JPH08166052A - シルクハット型撓み噛み合い式歯車装置 - Google Patents
シルクハット型撓み噛み合い式歯車装置Info
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- JPH08166052A JPH08166052A JP31083594A JP31083594A JPH08166052A JP H08166052 A JPH08166052 A JP H08166052A JP 31083594 A JP31083594 A JP 31083594A JP 31083594 A JP31083594 A JP 31083594A JP H08166052 A JPH08166052 A JP H08166052A
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Abstract
いて、その可撓性外歯歯車の弾性変形に伴う発生応力の
集中、応力分布の不均一を緩和すること。 【構成】 撓み噛み合い式歯車装置のシルクハット型可
撓性外歯歯車13は、胴部22とダイヤフラム部23と
ボス部25から構成される。ダイヤフラム部23の厚さ
は、その内周端部(A点)が最大厚さであり、中央部分
(B点)が最小厚さであり、外周端部(C点)は最大厚
さよりも僅かに薄くなるように設定される。また、この
ような厚さの変化が全体として滑らかとなるように、曲
線群(223、224)を用いて輪郭形状を規定してあ
る。このようにダイヤフラム部23の厚さを規定するこ
とにより、その内外周端部での応力集中を緩和できる。
また厚さが滑らかに変化しているので、応力分布も均等
化される。よって、外径寸法Dを小さくできる。また、
胴部22の軸長L(22)を短くしてもダイヤフラム部
23には過剰な応力集中が起きない。よって、外径寸
法、軸長ともに小さくしたシルクハット型撓み噛み合い
式歯車装置を実現できる。
Description
性外歯歯車が組み込まれたシルクハット型撓み噛み合い
式歯車装置に関するものである。さらに詳しくは、本発
明は、シルクハット形状の可撓性外歯歯車の応力集中を
緩和して外径寸法を小さくできるようにしたシルクハッ
ト型撓み噛み合い式歯車装置に関するものである。
可撓性外歯歯車がシルクハット形状をした形式のものが
知られている。本明細書では、この形式の装置をシルク
ハット型撓み噛み合い式歯車と呼ぶものとする。図6に
は、シルクハット型撓み噛み合い式歯車装置の可撓性外
歯歯車を、その装置軸線を含む平面で切断した縦断面図
を示してある。この図に示すように、可撓性外歯歯車1
は、円筒状の胴部2と、この基端側開口端に連続した内
周端部を備えた環状のダイヤフラム部3と、このダイヤ
フラム部3の外周端部に連続している環状の厚肉のボス
部5を備えている。胴部4の先端側開口端の外周部分に
は周方向に向けて外歯4が一体成形されている。
回転部材等を貫通させた状態に配置する場合等に都合が
よい。すなわち、可撓性外歯歯車のダイヤフラム部3が
胴部2の端から半径方向の外側に広がっているので、胴
部3の内側空間を貫通させて回転部材等を配置できる。
しかし、ダイヤフラム部3が半径方向の外側に向けて広
がっているので、コップ型の可撓性外歯歯車が組み込ま
れたコップ状撓み噛み合い式歯車装置に比べて、装置の
外径寸法が大きくなる。装置の外径寸法を小さくするた
めにはダイヤフラム部3の外径を小さくすればよい。し
かしながら、図6において矢印で示すように、ダイヤフ
ラム部3には、波動発生器(図示せず)によって半径方
向に撓められた胴部2の変形によって、大きな曲げ応力
が繰り返し作用する。このため、ダイヤフラム部3の径
を小さくすると、それに逆比例して、ダイヤフラム部3
の内周端部3a、および外周端部3bに発生する応力が
増加してしまう。この結果、これらの内周端部、外周端
部に応力集中が発生してしまい好ましくない。
6号公報において、このダイヤフラム部の厚さを中央部
分で薄くし、両端部分で厚くし、これにより、ダイヤフ
ラム部の内周端部および外周端部での応力集中を緩和す
る構成を提案している。
開示の考案の改良に関するものである。上記公報におい
ては、ダイヤフラム部の厚さを中央部分で薄くする点を
開示しているのである。
ために、このシルクハット型撓み噛み合い式歯車装置に
おけるシルクハット型可撓性外歯歯車の応力発生状態を
検討すると共に多数の実験を行なった。
のであり、一層効率良くダイヤフラム部の応力集中を緩
和でき、また、この部分に発生する応力状態を均一化で
きるダイヤフラム部の形状を提案することを目的として
いる。
歯歯車と、この内側の可撓性の外歯歯車と、この内側に
配置されて当該外歯歯車を半径方向に撓めて前記剛性内
歯歯車と部分的に噛み合わせると共に、これらの噛み合
わせ位置を円周方向に回転させる波動発生器とを有し、
前記外歯歯車は、一方の開口端側の外周面に外歯が形成
された筒状の胴部と、この胴部の他方の開口端に対して
内周端部が連続している環状のダイヤフラム部と、この
ダイヤフラム部の外周端部に連続して形成されている環
状のボス部とを有するシルクハット形状をしているシル
クハット型撓み噛み合い式歯車装置において、可撓性外
歯歯車の断面形状を次のように設定している。
の装置軸線を含む平面で切断した場合の断面形状は、そ
の内周端部の厚さをt(A)、その外周端部の厚さをt
(C)、内周端部と外周端部のほぼ中央の部分の厚さを
t(B)とすると、t(A)を最大厚さ、t(B)を最
小厚さに設定すると共に、t(A)>t(C)>t
(B)となるように設定している。
端に向けての応力分布の変化を滑らかにするために、外
歯歯車のダイヤフラム部の前記断面形状を、少なくとも
一方の表面輪郭形状が複数の曲線によって規定して滑ら
かに肉厚を変化させるようにすることが好ましい。
さt(A)と前記中央の部分の厚さt(B)の関係は、
t(A)/t(B)が約1.5から約2.2の範囲内の
値となるようにすることが好ましい。また、外周端部の
厚さt(C)と前記中央の部分の厚さt(B)の関係
は、t(C)/t(B)が約1.4から約2.0の範囲
内となるように設定することが好ましい。
部では、内周端部から外周端部に沿っての応力分布がな
だらかになる。また、内周端部および外周端部での応力
集中も回避される。この結果、ダイヤフラム部の外径寸
法を小さくできる。
明する。
型撓み噛み合い式歯車装置の全体構成を示してある。こ
の図において、装置11は、環状の剛性内歯歯車12
と、この内側に配置されたシルクハット形状の可撓性外
歯歯車13と、この内側にはめ込まれた楕円状の波動発
生器14から構成されている。可撓性外歯歯車13は、
円筒形の胴部22と、その基端開口に連続した内周端部
23aを備えた環状のダイヤフラム部23と、このダイ
ヤフラム部23の外周端部23bに連続して一体形成さ
れた厚肉の環状ボス部25を備えている。胴部22の先
端側開口端の外周部分には周方向に向けて外歯24が一
体形成されている。環状のボス部25は、他の部材(図
示せず)への取付けのためのものであり、このボス部2
5によって胴部22およびダイヤフラム部23は片持ち
状態で支持される。
と、その外周に嵌めた楕円形の剛性カム板14bと、こ
の外周に嵌めたボールベアリング14cから構成されて
いる。波動発生器14によって、可撓性外歯歯車の外歯
24が形成されている胴部22の部分が楕円形に撓めら
れ、楕円形の長軸両端に位置する2箇所の外歯部分が剛
性内歯歯車12の内歯12aに噛み合わされる。この状
態で波動発生器14が装置軸線11aを中心として回転
すると、これらの噛み合い位置が円周方向に回転する。
この回転によって、外歯と内歯の歯数差に応じて、これ
らの可撓性外歯歯車13と剛性内歯歯車12の間には相
対回転が発生する。したがって、例えば、剛性内歯歯車
12を固定し、波動発生器14を高速回転入力要素とす
れば、外歯歯車13は減速回転出力要素となり、ここか
ら減速された回転出力が得られることになる。
歯歯車13の装置軸線11aを含む平面で切断した縦断
面を示す図である。また、図4には、可撓性外歯歯車1
3のダイヤフムラ部を拡大して示してある。各部分の断
面形状は、装置軸線11aを含む平面で切断して見た場
合に次のようになっている。まず、外歯歯車13の胴部
22の内周面は、その先端側開口端22aから装置軸線
11aに平行な直線22bによって規定されている。こ
の直線22bの基端側の点22cは、この直線22bに
滑らかに連続する円弧22dに繋がっている。円弧22
dの他端側はA点において、ダイヤフラム部23の裏面
を規定している装置軸線11aに直交する直線231に
滑らかに連続している。この直線231の他端である外
周側の端はC点において、ボス部25の裏面側に連続し
ている円弧25aに滑らかに連続している。円弧25a
の他端は、装置軸線11aに直交する直線25bに繋が
っている。
外周面は、基本的には、内周面側の直線22bに平行な
直線22eによって規定されている。胴部22の先端側
の外周部分には前述したように外歯24が一体成形され
ている。この直線22eの端は、中心がO1点の凸円弧
22fに滑らかに連続している。この円弧22fは、中
心がO2の凹円弧22gに滑らかに連続している。さら
に、この凹円弧22gは、これよりも曲率の小さな中心
がO3である凹円弧22hに滑らかに連続している。こ
の凹円弧22hは、曲率の大きな中心がO4である凹円
弧22iに滑らかに連続している。このように、胴部2
2の基端側の部分は、円弧22gによって、直線22
b、22eにより規定される胴部22の厚さt(22)
よりも薄い薄肉部分が形成されている。
側を規定している中心がO5の円弧233に滑らかに連
続している。この円弧233は、ダイヤフラム部23の
ほぼ中心位置、すなわちA点とC点の中央の位置である
B点において、これよりも曲率が僅かに大きな中心がO
6の円弧234に滑らかに連続している。円弧234の
他端は、ボス部25の表面を規定している装置軸線11
aに直交する直線25cに滑らかに連続している。この
ように、ダイヤフラム部23は、裏面側が直線231で
規定され、表面側が2つの円弧233、234により規
定されている。
部23の中央であるB点で連続している。したがって、
これらの直線、円弧により規定されるダイヤフラム部2
3の厚さは、その中央位置であるB点での厚さt(B)
が最小厚さとなる。また、ダイヤフラム部23の内周端
部であるA点での厚さt(A)が最大厚さとなる。さら
には、ダイヤフラム部23の外周端部であるC点での厚
さt(C)は、厚さt(A)よりも僅かに薄い厚さとな
る。
を規定した撓み噛み合い式歯車装置11においては、そ
の動作時にダイヤフラム部23に発生する応力の分布
は、従来に比べてなだらかで均一化される。また、その
内周端部、外周端部での応力集中も充分に緩和される。
したがって、従来に比べて、ダイヤフラム部23の外径
寸法を小さくできる。すなわち、図3における装置外径
寸法Dを小さくすることができる。また、ダイヤフラム
部23に発生する応力を低減できるので、胴部22の長
さL(22)を短くすることができる。
て、ダイヤフラム部23の内周端部に連続する部分に薄
肉部分を形成してある。本発明者等の実験によれば、こ
の部分は発生応力が小さい部分である。よって、この部
分を隣接する胴部22の厚さに比べて薄くすることによ
り、胴部22からダイヤフラム部23にかけての応力分
布を均一化することができる。
およびC点の厚さは、最小厚さt(B)に対して次の範
囲内に設定すると、ダイヤフラム部23の内周端部から
外周端部にかけての応力部分がなだらかになり、内周端
部および外周端部での応力集中が緩和されることが確認
された。
ために、2つの円弧233、234を用いている。しか
し、3つ以上の円弧を用いて、ダイヤフラム部23の厚
さを規定してもよい。また、ダイヤフラム部23の裏面
側は直線231によって規定しているが、この代わりに
曲線を用いて、表面側を直線より規定するようにしても
よい。さらには、ダイヤフラム部23の両面を曲線によ
り規定して、上述した条件を満たす断面形状に設定して
もよい。
肉部分を形成してあるが、この代わりに胴部22の内周
面側にこのような薄肉部分を形成してもよい。あるい
は、この部分を、外周面および内周面の双方において凹
曲線により規定して、薄肉部分としてもよい。
部22の薄肉部分221の厚さt(221)は、胴部2
2の厚さt(22)の約80%に設定することが望まし
いことが確認された。
装置11における可撓外歯歯車13のコーニングについ
て考察する。可撓性外歯歯車13は、その内側にはめ込
まれた波動発生器14によって繰り返し楕円形に撓まさ
れる。この変形現象、すなわちコーニングにより波動発
生器14のベアリング14cに作用するコーニング力を
小さくするためには、外歯24の歯筋方向の長さ(歯部
長さ)L(24)を短くすることが好ましい。歯部長さ
L(24)を短くすれば、それに応じて胴部22の軸長
さL(22)も短くすることができる。すなわち、軸長
の短い撓み噛み合い式歯車装置を実現できる。しかる
に、軸長を短くすると、図5に示すように、可撓性外歯
歯車13のコーニング角θが増加する。この結果、ダイ
ヤフラム23の発生応力も増加してしまう。
おけるように、可撓性外歯歯車13の各部分の肉厚さを
設定することにより、その軸長さを短くしても、過剰な
応力集中が発生せず、また発生応力の分布もなだらかに
できることが確認された。
撓性外歯歯車13の胴部22の長さL(22)を、外歯
の開口径すなわち外歯のピッチ円直径D(p)の約20
から約70%の範囲内の寸法に設定することが望ましい
ことが確認された。また、外歯の歯筋方向の長さL(2
4)は実用上、ピッチ円直径D(p)の約10から約3
0%の範囲内の長さにすることが望ましいことが確認さ
れた。
ット型撓み噛み合い式歯車装置においては、そのシルク
ハット形状の可撓性外歯歯車のダイヤフラム部の厚さ
を、中央部分において最小厚さとし、内周端部において
最大厚さとし、外周端部の厚さを内周端部の厚さよりも
薄く、中央部分の厚さよりも厚くなるように設定すると
共に、内周端部から外周端部に沿ってこのような肉厚さ
が形成されるように滑らかに肉厚を変化させるようにし
ている。したがって、本発明によれば、ダイヤフラム部
の内周端部および外周端部の応力集中を緩和でき、しか
も、ダイヤフラム部の発生応力分布を均一化することが
できる。よって、ダイヤフラム部の外径寸法を従来より
も小さくすることができる。また、胴部の長さを短くし
てもダイヤフラム部の内外周端部に過剰が応力集中が発
生することを回避できるので、軸長の短い可撓性外歯歯
車を実現できる。
みならず、軸長も短い小型でコンパクトなシルクハット
型撓み噛み合い式歯車装置を実現することができる。
み合い式歯車装置の概略縦断面図である。
ある。
車を示す縦断面図である。
す部分拡大断面図である。
ニング角の増加を示す説明図である。
の問題点を説明するための説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 環状の剛性内歯歯車と、この内側の可撓
性の外歯歯車と、この内側に配置されて当該外歯歯車を
半径方向に撓めて前記剛性内歯歯車と部分的に噛み合わ
せると共に、これらの噛み合わせ位置を円周方向に回転
させる波動発生器とを有し、前記外歯歯車は、一方の開
口端側の外周面に外歯が形成された筒状の胴部と、この
胴部の他方の開口端に対して内周端部が連続している環
状のダイヤフラム部と、このダイヤフラム部の外周端部
に連続して形成されている環状のボス部とを有するシル
クハット形状をしており、 当該外歯歯車のダイヤフラム部の装置軸線を含む平面で
切断した場合の断面形状は、その内周端部の厚さをt
(A)、その外周端部の厚さをt(C)、内周端部と外
周端部のほぼ中央の部分の厚さをt(B)とすると、t
(A)を最大厚さ、t(B)を最小厚さに設定すると共
に、t(A)>t(C)>t(B)となるように設定し
たことを特徴とするシルクハット型撓み噛み合い式歯車
装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記外歯歯車のダイ
ヤフラム部の前記断面形状は、少なくとも一方の表面輪
郭形状が複数の曲線によって規定されて、その肉厚さが
前記中央の部分から内周端部および外周端部に向けて滑
らかに増加するように設定されていることを特徴とする
シルクハット型撓み噛み合い式歯車装置。 - 【請求項3】 請求項1または2において、前記内周端
部の厚さt(A)と前記中央の部分の厚さt(B)の関
係は、t(A)/t(B)が約1.5から約2.2の範
囲内となるように設定されていることを特徴とするシル
クハット型撓み噛み合い式歯車装置。 - 【請求項4】 請求項1、2または3において、前記外
周端部の厚さt(C)と前記中央の部分の厚さt(B)
の関係は、t(C)/t(B)が約1.4から約2.0
の範囲内となるように設定されていることを特徴とする
シルクハット型撓み噛み合い式歯車装置。
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