JPH08166580A - 耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性光学プラスチック積層シート及びその製造方法

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JPH08166580A
JPH08166580A JP33351494A JP33351494A JPH08166580A JP H08166580 A JPH08166580 A JP H08166580A JP 33351494 A JP33351494 A JP 33351494A JP 33351494 A JP33351494 A JP 33351494A JP H08166580 A JPH08166580 A JP H08166580A
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JP
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layer
laminated sheet
film
retardation
optical plastic
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Application number
JP33351494A
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English (en)
Inventor
Junji Takase
純治 高瀬
Sadao Fujii
貞男 藤井
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリカーボネート系樹脂とポリアリレート系
樹脂との混合物からなる光学的に透明な少なくとも一つ
の第1層と、該層よりガラス転移温度の低い光学的に透
明な材料からなる第2層とを積層してなる、耐熱性と透
明性に優れた光学プラスチック積層シート。 【効果】 耐衝撃性、剛性を備え、且つ優れた光学的特
性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学的に透明でかつ耐熱
性を有する光学プラスチック積層シート及びその製造方
法、並びに該積層シートを用いた耐熱性透明基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス技術の急速な進歩にと
もない、液晶表示素子に代表される光エレクトロニクス
素子が注目されており、素子を透明導電層を有するガラ
ス基板上に形成することにより各種用途に供されてい
る。特に、携帯型機器に組み込んだ場合、ガラスの大き
な比重のため機器の重量が大きくなり、そのためガラス
基板の薄厚化が指向され0.4mm程度の基板が利用可能
となった。しかし、ガラスの機械的強度、特に脆性に課
題があり、素子の耐久性を低下させるため、強化ガラス
等の特殊な処理をした基板の利用や、素子を衝撃から保
護するために、金属フレームや表面保護用のプラスチッ
クシートを用いる等の対策が実施されている。しかし、
該素子の製造プロセス中での割れによる歩留り低下とい
う課題を有している。
【0003】以上のように、軽くて割れにくい基板が強
く望まれており、軽量性、耐衝撃性の点からプラスチッ
ク基板を用いた表示素子に対する期待は大きく、0.4
mm程度の厚みを有するプラスチック基板に対するいくつ
かの試みが試されている。
【0004】耐熱性が高くかつ表面平滑性の良いプラス
チック基板材料を得る代表的な方法としては、溶剤キャ
スティング法が知られているが、剛性を持たせるために
フィルムを厚膜化する場合、発泡等の欠陥が生じ易い
他、生産性が大幅に低下するので工業的実施は難しく、
200μm程度が限界である。また、溶融押出法により
厚膜化した場合、光学的等方性が損なわれる他、成形時
のダイラインによる表面平滑性や外観が悪く、液晶表示
用基板として用いることは困難である。
【0005】そのため、ポリメチルメタクリレートや変
性オレフィンの様な本質的に低複屈折材料であるプラス
チックや、特開平6−194501号にみられるような
架橋アクリルやエポキシの如き硬化型プラスチックをシ
ート状に成形して利用することが検討されているが、前
者はガラスプロセスで必要とされる耐熱性が無く、後者
は生産性が悪く量産実用性に欠ける等の課題を有してい
る。また、前記耐熱光学フィルムを積層しシート化する
ことも可能であるが、耐熱性と信頼性に優れた接着剤が
無いことや、加熱積層する場合は、高い処理温度が必要
となり、樹脂の変性・着色等、特性の好ましくない劣化
が起こる。従って、ガラスプロセスと互換性を保つこと
の出来る剛性と耐熱性を持ち、耐衝撃性に優れ、かつ、
透明・低リターデーション等の光学的特性を満足する工
業的に利用可能な材料は未だ見いだされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学的に透
明でかつ耐熱性を有する光学プラスチック積層シート及
びその製造方法、並びに該積層シートを用いた耐熱透明
基板を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、高耐熱性を受け持つ
層と室温における物理的性質を受け持つ層の積層構造に
することにより、剛性・光学的特性及び耐熱性を合わせ
持つ光学プラスチックシートが得られることを見出し本
発明に到った。
【0008】即ち、本発明の第1は、ポリカーボネート
系樹脂とポリアリレート系樹脂との混合物からなる光学
的に透明な少なくとも一つの第1層と、該層よりガラス
転移温度の低い光学的に透明な材料からなる第2層とを
積層してなる、耐熱性と透明性に優れた光学プラスチッ
ク積層シートを、本発明の第2は、第1層を構成する、
ポリカーボネート系樹脂とポリアリレート系樹脂との混
合物からなる光学的に透明なフィルムと、第2層を構成
する第1層よりガラス転移温度の低い光学的に透明なフ
ィルムを、直接加熱積層することを特徴とする、耐熱性
と透明性に優れた光学プラスチック積層シートの製造方
法を、本発明の第3は、上記光学プラスチック積層シー
トを用いた光エレクトロニクス素子用耐熱性透明基板
を、それぞれ内容とする。
【0009】本発明は、高ガラス転移温度を有する耐熱
性の高い材料からなる第1層と、低ガラス転移温度を有
する材料からなる第2層とからなる積層構造を有するシ
ートである。第1層を構成する材料のうち、ポリカーボ
ネートは通常工業的に利用できるビスフェノールA型ポ
リカーボネートが入手の容易さとコストから好ましい。
混合物のTgを高く保つため、混合されるポリアリレー
トには高いTgを必要とする。このようなポリアリレー
トを例示すると、ビスフェノール成分として、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、4,4′−(α−メチルベンジリ
デン)ビスフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン等が挙げられ、これらは単独又は
2種以上組み合わせて用いられる。フタル酸成分として
はテレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、これらは単
独又は2種以上組み合わせて用いられる。テレフタル
酸、イソフタル酸を組み合わせて用いる場合の比率は、
10:90〜90:10が望ましい。この範囲を越える
と結晶性が大きくなり透明性等に悪影響を及ぼす傾向が
ある。また、テレフタル酸の比率が高いほどTgは高く
なる。重合反応としては、エステル交換等の溶融重合、
界面重縮合等の溶液反応が選択できる。ポリカーボネー
ト系樹脂とポリアリレート系樹脂の混合物は光学的に透
明なフィルムを構成し高いTgを保つならばどのような
比率で混ぜてもよいが、複屈折の小さいフィルムを得た
い場合、及びコスト面からは、ポリカーボネートを10
〜90重量%、好ましくは40〜90重量%含むのがよ
い。
【0010】第1層は、該層よりも低ガラス転移温度を
有する第2層の片面もしくは両面に積層化され、第2層
の高温加熱時の熱変形を防止する役割を果たしている。
第1層の厚みは、積層シートの厚みや、要求される耐熱
形状安定性により決定されるが、通常、積層シートの2
0〜80%である。該積層シートを単に液晶表示装置用
基板として用いる場合、シートは低リターデーションで
あることが必要であり、液晶表示装置の種類にもよる
が、一般に50nm以下が好ましく、より好ましくは20
nm以下である。また、該シートに位相差の機能を付与す
る場合は、積層する少なくとも一つの層に予め特定のリ
ターデーションを付与した後積層することにより容易に
得ることができる。一般には、100nm以上、好ましく
は300nm以上のリターデーションを付与することが要
請される。特に、高耐熱性を有する第1層に特定のリタ
ーデーションを付与することが、得られた位相差シート
の熱安定性にとり都合がよい。
【0011】第1層に特定のリターデーションを付与す
るには、上記した高分子材料を配向させることにより得
ることができる。一般には、光学的に異方性の少ない高
分子フィルムを1軸又は2軸に延伸することにより得る
ことができる。これらのフィルムは公知のフィルム化技
術により得ることができるが、表面性と光学的特性か
ら、溶剤キャスティング法によるフィルムが最も好まし
く用いられる。
【0012】リターデーションは、フィルムの膜厚と分
子の配向程度により決定され、分子の配向は延伸条件に
より大きく左右される。従って、リターデーションを精
密に制御するためには、第1層の厚みを比較的薄くし、
延伸条件の制御幅を大きく取ることが好ましい。そのた
め、第1層の厚みは20〜150μmから選択されるの
が望ましく、より好ましくは40〜100μmである。
また、特開平2−160204号や特開平3−8551
9号に見られるように、面内方向のいずれの屈折率とも
異なるように膜厚方向の屈折率を調整した特殊な材料も
好適に用いることができる。この場合においても、第1
層は、単層のみならず2層以上の複層であってもよい。
【0013】第2層を構成する材料としては、一般には
低複屈折性を有し、厚膜化が容易な材料から構成され、
耐熱性は第1層より低いものを用いる。加熱融着法等に
より、積層プロセスにて第2層がガラス転移温度以上に
加熱される場合、低複屈折性を有しない材料を用いるこ
とも可能であり、第2層に要求される光学的な初期特性
は大幅に緩和される。第2層を構成する材料のガラス転
移温度は、要求される耐熱性の程度に依存するが、一般
には100℃以上であれば良く、好ましくは140℃以
上で、第1層を構成する材料のガラス転移温度よりも2
0℃以上低いことが好ましく、更に40℃以上低いこと
が一層好ましい。本発明の積層プラスチックシートの耐
熱性は、第1層の耐熱性からの寄与が大きい。第2層は
単層又は2層以上の複数層からなる。
【0014】第2層を構成する材料は、第1層との親和
性に優れた材料が好ましく、最適プラスチック材料を選
択する必要がある。第2層は、常温でのシートの剛性を
出すための役割を果たしている。また、熱的変形に対し
ては第1層により守られているため、ガラス転移温度以
上の高温加熱時においても、その片面あるいは両面に存
在する高ガラス転移温度を有する第1層の保護を受け、
加圧等の応力に対しても流動すること無く形態を保持す
る。第2層の厚みは、第1層厚みの場合と同様に、積層
シートに要求される特性により決定されるが、積層シー
ト全体の厚みの80〜20%が選択される。
【0015】本発明のプラスチック積層シートは、各層
を構成するプラスチックを溶融共押出法により成形する
ことができるが、各層を単独にて溶剤キャスティング法
や溶融押出法により必要とする厚みにフィルム化した後
ラミネートすることにより容易に高品位のプラスチック
積層シートを得ることができる。接着剤を用いてラミネ
ートすることも可能であるが、積層シートの耐熱性を損
なうことのないように接着剤を選択する必要がある。高
温時の特性から加熱ラミネートが好ましい。この場合
は、第1層と第2層の親和性を考慮して材料選択を行う
必要がある。
【0016】第2層の好適な材料としては、比較的低ガ
ラス転移温度を有するポリエステル、ポリアリレート又
はポリカーボネート等が挙げられ、これらは単独又は2
種以上組み合わせて用いられる。ビスフェノールA型ポ
リカーボネートはエンジニアリングプラスチックとして
広く利用されており、また、ガラス転移温度が約150
℃と適度な値を有すると共に、第1層と高い親和性を有
しており、特性・コストの点から第2層材料として特に
好ましい。
【0017】本発明の耐熱光学プラスチック積層シート
は、上記の如く、第1層と第2層とを積層してなるの
で、光学的特性に優れた薄厚フィルムを得やすいという
溶剤キャスティング法の利点を生かし、低コストで耐熱
厚膜シートを得ることができるという特徴を有してい
る。また、ラミネート法により積層シートを得る場合、
高耐熱層(第1層)は光学的特性や表面平滑性の点から
溶剤キャスティング法により成膜したフィルムを用いる
ことができる。更に、比較的低ガラス転移温度を有する
材料は溶融押出法で光学的特性の良好なフィルムを生産
性高く得ることが容易であるという特徴を利用し、第2
層は溶融押出フィルムを用い、積層シートのコストを低
減することも可能である。
【0018】また、加熱ラミネート法によれば、一般的
には、第2層はラミネート時にガラス転移温度以上に加
熱されるため、熱アニールの効果を受けることになり、
単一フィルムで有していた複屈折は、熱アニールにより
低下改善され、その結果、得られた積層シートは、単一
フィルムのリターデーションの総和より小さくなるとい
う特徴を有する。好適な加熱ラミネートの方法の一つ
は、加熱ロールあるいはベルトによる加熱・加圧ラミネ
ート法である。必要とする加熱温度はラミネートする材
料により異なるが、第2層を構成する材料のガラス転移
温度より高く、第1層を構成する材料のガラス転移温度
より低い温度が好適である。熱ラミネートは、比較的低
温にて予備圧着した後、ラミネート温度に加熱し本圧着
する等、加熱を複数の段階に分けて実施することも可能
である。熱ラミネート時の気泡巻き込みを防止するた
め、真空ラミネート方式も好適に使用可能である。上記
の如き構造の本発明のプラスチック積層シートは、剛性
等、プロセスでのガラスとの共用又は互換性を保つた
め、厚みは0.2〜1mmが好適であり、0.3〜0.7
mmが特に好ましい。光学的特性については、全光線透過
率は80%以上が好ましい。
【0019】本発明のプラスチック積層シートは、ガラ
スと同様に、光エレクトロニクス素子用基板として、透
明導電加工等の2次加工をすることができるが、加工条
件としては、透明導電フィルムで実施されている条件を
参考にしながら最適な条件を見出す必要がある。また、
ガラス基板と異なり、酸素、水蒸気等に対するバリヤー
性能は落ちるため、必要に応じ、エチレン−ビニルアル
コール共重合体やポリ塩化ビニリデン等の有機系ガスバ
リヤー加工や、シリカ・アルミナ等からなる無機系ガス
バリヤー加工を行う。
【0020】一方、前記した如く、少なくとも一つの第
1層に予め機能を付与することも可能である。例えば、
第1層を構成するフィルムを予め延伸し一定の複屈折性
を付与して位相差フィルムとした後、積層シート化する
ことにより位相差フィルムを一体化させたプラスチック
積層シートを得ることができる。この場合、第1層を構
成する位相差フィルムは高いガラス転移温度を有するた
め、加熱ラミネートにおいても、余りリターデーション
が低下しないという特徴を有しており、高度にリターデ
ーションを制御されたシートを得ることができる。
【0021】位相差フィルムからなる第1層を第2の層
の両面に設ける場合において、第1層の位相差フィルム
の光軸を相互に並行に保った場合、得られたシートの位
相差は、それぞれの総和となる。このように第1層を配
置した場合、一つの第1層で位相差を発現させた場合と
比較し、得られたシートの反り等、好ましくない変形を
防止することができる。また、第1層を構成するそれぞ
れの位相差フィルムは、得られた液晶表示装置のコント
ラストを向上させる等、特性向上の目的で、その光軸を
適度に交差させて配置することも好ましい。通常、ST
N液晶表示装置としては基板以外に複数枚の位相差フィ
ルムを必要とするが、このような構成をとることによ
り、基板材料が複数の位相差フィルムの機能を有してい
るため液晶表示装置の構成を簡単にすることができると
いう利点を有する。2つの第1層がなす相対的な光軸の
角度は、液晶表示装置を設計する諸パラメーターとの関
連で様々に決められるものである。本積層シートによれ
ば、必要とする相対角度を有するものを容易に得ること
ができる。また、本積層シートは、第1・第2層以外の
層を更に設けることを制限するものではない。2つの第
1層は、そのリターデーション値は同じであっても異な
ったものであってもよい。更に、必要であれば、これら
第1層を構成する材料の種類を変えてもかまわない。
【0022】また、表面に透明導電層を有するフィルム
を第1層として用いることにより、透明導電性プラスチ
ック積層シートを得ることができる。更に、一つの第1
層フィルムに位相差フィルム、別の第1層フィルムに透
明導電性を有するフィルムを用いることにより、位相差
・透明導電一体型プラスチック積層シートを得ることも
できる。
【0023】本発明のプラスチック積層シートは、耐熱
性と光学特性の点からガラスと共用又は互換可能であ
り、広く、光エレクトロニクス素子用の基板として有用
である。更に、ガラスと異なり耐衝撃性に優れ、かつ軽
量であるため、大面積化が要求されている液晶表示素子
用の基板材料として特に有用である。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】実施例1 第1層の材料として、ビスフェノールA型ポリカーボネ
ート50重量%と、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン/テレ
フタル酸/イソフタル酸(モル比2/1/1)からなる
ポリアリレート(Tg280℃)50重量%の混合物か
らなる溶剤キャスティング法により製膜された、ガラス
転移温度が215℃、リターデーションが8nmである7
5μm厚のA4版サイズのフィルムを用い、第2層の材
料として、溶剤キャスティング法により製膜されガラス
転移温度が150℃、リターデーションが13nmである
120μm厚のビスフェノールA型ポリカーボネートフ
ィルムを用い、第2層を第1層2枚で挟み、真空ラミネ
ート機で145℃にて仮圧着した。その後、ガラス板で
挟み185℃に加熱・本圧着し、強固に融着した270
μmの積層シートを得た。得られた積層シートのTMA
分析による軟化温度は245℃であり、第1層単独のフ
ィルムとほぼ同程度の軟化温度を示した。一方、ポリカ
ーボネートの軟化温度は180℃であった。また、作成
した積層シートは200℃で20kg/cm2で加圧して
も、その形態を保持し、リターデーションは17nmと、
優れた耐熱性と光学的等方性を有していた。また、表面
粗さは、平均で0.030μmであった。
【0026】実施例2 第1層の材料として、ビスフェノールA型ポリカーボネ
ート50重量%と4,4′−(α−メチルベンジリデ
ン)ビスフェノール/テレフタル酸/イソフタル酸(モ
ル比2:1:1)からなるポリアリレート(Tg240
℃)50重量%の混合物からなる溶剤キャスティング法
により製膜されたガラス転移温度が195℃、リターデ
ーションが11nmである75μm厚のA4版サイズのフ
ィルムを用い、第2層の材料として、溶剤キャスティン
グ法により製膜されガラス転移温度が150℃、リター
デーションが13nmである120μm厚のビスフェノー
ルA型ポリカーボネートフィルムを用い、第2層を第1
層2枚で挟み、真空ラミネート機で145℃にて仮圧着
した。その後、ガラス板で挟み180℃に加熱・本圧着
し、強固に融着した270μmの積層シートを得た。得
られた積層シートのTMA分析による軟化温度は225
℃であり、第1層単独のフィルムとほぼ同程度の軟化温
度を示した。一方、ポリカーボネートの軟化温度は18
0℃であった。また、作成した積層シートは185℃で
20kg/cm2で加圧しても、その形態を保持し、リター
デーションは19nmと、優れた耐熱性と光学的等方性を
有していた。また、表面粗さは、平均で0.025μm
であった。
【0027】実施例3 第1層の材料として、ビスフェノールA型ポリカーボネ
ート60重量%と9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン/テレフタル酸/イソフタル酸(モル比
2:1:1)からなるポリアリレート(Tg310℃)
40重量%の混合物からなる溶剤キャスティング法によ
り製膜されたガラス転移温度が214℃、リターデーシ
ョンが10nmである75μm厚のA4版サイズのフィル
ムを用い、第2層の材料として、溶剤キャスティング法
により製膜されガラス転移温度が150℃、リターデー
ションが13nmである120μm厚のビスフェノールA
型ポリカーボネートフィルムを用い、第2層を第1層2
枚で挟み、真空ラミネート機で145℃にて仮圧着し
た。その後、ガラス板で挟み185℃に加熱・本圧着
し、強固に融着した270μmの積層シートを得た。得
られた積層シートのTMA分析による軟化温度は240
℃であり、第1層単独のフィルムとほぼ同程度の軟化温
度を示した。一方、ポリカーボネートの軟化温度は18
0℃であった。また、作成した積層シートは180℃で
20kg/cm2で加圧しても、その形態を保持し、リター
デーションは19nmと、優れた耐熱性と光学的等方性を
有していた。また、表面粗さは、平均で0.025μm
であった。
【0028】実施例4 実施例1で用いた第1層のブレンドフィルムを自由端一
軸延伸により縦一軸延伸を行いリターデーションが39
0nmを有する位相差フィルムを得た。この位相差フィル
ムと未延伸の厚さ75μmを有する実施例1の第1層の
ブレンドフィルム第1層として用い、第2層の材料とし
て、溶融押出法により成形された20nmのリターデーシ
ョンを有する200μm厚のポリカーボネートフィルム
を用い、実施例1と同様に加熱融着を行い、位相差フィ
ルムが一体となった340μm厚の積層シートを得た。
得られた積層シートは、380nmのリターデーションを
有していた。また、面内のリターデーション分布は7nm
と良好な均一性を有していた。
【0029】実施例5 実施例1において、第1層材料として用いたブレンドフ
ィルム、及び該ブレンドフィルムの一方の表面に、Si
Oxからなるガスバリヤー層、ITOからなる透明導電
層を順次設けた、厚さ75μm、表面抵抗60Ω/□を
有する透明導電フィルムを第1層の材料として用い、第
2層の材料として、溶融押出法により成形された20nm
のリターデーションを有する200μm厚のポリカーボ
ネートフィルムを用い、ポリカーボネートフィルムを上
記2種類のポリアリレートフィルムで挟み、実施例1と
同様に加熱融着を行い、表面に透明導電層を有する積層
シートを得た。得られた積層シートは、厚みが350μ
mであり、表面抵抗が45Ω/□であった。
【0030】実施例6 実施例4記載の位相差フィルム、及び、実施例5記載の
透明導電フィルムをそれぞれ第1層として用い、第2層
の材料として、溶融押出法により成形された20nmのリ
ターデーションを有する200μm厚のポリカーボネー
トフィルムを用い、実施例1と同様に加熱融着を行い、
表面に透明導電層を有し、しかも位相差を有する積層シ
ートを得た。得られた積層シートは、厚みが345μm
であり、385nmの位相差と45Ω/□の表面抵抗を有
していた。
【0031】実施例7 実施例1で得られた積層シートを用い、真空スパッタリ
ング法にて、SiOx層を500Å、ITO層1000
Åを順次形成させ、バリヤー層と透明導電層を有する耐
熱性透明基板を作成した。得られた耐熱性透明基板は、
表面抵抗が52Ω/□、酸素透過性が1.2cc/m2/da
y 以下であった。
【0032】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明により耐衝撃性、
剛性を備えるとともに、光学的特性に優れた耐熱性透明
プラスチック積層シートが提供される。本プラスチック
積層シートは、光エレクトロニクス分野、特に液晶表示
装置分野でのガラスに代わる光学基板として有用であ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート系樹脂とポリアリレー
    ト系樹脂との混合物からなる光学的に透明な少なくとも
    一つの第1層と、該層よりガラス転移温度の低い光学的
    に透明な材料からなる第2層とを積層してなる、耐熱性
    と透明性に優れた光学プラスチック積層シート。
  2. 【請求項2】 第1層を第2層の両面に配置してなる請
    求項1記載の光学プラスチック積層シート。
  3. 【請求項3】 リターデーションが50nm以下である請
    求項1又は2記載の光学プラスチック積層シート。
  4. 【請求項4】 少なくとも一つの第1層が、100nm以
    上のリターデーションを有する複屈折性の材料からな
    る、請求項1〜3記載の光学プラスチック積層シート。
  5. 【請求項5】 第1層と第2層が直接積層されてなる請
    求項1〜4記載の光学プラスチック積層シート。
  6. 【請求項6】 第2層がポリカーボネートからなる請求
    項1〜5記載の光学プラスチック積層シート。
  7. 【請求項7】 表面に透明導電層を有する請求項1〜6
    記載の光学プラスチック積層シート。
  8. 【請求項8】 第1層を構成する、ポリカーボネート系
    樹脂とポリアリレート系樹脂との混合物からなるフィル
    ムと、第2層を構成する、第1層よりガラス転移温度の
    低い光学的に透明なフィルムを、直接加熱積層すること
    を特徴とする、耐熱性と透明性に優れた光学プラスチッ
    ク積層シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 積層する第1層のフィルムが、溶剤キャ
    スティング法により得られたフィルムである請求項8記
    載の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7記載の光学プラスチック
    積層シートを用いた光エレクトロニクス素子用耐熱性透
    明基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017177342A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 大阪ガスケミカル株式会社 多層光学フィルム及びその製造方法

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