM)がπ
となるようにしたので、図2に示す如く、隣接するTE
偏波の発振モード間隔のほぼ中央にTM偏波の発振モー
ドが位置することになる。
【0013】次に、位相制御領域24におけるTE偏波
とTM偏波の各ブラッグ波長近傍での位相変化量の差を
πとするための具体的な手段について述べる。 φTE−φTM=π (2) (1)、(2)式から、 n2TE/n1TE−n2TM/n1TM=Λ/2L (3) 本実施例では、TM偏波に対する有効屈折率は活性領域
25と位相制御領域24とで等しくなるように設計した
(即ち、n2TM/n1TM=1)。従って、TE偏波に対し
ては、 n2TE−n1TE〜1.39×10-3 とすることにより、(2)式を満たすことになる。この
場合、図2に示したように、TM偏波の発振モードはT
E偏波の発振モード間隔のほぼ中央に位置する。
【0014】まず、TE偏波だけで考える。位相制御領
域24に電流を注入していくと、図2中の矢印の方向に
モードが移動する。まず、−1TEのモードが最低しき
い値利得となり、発振する。さらに注入電流を増加する
と、−1TEのモードのしきい値利得が増加し、−2T
Eのモードのしきい値利得が減少して、−2TEのモー
ドが最低しきい値利得となり、発振する。2つのモード
のしきい値利得が近づく付近では、最低しきい値利得が
増加する。
【0015】次に、TE偏波とTM偏波両方で考える。
位相制御領域24に電流を注入していくと、TE偏波の
−1TEのモードが最低しきい値となり、発振する。さ
らに、注入電流を増加すると、TE偏波の−1TEのモ
ードのしきい値利得が増加し、TE偏波の−2TEとT
M偏波の−2TMのモードのしきい値利得が減少する。
TM偏波の−2TMのモードが先に最低しきい値利得と
なり、次に、TE偏波の−2TEのモードが最低しきい
値利得となる。本実施例では、TM偏波の発振モードは
TE偏波の発振モード間隔のほぼ中央に位置するので、
TE偏波での最低しきい値利得が増加する付近で、TM
偏波のしきい値利得が最も小さくなる。
【0016】図3に、位相制御領域24に注入する電流
phaseと、しきい値利得gthLの関係を示す。Iphase
の増加により、TE偏波の発振領域とTM偏波の発振領
域とが周期的に現れることがわかる。また、一方の偏波
のモードが移り変わり、最低しきい値利得が上昇する付
近で、もう一方のしきい値利得が低下するので、雑音が
小さくなり、発振も安定する。また、TE、TM両偏波
で発振する歩留りが向上する。
【0017】図3に、本実施例のレーザを用いた変調方
法を示す。半導体レーザの位相制御領域24側の電極に
バイアス電流I1を注入し、変調電流ΔI=(I1’−I
1)を重畳することにより、出力光はTE偏波とTM偏
波で変調される。この出力光を偏光子を用いてTE偏波
のみ或はTM偏波のみを透過させることにより、パワー
が1、0の信号として取り出すことができる。
【0018】図4に、本実施例の半導体レーザとその変
調方式を用いた光通信システムの構成図を示す。図3の
ような特性を持つ半導体レーザ1に、図3の方法で変調
電流を注入し、TE偏波とTM偏波の間で変調する。こ
の光7を偏光子2を用いてTE偏波あるいはTM偏波の
みを透過させることにより、パワーが1、0の信号6と
する。偏光子2を透過した光6を、レンズ3を用いてフ
ァイバ4に結合させ、伝送した後、フォトダイオード5
で信号を検出する。
【0019】本実施例では、微小な電流で消光比の大き
い変調が得られる。従って、レーザ内のキャリア密度の
変動が少なくチャーピングが抑制され、スペクトルの広
がりを小さくすることができ、高速の変調を行なうこと
が可能となる。また、片方の偏波の隣接する2つのモー
ドの競合による発振の不安定さや雑音を抑えることがで
きる。
【0020】
【実施例2】図5に実施例2の素子を示す。本実施例の
素子は、3つの領域から構成される。中央の領域は位相
シフト制御領域24’であり、両端の領域は活性領域2
5である。位相シフト制御領域24’は活性層32およ
び回折格子21を有さない。
【0021】位相シフト制御領域24’での位相シフト
の存在により起こる現象を述べる。共振器の中央で考え
ると、均一な回折格子の場合、ブラッグ波長では、右方
向と左方向に進行する光の位相が合わず、ブラッグ波長
を挟んだ2つの波長で、右方向と左方向に進行する光の
位相が合って発振する。これらの2つの波長での反射
は、ブラッグ波長での反射に比べて弱いため、これら2
つの波長での発振のしきい値利得が上昇する。上記位相
シフトを調整することにより、発振波長をブラッグ波長
に近付け、しきい値利得を減少させることができる(図
2と図6のグラフの違いはこのことを反映している)。
【0022】素子の作製方法について記述する。n−I
nP基板30の活性領域25に回折格子21を作製し、
その上にn−InGaAsPガイド層31、φ−InG
aAsP活性層32、p−InGaAsPバッファ層1
3、p−InPクラッド層14、p−InGaAsPコ
ンタクト層17を順次積層する。その後、位相シフト制
御領域24’の活性層32までの層をエッチングし、そ
の上にp−InP14層を積層する。次に、幅2μmの
メサ・ストライプを残して、基板30の上までエッチン
グし、その周囲をn−InP層、p−InP層で埋め込
む。各領域24’、25は独立に電流制御できるよう
に、電気的に分離する。これらの上にp型電極19を設
け、裏面にn型電極20を設ける。活性領域25は各々
300μm、位相シフト制御領域24’は200μmと
した。端面はARコーティングを施し、反射率は1%以
下とした。
【0023】次に、素子の動作を説明する。図6に本実
施例のDFB−LDのΔβLとgthLの関係を示す。位
相シフト制御領域24’での位相の変化量が異なると、
発振モードのΔβLと利得係数gthLが異なる。大まか
には、図6の曲線上を位相差により移動する。本実施例
では実施例1と同様に n2TE−n1TE〜2.09×10
-3として、位相シフト制御領域24’でのTE偏波とT
M偏波の位相シフト量の差をπとしたので、隣接するT
E偏波の発振モード間隔のほぼ中央にTM偏波の発振モ
ードが位置することになる。
【0024】まず、TE偏波だけで考える。位相シフト
制御領域24’に電流を注入していくと、−1TEのモ
ードが最低しきい値利得となり、発振する。さらに注入
電流を増加すると、−1TEのモードのしきい値利得が
増加し、−2TEのモードのしきい値利得が減少して、
−2TEのモードが最低しきい値利得となり、発振す
る。2つのモードのしきい値利得が近づく付近では、最
低しきい値利得が増加する。
【0025】次に、TE偏波とTM偏波両方で考える。
位相シフト制御領域24’に電流を注入していくと、T
M偏波の−1TMのモードが最低しきい値となり、発振
する。さらに、注入電流を増加すると、TM偏波の−1
TMのモードのしきい値利得が増加し、TE偏波の−1
TEとTM偏波の−2TMのモードのしきい値利得が減
少する。TE偏波の−1TEのモードが先に最低しきい
値利得となり、次に、TM偏波の−2TMのモードが最
低しきい値利得となる。本実施例では、TM偏波の発振
モードはTE偏波の発振モード間隔のほぼ中央に位置す
るので、TE偏波での最低しきい値利得が増加する付近
で、TM偏波のしきい値利得が最も小さくなる。
【0026】図7に、位相シフト制御領域24’に注入
する電流Iphaseと、しきい値利得gthLの関係を示
す。Iphaseの増加により、TE偏波の発振領域とTM
偏波の発振領域とが周期的に現れることがわかる。ま
た、一方の偏波のモードが移り変わり、最低しきい値利
得が上昇する付近で、もう一方のしきい値利得が低下す
るので、雑音が小さくなり、発振も安定する。また、T
E、TM両偏波で発振する歩留りが向上する。
【0027】実施例1では、図2から分かる様に、最低
しきい値利得となるΔβLは2点存在するので、片側の
偏波について3つ以上のモードについて考慮する必要が
あり、振舞が複雑となる。実施例2では最低しきい値利
得となるΔβLは1点となるため、その振舞は単純とな
り、また、しきい値利得が更に低下する。
【0028】次に、本実施例のレーザを用いた変調方法
を示す。実施例1と同様に、半導体レーザの位相シフト
制御領域24’側の電極にバイアス電流I1を注入し、
変調電流ΔI=(I1’−I1)を重畳する事により、出
力光はTE偏波とTM偏波の間で変調される。この出力
光を偏光子を用いてTE偏波のみあるいはTM偏波のみ
を透過させることにより、パワーが1、0の信号として
取り出すことができる。この変調方式を用いて、実施例
1と同様な光通信システムを構成することができる。
【0029】本実施例でも、微小な電流で消光比のよい
変調を行なえる。従って、レーザ内のキャリア密度の変
動が少なく、チャーピングが抑制され、スペクトルの広
がりを小さくすることができ、高速の変調を行なうこと
が可能となる。また、位相シフト領域24’の存在によ
り、しきい値利得が下がり、実施例1よりも更にTE/
TM変調を安定に行なえる。
【0030】
【実施例3】図8に実施例3の素子を示す。本実施例の
素子は、実施例2と同様、3つの領域から構成される。
中央の領域は位相シフト制御領域24’であり、両端の
領域は活性領域25である。位相シフト制御領域24’
は活性層32’を有さない。さらに、本実施例では、活
性層32’に歪量子井戸を導入することにより、素子の
高性能化をはかった。
【0031】まず、素子の作製方法について記述する。
n−InP基板30の活性領域25に回折格子21を作
製し、その上にn−InGaAsPガイド層31、歪量
子井戸活性層32’、p−InGaAsPバッファ層1
3、p−InPクラッド層14、p−InGaAsPコ
ンタクト層17を順次積層する。本実施例の場合の活性
層32’は、井戸層としてi−In0.53Ga0.47As2
2を5nm、バリア層としてi−In0.28Ga0.72As
23を5nm、これを10層積層したもので構成する。
その後、位相シフト制御領域24’の活性層32’まで
の層をエッチングし、その上にp−InP層14を積層
する。その後、幅2μmのメサ・ストライプを残して、
基板30の上までエッチングし、その周囲をn−InP
層、p−InP層で埋め込む。各領域24’、25は独
立に電流制御できるように、電気的に分離する。これら
の上にp型電極19を設け、裏面にn型電極20を設け
る。活性領域25は各々300μm、位相シフト制御領
域24’は200μmとした。端面はARコーティング
を施し、反射率は1%以下とした。
【0032】次に、素子の動作を説明する。本実施例に
おいても、実施例1と同様に、n2TE−n1TE〜2.09
×10-3として、位相シフト制御領域24’でのTE偏
波とTM偏波の位相シフト量の差をπとしたので、隣接
するTE偏波の発振モード間隔のほぼ中央にTM偏波の
発振モードが位置することになる。本実施例の場合、活
性層32’が多重量子井戸構造で、しかもバリア層23
に引っ張り歪が導入されているため、TM偏波の利得を
TE偏波の利得に近付けることができ、TE/TM変調
レーザとしての歩留りが非常に向上する。また、バルク
活性層の場合に比較して低い電流密度で大きな利得係数
が得られる。
【0033】次に、本実施例のレーザを用いた変調方法
を示す。実施例1と同様に、半導体レーザの位相シフト
制御領域24’側の電極にバイアス電流I1を注入し、
変調電流ΔI=(I1’−I1)を重畳することにより、
出力光はTE偏波とTM偏波で変調される。この出力光
を偏光子を用いてTE偏波のみあるいはTM偏波のみを
透過させることにより、パワーが1、0の信号として取
り出すことができる。この変調方式を用いて、実施例1
と同様な光通信システムを構成することができる。
【0034】本実施例でも、微小な電流で波長スイッチ
ングを行なえる。従って、キャリア密度の変動が少な
く、チャーピングが抑制され、スペクトルの広がりを小
さくすることができ、高速の変調を行なうことが可能と
なる。また、TEとTMの利得をほぼ等しくし、低い電
流密度で大きな利得係数が得られるようになるため、T
E/TM変調素子としての歩留りが更に向上した。
【0035】
【実施例4】本実施例で用いる波長可変レーザは実施例
1で用いたレーザと同様の特性を持つレーザである。実
施例1の半導体レーザは注入電流を変えることにより、
発振波長を変化させることができる。
【0036】次に、レーザの変調方法を示す。実施例1
と同様に、半導体レーザ1の活性領域25の電極にバイ
アス電流I1を注入し、位相制御領域24にバイアス電
流I1を注入し、信号1として、位相制御領域24の注
入電流を変調電流ΔI=(I1’−I1)で変調すること
により、出力光は波長λ1(TE偏波)とλ1’(TM偏
波)の間で変調された信号となる。同様に、半導体レー
ザ1の活性領域25にバイアス電流I2を注入し、位相
制御領域24にバイアス電流I2を注入し、信号2とし
て、位相制御領域24の注入電流を変調電流ΔI=(I
2’−I2)で変調することにより、出力光は波長λ
2(TE偏波)とλ2’(TM偏波)の間で変調された信
号となる。この様に、変調電流を変えることにより、出
力光の偏波および波長を変えることができる。この出力
光を、まず偏光子を透過させてTM偏波(λn’)をカ
ットすることにより、波長λ1と波長λ2のそれぞれを、
光パワーが1、0の信号として取り出すことができる。
【0037】図9に実施例2の変調方式を用いた波長多
重光通信システムの構成図を示す。半導体レーザ1を上
述の方法で変調電流(In’−In)で変調し、出力光
を、波長λn’(TM偏波)とλn(TE偏波)の間で変
調された信号7’(信号n)とする。この光7’を偏光
子2を用いてλn(TE偏波)のみを透過させることに
より、パワーが1、0の信号6’とする。偏光子2を透
過した光を、レンズ3を用いてファイバ4に結合させ、
ファイバ4を伝送させた後、分岐器10でn個に分配す
る。分配された光は、12の特性を有する受信フィルタ
11(Fn)で波長λnのみを透過させることにより、パ
ワーが1、0の信号となる。
【0038】この場合の受信フィルタ11は、1Å程度
しか離れていない波長を分離するため、透過バンド幅の
小さい波長フィルタが必要である。例えば、DFBフィ
ルタ、ファブリペローフィルタ、マッハツェンダ型フィ
ルタなどである。受信フィルタ11を透過した光をフォ
トダイオード5で受光し、信号を検出する。
【0039】さらに、波長フィルタ11を同調機能を有
する可変フィルタにすることにより、受信側で自由にチ
ャンネルを選択することができる。
【0040】本実施例でも、微小な電流で変調を行なえ
るため、キャリア密度の変動が小さく、チャーピングが
抑制され、スペクトル広がりを抑えることができ、高速
の変調を行なうことができる。また、スペクトル広がり
が小さいため、波長毎に異なる信号を割り当てる場合に
も、波長数を多く取ることができ、また、消光比の良好
な信号が得られる。本実施例の場合、TE偏波のみで変
調を行う場合に比較して、隣接する発振モード間の最も
発振しにくい領域にTM偏波の発振モードが設けられて
いる為、変調を安定に低雑音で行うことが出来る。その
結果、容易に、消光比の高く、高速で、しかも波長多重
数の多い通信を行なうことが可能となる。
【0041】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。 1.通常のDFBレーザを用いたTE/TM変調と比較
して、安定に変調を行なうことができる。 2.一方の偏波の発振モードのしきい値利得が上昇する
付近で、もう一方の偏波の発振モードのしきい値利得が
下がるため、効率がよく、また、雑音も低減される。 3.微小な電流で変調を行なえるため、チャーピングが
抑制され、スペクトル広がりが抑えられ、また高速な変
調が容易に実現できる。 4.微小な電流で変調を行なうにもかかわらず、偏光子
などを用いることで良好な消光比が容易に得られる。 5.スペクトル幅の広がりが抑えられるため、波長多重
時にも良好な消光比が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の素子の構成図。
【図2】実施例1のΔβLとgthLの関係を示す図。
【図3】実施例1の素子の位相調整電流−しきい値利得
特性とその変調方法を説明する図。
【図4】実施例1の素子とその変調方法を用いた通信シ
ステムの構成例の図。
【図5】実施例2の素子の構成図。
【図6】実施例2のΔβLとgthLの関係を示す図。
【図7】実施例2の素子の位相調整電流−しきい値利得
特性とその変調方法を説明する図。
【図8】実施例3の素子の構成図。
【図9】実施例4の変調方法を用いた波長多重光通信シ
ステムの構成例の図。
【図10】従来例を示す図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 偏光子 3 レンズ 4 光ファイバ 5 フォトダイオード 6、6’ 偏光子透過後の信号 7、7’ レーザからの光 10 分岐器 11 受信フィルタ 12 受信フィルタの特性 13 バッファ層 14 クラッド層 17 コンタクト層 19、20 電極 21 回折格子 22 井戸層 23 バリア層 24、24’ 位相制御領域 25、25’ 活性領域 30 基板 31 ガイド層 32、32’ 活性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/04 10/06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電気的に分離された領域を有する
    分布帰還型半導体レーザにおいて、該分布帰還型半導体
    レーザ中でのTE偏波に対するブラッグ波長近傍のTE
    偏波の位相変化量とTM偏波に対するブラッグ波長近傍
    のTM偏波の位相変化量との間に差が存在することを特
    徴とする光伝送装置。
  2. 【請求項2】 前記位相変化量の差はπ付近とすること
    を特徴とする請求項1記載の光伝送装置。
  3. 【請求項3】 該半導体レーザの電気的に分離された複
    数の領域のうち、少なくとも1つの領域が、活性層を有
    さず位相のみを制御する位相制御領域であることを特徴
    とする請求項1または2記載の光伝送装置。
  4. 【請求項4】 該位相制御領域でのTE偏波の位相変化
    量とTM偏波の位相変化量の差がπ付近であることを特
    徴とする請求項3記載の光伝送装置。
  5. 【請求項5】 該活性領域のTE偏波のブラッグ波長近
    傍におけるTE偏波に対する有効屈折率n1TE、TM偏
    波のブラッグ波長近傍におけるTM偏波に対する有効屈
    折率n1TM、および、該位相制御領域のTE偏波のブラ
    ッグ波長におけるTE偏波に対する有効屈折率n2TE
    TM偏波のブラッグ波長におけるTM偏波に対する有効
    屈折率n2TMが、回折格子のピッチΛ、位相制御領域長
    Lを用いて、 n2TE/n1TE−n2TM/n1TM〜Λ/2L の関係で表されることを特徴とする請求項4記載の光伝
    送装置。
  6. 【請求項6】 該半導体レーザの活性層がバルクで構成
    されていることを特徴とする請求項1または2記載の光
    伝送装置。
  7. 【請求項7】 該半導体レーザの活性層が面内の引っ張
    り歪を持つ歪量子井戸で構成されることを特徴とする請
    求項1または2記載の光伝送装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の光伝送装置が、
    該複数の領域への注入電流を制御することにより、出力
    光の偏波の方向をTE偏波とTM偏波の間で変調し、該
    出力光の2偏波のうち1偏波のみを選択して取り出すこ
    とにより、AM変調された信号を送り出すことを特徴と
    する変調方式。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の変調方式において、該2
    つの偏波のうち送出する偏波の波長を可変にし、該2つ
    の偏波間でスイッチングを行なうよう注入電流を変調
    し、受信側で波長フィルタを用いて任意の波長の信号を
    検出することを特徴とする光通信方式。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の光通信方式において、
    該光伝送装置と該波長フィルタを複数用いて通信を行な
    うことを特徴とする波長多重光通信方式。
  11. 【請求項11】 複数の電気的に分離された領域を有す
    る分布帰還型半導体レーザにおいて、該分布帰還型半導
    体レーザ中でのTE偏波に対するブラッグ波長近傍のT
    E偏波の位相変化量とTM偏波に対するブラッグ波長近
    傍のTM偏波の位相変化量との間にπ付近の差が存在す
    ることを特徴とする半導体レーザ。
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EP95119710A EP0717480B1 (en) 1994-12-17 1995-12-14 Semiconductor laser, modulation method therefor and optical communication system using the same
DE69526041T DE69526041T2 (de) 1994-12-17 1995-12-14 Halbleiterlaser, Modulationsverfahren und optisches Kommunikationssystem

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6807201B1 (en) 1998-03-19 2004-10-19 Canon Kabushiki Kaisha Laser with phase controlling region and method for driving the same
JP2013207023A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Fujitsu Ltd 光半導体装置

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